JP3399198B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JP3399198B2
JP3399198B2 JP31625995A JP31625995A JP3399198B2 JP 3399198 B2 JP3399198 B2 JP 3399198B2 JP 31625995 A JP31625995 A JP 31625995A JP 31625995 A JP31625995 A JP 31625995A JP 3399198 B2 JP3399198 B2 JP 3399198B2
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章 藤高
完爾 羽根田
雄一 薬丸
成人 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として空気調和
に用いられる高効率な冷凍サイクル装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、非共沸混合冷媒を作動流体とし、
精留分離器を用いて主冷媒回路の循環組成を変化させる
冷凍サイクルとしては、例えば「特公平7−37856
号公報」がある。この冷凍サイクルの構成及び動作につ
いて図13を用いて説明する。図13において51、5
2、53、54はそれぞれ圧縮機、凝縮器、主膨張弁、
蒸発器であり、これらが環状に接続されて主冷媒回路を
構成している。更に55の副膨張弁、56の気液分離
器、57の精留分離器、58の冷媒貯留器、59のヒー
タ、60の電磁弁から冷媒分離回路が構成されている。
【0003】このような装置において主冷媒回路の循環
冷媒組成を変化させる手順を説明する。ヒータ59をO
Nにせず、電磁弁60を開にした場合は主冷媒回路には
充填した組成で冷媒が循環する。一方、電磁弁60を閉
にしてヒータ59をONすると次のような仕組みで主冷
媒回路の循環冷媒組成が低沸点成分に富むように変化さ
れる。すなわち、凝縮器52から主膨張弁53の方に流
れる冷媒の一部が副膨張弁55aを介して凝縮圧と蒸発
圧の中間の圧力に減圧されて気液分離器56に流れ込
み、気液分離される。ここで気液分離器56の液冷媒は
精留塔57に塔頂から流れ込み、塔底貯留器58でヒー
タ59により加熱気化され精留塔57を上昇してくる蒸
気冷媒と気液接触し、精留分離される。その結果、高沸
点成分に富んだ液冷媒が塔底貯留器59に滞留し、低沸
点成分に富んだ蒸気は副膨張弁55cを介して圧縮機吸
入側に戻されて循環する。このサイクルを繰り返すこと
により、主冷媒回路には低沸点成分が濃縮された冷媒が
循環し、塔底貯留器59には高沸点成分が濃縮された液
冷媒が滞留することになる。
【0004】この種の組成可変サイクルは空気調和機な
どに用いられ、通常は混合冷媒で用いるが、暖房高負荷
時など高能力が必要な場合に、能力の大きい低沸点成分
を循環させて用いることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような冷凍サイクル装置では分離操作中は継続してヒー
タなどへの外部入力が必要であるため、分離操作が完了
した後でも不必要なエネルギー消費を行うという課題が
ある。また、加熱源を圧縮機シェルや圧縮機吐出間から
とった場合でも、特にヒートポンプサイクルで使用した
場合に凝縮器側の能力が低下し、本来必要な能力が出な
くなる。
【0006】本発明の冷凍サイクル装置は前記課題に鑑
み、主冷媒回路と冷媒分離回路との接続配管に開閉弁を
具備し、冷媒分離の完了時にはこれらの開閉弁を閉に切
り替えて冷媒分離回路を主冷媒回路から遮断し、分離さ
れた冷媒が混合しないようにすることによって分離完了
時のヒータなどによるエネルギー消費を無くし、高効率
な冷凍サイクルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の冷凍サイクル装置は、非共沸混合冷媒を作
動流体とし、圧縮機、凝縮器、主膨張装置、蒸発器を順
に冷媒配管で連通させて構成される主冷媒回路と、精留
分離器塔頂部に設けられており冷媒冷却手段を具備した
塔頂冷媒貯留器の出口が第1の副膨張装置及び第1の開
閉弁を介して前記主冷媒回路低圧配管に接続され、また
前記精留分離器塔底部に設けられており冷媒加熱手段を
具備した塔底冷媒貯留器が第2の副膨張装置及び第2の
開閉弁を介して前記主冷媒回路の蒸発器と主膨張装置と
の間に接続され、前記塔頂冷媒貯留器の主冷媒回路から
の入口が第3の開閉弁及び第3の副膨張装置を順に介し
て前記主冷媒回路の凝縮器と主膨張装置との間に接続さ
れ、前記第3の開閉弁と前記第3の副膨張装置との間の
配管と前記塔底貯留器と前記第2の副膨張装置との間の
配管とが第4の副膨張装置を介して接続された冷媒分離
回路から構成されたことを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は前
記圧縮機は主四方弁を介して前記主冷媒回路に接続され
ており、前記主冷媒回路の凝縮器と主膨張装置との間の
配管と前記冷媒分離回路との接続配管とが、また前記主
冷媒回路の蒸発器と主膨張装置との間の配管と前記冷媒
分離回路との接続配管とが副四方弁を介して可逆的に接
続されていることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は、
運転開始からの運転時間を計時する運転時間計時手段を
具備し、前記運転時間計時手段により分離完了の判定を
行い、前記主冷媒回路と前記冷媒分離回路との接続部に
ある開閉弁を閉にするように構成されたことを特徴とす
るものである。
【0012】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は前
記精留塔の塔頂部の冷媒温度を検知する第1の温度検知
手段と、前記塔頂部の冷媒圧力を検知する第1圧力検知
手段と、前記第1の温度検知手段と前記第1の圧力検知
手段で検知された温度、圧力から前記主冷媒回路の循環
冷媒組成を推測する第1の組成演算手段を具備すること
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は前
記精留塔の塔底部の冷媒温度を検知する第2の温度検知
手段と、前記塔底部の冷媒圧力を検知する第2の圧力検
知手段と、前記第2の温度検知手段と前記第2の圧力検
知手段で検知された温度、圧力から前記主冷媒回路の循
環冷媒組成を推測する第2の組成演算手段を具備するこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は前
記塔底冷媒貯留器での冷媒温度を検知する第3の温度検
知手段と、前記第3の温度検知手段で測定された温度と
予め設定されている温度上限値とを比較し、その結果を
基に前記加熱手段のON/OFFを制御する加熱制御手
段を具備することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の他の冷凍サイクル装置は前
記主冷媒回路と冷媒分離回路とが所定の圧力にて開状態
となる圧力弁を介して配管されていることを特徴とする
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は前記のような構成によ
り、以下に示すような作用を有する。
【0017】即ち、主冷媒回路と、主として精留分離器
からなる冷媒分離回路とを開閉弁を介して接続し、混合
冷媒が所定の組成に分離された場合に開閉弁をそれぞれ
閉じて主冷媒回路と冷媒分離回路とを遮断することによ
り、高沸点分離または低沸点分離のサイクルにおいて、
一度分離させた低沸点成分に富んだ冷媒と高沸点成分に
富んだ冷媒とを冷却装置やヒータへの外部入力を必要と
せずとも混合しないようにすることができ、高効率な冷
凍サイクルを実現することが可能になる。
【0018】また、前記主四方弁と前記副四方弁を具備
することにより、冷媒分離回路はヒートポンプサイクル
として主冷媒回路の冷媒流れ方向が逆転した場合でも、
冷媒分離回路の主冷媒回路との接続配管を接続し直すこ
となく、前記主四方弁と前記副四方弁による流路切替の
みで運転することが可能となる。
【0019】また、前記運転時間計時手段を具備するこ
とにより、分離していない状態から、予め設定された所
定の時間運転することにより分離の完了を判断し、その
時間経過後に主冷媒回路と冷媒分離回路との間の開閉弁
を閉じることにより両回路を遮断し、同時に前記冷媒加
熱手段の入力をOFFするように制御し、その結果常時
加熱入力投入することなく、高効率な冷凍サイクルを実
現できる。
【0020】また、前記精留塔塔頂部では冷媒が飽和蒸
気状態になっていることを利用し、前記精留分離器塔頂
での温度及び圧力を検知する手段と、飽和蒸気組成を推
算する組成演算手段とを具備することにより、高沸点冷
媒を分離・貯留する場合には前記精留塔の塔頂を流れる
冷媒ガスは主冷媒回路を循環する冷媒組成と同じ組成で
あるので、主冷媒回路の循環組成を前記精留分離器の温
度・圧力から推測することができ、従って、冷媒分離が
所定の組成まで到達したかどうかを検知することが可能
となり、組成分離終了判定を行うと共に、よりきめ細か
な循環組成制御が可能となる。
【0021】また、前記精留塔塔底部では冷媒が飽和液
状態になっていることを利用し、前記精留分離器塔底で
の温度及び圧力を検知する手段と、飽和液組成を推算す
る組成演算手段とを具備することにより、低沸点冷媒を
分離・貯留する場合には前記精留塔の塔底を流れる液冷
媒は主冷媒回路を循環する冷媒組成と同じ組成であるの
で、主冷媒回路の循環組成を前記精留分離器の温度・圧
力から推測することができ、従って、冷媒分離が所定の
組成まで到達したかどうかを検知することが可能とな
り、組成分離終了判定を行うと共に、よりきめ細かな循
環組成制御が可能となる。
【0022】また、前記塔底冷媒貯留器での冷媒温度を
検知する温度検知手段を具備し、前記塔底冷媒貯留器に
配設された加熱手段が間欠的にON/OFFすることが
可能であるようにして、前記加熱手段がONされている
ときの前記塔底冷媒貯留器での冷媒温度を計測し、所定
の温度以上になれば液冷媒が貯留していないと判断して
前記加熱手段への入力をOFFするように制御すること
により、前記塔底冷媒貯留器に液冷媒が貯留していない
にも関わらず前記加熱手段により加熱し続けることによ
る、エネルギーロスを防ぎ、更に加熱部分が高温になり
火災の原因になることを防止することができるようにな
る。
【0023】また、主冷媒回路と冷媒分離回路とが前記
圧力弁を介して配管されていることにより、開閉弁によ
り閉止した冷媒分離回路内の圧力が上昇し、危険な状態
になった場合でも、所定の圧力で作動し、開状態になる
前記圧力弁がはたらいて過剰な圧力上昇を逃がすことが
でき、以て安全性の高い装置を実現することができるよ
うになる。
【0024】
【実施例】以下、添え付け図面を用いて、本発明の具体
的実施例の説明を行う。なお、以下の実施例は本発明を
具現化した一例であり、本発明の包括範囲を限定する内
容のものではない。
【0025】まず、本発明の第1の実施例での構成につ
いて図1を用いて説明する。図1は本発明に冷凍サイク
ル装置の第1の実施例を説明する構成模式図であり、高
沸点成分分離を行う暖房低温時に高能力を発揮する空気
調和機に代表されるものである。
【0026】図1において圧縮機1、凝縮器2、メイン
膨張弁3、蒸発器4は冷媒配管により環状に接続されて
おり、凝縮器2の出口とメイン膨張弁3との間の配管が
電磁弁5b及び副膨張弁6bを介して気液分離器7に接
続されている。またこの気液分離器7の液冷媒の出口配
管は精留塔8の塔頂に接続され、液冷媒が精留塔8を上
方から流下するようになっている。また、気液分離器7
で分離された蒸気冷媒と精留塔8の上方に抜け出た冷媒
ガスは副膨張弁6a及び電磁弁5aを介して圧縮機吸入
配管に流れるようになっている。一方、蒸発器4の入口
とメイン膨張弁3との間の配管が電磁弁5c及び副膨張
弁6cを介して塔底タンク9を経て精留塔8に接続され
ている。また塔底タンク9には貯留した液冷媒を加熱気
化させるためのヒータ10がとりつけられている。ま
た、精留塔8にはバネやラシッヒリングのような充填物
が充填されており、流下する液冷媒と塔底から上昇して
くるガス冷媒とがより広い面積で接触し、物質移動を促
進するように工夫されている。
【0027】次に本発明の冷凍サイクル装置の動作につ
いて説明する。充填冷媒を例えばR32,R125,R
134aからなる非共沸混合冷媒のR407Cとする
と、通常運転時は主冷媒回路に流れる冷媒は充填組成と
同じR407Cであるように電磁弁5a,5b,5cを
開状態にし、気液分離器7や精留塔8に液冷媒が滞留し
ないようにする。いま高能力が要求された場合には、電
磁弁5cのみ閉にしてヒータ10に通電する。やがて塔
底タンク9に液冷媒が貯留し、ヒータ10により加熱・
気化されて再度精留塔8を上昇していき、上方に接続さ
れた精留塔8に流れ込み、気液分離器8から流れ込んで
精留塔8を流下してきた液冷媒と気液接触し、物質移動
を行う。このときの物質移動で混合冷媒中の低沸点成分
であるR32/R125(疑似共沸系混合物)は塔底か
ら塔内を上昇してきたガス冷媒から熱を受けて気化し、
塔頂出口方向にガス冷媒として抜けていき、主冷媒回路
に送られる。一方、低沸点成分に熱を与えた高沸点成分
は液化し、高沸点成分に富んだ液冷媒として塔底タンク
9の方に流下し、再度加熱気化される。このサイクルが
連続的に行われることにより、塔底タンク9には高沸点
成分であるR134aが濃縮された液冷媒が貯留するた
め、主冷媒回路には低沸点成分であるR32/R125
混合系が濃縮された冷媒が循環することになり、以て高
能力を発揮できる冷凍サイクルが形成される。再度主冷
媒回路の循環冷媒組成を充填組成に戻すときには、同じ
ように電磁弁5a,5b,5cを開状態にすることによ
り、即座に実現することができる。
【0028】以上の動作により、高能力を発揮するため
高沸点成分分離を行い、主冷媒回路に低沸点成分に富ん
だ冷媒が循環するようになるとともに、ヒータ入力をO
FFすることができ、不要な入力を使用せずに済むため
高効率な運転が可能となる。
【0029】なお、本発明における電磁弁5aと副膨張
弁6a、及び電磁弁5bと副膨張弁6b、及び電磁弁5
cと副膨張弁6cはそれぞれ全閉可能な電動膨張弁で代
用されても同様の効果を示す。
【0030】次に、本発明の第2の実施例での構成につ
いて図2を用いて説明する。図2は本発明に冷凍サイク
ル装置の第1の実施例を説明する構成模式図であり、低
沸点成分分離を行い、高沸点冷媒を主冷媒回路に循環さ
せ、凝縮圧を下げて、以て圧縮機入力を下げることによ
りより高効率な運転を行う高温風モードを有する空気調
和機に代表されるものである。
【0031】図2において圧縮機1、凝縮器2、メイン
膨張弁3、蒸発器4は冷媒配管により環状に接続されて
おり、凝縮器2の出口とメイン膨張弁3との間の配管が
電磁弁5b及び副膨張弁6bを介して精留塔8の塔底部
に接続されている。また、精留塔8の塔頂部出口部は配
管により塔頂タンク11に接続され、塔頂タンク11に
配設された冷却装置12により冷却されて液化し、再度
塔頂タンク11底部出口から精留塔8の塔頂部に接続さ
れている。一方、蒸発器4の入口とメイン膨張弁3との
間の配管が電磁弁5c及び副膨張弁6cを介して精留塔
8底部に接続されている。
【0032】次に本発明の冷凍サイクル装置の動作につ
いて説明する。充填冷媒を例えばR32,R125,R
134aからなる非共沸混合冷媒のR407Cとする
と、通常運転時は主冷媒回路に流れる冷媒は充填組成と
同じR407Cであるように電磁弁5b,5cを開状態
にし、精留塔8に液冷媒が滞留しないようにする。い
ま、高温風運転を行うために主冷媒回路を高沸点成分の
R134aに富んだ冷媒が循環するように要求が出た場
合、電磁弁5b,5cは開状態のまま冷却器12及びヒ
ータ10をONにする。ヒータ10で加熱・気化され精
留塔8を上昇する冷媒は物質移動を行いながら低沸点成
分であるR32/R125混合系に富んだガス冷媒とな
り塔頂タンク11で液化され、貯留される。この液冷媒
の一部は環流液として精留塔8に塔頂から戻され上昇し
てくるガス冷媒と物質移動を行う。精留塔8内を流下す
る液冷媒はこの物質移動の結果、高沸点成分であるR1
34aに富んだ液冷媒となり、精留塔8の塔底から副膨
張弁6cを経て蒸発器4の入口側で主冷媒回路に戻され
る。やがて、主冷媒回路の循環冷媒組成は高沸点冷媒で
あるR134aが濃縮された組成となり、高温風モード
を高効率で行うことができるようになる。分離完了後は
電磁弁5b,5cを閉にして、次いで冷却器12、ヒー
タ10への入力をOFFして、濃縮された塔頂タンク1
1内の低沸点冷媒が主冷媒回路の高沸点冷媒R134a
主体の冷媒と混合しないようにする。再度主冷媒回路の
循環冷媒組成を充填組成に戻すときには、同じように電
磁弁5b,5cを開状態にすることにより、即座に実現
することができる。以上のようにして、低沸点成分分離
を行い、主冷媒回路に高沸点成分に富んだ冷媒が循環す
るようになるとともに、冷却器及びヒータへの入力をO
FFすることができ、不要な入力を使用せずに済むため
高効率な運転が可能となる。
【0033】なお、本発明における電磁弁5bと副膨張
弁6b、及び電磁弁5cと副膨張弁6cはそれぞれ全閉
可能な電動膨張弁で代用されても同様の効果を示す。
【0034】次に、本発明の第3の実施例での構成につ
いて図3を用いて説明する。図3は本発明に冷凍サイク
ル装置の第3の実施例を説明する構成模式図であり、低
沸点成分分離と高沸点成分分離を切り替えて利用する必
要がある充填冷媒としてR407Cを用いた高効率組成
可変空気調和機に代表されるものである。
【0035】図3において圧縮機1、凝縮器2、メイン
膨張弁3、蒸発器4は冷媒配管により環状に接続されて
おり、凝縮器2の出口とメイン膨張弁3との間の配管が
電磁弁5b及び副膨張弁6bと、更に電磁弁5dを介し
て塔頂タンク11に接続されている。またこの塔頂タン
ク11の底部出口配管は精留塔8の塔頂に接続され、貯
留した液冷媒が精留塔8に上方から流れ込み塔内を流下
するようになっている。また、塔頂タンク11及び精留
塔8の上方に抜け出た冷媒ガスは副膨張弁6a及び電磁
弁5aを介して圧縮機吸入配管に流れるようになってい
る。一方、蒸発器4の入口とメイン膨張弁3との間の配
管が電磁弁5c及び副膨張弁6cを介して塔底タンク9
を経て精留塔8底部に接続されている。また塔底タンク
9には貯留した液冷媒を加熱気化させるためのヒータ1
0がとりつけられている。さらに副膨張弁6bと電磁弁
5dとの間の配管は電磁弁5eを介して塔底タンク9に
接続されており、凝縮器2を出て冷媒分離回路に流入す
る冷媒の流路は電磁弁5d,5eによって切り替えられ
るようになっている。
【0036】次に本発明の冷凍サイクル装置の動作につ
いて説明する。充填冷媒を例えばR32,R125,R
134aからなる非共沸混合冷媒のR407Cとする
と、通常運転時は主冷媒回路に流れる冷媒は充填組成と
同じR407Cであるように電磁弁5a,5b,5c,
5d,5eを開状態にする。いま高能力が要求された場
合には、低沸点成分であるR32/R125混合系冷媒
を主冷媒回路に循環させるために高沸点分離サイクルに
切り替える。即ち、電磁弁5a,5b,5dは開状態の
ままとし、電磁弁5c,5eを閉状態にしてヒータ10
に通電する。やがて塔底タンク9に液冷媒が貯留し、ヒ
ータ10により加熱・気化されて再度精留塔8を上昇し
ていき、上方に接続された精留塔8に流れ込み、気液分
離器8から流れ込んで精留塔8を流下してきた液冷媒と
気液接触し、物質移動を行う。このときの物質移動で混
合冷媒中の低沸点成分であるR32/R125(疑似共
沸系混合物)は塔底から塔内を上昇してきたガス冷媒か
ら熱を受けて気化し、塔頂出口方向にガス冷媒として抜
けていき、主冷媒回路に送られる。一方、低沸点成分に
熱を与えた高沸点成分は液化し、高沸点成分に富んだ液
冷媒として塔底タンク9の方に流下し、再度加熱気化さ
れる。このサイクルが連続的に行われることにより、塔
底タンク9には高沸点成分であるR134aが濃縮され
た液冷媒が貯留するため、主冷媒回路には低沸点成分で
あるR32/R125混合系が濃縮された冷媒が循環す
ることになり、以て高能力を発揮できる冷凍サイクルが
形成される。分離完了後は電磁弁5a,5b,5cを閉
にして、次いでヒータ10への入力をOFFして、濃縮
された塔底タンク9内の高沸点冷媒が主冷媒回路の低沸
点冷媒主体のR32/R125混合系と混合しないよう
にする。
【0037】次に低負荷状態で高効率運転を行うために
主冷媒回路を高沸点成分のR134aに富んだ冷媒が循
環するように低沸点成分分離を行う場合、電磁弁5b,
5c,5eを開状態とし、また電磁弁5a,5dを閉状
態にし、次いで冷却器12及びヒータ10をONにす
る。ヒータ10で加熱・気化され精留塔8を上昇する冷
媒は物質移動を行いながら低沸点成分であるR32/R
125混合系に富んだガス冷媒となり塔頂タンク11で
液化され、貯留される。この液冷媒の一部は環流液とし
て精留塔8に塔頂から戻され上昇してくるガス冷媒と物
質移動を行う。精留塔8内を流下する液冷媒はこの物質
移動の結果、高沸点成分であるR134aに富んだ液冷
媒となり、精留塔8の塔底から副膨張弁6cを経て蒸発
器4の入口側で主冷媒回路に戻される。やがて、主冷媒
回路の循環冷媒組成は高沸点冷媒であるR134aが濃
縮された組成となり、高温風モードを高効率で行うこと
ができるようになる。分離完了後は電磁弁5a,5b,
5cを閉にして、次いで冷却器12、ヒータ10への入
力をOFFして、塔頂タンク11内で濃縮された低沸点
冷媒が主冷媒回路の高沸点冷媒R134a主体の冷媒と
混合しないようにする。
【0038】また、再度主冷媒回路の循環冷媒組成を充
填組成に戻すときには、同じように電磁弁5a,5b,
5c,5d,5eを開状態にすることにより、即座に実
現することができる。
【0039】以上の動作により、一つのサイクルにおい
て低沸点分離と高沸点分離を容易に切り替えて実現さ
せ、循環冷媒組成を運転モードに応じたより高効率なも
のにすると共に、分離完了時はヒータ入力や冷却器入力
をOFFすることにより、不要な入力を使用せずに済む
ため高効率な運転が可能となる。
【0040】なお、本発明における電磁弁5aと副膨張
弁6a、及び電磁弁5bと副膨張弁6b、及び電磁弁5
cと副膨張弁6cはそれぞれ全閉可能な電動膨張弁で代
用されても同様の効果を示す。
【0041】次に、本発明の第4の実施例での構成につ
いて図4を用いて説明する。図4は本発明に冷凍サイク
ル装置の第4の実施例を説明する構成模式図である。第
1、第2、第3の実施例と異なる点は、圧縮機1が主四
方弁13aを介して前記主冷媒回路にとりつけられてお
り、冷・暖房の可逆運転が可能なようになっていること
と、主冷媒回路と、電磁弁5a,5b,5cで区切られ
る冷媒分離回路とが副四方弁13bを介して接続されて
いる点である。
【0042】冷媒分離操作及び電磁弁切替操作について
は第1、第2、第3の実施例と重複するのでここでは割
愛する。
【0043】以上の構成により、主冷媒回路が冷・暖房
に応じて切り替えられた場合にも、冷媒分離回路の配管
接続位置を変えることなく、低沸点分離、または高沸点
分離回路を実現できる。
【0044】なお、副四方弁13bは逆止弁を用いたブ
ロックを用いた場合も同様の効果が得られるものであ
る。
【0045】次に、本発明の第5の実施例での構成につ
いて図5を用いて説明する。図5は本発明に冷凍サイク
ル装置の第5の実施例を説明する構成模式図である。例
えば第1の実施例で挙げた冷凍サイクル装置において、
冷媒分離開始要求が出てからの時間を計時し、所定の時
間が経過したら電磁弁5a,5b,5cを閉状態にし、
次いで塔底タンク9において冷媒を加熱するヒータ10
の入力をOFFするように構成されている。タイマでカ
ウントする所定時間は、冷媒分離開始要求から所定の冷
媒組成に到達するまでの時間を予め実験などで求めてお
いたものである。
【0046】以上のような構成により、高沸点分離また
は低沸点分離を行う際に、分離完了をタイマ計時で決定
し、自動的に主冷媒回路と冷媒分離回路とを遮断すると
共に、ヒータ入力をOFFするようにすることにより、
外部入力OFFのタイミングをより最適化することがで
きるため省エネルギーな運転が可能となる。
【0047】次に、本発明の第6の実施例での構成につ
いて図6及び図8を用いて説明する。まず図6は本発明
に冷凍サイクル装置の第6の実施例を説明する構成模式
図である。例えば第1の実施例で挙げた冷凍サイクル装
置と比べて、第6の実施例による装置は精留塔8の塔頂
での温度を計測するサーミスタ15aと、圧力を計測す
る圧力センサ16aと、温度、圧力の計測値から飽和蒸
気組成を推測し、予め用意された目的分離組成の設定値
との比較により電磁弁切替やヒータ入力のON/OFF
を行うマイコンV17aを有する。また、精留塔8では
塔内で気液接触が起こっているが、冷媒状態は塔頂部で
はほぼ飽和蒸気、塔底部ではほぼ飽和液状態になってい
る。
【0048】ここでまず、温度、圧力から飽和蒸気組成
を推測する手法について図7を用いて説明する。図7は
第6の実施例における飽和蒸気組成推算の説明図であ
り、一定圧Pの下でのT−x線図である。この図におい
て温度Tが一点決まれば物性推算などによって引かれた
飽和蒸気線より低沸点成分組成Xvが一点決まることに
なる。
【0049】よって実際の組成可変サイクル運転条件に
おいて予想される精留塔頂圧力に対して温度Tと低沸点
成分組成Xvの相関を線形化して対応させておきマイコ
ンV17aに記憶しておくことで、上記の構成により、
精留塔8の塔頂部での冷媒の温度Tと圧力Pを測定し
て、結果をマイコンV17aに渡すことで精留塔8塔頂
での飽和蒸気冷媒、すなわち主冷媒回路を循環する冷媒
の組成が推測できる(例えばR407Cを充填冷媒とし
た場合、R407Cは3種からなる非共沸混合冷媒では
あるが、その構成要素のR32とR125はほぼ疑似共
沸系をなすため、R410系冷媒として同時に扱うこと
が可能である。従って、3種混合ではあるが、見かけ上
R32/R125の混合系とR134aとの2種混合で
あるように扱って差し支えない)。
【0050】次に本発明の実施例の冷凍サイクル装置の
動作について説明する。充填冷媒を例えばR32,R1
25,R134aからなる非共沸混合冷媒のR407C
とすると、通常運転時は主冷媒回路に流れる冷媒は充填
組成と同じR407Cであるように電磁弁5a,5b,
5cを開状態にし、気液分離器7や精留塔8に液冷媒が
滞留しないようにする。いま高能力が要求された場合に
は、電磁弁5cのみ閉にしてヒータ10に通電して高沸
点成分分離を開始する。この時サーミスタ15a、圧力
センサー16aにて精留塔8塔頂部の温度、圧力の計測
を開始し、その信号をマイコンV17aに送信する。マ
イコンV17aでは前記手順に従って飽和蒸気組成が計
算され、更にマイコンV17aに予め記憶された所定の
循環組成目標値と比較されて、計算値が目標値以上の組
成に到達していれば電磁弁5a,5b,5cを閉にして
主冷媒回路と冷媒分離回路とを遮断すると共に、ヒータ
10への入力も遮断して分離の動作を完了するように制
御する。
【0051】以上の動作により、冷媒分離の完了を精度
よく判定し、冷媒分離のための外部入力をOFFするよ
うにすることにより、不要な入力を使用せずに済むため
高効率な運転が可能となるとともに、冷凍サイクルの負
荷に応じて冷媒分離の目標値を可変であるようにしてお
けばよりきめ細かな能力制御を行うことも可能となり、
高効率な冷凍サイクルが実現できる。
【0052】次に、本発明の第7の実施例での構成につ
いて図8及び図9を用いて説明する。まず図8は本発明
に冷凍サイクル装置の第7の実施例を説明する構成模式
図である。例えば第2の実施例で挙げた冷凍サイクル装
置と比べて、第7の実施例による装置は精留塔8の塔底
での温度を計測するサーミスタ15bと、圧力を計測す
る圧力センサ16bと、温度、圧力の計測値から飽和蒸
気組成を推測し、予め用意された目的分離組成の設定値
との比較により電磁弁切替やヒータ入力のON/OFF
を行うマイコンL17bを有する。また、精留塔8では
塔内で気液接触が起こっているが、冷媒状態は塔頂部で
はほぼ飽和蒸気、塔底部ではほぼ飽和液状態になってい
る。
【0053】ここでまず、温度、圧力から飽和液組成を
推測する手法について図9を用いて説明する。図9は第
7の実施例における飽和液組成推算の説明図であり、一
定圧Pの下でのT−x線図である。この図において温度
Tが一点決まれば物性推算などによって引かれた飽和液
線より高沸点成分組成XLが一点決まることになる。
【0054】よって実際の組成可変サイクル運転条件に
おいて予想される精留塔底圧力に対して温度Tと高沸点
成分組成XLの相関を線形化して対応させておきマイコ
ンL17bに記憶しておくことで、上記の構成により、
精留塔8の塔底部での冷媒の温度Tと圧力Pを測定し
て、結果をマイコンL17bに渡すことで精留塔8塔頂
での飽和液冷媒、すなわち主冷媒回路を循環する冷媒の
組成が推測できる。
【0055】次に本発明の実施例の冷凍サイクル装置の
動作について説明する。充填冷媒を例えばR32,R1
25,R134aからなる非共沸混合冷媒のR407C
とすると、通常運転時は主冷媒回路に流れる冷媒は充填
組成と同じR407Cであるように電磁弁5b,5cを
開状態にし、気液分離器7や精留塔8に液冷媒が滞留し
ないようにする。いま高温風モード要求が出されて低沸
点成分分離を行う場合には、ヒータ10及び冷却器12
をONにして低沸点成分分離を開始する。この時サーミ
スタ15b、圧力センサー16bにて精留塔8塔底部の
温度、圧力の計測を開始し、その信号をマイコンL17
bに送信する。マイコンL17bでは前記手順に従って
飽和液組成が計算され、更にマイコンL17bに予め記
憶された所定の循環組成目標値と比較されて、計算値が
目標値以上の組成に到達していれば電磁弁5b,5cを
閉にして主冷媒回路と冷媒分離回路とを遮断すると共
に、ヒータ10、冷却器12への入力も遮断して分離の
動作を完了するように制御する。
【0056】以上の動作により、低沸点成分分離回路に
おいても、冷媒分離の完了を精度よく判定し、冷媒分離
のための外部入力をOFFするようにすることにより、
不要な入力を使用せずに済むため高効率な運転が可能と
なるとともに、冷凍サイクルの負荷に応じて冷媒分離の
目標値を可変であるようにしておけばよりきめ細かな能
力制御を行うことも可能となり、高効率な冷凍サイクル
が実現できる。
【0057】次に、本発明の第8の実施例での構成につ
いて図10を用いて説明する。図10は本発明に冷凍サ
イクル装置の第8の実施例を説明する構成模式図であ
る。第1の実施例のように高沸点分離を行う組成可変サ
イクルにおいて、塔底タンク9において貯留液冷媒を加
熱気化させるヒータ10を用いるが、特に冷媒分離開始
時にはヒータ10をONしても塔底タンク9に液冷媒が
貯留していない場合がある。このような場合にヒータ1
0に継続通電されていれば、入力分が無駄になると共に
加熱部分の温度が上昇しすぎてしまい、冷媒や潤滑油、
ひいては装置に悪影響を及ぼしかねず、また火災の原因
にもなってしまう。
【0058】従って、本発明では図11の制御アルゴリ
ズムに示すように、冷媒分離の指令が出た後、ヒータ1
0への通電を行い、塔底タンク9の冷媒温度を検知する
サーミスタ15cで塔底タンク9内の冷媒温度を監視
し、マイコンX17cがその温度測定値Txを受けて所
定の温度上限設定値Tmaxと比較し、Tx<Tmax
の場合にはヒータ10への通電を継続し、Tx≧Tma
xの場合にはヒータ10への通電を一時OFFにし、一
定時間後再度ONにしてヒータ10での過熱防止を行う
ようにする。
【0059】次に、本発明の第9の実施例での構成につ
いて図12を用いて説明する。図12は本発明に冷凍サ
イクル装置の第9の実施例を説明する構成模式図であ
る。図12では、例えば第1の実施例の冷凍サイクル装
置を基本にして電磁弁5a,5b,5cで遮断されうる
主冷媒回路と冷媒分離回路との間に圧力逃がし弁18を
設置したものである。圧力逃がし弁18は規定以上の圧
力が弁の一端にかかると開状態になるように構成された
装置である。いま冷媒分離を行い、分離完了後に電磁弁
5a,5b,5cで主冷媒回路と遮断された冷媒分離回
路は基本的に放熱手段を持たないため、回路内の圧力が
上昇し、内圧が高くなりすぎる可能性がある。このよう
な場合に圧力逃がし弁を経て、不慮の高圧を回避するよ
うにしておくことにより安全性が高くなる。
【0060】
【発明の効果】前記実施例から明らかなように、本発明
の冷凍サイクル装置は、主冷媒回路と、主として精留分
離器からなる冷媒分離回路とを開閉弁を介して接続し、
混合冷媒が所定の組成に分離された場合に開閉弁をそれ
ぞれ閉じて主冷媒回路と冷媒分離回路とを遮断すること
により、低沸点成分に富んだ冷媒を主作動流体とする高
沸点冷媒分離サイクルにおいて、一度分離させた高沸点
成分に富んだ冷媒を冷却装置やヒータへの外部入力を必
要とせずとも低沸点成分に富んだ冷媒と混合しないよう
にすることができ、よって低沸点成分に富んだ冷媒によ
る高負荷運転時に有効な高効率冷凍サイクルを実現する
ことが可能になる。
【0061】また、本発明の冷凍サイクル装置は、主冷
媒回路と、主として精留分離器からなる冷媒分離回路と
を開閉弁を介して接続し、混合冷媒が所定の組成に分離
された場合に開閉弁をそれぞれ閉じて主冷媒回路と冷媒
分離回路とを遮断することにより、高沸点成分に富んだ
冷媒を主作動流体とする低沸点冷媒分離サイクルにおい
て、一度分離させた低沸点成分に富んだ冷媒を冷却装置
やヒータへの外部入力を必要とせずとも高沸点成分に富
んだ冷媒と混合しないようにすることができ、よって高
沸点成分に富んだ冷媒による低負荷運転時や高温サイク
ル運転時に有効な高効率冷凍サイクルを実現することが
可能になる。
【0062】また、本発明の冷凍サイクル装置は、低沸
点冷媒分離と高沸点冷媒分離とが同一の冷凍サイクル装
置で切り替えにより実現できるようにし、さらに主冷媒
回路と、主として精留分離器からなる冷媒分離回路とを
開閉弁を介して接続し、混合冷媒が所定の組成に分離さ
れた場合に開閉弁をそれぞれ閉じて主冷媒回路と冷媒分
離回路とを遮断することにより、高沸点または低沸点分
離サイクルにおいて、それぞれ互いに分離された、高沸
点冷媒に富んだ冷媒と、低沸点成分に富んだ冷媒とを、
冷却装置やヒータへの外部入力を必要とせずとも互いに
混合しないようにすることができ、よって低沸点成分に
富んだ冷媒による高負荷時に有効な高効率冷凍サイクル
と高沸点成分に富んだ冷媒による低負荷運転時や高温サ
イクル運転時に有効な高効率冷凍サイクルとを一つの冷
凍サイクル装置で切り替えて運転することにより低負荷
から高負荷までの広い範囲にわたって運転可能である高
効率冷凍サイクルを実現することが可能になる。
【0063】また、本発明の冷凍サイクル装置は、前記
主四方弁と前記副四方弁を具備することにより、冷媒分
離回路はヒートポンプサイクルとして主冷媒回路の冷媒
流れ方向が逆転した場合でも、冷媒分離回路の主冷媒回
路との接続配管を接続し直すことなく、前記主四方弁と
前記副四方弁による流路切替のみで運転することが可能
となる。
【0064】また、本発明の冷凍サイクル装置は、前記
運転時間計時手段を具備することにより、混合冷媒が分
離していない状態から、予め設定された所定の時間運転
することにより分離の完了を判断し、その時間経過後に
主冷媒回路と冷媒分離回路との間の開閉弁を閉じること
により両回路を遮断し、同時に前記冷媒加熱手段の入力
をOFFするように制御し、その結果常時加熱入力投入
することなく、高効率な冷凍サイクルを実現できる。
【0065】また、本発明の冷凍サイクル装置は、前記
精留塔塔頂部では冷媒が飽和蒸気状態になっていること
を利用し、前記精留分離器塔頂での温度及び圧力を検知
する手段と、飽和蒸気組成を推算する組成演算手段とを
具備することにより、高沸点冷媒を分離・貯留する場合
には前記精留塔の塔頂を流れる冷媒ガスは主冷媒回路を
循環する冷媒組成と同じ組成であるので、主冷媒回路の
循環組成を前記精留分離器の温度・圧力から推測するこ
とができ、従って、冷媒分離が所定の組成まで到達した
かどうかを検知することが可能となり、組成分離終了判
定を行うと共に、よりきめ細かな循環組成制御が可能と
なる。
【0066】また、本発明の冷凍サイクル装置は、前記
精留塔塔底部では冷媒が飽和液状態になっていることを
利用し、前記精留分離器塔底での温度及び圧力を検知す
る手段と、飽和液組成を推算する組成演算手段とを具備
することにより、低沸点冷媒を分離・貯留する場合には
前記精留塔の塔底を流れる液冷媒は主冷媒回路を循環す
る冷媒組成と同じ組成であるので、主冷媒回路の循環組
成を前記精留分離器の温度・圧力から推測することがで
き、従って、冷媒分離が所定の組成まで到達したかどう
かを検知することが可能となり、組成分離終了判定を行
うと共に、よりきめ細かな循環組成制御が可能となる。
【0067】また、本発明の冷凍サイクル装置は、前記
塔底冷媒貯留器での冷媒温度を検知する温度検知手段を
具備し、前記塔底冷媒貯留器に配設された加熱手段が間
欠的にON/OFFすることが可能であるようにして、
前記加熱手段がONされているときの前記塔底冷媒貯留
器での冷媒温度を計測し、所定の温度以上になれば液冷
媒が貯留していないと判断して前記加熱手段への入力を
OFFするように制御することにより、前記塔底冷媒貯
留器に液冷媒が貯留していないにも関わらず前記加熱手
段により加熱し続けることによる、エネルギーロスを防
ぎ、更に加熱部分が高温になり火災の原因になることを
防止することができるようになる。
【0068】また、本発明の冷凍サイクル装置は、主冷
媒回路と冷媒分離回路とが前記圧力弁を介して配管され
ていることにより、開閉弁により閉止した冷媒分離回路
内の圧力が上昇し、危険な状態になった場合でも、所定
の圧力で作動し、開状態になる前記圧力弁がはたらいて
過剰な圧力上昇を逃がすことができ、以て安全性の高い
装置を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図2】第2の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図3】第3の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図4】第4の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図5】第5の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図6】第6の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図7】第6の実施例における飽和蒸気組成推算の説明
【図8】第7の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図9】第7の実施例における飽和液組成推算の説明図
【図10】第8の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図11】第8の実施例の制御アルゴリズムの説明図
【図12】第9の実施例の冷凍サイクル装置構成模式図
【図13】従来例説明のための冷凍サイクル装置構成模
式図
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 主膨張弁 4 蒸発器 5a,5b,5c 電磁弁 6a,6b,6c 副膨張弁 7 気液分離器 8 精留塔 9 塔底タンク 10 ヒータ 11 塔頂タンク 12 冷却器 13a 主四方弁 13b 副四方弁 14 タイマ 15a,15b,15c サーミスタ 16a,16b 圧力センサ 17a マイコンV(飽和蒸気組成推算用) 17b マイコンL(飽和液組成推算用) 17c マイコンX 18 圧力逃がし弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤高 章 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 羽根田 完爾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 薬丸 雄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山口 成人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 渡邉 幸男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 沼本 浩直 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−269878(JP,A) 特開 昭64−88061(JP,A) 特開 昭62−261864(JP,A) 特開 昭62−245055(JP,A) 特開 平2−44153(JP,A) 実開 昭63−201963(JP,U) 特公 平7−37856(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 F25B 13/00 F25B 43/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非共沸混合冷媒を作動流体とし、圧縮
    機、凝縮器、主膨張装置、蒸発器を順に冷媒配管で連通
    させて構成される主冷媒回路と、精留分離器塔頂部に設
    けられており冷媒冷却手段を具備した塔頂冷媒貯留器の
    出口が第1の副膨張装置及び第1の開閉弁を介して前記
    主冷媒回路低圧配管に接続され、また前記精留分離器塔
    底部に設けられており冷媒加熱手段を具備した塔底冷媒
    貯留器が第2の副膨張装置及び第2の開閉弁を介して前
    記主冷媒回路の蒸発器と主膨張装置との間に接続され、
    前記塔頂冷媒貯留器の前記主冷媒回路からの入口が第3
    の開閉弁及び第3の副膨張装置を順に介して前記主冷媒
    回路の凝縮器と主膨張装置との間に接続され、前記第3
    の開閉弁と前記第3の副膨張装置との間の配管と前記塔
    底貯留器と前記第4の副膨張装置との間の配管とが第4
    の副膨張装置を介して接続された冷媒分離回路から構成
    されたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機は主四方弁を介して主冷媒回路に
    接続されており、この主冷媒回路の凝縮器と主膨張装置
    との間の配管と冷媒分離回路との接続配管とが、また前
    記主冷媒回路の蒸発器と主膨張装置との間の配管と前記
    冷媒分離回路との接続配管とが副四方弁を介して可逆的
    に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の冷
    凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 運転開始からの運転時間を計時する運転
    時間計時手段を具備し、前記運転時間計時手段により分
    離完了の判定を行い、主冷媒回路と冷媒分離回路との接
    続部にある開閉弁を閉にするように構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 精留塔の塔頂部の冷媒温度を検知する第
    1の温度検知手段と、前記塔頂部の冷媒圧力を検知する
    第1の圧力検知手段と、前記第1温度検知手段と前記第
    1の圧力検知手段で検知された温度、圧力から主冷媒回
    路の循環冷媒組成を推測する第1の組成演算手段を具備
    することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装
    置。
  5. 【請求項5】 精留塔の塔底部の冷媒温度を検知する第
    2温度検知手段と、前記塔底部の冷媒圧力を検知する第
    2圧力検知手段と、前記第2温度検知手段と前記第2圧
    力検知手段で検知された温度、圧力から前記主冷媒回路
    の循環冷媒組成を推測する第2組成演算手段を具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 塔底冷媒貯留器での冷媒温度を検知する
    第3の温度検知手段と、前記第3の温度検知手段で測定
    された温度と予め設定されている温度上限値とを比較
    し、その結果を基に前記加熱手段のON/OFFを制御
    する加熱制御手段とを具備することを特徴とした請求項
    1に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 主冷媒回路と冷媒分離回路とが所定の圧
    力にて開状態となる圧力制御弁を介して配管されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
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