JP3402648B2 - 複合部材の製造方法 - Google Patents
複合部材の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マトリックス金属に強
化用繊維が分散されてなる複合材料の製造方法に関す
る。
化用繊維が分散されてなる複合材料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金などの軽金属をマトリ
ックスとしセラミック繊維等で強化された複合材料(所
謂FRM)は、比強度、比剛性が高く、また耐摩耗性や
熱的形状安定性(熱膨張が小さい)が良好なため、構造
部材に適するとして注目されている。このような複合材
料は、一般には、セラミックスのウイスカや短繊維によ
って所定の形状及び体積率を有する繊維成形体を成形
し、この繊維成形体にマトリックス金属の溶湯を加圧含
浸させることによって製造されている。
ックスとしセラミック繊維等で強化された複合材料(所
謂FRM)は、比強度、比剛性が高く、また耐摩耗性や
熱的形状安定性(熱膨張が小さい)が良好なため、構造
部材に適するとして注目されている。このような複合材
料は、一般には、セラミックスのウイスカや短繊維によ
って所定の形状及び体積率を有する繊維成形体を成形
し、この繊維成形体にマトリックス金属の溶湯を加圧含
浸させることによって製造されている。
【0003】例えば、特開昭61−279646号公報
には、アルミナ短繊維を圧縮成形して所定形状及び体積
率の繊維成形体を形成し、該繊維成形体を両端が開口し
たステンレス製の四角柱状ケースに装填して、当該ケー
スと共に金型のキャビティに配置し、その状態でアルミ
ニウム合金溶湯を上記開口から繊維成形体に加圧含浸さ
せるようにした製造方法が開示されている。上記繊維成
形体の成形には、強化用繊維とバインダーと水との混合
液からフィルターを介して水分を吸引除去し、得られた
成形体をさらに圧縮して繊維体積率を調整した後、80
0℃程度で焼成する、という方法が通常は採用される。
には、アルミナ短繊維を圧縮成形して所定形状及び体積
率の繊維成形体を形成し、該繊維成形体を両端が開口し
たステンレス製の四角柱状ケースに装填して、当該ケー
スと共に金型のキャビティに配置し、その状態でアルミ
ニウム合金溶湯を上記開口から繊維成形体に加圧含浸さ
せるようにした製造方法が開示されている。上記繊維成
形体の成形には、強化用繊維とバインダーと水との混合
液からフィルターを介して水分を吸引除去し、得られた
成形体をさらに圧縮して繊維体積率を調整した後、80
0℃程度で焼成する、という方法が通常は採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載の方法のように繊維成形体をケースに装填した状態で
溶湯の加圧含浸を行なった場合には、そうでもないが、
ケースに装填せずに繊維成形体をそのまま金型のキャビ
ティに配置して上記加圧含浸を行なった場合には繊維成
形体に割れを生じ易いという問題がある。
載の方法のように繊維成形体をケースに装填した状態で
溶湯の加圧含浸を行なった場合には、そうでもないが、
ケースに装填せずに繊維成形体をそのまま金型のキャビ
ティに配置して上記加圧含浸を行なった場合には繊維成
形体に割れを生じ易いという問題がある。
【0005】本発明者は、当該問題について検討したと
ころ、それは、繊維成形体における強化用繊維が一定の
方向に配向していることが原因になっていることを見出
だした。すなわち、上述の如く、強化用繊維を含有する
混合液に対しその1か所から吸引脱水を行なうと、吸引
口付近では繊維が吸引方向に配向する一方、周辺部では
混合液に上記吸引口に向かう流れを生ずるために当該吸
引方向と直交する方向に繊維が配向する。その結果、こ
の繊維配向方向はこれに直交する方向よりも溶湯の侵入
に対する抵抗が小さくなる。このため、このような繊維
成形体に溶湯の加圧含浸処理を行なうと、溶湯が上記周
辺部の繊維配向方向に面した表面部から繊維成形体内に
多量に侵入する。そして、繊維成形体は、繊維配向方向
には強いが、それに直交する方向には弱いため、上記多
量の溶湯の侵入によって繊維配向方向の割れ(層状剥
離)を生ずるものである。
ころ、それは、繊維成形体における強化用繊維が一定の
方向に配向していることが原因になっていることを見出
だした。すなわち、上述の如く、強化用繊維を含有する
混合液に対しその1か所から吸引脱水を行なうと、吸引
口付近では繊維が吸引方向に配向する一方、周辺部では
混合液に上記吸引口に向かう流れを生ずるために当該吸
引方向と直交する方向に繊維が配向する。その結果、こ
の繊維配向方向はこれに直交する方向よりも溶湯の侵入
に対する抵抗が小さくなる。このため、このような繊維
成形体に溶湯の加圧含浸処理を行なうと、溶湯が上記周
辺部の繊維配向方向に面した表面部から繊維成形体内に
多量に侵入する。そして、繊維成形体は、繊維配向方向
には強いが、それに直交する方向には弱いため、上記多
量の溶湯の侵入によって繊維配向方向の割れ(層状剥
離)を生ずるものである。
【0006】この場合、特に問題なのは、極めて微小な
繊維(例えば、直径0.5μ以下、長さ20μ以下)を
強化用繊維とする場合である。つまり、このような微小
な強化用繊維の場合、その成形体は気孔が微小なものに
なるため、金属溶湯を加圧含浸する際の溶湯侵入抵抗が
大きく、結果的に相当大きな圧力で含浸させることにな
り、そのことが割れを助長するためである。
繊維(例えば、直径0.5μ以下、長さ20μ以下)を
強化用繊維とする場合である。つまり、このような微小
な強化用繊維の場合、その成形体は気孔が微小なものに
なるため、金属溶湯を加圧含浸する際の溶湯侵入抵抗が
大きく、結果的に相当大きな圧力で含浸させることにな
り、そのことが割れを助長するためである。
【0007】これに対して、上記繊維成形体あるいは溶
湯温度を高くすることによって、溶湯の粘性を低くし上
記溶湯侵入抵抗を下げることも考えられるが、そうする
と、溶湯と強化用繊維との反応を招き易くなる。その結
果、得られる複合材料の強度が所期のものよりも低くな
ってしまう。従って、上記溶湯温度等を高めるにも限界
がある。また、繊維成形体を成形する際にバインダ量を
多くしておくことによって、当該繊維成形体の強度を向
上させることも考えられるが、バインダは吸引脱水の抵
抗となるため、繊維成形体の成形性が悪くなる問題があ
り、バインダの増量にも限界がある。
湯温度を高くすることによって、溶湯の粘性を低くし上
記溶湯侵入抵抗を下げることも考えられるが、そうする
と、溶湯と強化用繊維との反応を招き易くなる。その結
果、得られる複合材料の強度が所期のものよりも低くな
ってしまう。従って、上記溶湯温度等を高めるにも限界
がある。また、繊維成形体を成形する際にバインダ量を
多くしておくことによって、当該繊維成形体の強度を向
上させることも考えられるが、バインダは吸引脱水の抵
抗となるため、繊維成形体の成形性が悪くなる問題があ
り、バインダの増量にも限界がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対し、上記繊維成形体の特定の表面部位に溶湯の侵
入を抑制する処理を施すことによって、その解決を図る
ものである。
題に対し、上記繊維成形体の特定の表面部位に溶湯の侵
入を抑制する処理を施すことによって、その解決を図る
ものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する手段は、マ
トリックス金属に強化用繊維が分散されてなる複合材料
の製造方法であって、上記強化用繊維によって該強化用
繊維が所定の方向に配向した所定形状の繊維成形体を成
形し、上記繊維成形体の互いに向きが異なる各表面部の
うち上記強化用繊維の端が臨んでいる表面部には全て、
上記マトリックス金属の溶湯の侵入を抑制する溶湯侵入
抑制層を形成し、上記溶湯侵入抑制層が形成された繊維
成形体を加圧鋳造用金型のキャビティに配置して、上記
溶湯を当該繊維成形体に加圧含浸させることにより、上
記溶湯侵入抑制層によって、上記繊維成形体の全表面か
ら内部にほぼ均等に溶湯を侵入させるようにする、もし
くは、上記繊維成形体の上記溶湯侵入抑制層が形成され
ていない表面部から多く溶湯を内部に侵入させるように
することを特徴とする。
トリックス金属に強化用繊維が分散されてなる複合材料
の製造方法であって、上記強化用繊維によって該強化用
繊維が所定の方向に配向した所定形状の繊維成形体を成
形し、上記繊維成形体の互いに向きが異なる各表面部の
うち上記強化用繊維の端が臨んでいる表面部には全て、
上記マトリックス金属の溶湯の侵入を抑制する溶湯侵入
抑制層を形成し、上記溶湯侵入抑制層が形成された繊維
成形体を加圧鋳造用金型のキャビティに配置して、上記
溶湯を当該繊維成形体に加圧含浸させることにより、上
記溶湯侵入抑制層によって、上記繊維成形体の全表面か
ら内部にほぼ均等に溶湯を侵入させるようにする、もし
くは、上記繊維成形体の上記溶湯侵入抑制層が形成され
ていない表面部から多く溶湯を内部に侵入させるように
することを特徴とする。
【0010】上記マトリックス金属としては、アルミニ
ウム合金やマグネシウム合金など軽金属の使用が作業性
の上から好適である。
ウム合金やマグネシウム合金など軽金属の使用が作業性
の上から好適である。
【0011】上記強化用繊維としては、炭化珪素ウイス
カ、チタン酸カリウイスカ、ホウ酸アルミウイスカ、ア
ルミナ短繊維など、各種のウイスカないしは短繊維を採
用することができる。
カ、チタン酸カリウイスカ、ホウ酸アルミウイスカ、ア
ルミナ短繊維など、各種のウイスカないしは短繊維を採
用することができる。
【0012】上記溶湯侵入抑制層の形成は、繊維成形体
における強化用繊維の端が臨んでいる表面部にカーボン
層を形成する方法、当該表面部にバインダを内部よりも
高濃度に付着させる方法など適宜の方法を採用すること
ができる。
における強化用繊維の端が臨んでいる表面部にカーボン
層を形成する方法、当該表面部にバインダを内部よりも
高濃度に付着させる方法など適宜の方法を採用すること
ができる。
【0013】上記強化用繊維の端が臨んでいる表面部に
バインダを内部よりも高濃度に付着させる方法として
は、上記繊維成形体をバインダ液に浸漬して該繊維成形
体の全表面にバインダを内部よりも高濃度に付着させた
後、該繊維成形体における上記強化用繊維の端が臨んで
いる表面を除く他の上記バインダが高濃度に付着した表
面層を切除する方法が好適である。
バインダを内部よりも高濃度に付着させる方法として
は、上記繊維成形体をバインダ液に浸漬して該繊維成形
体の全表面にバインダを内部よりも高濃度に付着させた
後、該繊維成形体における上記強化用繊維の端が臨んで
いる表面を除く他の上記バインダが高濃度に付着した表
面層を切除する方法が好適である。
【0014】もちろん、上記溶湯侵入抑制層は、繊維成
形体の該当する表面部にバインダ等の溶湯侵入抑制剤を
塗布することによっても形成することができる。
形体の該当する表面部にバインダ等の溶湯侵入抑制剤を
塗布することによっても形成することができる。
【0015】
【作用】上記複合材料の製造方法においては、繊維成形
体における強化用繊維の端が臨 んでいる表面部に溶湯侵
入抑制層が形成されているため、溶湯は繊維成形体の全
表面から内部にほぼ均等に、もしくは、どちらかという
と上記溶湯侵入抑制層が形成されていない表面部から多
く侵入することになる。すなわち、当該繊維成形体は、
上記溶湯侵入抑制層の形成によって、強化用繊維の端が
臨んでいる表面からの溶湯の侵入が抑制されるから、溶
湯の加圧含浸時の割れが防止される。この場合、溶湯温
度あるいは繊維成形体温度を高める必要はなく、溶湯と
繊維成形体との反応劣化の問題はない。また、繊維成形
体を成形する際のバインダ濃度を特に高める必要はない
から、その成形性悪化の問題も生じない。
体における強化用繊維の端が臨 んでいる表面部に溶湯侵
入抑制層が形成されているため、溶湯は繊維成形体の全
表面から内部にほぼ均等に、もしくは、どちらかという
と上記溶湯侵入抑制層が形成されていない表面部から多
く侵入することになる。すなわち、当該繊維成形体は、
上記溶湯侵入抑制層の形成によって、強化用繊維の端が
臨んでいる表面からの溶湯の侵入が抑制されるから、溶
湯の加圧含浸時の割れが防止される。この場合、溶湯温
度あるいは繊維成形体温度を高める必要はなく、溶湯と
繊維成形体との反応劣化の問題はない。また、繊維成形
体を成形する際のバインダ濃度を特に高める必要はない
から、その成形性悪化の問題も生じない。
【0016】
【発明の効果】従って、本発明によれば、繊維成形体に
おける上記強化用繊維の端が臨んでいる表面部に溶湯侵
入抑制層を形成してから、溶湯を当該繊維成形体に加圧
含浸させるようにしたから、繊維成形体の成形性悪化や
複合材料の強度低下の問題を招くことなく、溶湯の加圧
含浸時における繊維成形体の割れを防止することができ
る。
おける上記強化用繊維の端が臨んでいる表面部に溶湯侵
入抑制層を形成してから、溶湯を当該繊維成形体に加圧
含浸させるようにしたから、繊維成形体の成形性悪化や
複合材料の強度低下の問題を招くことなく、溶湯の加圧
含浸時における繊維成形体の割れを防止することができ
る。
【0017】また、溶湯侵入抑制層を繊維成形体のバイ
ンダ液への浸漬及び不要表面層の切除によって形成する
方法によれば、該溶湯侵入抑制層を簡単に形成すること
ができる。
ンダ液への浸漬及び不要表面層の切除によって形成する
方法によれば、該溶湯侵入抑制層を簡単に形成すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0019】<実施例1>
−混合液の調製−
強化用繊維としてのチタン酸カリウイスカを水に分散さ
せ、これにバインダとして少量のアルミナゾルを添加し
て繊維成形体用混合液を調製した。チタン酸カリウイス
カの直径は0.5μないしはそれ以下、長さは20μな
いしはそれ以下である。上記混合液におけるアルミナゾ
ルの濃度は0.3重量%である。
せ、これにバインダとして少量のアルミナゾルを添加し
て繊維成形体用混合液を調製した。チタン酸カリウイス
カの直径は0.5μないしはそれ以下、長さは20μな
いしはそれ以下である。上記混合液におけるアルミナゾ
ルの濃度は0.3重量%である。
【0020】−繊維成形体の成形−
上記混合液からフィルターを介して水分を吸引除去する
ことによって予備繊維成形体を作成した。そして、これ
をプレスで圧縮し繊維体積率を20%に調整した後、自
然乾燥させ、次に800℃で焼成することにより、図1
に示す板状の繊維成形体1を得た。
ことによって予備繊維成形体を作成した。そして、これ
をプレスで圧縮し繊維体積率を20%に調整した後、自
然乾燥させ、次に800℃で焼成することにより、図1
に示す板状の繊維成形体1を得た。
【0021】上記繊維成形体1において、上記吸引脱水
の方向はその下面中央における下向き方向Aであり、そ
の結果、当該吸引口の周辺部では強化用繊維の配向方向
が板面に平行で且つ成形体中央に向かうものになってい
る。
の方向はその下面中央における下向き方向Aであり、そ
の結果、当該吸引口の周辺部では強化用繊維の配向方向
が板面に平行で且つ成形体中央に向かうものになってい
る。
【0022】−溶湯侵入抑制層の形成−
上記繊維成形体1の上下両面にマスキング剤としてワッ
クスを必要量塗布した後、当該繊維成形体1を水溶性コ
ロイダルカーボン高濃度液に浸漬して、繊維成形体1の
側面(上記強化用繊維の端が臨んでいる表面)2にカー
ボンを付着させた。次にこれを自然乾燥させた後に、2
00℃で乾燥させて図2に示すように上記側面に0.5
mmの溶湯侵入抑制層(カーボン層)3を形成するととも
に、上記ワックスを除去した。
クスを必要量塗布した後、当該繊維成形体1を水溶性コ
ロイダルカーボン高濃度液に浸漬して、繊維成形体1の
側面(上記強化用繊維の端が臨んでいる表面)2にカー
ボンを付着させた。次にこれを自然乾燥させた後に、2
00℃で乾燥させて図2に示すように上記側面に0.5
mmの溶湯侵入抑制層(カーボン層)3を形成するととも
に、上記ワックスを除去した。
【0023】−溶湯の加圧含浸−
上記溶湯侵入層3が形成された繊維成形体1を図3に示
す加圧鋳造用金型4のキャビティ5に配置した。図3に
おいて、6は上型、7は下型、8はプランジャスリー
ブ、9はプランジャチップ、10はアルミニウム合金溶
湯である。すなわち、上記プランジャチップ9を所定圧
力で前進させることによって上記繊維成形体1にアルミ
ニウム合金溶湯10を含浸させた。溶湯加圧含浸条件は
次の通りである。
す加圧鋳造用金型4のキャビティ5に配置した。図3に
おいて、6は上型、7は下型、8はプランジャスリー
ブ、9はプランジャチップ、10はアルミニウム合金溶
湯である。すなわち、上記プランジャチップ9を所定圧
力で前進させることによって上記繊維成形体1にアルミ
ニウム合金溶湯10を含浸させた。溶湯加圧含浸条件は
次の通りである。
【0024】
アルミニウム合金 ;JIS AC8A
繊維成形体予熱温度;400℃
溶 湯 温 度 ;750℃
溶 湯 加 圧 力;1200気圧
溶湯射出速度 ;60mm/sec
【0025】−得られた複合材料について−
図4には得られた複合材料11が示されている。図5は
上記溶湯侵入抑制層を形成せずに且つ他は上記実施例と
同じ条件で製造した複合材料(比較例)12を示す。実
施例に係る図4の複合材料11の場合、部分的な微小割
れ(アルミニウム合金が存在する)13が見られるもの
の、マクロ的な割れの発生はまったくない。なお、14
はアルミニウム合金のみの部分である。これに対して、
比較例に係る図5の複合材料12の場合、その内部を層
厚なアルミニウム合金のみの層14が横方向に延びてい
る。これは繊維成形体に割れ15が発生した結果と認め
られる。また、比較例の場合、他にも微小割れ16が横
方向に延びており、これから、溶湯が繊維成形体の強化
用繊維の端が臨んでいる側面から多量に侵入したことが
わかる。
上記溶湯侵入抑制層を形成せずに且つ他は上記実施例と
同じ条件で製造した複合材料(比較例)12を示す。実
施例に係る図4の複合材料11の場合、部分的な微小割
れ(アルミニウム合金が存在する)13が見られるもの
の、マクロ的な割れの発生はまったくない。なお、14
はアルミニウム合金のみの部分である。これに対して、
比較例に係る図5の複合材料12の場合、その内部を層
厚なアルミニウム合金のみの層14が横方向に延びてい
る。これは繊維成形体に割れ15が発生した結果と認め
られる。また、比較例の場合、他にも微小割れ16が横
方向に延びており、これから、溶湯が繊維成形体の強化
用繊維の端が臨んでいる側面から多量に侵入したことが
わかる。
【0026】<実施例2>
本例は溶湯侵入抑制層の形成工程が実施例1と異なり、
アルミナバインダを溶湯侵入抑制層の形成に利用したも
のであり、他は実施例1と同じである。
アルミナバインダを溶湯侵入抑制層の形成に利用したも
のであり、他は実施例1と同じである。
【0027】すなわち、実施例1と同じ混合液調製工程
及び繊維成形体成形工程を経て得られた繊維成形体1を
高濃度のアルミナゾル水溶液(アルミナゾル10重量
%)に浸漬し、自然乾燥後、800℃で焼成した。しか
る後に、繊維成形体1の上下の表面層(アルミナゾルに
よるバインダが内部よりも高濃度に存在する部位)を切
除することによって、側面のみにバインダが高濃度に存
在する溶湯侵入抑制層を形成した。該溶湯侵入抑制層の
厚みは1mm程度であった。
及び繊維成形体成形工程を経て得られた繊維成形体1を
高濃度のアルミナゾル水溶液(アルミナゾル10重量
%)に浸漬し、自然乾燥後、800℃で焼成した。しか
る後に、繊維成形体1の上下の表面層(アルミナゾルに
よるバインダが内部よりも高濃度に存在する部位)を切
除することによって、側面のみにバインダが高濃度に存
在する溶湯侵入抑制層を形成した。該溶湯侵入抑制層の
厚みは1mm程度であった。
【0028】そうして、得られた繊維成形体に実施例1
と同じ溶湯加圧含浸処理を施して複合材料を得た。この
複合材料の場合も実施例1のそれと同様に実質的な割れ
は見られなかった。
と同じ溶湯加圧含浸処理を施して複合材料を得た。この
複合材料の場合も実施例1のそれと同様に実質的な割れ
は見られなかった。
【図1】繊維成形体の斜視図
【図2】上記繊維成形体に溶湯侵入抑制層を形成したも
のの斜視図
のの斜視図
【図3】加圧鋳造装置の断面図
【図4】実施例に係る複合材料の断面図
【図5】比較例に係る複合材料の断面図
1 繊維成形体
2 側面(強化用繊維の端が臨んでいる表面)
3 溶湯侵入抑制層
4 加圧鋳造用金型
5 キャビティ
10 アルミニウム合金溶湯
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中村 右英
広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ
ダ株式会社内
(56)参考文献 特開 昭62−234651(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C22C 47/08
B22D 17/00
B22D 18/02
B22D 19/14
Claims (2)
- 【請求項1】 マトリックス金属に強化用繊維が分散さ
れてなる複合材料の製造方法であって、 上記強化用繊維によって該強化用繊維が所定の方向に配
向した所定形状の繊維成形体を成形し、 上記繊維成形体の互いに向きが異なる各表面部のうち上
記強化用繊維の端が臨んでいる表面部には全て、上記マ
トリックス金属の溶湯の侵入を抑制する溶湯侵入抑制層
を形成し、 上記溶湯侵入抑制層が形成された繊維成形体を加圧鋳造
用金型のキャビティに配置して、上記溶湯を当該繊維成
形体に加圧含浸させることにより、上記溶湯侵入抑制層
によって、上記繊維成形体の全表面から内部にほぼ均等
に溶湯を侵入させるようにする、もしくは、上記繊維成
形体の上記溶湯侵入抑制層が形成されていない表面部か
ら多く溶湯を内部に侵入させるようにすることを特徴と
する複合材料の製造方法。 - 【請求項2】 上記溶湯侵入抑制層を形成する工程は、
上記繊維成形体をバインダ液に浸漬して該繊維成形体の
全表面にバインダを内部よりも高濃度に付着させた後、
該繊維成形体における上記強化用繊維の端が臨んでいる
表面を除く他の上記バインダが高濃度に付着した表面層
を切除するものである請求項1に記載の複合部材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05688193A JP3402648B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | 複合部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05688193A JP3402648B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | 複合部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271958A JPH06271958A (ja) | 1994-09-27 |
JP3402648B2 true JP3402648B2 (ja) | 2003-05-06 |
Family
ID=13039765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05688193A Expired - Fee Related JP3402648B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | 複合部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3402648B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4851324A (en) * | 1987-07-27 | 1989-07-25 | Hoechst Celanese Corporation | Phenoxy propanol containing developer compositions for lithographic plates having neutral pH |
-
1993
- 1993-03-17 JP JP05688193A patent/JP3402648B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06271958A (ja) | 1994-09-27 |
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