JP3403229B2 - 多項目自動免疫測定システム - Google Patents

多項目自動免疫測定システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫学的反応を利用し
て微量物質を測定するシステムに関するものであり、複
数の検体をランダムアクセスし複数項目の測定を選択し
て自動的に遂行するシステムであり、特に反応トレイの
移送手段にウオーキングビーム機構を採用し、移送時に
インキュベーションを行なうシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】血液や尿等の体液からなる検体、例えば
血清中の微量成分を測定するために種々の測定装置が開
発されている。例えば、特に生化学分析装置において
は、反応容器がインキュベータ内に送られて所定の時期
に所定の試薬の添加や検体の追加的添加が可能になされ
ている、所謂「ランダム・アクセス機能」を有している
ものも多い。
【0003】しかしながら、生化学分析用の、この種の
ランダム・アクセス型装置は比較的短時間内で、例えば
15分間以内で反応が終了する場合を想定して処理する
ように設計されており、検体の分注から免疫反応生成物
の検出までに比較的長いインキュベーション時間を必要
とするもの、具体的には60分間又はそれ以上の所要時
間を要する免疫分析には適用できない。それ故に、一般
に、免疫分析装置の大部分は固定式のインキュベータを
採用している。即ち、検体と免疫反応用の試薬とをセル
又は試験管投の反応容器(例えば約300本程度の反応
容器)に分注し、固定ラックに載置して、インキュベー
タ内に所定時間保持する。
【0004】次いで、反応容器を処理部に移送してB/
F分離を行い、且つ他の試薬を添加して再びインキュベ
ータに戻し、最後にインキュベータから取り出して吸光
度を測定し、又は選択されたアッセイ・マーカに応じて
放射能の測定、蛍光強度、酵素活性の測定等が行われ
る。この形式の免疫分析システムによれば、テスト数は
予め配置された反応容器の数に限定され、特定検査項目
の試験が一旦開始されたならば他の検査項目に関する検
査は、その時点で行われている検査が終了しない限り行
うことができない。従って、このようなバッチ処理方式
のものに代わるものであって、ランダム・アクセス機能
を有する自動化免疫分析装置が望まれていた。
【0005】この課題を解決するために、特開平3ー5
1762号公報 (米国特許第5178834号明細書
及びヨーロッパ特許公開第0409606号公報に相
当)には、ランダム・アクセス形式の免疫分析装置が提
案されている。この装置は各々1つの検体容器を担持す
る多数の担持部を検体容器の搬送方向に沿って有してお
り、且つ検体容器をセットする作業位置としての第1ス
テージから、分注手段により各検体容器から検体を吸引
するステージを経て、上記の第1ステージに戻る、検体
容器搬送用無端コンベアと; 担持されている各検体の検
査項目数に相当する数だけ、上記検体容器搬送用コンベ
アの担持部を区画することにより順次に決めた対応担持
部区画を順次に搬送して検体容器を上記の検体吸引ステ
ージに移入ー停止させる第1コンベア駆動手段と; 各々
1つの反応容器を担持する多数の担持部を反応容器の搬
送方向に沿って有しており且つ反応容器をセットする作
業位置としての第2ステージから、分注手段により吸引
された検体を分注するステージ及び反応容器内で免疫反
応が実施され且つ反応結果の測定が行われる反応ー測定
ステージを経て上記の第2ステージに戻る、反応容器搬
送用コンベアと; 上記の各検体の検査項目に相当する数
の反応容器が上記の反応容器搬送用コンベアにより担持
された状態で、上記の分注ステージに反応容器を順次に
搬入し、該分注ステージにおいて停止させ、次いで該分
注ステージから搬出させる第2コンベア駆動手段と; 上
記の第1コンベア駆動手段と第2コンベア駆動手段とを
同調して且つ同時に作動させる手段と; 上記の検体に相
当する数の反応容器が上記の分注ステージに搬入され且
つ該分注ステージにおいて停止させられる所定期間、吸
引ステージに搬送された検体容器を停止させ且つ保持し
ておく手段とを具備している。
【0006】この公知装置はランダム・アクセスが可能
であり、構造が簡単であり、検体数が少ない場合にも多
い場合にも、その基本的な構成を維持したままで、検体
搬送用コンベアの長さを変えるだけで測定できると云う
利点を有しているものとされている。
【0007】しかしながら、この装置はスネーク型チェ
ーンコンベアを採用しており、長尺のチェーンコンベア
を間欠的に移動させることは現実には機構的に困難を伴
い、又、免疫分析には60分間若しくはそれ以上に亘り
加熱してインキュベーションを行なう必要性があるため
に僅かではあってもチェーンに伸びが生じ、これは加熱
されない試薬容器の送りと完全に同調させて検体容器を
送り且つ検体分注ステージ、反応試薬分注ステージ、B
/F分離ステージ等において極めて正確に位置決め停止
させることは困難である。即ち、予め定められた位置に
正確に位置決めできなければ、予めプログラムされた分
注等の迅速な操作処理が不可能となってしまう。尚、上
記の特許文献には1ステップ及び2ステップ・サンドイ
ッチ法についての説明がなされており、B/F分離につ
いて触れているが、これを如何にして行うのかについて
反応容器との関連において説明されていない。
【0008】又、特開平3ー160981号公報(ヨー
ロッパ特許公開第0424633号公報に相当)の発明
は免疫分析用のトレイに関するものであり、殊に固相化
自動診断法を実施するのに適した反応トレイが開示され
ている。この反応トレイは傾斜した形状を有する第1キ
ャビティ(「サンプルウエル」と称している)と、底部
に開口が形成され且つ摺鉢形状を有していて上記の第1
キャビティに隣接している第2キャビティ(「読み取り
ウエル」と称している)と、空気抜き用の小孔とを各々
備えた複数対のウエルと; 上記の開口にフィットしてい
る繊維質パッドと; 吸収性マトリクスとを具備してい
る。この反応トレイの場合に、血清のような検体は第1
キャビティに分注され、次いで固相用の微粒子とアッセ
イ試薬とが第1キャビティに分注されて前インキュベー
ションが行われる。
【0009】次に、トランスファー・バッファが比較的
強い勢いで第1キャビティに送られ、これによって当該
第1キャビティ内の物質は第2キャビティに移送され
る。この場合に、第2キャビティの底部開口に嵌挿され
た繊維質パッドを介して溶液成分は吸収性マトリクスに
より吸収されてB/F分離が行われる。2ステップ・サ
ンドイッチ法を行なう場合には、そこでマーカ付きコン
ジュゲートが第2キャビティに分注され且つ免疫反応用
のインキュベーションを行い、マーカ付き抗体・抗原結
合物を洗浄し、最後にマーカの量を測定して検体中の抗
原又は抗体の量が決定される。
【0010】上記トレイは、係合片を備えたタイミング
ベルトによって搬送されるようになっており、そのタイ
ミングベルトは減速装置を介してパルスモータにより駆
動されている。そして、反応トレイはタイミングベルト
の係止片間にセットされ、長さ方向に搬送されることが
開示されている。従って、反応トレイにおける各第1キ
ャビティが搬送方向に対して直列(シリアル)状態に移
動することにより、検体の分注及び試薬の分注毎にタイ
ミングベルトの駆動が細かいストロークの移動を余儀な
くされている。その結果、タイミングベルトの駆動状況
を常時監視して、位置ずれが生じないようにしなければ
ならない。
【0011】一方、特開平3ー154853号公報(米
国特許第5089424号明細書及びヨーロッパ特許公
開第0424634号公報に相当)にはフレームと、囲
繞体とトリガー試薬用流体ライン用のポートとからなる
複数の検出器ヘッドと、可撓性ダイアフラムと、上記の
囲繞体の昇降機構とを有する検出装置を具備しており、
化学発光を測定する装置が開示されている。この装置に
よれば、囲繞体が昇降機構により降下すると、既述の特
開平3ー160981号公報(ヨーロッパ特許公開第0
424633号公報に相当)に開示されているような反
応トレイのキャビティを遮光し、反応トレイのセルへ、
即ち化学発光性の成分であってトリガー試薬と反応して
化学発光を生じる成分にてマークの施された抗体・抗原
結合物を収容している第2キャビティにトリガー試薬が
分注されて、化学発光の強度が上記の検出装置により検
出される。
【0012】この場合に下降した、囲繞体が反応トレイ
の上面に当接して各キャビティ毎に遮光するものである
が、反応トレイと囲繞体との位置関係が少しでもずれて
いると完全な遮光が遂行できなくなり、外光が漏れて測
定ミスが生じる虞れがある。又、1つの反応トレイに対
して、8個2列のキャビティが設けられている場合に囲
繞体及び検出ヘッドが8回に渡って昇降動作を行なわな
ければならないため、測定の作業性が悪いばかりでな
く、複数の検出ヘッドによって検出しているため、両者
の性能誤差がそのまま測定誤差になり、正確な測定がで
きない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記説明した従来技術
の免疫測定における反応トレイの搬送においては、スネ
ークチエーンまたはタイミングベルト等の搬送手段を利
用しており、反応容器または反応トレイのキャビティが
搬送方向とシリアルになり、ランダムアクセス処理がで
きても、検体に分注及び試薬の分注する位置決めが困難
であると同時に、キャビティ1個宛の細かいストローク
の間欠搬送になるため、作業性が悪く大量処理の問題が
解決されていない。
【0014】特に、インキュベータとして長時間の反応
を行なわせる場合には搬送手段が長時間に渡って熱にさ
らされ熱膨張するために、検体及び試薬の分注位置が少
しづつ狂ってしまうと云う問題点がある。
【0015】従って、ランダムアクセス処理を可能とし
た免疫測定であって、検体と試薬の分注が正確な位置で
速やかに行えること及び大量処理と正確な測定とに解決
しなければならない課題を有している。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る多項目自動免疫測定システムは、(1)
単独或いは多連の検体分注ノズルユニットが検体情報に
基づいて分注する検体分注手段と、反応トレイを供給す
るトレイ供給手段と、反応トレイをコンベアで搬送する
トレイ搬送手段と、から構成される分注モジュールと、
前記設定された検体情報に基づいて各検体の測定項目に
対応した反応試薬を対応するウエルに分注する試薬分注
手段と、順次上昇して前進し、下降して後退する移送バ
ーが反応トレイを複数個同時に間欠的にスライド移送さ
せるウオーキングビーム機構と、該ウオーキングビーム
機構の各反応トレイを移送通路においても恒温に維持す
る機構と、を備えたサンプル処理モジュールと、前記設
定された検体情報に基づいて、反応トレイの各ウエルに
反応測定用試薬を分注し、発光強度を測定する発光測定
手段を備えた検出モジュールと、を隣接状態に配設した
ことである。
【0017】又、(2)上記トレイ搬送手段は、反応ト
レイを搬送する方向であって検体分注位置を境にして前
側に第1の検出手段、後側に第2の検出手段を設け、前
記第1の検出手段により反応トレイを検出した時に、検
体分注位置に反応トレイがないことを確認して検体分注
位置に反応トレイを移送すると共に、検体分注位置の反
応トレイは、前記第2の検出手段が反応トレイを検出し
ていない時に前記検体分注位置の反応トレイを移送させ
ることを特徴とする(1)に記載の多項目自動免疫測定
システム。 (3)上記分注モジュールの検体分注ノズルユニットの
ノズル先端に装着する分注チップは、先細みの先端と前
記検体分注ノズルユニットのノズル先端の径よりも大き
い径の後端縁を有し、前記分注チップのノズル先端の往
復運動の内、下降した時に装着し、検体の分注後のノズ
ル先端の往復運動の内、上昇の時に前記後端縁を引掛け
てノズル先端と離脱させることを特徴とする(1)に記
載の多項目自動免疫測定システム。 (4)上記サンプル処理モジュールには、反応トレイの
移送方向に直交する方向に自在に移動できる試薬分注ノ
ズル群を有し、且つその試薬分注ノズル群を反応トレイ
の移送方向の複数列に備えたことを特徴とする(1)に
記載の多項目自動免疫測定システム。 (5)上記サンプル処理モジュールは、反応トレイが間
欠的にスライド移送して停止している時間帯に反応トレ
イの各ウエルに試薬の分注及び又は洗浄を行なうように
したことを特徴とする(1)に記載の多項目自動免疫測
定システム。
【0018】
【作用】本発明に係る多項目自動免疫測定システムは下
記に示す作用を奏する。 (1)反応トレイに検体を分注する複数の検体分注ノズ
ルユニットを備えた分注モジュールと、インキュベーシ
ョンするサンプル処理モジュールと、発光強度を測定す
る検出モジュールとを隣接状態に配設したこと、及び複
数の反応トレイをパラレル状態で間欠的にスライド移送
することにより、検体及び試薬の分注が高精度に且つ迅
速な大量処理が可能になる。
【0019】(2)分注モジュールには、トレイ供給部
から供給されている反応トレイをトレイ搬送手段により
停止している反応トレイのウエルに空きを作ることなく
分注する分注手段とを設けたことにより、反応トレイを
無駄なく、且つ大量の検体の処理ができる。
【0020】(3)分注モジュールの搬送手段には、検
体分注位置を境にして第1及び第2の検出手段により反
応トレイの搬送の制御をするようにしたことにより、反
応トレイの搬送を連続して且つスムーズな搬送が可能と
なる。
【0021】(4)分注モジュールの検体分注ノズルユ
ニットは、2連独立の検体分注ノズルユニットからな
り、検体情報に基づいて分注するウエルの数だけあけた
位置に検体分注ノズルユニットを移動させて前記2連独
立の検体分注ノズルユニットが同時に分注を開始するよ
うにしたことにより、反応トレイへの検体の分注を迅速
に且つ正確に行なうことができるようになる。
【0022】(5)分注チップは、先細みの先端と検体
ノズルユニットのノズル先端の径よりも大きい径の後端
縁を有し、検体ノズル先端を下降させて装着し、検体の
分注後には前記後端縁を引掛けてノズル先端と離脱させ
ることにより、分注チップの交換をワンアクションで着
脱できるようになる。
【0023】(6)分注モジュールには、希釈手段を設
けたことにより、検査項目に対応した希釈を自動的に行
えるようになる。
【0024】(7)希釈手段は、検体分注の前後に希釈
液を吐出して分注することにより、検体を攪拌させなが
ら均一な希釈ができるようになる。
【0025】(8)反応トレイを間欠的にスライド移送
するウオーキングビーム機構を備えたことにより、長時
間必要とするインキュベーションに対しても反応トレイ
を正確に搬送して正確な位置決めができる。
【0026】(9)ウオーキングビーム機構は、上昇し
て前進し下降して後退する移送バーを備え、この移送バ
ーが上昇した時に反応トレイをスライド移送するように
したことにより、インキュベーションで発生する熱によ
る悪影響を回避することができる。
【0027】(10)移送バーは、反応トレイを複数個
同時に間欠的にスライド移送することにより、サンプル
処理モジュールでの正確な移送を一括して行なうことが
できる。
【0028】(11)移送バーを検出モジュールの領域
に延設したことにより、検出モジュールの作業が前段の
インキュベーションするタイミングに正確に同期させる
ことができるようになる。
【0029】(12)サンプル処理モジュールは、反応
トレイが間欠的にスライド移送して停止している時間帯
に反応トレイの各ウエルに試薬の分注又は洗浄を行なう
ようにしたことにより、確実な試薬の分注及び洗浄がで
きるようになる。
【0030】(13)検出モジュールの測定は、サンプ
ル処理モジュールの試薬分注と同一時間間隔で行なうこ
とにより、いわばサンプリング処理モジュールに同期さ
せた正確な測定をすることができる。
【0031】(14)検出モジュールの発光測定手段
は、トリガー試薬を分注する測定試薬分注ノズルと一体
型ユニット構造にしたことにより、発光測定ユニットを
小型化しても高精度な測定をすることができるようにな
る。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【実施例】本発明に係る多項目自動免疫測定システムの
実施例について、下記の項目、 [1]本システムの全体構成、 (1)分注モジュール、(2)サンプル処理モジュール
(3)検出モジュール [2]本システムで使用する反応トレイの構造、 [3]本システムでの反応トレイの供給、 [4]反応トレイの各ウエルへの検体分注、 [5]検体の希釈、 [6]ウオーキングビーム機構、(1)ベルト式のウオ
ーキングビーム機構、(2)カム方式のウオーキングビ
ーム機構、 [7]試薬の分注とインキュベーション、 [8]アッセイライン、(1)2ステップ方式のアッセ
イライン、(2)3ステップ方式のアッセイライン、 [9]発光による測定、(1)測定用搬送部を別途設け
た検出モジュール、(2)ウオーキングビーム機構を延
長させた検出モジュール [10]データ処理モジュール、の順に従って、図を参
照にして以下詳細に説明する。
【0038】[1]本システムの全体構成 本発明に係る多項目自動免疫測定システム1は、図1に
示すように、分注モジュール2と、サンプル処理モジュ
ール16と、検出モジュール32とから構成されてお
り、化学発光免疫測定法(ケミルミネッセンス・ノムノ
アッセイ法、CLIAと略)により発光の強度を測定し
て検体中の微量物質を自動的に測定するシステムであ
る。尚、これらの各モジュールはコンピュータ等のデー
タ処理モジュールにより統括的に制御されている。
【0039】(1)分注モジュール 分注モジュール2は、トレイ供給部2Aと、第1の搬送
部5と、第2の搬送部8と、検体分注機構部11とから
構成されており、反応トレイ36を適宜位置に搬送して
検体を反応トレイ36の各ウエルに分注する、即ち、患
者からの検体、例えば血清を反応トレイの指定されたウ
エルの第1キャビティに分注する。
【0040】トレイ供給部2Aは、反応トレイ36をエ
レベーター式に持ち上げて供給するものであり、そのト
レイ供給部2Aの下部に設けた駆動源4により、2列並
列状態の反応トレイ36を順次持ち上げて第1の搬送部
5に供給する。その余りの反応トレイ36はストッカー
3に格納しておく。
【0041】トレイ供給部2Aに供給のために収納でき
る反応トレイ36の数量は、本実施例においては縦に2
5段、横に2列、前後2列からなり、合計して一回に1
00個の反応トレイ36を収納できるものである。この
反応トレイ36の消費量は、トレイ供給部2Aに装填収
納後、カウント方式により消費量を認識できるようにな
っており、且つトレイ供給部2Aの上端部では、フォト
センサーにより反応トレイ36の有無を確認できる。そ
して、ストッカー3内に反応トレイ36を25段重ねた
状態で略40列、合計1000個の反応トレイ36を格
納しておくことができ、各列単位で1回に4列の反応ト
レイ36をトレイ供給部2Aにセットして順次供給する
ものである。
【0042】第1の搬送部5は、上下動及び衝撃の少な
いプッシュアウト用のアーム6とコンベア7とを兼用し
た方式で構成されており、反応トレイ供給部2Aから供
給された反応トレイ36を後ろから押し出すようにして
第2の搬送部8に供給する。
【0043】第2の搬送部8は、第1の搬送部5から供
給された反応トレイ36をベルトコンベア9に乗せて水
平方向に搬送し、検体分注位置10で所定の高さに持ち
上げて検体を分注し、分注された反応トレイ36は次の
モジュールに搬送されるべく所定の位置で待機する。
尚、この反応トレイ36の供給は、後述する[3]で詳
細に説明する。
【0044】検体分注機構部11は、検体ラック部12
と、2連独立の検体分注ノズルユニット14と、この2
連独立の分注ノズルユニット14をX,Y,Z軸方向に
駆動するノズル駆動部15と、検体分注ノズルユニット
14の先端に装着する分注チップ格納器と、使用済み分
注チップを集積するチップ集積器とから構成されてい
る。
【0045】検体ラック部12は、予め検査する血清等
が入っている複数の検体容器13を所定の順序に従って
並べてある。即ち、本実施例においては検査対象となる
血清等を入れた検体容器13を200本を単位として検
体ラック13Aに収納してある。この検体ラック13A
を格納する位置は予め定められて保管管理されている。
尚、検体ラック13Aはバーコードによる符号化がなさ
れており、例えば手入力バーコードリーダーによって内
容が容易に特定できるようになっている。
【0046】検体分注ノズルユニット14は、X軸,Y
軸,Z軸に移動する2連独立のノズルユニットであり、
検体ラック部12の検体容器13から所定量の検体を吸
い上げ、検体分注位置10にある所定の反応トレイ36
に分注する。尚、検体を希釈してから反応トレイ36に
分注することもできる構造になっている。この検体分注
については後述する[4]で、検体の希釈については
[5]の項で詳細に説明する。
【0047】(2)サンプル処理モジュール サンプル処理モジュール16は、ウオーキングビーム機
構17と、ヒートパネル機構18と、試薬分注機構19
とから構成されている。
【0048】ウオーキングビーム機構17は、いわゆる
Dモーションの動きにより反応トレイを間欠的にスライ
ド移送させ、所定の位置で試薬を分注し、設定された恒
温状態でインキュベーションさせるものであり、反応ト
レイ36を高精度な位置決めをし、複数の検体に対し所
定時間内に所定の順序で正確に試薬の分注をして搬送す
ることができる機構である。このウオーキングビーム機
構17については後述する[6]の項で詳細に説明す
る。
【0049】ヒートパネル機構18は、ウオーキングビ
ーム機構17により移送される移送速度と距離と、反応
トレイ36を設定された温度に保つために必要な長さと
巾を備えた複数のヒートパネルがウオーキングビーム機
構17内の所定位置に所定の間隔をもって配設された構
造である。そして、そのヒートパネル機構18の上部に
は、試薬分注機構19が装備され、ヒートパネルの間に
は試薬分注機構19のアッセイ部26,27,28,2
9,30,31が配設された構造である。
【0050】試薬分注機構19は、ウオーキングビーム
機構17の適宜位置に第1軸から第6軸の試薬分注部2
0,21,22,23,24,25を備えており、夫々
にアッセイ部26,27,28,29,30,31を設
けた構造になっており、インキュベータとして機能す
る。又、各アッセイ部26,27,28,29,30,
31は最大10項目までのランダムアクセス処理の分注
が可能である。このアッセイ部26,27,28,2
9,30,31を構成するノズルユニットは、ウオーキ
ングビーム機構17で間欠的にスライド移送する反応ト
レイ36が停止している時間帯に、手前側をホームポジ
ションとして前後にスライド移動し、各反応トレイ36
に設定された順序で指定項目通り試薬を分注する。
【0051】又、試薬の分注確認はノズルユニット先端
に通過センサを取り付け、試薬の吐出を確認できる構造
となっている。尚、このインキュベータの構成について
は後述する[7]の項で詳細に説明する。
【0052】(3)検出モジュール 検出モジュール32は、上下動駆動部33と検体測定部
32Aとから構成され、サンプル処理モジュール16で
行われた検体と試薬との反応状態にある反応トレイ36
の各第2キャビティにトリガー試薬を注入して得られる
発光の強弱を測定する機構であり、測定された検体の発
光の強弱の情報は、図に示していないがデータ処理モジ
ュールで処理される。
【0053】上下動駆動部33は、反応状態にある反応
トレイ36をリストアップして検体測定部32Aの暗室
内に移動させるものであり、上下ガイド部34と遮蔽部
35とから構成されている。上下ガイド部34は、反応
トレイ36を上方向に持ち上げる構造になっており、遮
蔽部35は上下ガイド部34で持ち上げた反応トレイ3
6を下に落ちないように支持しながら遮蔽して暗室状態
にする構造となっている。
【0054】検体測定部32Aは、上下動駆動部33に
より暗室状態になっている反応トレイ36にトリガー試
薬を分注して反応状態を発光強度で測定する。尚、この
検出モジュールについては後述する[9]の項で詳細に
説明し、データ処理モジュールに関しては[10]の項
で詳細に説明する。
【0055】 [2]本システムで使用する反応トレイの構造 反応トレイ36は、図2及び図3に示すように、全体が
長方形のボックス形状をしており、その長手方向の両端
部で下縁に沿って位置決め片37,37を備え、上面に
は10個のウエル39を整列状態で形成されたものであ
る。又、下面には反応トレイを横切る方向に所定の間隔
をもって4本のガイド溝38,38,38a,38aが
形成された構造となっている。
【0056】各ウエル39は、皿型形状をしたインキュ
ベーション用の第1キャビティ40と、この第1キャビ
ティ40に連続したすりばち型形状をした測定用の第2
キャビティ41とから構成されている。そして、各ウエ
ル39の近傍には排気孔42が設けられ、第2キャビテ
ィ41の底部には繊維マトリックス43が備えられてい
る。そして、反応トレイ36の内部には吸収材44が敷
き詰められている。尚、反応トレイ36に形成されてい
るウエル39の数は適宜変更できるものである。
【0057】このような構成を有する反応トレイ36の
各ウエル39は、図4に示すように、例えば検体が分注
されている第1キャビティ40に試薬を分注してインキ
ュベーションさせ、そのインキュベーション後に、試薬
分注ノズルユニット45と隣接し傾斜させて設けた洗浄
ノズル46からの洗浄液等のウオッシュバッファーを吐
出することにより、試薬と反応した検体を第2キャビテ
ィ41側に洗浄しながら容易に移動させることができ
る。従って、反応した成分のみ第2キャビティ41内に
残り、他は繊維マトリックス43により濾過されて吸収
材44に吸収される。
【0058】このように試薬と反応した検体の成分のみ
を第2キャビティ41に移動させることにより、試薬を
分注する試薬分注ノズルユニット45は反応液の吸引・
吐出操作を必要とすることなく、任意に連続的に試薬を
分注することができる。従って、ノズルの交換等を必要
としないで試薬を分注することが可能となる。尚、反応
トレイ36の第1キャビティ40への分注量は、実施例
においては20〜200μlである。
【0059】[3]本システムでの反応トレイの供給 反応トレイ36の供給は、図5に示すように、トレイ供
給部2Aから第一の搬送部5により検体分注位置10ま
でベルト48により移送され、検体分注位置10を境に
して空きの反応トレイ36Bと検体分注された反応トレ
イ36Cとに区分されている。
【0060】即ち、トレイ供給部2Aの最上部にある反
応トレイ36をプッシュアウト用のアーム6によりベル
ト48上に押し出し、矢印で示したように、第一の搬送
部5によりX軸方向に前進する。そして、最初のフォト
センサ49により反応トレイ36の存在が確認され、検
体分注位置10の手前にある一時ストッパ51のフォト
センサ50で更に反応トレイ36の存在が検出される。
【0061】これら両フォトセンサ49,50による反
応トレイ36の検出は、検体分注位置10への空きの反
応トレイ36を確実に供給するためのものであり、一方
のフォトセンサ49が反応トレイ36を検出しないと、
トレイ供給部2Aに反応トレイ36がないことを示すも
ので、例えばブザー等の報知手段により、反応トレイ3
6がないことを報知する。そして、トレイ供給部2Aに
所定量(縦25段、横2列、前後2列、計100個)の
反応トレイ36を詰めてトレイ供給部2Aを再動作さ
せ、フォトセンサ49が反応トレイ36の存在を検知し
続けるまで、アーム6が働いてトレイ供給部2Aから連
結的に反応トレイ36をベルト48上に供給する。
【0062】従って、トレイ供給部2Aに反応トレイ3
6を詰め代える時間帯だけ、両フォトセンサ49,50
間に余分の反応トレイ36が存在する必要があり、本実
施例では4列の反応トレイ36が存在するようにしてあ
る。そして、検体分注位置10に反応トレイ36Aが存
在していれば一時ストッパ51により後続する反応トレ
イ36Bの移送が停止させられ、待機している状態にお
かれる。
【0063】その後、検体の分注が終了した反応トレイ
36Aは検体分注位置10が下降することにより、ベル
ト48上に載置して移送され、検体分注位置10から離
脱すると、一時ストッパ51のストップ機構が解除さ
れ、ベルト48の駆動により前進し、検体分注位置10
のフォトセンサ52がその前進してきた反応トレイ36
を検出すると、検体分注位置10のトレイストッパ53
が上昇することにより前進が停止させられ、それによっ
て反応トレイ36が検体分注位置10の適正位置にセッ
トされ、そのまま持ち上げられて検体の分注が行なわれ
る。従って、一時ストッパ51は一列づつの開放を行な
うのである。
【0064】検体の分注が終了し、検体分注位置10か
ら離脱した反応トレイ36Cは、第2の搬送部8のベル
ト48上に載置されX軸方向に前進してサンプル処理モ
ジュール16の方向に向かう。
【0065】又、検体分注位置10での反応トレイ36
Aは、2個の反応トレイが移送方向(X軸方向)に対し
て並列となるポジシヨンであり、並列した状態でベルト
コンベア上に載せて搬送し、サンプル処理モジュール1
6の直前までには5列(合計して10個の反応トレイ)
の待機スペースが設けてあるので、サンプル処理モジュ
ール16へのスムーズな移送ができる構造である。
【0066】この場合に、サンプル処理モジュール16
の直前から5列目の位置に反応トレイ36Cを検出する
ためのフォトセンサ47が配設されており、このフォト
センサ47が反応トレイ36Cを検出している限り、前
段の検体分注位置10から反応トレイ36Aが供給され
ないようになっている。つまり、サンプル処理モジュー
ル16の直前で待機している反応トレイ36Cが5列並
んだ状態においては、検体分注位置10での検体の分注
作業が停止されるのである。
【0067】更に、反応トレイ36Aの分注ポジション
である検体分注位置10及び検体分注位置10への待機
ポジションの一時ストッパ51等の重要なポジションに
おいては、前記したように下側方向からだけでなく、左
右方向にフォトセンサを設けて、更に反応トレイ36の
正確な位置を確認することができる。
【0068】従って、分注ポジションにおいては、空き
の反応トレイ36Bを途切れることなく確実に検体分注
位置10まで移送して検体を分注し、その検体が分注さ
れた反応トレイ36Cを確実にサンプル処理モジュール
16の直前のポジションまで移送することが連続してス
ムーズに行える構造である。この移送及び分注の過程は
数分(実施例では120秒)のインターバル毎に、2個
の反応トレイ36を並列させて同時に行なうものであ
る。尚、反応トレイ36に検体を分注してサンプル処理
モジュール16に供給するインターバルは、後述するサ
ンプル処理モジュール16内のウオーキングビーム機構
のインターバルに同期して駆動している。
【0069】[4]反応トレイの各ウエルへの検体分注 反応トレイの各ウエルへの検体分注は、図6に示すよう
に、分注モジュール2の検体分注機構部11により行な
われる。この検体分注機構部11は2連独立の検体分注
ノズルユニット14(14A,14B)と、ノズル駆動
部15と、検体分注ノズルユニット14A,14Bのノ
ズル先端に装着する分注チップ56(実施例においては
最高700μlの容量)を200本程度格納しておく分
注チップ格納器57と、検体が収納されている検体容器
13を集積した検体ラック13Aを載置する検体ラック
部12と、所定の反応トレイ36に検体を分注後、分注
チップ56を検体分注ノズルユニット14A,14Bの
ノズル先端から取り外して集積しておくチップ集積器5
7Aとから構成されている。
【0070】ノズル駆動部15は、図において矢印C方
向に駆動するX軸用ノズル駆動部53Aと、図において
矢印D方向に駆動するY軸用ノズル駆動部54と、図に
おいて矢印E方向に駆動するZ軸用ノズル駆動部55と
から構成されている。
【0071】検体分注ノズルユニット14A,14Bの
ノズルは、シリンダー、圧力センサー及びノズルを一体
化した、所謂コンタクトシリンダーノズルである。そし
て2連独立の検体分注ノズルユニット14A,14B
は、X軸方向(移送方向)、Y軸方向(移送方向に対し
て直交する方向)、Z軸方向(上下)に夫々ノズル駆動
部53A,54,55により独立して駆動制御されるも
のである。
【0072】分注チップ56は、細長い筒形状をしてお
り、その先端は先細みとなっており、その後端縁は検体
ノズルユニットのノズル先端の径よりも大きい径に形成
されている。
【0073】次に、上記構成からなる検体分注機構部1
1における検体の分注動作について説明する。先ず、反
応トレイ36Aが検体分注位置10に適切に停止してい
ることを確認すると、検体分注ノズルユニット14A,
14BがY軸用ノズル駆動部54によって分注チップ格
納器57の略真上の位置に移動し、X軸用ノズル駆動部
53AとY軸用ノズル駆動部54とにより,図に示す矢
印C及びD方向の適宜位置に移動して正確な位置決めが
行われる。
【0074】そして、位置決め後、Z軸用ノズル駆動部
55により検体分注ノズルユニット14A,14Bを下
降させ、分注チップ格納器57内に整列収納してある分
注チップ56の開口部にノズル先端を挿し込むと、分注
チップ56の内径とノズル先端の外径との関係で、圧入
締め付け状態が維持され、ノズル先端に分注チップが取
り付けられた状態になり、そのまま所定位置まで上昇す
る。
【0075】所定位置まで上昇した分注検体ノズルユニ
ット14A,14Bは、図に示す矢印C方向に駆動する
X軸用ノズル駆動部53Aと、図に示す矢印D方向に駆
動するY軸用ノズル駆動部54とにより検体分注ノズル
ユニット14A,14Bが検体ラック部12の上部の位
置に移動する。この時の移動のしかたは、先ず矢印C方
向に動いてから矢印D方向に動いてもよく、その逆、又
は同時に動いて斜め方向に移動するようにしてもよい。
【0076】検体分注ノズルユニット14A、14Bが
検体ラック部12の上部位置にくると、予めプログラム
された検査情報に基づき決められている検体容器13に
向かってノズル先端が下降し、ノズル先端に装着してあ
る分注チップ56が検体容器13の中に入り込む。所定
量の検体を吸い上げ、所定位置まで上昇して検体の分注
準備が完了する。尚、Z軸用ノズル駆動部55は夫々の
検体分注ノズルユニット14A,14Bを制御するよう
にしてあるので、検体を吸い上げる動作は検体分注ノズ
ルユニット14A、14Bが夫々単体で別個に行なって
も、また2つのユニット14A,14Bが同時に吸い上
げるようにしてもよい。
【0077】検体を吸い上げて分注の準備が完了する
と、図7に示すように、検体ラック部12の位置から反
応トレイ36Aがセットされている検体分注位置10ま
で移動し、反応トレイ36Aの予め検体情報に基づいて
決められたウエル39の第1キャビティ41の上部の位
置まできて下降し、分注チップ56から所定量の検体を
分注してから所定位置まで上昇し、検体分注の1回の操
作は完了する。この時の検体を分注するウエル39と検
体分注ノズルユニット14A,14Bの関係は、予め検
査情報に基づいて決められた夫々の位置のウエル39に
対し、夫々両方が同時に、又は個別に分注することがで
きる。
【0078】そして、検査項目が多岐に渡る場合に、検
体分注ノズルユニット14A,14Bを前記1回の操作
完了の位置から、予め検査情報に基づいて決められた次
のウエル39の上部まで移動させ、前記同様に下降させ
て所定量の検体を分注する。この方法を繰り返し行なっ
て多岐に渡る検査項目に対応する数だけ反応トレイ36
Aの各ウエルに対して、分注を行なうのである。
【0079】この検体分注が完了すると検体分注ノズル
ユニット14A,14Bは、図8に示すように、チップ
集積器57Aの方向に移動して、チップ集積器57Aに
設けてあるチップ集積孔58に分注チップ56を挿入
し、検体分注ノズルユニット14A,14Bのノズルを
上昇させることによって、分注チップ56をノズル先端
から抜取る。この場合、チップ集積孔58の内側には、
図示していないが、2枚の板が突き合わせ状態にバネ付
勢された、所謂シャッター機構を有しており、分注チッ
プ56が挿入された時に開き、引き抜く時に閉まる方向
に作用し、ノズル先端に被さるように取り付けてある分
注チップ56の後端が引っかかり、更に検体分注ノズル
14A,14Bを引き抜くことにより取り外せる構造に
なっている。
【0080】このようにして、検体の分注は連続して自
動的に行うことができ、しかも分注内容はモニタリング
されている。例えば、検体分注ノズルユニット14A,
14Bには分注センサーが備えられており、これは主と
して圧力センサーにより検出するものであって、検体液
面、検体量不足、チップのつまり等をモニタリングする
ことができるものである。そしてこのような不良分注
は、図示していないが適宜の表示手段により表示され、
例えば検体不良が発生した場合には、オペレーターがポ
ーズボタン等を押し、一時的に分注操作を停止させて不
良分注への適切な処置ができるようになっている。
【0081】[5]検体の希釈 検体の検査項目によっては、検体(血清等)を100
倍、200倍等に希釈を必要とする場合があり、後述す
るデータ処理モジュールからの検体の検査項目情報に基
づき、希釈不要検体と希釈必要検体を認識するようにな
っている。検体の希釈は、図9に示すように、上記図6
で説明した検体分注機構部11のY軸方向に沿って希釈
部59を備えた構造となっている。この希釈部59は、
希釈駆動部60と、4連ノズルユニット61と、希釈チ
ューブラック部63とから構成されている。
【0082】希釈駆動部60は、4連ノズルユニット6
1を図の矢印C方向のX軸方向に駆動させるものであ
り、この4連ノズルユニット61は固定された4連のノ
ズル62a,62b,62c,62dを備えており、予
め定まっている希釈チューブラック部63に載置されて
いる希釈チューブ64に希釈液を吐出する。
【0083】希釈チューブラック部63に載置されてい
る希釈チューブ64は多数本に渡り、本実施例において
は1列4本で15列載置しており、これら希釈チューブ
64から検査項目情報に基づいて適宜選択して検体を注
入する。この場合に希釈チューブ64に対して、前希釈
→検体→後希釈の順に吐出させ、特に希釈液を複数回吐
出又は注入することで検体を効率良く攪拌する。
【0084】このような構造をした希釈部59において
は、図9、図10、図11及び図12に示すように、先
ず検体毎に希釈必要又は不要の項目をランダムに入力し
た検査項目、即ち測定情報に基づいて希釈が行なわれる
(ST1)。この測定情報は、例えば図11に示すよう
に、 例えば、A項目・・・希釈不要 B項目・・・希釈必要 C項目・・・希釈不要 D項目・・・希釈不要 E項目・・・希釈必要 とした場合に、検体を収納してある複数の検体容器13
は、 検体容器(イ)・・・A,B,C 検体容器(ロ)・・・C,D 検体容器(ハ)・・・A,D,E 検体容器(ニ)・・・B,E 検体容器(ホ)・・・A,B,C,D の検査項目を必要とすることが、夫々情報として入力さ
れている。このような場合について以下に説明する。
【0085】このような情報に基づき、先ず、ポンプ系
の動作確認が行なわれる、これは実際に希釈液を吐出し
てセンサーが反応するかどうかのチエックが行なわれる
(ST2)。もしNGであればポンプの交換を行なう必
要があり以後の希釈動作を中止する(ST3)。
【0086】もしポンプ動作が正常に動作することを確
認したならば、前希釈を行なう。前希釈とは希釈用4連
ノズルユニット61が希釈必要項目数分の各希釈チュー
ブ64に希釈全量の半分づつ事前に分注する。尚、この
前希釈で分注する量はプログラムにより適宜変更するこ
とができるようになっている(ST4)。
【0087】従って、希釈必要とする検体容器13は
(イ)がB項目、(ハ)がE項目、(ニ)がBとE項
目、(ホ)がB項目であり、必要とする検査項目の希釈
チューブ64は5個(図11の×印)必要となる。
【0088】この希釈液の分注は、4連ノズルユニット
61を使用し、吐出角度の調整と1ショット(実施例に
おいては100μl)を適宜の吐出圧(噴射)で繰り返
して噴射させる方式のため、検体の攪拌機能となり、事
前に半分の量を希釈分注する方式は、検体が容器壁に付
着しないこと、より効率の良い平均した濃度を確保する
ためである。
【0089】又、前希釈中であってもポンプ動作の確認
は常時なされており、もし異常が発生したならば分注の
継続は中止する(ST5,ST6)。
【0090】次に検体を1検体単位で希釈必要項目があ
るものについては、反応トレイへ2連独立ノズルユニッ
ト14A,14Bで吸い上げた検体を先に項目数分希釈
チューブ64に分注し、希釈不要項目については後で順
次分注する(ST7)。この時、検体を分注後ポンプ動
作確認が行なわれ(ST8)、もしNGの状態であれば
ポンプ交換が必要となり、その後の希釈は中止される
(ST9)。
【0091】そして、検体の吸い上げの際に希釈必要項
目に対応して、2連独立ノズルユニット14A,14B
が直ちに希釈部59側に移動し、所定の希釈チューブ6
4に分注を行なう。このような希釈の分注については、
順次1バッチ(実施例においては200検体)の検体全
てについて行なわれる。この分注に関し、例えば、検体
容器(イ)であればB項目、検体容器(ハ)であればE
項目、検体容器(ニ)であればB,E項目、検体容器
(ホ)であればB項目用に所定の希釈チューブ64に検
体が夫々分注される。
【0092】希釈チューブ64に検体を分注した後に、
後希釈が行なわれる。即ち、後希釈とは、検体が所定の
濃度に希釈されるための残りの希釈液を供給することで
あり、希釈用4連ノズルユニット61から希釈液の残量
分を噴射によって供給し、希釈チューブ64内の検体を
攪拌する(ST10)。即ち、図11に示す×印の希釈
チューブ64について後希釈が行なわれる。希釈部59
において、所定の希釈チューブ64に検体を分注した2
連独立ノズルユニット14A,14Bは,そのまま反応
トレイ36Aの分注位置へ移動し、希釈不要項目に従っ
て分注を行なう。即ち、図11に示すように反応トレイ
36Aのウエルには図の下側から順に希釈不要項目A,
C,Dの検体が分注される。即ち、検体容器(イ)であ
ればA項目とC項目、検体容器(ロ)であればC項目と
D項目、検体容器(ハ)であればA項目とD項目、検体
容器(ホ)であればA項目とC項目とD項目の順に分注
する。
【0093】そして、希釈された検体は2連独立ノズル
ユニット14A,14Bによって、新たに希釈チューブ
64(図11の×印)から吸引して取り出し、所定の反
応トレイ36Aのウエルに分注する(ST11)。この
ようにして、別途攪拌機能を備えた構造にすることな
く、攪拌しながら検体を希釈することができ、特に免疫
反応測定には有意義となる。
【0094】[6]ウオーキングビーム機構 ウオーキングビーム機構は、本実施例においては2つの
方式の駆動機構のいずれか一方が採用されている。即
ち、(1)第1の方式の駆動機構は、前進及び後退移動
機構をベルト式にしたものであり、(2)第2の方式の
駆動機構は、前進及び後退移動にカム機構を採用したも
のである。以下順に説明する。
【0095】(1)ベルト式のウオーキングビーム機構 ベルト式のウオーキングビーム機構65は、図13及び
図14に示すように、反応トレイガイド部66と、反応
トレイ移送部69と、該移送部69を駆動する駆動部8
2とから構成されている。
【0096】反応トレイガイド部66は、前記駆動部8
2の上面を全面的に覆う平板形状を呈し、その上面に反
応トレイ36の下面に設けてあるガイド溝38,38が
係合してスライドするレール67,68を長手方向に平
行に設けた構造となっている。
【0097】反応トレイ移送部69は、前記反応トレイ
ガイド部66の長手方向両側に位置し、平行に配設した
移送バー72,73と、これら移送バー72,73を支
持する一対の支持板70,71を格子状に組んだ構造に
なっている。この一対の支持板70,71には、夫々内
側の対向する位置の略中央部に原点センサー74用の突
部75,75を備えると共に、この突部75,75の両
側の所定位置に前進及び後退を伝達するための係合孔7
6,77,78,79を備えた構造になっている。
【0098】移送バー72,73は、反応トレイ36の
位置決め片37,37に引っかけて水平にスライド移送
させる複数の凸部80を等間隔に備えた構造である。こ
の凸部80の間隔81は丁度1個の反応トレイ36の中
に略対応する間隔になっている。
【0099】駆動部82は、所謂Dモーションする構造
となっており、長方形状をした基板83と、この基板8
3を基準にして上下動及び水平動するスイング機構90
とから構成されている。基板83には、スイング機構9
0が上下動するための基準となる軸受け84a,84
b,84c,84dが長手方向の左右の両端に相対向し
て起立状態に設けられると共に、そのスイング機構90
を上下動させるモータ85が所定位置に取り付けられた
構造となっている。これらの軸受け84a,84b,8
4c,84dには、各対向する軸受けを貫通して上下動
用軸88a,88bを回転自在に取り付け、その上下動
用軸88a,88bの両端に偏心棒86a、86b,8
6c,86dを備えたロータ87a,87b,87c,
87dを取り付け、前記上下動用軸88a,88bの一
方の軸88bにはベルト86を介して前記モータ85と
連結し、他方の軸88aは前記一方の軸88bとベルト
87を介して連動する構造となっている。更に、基板8
3上には前記スイング機構90が基板83を基準とし上
下動する基準上下動軸89a,89bが適宜間隔をもっ
て起立した状態に取り付けられている。
【0100】スイング機構90は、基板83の長手方向
の両側に平行に位置させた上下動バー91a,91b
と、この上下動バー91a,91bに対して横方向に取
り付けたモータ基板93と、ロータ基板96と、一対の
チャンネル状の軸受板99a,99bとを格子状に組ん
で一体とし、前記モータ基板93の下側にはモータ92
のロータが上部に突出するように取り付け、前記ロータ
基板96の上面にはロータ95を取り付け、これらロー
タ間をベルト94により連結してある。
【0101】又、一対の軸受板99a,99bは、夫々
その中央部に軸受部99c,99dが設けられ、該軸受
部99c,99dにより上下動軸89a、89bを軸受
けし、その軸受部99c,99dと反対側の面、即ち外
側面に原点センサー74が夫々設けられ、更に軸受板9
9a,99bの両端近傍においては水平動する一対の水
平棒100a,100bを摺動自在に軸受けしている。
そして、一方の水平棒100aは水平動伝達部材98が
取り付けられ、該伝達部材98は前記ベルト94の略中
間位置に連結された構造となっている。
【0102】このように構成されたスイング機構90
は、基板83に取付けられているロータ87a、87
b,87c,87dの偏心棒86a、86b,86c,
86dと係合させて組み込むものであり、上下動バー9
1a,91bの各端部近傍に長溝孔97a,97b,9
7c,97dを形成し、これら各長溝孔97a,97
b,97c,97dに偏心棒86a,86b,86c,
86dを夫々挿通させた構造となっている。
【0103】更に、スイング機構90に対して、反応ト
レイ移送部69における支持板70,71の係合孔7
6,77,78,79に水平棒100a,100bの両
端部を夫々嵌合して固定し、移送バー72,73の間に
反応トレイガイド部66を嵌め込むようにし、適宜手段
により基板83に固定してウオーキングビーム機構65
の組立は完了する。
【0104】このように構成されたウオーキングビーム
機構65の動作は、反応トレイ36を前進させる場合に
は、先ず上下動用モータ85の駆動により上下動用軸8
8a,88bが駆動され、それら軸の両端部に取り付け
られたロータ87a,87b,87c,87dが回転
し、その端面に設けられている偏心棒86a,86b,
86c,86dが上下動バー91a,91bを持ち上げ
ることで、スイング機構90が上昇して反応トレイ移送
部69が矢印G2(図13参照)の方向に持ち上がるこ
とにより、移送バー72,73の凸部80がサンプル処
理モジュール16(図1参照)内にある全ての反応トレ
イ36の位置決め片37,37の進行方向後方に当接し
た状態となる。そして、モータ92の駆動によりベルト
94、水平動伝達部材98及び水平棒100a,100
bを介して移送バー72,73が矢印F1(図13参
照)の方向に移動し、全ての反応トレイ36はスライド
移送されて間欠的に前進する。この間欠的に前進する距
離、即ち、1ピッチは反応トレイ36の巾に略対応して
おり、順送りされるものである。そして、全体の移送距
離は、後述するヒートパネル機構による一定温度による
反応状態と、試薬分注機構による試薬分注する位置との
関係により決定される。
【0105】1ピッチの前進は、移送バー72,73の
移送によって決定され、その移動は支持板70に設けた
突部75が原点センサー74に当接するストロークによ
り決定される。そして、前進が完了した位置において、
スイング機構90の上下動用モータ85の駆動により、
更に上下動用軸88a,88bが駆動され前記とは逆に
上下動バー91a,91bが下降方向に動き反応トレイ
移送部69が下降(矢印のG1方向)し、その位置に全
ての反応トレイ36が停止した状態となる。
【0106】そして、反応トレイ移送部69は下がった
状態、即ち反応トレイ36は停止した状態で反応トレイ
移送部69は、スイング機構90の水平動用モータ92
の逆回転の駆動により連結部材98が後退する方向へ所
定距離、即ち、1ピッチだけ動く(矢印のF2方向)。
そして、前記前進の行為を行なうことにより新たに送り
込まれて来る反応トレイ36を、順次前進させるのであ
り、この行為を繰り返すことによって、反応トレイ36
を間欠的にしかも衝撃を少なくして移送をすることが可
能となる。尚、前進して停止した反応トレイ36の位置
は後述する試薬分注機構により試薬の分注等が行われる
適正な位置でもある。これらの関係については、後述す
る[7]及び[8]の項で詳細に説明する。
【0107】(2)カム方式のウオーキングビーム機構 カム方式のウオーキングビーム機構は、前述した(1)
ベルト方式のウオーキングビーム機構65とほぼ同様の
構造からなっているので、同一構造の部分には同一番号
を付与し、その説明は省略する。即ち、(1)ベルト方
式のウオーキングビーム機構65は、スイング機構の前
進後退をベルト94で行なっているのに対して、カム方
式、即ち、モータ直結方式のウオーキングビーム機構
は、スイング機構の前進後退を水平動用モータで直接行
なっている点で大きく相違する。
【0108】このカム方式のウオーキングビーム機構1
01は、図15に示すように、反応トレイガイド部66
と、反応トレイ移送部69と、該移送部69を駆動する
駆動部102とから構成されており、その駆動部102
の構成に特徴がある。
【0109】駆動部102は、前記ベルト方式と同様に
所謂Dモーションする構造となっており、長方形状をし
た基板83と、この基板を基準にして上下動及び水平動
をするスイング機構112とから構成されている。
【0110】基板83には、スイング機構112が上下
動するための板状の軸受け104a,104bが長手方
向に所定の間隔をもって平行に且つ起立状態で配設さ
れ、長手方向の一端側にはスイング機構112全体を上
下動させる上下動用モータ85が取付けられている。
又、この軸受け104a,104b間には、前記実施例
と同様の上下動軸88a,88bが貫通して配設され、
それらの両端に偏心棒86a,86b,86c,86d
を備えたロータ87a,87b,87c,87dを取り
付け、その一方の上下動軸88aにはベルト86を介し
てモータ85に連結し、他方の上下動軸88bもベルト
87を介して連動する構造となっている点、及びスイン
グ機構112が上下動する上下動軸89a,89bを基
板83に立設した状態で取り付けた構成においては前記
実施例と同一である。
【0111】更に、スイング機構112は、基板83の
長手方向両端に沿って平行に配設した上下動バー91
a,91bがあり、この上下動バー91a,91b間に
配設したモータ基板93に前進後退用モータ92が取り
付けられ、軸受板99a,99bで基準となる上下動軸
89a,89bを軸受けし、上下動バー91a,91b
の長溝孔97a,97b,97c,97dに上下動用軸
88a,88bの端部の偏心棒86a,86b,86
c,86dが係合して上下動が伝達される点でも前記実
施例と略同一構造である。
【0112】そこで、カム方式の駆動部において相違す
る点は、前進後退用モータ92のロータにカム機構を構
成するアーム104を取り付け、該アーム104の先端
部にボス状の突起105を取り付けたことである。この
場合のアーム104の長さ、換言すればモータ92のロ
ータの回転中心から、突起105の軸芯までの長さは、
反応トレイ36の巾の略1/2に対応している。つま
り、前記実施例で説明した1ピッチに対して1/2ピッ
チの長さに相当する。そして、モータ92が回転して仮
想線で示した反対側の位置(180度の回転)に来た時
に、最初の位置から見て1ピッチの間隔になる。
【0113】この前進後退の駆動伝達において、カム機
構が採用されることから、水平棒100a,100bの
駆動についてもわずかに相違してくる。即ち、前記アー
ム104の突起105が係合する長孔106を備えた前
進後退の基準となる駆動伝達板107が前記水平棒10
0a,100b間に架橋状態で取り付けられる。この場
合には水平棒100a,100bの略中間位置に取り付
けるのが好ましい。
【0114】突起105が係合する長孔106は、少な
くとも略1ピッチの長さを有し、モータ92の回転でア
ーム104が所定の軌跡で回転した時に、突起105が
その長孔106に沿って移動するのである。例えば、図
示の位置においては、長孔106の中央部に突起105
が位置しており、モータ92の時計方向の回転が90度
なされた時に、突起105が長孔106の一方端部側に
位置し、更に90度回転すると仮想線で示したように反
対側に位置して突起105が長孔106の中央部に戻
る。このようにモータ92の一回転で突起105が長孔
106の一方の端部から他方の端に移動し、その途中の
中間部に位置する時に、駆動伝達板107を前後に1ピ
ッチ移動させ、その移動が水平棒100a,100bを
1ピッチ移動させ、該水平棒100a,100bに取り
付けられた反応トレイ移送部69が前後に1ピッチ移動
することになるのである。
【0115】このように構造した第2の方式であるカム
方式のウオーキングビーム機構101の動作は、前記実
施例と同様に上下動及び水平動(前進後退)して反応ト
レイ36を1ピッチづつ間欠的に滑らしながらスライド
移送することができる。このようなウオーキングビーム
機構を採用したインキュベータにつき次の[7]の項で
更に詳細に説明する。
【0116】[7]試薬の分注とインキュベーション インキュベーションは、サンプル処理モジュールで行な
われる。即ち、図16及び図17に示すように、ウオー
キングビーム機構101(65)の適宜位置にはヒート
パネル機構18と、6軸からなる第1軸〜第6軸の試薬
分注部20,21,22,23,24,25とが配設さ
れている。
【0117】ヒートパネル機構18は、第1軸の試薬分
注部20と第2軸の試薬分注部21の間に第1のヒート
パネル機構18aと、第3軸の試薬分注部22と第4軸
の試薬分注部23の間に第2のヒートパネル機構18b
と、第5軸の試薬分注部24と第6軸の試薬分注部25
の間に第3のヒートパネル機構18cとからなるもので
ある。この第1〜第3のヒートパネル機構18a,18
b,18cは、ウオーキングビーム機構101(65)
により移送される移送速度と距離と、反応トレイ36を
所定温度に保つために必要な長さを備えたヒートパネル
であり、全体的にトンネル状に形成され、その内側を反
応トレイ36が搬送される。
【0118】一方、第1軸〜第6軸の試薬分注部20,
21,22,23,24,25の夫々は、反応トレイ3
6の進行方向(X軸方向)に対して左右方向(Y軸方
向)に自由自在に駆動させる第1軸〜第6軸の分注ノズ
ル駆動部127,128,129,130,131,1
32に配設されている。この第1軸〜第6軸の試薬分注
部20,21,22,23,24,25は、夫々が1つ
のノズルと電動式ポンプと一部に恒温保存庫を有するボ
トルとが1:1:1の関係となったセットを形成する。
そして、反応トレイの進行方向(X軸方向)に対して、
第1軸〜第6軸の分注ノズル駆動部127,128,1
29,130,131,132の左右方向の駆動(Y軸
方向)は全てが同一位置の反応トレイ36に分注するよ
うに制御される。尚、ボトルの試薬の残存量は分注回数
を積算カウントすることによって、常時残量の確認が行
えるようになっており、ノズルは自由に交換できる。
【0119】第1軸の試薬分注部20は、2組から構成
され、一方の組は10個のノズル133aからなるノズ
ル群134aと、夫々のノズル133aと1:1に対応
したポンプ135aを10個セットにしたポンプ群13
6aとから構成され、このポンプ群136aの夫々のポ
ンプ135aに対応したボトル137aを2個セットに
したボトル群138aとから構成されている。他方の組
は10個のノズル133bからなるノズル群134b
と、夫々のノズル133bと1:1に対応したポンプ1
35bを10個セットにしたポンプ群136bとから構
成され、このポンプ群136bの夫々のポンプ135b
に対応したボトル137bを2個セットにしたボトルト
群138bとから構成されている。
【0120】第2軸の試薬分注部21は、2組から構成
され、一方の組は2個のノズル133cからなるノズル
群134cと、夫々のノズル133cと1:1に対応し
たポンプ135cを2個セットにしたポンプ群136c
と、このポンプ群136cの夫々のポンプ135cに対
応したボトル137cを2個セットにしたボトルト群1
38cとから構成されている。他方の組は2個のノズル
133dからなるノズル群134dと、夫々のノズル1
33dと1:1に対応したポンプ135dを2個セット
にしたポンプ群136dと、このポンプ群136dの夫
々のポンプ135dに対応したボトル137dを2個セ
ットにしたボトル群138dとから構成されている。
【0121】又、ノズル群134a,134b,134
c,134dの全ては、図示されていないがノズル群1
34a,134b,134c,134dの先端にエリア
センサーを取り付け、試薬の吐出及び洗浄状態を逐一確
認できる構造になっている。
【0122】第3軸の試薬分注部22は、10個のノズ
ル133eからなるノズル群134eと、夫々のノズル
133eと1:1に対応したポンプ135eを10個セ
ットにしたポンプ群136eと、このポンプ群136e
の夫々のポンプ135eに対応したボトル137eを1
0個セットしたボトル群138eとから構成されてい
る。
【0123】第4軸の試薬分注部23は、10個のノズ
ル133fからなるノズル群134fと、夫々のノズル
133fと1:1に対応したポンプ135fを10個セ
ットにしたポンプ群136fと、このポンプ群136f
の夫々のポンプ135fに対応したボトル137fを1
0個セットにしたボトル群138fとから構成されてい
る。
【0124】第5軸の試薬分注部24は、10個のノズ
ル133gからなるノズル群134gと、夫々のノズル
133gと1:1に対応したポンプ135gを10個セ
ットにしたポンプ群136gと、このポンプ群136g
の夫々のポンプ135gに対応したボトル137gを1
0個セットにしたボトル群138gとから構成されてい
る。
【0125】第6軸の試薬分注部25は、10個のノズ
ル133hからなるノズル群134hと、夫々のノズル
133hと1:1に対応したポンプ135hを10個セ
ットにしたポンプ群136hと、このポンプ群136h
の夫々のポンプ135hに対応したボトル137hを1
0個セットにしたボトル群138hとから構成されてい
る。
【0126】このような構成からなるサンプル処理モジ
ュール16は、分注された検体を有する反応トレイ36
のウエル39に、分注モジュール2による検体情報に基
づき指定項目毎に選択的に試薬の分注や洗浄が行える。
【0127】即ち、第1軸乃至第6軸の試薬分注部2
0,21,22,23,24,25のノズル群からの分
注動作が反応トレイの間欠的なスライド移送の停止時間
内で行なわれ、反応トレイの設定された位置順、即ち、
検体情報に基づいて指定されたウエルから一定時間間隔
で試薬の分注が行なわれる。このように各列同時に試薬
の分注を行なうのではなく、隠れ津の指定されたウエル
から全列一定時間間隔で分注動作をして、結果的にスラ
イド移送の停止時間内に終了する。
【0128】又、この動作は後述する分注モジュールで
の測定する反応トレイの各ウエルの測定も、設定された
位置順の各ウエルに対して一定時間間隔で行なわれる。
【0129】更に、各列の試薬分注ノズル群は、設定さ
れた位置順の各ウエルに対して、各ウエルの測定項目に
応じた試薬分注ノズルをランダムに選定して分注を行な
う。この動作を全列で行なう。以下、図17を参照にし
て第1軸〜第6軸の試薬分注部20,21,22,2
3,24,25の動作について説明する。
【0130】第1軸の試薬分注部20のノズル群134
a,134bは、Y軸方向に間欠的に駆動する分注ノズ
ル駆動部127の同一箇所に対峙し、且つ並列に設けら
れていて、ウオーキングビーム機構101(65)によ
って反応トレイ36をX軸方向に間欠的にスライド移送
して停止した時に、ノズル群134a,134bは、最
高10種類の試薬を分注できる。
【0131】この試薬の分注は、予め設定された検体情
報に基づいて反応トレイ36の各ウエルに分注する試薬
を適宜選択して、同一時間間隔で行なう。以下第1軸乃
至第6軸の試薬分注部20,21,22,23,24,
25も同様の分注を行なう。従って、各軸に停止してい
る反応トレイ36に分注する条件は各軸毎に制御されて
分注が行なわれるため、大量の検体への試薬等の分注を
同一条件で行なうことできるのである。尚、図18に示
すようにノズル134a,134bの吐出位置は丁度反
応トレイ36の第1キャビティ40に吐出できる角度に
設定されている。従って、分注モジュール2からの検体
情報に基づいてノズル群134a,134bから選択さ
れたノズル133a、133aによる2種類の試薬の同
時分注ができる構造である。
【0132】第2軸の試薬分注部21のノズル群134
c,134dは、図17に示すように、Y軸方向に間欠
的に駆動する第2軸の分注ノズル駆動部128に一体と
して形成されていて、ウオーキングビーム機構101
(65)によって反応トレイ36をX軸方向に間欠的に
スライド移送して停止した時に、ノズル群134c,1
34dは緩衝液であるウオッシュバッファを反応トレイ
36の第1キャビティ40に吐出して反応した検体を第
2キャビティに移動させる操作を2度できる構造となっ
ている。即ち、図19に示すように、最初のスライド移
送されて停止した時にノズル134cでトランスファバ
ッファAを第1キャビティ40に吐出して、反応した検
体を第2キャビティ41側に移動させる、次のスイライ
ド移送して停止した時にノズル134dでトランスファ
バッファBを第1キャビティ40に吐出して残っている
反応した検体を第2キャビティ41側に移動させる。こ
のようにして反応した検体を第1キャビティ40に残存
させることなく第2キャビティ41に移動させることが
できる構造となっている。
【0133】第3軸の試薬分注部22のノズル群134
eは、図17に示すように、Y軸方向に間欠的に駆動停
止する分注ノズル駆動部129に一体として形成されて
いて、ウオーキングビーム機構101(65)によって
反応トレイ36をX軸方向に間欠的に駆動して停止した
時に、ノズル群134eは最大10種類の試薬を選択的
に分注できる構造である。即ち、図19に示すようにウ
オッシュバッファにより第2キヤビテイ41側に移され
た試薬と反応した検体にマーカー等を反応させる試薬を
分注する。これは後述するアッセイラインの2ステップ
方式の場合はコンジュゲート(Conj)であり、3ス
テップ方式の場合はプローブ(Probe)に相当す
る。
【0134】第4軸の試薬分注部23のノズル群134
fは、図17に示すように、Y軸方向に間欠的に駆動停
止する分注ノズル駆動部130に一体として形成されて
いる。そして、図20に示すように、ウオーキングビー
ム機構101(65)によって反応トレイ36をX軸方
向に間欠的にスライド移送して停止した時に、ノズル群
134fは最大10種類の試薬を選択的に同一時間間隔
で反応トレイ36野閣ウエル39に分注できる構造であ
る。これは後述するアッセイラインでの第1のウオッシ
ュバッファに相当する。
【0135】第5軸の試薬分注部24のノズル群134
gは、図17に示すように、Y軸方向に間欠的に駆動停
止する分注ノズル駆動部131と一体に形成されてい
る。そして、図20に示すようにウオーキングビーム機
構101(65)によって反応トレイ36をX軸方向に
間欠的に前進駆動して停止した時に、ノズル群134g
は最大10種類の試薬を選択的に分注できる。これは、
後述するアッセイラインの3ステップの場合のコンジュ
ゲート(Conj)に相当する。尚、2ステップの場合
にはなにも行なわれない。
【0136】第6軸の試薬分注部25のノズル群134
hは、図17に示すように、Y軸方向に間欠的に駆動停
止する分注ノズル駆動部132と一体に形成されてい
る。そして、図20に示すようにウオーキングビーム機
構101(65)によって反応トレイ36をX軸方向に
間欠的に前進駆動して停止した時に、ノズル群134h
は最大10種類の洗浄用試薬を選択的に同一時間間隔で
分注できる。これは後述するアッセイラインの第2のウ
オッシュバッファに相当する。
【0137】このようにして第1軸〜第6軸の試薬分注
部20,21,22,23,24,25による試薬及び
洗浄は、本発明の要となるウオーキングビーム機構10
1(65)の動作と同期させて行うことにより、多数の
反応トレイ36をX軸方向に前進スライド移送させなが
ら、Y軸方向に第1軸〜第6軸の試薬分注部20,2
1,22,23,24,25のノズル群134a,13
4b,134c,134d,134e,134f,13
4g,134hが同一時間間隔で、且つ選択的に分注、
洗浄を行うことができるので、多数の反応トレイ36に
分注された検体の測定時間を同一条件下に制御し、且つ
ランダム・アクセスな制御を行うことが可能となる。
【0138】このことを更に、本実施例において具体的
な時間帯を示して詳細に説明すると、先ず、分注モジュ
ール2によって検体分注された反応トレイ36は、2列
同時に次々とサンプル処理モジュール16のウオーキン
グビーム機構101(65)によりスライド移送され
る。ここで、例えば、2列の反応トレイが第1軸の試薬
分注部20位置に停止している移送間隔時間(インター
バル)は120秒に設定されている。この移送間隔時間
はウオーキングビーム機構101(65)を使用するこ
とにより他の第2,第3軸の試薬分注部21,22の位
置、第4,第5軸の試薬分注部23,24の位置、第6
軸の試薬分注部25の位置、第7軸の試薬分注部(後述
する)の位置に停止している時間と同期している。
【0139】次に、120秒の移送間隔時間内には、反
応トレイ36は、各軸の位置で停止した状態、即ち第1
軸〜第6軸の試薬分注部20,21,22,23,2
4,25において、10個のノズルを有するノズル群1
34a,134b,134e,134f,134g,1
34h(第2軸においては2個のノズル群134c,1
34d)は、分注モジュール2からの検体情報に基づい
て、5.5秒の間隔でY軸方向に10個のノズル133
a,133b,133c,133d,133e,133
f,133g,133hが同一時間間隔で選択的に試薬
を分注、又は洗浄を行う。尚、後述する第7軸も、第1
軸乃至第6軸の試薬分注部20,21,22,23,2
4,25と同一時間間隔、即ち本実施例においては5.
5秒間隔でトリガー試薬を分注して発光する強度を測定
する。
【0140】そして、この分注動作は第1軸〜第6軸の
分注ノズル駆動部127,128,129,130,1
31,132によってY軸方向にノズル群134a,1
34b,134c,134d,134e,134f,1
34g,134hの全てが同一時間間隔で駆動する。従
って、停止状態にある2列の反応トレイ36における2
0個の各ウエル39の反応条件は全て同一時間間隔で分
注及び洗浄動作を行ってインキュベーションの制御を行
なう。
【0141】又、5.5秒間隔で停止している2列の反
応トレイ36の20個のウエル39に分注及び洗浄する
時間は5.5秒×20個(ウエルの数)=110秒必要
になる。ここで移送間隔時間は120秒であるから、1
0秒残ることになる。この10秒間にウオーキングビー
ム機構101(65)によって、サンプル処理モジュー
ル16内に存在する反応トレイ36の全てをスライド移
送させる。尚、後述する検出モジュール32において
は、この10秒間に測定が完了した反応トレイ36を搬
送部に戻して廃棄する動作を行う。
【0142】[8]アッセイライン 上記説明した試薬の分注とインキュベーションするため
の構造を備えた多項目自動免疫測定システムのアッセイ
ラインは、(1)2ステップ方式のアッセイライン、ま
たは(2)3ステップ方式のアッセイラインに固定され
ている。尚、反応トレイに分注された検体は、各試薬の
添加に先だち予め反応トレイに分注され、最初の試薬の
添加時から反応は開始される。
【0143】2ステップ方式のアッセイライン 2ステップ方式のアッセイラインの反応方式(アッセイ
フォーマット)は、先ず検体の分注された反応トレイに
ガラス球、スチレンビーズ等からなるマイクロパーティ
クル(μP)とアッセイバッファ(AB)を注入して所
定時間(実施例においては20分)反応させる。
【0144】検体に含まれている抗体とマイクロパーテ
ィクルとの反応生成物は、トランスファーバッファA,
Bにより所定時間間隔にて(実施例においては2分間づ
つ)、第1キャビティから第2キャビティ側に移され
る。そして第2キャビティ側に存在する反応生成物にコ
ンジュゲートを恒温状態で所定時間(実施例においては
16分)反応させる。その後に第1のウオッシュバッフ
ァにより洗浄を行なう。その後恒温状態で所定時間(実
施例では14分)反応させ、第2のウオッシュバッファ
により洗浄を行い、暗室からなる検出モジュールでトリ
ガー試薬が注入され、検体からの発光強度を測定する。
【0145】3ステップ方式のアッセイライン 3ステップ方式のアッセイラインの反応方式(アッセイ
フォーマット)は、前述した2ステップの反応方式と同
様のアッセイラインであり、検査項目により適宜切り換
えられるようになっている。即ち、検体の分注された反
応トレイにガラス球,スチレンビーズ等からなるマイク
ロパーティクル(μP)とアッセイバッファ(AB)を
注入して所定時間(実施例においては20分)反応され
る。
【0146】この時間経過後に、恒温状態で反応させた
検体に含まれている抗体とマイクロパーティクルとの反
応生成物は、トランスファーバッファA,Bにより所定
時間(実施例においては2分間づつ)、第1キャビティ
から第2キャビティ側に移される。そして、第2キャビ
ティ側に存在する反応生成物に化学発光させるためにコ
ンジュゲートして恒温状態で所定時間(実施例において
は16分)反応させる。その後に第1のウオッシュバッ
ファにより洗浄を行ない、恒温状態で所定時間(実施例
では14分)反応させ、第2のウオッシュバッファによ
り洗浄を行い、暗室からなる検出モジュールでトリガー
試薬を注入し、反応した検体からの発光強度を測定す
る。
【0147】[9]発光による測定 発光による測定は、前記した図1に示すように、検出モ
ジュール32で測定される。この検出モジュール32
は、本実施例においては、(1)測定用駆動部を別途設
けた検出モジュール、又は(2)ウオーキングビーム機
構を延長させた検出モジュールの何れかが採用されてい
る。
【0148】 (1)測定用搬送部を別途設けた検出モジュール 測定用搬送部を別途設けた検出モジュール133は、図
21に示すように、測定用搬送部146Aと、開閉制御
部137と、検体測定部141とから構成されている。
【0149】測定用搬送部146Aは、反応トレイ搬送
部146aと上下動駆動部33とから構成されている。
反応トレイ搬送部146aは、サンプル処理モジュール
16のウオーキングビーム機構101(65)でスライ
ド移送された反応トレイ36を移送するベルト146b
を備えた構造になっている。即ち、サンプル処理モジュ
ール16において分注された試薬と反応した状態にある
検体を有する反応トレイ36を取り入れる開口部の位置
まで搬送し、反応トレイ36はこの位置で一度検体測定
部141内に上昇移動され、再び戻された反応トレイ3
6を廃棄する位置まで搬送する構造である。この搬送
は、ウオーキングビーム機構101(65)と同期して
反応トレイ36を搬送する駆動モータ146cを備えて
いる。
【0150】上下動駆動部33は、図22に示すよう
に、上下動ガイド部33Aを備え、反応トレイ搬送部1
46aによって移送されてきた反応トレイ36を検体測
定部141の内部に上昇させて取り込み、そして、測定
終了後に反応トレイ搬送部146aの移送する位置まで
2列の反応トレイ36を同時に下降させる構造になって
いる。尚、上昇及び下降は、後述する開口部と連動して
いる。
【0151】開閉制御部137は、図21に示すよう
に、開口部138と開閉駆動部139とから構成されて
いる。開口部138には、遮光板140を備えている。
この遮光板140は、開閉駆動部139で開閉される。
そして、この開閉は上下動駆動部33と連動して開閉制
御される。即ち、遮光板140は検体測定部141内
に、上下動駆動部33の上下動ガイド部33Aによって
上昇してきた反応トレイ36を支持し、上下動ガイド部
33Aが下降した後に完全に遮閉した状態で検体測定部
141内の反応トレイ36を所定位置で支持する構造で
ある。この開口部138の構造については、後述する
「(2)ウオーキングビーム機構を延長させた検出モジ
ュール」で詳細に説明する。
【0152】検体測定部141は、図22に示すよう
に、分注ノズル駆動部142を備えた構造である。この
分注ノズル駆動部142は、サンプル処理モジュール1
6の第1軸乃至第6軸の試薬分注部20,21,22,
23,24,25の分注動作と同一時間間隔でY軸方向
に間欠的に駆動動作をする。又、分注ノズル駆動部14
2にはトリガー試薬を吐出するノズルを設けた発光測定
部143を備えた構造である。このノズルは第7軸の試
薬分注部であって、試薬を格納してあるトリガー試薬ボ
トルを備えている。
【0153】そして、検体測定部141での測定は、各
ウエル36を遮弊蓋144で覆った後、反応トレイ36
の第2キャビティ41にトリガー試薬を吐出し、検体か
ら発光する強度を測定する構造である。このトリガー試
薬を吐出するノズルと発光強度を測定手段は一体型ユニ
ット構造になっている。又、トリガー試薬を吐出する前
に、バックグランドとして各ウエル36の光量を測定す
ることも可能である。このように発光手段により検体を
測定するために、図には示していないがトリガー試薬ボ
トルを遮光するための第1の暗室と、光電子増倍菅を備
えた測定手段を遮光する第2の暗室とに分かれた遮光ボ
ックスになっている。
【0154】この反応トレイ36の各ウエル39上の発
光測定も、サンプル処理モジュール16において行われ
る分注及び洗浄と同期され、同一時間間隔で行われる。
即ち、反応トレイ36が停止している移送間隔時間12
0秒の間に2列の反応トレイ36の20個のウエル39
を全て測定する(Y軸方向)。そのため、1個のウエル
39に要する測定時間は5.5秒になる。そうすると2
列からなる反応トレイ36の各ウエル39は全部で20
個であるので、ウエル39全部を測定するのに必要とす
る時間は110秒となる。従って、残り10秒で2列の
反応トレイ36は開閉制御部137によって開口部13
8が開き、且つ上下動駆動部33によって搬送位置まで
下降される。そうして、この10秒経過後にはウオーキ
ングビーム機構101(65)と同期をとっている反応
トレイ搬送部146aにより前進駆動(X軸方向)さ
れ、測定終了した反応トレイ36はベルト146bで搬
送されて廃棄される。
【0155】(2)ウオーキングビーム機構を延長させ
た検出モジュール ウオーキングビーム機構を延長させた検出モジュール1
45は、図23に示すように、反応トレイ36を搬送す
る測定用搬送部146Aと、暗室状態にする開口部13
8と、発光により測定する検体測定部143とから構成
されている。尚、検体測定部143は、前記「(1)測
定用搬送部を別途設けた検出モジュール」で説明した構
造と同様であるのでその説明は省略する。
【0156】測定用搬送部146Aは、反応トレイ搬送
部147と、上下動駆動部148と、反応トレイ36が
滑り落ちる傾斜になっているスライド板149とから構
成されている。反応トレイ搬送部147は、ウオーキン
グビーム機構101(65)を延設した状態で一体に形
成されている。即ち、反応トレイ36を取り入れる検体
測定部143の開口部138の位置まで移送することが
ウオーキングビーム機構101(65)の動きに完全に
同期して同一時間間隔で行なう。そして、反応トレイ3
6を間欠的にスライド移送させるウオーキングビーム機
構101(65)が停止している時に反応トレイ36を
一度検体測定部143内に上下動駆動部148の上下動
ガイド部148Aにより上昇移動させる。この、上昇し
て停止している反応トレイ36を遮蔽蓋144で覆って
トリガー試薬用ノズル144aからトリガー試薬を分注
して発光強度を測定する。そして、測定が終了した反応
トレイ36を、再び上下動ガイド部148Aにより下降
された時に、再度動き始めたウオーキングビーム機構1
01(65)により押されてスライド板149の上を滑
り落ちて廃棄される。尚、遮蔽蓋144とトリガー試薬
用ノズル144aとは一体型ユニット構造となってい
る。
【0157】上下動駆動部148は、上下動ガイド部1
48Aを備えており、反応トレイ搬送部147によって
移送されてきた反応トレイ36を検体測定部143の内
部に上昇させて取り込み、そして、測定終了後に反応ト
レイ搬送部147の移送する位置まで2列の反応トレイ
36を同時に下降させる構造になっている。尚、上昇及
び下降は、後述する開口部138と連動している。
【0158】開口部138は、前記した「(1)測定用
搬送部を別途設けた検出モジュール」で概略を説明した
ように、検体測定部143内に反応トレイ36を取り込
んで暗室状態にする構造となっている。この暗室状態と
なる検体測定部143内には、サーモクーラにより恒温
状態に維持されており、発光測定による測定条件を一定
に保つ構造となっている。尚、恒温状態に維持するに
は、サーモクーラに限定されない。
【0159】即ち、開口部138は、図24及び図25
に示すように、検体測定部143の底板150に設けた
挿入開口部151と、底板150に挟持され摺動自在な
遮光板155とから構成されている。
【0160】挿入開口部151は、反応トレイ36が水
平状態で充分に通過できる空洞の挿入孔152と、上下
動ガイド部148A、148Bの凸部153a,153
bを収納する凸部用開口部154a,154bが挿入孔
152に延設されて形成されている。遮光板155は、
底板150に挟持され、摺動して検体測定部143の室
内を暗室状態にするものであり、挿入開口部151を覆
う大きさに形成され、且つ上下動ガイド部148A,1
48Bを通過する幅L、及び深さTの切欠き156a,
156bを備えた構造である。
【0161】このような構造からなる開口部138の動
作について以下説明する。 先ず図24及び図25に示すように、遮光板155が
全開きの状態で反応トレイ36の底面に設けてある外側
の両溝38,38に上下動ガイド部148A,148B
の先端側が嵌合し、挿入開口部151内を挿通して検体
測定部143内に引き上げられる。
【0162】そして、遮光板155が閉じる方向(図
25でX1の矢印方向)に摺動し、反応トレイ36の短
手方向の略半分以上であって、反応トレイ36が下に落
下しない程度の位置で停止する。
【0163】その後、図26及び図27に示すよう
に、上下動ガイド部148A,148Bが下降し、反応
トレイ36は遮光板155で支持されながら遮光板15
5が更に閉じる方向(図27でX2の矢印方向)に摺動
して、反応トレイ36を下から支持するとともに、切欠
き156a,156bの部分が移動して反応トレイ36
は検体測定部143内で暗室状態となる。ここで遮光板
155は反応トレイ36の底面を滑りながら移動するが
反応トレイ36は挿入開口部151内で嵌合された状態
であるため、持ち上げられた状態を維持することがで
き、従って遮光する際の位置ずれは起きない。
【0164】このような構成からなるウオーキングビー
ム機構を延長させた検出モジュール145は、サンプル
処理モジュール16でインキュベートされる動作と完全
に同期してトリガー試薬の分注及び発光測定が行われ
る。即ち、上記「(1)測定用搬送部を別途設けた検出
モジュール」で説明したように、反応トレイ36が停止
している移送間隔時間120秒の間に2列の反応トレイ
36の20個のウエル39を全て測定する(Y軸方
向)。そのため、1個のウエル39に要する測定時間は
5.5秒になる。そうすると2列からなる反応トレイ3
6の各ウエル39は全部で20個であるので、ウエル3
9全部を測定するのに必要とする時間は110秒とな
る。従って、残り10秒で2列の反応トレイ36は遮光
板155が開口部138によって開くと同時に上下動駆
動部148の上下動ガイド部148A,148Bによっ
て搬送位置まで下降される。そうして、この10秒経過
後にはウオーキングビーム機構101により前進駆動
(X軸方向)され、測定終了した反応トレイ36はスラ
イド板149を伝って転がり落ちて廃棄される。
【0165】このように、(1)測定用駆動部を別途設
けた発光測定部であっても、(2)ウオーキングビーム
機構を延長させた発光測定部であっても、反応トレイ3
6をX軸方向(前進方向)に移送させ、Y軸方向に試薬
の分注、洗浄、測定を順次行い、検体分注、多項目試薬
の選択的な分注、洗浄、及びトリガー試薬の分注、測光
という一連の行程を反応トレイ36の各ウエル39に分
注された検体に対して、同一反応時間にて、高速且つ簡
単に行うことができる構造になっている。尚、X軸方向
への反応トレイ36の移動する時間及び停止している間
にY軸方向に駆動する時間(110秒)、及び再びX軸
方向に駆動させるための時間(10秒)等の時間の設定
は適宜自由にできる。
【0166】[10]データ処理モジュール 次に、前記説明した分注モジュール,サンプル処理モジ
ュール,検出モジュールからなる多項目自動免疫測定シ
ステムのデータ処理モジュールは、図28に示すよう
に、3台のプロセッサ(例えばマイコン)156A,1
56B,156Cのバスラインを介して連結されてお
り、必要とする情報を随時、夫々のプロセッサ156
A,158B,156Cに送受信することによって、検
体の分注された反応トレイ36の正確な移送位置に応じ
て、反応トレイ36の各ウエル39へ定められた検査項
目に対応した試薬の分注、及び検体と試薬との反応状態
を測定することまでを一貫して正確に制御できる構成と
なっている。
【0167】第1のプロセッサ156Aは、分注モジュ
ール2の制御をし、3種類の制御用ポートA1,A2,
A3を備えている。
【0168】制御用ポートA1は、第1のコントローラ
157aと第2のコントローラ157bと、第1の検体
分注機構158aと、第2の検体分注機構158bとに
接続された構成になっている。
【0169】第1のコントローラ157aは、図1に示
す分注モジュール2の内、検体分注機構部11の2連独
立したノズルユニットの内、検体分注ノズルユニット1
4Aを制御する第1の検体分注機構158aを備えた構
成になっている。即ち、反応トレイ供給部2Aから移送
されて検体分注位置10にある1列目の反応トレイ36
の各分注ウエル39、又は指定された希釈チューブ64
に対して、検体分注ノズルユニット14Aが検体を分注
するのに必要なX軸、Y軸、Z軸方向への移動の制御を
する。
【0170】第2のコントローラ157bは、分注モジ
ュール2の内、検体分注機構部11の2連独立したノズ
ルユニットの内、検体分注ノズルユニット14Bを制御
する第2の検体分注機構158bを備えた構成である。
即ち、反応トレイ供給部2Aから移送されて、検体分注
位置10にある反応トレイ36の分注ウエル39、又は
希釈チューブ64に対して、検体分注ノズルユニット1
4Bが検体の分注に必要なX軸、Y軸、Z軸方向への移
動の制御をする。このようにして第1,第2の検体分注
機構158a,158bにより夫々独立したノズル14
A,14Bの制御をして反応トレイへの分注、又は希釈
チューブ64への分注ができるのである。
【0171】制御用ポートA2は,第1のシーケンサ1
59と、この第1のシーケンサ159に接続されている
駆動機構部160とに接続された構成である。
【0172】第1のシーケンサ159は、第1のプロセ
ッサ156Aからの情報と、後述する第2のプロセッサ
156Bの第2のシーケンサ162とからの情報に基づ
いて駆動機構部160の制御を行う。
【0173】駆動機構部160は、分注モジュール2の
反応トレイ供給部2Aを駆動して反応トレイ36をエレ
ベーター式に順次上方向に移送する制御、反応トレイ3
6を検体分注位置10に停止させる制御、及びサンプル
処理モジュール16に移送する制御をする。又、希釈の
際に希釈チューブラック部63の各希釈チューブ64に
対して、前記[5]の項で説明した前希釈及び後希釈の
操作を制御する。
【0174】制御用ポートA3は、いわゆるバスライン
であって、第2のプロッセサ158Bと、第3のプロセ
ッサ156Cとに連結され、逐次必要とする情報の送受
信を行う。
【0175】第2のプロセッサ156Bは、制御用ポー
トB1,B2,B3とから構成され、図1に示すサンプ
ル処理モジュール16の制御を行う。
【0176】制御用ポートB1は、第1の試薬分注部1
61aと、第2の試薬分注部161bとに接続された構
成になっている。
【0177】第1の試薬分注部161a及び第2の試薬
分注部161bは、サンプル処理モジュール16の内、
第1軸〜第6軸の試薬分注部20,21,22,23,
24,25の試薬分注ノズル群の反応トレイ36のウエ
ル39に向けた分注の制御を行うものである。詳細は前
記[7]インキュベータの項で説明してある。
【0178】制御用ポートB2は、第2のシーケンサ1
62とポンプ室制御手段163とから構成されている。
【0179】第2のシーケンサ162は、パルスモータ
コントローラ164と、移送機構制御部165とから構
成されている。
【0180】パルスモータコントローラ164は、移送
機構制御部165を制御するものである。即ち、移送機
構制御部165は、サンプル処理モジュール16の内、
ウオーキング・ビーム機構101(65)を正確なパル
スモータの制御によって、反応トレイ36を第1軸〜第
6軸の試薬分注部20,21,22,23,24,25
における試薬分注位置10及びヒートパネル機構18内
での正確な移送手段の制御をする。
【0181】そして、この移送手段の制御は、第1のプ
ロセッサ156Aの第1のシーケンサ159からの情
報、即ち分注モジュール2からの検体情報に基づいて制
御されるものである。
【0182】ポンプ室制御部163は、サンプル処理モ
ジュール16の内、第1軸〜第6軸の試薬分注部20,
21,22,23,24,25のポンプ群を制御する。
即ち、反応トレイ36の移送位置に対応して、ポンプ群
から試薬又は洗浄用試薬をノズル群に供給する。同時
に、各ポンプに貯蔵されている試薬の残存量やポンプの
駆動状態を常時監視している。詳細は前記[7]試薬の
分注とインキュベーションの項で説明してある。
【0183】制御用ポートB3は、第1のプロセッサ1
56Aの制御用ポートA3と同様に、所謂バスラインで
あって、第1のプロセッサ156Aと第3のプロセッサ
156Cとの情報交換を行う。
【0184】又、第2のプロセッサ156Bには直接制
御されない温度コントローラ166が別途設けられてい
る。この温度コントローラ166は、サンプル処理モジ
ュール16の内、トンネル型の恒温槽を一定の温度に維
持するヒートパネル機構18を制御する。
【0185】即ち、温度コントローラ166は、ヒート
パネル機構18によって、ヒートパネルの内部を通過す
る反応トレイ36を一定温度に維持することによって、
サンプル処理モジュール16内の全反応トレイ36を均
一な温度条件に維持するように制御する。
【0186】第3のプロセッサ156Cは、制御用ポー
トC1,C2に接続されて構成されている。
【0187】制御用ポートC1は、第3のコントローラ
167の制御を行うものであり、この第3のコントロー
ラ167は、搬送制御部168とフォトンカウンタ16
9とから構成されている。
【0188】搬送制御部168は、検出モジュール32
の内、反応トレイ36を検体測定部内に移動させる制御
を行う。即ち、反応トレイ36の第2キャビティ41内
の反応した検体の発光強度を測定するために、2列の反
応トレイ36を同時に検体測定部に出入れする上下動機
構部148及び開口部138を制御する。
【0189】フォトンカウンタ169は、検出モジュー
ル32の検体測定部143を制御する。即ち、反応トレ
イ36の各ウエル39の検体と試薬との反応状態を測定
するために、発光手段を有するトリガー試薬を各ウエル
39に注入して測定する制御を行う。
【0190】制御用ポートC2は、所謂バスラインであ
って、第1のプロセッサ156A及び第2のプロセッサ
156Bとの情報交換をする。
【0191】又、この第3のプロセッサ156Cには、
別個に温度コントローラ170が備えられている。この
温度コントローラ170は、サーモクーラ171に連結
されている。そして温度コントローラ170は、検出モ
ジュール32には図示していないがトリガー試薬ボトル
を保存する保存庫の温度調整をするサーモクーラ171
の制御をする。
【0192】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自動検
体測定システムは、以下のような効果を奏する。 (1)反応トレイに検体を分注する単体又は複数の検体
分注ノズルユニットを備えた分注モジュールと、インキ
ュベーションするサンプル処理モジュールと、発光強度
を測定する検出モジュールとを隣接状態に配設したこ
と、及び反応トレイを間欠的にスライド移送することに
より、検体及び試薬の分注が高精度に且つ迅速な大量処
理が可能になり、反応トレイの各ウエルを同一条件での
分注、試薬分注、洗浄等が行なうことができると云う極
めて優れた効果を奏する。
【0193】(2)分注モジュールには、トレイ供給部
から供給されている反応トレイをトレイ搬送手段により
停止している反応トレイのウエルに空きを作ることなく
分注する分注手段とを設けたことにより、制御を簡単に
して反応トレイを無駄なく、且つ大量の検体の処理がで
きると云う極めて優れた効果を奏する。
【0194】(3)分注モジュールの搬送手段には、検
体分注位置を境にして第1及び第2の検出手段により反
応トレイの搬送を制御するようにしたことにより、反応
トレイの搬送を連続して且つスムーズな搬送が可能とな
り、搬送不良の反応トレイを削減することができると云
う極めて優れた効果を奏する。
【0195】(4)分注モジュールの検体分注ノズルユ
ニットは、2連独立の検体分注ノズルユニットからな
り、検体情報に基づいて分注するウエルの数だけあけた
位置に一方の検体分注ノズルユニットを移動させて前記
2連独立の検体分注ノズルユニットが同時に分注を開始
するようにしたことにより、反応トレイへの検体の分注
を迅速に且つ正確に行なうことができるようになり、検
体の分注を短時間で大量処理を行なうことができると云
う極めて優れた効果を奏する。
【0196】(5)分注チップは、先細みの先端と検体
ノズルユニットのノズル先端の径よりも大きい径の後端
縁を有し、検体ノズル先端を下降させて装着し、検体の
分注後には前記後端縁を引掛けてノズル先端と離脱させ
ることにより、構造が簡単であっても分注チップの交換
をワンアクションで着脱できるようになると云う極めて
優れた効果を奏する。
【0197】(6)分注モジュールに希釈手段を設けた
ことにより、検査項目に対応した希釈を自動的に行える
ようになり、免疫測定時間を大幅に短縮することができ
ると云う極めて優れた効果を奏する。
【0198】
【0199】(8)サンプル処理モジュールに反応トレ
イを間欠的にスライド移送するウオーキングビーム機構
を備えたことにより、長時間必要とする恒温状態でのイ
ンキュベーションであっても熱膨張による反応トレイの
位置ずれ等を防止し、正確な試薬及び洗浄等の動作が正
確に且つ大量に行なうことができると云う極めて優れた
効果を奏する。
【0200】(9)ウオーキングビーム機構は、上昇し
て前進し下降して後退する移送バーを備え、この移送バ
ーが上昇した時に反応トレイをスライド移送するように
したことにより、スネークチエーン等の搬送手段に比
べ、熱膨張による位置ずれ等が発生せず、且つ正確な搬
送をすることができると云う極めて優れた効果を奏す
る。
【0201】
【0202】(11)移送バーを検出モジュールの領域
に延設したことにより、サンプリング処理モジュールと
正確に同期させて、反応状態にある反応トレイを正確に
測定部に送ることができると云う極めて優れた効果を奏
する。
【0203】(12)サンプル処理モジュールは、反応
トレイを間欠的にスライド移送後の停止した時間帯に試
薬の分注又は洗浄を行なうことにより、停止した反応ト
レイの分注を可能にすることができ、分注する位置決め
を簡単にしても高精度な分注ができると云う極めて優れ
た効果を奏する。
【0204】(13)検出モジュールの測定は、サンプ
ル処理モジュールの試薬分注と同一時間間隔で行なうこ
とにより、ウオーキングビーム機構に同期させた正確な
測定を同一条件下で行なうことができると云う極めて優
れた効果を奏する。
【0205】(14)トリガー試薬を分注する測定試薬
分注ノズルと、検体液中の被測定物質の量に応じた信号
を測定する手段とが一体型ユニット構造にしたことによ
り、発光測定ユニット自体を小型化しても高精度な測定
をすることができると云う極めて優れた効果を奏する。
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムの全体構成を略示的に示
した正面図である。
【図2】本発明のシステムで使用される一例の反応トレ
イの平面図である。
【図3】第2図のA−A線に沿う断面図である。
【図4】同反応トレイにノズルから分注する様子を示し
た第2図のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図5】本発明に係るシステムの分注モジュールにおけ
る反応トレイの供給状態を示した説明図である。
【図6】同分注モジュールの分注チップ装着する様子を
示した要部の略示的斜視図である。
【図7】同分注モジュールにおける検体分注の様子を示
した要部の略示的斜視図である。
【図8】同分注モジュールの分注チップ離脱させる様子
を示した要部の略示的斜視図である。
【図9】同分注モジュールにおける検体の希釈機構を含
めた希釈状況を示す略示的平面図である。
【図10】同検体の希釈操作から分注に至るブロックフ
ロー図である。
【図11】本発明に係るシステムにおいて、検体の測定
及び検査項目に対応した直接分注と希釈分注の概念を示
すブロック図である。
【図12】検体の希釈状況を示す説明図である。
【図13】本発明に係るシステムに使用されるウオーキ
ングビーム機構を略示的に示した正面図である。
【図14】同ウオーキングビーム機構の全体を分離し一
部を省略して示した斜視図である。
【図15】ウオーキングビーム機構の他の例の一部を切
り欠いて示した要部の斜視図である。
【図16】本発明に係るシステムのアッセイラインの全
体を略示的に示した説明図である。
【図17】同アッセイラインの全体を略示的に示した平
面図である。
【図18】同アッセイラインにおける反応トレイへの試
薬分注を示した説明図である。
【図19】同アッセイラインにおける反応トレイに対
し、トランスバッファとウオッシュバッファの供給状態
を示した説明図である。
【図20】同反応トレイへのウオッシュバッファの供給
状態を示した説明図である。
【図21】本発明に係るシステムの検出モジュールの要
部を略示的に示した正面図である。
【図22】同検出モジュールに対する反応トレイの搬送
手段を略示的に示した正面図である。
【図23】同検出モジュールにおける反応トレイの取り
込みと排出とを略示的に示した正面図である。
【図24】同検出モジュールにおける遮光機構の遮蔽前
の状態を示した断面図である。
【図25】同検出モジュールにおける遮光機構の遮蔽前
の状態を示した略示的平面図である。
【図26】同検出モジュールにおける遮光機構の遮蔽状
態を示した断面図である。
【図27】同検出モジュールにおける遮光機構の遮蔽状
態を示した略示的平面図である。
【図28】本発明に係るシステムの制御関係の全体を表
したブロック図である。
【符号の説明】
1 多項目自動免疫測定システム 2 分注モジュール 2A 応トレイ供給部 3 ストッカー 4 駆動源 5 第1の搬送部 6 アーム 7 コンベア 8 第2の搬送部 9 ベルトコンベア 10 検体分注位置 11 検体分注機構部 12 検体ラック部 13 検体容器 13A 検体ラック 14,14A,14B 検体分注ノズルユニット 15 ノズル駆動部 16 サンプル処理モジュール 17 ウオーキングビーム機構 18,18a,18b,18c ヒートパネル機構 19 試薬分注機構 20 第1軸の試薬分注部 21 第2軸の試薬分注部 22 第3軸の試薬分注部 23 第4軸の試薬分注部 24 第5軸の試薬分注部 25 第6軸の試薬分注部 26,27,28,29,30,31 アッセイ部 32 検出モジュール 32A 検体測定部 33 上下動駆動部 34 上下ガイド部 35 遮蔽部 36,36A,36B,36C 反応トレイ 37 位置決め片 38,38a ガイド溝 39 ウエル 40 第1キャビティ 41 第2キャビティ 42 排気孔 43 繊維マトリックス 44 吸収材 45 試薬分注ノズルユニット 46 洗浄ノズル 47 フォトセンサ 48 ベルト 49,50,52 フォトセンサ 51 一時ストッパ 53 トレイストッパ 53A X軸用ノズル駆動部 54 Y軸用ノズル駆動部 55 Z軸用ノズル駆動部 56 分注チップ 57 分注チップ格納器 57A チップ集積器 58 チップ集積孔 59 希釈部 60 希釈駆動部 61 4連ノズルユニット 62a,62b,62c,62d ノズル 63 希釈チューブラック部 64 希釈チューブ 65 ウオーキングビーム機構 66 反応トレイガイド部 67,68 レール 69 反応トレイ移送部 70,71 支持板 72,73 移送バー 74 原点センサー 75 突部 76,77,78,79 係合孔 80 凸部 81 間隔 82 駆動部 83 基板 84a,84b,84c,84d 軸受け 85 モータ 86 ベルト 86a,86b,86c,86d 偏心棒 87 ベルト 87a,87b,87c,87d ロータ 88a,88b 上下動用軸 89a,89b 上下動軸 90 スイング機構 91a,91b 上下動バー 92 モータ 93 モータ基板 94 ベルト 95 ロータ 96 ロータ基板 97a,97b,97c,97d 長溝孔 98 水平動伝達部材 99a,99b 軸受板 99c,99d 軸受部 100a,100b 水平棒 101 ウオーキングビーム機構 102 駆動部 104 アーム 104a,104b 軸受け 106 長孔 107 駆動伝達板 112 スイング機構 117 前後進用基板 118 前後進用突起 127 第1軸の分注ノズル駆動部 128 第2軸の分注ノズル駆動部 129 第3軸の分注ノズル駆動部 130 第4軸の分注ノズル駆動部 131 第5軸の分注ノズル駆動部 132 第6軸の分注ノズル駆動部 133a,133b,133c,133d ノズル 133e,133f,133g,133h ノズル 134a,134b,134c,134d ノズル群 134e,134f,134g,134h ノズル群 135a,135b,135c,135d ポンプ 135e,135f,135g,135h ポンプ 136a,136b,136c,136d ポンプ群 136e,136f,136g,136h ポンプ群 137 開閉制御部 137a,137b,137c,137d ボトル 137e,137f,137g,137h ボトル 138 開口部 138a,138b,138c,138d ボトル群 138e,138f,138g,138h ボトル群 139 開閉駆動部 140 遮光板 141 検体測定部 142 分注ノズル駆動部 143 発光測定部 144 遮蔽蓋 145 検出モジュール 146,146A 測定用搬送部 146a 反応トレイ搬送部 146b ベルト 146c 駆動モータ 147 反応トレイ搬送部 148 上下動駆動部 148A 上下動ガイド部 149 スライド板 150 底板 151 挿入開口部 152 挿入孔 153a,153b 凸部 154a,154b 凸部用開口部 155 遮光板 156a,156b 凸部 156A 第1のプロセッサ 156B 第2のプロッセサ 156C 第3のプロセッサ 157a 第1のコントローラ 157b 第2のコントローラ 158a 第1の検体分注機構 158b 第2の検体分注機構 159 第1のシーケンサ 160 駆動機構部 161a 第1の試薬分注部 161b 第2の試薬分注部 162 第2のシーケンサ 163 ポンプ室制御部 164 パルスモータコントローラ 165 移送機構制御部 166 温度コントローラ 167 第3のコントローラ 168 搬送制御部 169 フォトンカウンタ 170 温度コントローラ 171 サーモクーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 35/06 K (72)発明者 金澤 健一 千葉県松戸市稔台344 ダイナボット株 式会社総合研究所内内 (72)発明者 久保 恵宜 千葉県松戸市稔台344 ダイナボット株 式会社総合研究所内内 (56)参考文献 特開 平1−109264(JP,A) 特開 平2−236455(JP,A) 特開 平2−67962(JP,A) 日本機械学会著作,機械工学便覧 C.エンジニアリング編,日本,1989年 10月15日,初版第1刷,第C3−125頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/10 G01N 1/00 101 G01N 1/10 G01N 35/00 G01N 35/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独或いは多連の検体分注ノズルユニッ
    トが検体情報に基づいて分注する検体分注手段と、反応
    トレイを供給するトレイ供給手段と、反応トレイをコン
    ベアで搬送するトレイ搬送手段と、から構成される分注
    モジュールと、 前記設定された検体情報に基づいて各検体の測定項目に
    対応した反応試薬を対応するウエルに分注する試薬分注
    手段と、順次上昇して前進し、下降して後退する移送バ
    ーが反応トレイを複数個同時に間欠的にスライド移送さ
    せるウオーキングビーム機構と、該ウオーキングビーム
    機構の各反応トレイを移送通路においても恒温に維持す
    る機構と、を備えたサンプル処理モジュールと、 前記設定された検体情報に基づいて、反応トレイの各ウ
    エルに反応測定用試薬を分注し、発光強度を測定する発
    光測定手段を備えた検出モジュールと、 を隣接状態に配設したことを特徴とする多項目自動免疫
    測定システム。
  2. 【請求項2】 上記トレイ搬送手段は、反応トレイを搬
    送する方向であって検体分注位置を境にして前側に第1
    の検出手段、後側に第2の検出手段を設け、前記第1の
    検出手段により反応トレイを検出した時に、検体分注位
    置に反応トレイがないことを確認して検体分注位置に反
    応トレイを移送すると共に、検体分注位置の反応トレイ
    は、前記第2の検出手段が反応トレイを検出していない
    時に前記検体分注位置の反応トレイを移送させることを
    特徴とする請求項1に記載の多項目自動免疫測定システ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記分注モジュールの検体分注ノズルユ
    ニットのノズル先端に装着する分注チップは、先細みの
    先端と前記検体分注ノズルユニットのノズル先端の径よ
    りも大きい径の後端縁を有し、前記分注チップのノズル
    先端の往復運動の内、下降した時に装着し、検体の分注
    後のノズル先端の往復運動の内、上昇の時に前記後端縁
    を引掛けてノズル先端と離脱させることを特徴とする請
    求項1に記載の多項目自動免疫測定システム。
  4. 【請求項4】 上記サンプル処理モジュールには、反応
    トレイの移送方向に直交する方向に自在に移動できる試
    薬分注ノズル群を有し、且つその試薬分注ノズル群を反
    応トレイの移送方向の複数列に備えたことを特徴とする
    請求項1に記 載の多項目自動免疫測定システム。
  5. 【請求項5】 上記サンプル処理モジュールは、反応ト
    レイが間欠的にスライド移送して停止している時間帯に
    反応トレイの各ウエルに試薬の分注及び又は洗浄を行な
    うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の多項目
    自動免疫測定システム。
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