JP3401346B2 - 飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP3401346B2
JP3401346B2 JP31305794A JP31305794A JP3401346B2 JP 3401346 B2 JP3401346 B2 JP 3401346B2 JP 31305794 A JP31305794 A JP 31305794A JP 31305794 A JP31305794 A JP 31305794A JP 3401346 B2 JP3401346 B2 JP 3401346B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、飽和ポリエステル樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは、衝撃強度、剛性、ウエル
ド強度などに優れた飽和ポリエステル樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレンテレフタレートなど
の飽和ポリエステルは、熱可塑性樹脂のなかでも特に機
械的強度、耐熱性などに優れている。
【0003】このような飽和ポリエステルは、たとえば
射出成形により輸送用パレット、コンテナー、自動車用
外装材などに成形して用いることが考えられる。しかし
ながら飽和ポリエステルからなる成形品などは、衝撃強
度に劣り、特に結晶化することによって低温衝撃強度が
大きく低下するという問題点がある。
【0004】上記問題点を解決するために、飽和ポリエ
ステルに他の樹脂を配合した飽和ポリエステル樹脂組成
物が提案されている。このような飽和ポリエステル樹脂
組成物は、低温衝撃強度のみならず、成形時の流動性、
離型性にも優れることが望まれる。また、成形の際にお
ける樹脂材料の流れの合流点での樹脂同士の融着部であ
るウエルド部の強度も成形品の機械的強度に影響を及ぼ
すため、ウエルド強度が高いことが望まれる。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、衝撃強度特に低温衝撃強度に優
れるともに、ウエルド強度などにも優れた飽和ポリエス
テル樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成
物は、(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸と、エチ
レングリコールを含むジオールとから誘導され、極限粘
度[η]が0.5〜1.4dl/gの範囲にある飽和ポ
リエステル:50〜95重量部と、(B)エチレン・不
飽和カルボン酸共重合体の金属塩:0.5〜20重量%
と、(C)エポキシ基含有エチレン系共重合体:0.5
〜30重量%とからなることを特徴としている。
【0007】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物
は、 (A)飽和ポリエステルと、(B)エチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体の金属塩と、(C)エポキシ基含有エ
チレン系共重合体とに加えて、(D)エチレン・α-オ
レフィン共重合ゴムにマレイン酸またはその酸無水物か
ら導かれる成分単位が共重合されている変性エチレン・
α-オレフィン共重合ゴムから選ばれる熱可塑性エラス
トマーを含んでいてもよい。
【0008】本発明では、前記(D)熱可塑性エラスト
マーが、変性エチレン・プロピレン共重合ゴムであるこ
とが好ましい
【0009】本発明では、前記(B)エチレン・不飽和
カルボン酸共重合体の金属塩を形成する不飽和カルボン
酸から導かれる構成単位が、アクリル酸単位および/ま
たはメタクリル酸単位であることが好ましい。
【0010】本発明では、前記(C)エポキシ基含有エ
チレン系共重合体が、エチレン・グリシジルメタクリレ
ート共重合体であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る飽和ポリエス
テル樹脂組成物について説明する。本発明に係るポリエ
ステル樹脂組成物は、(A)飽和ポリエステルと、
(B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩
と、(C)エポキシ基含有エチレン系共重合体と必要に
応じて、(D)熱可塑性エラストマーとから形成されて
いる。
【0012】まず、本発明に係る飽和ポリエステル樹脂
組成物を形成する各成分について説明する。(A)飽和ポリエステル 本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物を形成する飽
和ポリエステルは、テレフタル酸を含むジカルボン酸
と、エチレングリコールを含むジオールとから誘導され
る。
【0013】この飽和ポリエステルは、テレフタル酸ま
たはそのエステル誘導体(たとえば低級アルキルエステ
ル、フェニルエステルなど)を含むジカルボン酸と、エ
チレングリコールまたはそのエステル誘導体(たとえば
モノカルボン酸エステルエチレンオキサイドなど)を含
むジオールとを、重縮合させて得られる。
【0014】飽和ポリエステルは、上記のようなテレフ
タル酸とエチレングリコールとのみから誘導されるホモ
ポリエチレンテレフタレートであってもよく、またジカ
ルボン酸としてテレフタル酸に加えて他のジカルボン酸
を用い、またジオールとしてエチレングリコールに加え
て他のジオール化合物を用いて形成される共重合ポリエ
ステルであってもよい。飽和ポリエステルがこのような
共重合ポリエステルである場合には、テレフタル酸以外
の他のジカルボン酸および/またはエチレングリコール
以外のジオールとから誘導される構成単位を20モル%
以下の量で含有していることが望ましい。
【0015】テレフタル酸以外のジカルボン酸として
は、具体的に、フタル酸(オルトフタル酸)、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デ
カンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸およびそ
のエステル誘導体などが挙げられる。
【0016】これらのうち、オルトフタル酸、イソフタ
ル酸が好ましい。テレフタル酸以外のジカルボン酸は2
種以上の組み合わせてもよい。またエチレングリコール
以外のジオールとしては、具体的には、ジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール(プロピレングリコー
ル)、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイド
ロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパンなどの芳香族ジオール類およびそのエステ
ル誘導体などが挙げられる。
【0017】これらのうち、ジエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノールが好ましい。エチレングリコ
ール以外のジオールは、2種以上の組み合わせてもよ
い。また本発明で用いられる飽和ポリエステルは、トリ
メシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタ
エリスリトールなどの多官能化合物から誘導される構成
単位を少量、たとえば2モル%以下の量で含んでいても
よい。
【0018】上記のような共重合ポリエステルでは、エ
チレンテレフタレート構成単位と、テレフタル酸以外の
ジカルボン酸および/またはエチレングリコール以外の
ジオールとから誘導される構成単位などとはランダムに
配列している。
【0019】このような飽和ポリエステルは、ホモポリ
エチレンテレフタレートであっても、共重合ポリエステ
ルであっても、実質上線状構造であり、このことは飽和
ポリエステルが、o-クロロフェノールに溶解することに
よって確認される。
【0020】本発明で用いられる飽和ポリエステルは、
25℃のo-クロロフェノール中で測定される極限粘度
[η]が、通常、極限粘度[η]が0.5〜1.4dl
/g、好ましくは0.55〜1.0dl/g、さらに好
ましくは0.6〜0.9dl/gである。
【0021】このような極限粘度[η]を有する飽和ポ
リエステルは、溶融成形性に優れるとともに機械的強度
にも優れている。本発明で用いられる飽和ポリエステル
は、ガラス転移温度(Tg)が、通常50〜120℃、
好ましくは60〜100℃であることが望ましい。
【0022】またこの飽和ポリエステルは、融点(T
m)が、通常210〜265℃、好ましくは220〜2
60℃であることが望ましい。本発明では、このような
飽和ポリエステルとして、通常ペレット状で市販されて
いる「原料飽和ポリエステル」を用いてもよく、また
「リプロ飽和ポリエステル」を用いてもよい。また必要
に応じて任意の割合で「原料飽和ポリエステル」と「リ
プロ飽和ポリエステル」とをブレンドして用いてもよ
い。
【0023】なお本明細書において、「原料飽和ポリエ
ステル」とは、ジカルボン酸とジオールとから製造さ
れ、加熱溶融状態で成形機を通過させてボトルあるいは
プリフォームなどに成形された履歴がない飽和ポリエス
テルである。このような「原料飽和ポリエステル」は通
常ペレット状である。また「リプロ飽和ポリエステル」
とは、このような原料飽和ポリエステルを少なくとも1
回以上加熱溶融状態で成形機を通過させ、得られた飽和
ポリエステル成形体を粉砕して得られる。このように原
料飽和ポリエステルを「加熱溶融状態で成形機を通過さ
せる」処理は、原料飽和ポリエステルからなるペレット
(チップ)を加熱溶融し、プリフォーム、ボトルなどの
所望形状に成形することによって行われる。
【0024】(B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合
体の金属塩 本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物を形成するエ
チレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩は、エチレ
ンとα,β-不飽和カルボン酸との共重合体であって、
共重合体中のカルボキシル基の一部または全部が金属陽
イオンで中和されたイオン性塩である。
【0025】このα,β-不飽和カルボン酸としては、
炭素原子数が3〜8の不飽和カルボン酸が挙げられ、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエス
テル、マレイン酸モノメチルエステルなどが挙げられ
る。
【0026】このようなエチレンと不飽和カルボン酸と
の共重合体中のカルボキシル基を中和する金属陽イオン
としては、具体的に、Na+ 、K+ 、Li+ 、Zn+
Zn ++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Mn++、P
++、Cu++などの1〜2価の金属陽イオンが挙げられ
る。また金属陽イオンで中和されてない残余のカルボキ
シル基の一部は、低級アルコールでエステル化されてい
てもよい。
【0027】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金
属塩は、上述のようにエチレンと不飽和カルボン酸との
共重合体の金属塩であるが、金属塩を形成するためのエ
チレン・不飽和カルボン酸との共重合体は、エチレンか
ら誘導される構成単位を、80〜99モル%、好ましく
は85〜98モル%の量で、不飽和カルボン酸から誘導
される構成単位(カルボキシル基を有する構成単位)を
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%の量で含有
している。
【0028】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金
属塩では、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体中
のカルボキシル基の一部または全部が、具体的には15
〜100%のカルボキシル基が上記のような金属陽イオ
ンで中和されている。この中和度は、好ましくは20〜
80%、さらに好ましくは30〜70%であり、このよ
うな中和度のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金
属塩を特定の割合で含有する組成物は、溶融押出性に優
れている。
【0029】このようなエチレン・不飽和カルボン酸共
重合体の金属塩としては、具体的には、エチレンと、ア
クリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸と
の共重合体中のカルボキシル基の一部または全部がナト
リウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カ
ルシウムなどの金属イオンで中和されたエチレン・不飽
和カルボン酸共重合体の金属塩、あるいはエチレンと、
マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸との
共重合体中のカルボキシル基の一部または全部が、前記
と同様の金属イオンで中和されたエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体の金属塩が挙げられる。
【0030】これらのなかでは、エチレンとアクリル酸
との共重合体(カルボキシル基を有する構成単位が2〜
15モル%)中のカルボキシル基の30〜70%が、N
aなどの1価の金属イオンまたはZnなどの2価の金属
イオンで中和されたもの、エチレンとメタクリル酸との
共重合体(カルボキシル基を有する構成単位が2〜15
モル%)中のカルボキシル基の30〜70%が、Naな
どの1価の金属イオンまたはZnなどの2価の金属イオ
ンで中和されたもの、および、エチレンとアクリル酸と
メタクリル酸との共重合体(カルボキシル基を有する構
成単位が2〜15モル%)中のカルボキシル基の30〜
70%が、Naなどの1価の金属イオンまたはZnなど
の2価の金属イオンで中和されたものが好ましい。
【0031】上記のようなエチレン・不飽和カルボン酸
共重合体の金属塩は、アイオノマーとして知られてい
る。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩とし
ては、たとえば“ハイミラン”(商品名:三井デュポン
ポリケミカル社製)などの市販品を使用することができ
る。
【0032】(C)エポキシ基含有エチレン系共重合体 本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物を形成するエ
ポキシ基含有エチレン系共重合体は、不飽和エポキシ化
合物とエチレン系不飽和化合物との共重合体である。エ
ポキシ基含有エチレン系共重合体は、不飽和エポキシ化
合物が共重合体の主鎖中に導入されているランダム共重
合体であってもよく、不飽和エポキシ化合物が共重合体
の側鎖として導入されているグラフト共重合であっても
よい。
【0033】このようなエポキシ基含有エチレン系共重
合体の組成比は、特に制限はないが、不飽和エポキシ化
合物が0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%
の量で共重合されたものであることが好ましい。
【0034】不飽和エポキシ化合物は、分子中にエチレ
ン系不飽和化合物と共重合しうる不飽和基と、エポキシ
基とをそれぞれ有する化合物である。不飽和エポキシ化
合物としては、たとえば、下記式(I)で表される不飽
和グリシジルエステル類、下記式(II)で表される不飽
和グリシジルエーテル類などが挙げられる。
【0035】
【化1】
【0036】(式中、Rはエチレン系不飽和結合を有す
る炭素原子数が2〜18の炭化水素基を示す。)
【0037】
【化2】
【0038】具体的には、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステ
ル類、アクリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグ
リシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテルな
どが例示される。
【0039】エチレン系不飽和化合物としては、オレフ
ィン類、炭素原子数が2〜6の飽和カルボン酸のビニル
エステル類、炭素原子数が1〜8の飽和アルコール成分
とアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル酸、マレ
イン酸エステル類、メタクリル酸エステル類、フマル酸
エステル類、ハロゲン化ビニル類、スチレン類、ニトリ
ル類、ビニルエーテル類およびアクリルアミドなどが挙
げられる。
【0040】具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブ
テン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジエチル、フマル
酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、
アクリロニトリル、イソブチルビニルエーテルおよびア
クリルアミドが例示される。これらのうちでも特にエチ
レンが好ましい。
【0041】このようなエポキシ基含有エチレン系共重
合体のなかでは、エチレン・グリシジルメタクリレート
共重合体が好ましい。エポキシ基含有エチレン系共重合
体は、種々の方法で製造することができる。該エポキシ
基含有エチレン系共重合体がランダム共重合である場合
には、たとえば、不飽和エポキシ化合物と、エチレンな
どのエチレン系不飽和化合物をラジカル発生剤の存在
化、500〜4000気圧、100〜800℃の条件下
で、適当な溶剤や連鎖移動剤の存在下または不存在下に
共重合させることにより製造することができる。また、
該エポキシ基含有エチレン系共重合体がグラフト共重合
である場合には、たとえば、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィンに、不飽和エポキシ化合物およびラジカル発
生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合される
方法、あるいは不飽和エポキシ化合物とエチレン系不飽
和化合物とを水または有機溶剤などの不活性媒体中、ラ
ジカル発生剤の存在下共重合させる方法などにより製造
することができる。
【0042】(D)熱可塑性エラストマー 本発明で用いられる熱可塑性エラストマーは、1分子内
に、カルボキシル基、無水カルボン酸基および水酸基か
ら選ばれる少なくとも1種の基を有する熱可塑性エラス
トマーであり、このような熱可塑性エラストマーとして
は、エチレン・α-オレフィン共重合ゴムに、不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体から選ばれるモノマーから導
かれる成分単位が共重合されている変性エチレン・α-
オレフィン共重合ゴム、あるいはスチレン系ブロック共
重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれ
るモノマーから導かれる成分単位が共重合されている変
性スチレン系ブロック共重合ゴム、およびポリエステル
系エラストマーを好適な例として挙げることができる。
【0043】本発明で用いられる変性エチレン・α-オ
レフィン共重合ゴムを構成する基材共重合体であるエチ
レン・α-オレフィン共重合ゴムは、プロピレン、1-ブ
テン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどのエチレン
以外のα-オレフィンと、エチレンとから得られる低結
晶性共重合体である。本発明では、基材共重合体である
エチレン・α-オレフィン共重合ゴムは、エチレン・プ
ロピレン共重合ゴムであることが望ましい。
【0044】このエチレン・α-オレフィン共重合ゴム
中の、エチレン単位含有率は、通常50〜95モル%、
好ましくは55〜93モル%の範囲にあることが望まし
い。結晶化度は、通常40%以下、好ましくは30%以
下であることが望ましく、極限粘度[η]は、通常0.
5〜7dl/g、好ましくは0.7〜5dl/gの範囲
にあることが望ましい。また、ガラス転移温度は、通常
−10℃以下、好ましくは−20℃以下であることが望
ましい。
【0045】変性エチレン・α-オレフィン共重合ゴム
を構成するグラフトモノマー成分としては、たとえばア
クリル酸、メタクリル酸、α-メチルアクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸などの
不飽和ジカルボン酸、または前記不飽和ジカルボン酸の
酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステルなど
の不飽和ジカルボン酸の誘導体から導かれる成分単位が
挙げられ、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無
水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチルなどから導かれる成分単位が例
示される。
【0046】これらの中では、不飽和ジカルボン酸また
はその酸無水物から導かれる成分単位であることが好ま
しく、特にマレイン酸、ナジツク酸またはこれらの酸無
水物から導かれる成分単位であることが好ましい。
【0047】このような変性エチレン・α-オレフィン
共重合ゴムの中では、エチレン・プロピレン共重合ゴム
に、マレイン酸、ナジツク酸またはこれらの酸無水物か
ら導かれる成分単位がグラフト共重合されている変性エ
チレン・プロピレン共重合ゴムが特に好ましい。
【0048】本発明で用いられる変性スチレン系ブロッ
ク共重合ゴムを構成する基材共重合体は、一般にポリス
チレンブロックとゴム中間ブロックとを有するスチレン
系ブロック共重合体である。このようなスチレン系ブロ
ック共重合体としては、ゴム中間ブロックにポリブタジ
エンを有するスチレン系ブロック共重合体(S−B−
S)、ゴム中間ブロックにポリイソプレンを有するスチ
レン系ブロック共重合体(S−I−S)、ゴム中間ブロ
ックにポリ(エチレン−ブテン)を有するスチレン系ブ
ロック共重合体(S−EB−S)などが挙げられる。
【0049】変性スチレン系ブロック共重合ゴムを構成
するグラフトモノマー成分としては、上記と同様のもの
が挙げられる。このような変性スチレン系ブロック共重
合ゴムの中では、スチレン系ブロック共重合体(S−E
B−S)に、マレイン酸、ナジツク酸またはこれらの酸
無水物から導かれる成分単位がグラフト共重合されてい
る変性スチレン系共重合体が特に好ましい。
【0050】本発明で用いられるポリエステル系エラス
トマーとしては、ポリエステル−ポリエーテルエラスト
マー、ポリエステル−ポリエステルエラストマーなどが
挙げられる。
【0051】本発明では、熱可塑性エラストマーは、2
種以上混合して用いることができる。また、変性エチレ
ン・α-オレフィン共重合ゴムと、未変性のエチレン・
α-オレフィン共重合ゴムとを混合して用いることもで
きる。
【0052】(E)安定剤 本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物は、後述する
ようなベンゾトリアゾール系耐候安定剤、ヒンダードア
ミン系耐候安定剤、カルボジイミド系化合物などの各種
安定剤を含んでいてもよい。
【0053】[ベンゾトリアゾール系耐候安定剤]ベン
ゾトリアゾール系耐候安定剤は、分子中に少なくとも1
個以上のベンゾトリアゾール骨格を有する化合物であ
り、このベンゾトリアゾール骨格は、ハロゲン、芳香族
炭化水素基などの置換基を有していてもよい。
【0054】このハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭
素が挙げられるが、塩素が好ましい。また芳香族炭化水
素基としては、たとえばフェニル基などが挙げられ、こ
の他の置換基としては、たとえば水酸基、カルボキシル
基、酸無水物から導かれる置換基、エステル基、カルボ
ニル基、エーテル基などの極性基およびアルキル基など
が挙げられる。
【0055】この極性基のうちでは、水酸基、エステル
基、エーテル基が好ましく、特に水酸基、エーテル基が
好ましい。またアルキル基としては、具体的に、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、tert- ブチル基、ペンチル基、tert- アミル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、tert- オクチル基
などが挙げられるが、これらのうちでは、メチル基、エ
チル基、tert- ブチル基、tert- オクチル基が好まし
い。
【0056】ベンゾトリアゾール系耐候安定剤は、分子
中に少なくとも1個以上のベンゾトリアゾール骨格を有
し、かつ少なくとも1個以上の水酸基を有する化合物で
あることが好ましい。
【0057】このようなベンゾトリアゾール系耐候安定
剤としては、具体的には、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-
tert- ブチル-5'-メチルフェニル)-5- クロロベンゾト
リアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジtert-ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'
-ジtert-ブチルフェニル)-5- クロロベンゾトリアゾー
ル、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'
-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-
ヒドロキシ-3',5'-ビス(2-フェニルイソプロピル)フ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-(4'-オクトキシ-2-ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられ
る。
【0058】これらのうち、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert
-ブチル-5'-メチルフェニル)-5- クロロベンゾトリア
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクト
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ
-3',5'-ビス(2-フェニルイソプロピル)フェニル)ベ
ンゾトリアゾールが好ましい。
【0059】また上記のようなベンゾトリアゾール系耐
候安定剤としては、たとえば、TINUVIN 234 TM(チバガ
イギー社製、化学名;2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ビス(2
-フェニルイソプロピル)フェニル)ベンゾトリアゾー
ル)、TINUVIN 326 TM(チバガイギー社製、化学名;2-
(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-
5- クロロベンゾトリアゾール)、Cyasorb UV5411
TM(サイアナミド社製、化学名;2-(2'-ヒドロキシ-5'-
tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)などの
市販品を使用することもできる。
【0060】[ヒンダードアミン系耐候安定剤]ヒンダ
ードアミン系耐候安定剤は、分子中に少なくとも1個以
上、好ましくは2個以上のピペリジル基を有する化合物
であり、モノマータイプ、オリゴマータイプ、ポリマー
タイプのいずれであってもよい。
【0061】このピペリジル基には、ハロゲン、芳香族
炭化水素基、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、酸
無水物、エステル基、カルボニル基、エーテル基などの
置換基が結合されていてもよい。
【0062】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素が
挙げられるが、塩素が好ましい。またアルキル基として
は、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、tert- ブチル基、ペンチル基、
tert- アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、tert- オクチル基などが挙げられるが、これらのう
ちでは、メチル基、エチル基、tert- ブチル基、tert-
オクチル基が好ましい。
【0063】また上記のようなヒンダードアミン系耐候
安定剤としては、たとえば、Sanol LS770 TM(三共
(株)製)、Chimassorb 119FLTM(チバガイギー社製、
オリゴマータイプ)、Chimassorb 944TM(チバガイギー
社製、分子量3000のオリゴマータイプ)などの市販
品を使用することもできる。
【0064】[カルボジイミド系化合物]カルボジイミ
ド系化合物は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を
有する化合物である。
【0065】カルボジイミド系化合物としては、アルキ
ル基(シクロアルキル基を含む)で置換されたカルボジ
イミド、アリル基で置換されたカルボジイミドなどが挙
げられ、具体的に、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジフェニルカルボジイミドなどが挙げられる。
【0066】またカルボジイミド系化合物として、カル
ボジイミド基を介して結合されたポリカルボジイミド
(高分子量体またはオリゴマー)を用いることができ
る。ポリカルボジイミドとしては、具体的に、ポリ(ヘ
キサメチレンカルボジイミド)、ポリ(シクロヘキシレ
ンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、
ポリ(4,4'-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ
(3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルメタンカルボジイミ
ド)、ポリ(パラフェニレンカルボジイミド)、ポリ
(メタフェニレンカルボジイミド)、ビス(2,2',4,4',
6,6'-ヘキサイソプロピルフェニルカルボジイミド)の
高分子量体などが挙げられる。
【0067】なおこれらのポリカルボジイミドは、イソ
シアネート基を2個以上有する化合物から誘導すること
ができる。具体的に、ポリ(トリルカルボジイミド)、
ポリ(4,4'-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ビス
(2,2',4,4',6,6'-ヘキサイソプロピルフェニルカルボ
ジイミド)の高分子量体などが好ましい。ポリカルボジ
イミドは高分子量体であってもオリゴマーであってもよ
い。
【0068】これらは、2種以上組合わせて用いてもよ
い。飽和ポリエステル樹脂組成物 本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物は、上記のよ
うな各成分からなり、(A)飽和ポリエステルを、50
〜95重量%、好ましくは60〜90重量%の量で含有
し、(B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属
塩を、0.5〜20重量%、好ましくは5〜20重量%
の量で含有し、(C)エポキシ基含有エチレン系共重合
体を、0.5〜30重量%、好ましくは5〜30重量%
の量で含有していることが望ましい。
【0069】飽和ポリエステル樹脂組成物が(D)熱可
塑性エラストマーを含有する場合には、(A)飽和ポリ
エステルを、50〜95重量%、好ましくは60〜90
重量%の量で含有し、(B)エチレン・不飽和カルボン
酸共重合体の金属塩を、0.5〜20重量%、好ましく
は5〜20重量%の量で含有し、(C)エポキシ基含有
エチレン系共重合体を、0.5〜30重量%、好ましく
は5〜30重量%の量で含有し、(D)熱可塑性エラス
トマーを、0.5〜30重量%、好ましくは5〜30重
量%の量で含有していることが望ましい。
【0070】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物
は、各種安定剤を含有してもよく、この場合、前記
(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対し
て各種安定剤を0.01〜2.0重量部、好ましくは
0.05〜1.0重量部の量で含有していることが望ま
しい。飽和ポリエステル樹脂組成物が(D)熱可塑性エ
ラストマーを含有する場合には、前記(A)、(B)、
(C)および(D)の合計100重量部に対して各種安
定剤を0.01〜2.0重量部、好ましくは0.05〜
1.0重量部の量で含有していることが望ましい。
【0071】また本発明では、(A)飽和ポリエステル
として「原料飽和ポリエステル」を用いて形成される飽
和ポリエステル樹脂組成物と、(A)飽和ポリエステル
として「リプロ飽和ポリエステル」を用いて形成される
飽和ポリエステル樹脂組成物とを任意の割合でブレンド
して用いてもよい。
【0072】ここでいう「原料飽和ポリエステル樹脂組
成物」とは、パレット、自動車用バンパーなどの成形物
に射出成形された履歴がない飽和ポリエステル樹脂組成
物である。また「リプロ飽和ポリエステル樹脂組成物」
は、このような「原料飽和ポリエステル樹脂組成物」を
少なくとも1回以上射出成形した飽和ポリエステル樹脂
組成物を粉砕して得られる。
【0073】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物
は、射出成形性に優れており、成形体を連続的に効率よ
く製造することができる。このような飽和ポリエステル
樹脂組成物からは、低温耐衝撃強度に優れるとともに、
ウェルド強度に優れた成形体を得ることができる。
【0074】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上記のような各成分とともに必要に応じて前記以外
の耐候安定剤、顔料、滑剤、熱安定剤、帯電防止剤、耐
水剤、衝撃改良剤、分散剤、発泡剤などを含有していて
もよい。
【0075】このような飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上記のような各成分から従来公知の溶融混練方法に
よって調製される。たとえば、上記のような各成分を、
タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合
機により直接混合し、溶融混練する方法などが挙げられ
る。
【0076】
【発明の効果】本発明に係る飽和ポリエステル樹脂組成
物は、衝撃強度特に低温衝撃強度に優れるとともに、成
形性、ウェルド強度に優れている。このような飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、コンテナー、輸送用パレット
類、自動車の外装材用の素材などとして優れた特性を発
現する。
【0077】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0078】実施例において、各特性は以下のように評
価した。(i) 飽和ポリエステル樹脂組成物の成形性 飽和ポリエステル樹脂組成物から、射出成形により図1
に示すようなパレットを成形して成形性を評価した。金
型温度は20℃であり、12ヶ所にゲートを有する金型
を用いた。
【0079】成形性は、下記のように評価した。 ○ … 問題なく連続成形可能である。 ×1 … 流動性不良のため連続成形が不可能である。
【0080】×2 … 成形時に焼けが発生するかまた
はガスが発生して連続成形が不可能である。(ii)パレットの低温衝撃強度の測定 (1)試験片Aの作成 上記のように成形されたパレットの側面平坦部から1パ
レットについて試験片(試験片厚さ3mm)を4個採取
し、次いで100℃で10分間アニール処理して、アイ
ゾット衝撃試験(ノッチ付き)用試験片Aを得た。
【0081】(2)アイゾッド衝撃強度の測定 上記のようにして得られた試験片Aについて、ASTM D25
6-78に準拠してアイゾット衝撃試験(ノッチ付き)を行
った。なお試験片Aを、−20℃の雰囲気に20分間放
置した後、測定温度−20℃で測定した。このようにし
て低温におけるアイゾッド衝撃強度値[kg・cm/c
m]を測定した。
【0082】また、試験片Aを、23℃の雰囲気に20
分間放置した後、測定温度23℃で測定した。このよう
にして常温におけるアイゾッド衝撃強度値[kg・cm
/cm]を測定した。
【0083】(iii)ウェルド強度の評価 (1)試験片Cの作成 飽和ポリエステル樹脂組成物を、図2に示すような2つ
のゲート(4mm×3mm)を有する金型を用いて射出
成形して、次いで100℃で10分間アニール処理し
て、試験片C(ASTM D638 TYPE IV ダンベル、試験片厚
さ3mm)を得た。
【0084】(2)降伏点応力(YS)の測定(ウェル
ド強度の評価) 上記のようにして得られた試験片Cについて、ASTM D63
8 に準拠して引張試験を行ない、降伏点応力(YS)を
測定した。なおチャック間距離は64mmとし、5mm
/分の試験速度で測定した。
【0085】測定された降伏点応力YS値[kgf/c
2 ]から、ウェルド強度を下記のように評価した。 ○ … 430≦YS △ … 350≦YS<430 × … YS<350
【0086】
【実施例1〜10、参考例1〜3】表1に示すような
(A)飽和ポリエステルと、(B)エチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体の金属塩と、(C)エポキシ基含有エ
チレン系共重合体、(D)可塑性エラストマーと、
(E)安定剤と、さらにキノフタロン系の黄色顔料と酸
化チタンとを、ドライブレンドした後、2軸押出機(設
定温度275℃)により造粒して、飽和ポリエステル樹
脂組成物を得た。得られた飽和ポリエステル樹脂組成物
について、上記のような各特性を評価した。結果を表1
に示す。
【0087】
【比較例1〜4】表1に示すような(A)飽和ポリエス
テルと、(B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の
金属塩と、(C)エポキシ基含有エチレン系共重合体、
(D)熱可塑性エラストマーと、(E)安定剤と、さら
にキノフタロン系の黄色顔料と酸化チタンとを用い、実
施例1〜10と同様にして得られた飽和ポリエステル樹
脂組成物について、上記のような各特性を評価した。結
果を表1に示す。
【0088】上記の実施例および比較例で用いられた各
化合物を、以下に示す。(A)飽和ポリエステル (A-1) ホモポリエチレンテレフタレート;[η]=0.
68dl/g (A-2) ホモポリエチレンテレフタレート;[η]=0.
9dl/g (A-3) テレフタル酸/イソフタル酸=90/10モル%
コポリエステル (A-4) エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノー
ル=90/10モル%コポリエステル(B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩 (B-1) ハイミラン1707TM…ナトリウム塩、三井デュポン
ポリケミカル(株)製 (B-2) ハイミラン1706TM…亜鉛塩、三井デュポンポリケ
ミカル(株)製(C)エポキシ基含有エチレン系共重合体 (C-1) エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体
(ボンドファースト-ETM:住友化学製)(D)熱可塑性エラストマー (D-1) マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム
(マレイン酸グラフト量1重量%) (D-2) マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム
(マレイン酸グラフト量2重量%) (D-3) タフマー P0680TM…未変性エチレン・α-オレフ
ィン共重合ゴム (D-4) クレイトン FG1901XTM…マレイン酸変性水素添加
型ポリエチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合
体、シェル化学(株)製 (D-5) ハイトレル 4057 TM…ポリエステル−ポリエーテ
ルエラストマー、東レ・デュポン(株)製(E)安定剤 (E-1) TINUVIN 326 TM… 2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert-
ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ
ール、チバガイギー(株)製 (E-2) TINUVIN 234 TM… 2-(2'-ヒドロキシ-3',5'- ビ
ス(2-フェニルイソプロピル)フェニル)ベンゾトリア
ゾール、チバガイギー(株)製 (E-3) Cyasorb UV5411 TM…(2-(2'-ヒドロキシ-5'-te
rt-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、サイア
ナミド(株)製顔料 キノフタロン系の黄色顔料…(イルガジンイエロー、チ
バガイギー(株)製) なおキノフタロン系の黄色顔料は、各組成物とも成分
(A)、(B)、(C)の合計100重量部、または成
分(A)、(B)、(C)、(D)の合計100重量部
に対して、0.11重量部の量で用いた。
【0089】酸化チタン…(ルチル型酸化チタン、石原
産業(株)製) なお酸化チタンは、各組成物とも成分(A)、(B)、
(C)の合計100重量部、または成分(A)、
(B)、(C)、(D)の合計100重量部に対して、
0.25重量部の量で用いた。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例において製造されたパレット
を示す概略斜視図である。
【図2】 本発明の実施例において用いられた試験片C
ダンベル(ASTM D638TYPE IV )を作成する際に用いた
金型を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸
    と、エチレングリコールを含むジオールとから誘導さ
    れ、極限粘度[η]が0.5〜1.4dl/gの範囲に
    ある飽和ポリエステル:50〜95重量%と、 (B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩:
    0.5〜20重量%と、 (C)エポキシ基含有エチレン系共重合体:0.5〜3
    0重量%とからなることを特徴とする飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)テレフタル酸を含むジカルボン酸
    と、エチレングリコールを含むジオールとから誘導さ
    れ、極限粘度[η]が0.5〜1.4dl/gの範囲に
    ある飽和ポリエステル:50〜95重量部と、 (B)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の金属塩:
    0.5〜20重量部と、 (C)エポキシ基含有エチレン系共重合体:0.5〜3
    0重量%と、 (D)エチレン・α-オレフィン共重合ゴムにマレイン
    酸またはその酸無水物から導かれる成分単位が共重合さ
    れている変性エチレン・α-オレフィン共重合ゴムから
    選ばれる熱可塑性エラストマー:0.5〜30重量部と
    からなることを特徴とする飽和ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記(D)熱可塑性エラストマーが、変
    性エチレン・プロピレン共重合ゴムである請求項に記
    載の飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(B)エチレン・不飽和カルボン酸
    共重合体の金属塩を形成する不飽和カルボン酸から導か
    れる構成単位が、アクリル酸単位および/またはメタク
    リル酸単位である請求項1〜のいずれかに記載の飽和
    ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(C)エポキシ基含有エチレン系共
    重合体が、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合
    体である請求項1〜のいずれかに記載の飽和ポリエス
    テル樹脂組成物。
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