JP3406132B2 - 共振タグの製造方法および共振タグ - Google Patents

共振タグの製造方法および共振タグ

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JP3406132B2
JP3406132B2 JP27158995A JP27158995A JP3406132B2 JP 3406132 B2 JP3406132 B2 JP 3406132B2 JP 27158995 A JP27158995 A JP 27158995A JP 27158995 A JP27158995 A JP 27158995A JP 3406132 B2 JP3406132 B2 JP 3406132B2
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松本  剛
忠義 羽田
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チェックポイント・マニュファクチュアリング・ジャパン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振タグの製造方
法および共振タグに係り、特に、電子式検知装置から発
信された所定の周波数を有する電波に共振し、その共振
した周波数と同じ周波数の電波を発信することが可能で
あって、万引き等の盗難を防止する目的で商品に貼付さ
れる共振タグの製造方法および共振タグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、スーパーマーケット、専門
店、デパートおよびCD・ビデオ店等の各種店舗では、
万引き等の盗難を防止する目的で商品に共振タグが貼付
されている。この共振タグは、例えば、店舗の出入口に
設置された電子式検知装置から発信された周波数の電波
に共振し、その共振した周波数と同じ周波数の電波を発
信する共振回路を内蔵した構造を備えている。この共振
タグが貼付された商品は、代金の支払い等、所定の手続
きを終了した後には、当該共振タグの共振周波数特性を
消失させ、前記電子式検知装置による感知がなされない
ようにしている。ここで、この共振周波数特性の消失
は、通常、共振回路を構成するコンデンサの絶縁膜に、
所望の方法により所定の電圧を印加して絶縁破壊を起こ
させることにより行っている。一方、前記所定の手続き
を終了する前の商品が、電子式検知装置が設置されてい
る出入口から出されると、前記共振タグが当該電子式検
知装置から発信された電波に共振し、これが当該電子式
検知装置に感知されて盗難を知らせる警戒音が該電子式
検知装置から発せられる。
【0003】この共振タグに内蔵された共振回路は、一
般的に次のような方法により形成される。すなわち、1
0μm〜30μm程度の厚さを有する絶縁性物質からな
る薄膜、例えば合成樹脂フィルム等の両側に、厚みの異
なる金属膜を形成する。次に、厚みの厚い金属膜によっ
てコンデンサの一方の電極板およびこれに電気的に接続
されるコイル等の電気回路を形成し、厚みの薄い金属膜
によって、当該コンデンサの他方の電極板を形成する。
この電極板も前記電気回路に電気的に接続される。この
工程によって、R,L,C共振回路を形成する。
【0004】このR,L,C共振回路の共振周波数は、
コンデンサの絶縁膜の厚さの変動に大きく影響されるた
め、当該絶縁膜は、厚さにばらつきがでないよう均一な
厚さに形成することが要求される。また、R,L,C共
振回路におけるコンデンサの絶縁膜は、できるだけ低い
電圧で絶縁破壊を起こさせることができるように、なる
べく薄い膜厚で形成する必要がある。
【0005】しかしながら、前記絶縁膜は、押し出し方
法により形成されるため、押し出し機の精度や製造技術
の優劣によってその厚さにばらつきが生じ易いという問
題がある。このため、近年では、前記コンデンサの絶縁
膜に相当する部分を所望の治具により押し潰すことで、
この部分を薄膜化する方法が取られている。また、この
ように、このコンデンサの絶縁膜を薄膜化することによ
り、この部分での絶縁破壊が起き易くなるという利点も
得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た方法により絶縁膜を絶縁破壊した共振タグであって
も、その後、熱や衝撃等が加えられたり、あるいは、絶
縁破壊後、長時間が経過すると、絶縁膜が絶縁破壊前の
状態に復元され、再び電子式検知装置から発信された電
波に共振する可能性があるという問題がある。したがっ
て、例えば、商品の代金を支払った後、共振タグのコン
デンサの絶縁膜を絶縁破壊させ、該共振タグの共振周波
数特性を消失させても、この共振タグが貼付された商品
を他店舗に持ち込んだ際に、当該共振タグがその店舗に
設置された電子式検知装置から発信された電波に共振
し、盗難を知らせる警戒音が該電子式検知装置から発せ
られる可能性があるという問題が発生する。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題とするものであり、低電圧の印加であっ
ても、共振特性を確実に破壊することが可能であること
は勿論のこと、破壊された共振特性が再び破壊前の状態
に復元されることを抑制することで、共振周波数特性を
消失させた共振タグが、検知装置から発信された電波に
再び共振することを防止した共振タグの製造方法、およ
び共振タグを提供することを目的とする。
【0008】さらに、本発明は、電極板同士を短絡させ
ることで、共振特性を完全に破壊可能な共振タグの製造
方法、および共振タグを提供することを目的とする。
【0009】また、このような共振タグを製造するため
に使用される装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、コンデンサを含む共振回路が形成されて
なる共振タグを製造する方法であって、絶縁膜の一方の
面に、コンデンサの一方の電極板と、このコンデンサと
電気的に接続する電気回路を形成する工程と、前記絶縁
膜の他方の面であって、前記一方の電極板と対向する位
置に、前記電気回路と電気的に接続するコンデンサの他
方の電極板を形成する工程と、前記両電極板間に介在す
る絶縁膜を、所定の圧力および所定の温度で熱加圧する
ことにより、当該両電極板間距離を減少させ、かつ当該
絶縁膜に結晶構造の破壊を生じさせて該両電極板間に貫
通する貫通孔を形成する工程と、を備えた共振タグの製
造方法を提供するものである。
【0011】本発明者らは、通常、コンデンサの絶縁膜
として使用可能な絶縁膜に熱加圧を施すことで、当該絶
縁膜のうち結晶化度の低い格子欠陥部分が拡大し、これ
によりその部分で結晶構造が破壊され、その後この部分
が熱収縮を起こして亀裂を生じせしめ、この亀裂がコン
デンサの両電極板間に貫通するガス状物質あるいは空気
が存在する孔状空間に成長することに着目し、この絶縁
膜にコンデンサの一方の電極板から他方の電極板に貫通
する貫通孔(孔状空間)が形成されるまで熱加圧する工
程を見いだした。
【0012】本発明によれば、共振特性を破壊させる際
には、この絶縁膜部分の膜厚が薄膜化されていることに
加え、前記貫通孔部分にアーク放電が起きることによっ
て、貫通孔の内壁に金属電極が付着するため、比較的低
電圧の印加であってもより確実に共振特性を破壊するこ
とができる。また、共振特性を破壊させた後、この貫通
孔に沿って外部からの刺激に対しても破壊され難い強固
な短絡路が形成されるため、所定の方法により共振タグ
の共振特性を破壊させた後で、当該絶縁膜に熱や衝撃等
が加えられたり、あるいは、電極が短絡した後、長時間
が経過しても、この部分が短絡前の状態に復元されるこ
とを防止することができる。また、このように貫通孔が
形成された絶縁膜は、安定した性質となるため、短絡前
の状態で長期に亘って保存しても、当該絶縁膜に支障を
来すことがない。したがって、例えば、商品の発売元
で、商品に共振タグを貼着した後、これを長期に亘って
保存したり、またはこの商品の輸送中等に外部刺激が加
わっても、共振タグの性能に支障を来すことが防止され
る。このため、共振タグの信頼性も向上する。
【0013】この熱加圧の際の圧力と温度は、前記絶縁
膜の膜厚、絶縁膜の種類等に応じて、当該絶縁膜に前記
貫通孔が形成可能である組み合わせを選択する。しかし
ながら、この圧力が高すぎると、コンデンサの絶縁膜と
しての機能に支障を生じる傾向となる。また、低すぎる
と貫通孔が形成されなくなる。したがって、これらを考
慮して最適な圧力を選択する必要がある。一方、前記熱
加圧の際の温度が高すぎると、コンデンサの電極板を構
成する導電性金属や絶縁膜に支障を来たし、低すぎる
と、貫通孔が形成されなくなる。したがって、これらを
考慮して最適な温度を選択する必要がある。また、前記
いずれか一方の電極板に、前記絶縁膜が露出される破断
部が形成されるまで前記熱加圧を行うことで、より一
層、共振特性が復元することが防止される。これは、こ
の破断部が、短絡路を切断しようとさせる熱、衝撃、振
動エネルギーを逃がすとともに、これらの外的刺激を受
けて短絡が復元しようとする際に絶縁膜自身が発する応
力や歪等を逃がすこともできるためである。そしてま
た、前記絶縁膜の薄い膜厚で構成された部分の周囲に隆
起部を形成することにより、前記絶縁膜自身が発する応
力や歪等が、この隆起部の頂点方向にもかかるようにな
るため、前記薄膜化された部分にこの応力や歪等が伝達
されることを抑制できる。したがって、さらに短絡路の
切断を防止することができる。
【0014】また、本発明に係る共振タグの製造方法で
は、前記他方の電極板を前記一方の電極板より薄い膜厚
で形成するとともに、前記一方の電極板側を支持具で支
持し、当該他方の電極板を治具を用いて熱加圧してもよ
い。このように、薄い膜厚で形成された電極板から熱加
圧を行うことにより、前記絶縁膜に、さらに熱を効率よ
く伝導することができ、前記貫通孔を確実かつ容易に形
成することができる。また、他方の電極板を厚く形成す
ることは、例えば、他方の電極板と電気回路とを同一の
導電性金属膜から同時に形成する場合には、当該電気回
路の膜厚も同時に厚くすることができる。したがって、
電気回路の電気抵抗を低くすることも可能となる。
【0015】そしてまた、前記熱加圧を行う際に、耐熱
性弾性部材からなる層と、金属からなる層との二層構造
を備えた支持具を用い、この金属からなる層側で前記一
方の極板側を支持することで、前記絶縁膜に、さらに効
率よく確実に貫通孔を形成することができる。
【0016】また、加熱手段を備え、前記他方の電極板
と接触する側の端部に、軸心に向けて傾いたテーパーが
周設されてなる治具を用い、このテーパーが形成された
側の端面を前記他方の電極板に接触させて熱加圧するこ
とで、前記絶縁膜に、さらに効率よく確実に貫通孔を形
成することができる。ここで、この治具が前記テーパー
を備えていることで、熱加圧後、電極板から治具を離し
易くすることができる。
【0017】さらにまた、本発明は、コンデンサを含む
共振回路が形成されてなる共振タグであって、絶縁膜の
一方の面に、前記コンデンサの一方の電極板と、当該コ
ンデンサと電気的に接続する電気回路が形成され、前記
絶縁膜の他方の面に、当該電気回路と電気的に接続され
る当該コンデンサの他方の電極板が形成されてなり、前
記電極板間に介在する絶縁膜は、他の絶縁膜部分より薄
い膜厚で構成された部分を有し、かつその部分の結晶構
造が破壊されてなるとともに、両電極間に貫通する貫通
孔が形成されてなる共振タグを提供するものである。
【0018】この共振タグは、前述したように、コンデ
ンサの電極を短絡させた後で、この部分が短絡前の状態
に復元されることを防止することができるとともに、短
絡前の状態で長期に亘って保存しても、当該絶縁膜に支
障を来すことがない。また、コンデンサの電極を短絡さ
せる際に、この部分の膜厚が薄膜化されていることに加
え、前記貫通孔部分にアーク放電が起こるため、低電圧
の印加であっても共振特性を確実に破壊することができ
る。
【0019】また、本発明に係る共振タグは、前記絶縁
膜の薄い膜厚で構成された部分の周囲に隆起部が形成さ
れた構造とすることもできる。
【0020】そしてまた、本発明に係る共振タグは、コ
ンデンサのいずれか一方の電極板に、前記絶縁膜が露出
された破断部を形成した構造とすることもできる。この
ような構造にすることで、短絡路の切断がさらに防止さ
れる。
【0021】また、本発明は、絶縁膜を熱加圧させるた
めの装置であって、前記絶縁膜の一方を支持する支持具
と、当該絶縁膜の他方を熱加圧する治具とを備え、前記
支持具は、耐熱性弾性部材からなる層と、金属からなる
層との二層構造を備え、前記治具は、加熱手段を備える
とともに、前記他方の電極板と接触する側の端部に、当
該治具の軸心に向けて傾いたテーパーが周設されてなる
装置を提供するものである。この装置を用いることによ
り、絶縁膜を、所定の温度および所定の圧力で簡単かつ
確実に熱加圧することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態に係る共振回路
の平面図、図2は図1に示す共振回路の背面図、図3は
図1のI−I断面の一部を拡大した図、図4は図2の一
部を拡大した図である。
【0024】本発明に係る共振タグは、図1ないし図4
に示すように、絶縁膜1の両面に各々形成され、絶縁膜
1とともにコンデンサ6を構成する電極板8および電極
板9と、絶縁膜1の電極板8が形成されている面に形成
されかつ電極板8および電極板9と電気的に接続するコ
イル5と、を備えて構成されている。この共振タグ10
0は、コンデンサ6およびコイル5により、所定の共振
周波数に対応したR,L,C共振回路を形成する。
【0025】前記電極板8は、電極板9の膜厚より厚い
膜厚で構成された導電性金属膜から構成され、共振タグ
のほぼ中央部に位置している。この電極板8および9
は、後に詳述するが、製造工程で使用する治具の形状と
対応した平面略四角形状を備えており、電極板9の直径
の方が電極板8の直径よりも若干大きく構成されてい
る。
【0026】前記コイル5は、電極板8と同様の厚みを
有する導電性金属膜からなり、図1に示すように、電極
板8の外周に平面的に連続した渦巻状に周設されてお
り、一端が電極板8に接続され、他端が電極板9と電気
的に接続するための導通端子部10Aとなっている。
【0027】前記電極板9は、電極板8より薄い膜厚を
備えた導電性金属膜から構成され、かつ絶縁膜1を挟ん
で、電極板8と対向する位置に形成されている。この電
極板9には、図2に示すように、コイル5の他端に形成
された導通端子部10Aと対向する位置まで延出された
導電部7が接続されている。この導電部7の先端には、
導通端子部10Aと対向する導通端子部10Bが接続さ
れている。電極板9の略中央部には、図3および図4に
示すようなクレーター状の陥没部31が形成され、この
陥没部31の略中央に破断部17が形成されている。こ
の陥没部31の位置において、両電極板8および9間の
距離は、他の部分よりも短くなっている。また、この陥
没部31の周囲は、他の部分よりも盛り上がった隆起部
26となっている。
【0028】一方、前記絶縁膜1は、この陥没部31の
位置において、薄膜化されており、その結晶構造が破壊
されている。そして、この結晶構造の破壊により、両電
極板8および9間に貫通する亀裂状の貫通孔18が形成
されている。
【0029】この共振タグ100は、図12に示すよう
に、電極板8およびコイル5が形成されている面には、
接着剤23を介して離型紙24が、電極板9が形成され
ている面には、接着剤21を介して上質紙22が貼着さ
れている。この構成により、前記共振タグ100は、離
型紙24を剥すことにより、接着剤23を介して、商品
の所定位置に貼着される。
【0030】この共振タグ100は、通常、8.2MH
zの検知周波数で共振する特性を有することが望まれ
る。なお、本実施の形態では、コンデンサ6の電極板8
の対角線を18mmとし、電極板9の対角線を19mm
に設定した。
【0031】この共振タグ100は、図6ないし図12
に示す工程により製造される。また、この製造工程のフ
ローチャートを図5に示す。なお、ここでは、絶縁膜と
して、ポリエチレン樹脂フィルムを使用し、導電性金属
として、AA規格(アメリカ・アルミニウム協会制定の
規格)の1235に相当する品種のアルミニウムを使用
した場合について説明する。
【0032】先ず、図6に示す工程、すなわち、図5に
示すステップ1(S1)では、膜厚26μmの絶縁膜1
の一方の面に、膜厚50μmの導電性金属膜2を形成
し、他方の面に、膜厚12μmの導電性金属膜3を形成
する。この導電性金属膜2および3は、例えば、押し出
し法やヒート・ラミネーション法等により形成すること
ができる。具体的には、押し出し法を使用した場合、絶
縁膜1を構成する樹脂を溶融し、押し出し機のTダイよ
り押し出された絶縁膜(フィルム)1と、導電性金属膜
2および3とを直接貼り合わせることにより形成する。
一方、ヒート・ラミネーション法を使用した場合、所定
の温度に加熱された加工機械のロール間に、絶縁膜1を
構成する樹脂膜および導電性金属膜を通すことにより、
当該ロールの圧力により両者の接着を可能にする熱圧着
により形成する。
【0033】なお、図6に示す三層構造の可撓性シート
は、その後の加工性を考慮して、300g/cm以上の強
度を備えていることが望ましい。
【0034】また、絶縁膜1と導電性金属膜2および3
とのより高い接着強度を得るためには、両膜の表面ある
いは一方の膜の表面を活性化させることが有効である。
この方法としては、例えば、コロナ放電処理がある。ま
た、各々の膜の間に接着剤層を設けてもよい。この場合
には、接着剤としては、絶縁膜1を構成する樹脂と同一
の樹脂系のものを選択することが望ましい。次に、図7
に示す工程、すなわち、図5に示すステップ2(S2)
では、図6に示す工程で得た導電性金属膜2上に、例え
ば、塩化酢酸ビニルまたはポリエステル系の耐エッチン
グ性インクにより、コンデンサの電極板形成用パターン
11A、コイル形成用パターン11Bおよび導通端子部
形成用パターン11Cを印刷する。また、導電性金属膜
3上に、前記と同様のインクにより、コンデンサの電極
板、導電部および導通端子部形成用パターン11Dを印
刷する。なお、ここでは、このパターン11Aないし1
1Dは、グラビア印刷により印刷する。
【0035】次いで、図8に示す工程、すなわち、図5
に示すステップ3(S3)では、図7に示す工程で得た
パターン11Aないし11Dをマスクとして、導電性金
属膜2および3にエッチング処理を行い、電極板8およ
び9、コイル5、導電部7、導通端子部10Aおよび1
0Bを形成する。このエッチング処理では、例えば、酸
性のエッチング液、具体的には、塩化第二鉄溶液に各種
添加剤を混入したものを使用した。
【0036】次に、図9に示す工程、すなわち、図5に
示すステップ4(S4)では、導通端子部10Aと導通
端子部10Bとの間を短絡部分20により導通させる。
これにより、共振タグの小型化が達成される。
【0037】次いで、図10に示す工程、すなわち、図
5に示すステップ5(S5)では、加熱治具12と支持
具30とにより、電極板8と電極板9との間に存在する
絶縁膜1に、貫通孔18が形成されるまで熱加圧処理を
行う。
【0038】ここでは、この熱加圧処理に使用する加熱
治具12として、直径3〜5mmの円筒形本体の先端
に、約60度の勾配で、端面直径が0.7mmの円錐形
を備えた鋼鉄製の治具を使用する。この加熱治具12
は、適宜手段で任意の温度に発熱するようになってい
る。また、図示しない昇降機構によって、上下に昇降可
能となっており、任意の圧力で被押圧部材を押圧可能と
なっている。
【0039】一方、支持具30は、受け台16と、受け
台16上に形成された厚さ2〜3mm、JISA(ゴム
硬度)60度のシリコンラバー15と、シリコンラバー
15上に形成された厚さ0.3mmの鋼板14と、から
構成されている。
【0040】この加熱治具12と支持具30を用いた熱
加圧処理は、以下に示す方法により行う。
【0041】先ず、支持具30の鋼板14上に、図9に
示す工程で得られた共振回路チップを位置決めして載置
する。次に、図11に示すように、ゲージ温度で370
℃〜400℃に加熱された加熱治具12を用い、電極板
9部分を所定の圧力で、0.3秒〜0.5秒間熱加圧す
る。
【0042】ここで、ゲージ温度とは、加熱治具12を
保持している(図示せず)ホルダーの温度のことであ
る。
【0043】この熱加圧により、電極板8と電極板9と
の間に介在する絶縁膜1が電極板9を通して加熱・押圧
され、この絶縁膜1のうち結晶化度が低い構造部分の結
晶構造が破壊される。この結果、この部分が熱収縮を起
こし、図3および図11に示すように、ガス状物質ある
いは空気が存在する直径50〜100μmの貫通孔18
が形成される。この貫通孔18の存在により、コンデン
サ6を構成する電極板8および9を短絡させる際に、こ
の部分にアーク放電が起こることによって、電極板8お
よび9が貫通孔18の内壁に付着するため、電極板8お
よび9を確実に短絡させることができる。さらにまた、
前記熱加圧処理により、図3および図11に示すよう
に、コンデンサ6を構成する絶縁膜が、0.2μm程度
に薄膜化されるとともに、絶縁膜1の形状が加熱治具1
2の先端の形状に沿って変形する。さらに、この時の圧
力および熱により、押圧されたアルミニウム膜3の略中
央部分が、図3および図4に示すように破断され、絶縁
膜1が露出された破断部17が形成される。このため、
短絡された電極板8および9が、短絡前の状態に復元さ
れることをさらに防止することができる。これは、破断
部17が、電極板8および9を復元しようとさせる衝撃
や振動エネルギーを逃がすとともに、電極板8および9
が復元しようとする際に発生する応力や歪等を逃がすた
めである。
【0044】このように、コンデンサ6を構成する絶縁
膜に結晶構造の破壊を生じさせ、貫通孔18が形成され
るまで、かつ導電性金属膜3に破断部17が形成される
まで熱加圧を行うことで、所定の方法により短絡された
電極板8および9に熱や衝撃等が加えられたり、あるい
は、短絡後、長時間が経過しても、この部分が短絡前の
状態に復元することを防止することができる。
【0045】ここで、膜厚が26μmの誘電体(絶縁
膜)を備えたコンデンサの絶縁膜を絶縁破壊するための
電圧は、通常、4000V以上必要であるが、これは共
振タグの共振周波数特性を消失させるには高すぎるとい
う問題がある。本発明に係る共振タグは、前述したよう
にコンデンサ6の絶縁膜を0.2μm以下に薄膜化する
ことができるとともに、貫通孔18を介して電極板8お
よび9が短絡するため、5〜10V程度の低い電圧を加
えるだけで共振タグの共振周波数特性を消失させること
ができる。
【0046】次に、図12に示す工程、すなわち、図5
に示すステップ5(S5)では、図10に示す工程で得
た共振回路チップの導電性金属膜3側の面に、アクリル
系樹脂接着剤層21を形成した後、この接着剤層21を
介して上質紙22(55g/m2)を貼り合わせる。ま
た、この共振回路チップの導電性金属膜2側の面に、ゴ
ム系粘着剤層23を形成した後、この粘着剤層23を介
して離型紙24(60g/m2)を貼り合わせる。
【0047】以上の工程により、コンデンサ6を含む共
振回路が形成されてなる共振タグ100を得る。この共
振タグ100は、離型紙24を剥して所望商品の所望位
置に容易に貼着することができる。
【0048】次に、この共振タグ100を用い、コンデ
ンサ6を構成する電極板8および9を短絡させた後、こ
れに熱や振動を加え、当該電極板8および9の復元性を
調査したところ、この電極板8および9は短絡された状
態を保っていることが確認された。また、共振タグ10
0のコンデンサ6を構成する部分の電極板8および9を
短絡させた後、これを長期に亘って保存したところ、電
極板8および9は短絡された状態を保っていることが確
認された。
【0049】なお、絶縁膜1としては、ポリエチレン樹
脂フィルムの他、物理特性の誘電正接値が小さく、設計
された回路の周波数に相応した正確な厚さ公差が維持で
きるものであれば、例えば、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリエステル等の合成樹脂を使用することもでき
る。また、絶縁膜1の厚さは、共振タグの商品設定(サ
イズ、周波数、性能等)や、成膜に使用される機械の厚
さ制御精度、エッチング加工を含めたそれ以降の機械加
工に耐える材料強度等を十分に満たす範囲で決定すれば
よい。しかしながら、共振回路のコンデンサ容量が所定
の設計値の範囲内に収まるためには、絶縁膜1の厚さの
ばらつきを所定範囲内に納める必要がある。本実施例の
条件では、絶縁膜1の厚さ(熱加圧処理前の厚さ)を2
6μm±1.5μm程度とすることが好適であるが、こ
の厚さに限定されるものではない。
【0050】また、導電性金属膜2および3としては、
AA規格の1235に相当するアルミニウムの他、例え
ば、AA規格の1050,1100等に相当するアルミ
ニウムや、所望の品種のアルミニウム、金、銀、銅等や
種々の合金等、所望の導電性金属を使用することができ
る。
【0051】そしてまた、R,L回路として使用される
導電性金属膜2の膜厚は、電気抵抗値を低くする目的
で、50μmとしたが、これに限らず、導電性金属膜2
の膜厚は、使用する導電性金属の種類や形成する共振回
路、あるいは製造方法等に適した厚さ、大きさにすれば
よい。また、導電性金属膜3の膜厚は、回路形成のため
のエッチング加工を容易にし、加工コストを低減させる
目的で、12μmと薄くしたが、これに限らず、導電性
金属膜3の膜厚は、使用する導電性金属の種類や形成す
る共振回路等に適した厚さおよび大きさにすればよい。
ここで、導電性金属膜3は、コンデンサ6の電極板9、
導電部7および導通端子部10Bとしてのみ使用される
ため、その膜厚を12μmと薄くしても共振タグの性能
等に悪影響を及ぼすことがない。
【0052】なお、原料コストを考慮すると、絶縁膜1
をポリエチレン樹脂で構成し、R,L,C回路を構成す
る導電性金属としてアルミニウムを使用することが好適
である。ここで、アルミニウムは、物性面、特に接着性
に関してもポリエチレン樹脂に接着し易く特に好まし
い。さらに、可撓性に関してもアルミニウムが特に優れ
ている。一方、ポリエチレン樹脂は、低密度、中密度、
高密度のいずれも使用可能であるが、共振タグとしての
性能および機械加工上の材料強度の点から中密度以上の
ものを用いることが好ましい。
【0053】また、共振回路形成用パターンは、グラビ
ア印刷により形成する他、シルクスクリーン印刷、フレ
キソ印刷、凸版印刷等の各種印刷方法により形成するこ
ともできる。そしてまた、共振回路パターンを形成する
際に使用するエッチング液としては、塩化第二鉄溶液に
各種添加剤を混入した液の他、使用するインクや、エッ
チング条件、被エッチング物(すなわち導電性金属膜)
等により、酸性液、アルカリ性液等、所望により選択す
ることができる。また、エッチング処理の際のエッチン
グ液の温度や濃度、エッチング速度等も所望により決定
すればよい。また、エッチング方法としては、どぶ漬
け、スプレイ方式等、各種方法を用いることができる。
スプレイ方式を採用した場合には、エッチング液噴射ノ
ズル先端の液圧等を適格に制御することが望まれる。
【0054】また、コンデンサ6を構成する絶縁膜に熱
加圧を行う際の加熱治具12の温度は、前述した条件で
は、370〜400℃に設定したが、これに限らず、加
熱治具12の温度は、加熱治具12の共振回路チップに
対する圧力や支持具30との関係や導電性金属膜の種類
や膜厚等により、共振回路に支障を来すことなく前記絶
縁膜に貫通孔を形成可能な温度であればよく、例えば、
導電性金属としてアルミニウムを用い、絶縁膜としてポ
リエチレンを使用した場合には、200〜500℃程度
が好適である。また、加熱治具12による熱加圧時間
は、0.3〜0.5秒間に設定したが、これに限らず、
熱加圧時間は、加熱治具12の温度や圧力、支持具30
との関係や導電性金属膜の種類や膜厚等により、共振回
路に支障を来すことなく前記絶縁膜に貫通孔を形成可能
な時間であればよい。
【0055】また、本発明で使用可能な加熱治具12
は、本実施例で紹介した形状に限られるものではなく、
共振回路のサイズや構成する材料、必要とされる性能等
により決定すればよい。例えば、加熱治具12の電極板
と接触する端面形状は、円形に限らず、角部がラウンド
状に形成された多角形等、所望の形状から選択できる。
また、加熱治具12の先端を円錐形状にする場合のテー
パーの角度は、軸心に向けて30〜60度程度傾くよう
に設定することが好適である。
【0056】また、本発明で使用可能な支持具30は、
本実施例で紹介した形状に限られるものではなく、共振
回路のサイズや構成する材料、必要とされる性能等によ
り決定すればよい。例えば、支持具30の硬度(JIS
A)は、50〜80度程度とすることが好ましい。ここ
で、支持具30の硬度とは、鋼板14とシリコンラバー
15とを含めた全体の硬度のことを示している。ここ
で、支持具の硬度が高すぎると、絶縁膜の構造まで破壊
してしまい、安定した性能が得られなくなる。一方、硬
度が低すぎると、絶縁膜に貫通孔を形成することができ
なくなる。したがって、硬度は、これらも考慮して決定
する必要がある。
【0057】また、この支持具30は、シリコンラバー
に代えて、例えば、テフロン等の耐熱性弾性部材を使用
してもよい。そしてまた、鋼板に代えて、ステンレス等
の金属板を使用してもよい。そして、シリコンラバーや
鋼板の厚さも、共振回路のサイズや構成する材料、必要
とされる性能等により決定すればよいが、シリコンラバ
ーの厚さは、例えば、1〜5mm程度に設定すること
が、特に好適である。また、鋼板の厚さは、0.2〜
0.5mm程度に設定することが、特に好適である。
【0058】また、本発明の実施の形態では、説明の簡
略化のために、一つの共振タグのみを図示して説明した
が、本発明に係る共振タグは、例えば、幅700〜90
0mm×長さ1200mや、幅200〜300mm×長
さ600m等のロール状に多数同時に図5に示すステッ
プ1〜ステップ6を行ってもよい。この場合には、図5
に示すステップ6で、上質紙および離型紙が貼り合わさ
れた多層積層体は、例えば、平圧式プレスマシーンやロ
ータリー式プレスマシーンにより40mm×40mm等
の製品サイズに合わせてキスカットされた後、離型紙の
みを残して不要な部分は巻き取り除去され、さらに離型
紙を表にして1個のシート状共振タグを有する巻き取り
品(ロール)に加工される。
【0059】そしてまた、共振回路チップに上質紙およ
び離型紙を貼り合わせた共振タグ100について説明し
たが、これに限らず、共振回路チップには、これを良好
に保持でき、商品に容易かつ確実に貼着することが可能
であれば、例えば、プラスチックフィルム等、他の部材
を貼り合わせてもよい。また、貼り合わせに限らず、他
の方法を用いてもよい。そしてまた、本発明に係る共振
タグは、図5に示すステップ6を行わずに使用してもよ
い。
【0060】次に、本発明に係る他の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図13は、本発明の他の実
施の形態に係る共振タグのコンデンサ部分を示す拡大断
面図である。なお、この実施の形態では、前述した実施
の形態で得た共振タグ100と同様の構造および同様の
製造工程から得られる部分に関する詳細な説明は省略す
る。
【0061】この実施の形態に係る共振タグと、前述し
た実施の形態で得た共振タグ100との異なる点は、図
13ないし図16に示すように、導電性金属膜3に破断
部が形成されていない点、および絶縁膜1の薄膜化され
た部分の面積が広いことである。
【0062】この共振タグの製造方法は、以下の通りで
ある。すなわち、この共振タグは、図5に示すステップ
4(導通処理工程)までは、前述した共振タグ100と
同様の製造方法で製造する。
【0063】次に、図5に示すステップ5(熱加圧処理
工程)、すなわち図17に示す工程では、加熱治具12
0と支持具30とにより、コンデンサ106の電極板1
08と電極板109との間に存在する絶縁膜1に、貫通
孔18が形成されるまで熱加圧処理する。この熱加熱処
理の条件は、以下の通りである。
【0064】ここでは、この熱加圧処理に使用する加熱
治具120として、略正方形の本体の先端に、45度の
勾配のテーパーを備え、図15に示す破線のように、対
角線が12mmであって、四隅が面取りされている略正
方形の端面を備えた鋼鉄製の治具を使用する。この加熱
治具120はその内部に、任意の温度に発熱コントロー
ル可能な図示しない発熱体が内蔵されている。また、図
示しない昇降機構によって、上下に昇降可能となってお
り、任意の圧力で被押圧部材を押圧可能となっている。
【0065】ここで、加熱治具120が熱加圧時に熱可
塑性の絶縁膜1と接触すると、べとつきが生じ、これが
プレス面に付着して熱効率が低下するというトラブルが
発生し易い。したがって、この実施の形態では、絶縁膜
1との接触を避けるため、図15に示すように、加熱治
具120の電極板109と接触する端面のサイズを電極
板109より小さくし、また、電極板108のサイズを
電極板109のサイズよりも一回り小さくして行った。
具体的には、電極板108の対角線を9mmとし、電極
板109の対角線を16mmとした。このようにするこ
とで、電極板109の加熱治具120から外側にはみ出
す部分を接触防止カバーとして利用でき、前記トラブル
を解消することができる。また、この加熱治具120に
は、前記テーパーが周設されているため、電極板109
を熱加圧した後、加熱治具120を電極板109から離
す際に、例えば、隆起部26に加熱治具120がひっか
かる等のトラブルが発生することを防止できる。なお、
支持具30は、前述した実施の態様と同様のものを使用
する。
【0066】この絶縁膜1の熱加圧工程は、図10およ
び図11で行った工程と基本的に同じであるが、加熱治
具120のゲージ温度を370〜400℃に設定し、所
定の圧力で、0.3〜0.5秒間、熱加圧する。この熱
加圧により、電極板108と電極板109との間に介在
する絶縁膜1が電極板109を通して加熱・押圧され
る。この時、電極板108と電極板109との間に介在
する絶縁膜1のうち結晶化度の低い構造部分における結
晶構造が破壊され、この部分が熱収縮を起こして亀裂を
生じせしめ、この亀裂がコンデンサ106の両電極板1
08と電極板109との間に貫通するガス状物質あるい
は空気が存在する貫通孔18に成長する。この貫通孔1
8は、図15および16に示すように、コンデンサ10
6の四隅に対応する部分に形成される。さらにまた、コ
ンデンサ106を構成する絶縁膜が、平均18μm程度
に薄膜化されるとともに、絶縁膜1の形状が加熱治具1
20の先端の形状に沿って変形する。
【0067】なお、電極板108および109と、加熱
治具120とのサイズの関係は、前述した通りであるた
め、前記熱加圧を加えても、コイル5、導電部7、導通
端子部10Aおよび10Bは変形せず、最適な形状を保
持することができる。
【0068】その後、前述した共振タグ100と同様の
工程により、コンデンサ106を含む共振回路が形成さ
れてなる共振タグを得る。
【0069】次に、この共振タグを用い、コンデンサ1
06を構成する部分の電極板を短絡させた後、これに熱
や振動を加え、当該電極板の復元性を調査したところ、
この電極板は短絡された状態を保っていることが確認さ
れた。また、この共振タグのコンデンサを構成する部分
の電極板を短絡させた後、これを長期に亘って保存した
ところ、この電極板は短絡された状態を保っていること
が確認された。
【0070】なお、前記熱加圧では、図17に示す形状
の加熱治具120の他、図18に示すように、電極板9
と接触する側の端部にテーパーが形成されていない加熱
治具202を使用してもよい。この加熱治具202を使
用して得られる共振タグも、前述した共振タグと同様
に、通常、8.2MHzの検知周波数で共振する特性を
有することが望まれる。この場合のコンデンサの絶縁膜
の厚さとサイズ(縦×横)との関係を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】また、この場合は、加熱治具202のゲー
ジ温度を370〜400℃に設定し、所定の圧力で、
0.3〜0.5秒間、熱加圧することが好適である。
【0073】また、図13ないし図16に示す形状を備
えた共振タグのコンデンサ106の絶縁膜に貫通孔18
を形成させるための加熱治具102の温度と熱加圧時間
との関係(圧力4Kg/cm2)を表2に示し、圧力と
熱加圧時間の関係(温度250℃)を表3に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】そしてまた、絶縁膜1のコンデンサ106
の四隅に対応する部分に、貫通孔18を形成した場合に
ついて説明したが、これに限らず、共振タグの性能、サ
イズ、製造方法等により任意に決定してよい。さらに、
コンデンサ106とコイル5は、所望によりそのパター
ンを変更してもよいことは勿論である。
【0077】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、コンデンサを構成する絶縁膜を薄膜化することがで
きるとともに、結晶構造を破壊させることができ、コン
デンサの一方の電極板から他方の電極板に貫通する貫通
孔を形成することができる。このため、共振特性を破壊
させる際に、前記絶縁膜の薄膜化に加え、前記貫通孔部
分にアーク放電を発生させることができる。この結果、
電極板が貫通孔の内壁に付着し、低電圧の印加であって
も電極板を確実に短絡させることができる。また、所定
の方法により共振タグのコンデンサの電極板を短絡させ
た後で、当該電極板に熱や衝撃等が加えられたり、ある
いは、短絡後、長時間が経過しても、この部分が短絡前
の状態に復元されることを防止することができる。この
結果、共振周波数特性を消失させた共振タグが、検知装
置から発信された電波に再び共振することを防止でき
る、信頼性の高い共振タグを提供することができる。ま
た、このように貫通孔が形成された絶縁膜は、安定した
性質となるため、共振タグの性能に支障を来すことなく
長期に亘って保存することができる。この結果、共振タ
グの信頼性を確実に向上することができる。さらに、電
極板同士が直接に短絡するため、電極板間のインピーダ
ンスを十分に低くすることができ、共振特性を完全に破
壊することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る共振回路の平面図で
ある。
【図2】図1に示す共振回路の背面図である。
【図3】図1のI−I断面の一部を拡大した図である。
【図4】図2の一部を拡大した図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工程
を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工程
の一部を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工程
の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工程
の一部を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工程
の一部を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工
程の一部を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る共振タグの製造工
程の一部を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る共振タグを示す断
面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る共振回路の平
面図である。
【図14】図13に示す共振回路の背面図である。
【図15】図13の一部を拡大した図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係る共振回路の一
部を示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施の形態に係る共振タグの製
造工程の一部を示す図である。
【図18】本発明の他の実施の形態に係る共振タグの製
造工程の一部を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁膜 2 導電性金属膜 3 導電性金属膜 5 コイル 6 コンデンサ 7 導電部 8 電極板 9 電極板 10A 導通端子部 10B 導通端子部 12 加熱治具 26 隆起部 30 支持具 100 共振タグ 108 電極板 109 電極板 120 加熱治具 202 加熱治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−200955(JP,A) 特開 平7−93671(JP,A) 特開 昭63−56955(JP,A) 米国特許4498076(US,A) 米国特許4567473(US,A) 米国特許4689636(US,A) 国際公開92/09978(WO,A1) 欧州特許出願公開285559(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02 H05K 1/16 H05K 3/22

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサを含む共振回路が形成されて
    なる共振タグの製造方法であって、 絶縁膜の一方の面に、前記コンデンサの一方の電極板
    と、当該コンデンサと電気的に接続する電気回路を形成
    する工程と、 前記絶縁膜の他方の面の前記一方の電極板と対向する位
    置に、前記電気回路と電気的に接続する前記コンデンサ
    の他方の電極板を形成する工程と、 前記両電極板間に介在する絶縁膜を、所定の圧力および
    所定の温度で熱加圧することにより、当該両電極板間距
    離を減少させ、かつ当該絶縁膜に結晶構造の破壊を生じ
    させて該両電極板間に貫通する貫通孔を形成する工程
    と、 を備えた共振タグの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱加圧は、前記いずれか一方の電極
    板に、前記絶縁膜が露出される破断部が形成されるまで
    行う請求項1記載の共振タグの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記他方の電極板を前記一方の電極板よ
    り薄い膜厚で形成し、前記熱加圧工程は、当該一方の電
    極板側を支持具で支持し、当該他方の電極板を治具で熱
    加圧することにより行う請求項1または請求項2のいず
    れか一項に記載の共振タグの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記支持具は、耐熱性弾性部材からなる
    層と、金属からなる層との二層構造を備え、当該金属か
    らなる層側で前記一方の電極板側を支持する請求項3記
    載の共振タグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記治具は、加熱手段を備えるととも
    に、前記他方の電極板と接触する側の端部に、当該治具
    の軸心に向けて傾いたテーパーが周設されてなり、当該
    テーパーが形成された側の端面を前記他方の電極板に接
    触させて熱加圧する請求項3または請求項4記載の共振
    タグの製造方法。
  6. 【請求項6】 コンデンサを含む共振回路が形成されて
    なる共振タグであって、絶縁膜の一方の面に、前記コン
    デンサの一方の電極板と、当該コンデンサと電気的に接
    続する電気回路が形成され、前記絶縁膜の他方の面に、
    当該電気回路と電気的に接続される当該コンデンサの他
    方の電極板が形成されてなり、前記電極板間に介在する
    絶縁膜は、他の絶縁膜部分より薄い膜厚で構成された部
    分を有し、かつその部分の結晶構造が破壊されてなると
    ともに、両電極間に貫通する貫通孔が形成されてなる共
    振タグ。
  7. 【請求項7】 前記絶縁膜の薄い膜厚で構成された部分
    の周囲に隆起部が形成されてなる請求項6記載の共振タ
    グ。
  8. 【請求項8】 前記コンデンサのいずれか一方の電極板
    に、前記絶縁膜が露出された破断部が形成されてなる請
    求項6または請求項7記載の共振タグ。
  9. 【請求項9】 絶縁膜を熱加圧するための装置であっ
    て、前記絶縁膜の一方を支持する支持具と、当該絶縁膜
    の他方を熱加圧する治具とを備え、前記支持具は、耐熱
    性弾性部材からなる層と、金属からなる層との二層構造
    を備え、前記治具は、加熱手段を備えるとともに、前記
    他方の電極板と接触する側の端部に、当該治具の軸心に
    向けて傾いたテーパーが周設されてなる装置。
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