JP3405256B2 - 圧接型防水コネクタの製造方法 - Google Patents

圧接型防水コネクタの製造方法

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JP3405256B2 JP05458599A JP5458599A JP3405256B2 JP 3405256 B2 JP3405256 B2 JP 3405256B2 JP 05458599 A JP05458599 A JP 05458599A JP 5458599 A JP5458599 A JP 5458599A JP 3405256 B2 JP3405256 B2 JP 3405256B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧接型防水コネク
タ及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来この種の圧接型防水コネクタとし
て、特開平9−92384号公報に記載されたものが知
られている。このものは大まかには、電線を圧接接続し
た圧接端子を複数並べて収容したハウジングの後面側
に、電線を水密状に貫通したゴム栓が設けられ、このハ
ウジングをフレームに形成された収容孔に収容して、ゴ
ム栓で収容孔の入口を塞いだ構造である。 【0003】このものにおいて、電線の圧接は以下のよ
うにして行われる。図11に示すように、ハウジングa
には、圧接刃bを有する圧接端子cが収容されるキャビ
ティdが複数個横方向に並んで形成され、各キャビティ
dの上面に圧接用開口eが設けられるとともに、各キャ
ビティdの後面側にわたって一括型のゴム栓fが一体的
に設けられ、このゴム栓fには各キャビティdと対応し
て電線hを水密状に挿通可能な挿通孔gが形成されてい
る。この場合、挿通孔gの位置は、電線hを圧接端子c
の圧接刃bと干渉することなくその上方に挿通できるよ
うに、圧接刃bよりも高い位置に形成されている。そし
て圧接作業は、ゴム栓fの挿通孔gに電線hを真直に通
してその端末を圧接刃bの上方に持ち来たし、しかる
後、圧接用開口eを通して圧接具により電線hの端末を
圧接刃bに向けて押し下げることにより、電線hの端末
を圧接接続するようになっている(同図の鎖線)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のも
のでは、上記のようにゴム栓fに対する電線hの挿通位
置が圧接刃bの位置よりも高いため、電線hが圧接され
た場合に、ゴム栓fの挿通孔gから前面に突出した部分
が屈曲しつつ下方に引っ張られることになる。そうする
と、電線hが挿通孔gの前端部の下面側を圧縮して、そ
の代わりに上面側に隙間を生じさせ、電線hの回りのシ
ール性が損なわれるおそれがあった。 【0005】また、ゴム栓fの中心よりも高い位置に電
線hを挿通する関係上、挿通孔gの上下で肉厚に差がで
き、弾発力が異なって均一なシールが望めないという問
題もあった。もっとも、挿通孔gの上側の肉厚を大きく
取ればシールは均一にできるようになるが、そうすると
ゴム栓fが大型化してフレームに設けられる収容孔も大
きくせざるを得ず、ひいてはコネクタの大型化を招くと
いう問題があった。本発明は上記のような事情に基づい
て完成されたものであって、その目的は、ゴム栓の挿通
孔を電線の圧接位置に近い箇所に持ち来すことができる
ようにするところにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、圧接端子が収容さ
れたハウジングの後面側には、電線を水密状に挿通可能
な挿通孔を形成したゴム栓が配設され、電線を前記挿通
孔を通して前記圧接端子の圧接刃の側方に挿通したのち
この圧接刃に向けて押し込むことにより圧接接続するよ
うにした圧接型防水コネクタの製造方法において、前記
ハウジングを基盤上に載置する一方、少なくとも前後い
ずれかの面に硬質部を有する前記ゴム栓を、昇降可能な
受け台に対し前記硬質部にて位置決めした状態で載せ、
かつその状態で前記ゴム栓を正規の配設位置よりも上方
に支持しておき、その後に前記電線を圧接する際に前記
受け台を下降させるところに特徴を有する。 【0007】 【0008】 【0009】 【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>ゴム栓は、ハウジングを載置した基盤の傍らに昇降可能
に設けられた受け台に載せられる。この場合、硬質部に
てゴム栓は受け台上に位置決めされる。その状態で挿通
孔に電線が挿通されると、電線は圧接刃と干渉すること
なくその上方に持ち来される。電線が圧接刃に向けて圧
接される際には受け台が下降することに伴ってゴム栓が
正規の配設位置に下降される。 このゴム栓の正規位置へ
の移行は、電線の挿通後であれば、電線の圧接と同時で
もよいし、電線の圧接の前後でもよい。これにより、電
線が圧接刃に対して圧接された位置と、ゴム栓の挿通孔
の位置とを一致または接近させることができる。その結
果、圧接に伴って電線に作用する引張力が挿通孔に及ぶ
ことが回避され、挿通孔の変形が防止できてシール性が
確保される。また、挿通孔をゴム栓の中心部に設定して
も、電線の挿通と引き続く圧接とを行うことができ、そ
の結果、挿通孔の両側の肉厚をほぼ等しくできて、均一
なシールを図ることができる。 【0010】 【0011】 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図10に基づいて説明する。この実施形態では雌
側の防水コネクタを例示しており、図1に示すように、
雌側のフレーム1内に複数のハウジング収容室2が形成
され、各ハウジング収容室2内に、雌側の圧接端子20
の装着されたハウジング10が収容される構造となって
いる。このフレーム1が、図示しない相手の雄側のフレ
ームとシールリング3を介して水密に嵌合されるように
なっている。 【0013】続いて、ハウジング10について詳細に説
明する。ハウジング10は、図2にも示すように、全体
として扁平な方形状に形成され、その内部には複数のキ
ャビティ11が横方向に並んで形成されている。各キャ
ビティ11は、図3にも示すように後面側が開口されて
いる一方、前面側には前面板12が設けられ、この前面
板12には、図示しない相手の雄側端子金具のタブが挿
入される端子挿入口13が形成されている。ハウジング
10の上面は、前端側(図3の右側)の所定範囲と後端
の僅かな部分を除いて全幅にわたって切除されており、
この部分が、図示しない圧接具が挿入される圧接用開口
15となっている。 【0014】各キャビティ11内には、それぞれ圧接端
子20が収容されるようになっている。この圧接端子2
0は、図3及び図4に示すように、先端側に接触片の収
納された箱形の接続部21が設けられるとともに、接続
部21の後方に上面の開口された溝形の圧接部22が設
けられており、この圧接部22には、左右の側壁から内
方に切り起こすことで前後一対の圧接刃23が形成され
ている。圧接部22の後方にはバレル24が設けられて
いる。そして、圧接端子20は各キャビティ11内に後
方から挿入され、図3に示すように、前面板12に当た
ることで前止まりがなされ、また、接続部21の上面に
形成された金属ランス25が、キャビティ11の天井面
に形成された係止孔17に嵌まることで後方への抜け止
め状態で収容されるようになっている。 【0015】ハウジング10の後面には、一括型のゴム
栓30が配設可能とされている。このゴム栓30は、図
2に示すように、全キャビティ11の後面側を覆うこと
のできる大きさであって、上記したフレーム1のハウジ
ング収容室2の入り口に緊密に嵌着可能とされている。
ゴム栓30の正規の配設位置は、図1に示すように、ハ
ウジング10の後面の中央高さ位置である。ゴム栓30
の高さ方向の中央部には、各キャビティ11と対応する
位置ごとに、電線35を水密状に貫通可能な挿通孔31
が形成されている。 【0016】ゴム栓30の後面には、硬質の樹脂板40
が接着等によって張られている。この樹脂板40の外形
は、リップを含んだゴム栓30の外形とほぼ等しく形成
されているとともに、ゴム栓30の挿通孔31と整合し
た挿通孔41が形成されている。 【0017】また、電線35の圧接用に圧接型50が備
えられている。この圧接型50は、図6に示すように固
定の基盤51を有しており、基盤51上には、ハウジン
グ10がリブ52等で位置決めされて定位置で載置され
るようになっている。このハウジング10の載置位置
は、図7に示すように、ハウジング10の後面が基盤5
1の後縁とほぼ等しい位置に設定される。 【0018】基盤51のすぐ後方位置には、ゴム栓30
が載せられる受け台54が、所定のストロークで昇降可
能に設けられている。ゴム栓30は、樹脂板40の下面
が当てられるとともに、図6に示すように、樹脂板40
が受け台54の上面に設けられた突部55で挟持される
ことにより、ハウジング10の後方に位置決めされて載
置可能となっている。 【0019】本実施形態は上記のような構造であって、
続いてその作用を説明する。まず既述したように、ハウ
ジング10の各キャビティ11内に圧接端子20が収容
され、このハウジング10がリブ52で位置決めされ
て、図7に示すように、その後面が基盤51の後縁とほ
ぼ一致した所定位置に載置される。一方、受け台54
は、初めは上昇位置にあって、この受け台54上にゴム
栓30が突部55で位置決めされて載置される。このと
きのゴム栓30は、ハウジング10の真っ直ぐに後方
で、かつゴム栓30の前面がハウジング10の後面と接
触した状態にある。ただし、正規の配設位置よりも上方
にあり、樹脂板40とゴム栓30の挿通孔41,31
は、収容された圧接端子20の圧接刃23よりも高い所
に位置している。 【0020】ハウジング10とゴム栓30のセットが完
了したら、図7の矢線に示すように、樹脂板40の挿通
孔41に電線35が後方から挿通される。電線35の先
端は、ゴム栓30の挿通孔31を通り、圧接端子20の
圧接刃23の上方を通って、その前方に真直に進出する
(図8)。係る状態から圧接型50の可動型(図示せ
ず)が下降駆動され、そこに設けられた圧接具がハウジ
ング10の圧接用開口15を通して下降し、図9に示す
ように、電線35が圧接刃23に向けて押し込まれて圧
接接続され、また、バレル24がかしめられる。同時
に、可動型側に設けられた押圧型が下降して樹脂板40
を押圧するとともに、受け台54が下降位置に下がる。
これにより、ゴム栓30はハウジング10の後面を摺接
しつつ正規の配設位置に下降し、これに伴い、樹脂板4
0並びにゴム栓30の挿通孔41,31が電線35の圧
接位置の少し上の位置まで下がった状態となる。 【0021】上記の圧接工程が終了したら、ハウジング
10並びにゴム栓30が圧接型50から外され、圧接用
開口15がカバー5で閉鎖されることによって、図10
並びに図5に示すハウジング10が形成される。このと
きは、ハウジング10の後面の正規位置にゴム栓30が
配された状態にある。このハウジング10が、雌側のフ
レーム1のハウジング収容室2に後方から挿入され、ゴ
ム栓30がハウジング収容室2の入り口に嵌着されるこ
とは既述したとおりである。 【0022】以上説明したように本実施形態によれば、
ゴム栓30を初めは正規の配設位置よりも上方で支持し
ておき、電線35を挿通したのち圧接すると同時に正規
位置に下降させるようにしたから、電線35を圧接刃2
3と干渉することなく挿通する動作を保証した上で、圧
接時にはゴム栓30の挿通孔31を電線35の圧接位置
に極力近付けることができる。その結果、圧接に伴って
電線35に作用する引張力がゴム栓30の挿通孔31に
及ぶことが極力回避され、挿通孔31の変形が防止でき
てシール性が確保される。また、挿通孔31をゴム栓3
0の高さ方向の中心部に設定しても、電線35の挿通と
引き続く圧接とが行えるから、挿通孔31の上下両側の
肉厚をほぼ等しくできて、均一なシールを図ることがで
きる。 【0023】ゴム栓30には硬質の樹脂板40が一体的
に張られているから、この樹脂板40を受け台54上の
突部55で挟むことにより載置する場合の位置決めを正
確にでき、また樹脂板40を押すことでゴム栓30の下
降動作も正確に行うことができる。 【0024】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態では、ゴム栓の下降動作を電線の圧
接動作と同時に行うようにしたが、電線の挿通後であれ
ば圧接動作の前あるいは後で行うようにしてもよい。 (2)硬質の樹脂板は、ゴム栓の前面側に設けてもよ
い。 【0025】(3)ゴム栓の硬質部を得る手段として
は、別体の樹脂板を貼ることに代えて、2色成形により
形成するようにしてもよい。 (4)また、ゴム栓の位置決めや押さえ動作が正確に行
えれば樹脂板は除去してもよく、そのようなものも本発
明に含まれる。 【0026】(5)上記実施形態ではフレームに装着さ
れるハウジングを例示したが、本発明は、フレームに装
着することなくハウジング単体で相手のハウジングと嵌
合して用いるものにも同様に適用できる。 (6)本発明は、雄側の圧接型防水コネクタにも同様に
適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態に係るハウジングとフレー
ムの断面図 【図2】ハウジングの分解斜視図 【図3】圧接端子の収容されたハウジングの断面図 【図4】圧接端子の平面図 【図5】組み付け完了時のハウジングの斜視図 【図6】ハウジングとゴム栓の圧接型へのセット時の斜
視図 【図7】圧接工程における電線の挿通前の状態の断面図 【図8】電線の挿通が完了した状態の断面図 【図9】圧接が完了した状態の断面図 【図10】組み付け完了時の断面図 【図11】従来例の断面図 【符号の説明】 10…ハウジング 11…キャビティ 15…圧接用開口 20…圧接端子 23…圧接刃 30…ゴム栓 31…挿通孔 35…電線 40…樹脂板(硬質部) 41…挿通孔 50…圧接型 51…基盤 52…リブ 54…受け台 55…突部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−255898(JP,A) 実開 昭61−36980(JP,U) 実開 平4−49479(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 43/01 H01B 17/56 H01R 4/24 H01R 13/52

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 圧接端子が収容されたハウジングの後面
    側には、電線を水密状に挿通可能な挿通孔を形成したゴ
    ム栓が配設され、電線を前記挿通孔を通して前記圧接端
    子の圧接刃の側方に挿通したのちこの圧接刃に向けて押
    し込むことにより圧接接続するようにした圧接型防水コ
    ネクタの製造方法において、前記ハウジングを基盤上に載置する一方、少なくとも前
    後いずれかの面に硬質部を有する前記ゴム栓を、昇降可
    能な受け台に対し前記硬質部にて位置決めした状態で載
    せ、かつその状態で前記ゴム栓を正規の配設位置よりも
    上方に支持しておき、その後に前記電線を圧接する際に
    前記受け台を下降させる ことを特徴とする圧接型防水コ
    ネクタの製造方法。
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