JP3398414B2 - 有害塩素化合物の無害化処理装置 - Google Patents

有害塩素化合物の無害化処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばポリ塩化ビフェニ
ル等の有害塩化物質を脱塩素化反応させ有害塩素化合物
を分解して無害物質にする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有害塩素化合物としてポリ塩化ビフェニ
ル(PCB)を例にすると、ポリ塩化ビフェニルは有害
物質として現在、生産・使用が禁止されているが、既に
製造されたものが未処理で数万トン保管されている。
【0003】ポリ塩化ビフェニルの処理方法としては、
(1)燃焼する方法、 (2)紫外線または放射線の照射で分
解する方法、 (3)化学処理法、 (4)微生物分解法、 (5)
その他の方法が提案されている。国内においては (1)の
方法のみがわずかに実施されているにすぎない。
【0004】(1)の方法は最も経済的であるが、焼却炉
中で1400℃以上で完全に燃焼する必要があり、不十分な
処理ではさらに毒性の高いダイオキシン等の有害物質を
生成してしまい返って環境に悪影響を起こす可能性があ
る。
【0005】そこで、有害塩素化合物および反応生成物
が処理中に外部拡散しないで安全に処理できる方法とし
て、アルカリ性アルコールと塩素化合物との混合溶液に
紫外線を照射して有害塩素化合物を無害物質化する方法
が例えば特許第919505号などに開示されている。
【0006】ポリ塩化ビフェニルについての研究は例え
ば日本化学学会誌;西脇ら、1973、P.2326に開示されて
おり、光照射後に連鎖反応が起こり効率よく脱塩素が起
きる結果が得られている。
【0007】図7は従来の有害塩素化合物の分解装置を
示すものである。図中48は反応容器であり、その反応容
器48の内部には紫外線ランプ49が設置されている。
【0008】反応容器48には有害塩素化合物と、その脱
塩素処理によって遊離する塩素を除去するためのNaO
H−イソプロパノール等のアルカリ性アルコールの混合
試料50が外部から供給されている。この混合試料50中の
有害塩素化合物は紫外線ランプ49からの放出光により有
害塩素化合物分子中の塩素を塩素ラジカルとして遊離さ
れる。
【0009】この結果、処理前の有害塩素化合物より塩
素の一つ少ない有害塩素化合物ラジカルになる。この有
害塩素化合物ラジカルは溶媒のアルコールから水素を引
き抜くことにより塩素が一つ少なくなった有害塩素化合
物に還元される。この時、水素が引き抜かれたアルコー
ルはアルコールラジカルになる。
【0010】また、遊離塩素ラジカルは溶媒のアルコー
ルから水素を引き抜くことによりアルコールラジカルを
生成すると同時に塩化水素となり、さらに水酸化ナトリ
ウムにより中和され塩化ナトリウム51と水になる。有害
塩素化合物ラジカルおよび塩素ラジカルによって生成し
たアルコールラジカルはさらに有害塩素化合物の脱塩素
反応を進めることができる。
【0011】このようにして有害塩素化合物の連鎖的脱
塩素反応が起こり、最終的には有害塩素化合物から塩素
を含まない化合物が生成される。
【0012】有害塩素化合物のこのような光脱塩素化反
応を利用した分解方法としては、例えば特開昭49-45027
号公報や特開昭 49-109351号公報に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】有害塩素化合物の分解
反応は溶液中の酸素はラジカルやイオンと反応性が大き
く連鎖逓伝体となるラジカルと反応してしまい連鎖反応
を抑止する。また、溶液中に水が含まれるとアルカリの
供給速度が低下して脱塩化が遅れる。
【0014】このために溶液中に酸素や水が溶存してい
ると光化学反応が数分の1以下に抑制されてしまう(例
えば日本化学学会誌;西脇ら、1973、P.2326参照)。従
来の技術では光照射を窒素気流中で実施するなどにより
極力無酸素雰囲気にしているが、溶液中に溶存した酸素
や水により反応が阻害されている。
【0015】一般に光誘起化学反応は照射光源の波長に
より反応の経路が異なる。つまり、照射波長によっては
光が試料に吸収されても有害塩素化合物の脱塩素化反応
を起こさずに単に熱的に加熱されたり、溶媒のアルコー
ルが光分解したりすることにより目的の塩素を含まない
化合物の生成反応が進まないことがある。はなはだしい
場合は目的外の反応が進み、より有害性の高い塩素化合
物が生成する可能性がある。
【0016】加えて、従来の紫外線ランプ、太陽光等を
用いた有害塩素化合物分解装置では照射光のスペクトル
幅が広く、また、波長の選択性がない。また、アルカリ
性アルコール中の有害塩素化合物の光吸収スペクトルも
溶媒の効果等により本来有害塩素化合物分子が持ってい
る光吸収スペクトルより幅広くなっている。
【0017】このため、主反応である有害塩素化合物の
脱塩素、塩素を含まない化合物の生成反応以外の反応や
分解生成物からの反応も誘起するため、有害な副生成物
等の反応を抑えることができない。
【0018】また、従来では紫外光での分解反応である
ため、紫外線ランプ等の光源の発光効率が最大でも3%
程度であるのが一般的であり、経済的に不利になる場合
がある。
【0019】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、溶液中の酸素や水による光化学反応が低下す
ることがなく、また目的とする有害塩素化合物の脱塩素
反応のみを選択的にかつ高効率で起こさせることができ
る有害塩素化合物の無害化処理装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
有害塩素化合物の混入物質から有害塩素化合物を抽出す
る有害塩素化合物抽出器と、この有害塩素化合物抽出器
で抽出された有害塩素化合物とアルカリ性アルコールと
を混合する溶液混合器と、この溶液混合器で混合された
混合溶液を脱酸素処理および脱水処理する前処理装置
と、この前処理装置で脱酸素および脱水処理された溶液
に光を照射する光反応器と、この光反応器で光照射処理
された溶液に連鎖反応を起こして反応生成物を生成する
反応促進容器と、この反応促進容器で生成された反応生
成物を塩化ナトリウム、アセトン、有害塩素化合物なし
反応生成物および有害塩素化合物混入の反応生成物のそ
れぞれに分離する溶液分離器と、前記有害塩素化合物混
入の反応生成物を前記溶液混合器に戻す混合器戻りライ
ンとを具備したことを特徴とする。請求項2に係る発明
は、前記溶液分離器で分離された塩化ナトリウム、アセ
トンおよび有害塩素化合物なし反応生成物それぞれの有
害塩素化合物濃度をモニターする有害塩素化合物分析モ
ニター装置を設けてなることを特徴とする。
【0021】請求項3に係る発明は、前記有害塩素化合
物分析モニター装置で有害塩素化合物が検出された場合
には、その有害塩素化合物を含むものを、前記有害塩素
化合物抽出器に戻す抽出器戻りラインにより、再度、有
害塩素化合物抽出操作を行うことを特徴とする。請求項
4に係る発明は、前記光は前記有害塩素化合物の2光子
吸収による励起が可能な光子エネルギーを持ったレーザ
ー光線であることを特徴とする。
【0022】
【作用】請求項1から3に係る発明においては脱酸素お
よび脱水装置を設置してアルカリ性アルコールと有害塩
素化合物との混合溶液中の酸素および水を光照射処理前
にあらかじめ除外しておく。
【0023】酸素および水の除外方法としては、溶液中
に乾燥窒素等のガスを流す(バブリング)か、加熱して
溶存ガスを抜くか、または酸素や水の吸着材を添加する
等の方法を用いる。また、酸素については減圧(アスピ
レーター、真空ポンプ)する。さらに、無酸素雰囲気中
でこの脱酸素処理済み溶液を光反応領域に導き反応用の
光を照射する。
【0024】脱酸素・脱水装置を設けた有害塩素化合物
の無害化装置では光反応が酸素や水により抑止されるこ
とがなく、高効率の有害塩素化合物の無害化処理装置を
提供可能となる。
【0025】また、請求項4に係る発明においては有害
塩素化合物の分解反応において2光子吸収により物質の
光吸収スペクトル幅が通常の1光子吸収より狭くなり、
より選択的に有害塩素化合物のみ励起することが可能に
なり、光脱塩素反応の経路を制限することが可能とな
る。
【0026】これにより有害な副生成物の生成を少なく
したり、分解を効率よくすることができる。つまり、従
来の手段では紫外線による1光子吸収過程に導かれる反
応であったのが、請求項4に係る発明では2光子吸収過
程の反応を用いることで、反応の選択性が高くできる。
【0027】また、可視光レーザーは半導体レーザーや
銅蒸気レーザーを代表とした高効率のレーザー装置の使
用が可能になるので反応効率をより高くできる。
【0028】
【実施例】本発明に係る有害塩素化合物の無害化処理装
置の第1の実施例としてポリ塩化ビフェニルの無害化処
理装置をとりあげて図を参照して説明する。以下、ポリ
塩化ビフェニルをPCBと略記する。
【0029】図1に本実施例を説明するための装置構成
図を示す。本実施例ではPCBが混入した物質1の処理
過程に従って説明する。まず、PCBが混入した物質1
を抽出PCB2と、それ以外の残分PCB除外物質3に
PCB抽出器4を用いて分離する。このPCB抽出器4
は遠心分離器等で構成する。
【0030】抽出PCB2は抽出PCBタンク5に格納
し、その他の残物PCB除外物質3はPCB分析モニタ
ー装置6でPCBの混入がないことを確認したのち、無
害化処理後溶液タンク7に格納する。
【0031】一方、タンクに格納した抽出PCB2、ア
ルコール8およびアルカリ(NaOH)9は溶液混合器
10で混合する。この混合溶液11を本実施例として設けた
前処理装置12において乾燥窒素ガス13等のバブリングに
より脱酸素・脱水を行う。
【0032】抽出PCB2、アルコール8、アルカリ9
の混合量は混合比モニター装置14によりモニターして最
適濃度比になるように混合量コントローラ15で調節す
る。前処理装置12を経た溶液は酸素に接しないように密
封系もしくは無酸素ガス雰囲気16で光反応器17に導入し
て紫外線レーザー等のレーザー光18を照射する。
【0033】レーザー光18の照射を受けた後の光反応処
理後溶液19は反応促進容器20に格納して連鎖反応を促進
させた後、溶液分離器21で反応生成物中のNaCl22、
アセトン23、その他ビフェニル等のPCBなし生成物2
4、残留PCBおよびPCBの混入した反応生成物25に
分離する。
【0034】反応生成物のうちPCBを含まないNa
Cl22、アセトン23、その他ビフェニル等のPCBなし
生成物24についてはPCB分析モニター装置6で検査さ
れ、PCBの混入がないことを確認後、無害化処理後溶
液タンク7に格納する。PCBの混入した反応生成物25
混合器戻りライン48を通して溶液混合器10に戻し、
び溶液混合器10で混合する。PCB分析モニター装置6
で検査後のPCBを含む溶液は抽出器戻りライン49を通
してPCB抽出器4に戻し、再びPCBを抽出する
【0035】図2(a)から(d)に前処理装置12の酸
素および水分の除去処理手段例を示す。図2(a)は図
1で用いた乾燥窒素ガス13によるバブリング法の例であ
る。
【0036】混合溶液11を窒素雰囲気中で乾燥窒素ガス
13を通過させて脱酸素・脱水を図った例である。混合溶
液11は必要に応じて撹拌機26で撹拌する。水分および酸
素を含むガス27は容器上部からガス回収器28により回収
する。
【0037】(b)は真空装置29等により容器内を減圧
にして溶液中から排出したガス27を回収する減圧ガス出
し法の例である。
【0038】(c)は溶液を加熱装置30で加熱して溶液
中のガスを排出させて回収する加温ガス出し法の例であ
る。処理後溶液は冷却装置31で冷却した後、光反応器17
に送られる。
【0039】(d)は吸水材32を投入して溶液中の水分
の除去を図った吸水材による水抜き法の例である。吸水
材32としてはゼオライト等の多孔質物質を用いる。さら
に上記の図2(a)〜(d)の組み合わせも可能であ
る。
【0040】次に図3に本発明の第2の実施例を説明す
る。なお、図3では図1の構成において前処理装置12と
光反応器17および反応促進容器20を一緒にまとめて前処
理装置付き光反応容器33として示している。
【0041】本第2の実施例ではバルブコントローラ34
が設置されており、レーザー光18の照射中、前処理装置
付き光反応容器33への溶液の出入りをバルブコントロー
ラ34により溶液導入バルブ35および溶液排出バルブ36を
制御している。
【0042】前処理装置付き光反応容器33中のPCBの
分解処理量を分解率モニター装置37で検出して所定の分
解が確認できた時点で溶液排出バルブ36を開として処理
済み溶液を溶液分離器21に送る。
【0043】次に溶液排出バルブ36を閉とした後、溶液
導入バルブ35を開として前処理装置付き光反応容器33に
処理する混合溶液11を溶液混合器10から導入する。これ
らのタイミングはバルブコントローラ34で制御する。
【0044】図4は図3で用いた前処理装置付きの光反
応容器33を模式的に拡大して示した縦断面図である。す
なわち、前記容器33内の混合溶液11は乾燥窒素ガス13を
流して脱酸素および脱水を行い、該容器33内を無酸素ガ
ス雰囲気16としている。
【0045】この混合溶液11中に外部からレーザー光18
を照射して光反応を促す。光反応後、光反応処理後溶液
19は溶液排出バルブ36を開として図3の溶液分離器21へ
流す。なお、図中26は溶液撹拌機を示し、28はガス回収
器、29は真空装置で、接続する方向を示している。
【0046】次に、本発明の第3の実施例を図5を参照
して説明する。図5は、本発明に係る有害塩素化合物の
分解装置をポリ塩化ビフェニルの無害化装置に適用した
例を示すものである。
【0047】本発明において使用するレーザーは波長3
08nmから860nmにいたる範囲において、高効率
で発振しかつ有害塩素化合物に2光子吸収を起こさせる
ことができる波長を発振するものであればよい。本実施
例ではポリ塩化ビフェニルに適用するため銅蒸気レーザ
ーを用いた。
【0048】図中38は銅蒸気レーザーであり、578.
2nmと510.6nmの波長で発振する高効率の可視
光レーザー光源である。これはポリ塩化ビフェニルの示
す特長的な2光子吸収帯に含まれる波長で、かつ2−プ
ロパノールと水酸化ナトリウムの混合溶媒では吸収され
ない波長である。
【0049】銅蒸気レーザー38から取り出されたレーザ
ー光は入射光学系39で適度な強度に変換されその一部は
入射光強度観測系40によってサンプリングされる。入射
光強度観測系40からの信号は信号処理系41に取り込まれ
レーザー出力モニターとして処理、記録される。
【0050】入射光強度観測系40を透過した残りのレー
ザー光の一部はポリ塩化ビフェニルの吸光度測定用参照
用試料容器42を含む参照信号観測系43によってサンプリ
ングされる。参照信号観測系43からの信号は信号処理系
41に取り込まれ参照光モニターとして処理、記録され
る。
【0051】参照信号観測系43を透過したレーザー光は
撹拌装置付きの反応容器44中に石英窓を通して入射され
る。反応容器44にはポリ塩化ビフェニルと水酸化ナトリ
ウムと2−プロパノールの混合試料45が外部から供給さ
れている。
【0052】混合試料45は反応容器44の石英入射窓に接
触しないように空間をあけており、無酸素雰囲気にする
ために窒素ガスを封入している。これにより従来の技術
による分解法において問題になる分解光入射窓への塩化
ナトリウムの析出を抑えることができる。混合試料45の
レーザー光による分解後の生成物は反応容器44から外部
に排出され処理される。
【0053】反応容器44に入射したレーザー光はほとん
ど混合試料45によって吸収されるが、ごく一部は透過し
て透過光観測系46によってサンプリングされる。透過光
観測系46からの信号は信号処理系41に取り込まれ参照信
号観測系43からの信号と演算処理されて吸光度モニター
として記録される。
【0054】ところで反応容器44中に入射したレーザー
光は混合試料45中のポリ塩化ビフェニルにのみ吸収され
2−プロパノール、水酸化ナトリウムには吸収されな
い。つまりポリ塩化ビフェニル以外の物質の吸収がない
ため、それらの光分解が起こることによって進む副反応
を抑えることができる。
【0055】以上のようにして銅蒸気レーザー38のレー
ザー光源を用いれば目的とする反応であるポリ塩化ビフ
ェニルの脱塩素化反応のみ効率に起こさせ、それ以外
の有害な反応を抑制することができる。さらに、より詳
細に反応を制御する必要がある場合には色素レーザー装
置のような波長可変レーザーを光源として用いることが
望ましい。
【0056】このようにして従来の方法に比べ副生成物
の少なく、より安全でかつ効率的にポリ塩化ビフェニル
の無害化処理ができる。
【0057】図6は本発明の第4の実施例を示すもので
ある。前記第3の実施例ではレーザー共振器の外部に反
応容器44を設置していたが本実施例では銅蒸気レーザー
38と光共振器47で構成されるレーザー光学系の内部に反
応容器44を設置している。なお、その他の点について
は、前記第3の実施例と同一構成になっているので、そ
の重複する部分の説明は省略する。
【0058】ところで、光の吸収が2光子過程による場
合、光吸収の大きさは一般的に小さく、また光強度の自
乗に比例して大きくなる。すなわち第3の実施例に示し
たようなレーザー光が反応容器44中を一度しか通過でき
ない構成の場合には、分解対象の分子種やその濃度によ
っては大部分のレーザー光が反応に寄与することができ
ず損失となる場合がある。
【0059】第4の実施例ではこのような問題を解決す
るために、レーザーの共振器47の内側に反応容器44を設
置している。このようにするとレーザー光の損失を極め
て少なくし、かつ反応溶液の混合試料45中の光強度を高
くすることができ、その結果、第4の実施例では第3の
実施例に比べより効率の高い無害化処理ができる。
【0060】
【0061】
【発明の効果】 発明によれば、有害な副生成物の少な
い、より安全で高効率な有害塩素化合物の脱塩素分解装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有害塩素化合物の無害化処理装置
の第1の実施例を示す系統図。
【図2】(a)は図1における前処理装置の第1の例を
示す縦断面図、(b)は同じく第2の例を示す縦断面
図、(c)は同じく第3の例を示す縦断面図、(d)は
同じく第4の例を示す縦断面図。
【図3】本発明に係る有害塩素化合物の無害化処理装置
の第2の実施例を示す系統図。
【図4】図3における前処理装置付き光反応容器を拡大
して示す縦断面図。
【図5】本発明に係る有害塩素化合物の無害化処理装置
の第3の実施例を示す系統図。
【図6】本発明に係る有害塩素化合物の無害化処理装置
の第4の実施例を示す系統図。
【図7】従来の有害塩素化合物の無害化処理装置を示す
縦断面図。
【符号の説明】
1…PCBが混入した物質、2…抽出PCB、3…PC
B除外物質、4…PCB抽出器、5…抽出PCBタン
ク、6…PCB分析モニター装置、7…無害化処理後溶
液タンク、8…アルコール、9…アルカリ、10…溶液混
合器、11…混合溶液、12…前処理装置、13…乾燥窒素ガ
ス、14…混合比モニター装置、15…混合量コントロー
ラ、16…無酸素ガス雰囲気、17…光反応器、18…レーザ
ー光、19…光反応処理後溶液、20…反応促進容器、21…
溶液分離器、22…反応生成NaCl、23…反応生成アセ
トン、24…その他ビフェニル等のPCBなし生成物、25
…PCBの混入した反応生成物、26…溶液撹拌機、27…
水分および酸素を含むガス、28…ガス回収器、29…真空
装置、30…溶液加熱装置、31…溶液冷却装置、32…吸水
材、33…前処理装置付き光反応容器、34…バルブコント
ローラ、35…溶液導入バルブ、36…溶液排出バルブ、37
…分解率モニター装置、38…銅蒸気レーザー、39…入射
光学系、40…入射光強度観測系、41…信号処理系、42…
参照試料容器、43…参照信号観測系、44…反応容器、45
…混合試料、46…透過光観測系、47…共振器、48…混合
器戻りライン、49…抽出器戻りライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 成彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 田嶋 直樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 花井 宏維 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会 社東芝 本社事務所内 (72)発明者 島田 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平4−235930(JP,A) 特開 平5−305154(JP,A) 特公 昭52−47459(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/12 B01D 19/00 - 19/04 C07C 15/00 C07C 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害塩素化合物の混入物質から有害塩素
    化合物を抽出する有害塩素化合物抽出器と、この有害塩
    素化合物抽出器で抽出された有害塩素化合物とアルカリ
    性アルコールとを混合する溶液混合器と、この溶液混合
    で混合された混合溶液を脱酸素処理および脱水処理す
    る前処理装置と、この前処理装置で脱酸素および脱水処
    理された溶液に光を照射する光反応器と、この光反応器
    光照射処理された溶液に連鎖反応を起こして反応生成
    物を生成する反応促進容器と、この反応促進容器で生成
    された反応生成物塩化ナトリウム、アセトン、有害塩
    素化合物なし反応生成物および有害塩素化合物混入の反
    応生成物のそれぞれに分離する溶液分離器と、前記有害
    塩素化合物混入の反応生成物を前記溶液混合器に戻す混
    合器戻りラインとを具備したことを特徴とする有害塩素
    化合物の無害化処理装置。
  2. 【請求項2】 前記溶液分離器で分離された塩化ナトリ
    ウム、アセトンおよび有害塩素化合物なし反応生成物
    れぞれの有害塩素化合物濃度をモニターする有害塩素化
    合物分析モニター装置を設けてなることを特徴とする請
    求項1記載の有害塩素化合物の無害化処理装置。
  3. 【請求項3】 前記有害塩素化合物分析モニター装置で
    有害塩素化合物が検出された場合には、その有害塩素化
    合物を含むものを、前記有害塩素化合物抽出器に戻す抽
    出器戻りラインにより、再度、有害塩素化合物抽出操作
    を行うことを特徴とする請求項2記載の有害塩素化合物
    の無害化処理装置。
  4. 【請求項4】 前記光は前記有害塩素化合物の2光子吸
    収による励起が可能な光子エネルギーを持ったレーザー
    光線であることを特徴とする請求項1記載の有害塩素化
    合物の無害化処理装置。
JP10100393A 1993-04-27 1993-04-27 有害塩素化合物の無害化処理装置 Expired - Fee Related JP3398414B2 (ja)

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