JP3402429B2 - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

固体撮像素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、電荷転送用の
電極に囲まれている受光部を各画素が有している固体撮
像素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CCD等の固体撮像素子では、電荷転送
用の電極等が絶縁膜で覆われており、Al膜等から成る
遮光膜が絶縁膜上に形成されており、遮光膜のうちで各
画素の受光部上の部分に開口が形成されている。従来の
固体撮像素子では、開口から斜めに入射した光が絶縁膜
中を透過して電荷転送用の電極下に入り込むことによる
スミアを抑制するために、絶縁膜が薄くて、電荷転送用
の電極等の下地の凹凸に絶縁膜が沿っていた。
【0003】また、従来の固体撮像素子の製造に際して
は、水素を含有するパッシベーション膜を遮光膜よりも
上層に形成し、暗電流を低減させてダーク画像の特性を
向上させるために、パッシベーション膜中の水素によっ
てゲート絶縁膜の水素化処理を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電荷転送用
の電極等の下地の凹凸に絶縁膜が沿っている従来例で
は、下地の段差が絶縁膜及びその上の遮光膜にも反映さ
れて、電荷転送用の電極上では遮光膜の表面が平坦であ
った。このため、電荷転送用の電極上の遮光膜で反射さ
れた光が各画素の受光部に入射せず、集光効率が低く
て、固体撮像素子の小型化/高密度化に伴って感度が低
下していた。
【0005】感度の低下に対しては、遮光膜よりも上層
に画素毎のレンズを形成し、受光部以外の部分に入射し
た光をレンズで受光部に集光させている。しかし、絶縁
膜及び遮光膜が下地の段差を反映しているので、平坦化
処理を施したとしても、画素毎のレンズ形状にばらつき
が生じて画素毎の感度にばらつきが生じていた。
【0006】画素毎の感度のばらつきに対しては、遮光
膜の表面に反射防止膜を設けて遮光膜の表面を低反射化
させることも考えられているが、この結果、受光部上の
開口に臨む遮光膜の側面で反射されて受光部に入射する
光も少なくなって、感度が低下する。
【0007】また、絶縁膜及び遮光膜が下地の段差を反
映しているので、レンズのみならずカラーフィルタの加
工にもばらつきが生じて、画素毎の感度や分光特性にば
らつきが生じていた。
【0008】しかも、絶縁膜が下地の段差を反映してい
るので、その上に形成する遮光膜の段差被覆性が良くな
く、遮光膜に厚さの薄い部分が生じて遮光膜を透過する
光成分があった。このため、電荷転送用の電極下に光が
入射することによるスミアや、光学的黒領域に光が入射
して基準レベルが変動することによるクランプミスが発
生していた。
【0009】また、遮光膜よりも上層のパッシベーショ
ン膜中の水素によってゲート絶縁膜の水素化処理を行っ
ているので、水素を透過させにくい遮光膜を形成する
と、水素化処理を容易には行うことができなくて、ダー
ク画像の特性を向上させることが困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の発明による固体撮
像素子は、電荷転送用の電極に囲まれている受光部を各
画素が有している固体撮像素子において、前記電極上か
ら前記受光部上に向かって低くなって前記各画素に対応
する逆四角錐状の凹部を有している絶縁膜が設けられて
おり、前記絶縁膜のうちで前記電極の側面に沿う部分に
溝が設けられており、遮光膜が前記電極上の前記絶縁膜
を覆うと共に前記溝を埋めていることを特徴としてい
る。
【0011】本願の発明による固体撮像素子は、互いに
分離しているカラーフィルタで前記凹部が埋められてい
てもよい。
【0012】本願の発明による固体撮像素子の製造方法
は、電荷転送用の電極に囲まれている受光部を各画素が
有している固体撮像素子の製造方法において、前記電極
上から前記受光部上に向かって低くなって前記各画素に
対応する逆四角錐状の凹部を有する絶縁膜をプラズマC
VD法で形成する工程と、前記絶縁膜のうちで前記電極
の側面に沿う部分に溝を形成する工程と、前記電極上の
前記絶縁膜を覆うと共に前記溝を埋める遮光膜を形成す
る工程とを具備することを特徴としている。
【0013】本願の発明による固体撮像素子の製造方法
は、前記電極上の前記絶縁膜を覆う前記遮光膜と前記溝
を埋める前記遮光膜とを互いに同じ層の膜で形成しても
よい。
【0014】本願の発明による固体撮像素子の製造方法
は、前記電極上の前記絶縁膜を覆う前記遮光膜と前記溝
を埋める前記遮光膜とを互いに異なる層の膜で形成して
もよい。
【0015】本願の発明による固体撮像素子では、電荷
転送用の電極上から各画素の受光部上に向かって遮光膜
表面の平坦な斜面状に低くなっており、しかも、遮光
膜が電極の側面に沿っているので、遮光膜の反射率が高
ければ遮光膜によって周面の平坦な導波管が各画素に対
して形成されていて集光効率が高い。
【0016】また、絶縁膜のうちで各画素上における凹
部が、互いに分離しているカラーフィルタで埋められて
いれば、このカラーフィルタに下凸状レンズの機能を持
たせることができるので、カラーフィルタ上のレンズを
不要にすることもできる。
【0017】本願の発明による固体撮像素子の製造方法
では、電荷転送用の電極よりも上層の絶縁膜をプラズマ
CVD法で形成しているので、このプラズマCVD法に
おける条件を選択することによって、電極上から受光部
上に向かって低くなって各画素に対応する逆四角錐状の
凹部を有しており段差が緩和されている絶縁膜を形成す
ることができる。
【0018】更に、プラズマCVD法では水素を含有す
る絶縁膜を形成することができ、この絶縁膜を遮光膜よ
りも下層に形成しているので、水素を透過させない金属
膜等で遮光膜を形成しても、電荷転送用の電極下におけ
るゲート絶縁膜の水素化処理を容易に行うことができ
る。
【0019】更に、段差が緩和されている絶縁膜のうち
で電極の側面に沿う部分に溝を形成し、電極上の絶縁膜
を覆うと共に溝を埋める遮光膜を形成していて、段差の
急峻な絶縁膜を覆う遮光膜を形成しているのではないの
で、段差被覆性の優れた遮光膜を形成することができ
る。このため、遮光膜に厚さの薄い部分が生じるのを防
止することができて、遮光膜を透過する光成分を抑制す
ることができる。
【0020】しかも、遮光膜を金属膜で形成する場合
に、段差が緩和されている絶縁膜のうちで電極の側面に
沿う部分に溝を形成し、電極上の絶縁膜を覆うと共に溝
を埋める金属膜を形成する方が、段差の急峻な絶縁膜を
覆う金属膜を形成する方法よりも加工精度が高いので、
遮光膜のうちで受光部上の部分に形成する開口を少ない
ばらつきで加工することができる。
【0021】また、電極上の絶縁膜を覆う遮光膜と溝を
埋める遮光膜とを互いに同じ層の膜で形成すれば、遮光
膜の形成工程が少なくてよい。一方、これらの遮光膜を
互いに異なる層の膜で形成すれば、材質が互いに異なる
膜をこれらの遮光膜に用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、CCD固体撮像素子及びそ
の製造方法に適用した本願の発明の第1及び第2実施形
態を、図1、2を参照しながら説明する。図1が、第1
実施形態を示している。この第1実施形態のCCD固体
撮像素子を製造するためには、Si基板11にイオン注
入等で所望の不純物拡散層(図示せず)を形成した後、
ゲート絶縁膜としてのSiO2 膜12を熱酸化やCVD
法等でSi基板11の表面に形成する。ゲート絶縁膜と
してONO膜を形成してもよい。
【0023】その後、多結晶Si膜13をCVD法で堆
積させ、電荷転送用の第1ゲート電極のパターンに多結
晶Si膜13を加工し、異なる層のゲート電極間の絶縁
膜(図示せず)を熱酸化等によって形成する。そして、
多結晶Si膜14をCVD法で堆積させ、電荷転送用の
第2ゲート電極のパターンに多結晶Si膜14を加工す
る。
【0024】3層以上のゲート電極を形成する場合は、
更に、ゲート電極同士の間の絶縁膜の形成と多結晶Si
膜の堆積及び加工とを繰り返す。その後、SiH4 等を
原料とする常圧CVD法やTEOSを原料とする減圧C
VD法等によって、層間絶縁膜としてのSiO2 膜15
を形成する。このSiO2 膜15は、多結晶Si膜1
3、14等の下地の凹凸に沿って形成される。なお、多
結晶Si膜13、14に囲まれている部分が受光部16
になる。
【0025】次に、例えば、SiH4 /O2 /Ar=7
5/101/200sccm、マイクロ波電力=180
0W、高周波電力=2600W、圧力=0.2Pa、温
度=250〜350℃で、且つ、上部電極と下部電極と
の間に印加するバイアス電圧を適正な値に選択したEC
RプラズマCVD法で、SiO2 膜17を堆積させる。
【0026】この方法で形成するSiO2 膜17は自己
平坦性が高いが、SiO2 膜17の表面が平坦になる前
に堆積を停止させるので、受光部16の周囲の多結晶S
i膜13、14上に底面の辺21が位置しており底面の
頂点から受光部16の中心へ向かって稜線22が延びて
いる逆四角錐状の凹部23が各画素に対応して形成され
る。
【0027】なお、凹部23は必ずしも逆四角錐状であ
る必要はなく、また、凹部23が得られるのであれば、
上述の方法以外の方法でSiO2 膜17を堆積させても
よい。また、所望の形状の凹部23を得るためにSiO
2 膜17が厚くなり過ぎる場合は、エッチバックでこの
形状を転写することによってSiO2 膜17を薄くして
もよい。更に、SiO2 膜17の代わりにSiN膜を堆
積させてもよい。
【0028】次に、SiO2 膜17のうちで多結晶Si
膜13、14の側面に沿う部分にエッチングで溝24を
形成し、Al膜やW膜やCu膜等から成る遮光膜25を
堆積させて、SiO2 膜17を遮光膜25で覆うと共に
溝24を遮光膜25で埋める。そして、遮光膜25をエ
ッチングして、この遮光膜25のうちで受光部16上の
部分に開口26を形成する。
【0029】なお、合わせ余裕分だけ開口26が溝24
よりも受光部16の中心側に位置して遮光膜25に庇部
が形成されるが、この庇部はSi基板11の表面から離
間している。このため、この庇部による光のけられが少
なく、この庇部のために感度が実質的に低下することは
ない。また、上述の方法では、単一層の遮光膜25でS
iO2 膜17を覆うと共に溝24を埋めているが、溝2
4のみを遮光膜で埋めた後、別の層の遮光膜でSiO2
膜17を覆ってもよい。
【0030】ところで、プラズマCVD法で形成したS
iO2 膜17には水素が多量に含有されているので、遮
光膜25を堆積させる際の熱処理によってSiO2 膜1
7から水素が解離して、この水素でSiO2 膜12の水
素化処理を行うことが可能である。
【0031】その後、SiO2 膜やSiON膜やSiN
膜等のパッシベーション膜27をプラズマCVD法等で
形成し、各画素毎の色の配置に従って複数層になってい
るカラーフィルタ31を形成し、更に、各画素に対応す
るレンズ32を形成する。なお、上述の様に、SiO2
膜17から解離した水素でSiO2 膜12の水素化処理
を行うことが可能であるので、パッシベーション膜27
を必ずしもプラズマCVD法で形成する必要はない。
【0032】図2が、第2実施形態を示している。この
第2実施形態のCCD固体撮像素子は、凹部23が急傾
斜になる様にSiO2 膜17の堆積条件が選択されてお
り、互いに分離しているカラーフィルタ31で各画素の
凹部23が埋められており、カラーフィルタ31上には
レンズ32が設けられていないことを除いて、図1に示
した第1実施形態のCCD固体撮像素子と実質的に同様
の構造を有している。
【0033】この様な第2実施形態のCCD固体撮像素
子では、図2から明らかな様に、カラーフィルタ31に
下凸状レンズの機能を持たせることができるので、上述
の様にカラーフィルタ31上にはレンズ32が設けられ
ていない。
【0034】
【発明の効果】本願の発明による固体撮像素子では、遮
光膜の反射率が高ければ遮光膜によって周面の平坦な導
波管が各画素に対して形成されていて集光効率が高いの
で、固体撮像素子が小型/高密度でも感度が高い。
【0035】また、絶縁膜のうちで各画素上における凹
部が、互いに分離しているカラーフィルタで埋められて
いれば、カラーフィルタ上のレンズを不要にすることも
できるので、画素毎のレンズ形状のばらつきによる画素
毎の感度のばらつきを抑制することができる。
【0036】本願の発明による固体撮像素子の製造方法
では、電荷転送用の電極上から受光部上に向かって低く
なって各画素に対応する逆四角錐状の凹部を有しており
段差が緩和されている絶縁膜を形成することができるの
で、この絶縁膜上にレンズやカラーフィルタを形成して
も、これらを均一に加工することができて、画素毎の感
度や分光特性のばらつきが少ない固体撮像素子を製造す
ることができる。
【0037】更に、水素を透過させにくい遮光膜を形成
しても、電荷転送用の電極下におけるゲート絶縁膜の水
素化処理を容易に行うことができるので、暗電流が少な
くて、ダーク画像の特性が優れた固体撮像素子を製造す
ることができる。
【0038】更に、遮光膜に厚さの薄い部分が生じるの
を防止することができて、遮光膜を透過する光成分を抑
制することができるので、スミア及びクランプミスが少
ない固体撮像素子を製造することができる。
【0039】しかも、遮光膜を金属膜で形成する場合
に、遮光膜のうちで受光部上の部分に形成する開口を少
ないばらつきで加工することができるので、感度のばら
つきが少ない固体撮像素子を製造することができる。
【0040】また、電極上の絶縁膜を覆う遮光膜と溝を
埋める遮光膜とを互いに同じ層の膜で形成すれば、遮光
膜の形成工程が少なくてよいので、固体撮像素子を低コ
ストで製造することができる。
【0041】一方、これらの遮光膜を互いに異なる層の
膜で形成すれば、材質が互いに異なる膜をこれらの遮光
膜に用いることができるので、配線をも同時に形成する
ことができる低抵抗の膜で電極上の絶縁膜を覆う遮光膜
を形成したり、埋め込み特性の優れた膜で溝を埋めたり
することができるので、特性の優れた固体撮像素子を高
い歩留りで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の第1実施形態によるCCD固体撮
像素子を示しており、(a)は(b)のA−A線に沿う
位置における拡大側断面図、(b)は平面図である。
【図2】本願の発明の第2実施形態によるCCD固体撮
像素子を示しており、図1(a)に対応する拡大側断面
図である。
【符号の説明】
13、14 多結晶Si膜(電荷転送用の電極) 1
6 受光部 17 SiO2 膜(絶縁膜) 23 凹部 2
4 溝 25 遮光膜 31 カラーフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−153932(JP,A) 特開 平3−34370(JP,A) 特開 平4−85960(JP,A) 特開 平5−175479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 H01L 27/146 H01L 27/148

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷転送用の電極に囲まれている受光部
    を各画素が有している固体撮像素子において、 前記電極上から前記受光部上に向かって低くなって前記
    各画素に対応する逆四角錐状の凹部を有している絶縁膜
    が設けられており、 前記絶縁膜のうちで前記電極の側面に沿う部分に溝が設
    けられており、 遮光膜が前記電極上の前記絶縁膜を覆うと共に前記溝を
    埋めていることを特徴とする固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 互いに分離しているカラーフィルタで前
    記凹部が埋められていることを特徴とする請求項1記載
    の固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 電荷転送用の電極に囲まれている受光部
    を各画素が有している固体撮像素子の製造方法におい
    て、 前記電極上から前記受光部上に向かって低くなって前記
    各画素に対応する逆四角錐状の凹部を有する絶縁膜をプ
    ラズマCVD法で形成する工程と、 前記絶縁膜のうちで前記電極の側面に沿う部分に溝を形
    成する工程と、 前記電極上の前記絶縁膜を覆うと共に前記溝を埋める遮
    光膜を形成する工程とを具備することを特徴とする固体
    撮像素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電極上の前記絶縁膜を覆う前記遮光
    膜と前記溝を埋める前記遮光膜とを互いに同じ層の膜で
    形成することを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電極上の前記絶縁膜を覆う前記遮光
    膜と前記溝を埋める前記遮光膜とを互いに異なる層の膜
    で形成することを特徴とする請求項3記載の固体撮像素
    子の製造方法。
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