JP3406064B2 - 走査電子顕微鏡の画像記憶装置 - Google Patents

走査電子顕微鏡の画像記憶装置

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JP3406064B2
JP3406064B2 JP12643594A JP12643594A JP3406064B2 JP 3406064 B2 JP3406064 B2 JP 3406064B2 JP 12643594 A JP12643594 A JP 12643594A JP 12643594 A JP12643594 A JP 12643594A JP 3406064 B2 JP3406064 B2 JP 3406064B2
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貢 北沢
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレームメモリを用い
てデジタル画像データを記憶する走査電子顕微鏡の画像
記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡は、高圧発生回路で発生
された高圧を電子銃に印加して電子線を発生させ、その
電子線を収束(コンデンサ)レンズで細く絞ったのち、
走査発振回路及び偏向制御回路により制御される偏向コ
イルの作用によって、試料上で走査する。試料上を電子
線が走査するとき試料から発生される2次電子や反射電
子等の情報信号は、検出器により検出される。検出され
たアナログ情報信号は、そのまま表示装置に入力されて
画像表示に利用されたり、あるいはA/D変換器によっ
てデジタル信号に変換した後フレームメモリに記憶して
利用される。
【0003】デジタル信号に変換された情報信号は、走
査線本数に見合った画素解像度のフレームメモリ、例え
ば走査速度0.5s(水平走査時間1ms、走査線本数
512本)の場合、記憶画素数512×512のフレー
ムメモリに画像データを記憶し、表示回路を通してモニ
タに表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、例え
ば走査速度0.5s(水平走査時間1ms、走査線本数
512本)の場合は、記憶画素数512×512のフレ
ームメモリに画像データを記憶し、走査速度80s(水
平走査時間40ms、走査線本数2048本)の場合
は、記憶画素数2048×2048のフレームメモリに
画像データを記憶する1フレームメモリ記憶方法であ
り、走査線本数により記憶されるフレームメモリが決め
られてしまう。
【0005】従って、フレームメモリに記憶された画像
データを外部装置(光磁気ディスク等の外部記憶装置や
プリンタ等の出力装置)に転送する際には、フレームメ
モリの画素解像度つまり画像を記憶したときの走査線本
数を考慮する必要があった。また、外部記憶装置に画像
データを保存する際には、1フレームの画像データ容量
が大きく外部記憶装置の最大記憶容量により格納できる
画像枚数が制限をうけるため、画像データの記憶容量つ
まりフレームメモリの解像度を考慮する必要があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、操作者に電子顕微鏡の走査速度、走査線本数と
画像データが記憶されるであろうフレームメモリの解像
度の関係を意識させることのない走査電子顕微鏡の画像
記憶装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、画素解像度の異なるデジタル画
像データを記憶する複数のフレームメモリと、画像デー
タを拡大演算又は縮小演算して展開処理を行う画像演算
処理手段とを備え、電子顕微鏡の走査線本数に適合した
フレームメモリに画像データを記憶すると共に、画像演
算処理手段によって画像データを展開処理し、展開処理
された画像データを画素解像度の異なる他のフレームメ
モリ又は出力しようとする外部装置に適合した画素解像
度のフレームメモリに画像データを記憶する。
【0008】画像演算処理は、電子顕微鏡の制御を行う
CPUで行ってもよいし、高速の専用演算器によって行
ってもよい。高速の画像演算処理及び記憶用の専用演算
器を備える場合は、走査線本数に見合うフレームメモリ
に画像データを記憶すると共に、リアルタイムで画像デ
ータの平均化、又は平均補完等の演算を行ない全フレー
ムメモリに画像データを記憶することができる。
【0009】また、外部記憶装置又はプリンタ等の出力
装置に画像データを出力する手段として、画素解像度の
異なる複数のフレームメモリから画像データを任意に選
択する手段、又は外部記憶装置の容量又はプリンタ等の
出力装置の解像度に合わせてフレームメモリを自動的に
選択する手段を設けることができる。例えば、大容量の
画像データを扱うことのできる外部装置には高解像度の
画像データを転送し、容量の少ない画像データしか扱う
ことのできない外部装置へは低解像度の画像データを転
送する。
【0010】
【作用】画素解像度の異なる複数のフレームメモリに各
々画像データを記憶することにより、任意の外部装置に
対してそれに適した所定の画素解像度のフレームメモリ
から画像データを転送することが可能となる。従って、
操作者は電子顕微鏡の走査速度とフレームメモリの関係
を意識する必要がなくなり、装置の操作性が向上すると
共に、使用する外部記憶媒体及び出力媒体の選択範囲を
広げることができる。
【0011】
【実施例】以下、図1、図2を用いて本発明の実施例を
説明する。図1は、本発明による走査電子顕微鏡の一実
施例の装置構成図である。中央演算処理装置1(以下C
PUと呼ぶ)は、走査電子顕微鏡の全ての制御回路をコ
ントロールするものであり、D/A変換器2を介して高
圧発生回路3を制御することにより、電子銃4から電子
線を発生させる。電子銃4から発生された電子線は、レ
ンズ制御回路5によって制御される収束(コンデンサ)
レンズ6で細く絞られる。収束された電子線は、走査速
度等を制御する走査発振回路7、及び電子線を偏向する
偏向制御回路8、偏向コイル9の作用によって試料20
上を走査する。
【0012】試料20上を電子線が走査することによ
り、試料20から2次電子や反射電子等の情報信号が発
生され、この情報信号は検出器12により検出される。
情報信号はA/D変換器21によってデジタル信号(画
像データ)に変換され、フレームメモリへ記憶される。
複数用意されたフレームメモリ13、14、15はそれ
ぞれ画素解像度が異なり、その画素解像度は走査速度及
び走査線本数に合わせて決定されるが、通常は512×
512、1024×1024、2048×2048等の
画素解像度とする。CPU1は走査線本数に見合った画
素解像度のフレームメモリへ画像データを記憶するよう
制御を行なう。例えば、走査速度0.5s(水平走査時
間1ms、走査線本数512本)の場合、512×51
2の画素解像度のフレームメモリ13に画像データを記
憶する。
【0013】本実施例は、走査線本数に見合った特定の
画素解像度のフレームメモリに画像データを記憶すると
ともに、画素解像度の異なる他のフレームメモリには、
記憶した画像データに適切な画像演算を施し、演算され
た画像データを記憶するものである。例えば、上記の例
では、画素解像度512×512のフレームメモリ13
に記憶された画像データに画像演算を施して、画素解像
度1024×1024のフレームメモリ14及び画素解
像度2048×2048のフレームメモリ15に画像デ
ータを記憶する。
【0014】ここで、画素解像度の異なるフレームメモ
リへ画像を展開するために行なう拡大・縮小の画像演算
処理の一例について、図2を用いて簡単に説明する。図
2のパターンBは、走査電子顕微鏡の走査線本数が10
24本の時の画像展開の例である。走査線本数1024
本の場合、まずこの走査線本数に見合った画素解像度1
024×1024のフレームメモリ14に画像データを
記憶する。つぎに画素解像度1024×1024の画像
データに近傍平均値補完による拡大演算処理を行ない、
画素解像度2048×2048のフレームメモリ15に
画像データを記憶する。また、画素解像度512×51
2のフレームメモリ13には、平均化による縮小演算処
理を行なった画像データを記憶する。
【0015】走査電子顕微鏡の走査線本数が512本の
場合は、図2のパターンAに示すように、拡大演算処理
を2回繰り返し、また走査電子顕微鏡の走査線本数が2
048本の場合にはパターンCのように縮小演算処理を
2回繰り返すことにより、解像度の異なるフレームメモ
リへ画像データの展開を行なうことができる。拡大・縮
小演算処理の手法としては、図示したもの以外にも任意
のものを採用することができる。このとき、処理を短時
間で終えたいときは近傍値置換や画素間引き処理を行な
い、処理に余裕があるときは空間フィルタ等の手法を用
いることにより画質の低下を少なくすることができる。
【0016】本発明は以上の如く、画素解像度の異なる
複数のフレームメモリに画像データを記憶させるもので
あるが、次に、フレームメモリに画像データを展開する
タイミングについて説明する。第1の方法として、図1
に示すように、専用演算器10及びワークメモリ11を
備える場合について説明する。専用演算器10は画像デ
ータの拡大・縮小演算処理を高速に行なえるよう構成さ
れた演算器で、汎用のDSP(ディジタル・シグナル・
プロセッサ)等を専用にプログラミングしたものでもよ
い。またワークメモリ11は、画像データのサンプリン
グと演算処理の間の時間のずれを吸収するために、複数
ラインの画像データを一時的に記憶するもので、演算処
理が十分に速ければ省略できる。これらを設けることに
より、電子顕微鏡の走査線本数に見合った画素解像度の
フレームメモリに画像データを記憶しながら、リアルタ
イムにて画素解像度の異なる他のフレームメモリに画像
データを展開し、記憶することができる。
【0017】第2の方法として、図1に示す専用演算器
10及びワークメモリ11を用いずに、画像データの展
開処理をCPU1を用いてプログラム処理で行う場合に
ついて説明する。電子線の走査速度が遅い時、例えば走
査速度80s(水平走査時間40ms、走査線本数20
48本)の場合は、1画素あたりの処理時間を十分長く
とることができるので、画素解像度2048×2048
のフレームメモリ15に画像データを記憶すると共に、
画素解像度の異なる他のフレームメモリ13、14にC
PU1が画像演算処理を施し記憶させることが時間的に
可能である。
【0018】しかし電子線の走査速度が速い場合、例え
ば走査速度0.5s(水平走査時間1ms、走査線本数
512本)においては、画像データの1画素あたりの処
理時間が短い(2μs以下)ため、画素解像度512×
512のフレームメモリ13に画像データを記憶すると
同時に、その画像データに画像演算処理を施し解像度の
異なる他のフレームメモリ14、15に画像データを記
憶する時間的余裕がない。このようなときは、1フレー
ムの画像データの記憶が終了した後、解像度の異なるフ
レームメモリへの展開処理を行なうか、記憶された画像
データを使用する前段階(外部記憶装置18、又は出力
装置19に画像データを転送する時等)に展開処理を行
なうことになる。後者においては、画像データの転送に
必要な解像度のフレームメモリにのみ展開処理を行な
い、処理時間の短縮を計ることも可能である。
【0019】フレームメモリ13、14、15に記憶さ
れた画像データは、外部記憶装置18、又はプリンタ等
の出力装置19に転送されて使用されるが、画素解像度
の異なる複数のフレームメモリに画像データが記憶され
ているため、画像データを転送する際に、画像データの
画素解像度を任意に選択できる。操作者は画像データを
転送する前に希望の画素解像度を選択すれば良く、また
外部装置の容量、解像度に合わせて自動的に解像度を選
択するようプログラムを構成することも可能である。こ
れは例えば、大容量の画像データを扱うことのできる光
磁気ディスクや高精細度のプリンタ等の外部装置に対し
ては高解像度の画像データを転送し、容量の少ない画像
データしか扱うことのできないフロッピーディスクや低
精細度プリンタ等の外部装置へは低解像度の画像データ
を転送するように設定すれば良く、こうすることにより
操作者は画像データの解像度を全く意識せずに画像デー
タの転送を行うことができる。
【0020】外部記憶装置又はプリンタ等の出力装置に
たいして自動的に画像データの転送を行うには、選択回
路16に接続されている外部記憶装置18の種類、記憶
容量、あるいはプリンタ等の出力装置19の解像度を予
めメモリ又はディップスイッチ等に覚えさせ、これをも
とにしてCPU1で判断し、そのいずれに画像データを
転送するかによって最適な画素解像度の画像データが転
送されるように画像データを出力すべきフレームメモリ
を決定すればよい。
【0021】本発明は、以上の如き方法により画素解像
度の異なる複数のフレームメモリに画像データを記憶
し、解像度の異なる画像データを選択可能にすること
で、外部記憶装置18にはその記憶容量に見合った画像
ファイリングを可能にし、プリンタ等の出力装置19に
もその解像度に見合った画像印刷ができるようにするも
のである。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、電子顕微鏡の走査速度
をどの様に設定した場合においても、画素解像度の異な
る複数のフレームメモリに画像データを記憶することが
でき、操作者は走査速度、走査線本数とフレームメモリ
の関係を意識すること無く操作できるので、操作性が大
幅に向上する。また、外部記憶装置に画像データを記憶
させる場合、任意の解像度のフレームメモリより画像デ
ータを選択することが可能となり、記憶容量に見合った
画像ファイリングが可能となる。さらに画像プリント、
再生写真撮影等においても、解像度に見合ったフレーム
メモリを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による走査電子顕微鏡の構成
図。
【図2】解像度の異なるフレームメモリへ画像を展開す
るために行なう拡大、縮小の画像演算処理例。
【符号の説明】
1…CPU、2…D/A変換器、3…高圧制御回路、4
…電子銃、5…レンズ制御回路、6…収束(コンデン
サ)レンズ、7…走査発振回路、8…偏向制御回路、9
…偏向コイル、10…演算器、11…ワークメモリ、1
2…検出器、13…512×512フレームメモリ、1
4…1024×1024フレームメモリ、15…204
8×2048フレームメモリ、16…選択回路、17…
表示回路、18…外部記憶装置、19…出力装置、20
…試料、21…A/D変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 英明 茨城県勝田市市毛1040番地 株式会社 日立サイエンスシステムズ内 (56)参考文献 特開 平5−258705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/22 502

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査電子顕微鏡の検出信号をアナログ・
    デジタル変換して画像データとした後、該画像データを
    フレームメモリに記憶する走査電子顕微鏡の画像記憶装
    置において、 画素解像度の異なる複数のフレームメモリと、画像デー
    タを拡大演算又は縮小演算して展開処理を行う画像演算
    処理手段とを備え、電子顕微鏡の走査線本数に適合した
    フレームメモリに前記画像データを記憶すると共に、前
    記画像演算処理手段によって前記画像データを展開処理
    し、展開処理された画像データを画素解像度の異なる他
    のフレームメモリに記憶することを特徴とする走査電子
    顕微鏡の画像記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記画像演算処理手段は画像データの展
    開処理をリアルタイムで行なうことを特徴とする請求項
    1記載の走査電子顕微鏡の画像記憶装置。
  3. 【請求項3】 前記画像演算処理手段は画像データの拡
    大演算処理及び縮小演算処理を専用に行うものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の走査電子顕微鏡の画像記
    憶装置。
  4. 【請求項4】 前記画素解像度の異なる複数のフレーム
    メモリのうちの1つを選択するフレームメモリ選択手段
    を備え、該フレームメモリ選択手段によって選択された
    フレームメモリに記憶されている画像データを外部記憶
    装置又は出力装置に転送可能とすることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の走査電子顕微鏡の画像記憶装
    置。
  5. 【請求項5】 画像記憶装置に接続された外部記憶装置
    の記憶容量又は出力装置の解像度を記憶する記憶手段
    と、当該記憶手段に記憶された前記外部記憶装置の記憶
    容量又は出力装置の解像度をもとに画素解像度のフレー
    ムメモリを自動的に選択する手段と、前記選択されたフ
    レームメモリから前記外部記憶装置又は出力装置に画像
    データを転送する手段を備えることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項記載の走査電子顕微鏡の画像記憶
    装置。
JP12643594A 1994-06-08 1994-06-08 走査電子顕微鏡の画像記憶装置 Expired - Lifetime JP3406064B2 (ja)

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