JP3401579B2 - 液圧転写方法 - Google Patents

液圧転写方法

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JP3401579B2
JP3401579B2 JP28566393A JP28566393A JP3401579B2 JP 3401579 B2 JP3401579 B2 JP 3401579B2 JP 28566393 A JP28566393 A JP 28566393A JP 28566393 A JP28566393 A JP 28566393A JP 3401579 B2 JP3401579 B2 JP 3401579B2
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信之 大滝
清 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写インクの塗布され
た転写フィルムを液面上で浮遊状態に支持させ、これに
被転写体を接触させることにより転写インクを被転写体
の表面上に転写させる液圧転写方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、転写インクの塗布された転写
フィルムを液面上で浮遊状態に支持させ、これに被転写
体を接触させることにより転写インクを被転写体の表面
上に転写させる液圧転写方法が行われている。この種の
液圧転写方法において用いる転写フィルムには、転写イ
ンクがあらかじめ概ね均一に塗着されており、良好な転
写の仕上がりを得るために、従来の液圧転写技術におい
ては転写フィルム上の転写インクをそのまま均一な状態
すなわち被転写体表面の全範囲において、インク濃度を
変化させず、パターンも変形させないよう被転写体の表
面に写し取ることに細心の配慮をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液圧転写技術では、あらかじめ用意された転
写フィルムにおける転写パターンは、担持シートの膨潤
に伴い多少拡大するが、基本的には当初の転写パターン
の図柄のイメージそのままで被転写体に転写される。従
って一つの転写フィルムにより得られる製品の外観は単
一であり、製品の外観に「ぼかし」(グラデーション)
等を付け、変化を持たせたい場合には、グラデーション
的に印刷された別途の転写フィルムを用いて行う必要が
あった。また前記従来の液圧転写技術では、被転写体表
面を一周回るような転写を行うと、この被転写体表面に
は必ず転写パターンの合わせ目が生じ、その部分におい
て転写の仕上がりでの実在感、現物感を損なうこととな
っていた。
【0004】本発明はこのような実情に基づいてなされ
たもので、この種の液圧転写方法において、転写インク
量を転写時に転写フィルムの伸張具合を加減することに
より、単一の転写フィルムから得られる表現方法を多様
化して、製品意匠を高めるとともに、被転写体表面の全
範囲にわたって転写インクを転写した場合に被転写体表
面に現われる転写パターンの合わせ目を視認しにくくす
ることにより転写の仕上がりを向上させることを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本出願に係る液
圧転写方法の第一の発明は、担持シート上に転写インク
を塗布して成る転写フィルムを転写槽内の液面上に浮遊
させ、その上方から、被転写体を押し付け、これによっ
て生ずる液圧によって被転写体表面に前記転写インクを
転写する方法において、前記転写インクを被転写体表面
に転写するにあたっては、転写後の状態において端部に
くる転写フィルムの部位に対し、転写フィルムが伸張す
る方向に強制的な張力を加えながら転写するようにし、
接触開始部のインク厚を最も厚くするとともに、この接
触部からその両側に転写が進むに従い、徐々にインク厚
を減少させるように、転写を行うようにしたことを特徴
として成るものである。
【0006】また本出願に係る液圧転写方法の第二の発
明は、前記請求項1記載の要件に加え、前記被転写体は
すでに基材表面の全範囲に転写インクが転写されたもの
または基材表面の全範囲を覆うに満たない範囲において
転写インクが転写されたものであって、このような被転
写体に対し、重ねて転写インクを転写するにあたって
は、転写槽内の液面上に浮遊する転写フィルムに対し、
転写インクの合わせ目部分または未転写の部分を臨ませ
て転写するようにしたことを特徴として成るものであ
る。
【0007】更にまた本出願に係る液圧転写方法の第三
の発明は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前
記被転写体の側傍には、この被転写体に対する転写イン
クの転写範囲を規制するフィルム伸張部材が配設され、
前記被転写体を転写槽内の液面上に浮遊する転写フィル
ムに押し付けるにあたっては、このフィルム伸張部材を
前記被転写体と同時に前記転写フィルムに押し付け、こ
れにより前記転写フィルムの部位に対し、伸張方向の張
力を加えるようにしたことを特徴として成るものであ
る。
【0008】更にまた本出願に係る液圧転写方法の第四
の発明は、前記請求項3記載の要件に加え、前記フィル
ム伸張部材は、前記被転写体の側傍に位置する他の被転
写体であることを特徴として成るものである。
【0009】更にまた本出願に係る液圧転写方法の第五
の発明は、前記請求項3記載の要件に加え、前記フィル
ム伸張部材は、前記被転写体の周囲を区画する枠体であ
ることを特徴として成るものである。
【0010】
【発明の作用】請求項1記載の発明によれば、転写槽の
液面上に浮遊した転写フィルムが伸張する方向に張力を
加えながら転写するので、転写フィルムの伸張に伴って
当初単位面積当たり概ね一定量を塗布された転写インク
(本発明のために特別調整するものでなく、一般には従
来の転写フィルムがそのまま使用できる)が、製品の転
写の仕上がり状態において、伸張された転写フィルムに
より転写された部位では、転写インク量が少なく、薄い
状態となり、いわゆるグラデーション状態の液圧転写が
行われる。このような、グラデーション状態の転写は、
従来の液圧転写技術では不可能であったため、本発明は
単一の転写フィルムから得られる表現方法を多様化し
て、製品意匠を高めることができる。
【0011】また請求項2記載の発明によれば、先の転
写により被転写体に形成された転写インクの合わせ目ま
たは先の転写による未転写の部分が、転写フィルムの転
写インクにより覆われるとともに、この転写による転写
部分の端部がグラデーション状態となるので、先の転写
による転写インクとの合わせ目が薄くなり視認しにく
く、被転写体の外観の実在感、現物感を損なうこともな
い。
【0012】また請求項3記載の発明によれば、被転写
体の側傍にフィルム伸張部材が配設され、そのフィルム
伸張部材が被転写体とともに、転写フィルムに押し付け
られることにより、液面上に浮遊させた転写フィルムを
伸張させるので、転写フィルムを伸張させる作業及び装
置が簡単である。
【0013】そして請求項4記載の発明は、前記フィル
ム伸張部材として、側傍に位置する他の被転写体を利用
するもので、請求項5記載の発明は前記フィルム伸張部
材として被転写体の周囲を区画する枠体を用いるもので
ある。これらの場合、必要以上のフィルム伸張部材の設
置を省略し、被転写体の有効利用が図られるほか、転写
フィルムを伸張するための装置構成も極めて簡単とな
る。
【0014】
【実施例】以下、図面によりこの発明の実施例を説明す
るが、まず図2により本発明の方法を実施する液圧転写
装置の全体概略を説明する。図2において、符号1は液
圧転写装置を示し、2は転写槽、3は転写フィルム供給
装置、4は被転写体搬送装置である。
【0015】転写槽2は、内部に液体としての水Wが貯
溜されており、その水Wは循環管路5を経てポンプ6に
より矢印のようにゆっくり循環されている。従ってこの
転写槽2内の液面においても波立ちのない平滑な状態で
ゆっくりとした流れが図2において右側向きに形成され
ている。転写フィルム供給装置3は、ロール巻きされた
転写フィルムFから成るフィルムロール11と、このフ
ィルムロール11から引き出された転写フィルムFを加
熱するヒートロール12と、転写フィルムFに引出力を
与える引出ロール13とが設置され、前記ヒートロール
12と引出ロール13との間には転写フィルムFに所要
の活性剤Kを塗着するローラコータ14が設置されてい
る。
【0016】転写フィルムFは、例えばゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール樹脂等から成
る水溶性フィルムを担持シートとするものであり、この
担持シートの一方の表面には、単位面積当たり概ね一定
量に塗布された転写インクによって所要の模様(転写パ
ターン)があらかじめ乾燥状態に塗着されたインク面P
が形成されている。なお、このインク面Pを形成する転
写インクには、これが活性化された場合には担持シート
から転移し得るバインダー成分を含有するものである。
【0017】そしてこの転写フィルムFは、フィルムロ
ール11から引き出され、ヒートロール12を経由した
後、そのインク面Pにローラコータ14により所要の活
性剤Kが塗着される。活性剤Kは、前記転写フィルムF
のインク面Pに塗着された乾燥状態の転写インクに粘着
性を付与して転写可能の状態とするものである。なお本
明細書において、「活性化」とは、転写インクをこのよ
うな状態にすることを意味する。そして、この活性剤K
は、溶剤成分、樹脂成分、体質顔料等の混合物であり、
またはシンナー等の溶剤成分のみから成るものであって
もよい。
【0018】このような活性剤Kがローラコータ14に
よりインク面Pに塗着された後、前記転写フィルムF
は、引出ロール13を経由して、そのインク面Pを上向
きとした状態でシュート16上を経て転写槽2内の液面
上に移送される。この転写槽2の液面上に達した前記転
写フィルムFは、液面上で浮遊状態となり、転写槽2の
水Wによる膨潤を開始し、徐々に拡大する。
【0019】同時にこの転写槽2の液面上で浮遊状態と
された前記転写フィルムFは、この転写槽2の液面にお
ける水流と転写槽2内の両側に設置されたガイドチェー
ン15及び送風装置21からの風により順次下流側に移
送される。転写部Tに到達した転写フィルムFには、こ
の転写部Tにおいて被転写体搬送装置4により搬送され
る被転写体24が上方より作用して後述のような転写操
作が行われる。
【0020】この液圧転写装置1の被転写体搬送装置4
は、コンベヤ22とこのコンベヤ22によって搬送され
るホルダ23とを有する。そして前記ホルダ23には、
コンベヤ22の進行方向と直交する方向に一例として棒
状体から成る被転写体24が一定の間隔寸法Lで複数本
ずつセットされている。
【0021】なお、このように装着された被転写体24
は、それぞれその側傍に位置する被転写体24に対して
は、フィルム伸張部材25としても作用するものである
(図1(b)参照)。また、これら被転写体24のう
ち、その両端に位置する被転写体24については、その
外側に位置する転写フィルムFの伸張がそれほど期待で
きないことから所望の転写仕上がりが達成できないこと
も想定される。従ってこの両端に位置する被転写体24
については、フィルム伸張部材25のみとしての役割を
担わせ、その中間に位置する被転写体24のみを製品と
して使用する。
【0022】なお、この場合において、両端に位置する
フィルム伸張部材25については、製品として使用する
被転写体24をそのまま流用してもよいし、これに代え
て同一または類似形状のダミー部材を使用することもで
きる。因みに、図1(a)では後者を図示する。また、
被転写体24の横断面形状は、図示のような円形に限ら
ず、多角形、楕円形、長円形あるいは直線や曲線が連続
する複雑な横断面形状のものであってもよい。更に被転
写体24としては、図示のような棒状体が最も適する対
象と思われるが、球、直方体、円錐あるいは電話機や各
種OA機器のケーシング等複雑な曲面形状を有するもの
であってもよい。
【0023】このようにホルダ23に装着された被転写
体24の転写フィルムFへの転写操作は、転写フィルム
Fの移動と被転写体24との移動速度が概ね等速に設定
してあるので概念的には図1(a)〜(c)に示すよう
に行われる。すなわち、前記ホルダ23に保持された被
転写体24等は、液面上に浮遊状態に支持された転写フ
ィルムFの上面のインク面P側に臨まされ(図1(a)
参照)、更に前記ホルダ23が下降することによりこれ
らの被転写体24等はそれぞれ転写フィルムFの中央部
のインク面Pに押圧されて接触する(図1(b)参
照)。
【0024】この接触に際して、被転写体24はその下
側表面の最下部となる周方向の中央部から転写フィルム
Fへの接触が開始する。この接触により、被転写体24
の下部中央部が接触部となる。そしてこの場合に、前記
各被転写体24間の間隔寸法及び前記各フィルム伸張部
材25と隣接する被転写体24との間隔寸法Lが、例え
ば従来の液圧転写方法を実施する場合の間隔寸法1.5
H(ただしHは被転写体の外径寸法)より小さく、例え
ばL=0.5Hとしてあるので、これらの被転写体24
の液中への押し込みに伴う液圧及び被転写体24(フィ
ルム伸張部材25)と転写フィルムFとの摩擦力によっ
て生ずる張力は、転写フィルムFで前記被転写体24及
びフィルム伸張部材25間の中間部位F′に集中して作
用し、これによって転写フィルムFの中間部位F′は伸
張されつつ被転写体24の前記接触部の両側部位への付
着が進行する(図1(b)参照)。
【0025】従って被転写体24への付着が遅い部位ほ
ど、転写フィルムFは前記張力により伸張されており、
その結果単位面積あたりの転写インク量は少量となる。
そして、このような状態で前記被転写体24等を更に液
中に押し下げることにより、転写フィルムFの中間部位
F′は大きな伸張力を受け、ついにはその中央部分で破
断して、図1(c)に示すように被転写体24の下半部
表面は転写インクによる液圧転写が完了する。以上の転
写操作から明らかなように、液面上に浮遊する転写フィ
ルムFはフィルム伸張部材25により伸張させることが
でき、そのための構造は極めて簡単である。なお請求項
1において用いた「強制的な張力」とは被転写体24を
液中に押し付けることによって生ずる液圧による抵抗以
外によって生ずる張力、例えば本実施例において用いた
フィルム伸張部材25の存在によってもたらされる張力
を意味するものである。
【0026】このようにして被転写体24の下部に形成
された液圧転写による転写インク層Qは、例えば図3に
模式的に示すように、被転写体24の下部中央部Cが当
初に転写フィルムFと接触するので、その部位での転写
インク層Qの厚さt0 が最も厚く、その後に被転写体2
4の表面に接触するその両側部位は、前記のように転写
フィルムFが伸張されていることから徐々に薄く形成さ
れその転写領域は上述のようにL=0.5Hとした場合
には概ね被転写体24の周面下半部である。なお図3に
おいて、一点鎖線で示すものは被転写体24の中心軸線
である。
【0027】このような転写インク層Qは、前記下部中
央部Cにおいて最も鮮明で隠閉力も大きく、端部になる
に連れてその図柄が薄く隠閉力も小さいものとなり、い
わゆるグラデーション状態となる。このような転写操作
の後、被転写体24は被転写体搬送装置4により転写槽
2から引き上げられ、被転写体搬送装置4から取り外す
ことによりその転写操作が完了する。なお前記実施例で
は、活性化のタイミングを着水前に行うものとして説明
したが、これは着水後に行う場合であってもよく、また
同様に図示装置により流動している流水面上に転写フィ
ルムFを浮遊させた間に行ったが、これに限らず転写槽
2中の液を静止させ、その静止液面上に転写フィルムF
を浮遊させて行うようにしてもよいことはもちろんであ
る。
【0028】このようなグラデーション状の転写インク
層Qを具えた被転写体24を形成するための方法として
は、前記のほか、次のようにしても行うことができる。
図4、5に示す方法は、単一の被転写体24に前記のよ
うなグラデーション状の転写インク層Qを形成するもの
である。この方法においては、枠体27をフィルム伸張
部材25として用いてその中央に被転写体24をボルト
28等により取り付け、この枠体27で被転写体24の
両側に位置するフィルム伸張部27aとの間隔寸法を前
記Lと同様に設定しておく。
【0029】この状態で図5(a)〜(c)に示すよう
に液面上の転写フィルムFに接触させ、液中に没入させ
ることによって、前記フィルム伸張部27aが前記実施
例におけるフィルム伸張部材25と同様に機能するの
で、枠体27の中央に装着された被転写体24には前記
と同様にグラデーション状の転写インク層Qが形成され
る。
【0030】また前記実施例では被転写体24として棒
状体のものを採り上げたが、他の形状のものを被転写体
24とする実施例について図6に基づいて以下説明す
る。すなわちこの図6に示す実施例は半球状のボールな
いしカップ状の被転写体24に対して、その周縁24a
に向かってグラデーションを施そうとするものである。
具体的には被転写体24の周縁24aが上方にくるよう
に配置し、このような被転写体24を図6に示すような
治具枠30によって保持し、これを一回の転写のみで製
品化するようにしたものである。なお治具30の形状
としては下部に被転写体24の外径より幾分大きく設定
した(2×間隔寸法Lだけ径を大きく設定した)リング
状のフィルム伸張部30aを具え、このフィルム伸張部
30aの上方中心に前記被転写体24を直接保持する保
持杆30bを位置させ、更にこの保持杆30bの上端と
前記フィルム伸張部30aとを接続する接続杆30cを
一例として三方向に延長形成して構成している。
【0031】またこの実施例においても被転写体24の
液面側への押し込みによって、転写フィルムFは被転写
体24の表面の下部中心から周縁24aに向かって徐々
に押圧付着するが、この過程において転写フィルムFに
は前記実施例と同様、被転写体24の液中への押し込み
に伴う液圧及びフィルム伸張部材25として作用するフ
ィルム伸張部30aを有する治具枠30の存在により生
ずる摩擦力によって張力が生じ、転写フィルムFが伸張
される。その結果、前述した方法の場合と同様に被転写
体24の表面上にグラデーション状の転写インク層Qを
形成することができる。因みに図6に示す本実施例では
被転写体24の表面を転写フィルムFが一周回らない状
態での一回の転写のみで転写が完了する。
【0032】更に前記図1〜5に示す方法は、例えば図
7に示すようにすれば、釣竿やボールペン軸等の棒状体
から成る被転写体24の全周面の液圧転写に用いること
ができる。すなわち前記のようにして下半部にグラデー
ション状の転写インク層Q1を形成した被転写体24を
上下反転させた状態で、先の転写操作(以下、第一の転
写操作という)により転写されていない未転写領域を下
向きとして液面上に浮遊状態に支持された転写フィルム
F上に臨ませる(図7(a)参照)。そして、まずその
未転写領域を転写フィルムFの中央に接触させて、前記
の第一の転写操作と同様の第二の転写操作を行って、未
転写領域を第二の転写操作による転写フィルムFで覆い
隠して被転写体24の全周面の液圧転写を完了する(図
7(b)参照)。
【0033】このようにして全周面の液圧転写を行った
場合には、図7(b)に示すように、第一の転写操作に
よる転写インク層Q1 の縁部は第二の転写操作による転
写インク層Q2 内に隠閉されるのでその境界線が外観さ
れず、また第二の転写操作による転写インク層Q2 の縁
部は薄く、グラデーション状に形成されるので、その境
界線が明瞭には視認されない。従って従来棒状体の全周
面についての液圧転写において、図柄の合わせ目として
視認されていた境界線が視認されないので、液圧転写の
仕上がりが向上して商品性を高めることができる。
【0034】なお図7で示した例において、第一の転写
操作はグラデーション状の転写インク層Q1 を形成した
ものであるが、前記のように第二の転写操作による転写
インク層Q2 により隠閉されるので、前記第一の転写操
作により形成される転写インク層は従来と同様に非グラ
デーション状に転写されたものであってもよいことは言
うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、転写槽の液面上に浮遊した転写フィルムが
伸張する方向に張力を加えながら転写するので、転写フ
ィルムの伸張に伴ってその転写フィルムの単位面積当り
の転写インク量が低減された状態で転写が行われる。そ
のため製品の転写の仕上がり状態において、伸張された
転写フィルムにより転写された部位では、転写インク量
が少なく、薄い状態となり、いわゆるグラデーション状
態の液圧転写が行われる。このようなグラデーション状
態の転写は、従来の液圧転写技術では不可能であったた
め、本発明は単一の転写フィルムから得られる表現方法
を多様化して、製品意匠を高めることができる。
【0036】また請求項2記載の発明によれば、先の転
写により被転写体に形成された転写インクの合わせ目ま
たは先の転写による未転写の部分が、転写フィルムの転
写インクにより覆われるとともに、この転写による転写
部分の端部がグラデーション状態となるので、先の転写
による転写インクとの合わせ目が薄くなり視認しにく
く、被転写体の外観の実在感、現物感を損なうこともな
い。
【0037】また請求項3記載の発明によれば、被転写
体の側傍にフィルム伸張部材が配設され、そのフィルム
伸張部材が被転写体と共に転写フィルムに押し付けられ
ることにより、液面上に浮遊させた転写フィルムを伸張
させるので、前記転写部分の端部をグラデーション状態
にする作業及び装置の簡素化が図られる。
【0038】そして請求項4記載の発明は、前記フィル
ム伸張部材として、側傍に位置する他の被転写体を利用
するもので、請求項5記載の発明は前記フィルム伸張部
材として被転写体の周囲を区画する枠体を用いるもので
ある。これらの場合、必要以上のフィルム伸張部材の設
置を省略し、被転写体の有効利用が図られるほか、転写
フィルムを伸張するための装置構成も極めて簡単とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液圧転写方法の転写原理を段階的に示
す模式図である。
【図2】本発明の液圧転写方法を実施する液圧転写装置
を示す骨格的側面図である。
【図3】本発明の液圧転写方法により形成された転写イ
ンク層の形成の様子を示す説明横断面図である。
【図4】フィルムの伸張部材として枠体を使用した実施
例を示す平面図である。
【図5】前記枠体を使用した場合の転写の様子を段階的
に示す模式図である。
【図6】被転写体として半球状のボールないしカップ状
のものを適用した場合の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明を用い、二回の転写で被転写体の表面全
体に転写インク層を形成するようにした転写態様を二段
階に分けて示す模式図である。
【符号の説明】
1 液圧転写装置 2 転写槽 3 転写フィルム供給装置 4 被転写体搬送装置 5 循環管路 6 ポンプ 11 フィルムロール 12 ヒートロール 13 引出ロール 14 ローラコータ 15 ガイドチェーン 16 シュート 21 送風装置 22 コンベヤ 23 ホルダ 24 被転写体 24a 周縁 25 フィルム伸張部材 27 枠体 27a フィルム伸張部 28 ボルト 30 治具枠 30a フィルム伸張部 C 下部中央部 F 転写フィルム F′ 中間部位 H 外径寸法 K 活性剤 L 間隔寸法 O 中心軸線 P インク面 Q 転写インク層 Q1 転写インク層 Q2 転写インク層 T 転写部 t0 転写インク層の厚さ W 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−122673(JP,A) 特開 平5−84886(JP,A) 特開 昭55−81191(JP,A) 特開 昭59−7072(JP,A) 特開 昭57−45090(JP,A) 特開 昭55−19541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 16/00 B44C 1/165 B65C 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持シート上に転写インクを塗布して成
    る転写フィルムを転写槽内の液面上に浮遊させ、その上
    方から、被転写体を押し付け、これによって生ずる液圧
    によって被転写体表面に前記転写インクを転写する方法
    において、前記転写インクを被転写体表面に転写するに
    あたっては、転写後の状態において端部にくる転写フィ
    ルムの部位に対し、転写フィルムが伸張する方向に強制
    的な張力を加えながら転写するようにし、接触開始部の
    インク厚を最も厚くするとともに、この接触部からその
    両側に転写が進むに従い、徐々にインク厚を減少させる
    ように、転写を行うようにしたことを特徴とする液圧転
    写方法。
  2. 【請求項2】 前記被転写体はすでに基材表面の全範囲
    に転写インクが転写されたものまたは基材表面の全範囲
    を覆うに満たない範囲において転写インクが転写された
    ものであって、このような被転写体に対し、重ねて転写
    インクを転写するにあたっては、転写槽内の液面上に浮
    遊する転写フィルムに対し、転写インクの合わせ目部分
    または未転写の部分を臨ませて転写するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の液圧転写方法。
  3. 【請求項3】 前記被転写体の側傍には、この被転写体
    に対する転写インクの転写範囲を規制するフィルム伸張
    部材が配設され、前記被転写体を転写槽内の液面上に浮
    遊する転写フィルムに押し付けるにあたっては、このフ
    ィルム伸張部材を前記被転写体と同時に前記転写フィル
    ムに押し付け、これにより前記転写フィルムの部位に対
    し、伸張方向の張力を加えるようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の液圧転写方法。
  4. 【請求項4】 前記フィルム伸張部材は、前記被転写体
    の側傍に位置する他の被転写体であることを特徴とする
    請求項3記載の液圧転写方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルム伸張部材は、前記被転写体
    の周囲を区画する枠体であることを特徴とする請求項3
    記載の液圧転写方法。
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