JP3401715B2 - 化合物半導体装置の製造方法 - Google Patents
化合物半導体装置の製造方法Info
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Description
の製造方法に関し、より詳しくは、マスクが形成された
成長基板上に有機金属気相成長法などの気相成長法を用
いて化合物半導体層を所定の領域に選択成長する工程を
含む化合物半導体装置の製造方法に関する。
拡大により、各家庭への光ファイバの敷設が検討される
段階に至っている。各家庭への支線系に光ファイバを敷
設しようとすると、通信の幹線系で使用されている半導
体レーザに比べて遙に低価格の半導体レーザの使用が要
求される。
バの光結合に多大のコストがかかるために、半導体レー
ザから出射されたレーザビームのスッポット形状を変換
するための導波路を1回の結晶成長で形成することがで
きる半導体集積回路装置の製造方法が開発されてきた。
従来から、選択成長マスクを施した基板上に有機金属気
相成長法等の気相成長によって結晶成長を行うと、選択
成長マスクの近傍領域の結晶成長速度が選択成長マスク
から遠い領域の結晶成長速度に比べて大きくなるという
現象が知られている。
の領域毎に成長速度を異ならせる結晶成長を以下に選択
成長という。その選択成長を利用した化合物半導体光装
置は、例えばTabuchi et al., The Institute of Elec
tronic Information Communication in Japan, Nationa
l Autumn Meeting 1993, Lecture Number C-182 、或い
はKobayashi et al., IEEE Photon. Tech. Lett., Vol.
6, pp.1080-1081, 1944 に記載されている。
装置と化合物半導体導波路をモノリシックに集積したビ
ーム変換導波路付き化合物半導体発光装置を製造すると
ができる。このように、選択成長マスクを用いて選択成
長される結晶層の膜厚を制御することができれば、同一
の基板上に異なる半導体装置を同時に形成する場合の装
置設計のマージンを大きくすることができる。
体導波路を集積したビーム変換導波路付き化合物半導体
発光装置を製造する場合を例にして、選択成長マスクを
用いた従来の選択成長法を説明する。図1は、有機金属
気相成長法を用いた選択成長方法をする場合の基板と選
択成長マスクを示す平面図である。本発明者らは、図1
に示すような選択成長マスクを配置して基板上に結晶の
選択成長を試みた。
11、M12、M13、M14、M21、M22、M23及びM24はそ
れぞれ基板上に形成された選択成長マスク、13はスト
ライプ部とよばれる選択成長マスク相互間の狭い領域、
14は開放部と呼ばれる選択成長マスク相互間の広い領
域である。選択マスクを用いた有機金属気相成長法によ
る選択成長方法においては、例えばInP などの基板11
の上に、長さLが600μm、幅Wが240〜280μ
mのSiO2等からなる選択成長マスクM11、M12、M13、
M14を10〜60μmの間隔(W1 )をおいて図中y方
向に配置し、同様に配置した選択成長マスクM21、
M22、M23、M24を選択成長マスクM11、M12、M13、
M14から1200μmの間隔(L1 )をおいて図中x方
向に配置する。
M12、M13、M14、M21、M22、M 23、M24が形成され
た成長基板11の上の全面に均一の成長条件でInP 結晶
層を有機金属気相成長法によって成長する。これによっ
て例えば、ストライプ部13の中間を通って開放部14
を経て別のストライプ部13の中間まで延びるx線(仮
想線)上に沿って変化のある膜厚分布が生じる。
た場合の選択成長マスクM12、M13の中央部Oからの距
離と成長速度の関係説明である。図2は、図1における
選択成長マスクM11〜M24の幅Wを240μm、長さL
を600μmとし、ストライプ部13の幅W1 を60μ
mとし、開放部14の長さL1 を1200μmとして、
InP 基板の(001)面上にInP 結晶層を成長雰囲気圧
力100Torrで成長した場合のストライプ部13の長さ
方向(x方向)の成長速度を示している。
12、M13、M22、M23の間の開放部14に成長されたIn
P 結晶層の成長速度に基づいて規格化した成長速度を示
し、横軸はストライプ部13の中央を原点Oとして位置
を示している。図2において、300μmの位置の破線
は選択成長膜マスクM12、M13の端を示している。図2
に示した膜厚分布は、InP 基板の(001)面方位の上
にSiO2からなる選択成長マスクM11〜M24を形成し、そ
の上にInP 結晶層を成長した場合の結果を示している
が、他の結晶層、例えばInGaAsを結晶成長する場合もほ
ぼ同様の結果が得られる。
厚い化合物半導体よりなる高屈折率結晶層によって半導
体レーザの利得領域を構成し、開放部14に成長した薄
い化合物半導体よりなる高屈折率結晶層によって半導体
レーザの出射光ビームスポットの形状を変化する導波路
部分を構成することができる。これにより、半導体レー
ザの活性層を量子井戸から構成する場合には、活性層と
なる井戸層が厚く、導波路部分で井戸層がなだらかに薄
くなる。その結果、活性層から出た光は吸収損失を受け
ることなく、光ビーム形状は光閉じ込めが徐々に小さく
なって導波路部分で広がり、さらに導波路部分の端の劈
開面からビームサイズが大きく且つビーム広がり角が小
さな光として出射する。
形状変換性を向上するためには、開放部14の結晶成長
速度に対するストライプ部13の結晶成長速度の比、即
ち、選択成長比を大きくとることが重要である。前述の
ように、従来の選択成長マスクを用いた選択成長によっ
て、半導体レーザのような化合物半導体発光装置と化合
物半導体導波路をモノリシックに集積した光半導体装置
を製造できる。
は、化合物半導体発光装置と化合物半導体導波路を構成
する各層の成長速度分布を複数の領域毎に所望の量で自
由に変えることが示されておらず、例えばストライプ部
13の幅を狭くすることにより発光部(利得領域)での
結晶の成長速度を大きくしようとすると、それにつれて
活性層上のクラッド(cladding)層の成長速度も大きく
なってしまう。
一般に1μm程度必要とされる。ビーム変換を行わせる
ために活性層(高屈折率層)に必要とされる選択成長比
を「5」とし、その条件で導波路部において厚さ1μm
のクラッド層を形成すると半導体レーザでのクラッド層
は5μmの厚さに成長してしまう。これは半導体レーザ
領域ではクラッド層として必要以上の膜厚に成長して半
導体レーザの素子抵抗が増加する要因になる。また、こ
の場合、利得領域と導波路領域のクラッド層表面に4μ
m程度の凹凸が発生することになり、結晶成長後の加工
が困難になる。
として、半導体レーザの活性層を形成した後に選択成長
マスクを除去し、次いで2回目の結晶成長で均一な厚さ
のクラッド層を全体に成長するという方法があるが、こ
の場合、本来1回で済ませようとする結晶成長を2回に
分けることになり、製造上歩留りが低下してしまう。以
上述べたように、結晶成長中に選択成長比を制御するこ
とができる技術が望まれている。このような要望は、ビ
ーム変換導波路付きの化合物半導体発光装置に限るもの
ではなく、同一の化合物半導体結晶上に異なる半導体装
置を同時に形成しようとする場合の共通の要望である。
半導体を選択成長する場合の選択成長比を成長中に制御
して所望の化合物半導体層の膜厚又は組成分布を得る工
程を含む化合物半導体の製造方法を提供することにあ
る。
に、選択成長マスクM11〜M24が形成された基板11の
表面に気相成長法により化合物半導体層を形成すること
により、該基板11表面のうち該選択成長マスクM11〜
M24に近い領域に形成される化合物半導体層の成長速度
或いは組成と遠い領域に形成される該化合物半導体層の
成長速度或いは組成とを異ならせる工程を含む化合物半
導体装置の製造方法において、前記基板11の表面近傍
に生じる原料種の淀み層20の厚さと気相中の原料種s
の平均自由行程との比を第1の値に設定して前記選択成
長マスクM11〜M24に覆われない領域に前記第1の化合
物半導体層を成長する工程と、前記比を第2の値に変え
て第2の化合物半導体層を前記第1の化合物半導体層の
上に選択成長する工程とを有することを特徴とする化合
物半導体装置の製造方法によって解決する。
に、幅の狭い第1の領域8aと幅の広い第2の領域8b
からなる開口部8を有している選択成長マスク9を化合
物半導体基板1の上に形成する工程と、前記化合物半導
体基板1及び前記選択成長マスク9を結晶成長雰囲気に
置く工程と、前記結晶成長雰囲気内に原料種を含むガス
を導入し、該原料種の平均自由行程を第1の長さにし
て、前記化合物半導体基板1の前記選択成長マスク9に
覆われない領域に第1の化合物半導体層3,4,5を成
長する工程と、原料種を含むガスを導入し続けながら或
いは前記ガスの一部の供給を停止してその間に前記平均
自由行程を第2の長さに変えることにより、前記第1の
化合物半導体層3,4,5とは膜厚分布が異なる第2の
化合物半導体層6を前記第1の化合物半導体層3,4,
5の上に成長する工程とを有することを特徴とする化合
物半導体装置の製造方法によって解決する。
て、前記結晶成長雰囲気の圧力を変えることによって、
前記原料種の前記平均自由行程が第1の長さから第2の
長さに変化することを特徴とする。また、その化合物半
導体装置の製造方法において、前記結晶成長雰囲気の圧
力を低く変化させて前記平均自由行程の第2の長さを第
1の長さよりも長くすることにより、前記第2の化合物
半導体層6の膜厚分布の高低差を前記第1の化合物半導
体層3,4,5の膜厚分布の高低差よりも小さくするこ
とを特徴とする。
おいて、前記ガスに含有されるキャリアガスの種類を変
えることによって前記原料種の平均自由行程が第1の長
さから第2の長さに変化することを特徴とする。前記キ
ャリアガスは、水素、窒素、アルゴンのいずれかである
ことを特徴とする。また、その化合物半導体装置の製造
方法において、前記選択成長マスク9の開口部8の前記
第1の領域8aと前記第2の領域8bは繋がって形成さ
れ、前記第1の領域8aは発光素子の形成領域10aで
あり、前記第2の領域8bは導波路の形成領域10bで
あり、前記原料種の前記平均自由行程の前記第1の長さ
を前記第2の長さよりも短くして、前記第1の長さの前
記平均自由行程の前記結晶雰囲気下で、前記発光素子の
活性層4と前記導波路のコア層4をそれぞれ同時に形成
し、前記第2の長さの前記平均自由行程の前記結晶雰囲
気下で、前記発光素子及び前記導波路のクラッド層6を
前記活性層4及び前記コア層4の上方に形成することを
特徴とする。この場合、前記第1の長さの前記平均自由
行程の前記結晶雰囲気は50Torr以上で、前記第2の長
さの前記平均自由行程の前記結晶雰囲気は10Torr以下
であることを特徴とする。
おいて、前記第1の化合物半導体層3,4,5と前記第
2の化合物半導体層6は異種のIII-V族化合物半導体で
あることを特徴とする。上記した課題は、図3、図9
(a),(b) に示すように、幅の狭い第1の領域8aと幅の
広い第2の領域8bからなる開口部8を有している選択
成長マスク9を化合物半導体基板1の上に形成する工程
と、前記化合物半導体基板1及び前記選択成長マスク9
を結晶成長雰囲気に置く工程と、前記結晶成長雰囲気に
原料種を含むガスを導入し、前記化合物半導体基板1の
表面近傍の前記原料種の淀み層20を第1の厚さにし
て、前記化合物半導体基板1の前記選択成長マスク9に
覆われない領域に第1の化合物半導体層3,4,5を成
長する工程と、前記ガスを導入し続けながら或いは前記
ガスの一部の供給を停止してその間に前記化合物半導体
基板1の表面近傍の前記淀み層20を第2の厚さに変え
ることにより、前記第1の化合物半導体層3,4,5と
は膜厚分布が異なる第2の化合物半導体層6を前記第1
の化合物半導体層3,4,5の上に成長する工程とを有
することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法によ
って解決する。
て、前記ガスの総流量を変えることによって、前記原料
種の前記淀み層20を前記第1の厚さから前記第2の厚
さに変化させることを特徴とする。その化合物半導体装
置の製造方法において、前記ガスの総流量を増やして前
記淀み層20の前記第2の厚さを前記第1の厚さよりも
薄くすることにより、前記第2の化合物半導体層6の膜
厚分布の高低差を前記第1の化合物半導体層の膜厚分布
の高低差よりも小さくすることを特徴とする。
て、前記選択成長マスク9の開口部8の前記第1の領域
8aと前記第2の領域8bは繋がって形成され、前記第
1の領域8aは発光素子の形成領域10aであり、前記
第1の領域8bは導波路の形成領域10bであり、前記
淀み層20の前記第2の厚さを前記第1の厚さよりも薄
くして、前記第1の厚さの前記淀み層20を有する前記
結晶雰囲気下で、前記発光素子の活性層4と前記導波路
のコア層4をそれぞれ同時に形成し、前記第2の厚さの
前記淀み層20を有する前記結晶雰囲気下で、前記発光
素子及び前記導波路のクラッド層6を前記活性層4及び
前記コア層4の上に形成することを特徴とする。
て、前記第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導
体層はIII・V族化合物半導体であることを特徴とす
る。上記した課題は、図3、図9(a),(b) に例示するよ
うに、幅の狭い第1の領域8aと幅の広い第2の領域8
bからなる開口部8を有している選択成長マスク9を化
合物半導体基板1の上に形成する工程と、前記化合物半
導体基板1及び前記選択成長マスク9を結晶成長雰囲気
に置く工程と、前記結晶成長雰囲気に原料種を含むガス
を導入して、前記化合物半導体基板1の表面近傍の前記
原料種の淀み層20を第1の厚さにし且つ前記原料種の
平均自由行程を第1の長さにすることにより、前記選択
成長マスク9に覆われない前記化合物半導体基板1の領
域に第1の化合物半導体層3,4,5を成長する工程
と、前記ガスを導入し続けながら或いは前記ガスの一部
の供給を停止してその間に前記化合物半導体基板1の表
面近傍の前記淀み層20を第2の厚さにし且つ前記平均
自由行程を第2の長さに設定することにより、前記第1
の化合物半導体層3,4,5とは膜厚分布が異なる第2
の化合物半導体層6を前記第1の化合物半導体層3,
4,5の上に成長する工程とを有することを特徴とする
化合物半導体装置の製造方法によって解決する。
図17に例示するように、幅の狭い第1の領域8aと幅
の広い第2の領域8bからなる開口部8を有している選
択成長マスク9を化合物半導体基板1の上に形成する工
程と、前記化合物半導体基板1及び前記選択成長マスク
9を結晶成長雰囲気に置く工程と、2種類以上の原料種
を含む第1のガスと不純物を含む第2のガスとを前記結
晶成長雰囲気内に導入し、前記化合物半導体基板1の前
記選択成長マスク9に覆われない領域に第1の化合物半
導体層2又は6を成長する工程と、前記第1の化合物半
導体層2又は6の成長中に或いは前記第1のガスの一部
の供給を一時的に停止している間に前記結晶成長雰囲気
の圧力と前記第2のガスの供給量を変化させ、前記第1
の化合物半導体層2又は6の上に同じ化合物半導体層を
成長する工程とを有することを特徴とする化合物半導体
装置の製造方法により解決する。
ることを特徴とする。または、前記n型不純物はシリコ
ン、イオウ又はセレンであることを特徴とする。その化
合物半導体装置の製造方法において、前記第2のガス
は、前記第1の化合物半導体層2又は6をn型にするn
型不純物を含むガスであって、前記成長圧力を第1の値
P1 から第2の値P2 に増加させる場合には前記第2の
ガスの供給量を減らし、又は前記成長圧力を該第2の値
P2 から該第1の値P1 に減少させる場合には前記第2
のガスの供給量を増やすことを特徴とする。
の場合に前記n型不純物のドーズ量が前記成長圧力の2
乗に比例して変化する範囲と前記成長圧力に比例して変
化する範囲とがあり、それらの範囲の境界の成長圧力を
第3の値P3 として、該第3の値P3 が、前記第1の値
P1 よりも大きく且つ前記第2の値P2 と等しいかそれ
よりも大きい場合には、(P1 /P2 )2 倍の量で前記
第2のガスの供給量を減らし又は増やし、また、該第3
の値P3 が、前記第1の値P1 と等しいかそれよりも大
きく且つ前記第2の値P2 と等しいかそれよりも小さい
場合には、(P 1 /P3 )2 (P3 /P2 )倍の量で前
記第2のガスの供給量を減らし又は増やし、また、該第
3の値P3 が、前記第1の値P1 と等しいかそれよりも
小さく且つ前記第2の値P2 よりも小さい場合には、
(P1 /P2 )倍の量で前記第2のガスの供給量を減ら
し又は増やすことを特徴とする。
て、前記第2のガスは、前記第1の化合物半導体をp型
にするp型不純物を含むガスであって、前記成長圧力を
第1の値P1 から第2の値P2 に増加させる場合には前
記第2のガスの供給量を減らし、又は前記成長圧力を該
第2の値P2 から該第1の値P1 に減少させる場合には
前記第2のガスの供給量を増やすことを特徴とする。
記第2のガスの供給量を減らし又は増やすことを特徴と
する。 (作 用)次に、本発明の作用について説明する。本発
明にかかる化合物半導体装置の製造方法にしたがえば、
成長基板の表面の一部に選択成長マスクを形成し、選択
成長マスクが形成されていない領域に気相成長法によっ
て化合物半導体層を成長して、選択成長マスクから近い
領域と選択成長マスクから遠い領域の化合物半導体層の
成長速度又は組成を異ならせて、1つの基板の表面に異
なる半導体装置を同時に形成する化合物半導体装置の製
造方法において、選択成長しようとする化合物半導体層
に応じて、基板上に生じる原料種の淀み層(stagnant l
ayer) の厚さと気相中の原料種の平均自由行程との比を
変化させる工程を採用した。
長中の気相中の平均自由行程との比を変化させる手段と
して、成長する化合物半導体層に応じて、成長圧力又は
キャリアガス種、或いは総ガス流量を調整させる方法が
ある。淀み層の厚さが薄くなるほど化合物半導体層の選
択成長比は小さくなり、また、平均自由行程が長くなる
ほど化合物半導体層の選択成長比は小さくなる。
薄くなり、また、平均自由行程は成長雰囲気の圧力を小
さくするほど長くなる。選択成長マスクの遠方領域の化
合物半導体層の成長速度(t2 )に対する選択成長マス
クの近傍領域の化合物半導体層の成長速度(t1 )の比
(t1 /t2 )を小さくする場合には成長雰囲気圧力を
10Torr以下とし、その成長速度の比(t1 /t2 )を
大きくする場合の成長雰囲気圧力を50Torr以上にする
ことが好ましい。ただし、成長速度比(t1 /t2 )>
1である。
体層が平坦化が図れる一方、大きいほど化合物半導体層
の凹凸が大きくなる。また、他の本発明に従えば、n型
不純物又はp型不純物が導入される化合物半導体層の成
長中に成長圧力を変化させる場合には、n型不純物又は
p型の不純物を含むガスの供給量も同時に変化させるよ
うにしている。これによれば、成長圧力の変化によって
化合物半導体層内の不純物のドーズ量を全域で一定にな
るように調整することができる。
すと、n型不純物又はp型不純物のドーズ量も多くなる
ことが本発明者等の実験により確かめられている。その
成長圧力を減らすと、その反対にドーズ量も少なくな
る。n型不純物導入用のガスの供給量が一定の場合に、
化合物半導体層内のn型不純物のドーズ量が成長圧力の
2乗に比例して変化する範囲と成長圧力に比例して変化
する範囲とに分けられることが実験により確かめられ
た。
第3の値P3 とし、n型不純物をドープする場合に成長
圧力をP1 からP2 に変化させるとすると、次式のよう
な関係が成立する。ただし、A1 は成長圧力P1 の時の
n型不純物含有ガス供給量、A2 は成長圧力P2 の時の
n型不純物含有ガス供給量を示す。 A2 /A1 =(P1 /P2 )2 (但しP1 <P2 ≦P3 ) A2 /A1 =(P1 /P3 )2 (P3 /P2 ) (但しP1 ≦P3 ≦P2 ) A2 /A1 =P1 /P2 (但しP3 ≦P1 <P2 ) 一方、p型不純物を導入する場合には、p型不純物導入
用のガスの供給量を一定にすると、化合物半導体内のp
型不純物のドーズ量が成長圧力の1/2乗に比例する関
係がある。そして、p型不純物をドープする場合に成長
圧力をP2 からP1 に変化させるとすると、次の関係が
成立する。ただし、B2 は成長圧力P2の時のp型不純
物含有ガス供給量、B1 は成長圧力P1 の時のp型不純
物含有ガス供給量を示す。
調整を精度良く行うことができる。なお、一つの化合物
半導体層内でのドーズ量の変化は、不純物拡散により生
じるpn接合部の位置を変えたり、エネルギーバンド構
造を変えたり、抵抗分布を変えることになり、化合物半
導体装置の特性を劣化させる原因になる。
図面に基づいて説明する。 (第1実施形態)原料ガス及びキャリアガスを減圧雰囲
気中に流すことにより、化合物半導体層を化合物半導体
基板の表面に成長しようとする場合に、図3に示すよう
に、原料種sを含むガスは化合物半導体基板の表面に近
くなるほど流速が遅くなってガスの淀み層20を形成す
る。原料種sとは、化合物半導体を構成する元素又はそ
の化合物のことである。淀み層20の厚さを、以下にL
s で示す。
供給された原料種sは、その表面の原子とは結合せずに
再び淀み層20に戻って化合物半導体基板表面に供給さ
れることになる。そして、減圧雰囲気中の原料ガスの平
均自由行程が大きいほど、図1の選択成長マスクM11〜
M24表面に供給された原料種が淀み層20から外に脱出
し易くなるので、選択成長マスクM11〜M24の表面に供
給された原料種sは化合物半導体基板表面に戻りにくく
なる。この結果、選択成長マスクM11〜M24に近い領域
の化合物半導体の成長速度は増加し難くなる。
長マスクM11〜M24表面に供給された原料種sが淀み層
20の外に脱出し易くなるので、選択成長マスクM11〜
M24に近い領域での化合物半導体の成長速度が増加し難
くなる。したがって、図1に示す選択成長マスクM11〜
M24を使用して化合物半導体の膜厚の不均一性を小さく
するためには、平均自由行程を大きくしたり、或いは淀
み層20を薄くすればよい。
から近い領域の化合物半導体の厚みと遠い領域の化合物
半導体の厚みとの差を大きくするためには、平均自由行
程を小さくしたり、淀み層を厚くすればよい。平均自由
行程Lf は、式(1)に示すように、減圧雰囲気の圧力
Pに反比例する。従って、減圧雰囲気の圧力が小さくな
るほど化合物半導体の選択成長比が小さくなる。選択成
長比は、選択成長マスクから遠い領域の化合物半導体の
厚み(t2 )に対する近い領域の化合物半導体の厚み
(t1 )の比(t1 /t2 )のことである。
量に依存する。図4は、図1に示すストライプ部13の
中心Oからx方向への距離と化合物半導体成長速度との
関係を示す特性図であって、反応室に供給するガスの総
流量Fをキャリアガスの流量調整によって変えた場合の
2つの特性曲線を示している。この実験では、50Torr
の減圧雰囲気下で、InP 基板11の上に化合物半導体と
してInP を成長した。InP を成長するために反応室内に
導入されるガス総流量Fは3slm と12slm の2つとし
た。
場合の結晶成長速度を基に規格化された成長速度を示
し、横軸は、図1の選択成長マスクM11〜M24に挟まれ
た幅60μmのストライプ部13の中央Oから測った距
離を示す。この実験結果から、ガス総流量Fを大きくす
ることによって選択成長マスクに起因するストライプ部
13での成長速度の上昇は抑制され、選択成長比は小さ
くなることがわかる。これは、ガス総流量を大きくする
ことによって淀み層20が薄くなり、選択成長マスクM
11〜M24上に供給されたIII 族原料種が淀み層20の外
に脱出し易くなるからである。
すように、ガス総流量の平方根の逆数に比例することが
知られているので、ガス総流量を単独で調整するだけで
は選択成長比を大きく変化することはできない。しか
し、ガス総流量と成長圧力を併せて調整することによっ
て選択成長比を大きく且つ精度良く変化させることが可
能になる。
長速度R0 とガス総流量Fの関係を調べたところ図5の
ような実験結果が得られた。この場合の結晶成長速度R
0 は、次式(3)に示すように、淀み層の厚さLs とガ
ス総流量Fの積の逆数に比例する。
量Fの平方根の逆数に比例し、その結果、次式(4)の
関係が得られる。R 0 ∝/√F ……(4) これにより、図4の縦軸は、実際の成長速度にガス総流
量Fの平方根をかけた値に対応する。図4及び図5によ
れば、ガス総流量を変えることによって選択成長マスク
から遠い領域でも結晶成長速度の変化は存在するが、選
択マスクから近い領域における結晶成長速度に比べて大
きく変化しないことが分かる。
は、減圧雰囲気の圧力を変える他に、有機系ガスを導入
するために使用するキャリアガスの種類を変えることが
挙げられる。キャリアガスとしては水素の他に窒素、ア
ルゴンの使用が可能であり、例えば窒素は水素よりも平
均自由行程が短い。以上の実験結果から、選択成長マス
クを用いた選択成長比は、気相拡散によって基板上の結
晶成長領域にどれだけの量で供給されるかで決まり、そ
の供給量は、淀み層の厚さLS に対する気相中原料種の
平均自由行程Lf の比(Lf /LS ス)の大きさに依存す
る。
料種の平均自由行程が短い場合には、選択成長マスク表
面から離脱した原料種は、淀み層内を上方に拡散する間
に他の原料種又はキャリアガス種(例えば水素)と多数
回衝突して淀み層の外まで昇華する確率が少なくなっ
て、選択成長マスクに近い結晶成長領域に原料種が多量
に供給されることになる。
料種の平均自由行程が長い場合には選択成長マスク表面
から離脱した原料種は、淀み層内を上方に拡散する間に
他の原料種又はキャリアガス種に衝突する確率が小さく
なって、淀み層の外に脱出する確率が高くなり、選択成
長マスクに近い結晶成長領域への原料種の供給量はそれ
ほど多くはならない。
の平均自由行程の比を、結晶成長の最中に自由に制御で
きれば、基板上の複数の半導体装置の構成層の機能に応
じて選択成長比を制御できることになる。この選択成長
比を制御する方法は、上記したことから明らかなよう
に、淀み層の厚さを制御する方法と、平均自由行程を制
御する方法に大別される。
ことにより淀み層は薄くなり、淀み層の厚さと気相中の
原料種の比は小さくなる。一方、平均自由行程を制御す
る方法としては、全ガス流量を固定して気相成長装置の
成長室内の圧力を制御する方法がある。平均自由行程
は、気相成長装置内の圧力の逆数に比例するために、そ
の圧力を減少することによって淀み層の厚さと気相中の
原料種の平均自由行程の比Lf /LS を大きくできる。
その比Lf /LS を大きくすると選択成長比が小さくな
って化合物半導体層の膜厚の均一性が向上する。
成長の選択成長比が気相成長装置内の圧力の増加に対し
て単純に増加することを見いだした。図6は、成長圧力
を変えた場合の選択成長マスクのストライプ部の中央O
からの長手方向の距離と結晶成長速度の関係を示す図で
ある。図6は、図1における選択成長マスクM12、
M13、M22、M23の幅Wを240μm、長さLを600
μm、ストライプ部13の幅W1 を60μm、選択成長
マスクM12、M13、M22、M23相互の長手方向の間隔
(開放部14の長さ)L1 を1200μmとし、また、
InP 基板の(001)面上にInP 結晶層を成長圧力を1
00Torrと10Torrと2回変えて成長した場合のストラ
イプの長手方向の成長速度を示している。
の方が、10Torrで成長した場合よりも選択成長比が大
きいことがわかる。図7には、図1のストライプ部13
の幅を変えた場合の成長圧力とストライプ部中央Oでの
成長速度との関係、即ち、選択成長比の成長圧力依存性
の結果を示している。
くすることによって、選択成長比は増加するが、ストラ
イプ部の幅W1 にかかわらずに成長圧力が高くになるに
つれて選択成長比が大きくなる傾向にあり、幅W1 が2
0μmの場合には約200Torrでその値は飽和する。ま
た、幅W1 が狭いほど飽和する圧力は大きくなる。この
図に示された結果及び他の実験の結果から、成長圧力が
約3Torr以下の場合に、ストライプ部の幅の相違による
成長速度比が消失して選択成長比が1になることがわか
る。
長圧力を制御することにより、選択成長比を1から約6
の範囲内で自由に制御できることがわかった。したがっ
て、選択成長比を大きく設定した層を50Torr以上の圧
力で結晶成長し、選択成長比を小さく設定した層を10
Torr以下程度の減圧下で結晶成長すればよい。
スの導入を続けながら行ってもよいし、一部のガスの供
給を停止して行ってもよい(以下の実施形態でも同
様)。化合物半導体発光装置と化合物半導体導波路をモ
ノリシックに集積化したビーム径変換導波路付き化合物
半導体発光装置を形成する場合に、活性層の光閉じ込め
部分を200Torr程度の成長圧力で結晶成長し、クラッ
ド層を10Torr程度の減圧下で結晶成長すると、1回の
連続した結晶成長によって活性層の膜厚を変化させ、ク
ラッド層の膜厚をほとんど変化させないようにすること
ができる。
長マスクの幅の狭い開口部であり、開放部14は選択成
長マスクの幅の広い開口部と見ることもできる。以下、
結晶成長の例を具体的に説明する。第1例 図8は、第1例の製造方法によって製造したビーム変換
導波路付き化合物半導体発光装置の層構造の模式的な断
面図である。
板1上に形成されたInP バッファ層(又は下側クラッド
層)、3はバッファ層2上に形成されたInGaAsP 第一の
ガイド層、4はガイド層3上に形成されたInGaAsとInGa
AsP からなる多重量子井戸活性層、5は多重量子井戸活
性層4上に形成されたInGaAsP 第二のガイド層、6は第
二のガイド層5上に形成されたInP クラッド層、7はク
ラッド層6上に形成されたInGaAsP コンタクト層であ
る。
体レーザと半導体導波路をモノリシックに集積化したビ
ーム変換回路付き化合物半導体発光装置を製造する場合
を例にとって説明する。まず、図9(a) に示すように、
InP 基板1の(001)面上にSiO2膜を形成しこれをパ
ターニングしてストライプ領域8aと四角領域8bの開
口部8を形成し、このSiO2膜を選択成長マスク9として
用いる。選択成長マスク9の材料としてはSiO2の他にSi
3N4 などがある。四角領域8bはストライプ領域8aよ
りも幅が広くなっている。
O2膜を化学的堆積法(CVD)によって成長し、フォト
リソグラフィー技術によって図9(a) のような形状にな
るようにパターニングし、開口部8のストライプ領域8
aの幅を例えば20μmに形成する。選択成長マスクの
表面状態は、選択成長に大きく影響するために、特に、
フォトリソグラフィー技術に用いるレジストに含まれる
有機物の痕跡が残る可能性があるので、H2SO4 液又はH2
SO4 +H2O2+H2O の混合液などでInP 基板表面を洗浄し
た後に結晶を成長するのが望ましい。
1上に、InP バッファ層2、InGaAsP ガイド層3を有機
金属気相成長法によって成長し、その上にInGaAsP 障壁
層とInGaAs量子井戸層を有する多重量子井戸活性層4を
同じく有機金属気相成長法によって成長する。さらに、
多重量子井戸活性層4の上にInGaAsP ガイド層5、InP
クラッド層6、InGaAsP コンタクト層7を有機金属気相
成長法により成長する。
厚さは例えば0.3μm、InGaAsPガイド層3の厚さは
0.1μm、多重量子井戸活性層4の厚さは0.05μ
m、InGaAsP ガイド層5の厚さは0.1μm、InP クラ
ッド層6の厚さは2μm、InGaAsP コンタクト層7の厚
さは0.3μmである。また、InP 基板1をn型にした
場合には、InP バッファ層2、InGaAsP 第一のガイド層
3にSiなどのn型ドーピングを行い、InGaAsP 第二のガ
イド層5とInPクラッド層6、InGaAsP コンタクト層7
にZnなどのp型ドーピングを行う。 また、Inの原料と
してトリメチルインジウム、Gaの原料としてトリエチル
ガリウム、Pの原料としてフォスフィン、Asの原料とし
てアルシン、Siの原料としてシラン、Znの原料としてジ
メチルジンクを用い、そのうちの有機系ガスの導入のた
めに水素ガスをキャリアガスとして用いる。それらのガ
スは、成膜室内で切換可能になっている。
を1μm/hourとし、InP 成長時のV/III 比を10
0、InGaAs領域に対するV/III 比を20にすることが
典型的な成長条件である。なお、V/III 比は、原料ガ
スにおけるIII 族元素に対するV族元素のmol 比を意味
する。InGaAsP 第一のガイド層3、多重量子井戸活性層
4、InGaAsP 第二のガイド層5のみに大きな選択成長比
をもたせるために、InP バッファ層2、InP クラッド層
6、InGaAsP コンタクト層7を10Torrの雰囲気下で結
晶成長し、また、InGaAsP 第一のガイド層3、多重量子
井戸活性層4及びInGaAsP 第二のガイド層5を180To
rrの雰囲気下で結晶成長する。この成長による層構造は
図10のようになり、InGaAsP 第一のガイド層3、多重
量子井戸活性層4、InGaAsP 第二のガイド層5の膜厚は
半導体レーザ領域10aでは厚く、導波路領域10bで
は徐々に薄くなっている。導波路領域10bでのガイド
層3,5及び多重量子井戸活性層4はコア層と呼ばれ
る。
P バッファ層2、InP クラッド層6、InGaAsP コンタク
ト層7のそれぞれの選択成長比は約「2」となり、InGa
AsP第一のガイド層3、多重量子井戸活性層4及びInGaA
sP 第二のガイド層5の選択成長比は約「6」となる。
選択成長比が「6」であれば、導波路構造の機能を満足
するためには十分な値であり、一方、選択成長比を
「2」としてクラッド層6を成長することは装置の特性
を低下することはなく、しかも半導体装置を加工する際
にさほど支障にならない値である。
除去し、ビーム変換導波路付き化合物半導体発光装置の
利得領域(レーザ領域)と導波路領域を幅数μmのスト
ライプマスク(不図示)で覆い、その両側部をエッチン
グにより除去することによって、例えば図11に示すよ
うなビーム変換導波路が付いたリッジ型半導体レーザの
化合物半導体ストライプ層が完成する。
側には、pnp接合又はnpn接合を有するInP 埋め込
み層21が形成される。さらに、導波路領域10bの光
出力端近傍のコンタクト層7を除去した後に、利得領域
10aのコンタクト層7及び導波路領域10bのコンタ
クト層7は絶縁膜22によって覆われる。その絶縁膜2
2のうち化合物半導体ストライプ層の上方には開口部2
2aが形成される。その開口部22aを通してコンタク
ト層7には第1の電極23が接続される。また、InP 基
板1の下面には第2の電極24が接続される。
を10Torr、選択成長比を2程度に設定してInP バッフ
ァ層2、InP クラッド層6、InGaAsP コンタクト層7を
選択成長し、また、成長雰囲気を180Torr、選択成長
比を「6」程度に設定してInGaAsP 第一のガイド層3、
多重量子井戸活性層4及びInGaAsP 第二のガイド層5を
選択成長し、これにより、化合物半導体発光装置と化合
物半導体導波路にそれぞれ最適の厚さの半導体層を形成
する例を説明した。
験を参考にして成長圧力を低くしたところ、選択成長さ
れた化合物半導体結晶表面の凹凸が減少して平坦性が向
上する性質があることを発見した。図12は、選択成長
された化合物半導体結晶の表面の凹凸と成長雰囲気圧力
の関係を示す。
格化したスパイク高さを示す。この図は、InP 基板の上
に図1に示す選択成長マスクを使用してストライプ部1
3の幅W1 を20μmにし、成長雰囲気圧力を変えてIn
P 基板11上にInP 層を選択成長した場合の規格化スパ
イク高さSを示している。規格化スパイク高さSは、ス
トライプ部13で成長した結晶のうち、ストライプ部1
3の両側寄り領域での結晶の最大の厚さ(h1 )とスト
ライプ部13の中央の結晶の厚さ(h)の差(Δh=h
1 −h)を、ストライプ部の中央の結晶の厚さで除した
値(Δh/h)で示される。
Torr以上にすると、規格化スパイク高さSは0.3(3
0%)を越えるので、ストライプ部13内に形成された
結晶層をフォトリソグラフィー技術でパターニングする
際に不都合がある。その不都合として、例えば、その結
晶層の凹凸が大きくてレジストの露光焦点を合わせるの
が難しくなってレジストのパターン精度が低下すること
が挙げられる。
にすると、規格化スパイク高さSは0.03(3%)程
度に抑えられるので、ストライプ部13内に形成された
結晶層表面の平坦性が良くなる。図12は、ストライプ
部の幅を20μmにした場合の実験結果であるが、その
幅を20〜60μmとしても同様なことがいえる。
体装置の製造方法によると、選択成長マスクを用いる結
晶の選択成長における選択比を成長中に制御できるの
で、1つの化合物半導体基板の上に膜厚の異なる複数の
半導体装置を同時に形成でき、装置設計のマージンが高
くなる。しかも、この製造方法は、モノリシックな化合
物半導体光装置の特性や歩留りの向上に寄与するところ
が大きい。 (第2実施形態)上記した光半導体装置の製造方法にお
いては、化合物半導体成長時の成長圧力を変えることに
よって結晶の選択成長比を調整するようにしている。例
えばクラッド層2、6を10Torrの低い成長圧力で形成
し、活性層4及びガイド層3、5を180Torrの高い成
長圧力で形成している。その成長圧力の変更は、図13
に示すように、ガイド層3,5の成長とクラッド層2,
6の成長との間ではなく、クラッド層2,6の結晶成長
中に行われる。これは異種の化合物半導体層の界面状態
を良好にするためである。
半導体の成長の際には化合物半導体結晶中にp型不純物
又はn型不純物をドープするが、結晶成長中に圧力を変
化させると、圧力の変化によってドーパントの導入量も
変化するという現象が生じることが本発明者等の実験に
より明らかになった。次に、その実験結果について説明
する。なお、この実験ではn型不純物の供給源としてモ
ノシラン(SiH4)ガスを用い、p型不純物の供給源とし
てジメチル亜鉛(DMZn)を用いた。
成長中のSiH4供給量の経時変化と成長圧力の経時変化を
示す図であって、InP クラッド層2の成長中にSiH4ガス
の供給量を一定に保持するとともに、InP クラッド層2
の成長中の成長圧力を時間Δt内でP1 からP2 (P2
>P1 )に増加させたことを示している。図14(b)
は、下側のInP クラッド層2内の電子密度を、InP クラ
ッド層2の成長時間経過に対応させて示したものであ
る。これによれば、成長圧力を変えることにより、電子
密度がn1 からn2 (n2 >n1 )に増加していること
がわかった。ただし、n1 は設計値を示している。電子
密度が増加することはシリコン含有量が増えることを意
味する。
成長中のDMZn供給量の経時変化と成長圧力の経時変化
を示す図であって、InP クラッド層6の成長中にDMZn
ガスの供給量を一定に保持するとともに、InP クラッド
層6の成長中の成長圧力を時間Δt内でP2 からP1 に
減少させたことを示している。図15(b) は、上側のIn
P クラッド層6内の正孔密度を、InP クラッド層6の成
長時間経過に対応させて示したものである。これによれ
ば、成長圧力を変えることより、正孔密度がp2 からp
1 (p2 >p1 )に減少していることがわかった。ただ
し、p2 は設計値を示している。正孔密度が減少するこ
とは亜鉛含有量が減ることを意味する。
うに、下側のInP クラッド層2成長中に成長圧力を増加
させる一方、上側のクラッド層6成長中には成長圧力を
減少させている。図14、図15のようにクラッド層
2、6で膜厚方向のキャリア密度分布(不純物濃度分
布)が不均一になると、半導体層内のpn接合部が不純
物拡散によって好ましくない位置に移動したり、エネル
ギーバンド構造が設計通りにならなかったり、半導体レ
ーザ内の電気抵抗分布が変わったりする原因になり、光
半導体装置の特性が設計通りにならなくなる。
に、本発明者等は次のような方法を採用した。すなわ
ち、n型のInP クラッド層2の成長途中では、図16に
示すように、成長圧力をP1 からP2 に上昇させるとと
もに、その成長圧力を変化させる際にSiH4ガスの供給量
(流量)をA1 からA2 (A2 <A1 )に減少させる。
SiH4供給量A1 は、設計値の電子密度n1 をクラッド層
に与えるための量である。
のような量で変化させるかを実験により確かめたとこ
ろ、図18のような結果が得られた。即ち、SiH4ガス供
給量を一定にして成長圧力を変えたところ、成長圧力が
特定の圧力P3 に等しいかそれよりも小さくなると化合
物半導体内の電子濃度nが成長圧力Pの2乗に比例して
存在する一方で、さらに成長圧力が特定の圧力P3 に等
しいかそれよりも大きくなると化合物半導体内の電子濃
度nが成長圧力Pに比例することを本発明者らが発見し
た。その特定の圧力P3 は結晶成長装置によって異な
る。図16では、圧力P3 の大きさは50Torrとなって
いる。
を均一に保持するためのSiH4ガスの供給量A2 と供給量
A1 の比(A2 /A1 )は、次の3つ関係を有する。 P1 <P2 ≦P3 の場合 A2 /A1 =(P1 /P2 )2 …… (11) P1 ≦P3 ≦P2 の場合 A2 /A1 =(P1 /P3 )2 (P3 /P2 ) …… (12) P3 ≦P1 <P2 の場合 A2 /A1 =P1 /P2 …… (13) 一方、p型のInP クラッド層6の成長の途中では、図1
7に示すように成長圧力をP2 からP1 に低下させると
ともに、その成長圧力を変化させる際にDMZnガスの供
給量(流量)をB2 からB1 (B2 <B1 )に増加させ
る。DMZn供給量B2 は、設計値の正孔密度p2 をクラ
ッド層6に与えるための量である。
どのような量で変化させるかを実験により確かめたとこ
ろ、図19のような結果が得られた。即ち、DMZnガス
供給量を一定にして成長圧力を変えたところ、化合物半
導体内の正孔濃度pは成長圧力Pの1/2乗に比例する
ことを発見した。従って、クラッド層6内の正孔密度p
を均一に保持するためのDMZnガスの供給量B1 と供給
量B2 の比(B1 /B2 )は、次の関係にある。
圧力の関係を考慮して図9(a) で示した選択成長用マス
クを使用して化合物半導体層構造を以下の条件で形成し
た。その結晶成長の際には、図9(a) に示すように、n
型InP 基板1の上に形成される選択成長用マスク9の2
つの矩形領域M12,M13の長さLを600μm、幅Wを
300μmとした。また、選択成長用マスク9の開口部
8のストライブ領域8aの幅W1 を40μmとした。
5μmのn 型 InPクラッド層2、膜厚0.1μmのn型
Inx Ga1-x Asy P1-y(x=0.85,y=0.33)ガ
イド層3、膜厚0.1μmのノンドープMQW活性層
4、膜厚0.1μmのノンドープInx Ga1-x Asy P1-yガ
イド層5、膜厚0.5μmのp型InP クラッド層6、膜
厚0.1μmのp型InGaAsP コンタクト層7を有機金属
気相成長法により形成する。なお、各層2〜7の膜厚は
ストライプ領域8aのものを示した。
るInx Ga1-x Asy P1-yの組成波長は1.1μmである。
また、MQW活性層4は、組成波長1.1μmのInGaAs
P よりなる障壁層と、組成波長1.3μmのInx'Ga1-x'
Asy'P1-y' ( x’=0.72,y’=0.61)よりな
る井戸層とを交互に複数形成した構造を有している。そ
の有機金属気相成長法では、インジウム(In)の原料と
してトリメチルインジウム(TMI)を使用し、ガリウ
ム(Ga)の原料としてトリエチルガリウム(TEG)を
使用し、砒素(As)の原料としてアルシン(AsH3)を使
用し、燐(P)の原料としてホスフィン(PH3 )を使用
した。
素流量は毎分6リットルである。InP クラッド層2、6
の成長時には、TMI供給量を0.4ccm 、PH3 の供給
量を40ccm とし、n型不純物としてSiH4、p型不純物
としてDMZnを用いた。そして、成長圧力及び不純物ガ
ス供給量を変化させてn型InP クラッド層2からp型In
P クラッド層6までを以下の例のように成長した。
(電子密度)を5×1017atoms/cm 3 にするためのSiH4
供給量は、成長圧力10Torrで0.02ccm となり、p
型InP クラッド層6のドーズ量(正孔密度)を5×10
17atoms/cm3 にするためのDMZn供給量は、成長圧力1
50Torrで0.004ccm となることが予備実験により
確かめられた。また、以上の条件下で、上記した式(1
1)〜(13)での成長圧力P3 は50Torrであった。
うに成長圧力とSiH4供給量を変化させた。n型InP クラ
ッド層2の成長は、まず、成長圧力を10Torr(P1 )
にして0.4μmの厚さに成長し、ついで、成長圧力を
50Torr(P2 )に上げてさらに膜厚0.1μmを成長
した。そして、成長圧力が10Torr(P1 )の時にSiH4
の供給量A1 を0.02ccm とし、また、成長圧力が5
0Torr(P2 )の時にSiH4の供給量A2 を0.0008
ccm とした。供給量A2 は上記した式からA2 =(1
0/50)2 A1 =0.0008となった。
層4の成長を50Torrで行い、それらの層の選択成長比
を大きくして活性領域10aと導波領域10bの膜厚の
差を大きくした。 次に、p型InP クラッド層6の成長
の際には、図17に示すように成長圧力とDMZn供給量
を変化させた。p型InP クラッド層6の成長は、まず、
成長圧力を50Torr(P2 )に保持して0.1μmの厚
さに成長し、ついで、成長圧力を10Torr(P1 )に下
げてさらに膜厚0.4μmを成長した。この場合、成長
圧力が50Torr(P2 )の時にDMZnの供給量B2 を
0.0069ccm とし、また、成長圧力が10Torr(P
1)の時にDMZnの供給量B1 を0.0155ccm とし
た。
2 =(150/50)1/2 ×0.004=0.0069
となり、また、供給量B1 は上記した式(14)からB1
=(50/10)1/2 B2 =0.0155となる。な
お、成長圧力を変える時間は数分以下であり、その間は
TMIの供給を停止し、PH3 だけを供給している。これ
は化合物半導体層からのV族原子の抜けを防止するため
である。このことは、以下の例でも同様である。このよ
うにp型クラッド層6を成長した後に、成長圧力を10
Torrに保持してInGaAsP コンタクト層7を形成する。
うに成長圧力とSiH4供給量を変化させた。n型InP クラ
ッド層2の成長は、まず、成長圧力を10Torr(P1 )
にして0.4μmの厚さに成長し、ついで、成長圧力を
150Torr(P2 )に上げてさらに膜厚0.1μmを成
長した。そして、成長圧力が10Torr(P1 )の時にSi
H4の供給量A1 を0.02ccm とし、また、成長圧力が
150Torr(P2 )の時にSiH4の供給量A2 を0.00
027ccm とした。供給量A2 は上記した式(12)から
A2 =(10/50)2 (50/150)A1 =0.0
0027となった。
層4の成長を150Torrで行い、それらの層の選択成長
比を大きくして活性領域10aと導波領域10bの膜厚
の差を大きくした。次に、p型InP クラッド層6の成長
の際には、図17に示すように成長圧力とDMZn供給量
を変化させた。
長圧力を150Torr(P2 )に保持して0.1μmの厚
さに成長し、ついで、成長圧力を10Torr(P1 )に下
げてさらに膜厚0.4μmを成長した。この場合、成長
圧力が150Torr(P2 )の時にDMZnの供給量B2 を
0.004ccm とし、また、成長圧力が10Torr
(P 1 )の時にDMZnの供給量B1 を0.0155ccm
とした。
2 =(150/150)1/2 ×0.004=0.004
となり、また、供給量B1 は上記した式(14)からB1
=(150/10)1/2 B2 =0.0155となる。こ
のようにp型クラッド層6を成長した後に、成長圧力を
10Torrに保持してInGaAsP コンタクト層7を形成す
る。
うに成長圧力とSiH4供給量を変化させた。n型InP クラ
ッド層2の成長は、まず、成長圧力を50Torr(P1 )
にして0.4μmの厚さに成長し、ついで、成長圧力を
150Torr(P2 )に上げてさらに膜厚0.1μmを成
長した。そして、成長圧力が50Torr(P1 )の時にSi
H4の供給量A1 を0.0008ccm とし、また、成長圧
力が150Torr(P2 )の時にSiH4の供給量A2 を0.
00027ccm とした。
(10/50)2 ×0.02=0.0008となり、供
給量A2 は上記した式(13)からA2 =(50/15
0)2A1 =0.00027となる。この後に、ガイド
層3、5及びMQW活性層4の成長を150Torrで行
い、それらの層の選択成長比を大きくして活性領域と導
波領域の膜厚の差を大きくした。
は、図17に示すように成長圧力とDMZn供給量を変化
させた。p型InP クラッド層6の成長は、まず、成長圧
力を150Torr(P2 )に保持して0.1μmの厚さに
成長し、ついで、成長圧力を50Torr(P1 )に下げて
さらに膜厚0.4μmを成長した。この場合、成長圧力
が150Torr(P2 )の時にDMZnの供給量B2 を0.
004ccm とし、また、成長圧力が50Torr(P 1 )の
時にDMZnの供給量B1 を0.0069ccm とした。
1 =(150/50)1/2 B2 =0.0069となる。
このようにp型クラッド層6を成長した後に、成長圧力
を50Torrに保持してInGaAsP コンタクト層7を形成す
る。以上の3つの例について、n型InP クラッド層2中
のシリコン濃度とp型InPクラッド層6中の亜鉛濃度を
SIMS分析したところ、図20、図21のような結果
が得られ、第1例〜第3例のいずれの場合も、厚さ0.
5μmのクラッド層2,6の厚さ方向のほぼ全域で5×
101 7 atoms/cm3 の亜鉛及びシリコン濃度が得られ
た。この結果は、成長圧力を変えてもInP クラッド層
2,6のキャリア密度を均一に調整できることを示して
いる。これにより、光半導体装置を構成する化合物半導
体層のpn接合部の位置やエネルギーバンド構造及び電
気抵抗分布が設計通りになる。
いてキャリア密度が低下しているのは、n型不純物とp
型不純物がそれぞれガイド層3,5に拡散したからであ
り、成長圧力の変化によるものではない。上記した例で
は下側のクラッド層2にn型不純物をドープする一方、
上側のクラッド層6にp型不純物をドープすることにつ
いて説明したが、n型とp型をその逆にしてもよい。そ
の場合には、下側のクラッド層2の成長圧力の上昇に伴
ってDMZnガスの供給量を減らし一方で、上側のクラッ
ド層6の成長圧力の下降に伴ってSiH4ガスの供給量を増
やすことになる。
うちの少なくとも1つを含む III族の材料とAs、P のう
ち少なくとも1つを含むV族の材料の化合物からなるII
I-V族半導体層を成長する場合に適用される。その場合
の成長条件、不純物ドーズ量は上記した実施形態に限ら
れない。また、n型不純物としてはシリコン(Si)の
他にイオウ(S)、セレン(Se)があり、p型不純物
としてはZnの他にカドミウム(Cd)があり、それらを
用いる場合にも成長圧力の変化に応じて不純物ガス導入
量を変化させる。
基板の表面の一部に選択成長マスクを形成し、選択成長
マスクが形成されていない領域に気相成長法によって化
合物半導体層を成長して、選択成長マスクから近い領域
と選択成長マスクから遠い領域の化合物半導体層の成長
速度又は組成を異ならせる化合物半導体層の成長工程に
おいて、選択成長しようとする化合物半導体層に応じ
て、基板上に生じる原料種の淀み層の厚さと気相中の原
料種の平均自由行程との比を変化させるようにしたの
で、淀み層の厚さが薄くするほど化合物半導体層の選択
成長比を小さくし、また、平均自由行程を長くするほど
化合物半導体層の選択成長比を小さくできる。
薄くなり、また、平均自由行程は成長雰囲気の圧力を小
さくするほど長くできる。また、他の本発明に従えば、
n型不純物又はp型不純物が導入される化合物半導体層
の成長中に成長圧力を変化させる場合には、n型不純物
又はp型の不純物を含むガスの供給量も同時に変化させ
るようにしているので、成長圧力の変化によって化合物
半導体層内の不純物のドーズ量を全域で一定になるよう
に調整することができる。
場合に、化合物半導体層内のn型不純物のドーズ量が成
長圧力の2乗に比例して変化する範囲と成長圧力に比例
して変化する範囲とに分けられることが実験により確か
められたので、これらの関係に基づいてn型不純物導入
用のガスの供給量を調整してn型不純物のドーズ量を一
定にすることができる。
物半導体内のp型不純物のドーズ量は成長圧力の1/2
乗に比例して変化する関係にあるので、この関係に基づ
いてp型不純物導入用のガスの供給量を調整してp型不
純物のドーズ量を一定にすることができる。化合物半導
体層内のドーズ量を一定すると、不純物拡散により生じ
るpn接合部の位置、エネルギーバンド構造および抵抗
分布を設計通りに行って、化合物半導体装置の良好な特
性を得ることができる。
る場合に使用される選択成長マスクを化合物半導体基板
上に形成した状態を示す平面図である。
化合物半導体を化合物半導体基板上に形成して得られた
ストライプ方向と成長速度の関係を示す曲線である。
選択成長する場合の化合物半導体基板とその表面近傍の
淀み層を示す図である。
部の中央からストライプ延在方向の位置と結晶成長速度
との関係を示す曲線である。
晶成長速度とキャリアガスの流量との関係を示す線であ
り、黒点は実測値、直線は理論値である。
晶の成長速度とストライプ部方向の位置の関係を示す曲
線である。
部の幅を変えて結晶成長した実験による結晶の成長速度
と成長圧力の関係を示す曲線である。
物半導体基板の層構造図である。
モノリシックに形成する場合に使用する基板と選択成長
マスクを示す斜視図、図9(b)は、その選択成長マス
クを使用して基板上に形成された化合物半導体層を示す
斜視図である。
層の層構造を示す断面図である。
有する光半導体装置を一部切り欠いて示した斜視図であ
る。
上面のスパイク高さと成長圧力の関係を示す。
の成長圧力の変化と成長時間との関係と、成長圧力と層
位置との関係を示す図である。
長する場合のSiH4ガス供給量を時間的に変化させずに成
長圧力のみを成長時間の経過に従って変化させることを
示す図であり、図14(b) は、成長圧力のみの変化によ
って得られるn型化合物半導体層の電子密度と成長時間
との関係を示す図である。
長する場合のDMZnガス供給量を時間的に変化させずに
成長圧力のみを成長時間の経過に従って変化させること
を示す図であり、図15(b) は、成長圧力のみ変化によ
って得られるp型化合物半導体層の正孔密度と成長時間
との関係を示す図である。
る場合の成長圧力及びSiH4ガス供給量を成長時間の経過
によって変化させることを示す図である。
る場合の成長圧力及びDMZnガス供給量を成長時間の経
過によって変化させることを示す図である。
型化合物半導体を成長する場合の成長圧力と電子密度の
関係を示す特性図である。
p型化合物半導体を成長する場合の成長圧力と正孔密度
の関係を示す特性図である。
長中に変化させてn型化合物半導体層を成長した場合の
n型化合物半導体層内のシリコンの濃度分布図である。
成長中に変化させてp型化合物半導体層を成長した場合
のp型化合物半導体層内の亜鉛の濃度分布図である。
Claims (15)
- 【請求項1】選択成長マスクが形成された基板の表面に
気相成長法により化合物半導体層を形成することによ
り、該基板表面のうち該選択成長マスクに近い領域に形
成される化合物半導体層の成長速度或いは組成と遠い領
域に形成される該化合物半導体層の成長速度或いは組成
とを異ならせる工程を含む化合物半導体装置の製造方法
において、 前記基板の表面近傍に生じる原料種の淀み層の厚さと気
相中の原料種の平均自由行程との比を第1の値に設定し
て前記選択成長マスクに覆われない領域に前記第1の化
合物半導体層を成長する工程と、 前記比を第2の値に変えて第2の化合物半導体層を前記
第1の化合物半導体層の上に選択成長する工程とを有す
ることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】幅の狭い第1の領域と幅の広い第2の領域
からなる開口部を有している選択成長マスクを化合物半
導体基板の上に形成する工程と、 前記化合物半導体基板及び前記選択成長マスクを結晶成
長雰囲気に置く工程と、 前記結晶成長雰囲気内に原料種を含むガスを導入し、該
原料種の平均自由行程を第1の長さにして、前記化合物
半導体基板の前記選択成長マスクに覆われない領域に第
1の化合物半導体層を成長する工程と、 前記ガスを導入し続けながら或いは前記ガスの一部の供
給を停止してその間に前記平均自由行程を第2の長さに
変えることにより、前記第1の化合物半導体層とは膜厚
分布が異なる第2の化合物半導体層を前記第1の化合物
半導体層の上に成長する工程とを有することを特徴とす
る化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】前記結晶成長雰囲気の圧力を変えることに
よって、前記原料種の前記平均自由行程が第1の長さか
ら第2の長さに変化することを特徴とする請求項2記載
の化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項4】前記結晶成長雰囲気の圧力を低く変化させ
て前記平均自由行程の第2の長さを第1の長さよりも長
くすることにより、前記第2の化合物半導体層の膜厚分
布の高低差を前記第1の化合物半導体層の膜厚分布の高
低差よりも小さくすることを特徴とする請求項2記載の
化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】前記ガスに含有されるキャリアガスの種類
を変えることによって前記原料種の平均自由行程が第1
の長さから第2の長さに変化することを特徴とする請求
項2記載の化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項6】前記選択成長マスクの開口部の前記第1の
領域と前記第2の領域は繋がって形成され、前記第1の
領域は発光素子の形成領域であり、前記第2の領域は導
波路の形成領域であり、 前記原料種の前記平均自由行程の前記第1の長さを前記
第2の長さよりも短くして、 前記第1の長さの前記平均自由行程の前記結晶雰囲気下
で、前記発光素子の活性層と前記導波路のコア層をそれ
ぞれ同時に形成し、 前記第2の長さの前記平均自由行程の前記結晶雰囲気下
で、前記発光素子及び前記導波路のクラッド層を前記活
性層及び前記コア層の上方に形成することを特徴とする
請求項2記載の化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項7】前記第1の長さの前記平均自由行程の前記
結晶雰囲気は50Torr以上で、前記第2の長さの前記平
均自由行程の前記結晶雰囲気は10Torr以下であること
を特徴とする請求項6記載の化合物半導体装置の製造方
法。 - 【請求項8】幅の狭い第1の領域と幅の広い第2の領域
からなる開口部を有している選択成長マスクを化合物半
導体基板の上に形成する工程と、 前記化合物半導体基板及び前記選択成長マスクを結晶成
長雰囲気に置く工程と、 前記結晶成長雰囲気に原料種を含むガスを導入し、前記
化合物半導体基板の表面近傍の前記原料種の淀み層を第
1の厚さにして、前記化合物半導体基板の前記選択成長
マスクに覆われない領域に第1の化合物半導体層を成長
する工程と、 前記ガスを導入し続けながら、或いは前記ガスの一部の
供給を停止してその間に前記化合物半導体基板の表面近
傍の前記淀み層を第2の厚さに変えることにより、前記
第1の化合物半導体層とは膜厚分布が異なる第2の化合
物半導体層を前記第1の化合物半導体層の上に成長する
工程とを有することを特徴とする化合物半導体装置の製
造方法。 - 【請求項9】前記ガスの総流量を変えることによって、
前記原料種の前記淀み層を前記第1の厚さから前記第2
の厚さに変化させることを特徴とする請求項8記載の化
合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項10】幅の狭い第1の領域と幅の広い第2の領
域からなる開口部を有している選択成長マスクを化合物
半導体基板の上に形成する工程と、 前記化合物半導体基板及び前記選択成長マスクを結晶成
長雰囲気に置く工程と、 前記結晶成長雰囲気に原料種を含むガスを導入して、前
記化合物半導体基板の表面近傍の前記原料種の淀み層を
第1の厚さにし且つ前記原料種の平均自由行程を第1の
長さにすることにより、前記選択成長マスクに覆われな
い前記化合物半導体基板の領域に第1の化合物半導体層
を成長する工程と、 前記ガスを導入し続けながら或いは前記ガスの一部の供
給を停止してその間に前記化合物半導体基板の表面近傍
の前記淀み層を第2の厚さにし且つ前記平均自由行程を
第2の長さに設定することにより、前記第1の化合物半
導体層とは膜厚分布が異なる第2の化合物半導体層を前
記第1の化合物半導体層の上に成長する工程とを有する
ことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項11】幅の狭い第1の領域と幅の広い第2の領
域からなる開口部を有している選択成長マスクを化合物
半導体基板の上に形成する工程と、 前記化合物半導体基板及び前記選択成長マスクを結晶成
長雰囲気に置く工程と、 2種類以上の原料種を含む第1のガスと不純物を含む第
2のガスとを前記結晶成長雰囲気内に導入し、前記化合
物半導体基板の前記選択成長マスクに覆われない領域に
第1の化合物半導体層を成長する工程と、 前記第1の化合物半導体層の成長中に或いは一時的に停
止している間に、前記結晶成長雰囲気の圧力と前記第2
のガスの供給量を変化させ、前記第1の化合物半導体層
の上に同じ化合物半導体層を成長する工程とを有するこ
とを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】前記第2のガスは、前記第1の化合物半
導体層をn型にするn型不純物を含むガスであって、前
記成長圧力を第1の値P1 から第2の値P2に増加させ
る場合には前記第2のガスの供給量を減らし、又は前記
成長圧力を該第2の値P2 から該第1の値P1 に減少さ
せる場合には前記第2のガスの供給量を増やすことを特
徴とする請求項11記載の化合物半導体装置の製造方
法。 - 【請求項13】前記第2のガスの供給量が一定の場合に
前記n型不純物のドーズ量が前記成長圧力の2乗に比例
する範囲と前記成長圧力に比例する範囲とがあり、それ
らの範囲の境界の成長圧力を第3の値P3 とし、 該第3の値P3 が、前記第1の値P1 よりも大きく且つ
前記第2の値P2 と等しいかそれよりも大きい場合に
は、(P1 /P2 )2 倍の量で前記第2のガスの供給量
を減らし又は増やし、 該第3の値P3 が、前記第1の値P1 と等しいかそれよ
りも大きく且つ前記第2の値P1 と等しいかそれよりも
小さい場合には、(P1 /P3 )2 (P3 /P 2 )倍の
量で前記第2のガスの供給量を減らし又は増やし、 該第3の値P3 が、前記第1の値P1 と等しいかそれよ
りも小さく且つ前記第2の値P2 よりも小さい場合に
は、(P1 /P2 )倍の量で前記第2のガスの供給量を
減らし又は増やすことを特徴とする請求項12記載の化
合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項14】前記第2のガスは、前記第1の化合物半
導体をp型にするp型不純物を含むガスであって、前記
成長圧力を第1の値P1 から第2の値P2 に増加させる
場合には前記第2のガスの供給量を減らし、又は前記成
長圧力を該第2の値P2 から該第1の値P1 に減少させ
る場合には前記第2のガスの供給量を増やすことを特徴
とする請求項11記載の化合物半導体装置の製造方法。 - 【請求項15】(P2 /P1 )1/2 倍の量で前記第2の
ガスの供給量を減らし又は増やすことを特徴とする請求
項14記載の化合物半導体装置の製造方法。
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EP95309417A EP0720243A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Method of fabricating compound semiconductor device and optical semiconductor device |
US08/577,399 US5937273A (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Fabricating compound semiconductor by varying ratio of stagnant layer thickness and mean free path of seed material |
EP02020857A EP1271721A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Optical semiconductor device |
EP02020856A EP1271625A3 (en) | 1994-12-27 | 1995-12-22 | Method of fabrication compound semiconductor device |
KR1019950058692A KR100210591B1 (ko) | 1994-12-27 | 1995-12-27 | 화합물 반도체장치의 제조방법 및 광 반도체 장치 |
US09/069,197 US6034983A (en) | 1994-12-27 | 1998-04-29 | Method of fabricating compound semiconductor device and optical semiconductor device |
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JPH08236465A JPH08236465A (ja) | 1996-09-13 |
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Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2967737B2 (ja) * | 1996-12-05 | 1999-10-25 | 日本電気株式会社 | 光半導体装置とその製造方法 |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP32042695A patent/JP3401715B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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