JP3342453B2 - ダイオキシン類分析方法及び装置 - Google Patents
ダイオキシン類分析方法及び装置Info
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- JP3342453B2 JP3342453B2 JP32644499A JP32644499A JP3342453B2 JP 3342453 B2 JP3342453 B2 JP 3342453B2 JP 32644499 A JP32644499 A JP 32644499A JP 32644499 A JP32644499 A JP 32644499A JP 3342453 B2 JP3342453 B2 JP 3342453B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立地侵出水や産
業排水等中の例えば有機ハロゲン系化合物などのような
有害物質の濃度を測定するダイオキシン類分析方法及び
装置、並びにそれを用いた排水処理システムに関する。
業排水等中の例えば有機ハロゲン系化合物などのような
有害物質の濃度を測定するダイオキシン類分析方法及び
装置、並びにそれを用いた排水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、埋立地侵出水や産業廃水等の
汚水は調製槽において、水量,pH等の調製を行った
後、生物処理槽において有機物及び窒素成分を除去し凝
集沈殿槽において凝集剤の添加により凝集させ、重金
属,SS(浮遊物質)成分を分離している。その後、上
澄み液は、液中のダイオキシン類等をはじめとする難分
解性有機物を促進酸化処理により分解し、砂濾過塔,活
性炭吸着塔を経て処理水として放流されている。
汚水は調製槽において、水量,pH等の調製を行った
後、生物処理槽において有機物及び窒素成分を除去し凝
集沈殿槽において凝集剤の添加により凝集させ、重金
属,SS(浮遊物質)成分を分離している。その後、上
澄み液は、液中のダイオキシン類等をはじめとする難分
解性有機物を促進酸化処理により分解し、砂濾過塔,活
性炭吸着塔を経て処理水として放流されている。
【0003】該難分解性有機物であるダイオキシン類を
含有する水の浄化方法としては、有機塩素化合物を含有
する水に過酸化水を添加し、紫外線を照射することで該
化合物を分解するものが提案されている。また、紫外線
の照射の代わりにオゾンを導入してダイオキシン類を分
解する方法も提案されている。
含有する水の浄化方法としては、有機塩素化合物を含有
する水に過酸化水を添加し、紫外線を照射することで該
化合物を分解するものが提案されている。また、紫外線
の照射の代わりにオゾンを導入してダイオキシン類を分
解する方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、ダイ
オキシン類分析は排水から有機溶媒を用いて濃縮操作を
繰り返して行うものであり、通常70時間以上と長時間
となり、迅速に測定することは困難であった。このた
め、排水のダイオキシン類濃度を低減するためには、上
述した方法により紫外線照射やオゾンを多量に注入して
処理することが行われているが、排水のダイオキシン類
の濃度に応じた測定が困難となり、過剰量での分解処理
を行っているのが現状であり、排水のダイオキシン類の
有害物質の濃度に応じた分解処理が望まれている。
オキシン類分析は排水から有機溶媒を用いて濃縮操作を
繰り返して行うものであり、通常70時間以上と長時間
となり、迅速に測定することは困難であった。このた
め、排水のダイオキシン類濃度を低減するためには、上
述した方法により紫外線照射やオゾンを多量に注入して
処理することが行われているが、排水のダイオキシン類
の濃度に応じた測定が困難となり、過剰量での分解処理
を行っているのが現状であり、排水のダイオキシン類の
有害物質の濃度に応じた分解処理が望まれている。
【0005】このようなことから、本発明は、埋立地侵
出水やゴミ焼却炉内を洗浄した洗浄排水のダイオキシン
類の濃度を迅速に分析することができるダイオキシン類
分析方法及び装置を提供することを目的とする。
出水やゴミ焼却炉内を洗浄した洗浄排水のダイオキシン
類の濃度を迅速に分析することができるダイオキシン類
分析方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の[請求項1]のダイオキシン類分析方法の発明は、
被測定溶液の表面にレーザ光を照射し、表面のダイオキ
シン類をレーザ多光子イオン化し、これによって生じる
電流を測定することにより、被測定溶液中のダイオキシ
ン類濃度を測定することを特徴とする。
明の[請求項1]のダイオキシン類分析方法の発明は、
被測定溶液の表面にレーザ光を照射し、表面のダイオキ
シン類をレーザ多光子イオン化し、これによって生じる
電流を測定することにより、被測定溶液中のダイオキシ
ン類濃度を測定することを特徴とする。
【0007】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レー
ザ光であることを特徴とする。
て、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レー
ザ光であることを特徴とする。
【0008】[請求項3]の発明は、請求項1又は2に
おいて、上記レーザ光が300nm以下の波長のレーザ
光を照射することを特徴とする。
おいて、上記レーザ光が300nm以下の波長のレーザ
光を照射することを特徴とする。
【0009】[請求項4]のダイオキシン類分析装置の
発明は、容器内の被測定溶液の表面にレーザ光を照射す
るレーザ装置と、上記容器内の被測定溶液の表面に対向
して設けられた対電極と、該対電極と容器との間に高圧
を印加する高圧電源と、上記容器から得られた電流信号
を増幅し、処理する処理装置とを具備してなることを特
徴とする。
発明は、容器内の被測定溶液の表面にレーザ光を照射す
るレーザ装置と、上記容器内の被測定溶液の表面に対向
して設けられた対電極と、該対電極と容器との間に高圧
を印加する高圧電源と、上記容器から得られた電流信号
を増幅し、処理する処理装置とを具備してなることを特
徴とする。
【0010】[請求項5]の発明は、請求項4におい
て、被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入射角度が
15度以下であることを特徴とする。
て、被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入射角度が
15度以下であることを特徴とする。
【0011】[請求項6]の発明は、請求項4におい
て、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レー
ザ光であることを特徴とする。
て、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レー
ザ光であることを特徴とする。
【0012】[請求項7]の発明は、請求項4におい
て、上記レーザ光の波長が240〜300nmの範囲の
いずれかの固定波長であることを特徴とする。
て、上記レーザ光の波長が240〜300nmの範囲の
いずれかの固定波長であることを特徴とする。
【0013】[請求項8]の排水処理システムの発明
は、排水中の難分解物質を分解処理する排水処理システ
ムにおいて、排水中のダイオキシン類の濃度を計測可能
な請求項4乃至7のいずれか一項のダイオキシン類分析
装置を具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出
し、検出したダイオキシン類濃度に応じてヒドロキシラ
ジカルの存在の下で、該排水中のダイオキシン類を分解
処理することを特徴とする。
は、排水中の難分解物質を分解処理する排水処理システ
ムにおいて、排水中のダイオキシン類の濃度を計測可能
な請求項4乃至7のいずれか一項のダイオキシン類分析
装置を具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出
し、検出したダイオキシン類濃度に応じてヒドロキシラ
ジカルの存在の下で、該排水中のダイオキシン類を分解
処理することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】本実施の形態にかかるダイオキシン類分析
装置10は、容器11内の被測定溶液12の表面にレー
ザ光13を照射するレーザ装置14と、上記容器11内
の被測定溶液12の表面に対向して設けられた対電極1
5と、該対電極15と容器との間に高圧を印加する高圧
電源16と、得られた電流信号を増幅する増幅器17a
と、該増幅器のアナログ信号をディジタル信号に変換す
るA/D変換器17bと、信号を映像処理するモニタ1
7cとからなるデータ処理手段17とを具備してなるも
のであり、この装置10を用いて、被測定溶液12の表
面にレーザ光13を照射し、表面のダイオキシン類をレ
ーザ多光子イオン化し、被測定溶液中のダイオキシン類
濃度を測定するものである。本発明によれば、排水中の
ダイオキシン類濃度をpg/リットル単位の低濃度まで
検出ができる。よって、従来の排水中のダイオキシン類
濃度を測定する場合の抽出法のような72時間程度の分
析時間を要することなく、迅速に排水中のダイオキシン
類の濃度を分析することができる。
装置10は、容器11内の被測定溶液12の表面にレー
ザ光13を照射するレーザ装置14と、上記容器11内
の被測定溶液12の表面に対向して設けられた対電極1
5と、該対電極15と容器との間に高圧を印加する高圧
電源16と、得られた電流信号を増幅する増幅器17a
と、該増幅器のアナログ信号をディジタル信号に変換す
るA/D変換器17bと、信号を映像処理するモニタ1
7cとからなるデータ処理手段17とを具備してなるも
のであり、この装置10を用いて、被測定溶液12の表
面にレーザ光13を照射し、表面のダイオキシン類をレ
ーザ多光子イオン化し、被測定溶液中のダイオキシン類
濃度を測定するものである。本発明によれば、排水中の
ダイオキシン類濃度をpg/リットル単位の低濃度まで
検出ができる。よって、従来の排水中のダイオキシン類
濃度を測定する場合の抽出法のような72時間程度の分
析時間を要することなく、迅速に排水中のダイオキシン
類の濃度を分析することができる。
【0016】被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入
射角度(α)が15度以下であることが好ましい。これ
は、レーザ光の入射角度(α)が15度以下であるとレ
ーザ光の大部分は反射され、被測定溶液12内内部に入
っていかないため、イオン化は液表面でのみ優先的に起
こるからである。なお、本測定によれば液表面のダイオ
キシン類分析を行うので、液内部のダイオキシン類の濃
度を直接測定するものではない。
射角度(α)が15度以下であることが好ましい。これ
は、レーザ光の入射角度(α)が15度以下であるとレ
ーザ光の大部分は反射され、被測定溶液12内内部に入
っていかないため、イオン化は液表面でのみ優先的に起
こるからである。なお、本測定によれば液表面のダイオ
キシン類分析を行うので、液内部のダイオキシン類の濃
度を直接測定するものではない。
【0017】しかしながら、溶液中のダイオキシン類の
濃度を段階的に変化させた試料において良好な検量線が
作成できることから、溶液表面におけるイオン化におい
ても濃度定量ができると判断できる。溶液内部でイオン
化を行った場合、溶媒である水の影響を受けやすくなる
という問題点もある。本発明のように、表面近傍におけ
るイオン化法であっても、後述する排水処理システムに
おけるダイオキシン類分解装置のヒドロキシラジカル発
生量の増減の調整が可能となるので、十分である。
濃度を段階的に変化させた試料において良好な検量線が
作成できることから、溶液表面におけるイオン化におい
ても濃度定量ができると判断できる。溶液内部でイオン
化を行った場合、溶媒である水の影響を受けやすくなる
という問題点もある。本発明のように、表面近傍におけ
るイオン化法であっても、後述する排水処理システムに
おけるダイオキシン類分解装置のヒドロキシラジカル発
生量の増減の調整が可能となるので、十分である。
【0018】上記レーザ光はナノ秒(10-9秒)、又は
数百フェムト秒(10-13 秒)のパルスレーザ光である
ことが好ましい。
数百フェムト秒(10-13 秒)のパルスレーザ光である
ことが好ましい。
【0019】上記レーザ光の波長は240〜300nm
の範囲のいずれかの固定波長とすればよい。
の範囲のいずれかの固定波長とすればよい。
【0020】この装置を用いた排水中の難分解物質を分
解処理する排水処理システムの一例について説明する。
解処理する排水処理システムの一例について説明する。
【0021】本実施の形態にかかる排水処理システム
は、図2に示すように、上述した図1に示す排水中のダ
イオキシン類の濃度を計測可能なダイオキシン類分析装
置10と、紫外線(UV)を照射する紫外線ランプ20
とオゾン含有ガス21を導入し、ヒドロキシラジカル
(・OHラジカル)を発生させるダイオキシン類分解装
置22と、凝集槽23とフロック形成槽24と凝集沈殿
槽25とを備えた凝集沈殿処理設備26とからなるもの
である。
は、図2に示すように、上述した図1に示す排水中のダ
イオキシン類の濃度を計測可能なダイオキシン類分析装
置10と、紫外線(UV)を照射する紫外線ランプ20
とオゾン含有ガス21を導入し、ヒドロキシラジカル
(・OHラジカル)を発生させるダイオキシン類分解装
置22と、凝集槽23とフロック形成槽24と凝集沈殿
槽25とを備えた凝集沈殿処理設備26とからなるもの
である。
【0022】このシステムによれば、ダイオキシン類分
析装置10において、ダイオキシン類濃度を時間遅れな
く検出し、該検出したダイオキシン類濃度に応じてヒド
ロキシラジカルの発生量を調整して、ダイオキシン類の
有害物質を含有した排水(原水)27中のダイオキシン
類をダイオキシン類分解装置22により分解処理し、そ
の後懸濁物を凝集沈殿処理設備26において凝集沈殿さ
せて、凝集スラッジ28を分離させて浄化し、処理水2
9としている。これにより、現状の原水27のダイオキ
シン類等の有害物質の含有量の状況に応じて、ダイオキ
シン類の分解能力を調整することができ、効率的な原水
の分解が可能となる。よって、例えば原水27中のダイ
オキシン類濃度が一定値(例えば20〜30pg/リッ
トル)を超えたらオゾン含有ガス及び過酸化水素を供給
して、ダイオキシン類の分解処理を開始するようにする
ことができる。なお、上記規定値は限定されるものでは
なく、排出規制に応じて変更すればよい。この結果、従
来のような排水処理に常にダイオキシン類分解用のヒド
ロキシラジカルを発生させる必要がなくなり、処理シス
テムの処理効率及び処理設備の省力化を図ることができ
る。
析装置10において、ダイオキシン類濃度を時間遅れな
く検出し、該検出したダイオキシン類濃度に応じてヒド
ロキシラジカルの発生量を調整して、ダイオキシン類の
有害物質を含有した排水(原水)27中のダイオキシン
類をダイオキシン類分解装置22により分解処理し、そ
の後懸濁物を凝集沈殿処理設備26において凝集沈殿さ
せて、凝集スラッジ28を分離させて浄化し、処理水2
9としている。これにより、現状の原水27のダイオキ
シン類等の有害物質の含有量の状況に応じて、ダイオキ
シン類の分解能力を調整することができ、効率的な原水
の分解が可能となる。よって、例えば原水27中のダイ
オキシン類濃度が一定値(例えば20〜30pg/リッ
トル)を超えたらオゾン含有ガス及び過酸化水素を供給
して、ダイオキシン類の分解処理を開始するようにする
ことができる。なお、上記規定値は限定されるものでは
なく、排出規制に応じて変更すればよい。この結果、従
来のような排水処理に常にダイオキシン類分解用のヒド
ロキシラジカルを発生させる必要がなくなり、処理シス
テムの処理効率及び処理設備の省力化を図ることができ
る。
【0023】上記凝集沈殿設備23は、凝集剤31及び
アルカリ(NaOH等)32の添加により原水27中の
固形物やコロイドを、凝集沈殿槽25において凝集沈降
させて除去するものである。上記アルカリを添加するの
は、上記凝集反応でPHが低下するのでこれを調整する
ためである。また、要求される処理水質によっては、凝
集沈殿処理の後にさらに砂濾過手段、活性炭吸着手段な
どが適宜付加される。
アルカリ(NaOH等)32の添加により原水27中の
固形物やコロイドを、凝集沈殿槽25において凝集沈降
させて除去するものである。上記アルカリを添加するの
は、上記凝集反応でPHが低下するのでこれを調整する
ためである。また、要求される処理水質によっては、凝
集沈殿処理の後にさらに砂濾過手段、活性炭吸着手段な
どが適宜付加される。
【0024】ここで、上記専用のダイオキシン分解装置
22としては、過酸化水素水(H2O2 )とオゾンとの
併用により、ヒドロキシラジカル(・OHラジカル)を
発生させて、ヒドロキシラジカルによりダイオキシンを
ほぼ完全に分解無害化する分解法が採用されている。
22としては、過酸化水素水(H2O2 )とオゾンとの
併用により、ヒドロキシラジカル(・OHラジカル)を
発生させて、ヒドロキシラジカルによりダイオキシンを
ほぼ完全に分解無害化する分解法が採用されている。
【0025】ここで、本実施の形態では、ヒドロキシラ
ジカル発生手段とは、過酸化水素水(H2 O2 )とオゾ
ンとの併用によるものを例示したが、それ以外には、例
えばオゾンに紫外線ランプにより紫外線を照射する方
法、オゾンと過酸化水素とを併用し、紫外線ランプに
より紫外線を照射する方法、過酸化水素に紫外線ラン
プにより紫外線を照射する方法等を挙げることができ
る。前記のオゾンに紫外線ランプ(例えば、低圧水銀
ランプ:出力10〜200W)により紫外線を照射する
方法は、波長185nm,254nmの紫外線をオゾン
(オゾン濃度10g/m3 以上)に照射することでヒド
ロキシラジカルを発生するものである。前記のオゾン
と過酸化水素とを併用する方法は、過酸化水素の注入量
を10〜5000mg/リットルとし、オゾンの注入量
を50〜5000mg/リットルとし、これに紫外線ラ
ンプにより紫外線を照射して、ヒドロキシラジカルを発
生するものである。前記の過酸化水素に紫外線ランプ
により紫外線を照射する方法は、過酸化水素の注入量を
10〜5000mg/リットルとし、前記紫外線ランプ
により紫外線を照射することによりヒドロキシラジカル
を発生するものである。
ジカル発生手段とは、過酸化水素水(H2 O2 )とオゾ
ンとの併用によるものを例示したが、それ以外には、例
えばオゾンに紫外線ランプにより紫外線を照射する方
法、オゾンと過酸化水素とを併用し、紫外線ランプに
より紫外線を照射する方法、過酸化水素に紫外線ラン
プにより紫外線を照射する方法等を挙げることができ
る。前記のオゾンに紫外線ランプ(例えば、低圧水銀
ランプ:出力10〜200W)により紫外線を照射する
方法は、波長185nm,254nmの紫外線をオゾン
(オゾン濃度10g/m3 以上)に照射することでヒド
ロキシラジカルを発生するものである。前記のオゾン
と過酸化水素とを併用する方法は、過酸化水素の注入量
を10〜5000mg/リットルとし、オゾンの注入量
を50〜5000mg/リットルとし、これに紫外線ラ
ンプにより紫外線を照射して、ヒドロキシラジカルを発
生するものである。前記の過酸化水素に紫外線ランプ
により紫外線を照射する方法は、過酸化水素の注入量を
10〜5000mg/リットルとし、前記紫外線ランプ
により紫外線を照射することによりヒドロキシラジカル
を発生するものである。
【0026】また、凝集沈殿設備26にダイオキシン類
分解装置を組み込んだ一体型として、コンパクト化を図
るようにしてもよい。
分解装置を組み込んだ一体型として、コンパクト化を図
るようにしてもよい。
【0027】ここで、分解処理する前記ダイオキシン類
とは、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCD
Ds)及びポリ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)の
総称であり、塩素系化合物とある種の有機塩素化合物の
燃焼時に微量発生するといわれ、化学的に無色の結晶で
ある。塩素の数によって一塩化物から八塩化物まであ
り、異性体にはPCDDsで75種類、PCDFsで1
35種類におよび、これらのうち、特に四塩化ジベンゾ
−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最も強い毒性を
有するものとして知られている。なお、有害な塩素化芳
香族化合物としては、ダイオキシン類の他にその前駆体
となる種々の有機塩素化合物(例えば、フェノール,ベ
ンゼン等の芳香族化合物(例えばクロルベンゼン類,ク
ロロフェノール及びクロロトルエン等)、塩素化アルキ
ル化合物等)が含まれており、処理水として放流するに
は排水中から除去する必要がある。
とは、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCD
Ds)及びポリ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)の
総称であり、塩素系化合物とある種の有機塩素化合物の
燃焼時に微量発生するといわれ、化学的に無色の結晶で
ある。塩素の数によって一塩化物から八塩化物まであ
り、異性体にはPCDDsで75種類、PCDFsで1
35種類におよび、これらのうち、特に四塩化ジベンゾ
−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最も強い毒性を
有するものとして知られている。なお、有害な塩素化芳
香族化合物としては、ダイオキシン類の他にその前駆体
となる種々の有機塩素化合物(例えば、フェノール,ベ
ンゼン等の芳香族化合物(例えばクロルベンゼン類,ク
ロロフェノール及びクロロトルエン等)、塩素化アルキ
ル化合物等)が含まれており、処理水として放流するに
は排水中から除去する必要がある。
【0028】また、PCB類(ポリ塩化ビフェニル類)
はビフェニルに塩素原子が数個付加した化合物の総称で
あり、塩素の置換数、置換位置により異性体があるが、
2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェ
ニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的な
ものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシ
ン類が発生するおそれがあるものとして知られており、
処理水として放流するには排水中から除去する必要があ
る。
はビフェニルに塩素原子が数個付加した化合物の総称で
あり、塩素の置換数、置換位置により異性体があるが、
2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェ
ニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的な
ものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシ
ン類が発生するおそれがあるものとして知られており、
処理水として放流するには排水中から除去する必要があ
る。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の[請求項
1]の発明によれば、被測定溶液の表面にレーザ光を照
射し、表面のダイオキシン類をレーザ多光子イオン化す
ることで、従来法のようなダイオキシン類分析に時間を
要することなく、被測定溶液中のダイオキシン類濃度を
迅速に測定することができる。
1]の発明によれば、被測定溶液の表面にレーザ光を照
射し、表面のダイオキシン類をレーザ多光子イオン化す
ることで、従来法のようなダイオキシン類分析に時間を
要することなく、被測定溶液中のダイオキシン類濃度を
迅速に測定することができる。
【0030】[請求項2]の発明によれば、請求項1に
おいて、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒
レーザ光であるので、ダイオキシン類を選択的又は同族
体を一括的に分析ができる。
おいて、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒
レーザ光であるので、ダイオキシン類を選択的又は同族
体を一括的に分析ができる。
【0031】[請求項3]の発明によれば、請求項1又
は2において、上記レーザ光が300nm以下の波長の
レーザ光を照射するので、溶媒である水分子をイオン化
させずに、ダイオキシン類分子を選択的にイオン化する
ことができ、排水中のダイオキシン類をpg/リットル
の濃度まで検出ができる。
は2において、上記レーザ光が300nm以下の波長の
レーザ光を照射するので、溶媒である水分子をイオン化
させずに、ダイオキシン類分子を選択的にイオン化する
ことができ、排水中のダイオキシン類をpg/リットル
の濃度まで検出ができる。
【0032】[請求項4]のダイオキシン類分析装置の
発明によれば、容器内の被測定溶液の表面にレーザ光を
照射するレーザ装置と、上記容器内の被測定溶液の表面
に対向して設けられた対電極と、該対電極と容器との間
に高圧を印加する高圧電源と、上記容器から得られた電
流信号を増幅し、処理する処理装置とを具備してなるの
で、被測定溶液中のダイオキシン類濃度を迅速に測定す
ることができる。
発明によれば、容器内の被測定溶液の表面にレーザ光を
照射するレーザ装置と、上記容器内の被測定溶液の表面
に対向して設けられた対電極と、該対電極と容器との間
に高圧を印加する高圧電源と、上記容器から得られた電
流信号を増幅し、処理する処理装置とを具備してなるの
で、被測定溶液中のダイオキシン類濃度を迅速に測定す
ることができる。
【0033】[請求項5]の発明によれば、請求項4に
おいて、被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入射角
度が15度以下であるので、表面のダイオキシン類をイ
オン化することができる。
おいて、被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入射角
度が15度以下であるので、表面のダイオキシン類をイ
オン化することができる。
【0034】[請求項6]の発明によれば、請求項4に
おいて、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒
レーザ光であるので、ダイオキシン類を選択的又は同族
体を一括的に分析ができる。
おいて、上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒
レーザ光であるので、ダイオキシン類を選択的又は同族
体を一括的に分析ができる。
【0035】[請求項7]の発明によれば、請求項4に
おいて、上記レーザ光の波長が240〜300nmの範
囲のいずれかの固定波長であるので、溶媒である水分子
をイオン化させずに、ダイオキシン類分子を選択的にイ
オン化することができ、排水中のダイオキシン類をpg
/リットルの濃度まで検出ができる。
おいて、上記レーザ光の波長が240〜300nmの範
囲のいずれかの固定波長であるので、溶媒である水分子
をイオン化させずに、ダイオキシン類分子を選択的にイ
オン化することができ、排水中のダイオキシン類をpg
/リットルの濃度まで検出ができる。
【0036】[請求項8]の排水処理システムの発明に
よれば、排水中の難分解物質を分解処理する排水処理シ
ステムにおいて、排水中のダイオキシン類の濃度を計測
可能な請求項4乃至7のいずれか一項のダイオキシン類
分析装置を具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく
検出し、検出したダイオキシン類濃度に応じてヒドロキ
シラジカルの存在の下で、該排水中のダイオキシン類を
分解処理するので、現状の原水のダイオキシン類等の有
害物質の含有量の状況に応じて、ダイオキシン類の分解
能力を調整することができ、効率的な原水の分解が可能
となる。
よれば、排水中の難分解物質を分解処理する排水処理シ
ステムにおいて、排水中のダイオキシン類の濃度を計測
可能な請求項4乃至7のいずれか一項のダイオキシン類
分析装置を具備し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく
検出し、検出したダイオキシン類濃度に応じてヒドロキ
シラジカルの存在の下で、該排水中のダイオキシン類を
分解処理するので、現状の原水のダイオキシン類等の有
害物質の含有量の状況に応じて、ダイオキシン類の分解
能力を調整することができ、効率的な原水の分解が可能
となる。
【図1】本実施の形態にかかるダイオキシン類分析装置
の概略図である。
の概略図である。
【図2】排水中の難分解物質を分解処理する排水処理シ
ステムの概略図である。
ステムの概略図である。
10 ダイオキシン類分析装置 11 容器 12 被測定溶液 13 レーザ光 14 対電極 16 高圧電源 17a 増幅器 17b A/D変換器 17cモニタ 17 データ処理手段 20 紫外線ランプ 21 オゾン含有ガス 22 ダイオキシン類分解装置 23 凝集槽 24 フロック形成槽 25 凝集沈殿槽 26 凝集沈殿処理設備 27 有害物質を含有した排水(原水) 28 凝集スラッジ 29 処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/62 - 27/70 JICSTファイル(JOIS)
Claims (8)
- 【請求項1】 被測定溶液の表面にレーザ光を照射し、
表面のダイオキシン類をレーザ多光子イオン化し、これ
によって生じる電流を測定することにより、被測定溶液
中のダイオキシン類濃度を測定することを特徴とするダ
イオキシン類分析方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レーザ光
であることを特徴とするダイオキシン類分析方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記レーザ光が300nm以下の波長のレーザ光を照射
することを特徴とするダイオキシン類分析方法。 - 【請求項4】 容器内の被測定溶液の表面にレーザ光を
照射するレーザ装置と、 上記容器内の被測定溶液の表面に対向して設けられた対
電極と、 該対電極と容器との間に高圧を印加する高圧電源と、 上記容器から得られた電流信号を増幅し、処理する処理
装置とを具備してなることを特徴とするダイオキシン類
分析装置。 - 【請求項5】 請求項4において、 被測定溶液の表面に照射するレーザ光の入射角度が15
度以下であることを特徴とするダイオキシン類分析装
置。 - 【請求項6】 請求項4において、 上記レーザ光がナノ秒レーザ光又はフェムト秒レーザ光
であることを特徴とするダイオキシン類分析装置。 - 【請求項7】 請求項4において、 上記レーザ光の波長が240〜300nmの範囲のいず
れかの固定波長であることを特徴とするダイオキシン類
分析装置。 - 【請求項8】 排水中の難分解物質を分解処理する排水
処理システムにおいて、 排水中のダイオキシン類の濃度を計測可能な請求項4乃
至7のいずれか一項のダイオキシン類分析装置を具備
し、ダイオキシン類濃度を時間遅れなく検出し、検出し
たダイオキシン類濃度に応じてヒドロキシラジカルの存
在の下で、該排水中のダイオキシン類を分解処理するこ
とを特徴とする排水処理システム。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32644499A JP3342453B2 (ja) | 1999-11-17 | 1999-11-17 | ダイオキシン類分析方法及び装置 |
SG200006031A SG99872A1 (en) | 1999-10-26 | 2000-10-20 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
TW089122351A TW488118B (en) | 1999-10-26 | 2000-10-24 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
KR1020000062562A KR20010060199A (ko) | 1999-10-26 | 2000-10-24 | 다이옥신의 레이저 분석방법 및 장치 |
EP00122356A EP1096546A2 (en) | 1999-10-26 | 2000-10-24 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
AU66696/00A AU757797B2 (en) | 1999-10-26 | 2000-10-25 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
RU2000126852/28A RU2205384C2 (ru) | 1999-10-26 | 2000-10-25 | Способ и устройство для лазерного анализа диоксинов |
CA002324552A CA2324552A1 (en) | 1999-10-26 | 2000-10-26 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
CN00133376A CN1294300A (zh) | 1999-10-26 | 2000-10-26 | 二氧芑的激光分析方法及装置 |
US09/696,005 US6573493B1 (en) | 1999-10-26 | 2000-10-26 | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32644499A JP3342453B2 (ja) | 1999-11-17 | 1999-11-17 | ダイオキシン類分析方法及び装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002182630A Division JP3632015B2 (ja) | 2002-06-24 | 2002-06-24 | ダイオキシン類分析方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001141697A JP2001141697A (ja) | 2001-05-25 |
JP3342453B2 true JP3342453B2 (ja) | 2002-11-11 |
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Family Applications (1)
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JP32644499A Expired - Fee Related JP3342453B2 (ja) | 1999-10-26 | 1999-11-17 | ダイオキシン類分析方法及び装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3342453B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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SG99872A1 (en) * | 1999-10-26 | 2003-11-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Method and apparatus for laser analysis of dioxins |
-
1999
- 1999-11-17 JP JP32644499A patent/JP3342453B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001141697A (ja) | 2001-05-25 |
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