JPH0790418A - 金属基複合材料用成形体の製造方法 - Google Patents
金属基複合材料用成形体の製造方法Info
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- JPH0790418A JPH0790418A JP23026893A JP23026893A JPH0790418A JP H0790418 A JPH0790418 A JP H0790418A JP 23026893 A JP23026893 A JP 23026893A JP 23026893 A JP23026893 A JP 23026893A JP H0790418 A JPH0790418 A JP H0790418A
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- metal
- reinforcing material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑形状でも強化材の材料歩留りを良好にで
き、しかも金属基複合材料に適用したときに十分な強化
効果を発揮することのできる金属基複合材料用成形体を
提供する。 【構成】補強繊維及び補強粉末の少なくとも一種よりな
る強化材、無機質バインダ並びに溶媒を含むスラリー1
を三次元網目構造を有する有機系消失体2に含浸させた
後、乾燥し、該強化材の焼結開始点以下の温度にて焼成
して該有機系消失体2を消失させる。有機系消失体の形
状を予め所望の形状にしておけば、強化材よりなる成形
体を機械加工する必要がなく、強化材の材料歩留りを良
好にできる。千数百℃の高温で焼成する焼結工程を経な
いので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下したり
することがなく、強化材本来の特性による強化効果が発
揮された金属基複合材料を得ることができる。
き、しかも金属基複合材料に適用したときに十分な強化
効果を発揮することのできる金属基複合材料用成形体を
提供する。 【構成】補強繊維及び補強粉末の少なくとも一種よりな
る強化材、無機質バインダ並びに溶媒を含むスラリー1
を三次元網目構造を有する有機系消失体2に含浸させた
後、乾燥し、該強化材の焼結開始点以下の温度にて焼成
して該有機系消失体2を消失させる。有機系消失体の形
状を予め所望の形状にしておけば、強化材よりなる成形
体を機械加工する必要がなく、強化材の材料歩留りを良
好にできる。千数百℃の高温で焼成する焼結工程を経な
いので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下したり
することがなく、強化材本来の特性による強化効果が発
揮された金属基複合材料を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補強繊維及び補強粉末
の少なくとも一種よりなる補強材から金属基複合材料用
成形体を製造する方法に関する。
の少なくとも一種よりなる補強材から金属基複合材料用
成形体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のエンジン部品などにおい
ては、軽量化や高強度化等の要請のため、補強繊維等で
複合、強化した金属基複合材料が用いられている。この
金属基複合材料は、一般に、補強繊維等の補強材を含む
スラリーから吸引成形法等により成形した成形体を鋳型
のキャビティ内に配した後、マトリックス金属としての
金属溶湯をキャビティ内に注湯、加圧し、成形体中に金
属溶湯を含浸して固化することにより製造される。
ては、軽量化や高強度化等の要請のため、補強繊維等で
複合、強化した金属基複合材料が用いられている。この
金属基複合材料は、一般に、補強繊維等の補強材を含む
スラリーから吸引成形法等により成形した成形体を鋳型
のキャビティ内に配した後、マトリックス金属としての
金属溶湯をキャビティ内に注湯、加圧し、成形体中に金
属溶湯を含浸して固化することにより製造される。
【0003】しかし、上記吸引成形法においては、複雑
形状の成形型の製作が困難なため、吸引成形法により複
雑形状の繊維成形体を成形する場合、最終的には機械加
工が必要となる。このため、機械加工工程を経ることに
より材料歩留りが低下するだけでなく、コスト的にも高
価となる。また、機械加工によっても実質的に製作が困
難な複雑形状もある。
形状の成形型の製作が困難なため、吸引成形法により複
雑形状の繊維成形体を成形する場合、最終的には機械加
工が必要となる。このため、機械加工工程を経ることに
より材料歩留りが低下するだけでなく、コスト的にも高
価となる。また、機械加工によっても実質的に製作が困
難な複雑形状もある。
【0004】ところで、特開昭61−86476号公報
には、濾過材や通気板等に利用して好適な多孔質セラミ
ックスの製造方法が開示されている。この方法は、プラ
スチックス等を発泡させた後、所望の形状に切削加工し
た三次元網目構造を有する有機物質を利用するものであ
り、複雑形状の多孔質セラミックスを得ることができ
る。つまり、セラミックス粉末のスラリー中に上記三次
元網目構造の有機物質を浸漬して、該スラリーを有機物
質内に含浸させ、続いて、乾燥後、1600℃程度で焼
成することにより、上記有機物質を分解除去するととも
にセラミックス粉末を焼結して、多孔質セラミックスを
得るものである。
には、濾過材や通気板等に利用して好適な多孔質セラミ
ックスの製造方法が開示されている。この方法は、プラ
スチックス等を発泡させた後、所望の形状に切削加工し
た三次元網目構造を有する有機物質を利用するものであ
り、複雑形状の多孔質セラミックスを得ることができ
る。つまり、セラミックス粉末のスラリー中に上記三次
元網目構造の有機物質を浸漬して、該スラリーを有機物
質内に含浸させ、続いて、乾燥後、1600℃程度で焼
成することにより、上記有機物質を分解除去するととも
にセラミックス粉末を焼結して、多孔質セラミックスを
得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記特開昭6
1−86476号公報に開示された多孔質セラミックス
の製造方法を利用して、金属基複合材料用成形体を製造
しようとする場合、以下に示す問題がある。つまり、上
記したようにセラミックス粉末同士を焼結する工程があ
るため、金属基複合材料用の強化材として有望なセラミ
ックスウイスカを用いた場合には、ウイスカ同士を焼結
してしまうことになる。このウイスカ同士が焼結して得
られた成形体から金属基複合材料を製造すると、ウイス
カ同士の焼結部の強度が低く、亀裂発生の起点となるた
め、ウイスカ本来の繊維強化効果が十分に発揮できず、
強度向上度合いが少なくなる。また、このような金属基
複合材料を鍛造、圧延などの塑性加工すると、ウイスカ
焼結体がバラバラになり、ウイスカ自体が短くなった
り、複雑な形状に分散されたりするため、さらに強化効
果が低下する。
1−86476号公報に開示された多孔質セラミックス
の製造方法を利用して、金属基複合材料用成形体を製造
しようとする場合、以下に示す問題がある。つまり、上
記したようにセラミックス粉末同士を焼結する工程があ
るため、金属基複合材料用の強化材として有望なセラミ
ックスウイスカを用いた場合には、ウイスカ同士を焼結
してしまうことになる。このウイスカ同士が焼結して得
られた成形体から金属基複合材料を製造すると、ウイス
カ同士の焼結部の強度が低く、亀裂発生の起点となるた
め、ウイスカ本来の繊維強化効果が十分に発揮できず、
強度向上度合いが少なくなる。また、このような金属基
複合材料を鍛造、圧延などの塑性加工すると、ウイスカ
焼結体がバラバラになり、ウイスカ自体が短くなった
り、複雑な形状に分散されたりするため、さらに強化効
果が低下する。
【0006】また、ウイスカ以外の他のセラミックス強
化材を用いた場合においても、焼結温度は千数百℃の高
温になるため、セラミックス強化材の結晶構造に変化が
起き、脆くなるなどの特性が変化する場合がある。本発
明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複雑形状
でも強化材の材料歩留りを良好にでき、しかも金属基複
合材料に適用したときに十分な強化効果を発揮すること
のできる金属基複合材料用成形体を提供することを解決
すべき技術課題とするものである。
化材を用いた場合においても、焼結温度は千数百℃の高
温になるため、セラミックス強化材の結晶構造に変化が
起き、脆くなるなどの特性が変化する場合がある。本発
明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複雑形状
でも強化材の材料歩留りを良好にでき、しかも金属基複
合材料に適用したときに十分な強化効果を発揮すること
のできる金属基複合材料用成形体を提供することを解決
すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の金属基複合材料用成形体の製造方法は、補強繊維及
び補強粉末の少なくとも一種よりなる強化材、無機質バ
インダ並びに溶媒を含むスラリーを三次元網目構造を有
する有機系消失体に含浸させた後、乾燥し、該強化材の
焼結開始点以下の温度にて焼成して該有機系消失体を消
失させることを特徴とするものである。
明の金属基複合材料用成形体の製造方法は、補強繊維及
び補強粉末の少なくとも一種よりなる強化材、無機質バ
インダ並びに溶媒を含むスラリーを三次元網目構造を有
する有機系消失体に含浸させた後、乾燥し、該強化材の
焼結開始点以下の温度にて焼成して該有機系消失体を消
失させることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明の金属基複合材料用成形体の製造方法で
は、強化材、無機質バインダ及び溶媒を含むスラリーを
三次元網目構造を有する有機系消失体に含浸させた後、
乾燥する。これにより、有機系消失体の三次元網目構造
の空隙内において、強化材同士が無機質バインダを介し
て結合される。そして、これを強化材の焼結開始点以下
の温度にて焼成して有機系消失体を消失させる。これに
より、強化材同士が無機質バインダを介して強固に結合
された多孔質の金属基複合材料用成形体を得ることがで
きる。
は、強化材、無機質バインダ及び溶媒を含むスラリーを
三次元網目構造を有する有機系消失体に含浸させた後、
乾燥する。これにより、有機系消失体の三次元網目構造
の空隙内において、強化材同士が無機質バインダを介し
て結合される。そして、これを強化材の焼結開始点以下
の温度にて焼成して有機系消失体を消失させる。これに
より、強化材同士が無機質バインダを介して強固に結合
された多孔質の金属基複合材料用成形体を得ることがで
きる。
【0009】上記有機系消失体の形状を予め所望の形状
に成形、又は切削加工しておけば、強化材よりなる成形
体を機械加工する必要がない。このため複雑形状の成形
体を形成する場合でも、強化材の材料歩留りを良好にで
き、低コスト化を図ることができる。また、前述した従
来方法のように千数百℃の高温で焼成する焼結工程を経
ていないので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下
したりすることがない。またウイスカを強化材として用
いて成形体を形成し、これを金属基複合材料とした場合
でも、ウイスカによる強化効果を良好に発揮させること
ができる。
に成形、又は切削加工しておけば、強化材よりなる成形
体を機械加工する必要がない。このため複雑形状の成形
体を形成する場合でも、強化材の材料歩留りを良好にで
き、低コスト化を図ることができる。また、前述した従
来方法のように千数百℃の高温で焼成する焼結工程を経
ていないので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下
したりすることがない。またウイスカを強化材として用
いて成形体を形成し、これを金属基複合材料とした場合
でも、ウイスカによる強化効果を良好に発揮させること
ができる。
【0010】さらに、本発明により得られた金属基複合
材料用成形体を用いて金属基複合材料を製造する場合、
強化材間に介在する無機質バインダが多孔質となってお
り、この無機質バインダもマトリックス金属と複合する
ので、強化材間の接合強度が向上する。
材料用成形体を用いて金属基複合材料を製造する場合、
強化材間に介在する無機質バインダが多孔質となってお
り、この無機質バインダもマトリックス金属と複合する
ので、強化材間の接合強度が向上する。
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を説明する。 (実施例1)平均繊維径:0.5μm、平均繊維長:3
5μmのSiCウイスカ(東海カーボン社製)を無機バ
インダとしてのコロイダルシリカが10wt%添加され
た水に分散させてSiCウイスカスラリー1を準備し
た。
5μmのSiCウイスカ(東海カーボン社製)を無機バ
インダとしてのコロイダルシリカが10wt%添加され
た水に分散させてSiCウイスカスラリー1を準備し
た。
【0012】一方、ポリウレタンを発泡させて三次元網
目構造となった空隙率85%のポリウレタンフォームを
自動車エンジン用コンロッドの形状に切削加工して、有
機系消失体2を形成した。この有機系消失体2を上記ス
ラリー1中に浸漬して、有機系消失体2の該スラリー1
を含浸させた。このSiCウイスカスラリー1を含浸し
た有機系消失体2を取り出して、約80℃で1時間乾燥
後、約800℃で30分間焼成して、有機系消失体2を
消失させた。これにより、補強材としてのSiCウイス
カ間に無機バインダとしてのコロイダルシリカが介在し
て結合することにより、コンロッド形状をしたSiCウ
イスカ成形体3が得られた。なお、このSiCウイスカ
成形体3において、SiCウイスカの体積率は17%で
あった。
目構造となった空隙率85%のポリウレタンフォームを
自動車エンジン用コンロッドの形状に切削加工して、有
機系消失体2を形成した。この有機系消失体2を上記ス
ラリー1中に浸漬して、有機系消失体2の該スラリー1
を含浸させた。このSiCウイスカスラリー1を含浸し
た有機系消失体2を取り出して、約80℃で1時間乾燥
後、約800℃で30分間焼成して、有機系消失体2を
消失させた。これにより、補強材としてのSiCウイス
カ間に無機バインダとしてのコロイダルシリカが介在し
て結合することにより、コンロッド形状をしたSiCウ
イスカ成形体3が得られた。なお、このSiCウイスカ
成形体3において、SiCウイスカの体積率は17%で
あった。
【0013】得られたSiCウイスカ成形体3を600
℃で30分間予熱した後、図2に示すように、加圧鋳造
用のコンロッド金型4にセットした。そして、直ちに約
730℃のアルミニウム溶湯(JIS AC4C)5を
注湯して約1000kg/cm2 の圧力で加圧鋳造し
て、コンロッド粗材を得た。得られたコンロッド粗材を
約525℃で4時間の溶体化処理後、水焼入れし、約1
60℃で6時間焼戻しをするT6 処理を施した。そし
て、大端部、小端部などを機械加工することにより、S
iCウイスカで複合強化したアルミニウム合金製のコン
ロッドを製作した。
℃で30分間予熱した後、図2に示すように、加圧鋳造
用のコンロッド金型4にセットした。そして、直ちに約
730℃のアルミニウム溶湯(JIS AC4C)5を
注湯して約1000kg/cm2 の圧力で加圧鋳造し
て、コンロッド粗材を得た。得られたコンロッド粗材を
約525℃で4時間の溶体化処理後、水焼入れし、約1
60℃で6時間焼戻しをするT6 処理を施した。そし
て、大端部、小端部などを機械加工することにより、S
iCウイスカで複合強化したアルミニウム合金製のコン
ロッドを製作した。
【0014】(実施例2)平均繊維径:3μm、平均繊
維長:80μmのアルミナ−シリカ繊維(イソライト工
業社製、商品名:アルシロン)を無機バインダとしての
コロイダルシリカが10wt%及び有機バインダとして
のPVA(ポリビニルアルコール)が5wt%添加され
た水に分散させてアルミナ−シリカ繊維スラリー6を準
備した。
維長:80μmのアルミナ−シリカ繊維(イソライト工
業社製、商品名:アルシロン)を無機バインダとしての
コロイダルシリカが10wt%及び有機バインダとして
のPVA(ポリビニルアルコール)が5wt%添加され
た水に分散させてアルミナ−シリカ繊維スラリー6を準
備した。
【0015】一方、ポリウレタンを発泡させて三次元網
目構造となった空隙率90%のポリウレタンフォーム
を、断面略長方形状でリング状(外径98mm、内径7
8mm、高さ14mm)に切削加工して、有機系消失体
7を形成した。この有機系消失体7を上記スラリー6中
に浸漬して、有機系消失体7に該スラリー6を含浸させ
た。このアルミナ−シリカ繊維スラリー6を含浸した有
機系消失体7を取り出して、約120℃で1時間乾燥
後、約800℃で30分間焼成して、有機系消失体7及
び有機バインダとしてのPVAを消失させた。これによ
り、補強材としてのアルミナ−シリカ繊維間に無機バイ
ンダとしてのコロイダルシリカが介在して結合すること
により、リング状のアルミナ−シリカ繊維成形体8が得
られた。なお、このアルミナ−シリカ繊維成形体8にお
いて、アルミナ−シリカ繊維の体積率は6%であった。
目構造となった空隙率90%のポリウレタンフォーム
を、断面略長方形状でリング状(外径98mm、内径7
8mm、高さ14mm)に切削加工して、有機系消失体
7を形成した。この有機系消失体7を上記スラリー6中
に浸漬して、有機系消失体7に該スラリー6を含浸させ
た。このアルミナ−シリカ繊維スラリー6を含浸した有
機系消失体7を取り出して、約120℃で1時間乾燥
後、約800℃で30分間焼成して、有機系消失体7及
び有機バインダとしてのPVAを消失させた。これによ
り、補強材としてのアルミナ−シリカ繊維間に無機バイ
ンダとしてのコロイダルシリカが介在して結合すること
により、リング状のアルミナ−シリカ繊維成形体8が得
られた。なお、このアルミナ−シリカ繊維成形体8にお
いて、アルミナ−シリカ繊維の体積率は6%であった。
【0016】得られたアルミナ−シリカ繊維成形体8を
400℃で30分間予熱した後、図4に示すように、加
圧鋳造用のピストン金型9の頂面部外周域にセットし
た。そして、直ちに約750℃のアルミニウム溶湯(J
IS AC8A)10を注湯して約1200kg/cm
2 の圧力で加圧鋳造して、ピストン粗材を得た。得られ
たピストン粗材を約500℃で4時間の溶体化処理後、
水焼入れし、約175℃で4時間焼戻しをするT6 処理
を施した。そして、燃焼室窪み、トップリング溝部を機
械加工することにより、アルミナ−シリカ繊維で複合強
化したアルミニウム合金製のディーゼルエンジン用ピス
トンを製作した。
400℃で30分間予熱した後、図4に示すように、加
圧鋳造用のピストン金型9の頂面部外周域にセットし
た。そして、直ちに約750℃のアルミニウム溶湯(J
IS AC8A)10を注湯して約1200kg/cm
2 の圧力で加圧鋳造して、ピストン粗材を得た。得られ
たピストン粗材を約500℃で4時間の溶体化処理後、
水焼入れし、約175℃で4時間焼戻しをするT6 処理
を施した。そして、燃焼室窪み、トップリング溝部を機
械加工することにより、アルミナ−シリカ繊維で複合強
化したアルミニウム合金製のディーゼルエンジン用ピス
トンを製作した。
【0017】(実施例3)補強材としての平均粒径:1
5μmのSiC粒子を、無機バインダとしてのコロイダ
ルシリカが10wt%、並びに有機バインダとしての平
均粒径30μmの炭素粒子及びPVA(ポリビニルアル
コール)が5wt%添加された水に分散させてSiC粒
子スラリーを準備した。
5μmのSiC粒子を、無機バインダとしてのコロイダ
ルシリカが10wt%、並びに有機バインダとしての平
均粒径30μmの炭素粒子及びPVA(ポリビニルアル
コール)が5wt%添加された水に分散させてSiC粒
子スラリーを準備した。
【0018】一方、ポリウレタンを発泡させて三次元網
目構造となった空隙率75%のポリウレタンフォーム
を、内周面がピストンヘッドの燃焼室窪み11(図5参
照)形状に対応する形状を有するリング状(外径40m
m、内径20mm、高さ15mm)に切削加工して、有
機系消失体を形成した。この有機系消失体を上記スラリ
ー中に浸漬して、有機系消失体に該スラリーを含浸させ
た。このSiC粒子スラリーを含浸した有機系消失体を
取り出して、約120℃で1時間乾燥後、約800℃で
30分間焼成して、有機系消失体、有機バインダとして
のPVA及び炭素粒子を消失させた。これにより、補強
材としてのSiC粒子間に無機バインダとしてのコロイ
ダルシリカが介在して結合することにより、内周面が燃
焼室窪み11形状に対応する形状を有するリング状のS
iC粒子成形体が得られた。なお、このSiC粒子成形
体において、SiC粒子の体積率は15%であった。
目構造となった空隙率75%のポリウレタンフォーム
を、内周面がピストンヘッドの燃焼室窪み11(図5参
照)形状に対応する形状を有するリング状(外径40m
m、内径20mm、高さ15mm)に切削加工して、有
機系消失体を形成した。この有機系消失体を上記スラリ
ー中に浸漬して、有機系消失体に該スラリーを含浸させ
た。このSiC粒子スラリーを含浸した有機系消失体を
取り出して、約120℃で1時間乾燥後、約800℃で
30分間焼成して、有機系消失体、有機バインダとして
のPVA及び炭素粒子を消失させた。これにより、補強
材としてのSiC粒子間に無機バインダとしてのコロイ
ダルシリカが介在して結合することにより、内周面が燃
焼室窪み11形状に対応する形状を有するリング状のS
iC粒子成形体が得られた。なお、このSiC粒子成形
体において、SiC粒子の体積率は15%であった。
【0019】得られたSiC粒子成形体を約500℃で
30分間予熱した後、加圧鋳造用のピストン金型の頂面
部中央域にセットした。そして、直ちに約750℃のア
ルミニウム溶湯(JIS AC8A)を注湯して約12
00kg/cm2 の圧力で加圧鋳造して、ピストン粗材
を得た。得られたピストン粗材を約500℃で4時間の
溶体化処理後、水焼入れし、約175℃で4時間焼戻し
をするT6 処理を施した。そして、トップリング溝部1
3を機械加工することにより、燃焼室窪み11周りで上
記SiC粒子成形体の形状に対応する部分12がSiC
粒子で複合強化されたアルミニウム合金製のディーゼル
エンジン用ピストンを製作した。
30分間予熱した後、加圧鋳造用のピストン金型の頂面
部中央域にセットした。そして、直ちに約750℃のア
ルミニウム溶湯(JIS AC8A)を注湯して約12
00kg/cm2 の圧力で加圧鋳造して、ピストン粗材
を得た。得られたピストン粗材を約500℃で4時間の
溶体化処理後、水焼入れし、約175℃で4時間焼戻し
をするT6 処理を施した。そして、トップリング溝部1
3を機械加工することにより、燃焼室窪み11周りで上
記SiC粒子成形体の形状に対応する部分12がSiC
粒子で複合強化されたアルミニウム合金製のディーゼル
エンジン用ピストンを製作した。
【0020】なお、有機系消失体として前記実施例で用
いたものの他に、三次元網目構造を有するスチロール等
の熱により消失可能な他のプラスッチクス発泡体を用い
ることが可能である。また、この有機系消失体として
は、強化材が分散されたスラリーの含浸性を良好にする
ために伸縮性の高いものを用いることが好ましい。ま
た、補強繊維及び補強粉末についても、前記実施例で用
いたものの他の無機質繊維、無機質粉末や、金属質繊
維、金属質粉末を用いることが可能であり、またこれら
の混合物を用いることも可能である。
いたものの他に、三次元網目構造を有するスチロール等
の熱により消失可能な他のプラスッチクス発泡体を用い
ることが可能である。また、この有機系消失体として
は、強化材が分散されたスラリーの含浸性を良好にする
ために伸縮性の高いものを用いることが好ましい。ま
た、補強繊維及び補強粉末についても、前記実施例で用
いたものの他の無機質繊維、無機質粉末や、金属質繊
維、金属質粉末を用いることが可能であり、またこれら
の混合物を用いることも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の金属基複合
材料用成形体の製造方法では、有機系消失体を予め所望
の形状に形成しておけば、そのままの形状の強化材より
なる金属基複合材料用成形体を得ることができ、強化材
の成形体を機械加工する必要がない。このため従来の吸
引成形法では不可能であったような複雑形状の成形体で
も、容易に、かつ、強化材の材料歩留りが良好で低コス
トで得ることが可能となる。
材料用成形体の製造方法では、有機系消失体を予め所望
の形状に形成しておけば、そのままの形状の強化材より
なる金属基複合材料用成形体を得ることができ、強化材
の成形体を機械加工する必要がない。このため従来の吸
引成形法では不可能であったような複雑形状の成形体で
も、容易に、かつ、強化材の材料歩留りが良好で低コス
トで得ることが可能となる。
【0022】また、千数百℃の高温で焼成する焼結工程
を経ないので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下
したりすることがない。このため、本発明により得られ
た金属基複合材料用成形体を用いれば、強化材本来の特
性による強化効果が発揮された金属基複合材料を得るこ
とができる。
を経ないので、強化材の結晶構造が変化して特性が低下
したりすることがない。このため、本発明により得られ
た金属基複合材料用成形体を用いれば、強化材本来の特
性による強化効果が発揮された金属基複合材料を得るこ
とができる。
【図1】本発明の実施例1に係る製造方法を概略的に示
す説明図である。
す説明図である。
【図2】上記実施例1で得られた金属基複合材料用成形
体を用いて加圧鋳造する様子を説明する断面図である。
体を用いて加圧鋳造する様子を説明する断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る製造方法を概略的に示
す説明図である。
す説明図である。
【図4】上記実施例2で得られた金属基複合材料用成形
体を用いて加圧鋳造する様子を説明する断面図である。
体を用いて加圧鋳造する様子を説明する断面図である。
【図5】本発明の実施例3で得られた金属基複合材料用
成形体を用いて製造したピストンの断面図である。
成形体を用いて製造したピストンの断面図である。
1,6…スラリー 2,7…有機系消失体 3,8…金属基複合材料用成形体
Claims (1)
- 【請求項1】 補強繊維及び補強粉末の少なくとも一種
よりなる強化材、無機質バインダ並びに溶媒を含むスラ
リーを三次元網目構造を有する有機系消失体に含浸させ
た後、乾燥し、該強化材の焼結開始点以下の温度にて焼
成して該有機系消失体を消失させることを特徴とする金
属基複合材料用成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23026893A JPH0790418A (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 金属基複合材料用成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23026893A JPH0790418A (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 金属基複合材料用成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0790418A true JPH0790418A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16905141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23026893A Pending JPH0790418A (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | 金属基複合材料用成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790418A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003513879A (ja) * | 1999-11-15 | 2003-04-15 | フィリップス−オーリジェン・セラミック・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 硬質網状物品の作製過程 |
JP2007022914A (ja) * | 2006-10-31 | 2007-02-01 | Toshiba Corp | シリコン/炭化ケイ素複合材料の製造方法 |
US7235506B2 (en) | 2002-06-18 | 2007-06-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Silicon carbide matrix composite material, process for producing the same and process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
-
1993
- 1993-09-16 JP JP23026893A patent/JPH0790418A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003513879A (ja) * | 1999-11-15 | 2003-04-15 | フィリップス−オーリジェン・セラミック・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 硬質網状物品の作製過程 |
US7235506B2 (en) | 2002-06-18 | 2007-06-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Silicon carbide matrix composite material, process for producing the same and process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
US8568650B2 (en) | 2002-06-18 | 2013-10-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Silicon carbide matrix composite material, process for producing the same and process for producing part of silicon carbide matrix composite material |
JP2007022914A (ja) * | 2006-10-31 | 2007-02-01 | Toshiba Corp | シリコン/炭化ケイ素複合材料の製造方法 |
JP4612608B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2011-01-12 | 株式会社東芝 | シリコン/炭化ケイ素複合材料の製造方法 |
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