JP3403304B2 - 遠心分離機 - Google Patents

遠心分離機

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JP3403304B2
JP3403304B2 JP34595496A JP34595496A JP3403304B2 JP 3403304 B2 JP3403304 B2 JP 3403304B2 JP 34595496 A JP34595496 A JP 34595496A JP 34595496 A JP34595496 A JP 34595496A JP 3403304 B2 JP3403304 B2 JP 3403304B2
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松本  孝
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株式会社松本機械製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バスケットの回転
により、原液を固形物と液分とに分離する遠心分離機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に遠心分離機は、ベースフレームに
回転自在に支持された回転軸と、該回転軸に取り付けら
れたバスケットと、油圧モータや電動機などの回転駆動
源を用いてバスケットを取り付けた回転軸を高速で回転
駆動する回転駆動装置とを備えている。
【0003】ベースフレームは一方向に突出した筒状の
軸受保持部を有していて、該軸受保持部内に保持された
軸受により回転軸が回転自在に支持されている。バスケ
ットは、円筒状の周壁部と、該周壁部の軸線方向の一端
側に設けられた底壁部と、周壁部の軸線方向の他端側か
ら径方向の内側に突出するように設けられた環状の内つ
ば部と、底壁部の中央部から周壁部の軸線方向の他端側
に突出するように設けられた中空のボス部とを有してい
る。ろ過式の遠心分離機(遠心ろ過機)では、バスケッ
トの周壁部に無数の透過孔が設けられていて、該周壁部
の内側にフィルタが配置される。
【0004】バスケットは、そのボス部の中空部内に軸
受保持部の先端部を位置させて該ボス部の内面を軸受保
持部の外面に小間隙を介して対向させた状態で配置さ
れ、ボス部の先端部が回転軸の先端にネジなどの締結手
段により締結される。
【0005】原液を処理する際には、バスケットを取り
付けた回転軸を高速回転させた状態で、該バスケット内
に原液を供給する。バスケット内に供給された原液は、
バスケットの回転に伴って生じる遠心力により固形物と
液分とに分離される。液分はバスケットの周壁部の内側
に配置されたフィルタと周壁部の透過孔とを通して外部
に排出され、固形物はバスケットの周壁部の内側に堆積
する。
【0006】なお遠心分離機としては、上記のろ過式の
遠心分離機の外に、周壁部に透過孔を有しないバスケッ
トを用いて、該バスケット内に供給した原液を遠心力に
より生じる沈降作用により固形物と液分に分離するよう
にしたもの(いわゆる遠心沈降機)もある。この形式の
遠心分離機では、バスケットの周壁部側に固形物層が形
成され、該固形物層の内側に液分の層が形成される。液
分はバスケット内に挿入されたスキミングパイブにより
汲み出されて外部に排出される。
【0007】本発明が対象とする遠心分離機は、上記い
ずれの形式のものをも包含する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ファインケミカルの分
野で、遠心分離機を用いて薬剤などを製造する際には、
所定数のロットが終了する毎に、バスケットとその周囲
を洗浄して清浄度を高い状態に維持することが必要とさ
れる。この洗浄は、清水などからなる洗浄液を各部に吹
き付けることにより行われるが、バスケットを回転軸に
取り付けたままの状態では、バスケットの底壁部の外側
を十分に洗浄することができない。特に、バスケットの
ボス部はベースフレームの軸受保持部との間に小隙間を
形成した状態で配置されているため、バスケットを回転
軸に取り付けたままの状態では、該ボス部の内側や軸受
保持部の外面を洗浄することが困難である。
【0009】ボス部の内側や軸受保持部の外面を洗浄す
るためには、バスケットを回転軸から取り外す必要があ
るが、バスケットはそのボス部のテーパ孔と回転軸のテ
ーパ部とがきつく嵌合した状態で回転軸に取り付けられ
ているため、バスケットを回転軸から取り外すのは容易
ではない。そのため、バスケットのボス部の内側や軸受
保持部の外面の洗浄を短い周期で行うことは困難であ
り、遠心分離機の清浄度を高める上で限界があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方向に突出
した中空の軸受保持部を有するベースフレームと、ベー
スフレームの軸受保持部内に保持された軸受により回転
自在に支持された回転軸と、回転軸を回転駆動する回転
駆動装置と、回転軸に取り付けられたバスケットとを備
えた遠心分離機に係わるものである。
【0011】バスケットは、円筒状の周壁部と該周壁部
の軸線方向の一端側に設けられた底壁部と周壁部の軸線
方向の他端側から径方向の内側に突出するように設けら
れた環状の内つば部と底壁部の中央部から周壁部の軸線
方向の他端側に突出するように設けられた中空のボス部
とを有していて、ボス部の中空部内に軸受保持部の先端
部を位置させて該ボス部の内面と軸受保持部の外面とを
小間隙を介して対向させた状態で配置され、該ボス部が
締結手段により回転軸の先端部に締結される。本発明に
おいては、回転軸の軸心部に、該回転軸を軸線方向に貫
通した貫通孔を設けて、該貫通孔内にスライド軸を保持
させる。スライド軸は、先端部が回転軸の先端付近に位
置した状態になる後退位置と先端部が回転軸の先端から
所定の長さだけ突出した状態になる前進位置との間を変
位し得るように設ける。スライド軸の先端にはバスケッ
トのボス部に連結される連結部を設けておく。またスラ
イド軸を軸線方向に変位させる流体圧シリンダを設け
て、バスケットのボス部と回転軸との締結を解除し、ス
ライド軸をバスケットのボス部に連結した状態で流体圧
シリンダを駆動してスライド軸を前進位置まで変位させ
たときに、バスケットのボス部とベースフレームの軸受
保持部との間に前記小間隙よりも大きい隙間が形成され
るようにスライド軸の前進位置を設定する。
【0012】通常遠心分離機は、ベースフレームに回動
可能に支持されてバスケットを覆う閉位置と該バスケッ
トを露呈させる開位置との間を変位するバスケットカバ
ーを備えている。この場合、バスケットカバーは、開位
置にあるときにスライド軸の変位に伴うバスケットの変
位を妨げないように設ける。
【0013】流体圧シリンダは、軸受保持部の後端側に
配置することができる。この場合、流体圧シリンダは、
そのピストンロッドの中心軸線をスライド軸の中心軸線
と一致させた状態で配置して、該流体圧シリンダのピス
トンロッドとスライド軸との間を、該ピストンロッドと
スライド軸との間の相対的な回転を許容する継手を介し
て連結する。
【0014】スライド軸とピストンロッドとを連結する
継手としては、中心軸線を回転中心として相対的に回転
し得る状態で相互に結合された第1及び第2の結合部材
を備えたものを用いることができる。この継手は、スラ
イド軸の後端部と流体圧シリンダのピストンロッドとの
間に、スライド軸及びピストンロッドと中心軸線を共有
した状態で配置して、該継手の第1の結合部材及び第2
の結合部材をそれぞれピストンロッドの先端部及びスラ
イド軸の後端部に連結する。
【0015】上記流体圧シリンダは、回転軸の軸心部に
形成した貫通孔内に設けることもできる。例えば、スラ
イド軸の後端部側にピストンを取り付けて、該ピストン
を回転軸の軸心部の貫通孔の内周にスライド自在に嵌合
させるとともに、回転軸の後端部側の開口部を閉鎖し、
回転軸の後端部側から該回転軸の軸心部の貫通孔内に圧
力流体を供給する手段を設けることにより、回転軸の軸
心部の貫通孔とピストンとにより流体圧シリンダを構成
することができる。
【0016】この場合、回転軸の軸心部の貫通孔内に圧
力流体を供給する手段は、例えば、回転軸の後端部側の
周壁部の外周に形成された環状の溝と、この溝内を回転
軸の軸心部の貫通孔内に連通させる連通孔と、回転軸の
後端部の環状の溝が形成された部分の外周に回転軸の回
転を許容する状態で嵌合された環状の継手部材と、該継
手部材を貫通させた状態で設けられて上記環状の溝内に
連通させられた圧力流体供給通路とにより構成できる。
【0017】上記のように、回転軸の軸心部に設けられ
た貫通孔内に保持されたスライド軸と、該スライド軸を
軸線方向に駆動する流体圧シリンダとを設けると、バス
ケットのボス部を回転軸に締結している締結手段を外し
た後、スライド軸の先端の連結部をバスケットのボス部
に連結して流体圧シリンダを駆動することにより、スラ
イド軸とともにバスケットをベースフレームから離れる
方向に変位させて、ボス部の後端部と軸受保持部の先端
部との間に大きな隙間を形成することができる。従っ
て、この隙間を通してバスケットのボス部の内側と軸受
保持部の外面とに洗浄液を吹き付けることにより、ボス
部の内側及び軸受保持部の外面を洗浄することができ
る。
【0018】また上記のように構成すると、スライド軸
を前進位置に変位させた状態で、バスケットの底壁部と
ベースフレームとの間に大きな隙間を形成できるので、
バスケットの底壁部の外面の洗浄を容易に行うことがで
きる。従って、遠心分離機の洗浄作業の際に洗い残す部
分をなくして、遠心分離機の清浄度を高めることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は本発明に係わる
遠心分離機を示したもので、図1は本発明に係わる遠心
分離機の要部の構成を示した断面図、図2は図1の遠心
分離機のバスケットカバーを開いてバスケットのボス部
とスライド軸とを連結した状態を示した断面図、図3は
図1の遠心分離機において図2の状態から流体圧シリン
ダを駆動してバスケットを上昇させた状態を示した断面
図である。また図4は図1の遠心分離機のバスケットの
ボス部と回転軸との締結構造を示した断面図、図5は同
遠心分離機のスライド軸とバスケットとの連結構造を示
した断面図、図6はスライド軸とバスケットのボス部と
の連結構造の変形例を示した断面図である。
【0020】図1において、1は遠心分離機を支持する
架台、2は架台1の上に固定されたベースフレームであ
る。ベースフレーム2はそのほぼ中央部から一方向(図
示の例では上方)に突出した筒状の軸受保持部201を
有している。ベースフレーム2はまた軸受保持部201
の後端部付近を同心的に取り囲む円筒状の固形物排出ダ
クト202を有し、該ダクト202と軸受保持部201
との間は放射状に設けられた複数の板状のリブ203に
より連結されている。ダクト202を同心的に取り囲む
ように周壁部204が設けられ、該周壁部204とダク
ト202との間に、後記するバスケットから排出された
液分を図示しない排液パイプに導く排液通路205が形
成されている。
【0021】軸受保持部201の外面には、該軸受保持
部の先端側(図示の例では上端側)に向うにしたがって
次第に径が小さくなる向きのテーパが付けられている。
軸受保持部201の軸心部には、軸線方向に延びる軸貫
通孔が形成され、該軸貫通孔の先端側及び後端側にそれ
ぞれ設けられた拡大径部内に第1及び第2の軸受3及び
4が保持されている。軸受保持部201の軸貫通孔を貫
通した状態で回転軸5が設けられ、該回転軸5が軸受3
及び4により回転自在に支持されている。
【0022】回転軸5は、その先端部5a及び後端部5
bがそれぞれ軸受保持部201の先端201a及び後端
201bから所定の長さだけ突出するように設けられて
いる。図4に示したように、軸受保持部201の先端か
ら突出した回転軸の先端部5aは、軸受保持部201側
にあって、先端側に向って次第に径が小さくなる向きの
テーパが付けられたテーパ部5a1と、該テーパ部よりも
更に先端側に設けられたネジ部5a2とからなっている。
回転軸5の後端部5b(図1参照)にはプーリ6が取り
付けられ、ベースフレーム2の端部に設けられた駆動源
取付け部206に取り付けられた電動機などの回転駆動
源7の出力軸に取り付けられたプーリ(図示せず。)と
プーリ6との間にベルト8が掛け渡されている。
【0023】軸受保持部201の先端部には、環状の軸
受押え9(図4参照)が取り付けられ、該軸受押え9に
より軸受3の外輪が押さえ付けられている。軸受押え9
と回転軸5との間には、シール材10が設けられ、該シ
ール材により、回転軸5の導出部がシールされている。
【0024】回転軸5には、バスケット11が取り付け
られている。バスケット11は、円筒状の周壁部11a
と該周壁部の軸線方向の一端側に設けられた底壁部11
bと周壁部11aの軸線方向の他端側から径方向の内側
に突出するように設けられた環状の内つば部11cと、
底壁部11aの中央部から周壁部11aの軸線方向の他
端側に突出するように設けられた中空のボス部11dと
を有している。周壁部11aの他端側に位置するボス部
11dの先端部に設けられた端部壁を貫通した状態で、
回転軸のテーパ部5a1のテーパと同じ向きのテーパが付
けられたテーパ孔11e(図4参照)が形成されてい
る。バスケットの底壁部11bには、ボス部11dの後
端部を同心的に取り囲む円筒状のダクト11b1が、該底
壁部11bの外側に突出した状態で設けられ、該ダクト
11b1とボス部11dとの間は放射状に設けられたリブ
11b2により連結されている。ダクト11b1の内側に
は、バスケット内に形成された固形物を排出するための
孔が形成されている。
【0025】バスケット11は、そのボス部11dの中
空部内に軸受保持部201の先端を位置させ、かつ回転
軸5のテーパ部5a1をボス部の先端のテーパ孔11eに
嵌合させた状態で配置され、テーパ部5a1に固定された
キー12(図4参照)がテーパ孔11eに設けられたキ
ー溝に挿入されて、回転軸5とボス部11dとの間の回
り止めが図られている。回転軸5の先端のネジ部5a2に
締結手段としての袋ナット13が螺合され、該袋ナット
13により、ボス部11dが軸線方向に締め付けられ
て、回転軸5の先端部に締結されている。このようにし
て回転軸5にバスケット11を取り付けた状態で、バス
ケットの底壁部に設けられたダクト11b1がベースフレ
ームのダクト202内に挿入され、バスケット内に形成
された固形物が、ダクト11b1内及び202内を通して
外部に排出されるようになっている。
【0026】バスケット11の周壁部11aには無数の
透過孔が形成され、該周壁部11aの内周にはろ布、金
網、微細な孔を無数に有する多孔板等からなるフィルタ
(図示せず。)が取り付けられている。
【0027】本発明においては、回転軸5の軸心部を軸
線方向に貫通した状態で貫通孔5c(図4参照)が形成
されていて、該貫通孔5c内に回転軸の軸線方向にスラ
イドするスライド軸14が保持されている。図示の例で
用いられているスライド軸14は、貫通孔5cにスライ
ド自在に嵌合されていて、その先端部が図1及び図2に
示したように回転軸5の先端付近に位置した状態になる
後退位置と、図3に示したように先端部が回転軸5の先
端よりも所定の長さだけ突出した状態になる前進位置と
の間を変位し得るように設けられている。スライド軸1
4の先端には、該スライド軸をバスケットのボス部に連
結するための連結部として用いるネジ部14a(図4参
照)が設けられている。またバスケットのボス部11d
の先端には、該ボス部11dをスライド軸14に連結す
る連結部として使用されるネジ孔11fが少なくとも3
個周方向に等しい間隔をあけて設けられている。
【0028】ベースフレーム2の軸受保持部201の後
端部(図示の例では下端)には、該軸受保持部201と
軸線を共有するように設けられた円筒状のシリンダ支持
筒15の先端部が接続され、該支持筒15内にプーリ6
が配置されている。シリンダ支持筒15の先端部側に
は、プーリ6に掛けられたベルト8を通すための開口部
15bが形成されている。
【0029】シリンダ支持筒15の後端部(図示の例で
は下端部)側の開口部は底板15aにより閉じられ、該
底板15aの外面に油圧シリンダ等の流体圧シリンダ1
7が取り付けられている。流体圧シリンダ17はそのピ
ストンロッド17aの中心軸線を回転軸5の中心軸線と
一致させた状態で配置されている。ピストンロッド17
aは底板15aに設けられた貫通孔を通してシリンダ支
持筒15内に挿入されて継手18を介してスライド軸1
4の後端部に連結されている。継手18は、中心軸線を
回転中心として相対的に回転し得る状態で相互に結合さ
れた第1の結合部材18a及び第2の結合部材18bを
備えていて、スライド軸14の後端部と流体圧シリンダ
のピストンロッド17aの先端との間に、スライド軸1
4及びピストンロッド17aと中心軸線を共有した状態
で配置されて、該継手の第1の結合部材18a及び第2
の結合部材18bがそれぞれピストンロッド17aの先
端部及びスライド軸14の後端部に固定されている。継
手18としては、例えばロータリジョイントの商品名で
市販されているものを用いることができる。
【0030】継手18の第1の結合部材18aには、ス
ライド軸14と平行に配置されてシリンダ支持筒の底板
15aに設けられた孔にスライド自在に嵌合されたガイ
ドロッド19が固定され、このガイドロッド19により
第1の結合部材18aの回り止めが図られている。
【0031】ベースフレーム2の端部にはカバー取付け
部207が設けられ、該カバー取付け部207にバスケ
ットカバー21が回動自在に取り付けられている。バス
ケットカバー21は椀状に形成されたカバー本体21A
と、該カバー本体21Aの側面に固定された支持腕部2
1Bとを備えていて、支持腕部21Bがヒンジ22を介
してカバー取付け部207に結合されている。カバー本
体21Aは、軸線方向の一端及び他端にそれぞれ開口部
を有していて、軸線方向の一端側の開口部にはフランジ
21A1が設けられ、他端側の開口部は蓋板21A2により
閉じられている。
【0032】バスケットカバー21は、ヒンジ22を中
心にして、図1に示すようにカバー本体21Aが回転軸
5に取り付けられたバスケット11を覆う状態になる閉
位置と、図2に示したようにバスケット11を露呈させ
た状態になる開位置との間をほぼ90度の角度範囲に亘
って回動し得るように設けられている。
【0033】バスケットカバー21が図1に示す閉位置
にある状態では、カバー本体21Aの中心軸線とバスケ
ット11の中心軸線とが一致して該カバー本体21Aの
周壁部がバスケット11の周壁部を同心的に取り囲んだ
状態になるとともに、該カバー本体21Aの開口端のフ
ランジ21A1がベースフレーム2の排液通路205の外
周側に設けられた周壁部204の端面に当接して、バス
ケットの周囲の空間を閉じるようになっている。
【0034】ベースフレームのカバー取付け部207に
は流体圧シリンダ23が取り付けられ、該流体圧シリン
ダのピストンロッド23a(図2参照)が支持腕部21
Bに連結されている。この流体圧シリンダ23により、
バスケットカバー21が閉位置と開位置との間を往復回
動させられる。
【0035】バスケットカバー21の蓋板21A2には、
バスケット11内に原液を供給する給液パイプ25や、
バスケットの内周に形成された固形物を掻き落とす掻取
装置26が取り付けられている。図示の掻取装置26
は、バスケット11の軸線方向に伸びる軸26aに取り
付けられてバスケット11内に挿入された掻取刃26b
と、掻取刃26bのバスケット軸線方向への移動と軸2
6aを中心とした回動とを行なわせるように掻取刃26
bが取り付けられた軸26aを駆動する駆動機構26c
とを備えた公知のものである。
【0036】上記の遠心分離機において、原液の固液分
離処理を行なう場合には、図1のようにバスケットカバ
ー21を閉位置に位置させた状態でバスケット11を高
速回転させ、給液パイプ25からバスケット11内に原
液を供給する。バスケット11内に供給された原液は該
バスケットの周壁部の内周に液層を形成する。該液層は
バスケットの回転により生じる遠心力によって固形物と
液分とに分離され、液分はバスケットの内周に配置され
たフィルタとバスケットの周壁部11aに形成された透
過孔とを通してバスケット11とカバー21との間の空
間に排出される。排出された液分は排液通路205内に
流入し、該排液通路を通して図示しない排液パイプに導
かれる。また分離された固形物はバスケット11の周壁
部11aの内周に層をなして堆積する。
【0037】所定量の固形物が形成されたところで原液
の供給を停止し、バスケット11を脱液速度まで増速し
て、一定時間その速度を保つことにより脱液を行わせ
る。脱液が終了した後、バスケット11内に清水などの
洗浄液を供給して固形物の洗浄を行わせる。固形物の洗
浄が終了した後、バスケットを減速し、該バスケットを
低速で回転させながら掻取刃26bを固形物層中に進入
させて、固形物を掻き落とす。掻き落とした固形物はバ
スケットの底部のダクト11b1とベースフレームに設け
られたダクト202とを通して排出する。
【0038】バスケット11やバスケットカバー21を
洗浄する際には、先ずバスケット11を高速回転させた
状態で該バスケット内に清水などからなる洗浄液を供給
して、バスケット11の内面及びカバー21の内面を洗
浄する。次いで図2に示すように、バスケットカバー2
1を開位置まで回動させてバスケット11を露呈させ、
この状態で、バスケット11の内外面やカバー21の内
面などを洗浄する。
【0039】その後、バスケット11を回転軸5に締結
しているナット13を取り外し、流体圧シリンダ17を
駆動して、そのピストンロッドを僅かに前進させる。こ
れによりスライド軸14の先端を回転軸5の先端より所
定の長さだけ突出させ、図5に示すように、スライド軸
14の先端部とボス部11dの先端部とを連結板30に
より連結する。図示の例では、スライド軸14の先端の
ネジ部14aを連結板30に設けた孔に嵌合させた状態
で、ネジ部14aに螺合させたナット31,32を締め
付けることにより、スライド軸14に連結板30を締結
し、更に、連結板30を貫通させた少なくとも3本のス
タッドボルト33をボス部11dの先端に設けられたネ
ジ孔11fに螺合させるとともに、各ボルト33に螺合
させたナット34及び35を締め付けることにより、連
結板30をボス部11dに固定している。この例では、
連結板30と、ボルト33とナット31,32,34及
び35とにより、スライド軸14の先端をボス部11d
の先端に連結する連結具36が構成されている。
【0040】上記のようにスライド軸14とボス部11
dとを連結具36を介して連結した状態で、流体圧シリ
ンダ17を駆動し、スライド軸14を前進位置側に変位
させて、図3に示すようにバスケット11をベースフレ
ーム2から離れる方向に移動させる。本発明において
は、このようにスライド軸14を前進位置まで変位させ
たときに、バスケット11のボス部11dと軸受保持部
201との間に、バスケットが回転軸5に取り付けられ
ている状態でバスケットのボス部11dと軸受保持部2
01との間に形成される小間隙よりも十分に大きい隙間
が形成されるように、スライド軸の前進位置を設定して
おく。図3に示した例では、スライド軸14が前進位置
に達したときに、バスケットのボス部11dの後端部が
軸受保持部201の先端部よりも軸線方向に所定の距離
dだけ離れた状態になって、バスケットのボス部11d
と軸受保持部201との間に十分大きな隙間が形成され
るようになっている。
【0041】このようにバスケット11を変位させて、
そのボス部11dと軸受保持部201との間に隙間を形
成した状態で、該隙間を通してボス部11dの内側に洗
浄ノズルを挿入して洗浄液を吹き付けることによりボス
部11dの内側の洗浄を行なうとともに、軸受保持部2
01の外面にも洗浄液を吹き付けてその洗浄を行なう。
またこの状態では、バスケットの底壁部11bの外面と
ベースフレーム2との間に大きな隙間が形成されるの
で、バスケットの底壁部11bの外面の洗浄や、ベース
フレーム2の洗浄を容易に行うことができる。
【0042】洗浄が終了した後、流体圧シリンダ17の
ピストンロッドを後退させて、スライド軸14を後退さ
せ、バスケット11をベースフレーム2側に移動させ
る。バスケット11のボス部のテーパ孔11eに回転軸
5のテーパ部5a1を正しく嵌合させた後、連結具36を
取り外して回転軸5の先端のネジ部5a2にナット13を
螺合させ、バスケットのボス部11dを回転軸5に締結
する。
【0043】図6は、スライド軸14とバスケットのボ
ス部11dとの連結構造の他の例を示したものである。
この例では、スライド軸14の先端のネジ部14aが、
該ネジ部14aにつながるスライド軸の先端部よりも小
径に形成されて、該ネジ部14aの基部側に段部14b
が形成され、ネジ部14aが連結板30の孔に嵌合され
た状態で段部14bが連結板30に当接されている。そ
して、連結板30を貫通したネジ部14aにナット32
が螺合され、該ナット32により連結板30がスライド
軸14に締結されている。また連結板30に設けられた
貫通孔を通してボス部11dの各ネジ孔11fに螺合さ
れた頭付きのボルト33´により連結板30がボス部1
1dに締結されている。この例では、連結板30と、ナ
ット32と、ボルト33´とにより、連結具36が構成
されている。
【0044】上記の例では、スライド軸14を前進位置
まで変位させた際にバスケットのボス部11dの後端部
が軸受保持部201の先端部よりも軸線方向に所定の距
離dだけ離れた状態になるように、スライド軸14の変
位量を大きく設定しているが、本発明においては、スラ
イド軸14を前進位置まで変位させた際にバスケットの
ボス部と軸受保持部との間に、洗浄ノズルを挿入するた
めの隙間を形成し得るようにしておけばよく、必ずし
も、スライド軸が前進位置に達したときにバスケットの
ボス部の後端が軸受保持部の先端よりも軸線方向に離れ
た位置にある必要はない。図示の例のように、ボス部1
1d及び軸受保持部201にテーパが付けられている場
合には、ボス部11dをベースフレーム2から離れる方
向に変位させると、ボス部11dと軸受保持部201と
の間の隙間が増大していく。従って、ボス部11d及び
軸受保持部201のテーパ角が比較的大きい場合には、
ボス部11dの後端部と軸受保持部201の先端部とが
一部径方向に対向している状態でも、両者間に洗浄ノズ
ルを挿入し得る隙間を形成することができる。
【0045】上記の例のように、スライド軸14と流体
圧シリンダ17のピストンロッド17aとの結合を、両
者間に相対的な回転を許容する継手18を介して行なう
ようにすると、バスケット11の回転に伴ってスライド
軸14を回転させることができるため、バスケットが回
転する際に、スライド軸14と回転軸5との間にほとん
ど回転が生じないようにすることができ、回転軸5とス
ライド軸14との間に生じる相対的な回転によりスライ
ド軸の外面や回転軸5の軸心部に設けられている孔の内
面が磨耗するのを防ぐことができる。
【0046】上記の例では、流体圧シリンダ17のピス
トンロッド17aの先端とスライド軸14の後端とを継
手18を介して連結するようにしたが、図示の例のよう
に、バスケットの軸線を垂直方向に向けて配置する場合
には、ピストンロッド17aの先端をスライド軸14の
後端に連結することなく、ピストンロッド17aの先端
をスライド軸14の後端に当接させた状態で該ピストン
ロッド17aによりスライド軸を押して変位させるよう
にしてもよい。このように構成した場合には、ピストン
ロッド17aを後退させた際にバスケット11がその自
重により下降して、ボス部のテーパ孔11eと回転軸の
テーパ部5a1とが嵌合した状態になる。この場合、バス
ケット11を回転させる際には、ピストンロッド17a
をスライド軸14に接触しない位置まで後退させてお
く。
【0047】このように、ピストンロッド17aをスラ
イド軸14に当接させた状態で該スライド軸を駆動する
構成をとる場合には、バスケット11が回転軸5に取り
付けられた状態でスライド軸14が回転軸5の後端部か
ら突出しないようにスライド軸14の長さを設定して、
ピストンロッド17aがスライド軸14を前進位置に向
けて変位させる過程で該ピストンロッドが回転軸5の軸
心部の孔内に進入するようにしておくのが好ましい。
【0048】このように、バスケット11が回転軸5に
取り付けられた状態でスライド軸14が回転軸5の後端
部から突出することがないように構成しておくと、バス
ケットが回転する際に、スライド軸14の回転軸から突
出した部分が振れることがないため、スライド軸を設け
たことにより機械的振動が増大するおそれをなくすこと
ができる。
【0049】上記の例では、流体圧シリンダ17をベー
スフレーム2の軸受保持部の後端部側に配置している
が、スライド軸を駆動する流体圧シリンダは、バスケッ
トの回転を妨げない位置に設ければよく、必ずしも軸受
保持部201の後端部側に配置する必要はない。
【0050】図7及び図8は、本発明に係わる遠心分離
機の他の構成例の要部を示したもので、この例では回転
軸5の内部にスライド軸14を駆動する流体圧シリンダ
を設けている。図7及び図8に示した例において、2は
軸受保持部201を有するベースフレーム、11はバス
ケットであり、この例では、ベースフレーム2の軸受保
持部201が中空に形成されている。軸受保持部201
は円錐状に形成されていて、その上端及び下端にはそれ
ぞれ軸受保持用のボス部201A及び201Bが設けら
れている。ボス部201A及び201Bの内周にそれぞ
れ軸受3及び4が嵌合され、これらの軸受により回転軸
5が支持されている。上側のボス部201Aの上端には
該ボス部201Aの上端開口部を閉じる環状の上蓋50
が、ボルト51により取り付けられている。また下側の
ボス部201Bの下端には、該ボス部201Bの下端の
開口部を閉じる環状の下蓋52と該下蓋52の下面に当
接された環状のシール保持板53とが配置され、下蓋5
2及びシール保持板53は、ボルト54により共締めさ
れた状態でボス部201Bに固定されている。下側のボ
ス部201Bには内筒55の下端が嵌合され、該内筒5
5の上端に固定された環状の軸受押え部材56が上側の
ボス部201Aの内周に嵌合されている。軸受押え部材
56及び内筒55の下端がそれぞれ軸受3及び4の外輪
に当接されて両軸受が軸線方向に位置決めされている。
【0051】回転軸5の上端には、第1の連結部材57
が固定されている。この連結部材は、カップを伏せた形
状に形成されて回転軸5の上端に嵌合された本体部分5
7aと、該本体部分57aの上端から径方向の外側に突
出したつば部57bと、つば部57bの外周から下方に
突出した状態で設けられた周壁部57cとを一体に有
し、本体部分57aの上端がボルト58により回転軸5
の上端に締結されている。連結部材57の本体部分57
aの下端は軸受3の内輪に当接されている。
【0052】軸受保持部201の上側のボス部201A
に固定された上蓋50は、連結部材57の本体部分57
aの外周を同心的に取り囲む筒状部50aを有し、該筒
状部50aと連結部材57の本体部分57aの外周との
間にオイルシール59が保持されている。また下蓋52
の内側及びシール保持板53の内側にオイルシール60
が保持されている。
【0053】シール保持板53の下端から下方に突出し
た回転軸5の下端の外周に環状をなす継手部材61とシ
ールカバー62とが嵌合され、継手部材61の上端はシ
ール保持板53の下面に当接されている。シールカバー
62の上端は継手部材53の下端に当接され、継手部材
61とシールカバー62とがボルト63により共締めさ
れてシール保持板53に締結されている。シールカバー
62の内径部と回転軸5の下端の外周との間には環状の
隙間が形成されていて、この隙間内にオイルシール65
が保持されている。
【0054】この例では、回転軸5の軸心部を貫通させ
て設けた貫通孔がシリンダ室となっており、該貫通孔内
にスライド軸14が保持されている。図示の例では、回
転軸5の上端寄りの部分の内周にスリーブ状のメタル軸
受66が嵌合され、このメタル軸受66の内周にスライ
ド軸14が嵌合されて、該スライド軸が軸線方向にスラ
イド自在に支持されている。スライド軸14の上端は第
1の連結部材57の本体部分57aの上端を閉じる端部
壁に形成された孔57a1を貫通して上方に突出させら
れ、該スライド軸14の上端に、環状部材68aと、該
環状部材の上に配置された端部材68bとからなる第2
の連結部材68が固定されている。第2の連結部材68
を構成する環状部材68aは、スライド軸14の上端に
嵌合されるとともに、該スライド軸14の外周に形成さ
れた段部に当接されて軸線方向に位置決めされている。
また端部材68bは、下面に浅い凹部を有して該凹部が
スライド軸14の上端に嵌合されるとともに、下面が環
状部材68aに当接され、端部材68bがボルト69に
よりスライド軸14に締結されて、第2の連結部材68
がスライド軸14に固定されている。
【0055】環状部材68aの外径寸法は第1の連結部
材57のつば部57bの上端の外径寸法に等しく設定さ
れていて、図7に示すように第1の連結部材68の上端
に第1の連結部材57の下端を当接させた状態で、第1
の連結部材68の上端部の外周と第2の連結部材68の
下端部の外周とがそれぞれ同一の円筒面上に位置するよ
うになっている。
【0056】バスケット11のボス部11dの上端の中
心部には、第1の連結部材57の上端部の外周と第2の
連結部材68の外周とを嵌合させる孔11d1が形成され
ている。遠心分離機を運転する際には、図7に示したよ
うに、第2の連結部材68が第1の連結部材57に当接
され、バスケットのボス部11dの上端部と環状部材6
6aとを貫通させて設けられた孔に挿入されたボルト7
0が、第1の連結部材57に形成されたネジ孔57dに
ねじ込まれて、バスケット11のボス部11dが回転軸
5に連結される。
【0057】バスケットのボス部11dの上端面にはボ
ス部11dの孔11d1と第2の連結部材68の端板68
bとの嵌合部を覆うカバー板71が配置され、このカバ
ー板は、ボルト72によりボス部11dに固定されてい
る。
【0058】スライド軸14の下端には、該スライド軸
14よりも僅かに径が大きいピストン75がボルト76
により固定され、該ピストン75が回転軸5の中空部の
内周にスライド自在に嵌合されている。回転軸5の下端
の開口部には、駆動軸77の上端がシール部材を介して
液密に嵌合され、該駆動軸77の上端寄りに設けられた
つば部77aが回転軸5の下端にボルト78により締結
されている。駆動軸77にはプーリ6が取り付けられ、
該プーリが図示しないベルトを介して回転駆動源に連結
される。
【0059】回転軸5の継手部材61により囲まれた部
分の外周に環状の溝501が形成され、溝501内と回
転軸5の中空部内とを連通させるように複数の連通孔5
02が形成されている。また継手部材61には、回転軸
の外周に形成された環状の溝501と外部とを連通させ
る圧力流体供給路61aが形成され、圧力流体供給路6
1aは図示しない配管を通してオイルポンプ等の圧力流
体供給源に接続される。
【0060】図示の例では、圧力流体としてオイルを用
いることを想定しているため、該継手部材61と回転軸
5との間の嵌合部を通して漏出するオイルを排出するた
めのドレイン孔61bが継手部材61に形成されてい
る。
【0061】図7に示すように、スライド軸14の下端
に取り付けられたピストン75は、バスケット11を回
転軸5に連結した状態で(スライド軸14を後退位置ま
で下降させた状態で)、連通孔502よりも上方に位置
するように設けられ、圧力流体供給路61aと環状の溝
501と連通孔502とを通して回転軸5の中空部内に
圧力流体が供給されたときに、ピストン75が押し上げ
られてスライド軸14が上方に駆動されるようになって
いる。
【0062】ピストン75が押し上げられる際に該ピス
トン75よりも上方の空間で圧縮される空気を排出する
ため、メタル軸受66の外周部に軸線方向に沿って延び
る排気溝78が構成され、この排気溝78は回転軸5の
上端部付近と第1の連結部材57とを径方向に貫通させ
て設けられた排気孔79を通して外部に連通させられて
いる。
【0063】図7に示した例では、回転軸5とピストン
75とにより流体圧シリンダが構成され、継手部材61
とシールカバー62とにより、回転軸5の回転を許容し
つつ図示しない圧力流体供給源と回転軸5の内側のシリ
ンダ室との間に圧力流体の流路を形成する回転継手80
が構成されている。
【0064】図7に示した遠心分離機において、バスケ
ット11のボス部11dの内側や、ベースフレーム2の
軸受保持部201の外面を洗浄する場合には、ボルト7
0を取り外して第2の連結部材68を第1の連結部材5
7から切り離すことにより回転軸5とバスケット11と
の連結を解き、図示しない圧力流体供給源から圧力流体
供給路61aと環状の溝501と連通孔502とを通し
て回転軸5の中空部内に圧力油を供給する。このように
圧力油を供給すると、ピストン75が押し上げられるた
め、図8に示すように、スライド軸14がバスケット1
1とともに前進位置まで上昇し、バスケット11とベー
スフレーム2の軸受保持部201との間及びバスケット
11の底部とベースフレーム2との間に大きな隙間が形
成される。したがって、図1ないし図3に示した例と同
様に、バスケットのボス部11dの内側や、ベースフレ
ームの軸受保持部201の表面などに洗浄液を吹き付け
てこれらの部分を洗浄することができる。
【0065】上記の各例では、回転軸5をプーリ6とベ
ルト8とを介して回転駆動源7に連結するようにした
が、図9に示すように、回転軸5を回転駆動源7にベル
トを介することなく連結する構造をとることもできる。
図9に示した例では、回転継手80と駆動軸77とを覆
う筒体81がベースフレーム2の軸受保持部201の下
端にボルト82を介して連結され、該筒体81の下端に
電動機や油圧モータなどの回転駆動源7が取り付けられ
ている。回転駆動源7は、その出力軸7aの中心軸線を
駆動軸77の中心軸線に一致させた状態で配置されてい
て、駆動軸77と出力軸7aとがカップリング83を介
して連結されている。図9に示した例のその他の構成は
図7に示した例と同様である。
【0066】上記の各例では、バスケット11の回転軸
5を垂直方向に向けて配置する場合を例にとったが、バ
スケットの回転軸を水平方向に向けて配置する場合や、
回転軸を水平方向に対して傾斜した状態で配置する場合
にも本発明を適用することができる。
【0067】また上記の各例では、分離された固形物を
排出するために、バスケット11の底部及びバスケット
カバー21の底部にダクト(開口部)を設けているが、
例えば特公昭62−44982号に示されているよう
に、バスケット11の底部を閉鎖するとともに、バスケ
ットカバーとベースフレームとにより閉鎖された空間が
形成されるように構成して、バスケットカバーの蓋板部
を貫通させてバスケット内に挿入した固形物排出パイプ
により固形物を吸引排出するようにした閉鎖形の遠心分
離機にも本発明を適用することができる。
【0068】更に、バスケット11内に袋状のフィルタ
(ろ布)を取り付けて、遠心ろ過が終了した後に固形物
が入ったフィルタをバスケットから取り出すようにした
遠心分離機等、種々の形式の遠心分離機に本発明を適用
することができる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バスケ
ットの回転軸の軸心部に設けられた貫通孔内に保持され
たスライド軸と、該スライド軸を軸線方向に駆動する流
体圧シリンダとを設けたので、バスケットのボス部を回
転軸に締結している締結手段を外した後、スライド軸の
先端の連結部をバスケットのボス部に連結して流体圧シ
リンダを駆動することにより、スライド軸とともにバス
ケットをベースフレームから離れる方向に変位させて、
ボス部の後端部と軸受保持部の先端部との間に大きな隙
間を形成することができる。従って、この隙間を通して
バスケットのボス部の内側と軸受保持部の外面とに洗浄
液を吹き付けることにより、ボス部の内側及び軸受保持
部の外面を洗浄することができる。
【0070】また本発明によれば、スライド軸を前進位
置に変位させた状態で、バスケットの底壁部とベースフ
レームとの間に大きな隙間を形成できるので、バスケッ
トの底壁部の外面の洗浄を容易に行うことができる。従
って、遠心分離機の洗浄作業の際に洗い残す部分をなく
して、遠心分離機の清浄度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる遠心分離機の要部の構成例を示
した断面図である。
【図2】図1の遠心分離機のバスケットカバーを開いて
バスケットのボス部とスライド軸とを連結した状態を示
した断面図である。
【図3】図1の遠心分離機において図2の状態から流体
圧シリンダを駆動してバスケットを上昇させた状態を示
した断面図である。
【図4】図1の遠心分離機のバスケットのボス部と回転
軸との締結構造を示した断面図である。
【図5】図1の遠心分離機のスライド軸とバスケットと
の連結構造を示した断面図である。
【図6】図1の遠心分離機のスライド軸とバスケットの
ボス部との連結構造の変形例を示した断面図である。
【図7】本発明に係わる遠心分離機の他の構成例の要部
を示す断面図である。
【図8】図7の遠心分離機においてバスケットを上昇さ
せた状態を示した断面図である。
【図9】本発明に係わる遠心分離機の他の構成例の要部
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 架台 2 ベースフレーム 201 軸受保持部 3,4 軸受 5 回転軸 7 回転駆動源 11 バスケット 11a 周壁部 11b 底壁部 11c 内つば部 11d ボス部 14 スライド軸 17 流体圧シリンダ 17a ピストンロッド 75 ピストン 80 回転継手

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に突出した中空の軸受保持部を有
    するベースフレームと、前記ベースフレームの軸受保持
    部内に保持された軸受により回転自在に支持された回転
    軸と、前記回転軸を回転駆動する回転駆動装置と、円筒
    状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端側に設けられた
    底壁部と前記周壁部の軸線方向の他端側から径方向の内
    側に突出するように設けられた環状の内つば部と前記底
    壁部の中央部から前記周壁部の軸線方向の他端側に突出
    するように設けられた中空のボス部とを有するバスケッ
    トとを備え、前記バスケットは、前記ボス部の中空部内
    に前記軸受保持部の先端部を位置させて該ボス部の内面
    と軸受保持部の外面とを小間隙を介して対向させた状態
    で配置されて、該ボス部が締結手段により前記回転軸の
    先端部に締結されている遠心分離機において、 前記回転軸の軸心部を貫通した貫通孔内に保持されて先
    端部が前記回転軸の先端付近に位置した状態になる後退
    位置と先端部が前記回転軸の先端から所定の長さだけ突
    出した状態になる前進位置との間を変位し得るように設
    けられたスライド軸と、 前記スライド軸を軸線方向に駆動する流体圧シリンダと
    を具備し、 前記スライド軸の先端には前記バスケットのボス部に連
    結される連結部が設けられ、 前記バスケットのボス部と回転軸との締結を解除し、前
    記スライド軸の先端の連結部を前記バスケットのボス部
    に連結した状態で前記流体圧シリンダを駆動して前記ス
    ライド軸を前進位置まで変位させたときに、前記バスケ
    ットのボス部と前記ベースフレームの軸受保持部との間
    に前記小間隙よりも大きい隙間が形成されるように前記
    スライド軸の前進位置が設定されていることを特徴とす
    る遠心分離機。
  2. 【請求項2】 前記流体圧シリンダは前記軸受保持部の
    後端部側に配置されている請求項1に記載の遠心分離
    機。
  3. 【請求項3】 前記流体圧シリンダはそのピストンロッ
    ドの中心軸線を前記スライド軸の中心軸線と一致させた
    状態で配置され、 中心軸線を回転中心として相対的に回転し得る状態で相
    互に結合された第1及 び第2の結合部材を備えた継手が
    前記スライド軸の後端部と前記流体圧シリンダのピスト
    ンロッドとの間に前記スライド軸及びピストンロッドと
    中心軸線を共有した状態で配置されて、該継手の第1の
    結合部材及び第2の結合部材がそれぞれ前記ピストンロ
    ッドの先端部及びスライド軸の後端部に固定されている
    請求項2に記載の遠心分離機。
  4. 【請求項4】 前記スライド軸の後端部側にピストンが
    取り付けられて、該ピストンが前記回転軸の軸心部の貫
    通孔の内周にスライド自在に嵌合されるとともに、前記
    回転軸の後端部側の開口部が閉鎖され、 前記回転軸の後端部側から該回転軸の軸心部の貫通孔内
    に圧力流体を供給する手段が設けられて、前記回転軸の
    軸心部の貫通孔と前記ピストンとにより前記流体圧シリ
    ンダが構成されている請求項1に記載の遠心分離機。
  5. 【請求項5】 一方向に突出した中空の軸受保持部を有
    するベースフレームと、前記ベースフレームの軸受保持
    部内に保持された軸受により回転自在に支持された回転
    軸と、前記回転軸を回転駆動する回転駆動装置と、円筒
    状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端側に設けられた
    底壁部と前記周壁部の軸線方向の他端側から径方向の内
    側に突出するように設けられた環状の内つば部と前記底
    壁部の中央部から前記周壁部の軸線方向の他端側に突出
    するように設けられた中空のボス部とを有するバスケッ
    トとを備え、前記バスケットは、前記ボス部の中空部内
    に前記軸受保持部の先端部を位置させて該ボス部の内面
    と軸受保持部の外面とを小間隙を介して対向させた状態
    で配置されて、該ボス部が締結手段により前記回転軸の
    先端部に締結されている遠心分離機において、 前記回転軸の軸心部を貫通した貫通孔内に保持されて先
    端部が前記回転軸の先端付近に位置した状態になる後退
    位置と先端部が前記回転軸の先端から所定の長さだけ突
    出した状態になる前進位置との間を変位し得るように設
    けられたスライド軸と、 前記スライド軸の後端部側に取り付けられて前記回転軸
    の軸心部の貫通孔にスライド自在に嵌合されたピストン
    と、 前記回転軸の後端部側の開口部を閉鎖する閉鎖部材と、 前記回転軸の後端部側の周壁部の外周に形成された環状
    の溝と、 前記環状の溝内を前記回転軸の軸心部の孔内に連通させ
    る連通孔と、 前記回転軸の後端部の前記環状の溝が形成された部分の
    外周に前記回転軸の回転を許容する状態で嵌合された環
    状の継手部材とを具備し、 前記継手部材を貫通させた状態で圧力流体供給通路が形
    成されて、該圧力流体供給通路が前記回転軸の外周の環
    状の溝に連通させられ、 前記回転軸の軸心部の孔と前記ピストンとにより、前記
    スライド軸を軸線方向に駆動する流体圧シリンダが構成
    され、 前記スライド軸の先端には前記バスケットのボス部に連
    結される連結部が設けられ、 前記バスケットのボス部と回転軸との締結を解除し、前
    記スライド軸の先端の連結部を前記バスケットのボス部
    に連結した状態で前記流体圧シリンダを駆動して前記ス
    ライド軸を前進位置まで変位させたときに前記バスケッ
    トのボス部と前記ベースフレームの軸受保持部との間に
    前記小間隙よりも大きい隙間が形成されるように前記ス
    ライド軸の前進位置が設定されていることを特徴とする
    遠心分離機。
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