JP3396482B2 - 酸性希土類イオン含有清浄化溶液での金属処理 - Google Patents

酸性希土類イオン含有清浄化溶液での金属処理

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 この発明は、金属表面の処理方法及びそのような方法
に用いる処理溶液に関する。この発明の方法は、この発
明により処理された金属表面にも関する。この方法は、
金属表面の前処理における如き、金属表面を清浄にする
のに特に有用である。そのような前処理適用で、この方
法は、塗装、コンバージョンコーティング、陽極酸化法
又はめっきによるコーティングの適用の如き更なる表面
処理の前に、均一で化学的に活性な表面を与えることが
できる。
発明の背景 金属表面の前処理を扱うテクノロジーでは、清浄で均
一な金属表面は、その処理方法の全体的な有効性に決定
的であることが多い。特に、均一で化学的に活性な金属
表面は、塗膜、パウダーコーティング、ポリマーコーテ
ィング及びコンバージョンコーティングの如き適用した
コーティングの接着性にとって非常に重要である。
表面不純物及び/又は汚染物はその金属の機械的研磨
によりうまく除去することができるが、機械的研磨は労
力が嵩むので非経済的である。また、表面に過剰な点蝕
や他の損傷が生じることもあり得る。従って、一般に化
学的な清浄化が好まれる。
金属表面を化学的に清浄にする一般的な手段の1つ
は、アルカリを基剤とする溶液での処理によるものであ
る。かかる溶液は、その金属の表面から酸化物の如き汚
染物又は不純物を溶かしはするが、表面の酸化物及び/
又は金属を蝕刻することもあり得る。その結果、しばし
ばその金属の表面上にシミが残るので、それを除去する
ために更なる金属の処理が必要となる。ここで用いる場
合“シミ”という用語は、不純物、酸化物、及びアルカ
リ処理の結果としてもはやその合金の母材中に組み込ま
れない緩く結合したあらゆる金属間化合粒子を包含させ
ようとするものである。
伝統的に、アルカリ処理後に残ったシミの除去は、有
効量の適切な添加物を有する酸性溶液により行われてき
た。これら“脱シミ”又は“脱酸化”溶液は、金属表面
からシミを除去し、好ましくは金属表面を蝕刻して酸化
物スケールを除去し、後の何らかの処理のために実質的
に均質な表面を残す。かかる先行の脱シミ溶液の多くは
クロムイオンを含有する。クロム含有脱シミ溶液の使用
は特に広く行われているが、金属コンバージョンコーテ
ィングの分野に制限されない。“コンバージョンコーテ
ィング”という用語は、当該技術分野の周知の用語であ
って、化学フィルムの制御された化学的形成により、金
属表面上の元からある酸化物を置き換えることを意味し
ている。酸化物又はリン酸塩が、一般的なコンバージョ
ンコーティングである。コンバージョンコーティング
は、アルミニウム、スチール、亜鉛、カドミウム又はマ
グネシウム及びそれらの合金の如き金属上に用いられ、
その支持体金属の塗料接着及び/又は腐蝕防止のための
鍵を提供する。従って、コンバージョンコーティング
は、航空宇宙産業、建築及び建造物産業の如き分野に用
途がある。
しかしながら、近年、6価クロムイオン、つまりCR6+
が甚だしく環境的及び健康的に危険であることが認めら
れた。このため、幾つかの工業的プロセスで用いられる
Cr6+の量に関して厳しい制限が課せられ、環境へのそれ
の放出に課せられた制限がコストのかかる廃液処理をも
たらしている。
金属表面を効果的に清浄にするものの先行技術と同じ
環境的及び健康的リスクのない別の金属処理溶液の必要
性が明らかに存在する。
従って、本発明の目的は、先行技術に関連する1又は
2以上の困難点及び/又は不足点を克服するか又は少な
くとも軽減することである。
発明の要旨 従って、本発明は、金属表面を清浄化する方法であっ
て、 (a)前記金属表面をアルカリ性清浄化溶液と接触させ
て、汚れ及びグリースの如き汚染物を除去する工程;及
び (b)前記金属表面を酸性希土類イオン含有溶液と接触
させることによって、工程(a)により前記金属表面上
に形成されたシミを除去する工程 を含む方法を提供する。
本発明は、上で定義した方法の工程(b)で用いるた
めの、1又は2以上の希土類イオンを含む酸性希土類イ
オン含有清浄化溶液であって、そのpH及び溶液中におけ
る希土類イオンの濃度がそれより先にアルカリ性清浄化
溶液と接触させた金属表面からシミを除去するのに有効
である溶液も提供する。
本発明の処理方法の工程(a)及び(b)は、塗料又
はコーティングの適用の如き後の仕上げ処理に先立つ金
属表面の前処理として用いることができる。特に、金属
表面に希土類元素を基剤とするコンバージョンコーティ
ングの如き、コンバージョンコーティングを適用する前
の金属表面の前処理として有用である。
かかるコンバージョンコーティング方法の1つは、オ
ーストラリア特許明細書AU−A−14858/88に記載されて
いる。なお、この特許は参照によりここに組み入れられ
るものとする。このコンバージョンコーティング法は、
金属表面を、セリウムカチオン及びH2O2を含有する水性
酸性溶液であって一部又は全てのセリウムカチオンが+
4の原子価状態に酸化されている溶液により形成された
溶液と接触させることを含む。金属表面の近辺でのガス
発生が、その金属表面上にセリウム含有コーティングを
析出させるのに十分高い値にまで溶液pHを上昇させる。
従って、本発明は、更に、金属の表面上に希土類元素
含有コーティングを形成する方法であって、 (a)前記金属表面をアルカリ性清浄化溶液と接触させ
て、汚れ、グリース及び酸化物の如き表面汚染物を除去
する工程; (b)前記金属表面を酸性希土類イオン含有清浄化溶液
と接触させることによって、工程(a)の間に前記金属
表面上に形成されたシミを除去する工程;及び (c)該金属表面を1よりも大きな原子価状態を有する
ことができる希土類カチオンを含む酸性希土類イオン含
有コーティング溶液と接触させ、該金属表面の近辺での
該酸性溶液のpHを該希土類元素の1又は2以上の化合物
を析出させるのに十分な値まで上昇させ、それによって
該金属表面上のコーティング中に該希土類元素の化合物
を析出させる工程 を含む方法を提供する。
本発明の工程(a)及び(b)による金属表面の前処
理は、何ら前処理に付していないか又は代わりにクロム
酸塩を基剤とする清浄化溶液で前処理した金属表面に適
用された希土類元素を基剤とするコーティングの特性に
比較して、向上した耐蝕性及び/又は少なくとも類似の
接着性を、後に適用されるコーティングにもたらす。ま
た、この希土類前処理は、Crを基剤とする脱酸化物溶液
の如き他の金属前処理に比較して、希土類元素を基剤と
するコーティングを堆積させるために後で必要となる時
間をより短くする。更には、用いる溶液中にCr6+が存在
しないことで、健康及び環境へのリスクが有意に減少す
る。
アルカリ性清浄化溶液と接触させる工程の前に、金属
表面をトリクロロエタン又はBRULINの商品名で入手可能
な水性脱グリース溶液の如き脱グリース組成物と接触さ
せる脱グリース工程を行ってもよい。脱グリース工程
は、例えば、金属をラノリン若しくは他のオイル若しく
はグリースで又はプラスチックコーティングで予めコー
トした場合に必要であり得る。
アルカリ性清浄化溶液は、好ましくは“非蝕刻性”溶
液、即ち、金属表面からの物質の蝕刻の速度が遅い溶液
である。適するアルカリ性清浄化溶液は、商品名RIDOLI
NE 53で商業的に入手可能な溶液である。
アルカリ性清浄化溶液での処理は、80℃まで、好まし
くは70℃までというように、好ましくはの如き高温で行
われる。
好ましくは、上の工程(a)から(c)までのぞれぞ
れの間に金属表面を水で濯ぎ洗いする。
工程(b)の酸性希土類イオン含有清浄化溶液での処
理は、工程(a)の後に金属表面上に残ったシミを除去
するようにデザインされる。この酸性希土類イオン含有
溶液は、好ましくは、鉱酸溶液中に溶かした少なくとも
1種の希土類化合物を含む。この鉱酸は、硫酸であって
も硝酸であっても硫酸と硝酸の如き鉱酸の混合物であっ
てもよい。しかしながら、好ましくは、この鉱酸は硫酸
である。この希土類イオン溶液は、金属表面上のシミの
除去を助けるのに十分な酸性でなければならない。殆ど
の場合、これには1未満、好ましくは0.5未満のpHを必
要とするであろう。
好ましくは、酸性希土類イオン含有清浄化溶液中の希
土類イオンは、1を越える高原子価状態を有するべきで
ある。“高原子価状態”によりゼロ価を上回る原子価状
態が意味される。シミ除去の特定の1つのメカニズムに
限定されることを望むものではないが、希土類イオンの
多原子価状態が、該希土類イオンが表面不純物を酸化し
てそれらをイオンとして溶液中に除去するのを可能にす
るレドックス機能を付与していると考えられる。かかる
希土類イオンには、セリウム、プラセオジム、ネオジ
ム、サマリウム、ユウロピウム、テルビウム及びイッテ
ルビウムイオンが含まれる。好ましい希土類イオンは、
セリウムイオン及び/又は希土類イオンの混合物であ
る。好ましくは、希土類化合物は水酸化セリウム(I
V)、硫酸セリウム(IV)、又は硫酸セリウム(IV)ア
ンモニウムであり、鉱酸は好ましくは硫酸である。
希土類化合物は、本清浄化溶液中に有効量存在し、そ
の希土類化合物の飽和までの濃度で溶液中に存在するこ
とができる。本明細書全体を通して、溶液中の希土類イ
オンの濃度の値は、主として、溶液1リッター当たりの
セリウムの当量グラム数として表される。本酸性希土類
イオン含有清浄化溶液は、鉱酸溶液1リッター当たり0.
001グラム以上の希土類イオンを有することができる。
幾つかの適用では、希土類イオンは10ppm又はそれを上
回ってもよい。更に、本清浄化溶液は、リッター当たり
0.014グラム以上というように、0.01グラム以上を有し
てもよい。しかしながら、本発明の殆どの適用について
は、本清浄化溶液は、0.7g/L(0.005M)又はそれより高
濃度というように、少なくとも0.1g/Lの濃度の希土類イ
オンを有する。しかしながら、本清浄化溶液中の希土類
イオンの最小濃度は7.0g/L(0.05M)であるので、少な
くとも10g/Lの濃度が適切である。本清浄化溶液中の希
土類イオンの上限濃度は、普通には1リッター当たり約
100グラムであるが、幾つかの態様では、その濃度は140
g/L(1M)もの高さであってもよい。しかしながら、か
かる高濃度ではコスト面での恩恵が殆どないかも知れな
い。通常、80g/L又はそれを下回る濃度がより適切であ
る。前記溶液1リッター当たり好ましくは70グラム未
満、より好ましくは50グラム未満の希土類イオンが存在
する。好ましくは、希土類イオンの量は、溶液1リッタ
ー当たり30グラムを越えない。この濃度は、20グラム/
リッター未満であるというように、21グラム/リッター
未満であるのが有利であり得る。幾つかの適用に適する
濃度は、16グラム/リッター未満というように、18グラ
ム/リッターを下回る。これら適用については、この濃
度が約14グラム/リッター及びそれを下回る濃度という
ように、15グラム/リッターを下回るのが更に好まし
い。
本希土類イオン含有清浄化溶液中の鉱酸の全濃度は、
好ましくは、4モルを下回るというように、5モルを下
回る。しかしながら、より好ましくは、鉱酸は3モルま
での濃度を有する。殆どの適用については、鉱酸濃度は
2.75モルを下回り、幾つかの態様では、それは2.5M又は
それより低い。鉱酸の下限濃度は0.5モルであってもよ
いが、幾つかの条件下では、0.1Mもの低さであってもよ
い。幾つかの態様では、この下限は好ましくは1モルで
ある。好ましい態様においては、鉱酸の適する濃度は、
約2モルまでというような、1.7モルを上回る濃度であ
る。
望ましければ、本清浄化溶液は、場合により、金属表
面の蝕刻の速度を高める1又は2以上の蝕刻加速剤を含
むことができる。本清浄化溶液中に1又は2以上のこれ
ら蝕刻加速剤を含めると、後で適用されるコンバージョ
ンコーティングの堆積の速度を高めることができる。更
には、本清浄化溶液中に1又は2以上のこれら蝕刻加速
剤を含めると、後で適用されるコーティング、特にコン
バージョンコーティングの接着性をより大きくすること
ができる。
蝕刻加速剤は、1又は2以上の次の化学種、つまりハ
ライドイオン、リン酸イオン、硝酸イオン及びチタンイ
オンを含むことができる。ハライドイオンのうち、フッ
素及び/又は塩素イオンが好ましい。
フッ素イオンは、本酸性希土類イオン含有清浄化溶液
にHFの形で添加しても、好ましくは重フッ化アンモニウ
ム(NH4F・HF)若しくは重フッ化カリウム(KF・HF)と
して添加してもよい。F-の好ましい濃度は、約0.2Mまで
というように、0.3M未満である。適する上限濃度は0.15
Mである。F-濃度の下限は0.01Mであってもよい。幾つか
の態様においては、F-濃度の下限は0.015Mである。好ま
しい態様においては、F-の濃度は約0.05Mである。溶液
中のF-の好ましい最大量は、溶液中にHNO3が共存すると
より高い濃度のF-が存在できるので、HNO3が共存するか
どうかによる。
リン酸イオンは、好ましくは本酸性希土類イオン含有
清浄化溶液にH3PO4として添加される。リン酸濃度の好
ましい上限は0.05Mであるが、殆どの適用については0.0
15Mが十分な上限である。リン酸濃度の下限は約0.001M
であってもよい。しかしながら、好ましくは、リン酸イ
オンは、本清浄化溶液中に約0.015Mというように、0.01
M又はそれより高い濃度で存在する。
望ましければ、本清浄化溶液は、好ましくはHNO3の形
で添加される硝酸イオンも含むことができる。HNO3は、
本清浄化溶液中に160g/Lまでの濃度で存在することがで
きる。しかしながら、本発明の幾つかの態様において
は、好ましい濃度は、約80g/L又はそれを下回る。他の
態様においては、硝酸イオンの濃度は、40g/Lというよ
うに、50g/L未満である。なおも他の態様においては、
上限は約10g/Lである。HNO3濃度の下限は1g/Lであって
もよい。1つの態様においては、HNO3濃度は約3.15g/L
(0.05M)である。
Tiイオン及び/又はClイオンを本清浄化溶液に添加し
ようとする場合は、それらは好ましくはTiCl4として添
加される。Tiイオンの他の供給源は、フルオロチタン酸
(H2TiF6)である。チタンイオンは、1000mg/Lまでで存
在することができる。しかしながら、好ましくは、Tiイ
オンは、溶液中に300ppm(0.3g/L)又はそれを下回る濃
度というように、500ppm(0.5g/L)を下回る濃度で存在
する。幾つかの態様においては、Ti4+濃度の下限は約10
mg/Lであってもよい。好ましい態様においては、Tiイオ
ンの濃度は145ppm(0.145g/L)である。
本希土類イオン含有清浄化溶液が、蝕刻加速剤として
塩素イオンを含む場合には、それらは、好ましくは、0.
006モルまでというように、0.01モルまでの濃度で溶液
中に存在する。塩素イオンをTiCl4の形で添加する場
合、溶液中の塩素イオンの量は、好ましくは、Tiイオン
の好ましい濃度の化学量論的当量、即ちそのモル濃度の
4倍である。
先に説明したように、本希土類イオン含有清浄化溶液
は、好ましくは鉱酸溶液中に溶解した希土類化合物を含
む。本清浄化溶液が、それ自体鉱酸(HF、H3PO4、HNO3
の如きもの)である1又は2以上の蝕刻加速剤を含む場
合には、本清浄化溶液は、2種(又は3種以上)の鉱酸
の混合液中に溶けた希土類化合物を効果的に含む。その
ような溶液においては、鉱酸の全濃度は、好ましくは5
モルより大きくない。
幾つかの状況では、本希土類イオン含有溶液は、シミ
の酸化及び溶液中への除去を補助するために、過酸化物
又は過硫酸塩の如き追加の酸化剤を含有するのが有益で
あり得る。
本希土類イオン含有清浄化溶液は、85℃を下回る温
度、好ましくは80℃を下回る温度というように、100℃
未満の温度で用いられる。幾つかの適用においては、こ
の温度は70℃を下回ってもよく、それら適用について
は、好ましい最大温度は50〜60℃である。本希土類イオ
ン含有清浄化溶液は、好ましくは45℃又はより低い温度
を有し、より好ましくは、その温度は約35℃である。し
かしながら、この溶液は、10〜30℃の如き周囲温度辺り
でも用いることができる。
金属を本酸性希土類イオン含有清浄化溶液で表面のシ
ミを所望の度合いにまで除去するのに十分な時間処理す
る。好ましくは、50分間までというように、1時間未満
の時間で金属を処理する。幾つかの態様においては、30
分間又はそれを下回る時間というように、45分間までの
時間金属を清浄化することができる。他の適用において
は、15分間が最大というように、20分間までの時間金属
を清浄化することができる。下限時間は約1秒間と短く
ても、5分間のようにもっと長くてもよい。また、最小
時間は約10分間であってもよい。
本希土類元素含有清浄化溶液の蝕刻速度は金属又は合
金の組成に従って変動する。一般に、本清浄化溶液の温
度を上げることにより蝕刻速度を高めることができる。
また、先に説明したように、フッ素イオン及び/又はHN
O3の如き添加剤は、本希土類元素含有清浄化溶液による
金属表面の蝕刻の速度を高めることができる。
工程(c)の希土類イオン含有コーティング溶液も、
可変性原子価を有する少なくとも1種の希土類イオンを
含有することができる。やはり、好ましい希土類イオン
は、セリウムイオン及び/又は希土類イオンの混合物で
ある。希土類イオンが、塩化セリウム(III)の如き可
溶性塩の形で溶液中に導入されるのが特に好ましい。し
かしながら、他の適する塩には、硫酸セリウム(IV)又
は硝酸セリウム(III)が含まれる。セリウムがCe3+
チオンとして溶液中に存在するのが更に好ましい。従っ
て、金属表面がコーティング溶液と反応するときに、そ
の金属表面上で起こるpHの上昇が、その金属表面上への
Ce IV化合物の析出を間接的にもたらす。しかしなが
ら、必要なら、セリウムはCe4+として溶液中に存在して
もよい。
希土類イオンは、40g/Lを下回るというように、50g/L
を下回る濃度でコーティング溶液中に存在することがで
きる。好ましくは、希土類イオンは38g/Lまでの濃度で
存在する。より好ましくは、希土類イオン濃度は、5g/L
を下回る、好ましくは4g/Lを下回るというように、10g/
Lを下回る。適する濃度は、3.8g/L及びそれを下回る濃
度である。下限濃度は、0.38g/Lというように、0.038g/
L及びそれを上回る濃度であってもよい。
コーティング溶液は酸化剤を含有することもできる。
酸化剤が存在する場合には、それは好ましくは過酸化水
素の如き強力な酸化体である。それは、商業的に入手で
きる最高濃度(通常、約30容量%)までの濃度で溶液中
に存在することができる。また、H2O2は9容量%の最大
濃度を有してもよい。幾つかの態様においては、H2O2
度は7.5%を下回り、好ましくは6%を下回り、より好
ましくは3%を下回る。H2O2含有量は、1%を下回ると
いうように低いのが有利であり、好ましくは0.9%を下
回る含有量、例えば約0.3%である。H2O2濃度は、0.15
%を上回るというように、好ましくは0.03%を上回る。
コーティング溶液は、その溶液の表面張力を低下させ
て金属表面が濡れるのを容易にさせるために、有効量の
界面活性剤も含むことができる。この界面活性剤は、カ
チオン性であってもアニオン性であってもよい。界面活
性剤を含めると、コーティング溶液の表面張力を減少さ
せることによって、溶液からの“ドラッグアウト”を最
小限にするという点で有益である。“ドラッグアウト”
とは、金属に接着するコーティング溶液の過剰部分のこ
とであって、金属と共に溶液から出て行きそしてその後
に失われる。従って、界面活性剤をコーティング溶液に
加えることによって廃棄物が少なくなってコストが最小
になる。界面活性剤は、0.005%というように、0.01%
までの濃度で溶液中に存在することができる。適する濃
度は、0.0025%までであることができる。
コーティング溶液のpHは酸性であって、3.0を下回る
というように、4を下回ることができ、好ましくは2.8
を下回る。酸化体の添加前に、pHを2.0又はそれを下回
る値というように、2.5を下回る値に調節するのが有利
である。溶液のpHの下限は0.5であってもよく、1.5を上
回るというように、好ましくは約1.0である。
コーティング溶液は、その溶液の沸騰温度を下回る溶
液温度で用いられる。溶液温度は、95℃を下回るという
ように、100℃を下回ってもよく、好ましくは75℃ま
で、より好ましくは50℃までである。下限温度は、好ま
しくは周囲温度である。
金属表面は、コーティング溶液と所望のコーティング
厚を得るのに十分な時間接触させる。適するコーティン
グ厚は、0.8μm未満というように、1μmまで、好ま
しくは0.5μm未満である。好ましくは、コーティング
厚は0.1〜0.2μmである。
清浄化工程及びコーティング工程の後にシール工程を
行ってもよい。好ましくは、コートした金属表面をシー
ル工程の前及び後に濯ぎ洗いする。種々の水性又は非水
性の無機、有機又は混合されたシール溶液の1種での処
理により、希土類コーティングをシールすることができ
る。シール溶液は、希土類コーティング上に表面層を形
成して、その希土類コーティングの耐蝕性を更に高める
ことができる。好ましくは、このコーティングをケイ酸
カリウム溶液の如きケイ酸アルカリ金属溶液によりシー
ルする。用いることができるケイ酸カリウム溶液の例
は、商品名“PQ kasil #2236"で商業的に入手できる溶
液である。また、このアルカリ金属シール溶液は、ケイ
酸ナトリウムとオルトリン酸ナトリウムの混合物の如
き、ナトリウムに基づくものであってもよい。ケイ酸ア
ルカリ金属の濃度は、15%を下回るというように、好ま
しくは20%を下回り、より好ましくは10%又はそれを下
回る。ケイ酸アルカリ金属の下限濃度は、0.01%を上回
るというように、0.001%であってもよく、好ましくは
0.05%を上回る。
シール溶液の温度は、95℃までというように、100℃
までであってもよく、好ましくは90℃まで、より好まし
くは、70℃までというように、85℃を下回る。温度の下
限は、好ましくは、10〜30℃の如き周囲温度である。
コーティングをシール溶液で所望の度合いのシールを
もたらすのに十分な時間処理する。適する時間は、15分
間までというように、30分間までであってもよく、好ま
しくは10分間までであってもよい。最小時間は2分間で
あってもよい。
このケイ酸塩シールは、希土類元素コーティング上に
外層を提供するという効果を有する。
図面の説明 本発明は、添付の図面及び実施例と結び付ければ、以
下の例示的説明からより容易に明らかなものとなろう。
図1は、希土類イオン含有清浄化溶液と接触させたア
ルミニウム合金についての蝕刻速度vs温度を示すグラフ
である。正方形は2024アルミニウム合金を表し、十字形
は6061アルミニウム合金を表し、そして菱形は7075アル
ミニウム合金を表す。
図2は、変化する濃度のHNO3を有する希土類イオン含
有清浄化溶液と接触させたアルミニウム合金についての
蝕刻速度vsHNO3(重量%)を示すグラフである。正方形
は2024アルミニウム合金を表し、十字形は6061アルミニ
ウム合金を表し、そして菱形は7075アルミニウム合金を
表す。
図3は、変化する濃度のF-を有する希土類イオン含有
清浄化溶液と接触させた2024アルミニウム合金について
の蝕刻速度vsフッ素(モル濃度)を示すグラフである。
正方形は21℃の溶液温度を表し、十字形は35℃の温度の
同溶液を表し、そして菱形は0.05M HNO3を含む組成及び
35℃の温度を有する溶液を表す。
図4は、35℃の温度を有する希土類イオン含有清浄化
溶液と接触させた2024アルミニウム合金についての蝕刻
速度vsHNO3(モル濃度)を示すグラフである。
図5は、セリウム含有コンバージョンコーティング中
の元素の深部分布を示すX線光電子分光分析深部曲線
(X−ray photoelectron spectroscopy depthprofil
e)である。パート(a)は主要成分の原子%vsスパッ
ター時間(分)を示し、パート(b)は少量成分の原子
%vsスパッター時間(分)を示し、そしてパート(c)
は全ての化学種(%)vsスパッター時間(分)を示す。
図6は、シールされたセリウム含有コンバージョンコ
ーティングについてのX線光電子分光分析深部曲線であ
る。パート(a)は主要成分の原子%vsスパッター時間
(分)を示し、パート(b)は少量成分の原子%vsスパ
ッター時間(分)を示し、そしてパート(c)は全ての
シグナルの%の合計vsスパッター時間(分)を示す。
好ましい態様の詳細な説明 本発明の1態様においては、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金を次のようにして清浄化及びコンバージョン
コートする。
まず、アルミニウム又はアルミニウム合金をアルカリ
性清浄化溶液中に浸漬する。この工程の前に、トリクロ
ロエタンの如き適当な液体中で脱グリースしてもよい。
しかしながら、新世代水性清浄化溶液の出現で、2工程
法を水性アルカリ性溶液中での1回の浸漬と置き換える
ことができる。しかしながら、この2工程法が1工程法
よりも好ましい。アルカリ清浄化の工程の後、水中で濯
ぎ洗いをする。
次いで、アルミニウム又はその合金を希土類イオンを
含有する酸性溶液での処理により清浄にする。希土類元
素の濃度は、好ましくは約0.1モル濃度である。従っ
て、この溶液は、溶液1リッター当たり21.0gの水酸化
セリウム(IV)又は35gの硫酸セリウム(IV)又は65gの
硫酸セリウム(IV)アンモニウムを含む結果、溶液1リ
ッター当たり約14gのセリウムイオンとなる。
酸性希土類イオン含有清浄化溶液を水酸化セリウム
(IV)と硫酸から作るときは、21gの水酸化セリウム(I
V)を100mlの濃硫酸中に溶かし、そして得られた溶液を
蒸留水で1リッターに希釈するのが好ましい。
希土類イオン含有清浄化溶液に硫酸セリウム(IV)を
用いるときは、35gの硫酸セリウム(IV)を200mlの50v/
v%硫酸中に溶かし、そして得られた溶液を蒸留水で1
リッターに希釈するのが好ましい。
希土類イオン含有清浄化溶液に硫酸セリウム(IV)ア
ンモニウムを用いるときは、65gの硫酸セリウム(IV)
アンモニウムを200mlの50v/v%硫酸中に溶かし、そして
得られた溶液を蒸留水で1リッターに希釈するのが好ま
しい。
次いで、アルミニウム又はその合金を希土類イオン含
有清浄化溶液中に2〜60分間、10〜100℃の如きその溶
液の沸点までの温度で浸漬する。浸漬時間が5分間で浸
漬温度が20℃であるのが好ましい。一般に表面にはシミ
が除去されたことを示す容易に見てとれる輝きがある。
図面の図1は、希土類イオン含有清浄化溶液でのアル
ミニウム合金表面の蝕刻速度の、温度及び合金組成を関
数とする変化を示している。まず、各合金をBRULINで60
℃で10分間脱グリースしてから、希土類清浄化溶液での
処理の前にRIDOLINE溶液と70℃で4分間接触させる。こ
の清浄化溶液は、0.05モル濃度のCeイオン(NH4Ce(I
V)SO4として添加)と0.5モル濃度のH2SO4を含有する。
3種の合金は、銅の含有量が減ってゆく順に、合金202
4、7075及び6061である。分かるように、この清浄化溶
液の所与の温度について、7075アルミニウム合金を蝕刻
する速度が最高で、2024アルミニウム合金、次いで6061
アルミニウム合金と続く。少なくとも図1の幅の条件下
では、清浄化溶液の温度が上昇すると各合金の蝕刻速度
が高くなることも明らかである。周囲温度辺り(例え
ば、21℃)では、清浄化溶液の蝕刻速度は、200μg/m2s
近辺である。
図2は、HNO3を添加した希土類元素含有清浄化溶液の
周囲温度(21℃)での蝕刻速度の、合金組成及びHNO3
濃度を関数とする変化を示している。まず、図1のよう
に、合金を脱グリースしてRIDOLINEで処理する。この希
土類清浄化溶液も、0.1モル濃度のCeイオン(Ce(OH)
の形で添加)と2モル濃度のH2SO4を含有する。図1
と同様に、図2は、これら合金が、HNO3の所与の濃度に
ついて蝕刻速度が上昇してゆく順に、6061、2024及び70
75であることを示している。しかしながら、各合金につ
いて、比較的多くHNO3を添加したものだけが、少なくと
も図2に示した幅の条件下で、蝕刻速度に何らかの顕著
な効果を有している。しかしながら、6061合金について
は、0重量%と1重量%の間の蝕刻速度が明らかに少し
減少している。HNO3が1重量%を上回ると、3種全ての
合金について蝕刻速度が顕著に上昇している。
希土類清浄化溶液にF-を添加すると、図3により示さ
れるように、その清浄化溶液の蝕刻速度はかなり上昇し
ている。図3では、2024アルミニウム合金の蝕刻速度を
フッ素のモル濃度の関数として、21℃の溶液温度(正方
形)、35℃の溶液温度(十字形)及び35℃で0.05M HNO3
を含有する溶液(菱形)についてプロットしている。こ
の清浄化溶液は、0.05モル濃度のCeイオン(硫酸第二セ
リウムアンモニウムとして添加)と0.5モル濃度のH2SO4
だけでなく更にフッ素イオンも含有する。少なくとも図
3に示した条件下では、温度が高くなると蝕刻速度が上
昇する。まず、図1及び2と同じ条件を用いて合金を脱
グリースしてRIDOLINEで処理する。35℃の溶液温度で
は、F-を添加して0.15Mの濃度にすると、蝕刻速度が約1
4,000μg/m2sまで、殆ど2オーダーの大きさになる。し
かしながら、かかる高い蝕刻速度では、合金表面が過剰
な点蝕及び/又はシミの沈着による黒色化を受け得る。
この作用は、有効量のHNO3を添加して、蝕刻、特に点蝕
の形の局部的蝕刻のレベルを低下させることにより軽減
又は排除することができる。HNO3の添加は、シミの除去
により合金の表面を輝かせることもできる。図3は、フ
ッ素イオン及び希土類イオンを含有する清浄化溶液に35
℃の温度で0.05M HNO3を添加すると、示した特定条件に
ついて、2024アルミニウム合金の蝕刻速度がかなり低下
することを示している。
図4も、希土類イオン含有清浄化溶液による2024アル
ミニウム合金の35℃での蝕刻速度への効果を示してい
る。まず、この合金を図1〜3のようにBRULINとRIDOLI
NEで処理した。この清浄化溶液も、0.05モル濃度のCeイ
オン(硫酸第二セリウムアンモニウムとして添加)、0.
5モル濃度のH2SO4及び0.05Mのフッ素イオンを含有す
る。非常に小さな濃度(0.005Mの如き濃度)のHNO3の添
加で、その溶液の蝕刻速度を有意に、例えば2000μg/m2
sだけ低下させるのに十分であり、小さな濃度のHNO3
存在が、より大きな濃度のHNO3よりもより大きく蝕刻速
度を抑制する。
好ましい希土類元素含有溶液は、図2の溶媒(Ce(O
H)として添加された0.1モル濃度のCeイオンと2モル
濃度のH2SO4を有する)と類似の溶液組成及び好ましく
は重フッ化カリウム(KF・HF)又は重フッ化アンモニウ
ム(NH4F・HF)の形の0.05M F-、及び1.28M HNO3を有す
る溶液である。
他の好ましい希土類元素含有溶液は、図1、3及び4
の溶液(NH4Ce(IV)SO4として添加された0.05モル濃度
のCeイオンと0.5モル濃度のH2SO4を有する)と類似の溶
液組成及び好ましくは重フッ化カリウム(KF・HF)又は
重フッ化アンモニウム(NH4F・HF)の形の0.05M F-及び
1.28M HNO3を有する溶液である。これら濃度では、この
溶液による35℃での2024アルミニウム合金の蝕刻速度
は、2.9×10-4インチ/表面/h(inchs/surf/hr)であ
る。
更に好ましい希土類イオン含有清浄化溶液は、1.28M
HNO3、(0.02Mの重フッ化物、例えば、NH4F・HFの形
の)0.04M F-及び((NH4)Ce(NO3の形の)0.
05M Ceを有する溶液である。この溶液についての蝕刻速
度は、35℃と室温についてそれぞれ4.5×10-4及び2.4×
10-4である。
酸性希土類清浄化の後に、好ましくは水中で濯ぎ洗い
を行う。
清浄化したアルミニウム又は合金をコンバージョンコ
ートするのが望まれる場合には、水にセリウム塩、好ま
しくは塩化セリウム(III)を添加して、セリウム塩水
溶液を作ることによりコーティング溶液を作る。セリウ
ム塩溶液の濃度は、好ましくは0.1〜10重量%である。
次いで、その溶液pHを2.5を下回る値、好ましくは2.0を
下回る値に調節する。かかるpH値では、セリウムは溶液
中に実質的に完全に+3の酸化状態で存在する。次い
で、酸化体、好ましくは過酸化水素を0.15〜9%の濃度
で添加してもよい。好ましくは、過酸化水素は約0.3%
の濃度で存在する。
以上では、まずpH調節を記載し、次いで酸化体の添加
を記載しているが、これら工程をこの順序で行うことが
必須という訳ではない。従って、酸化体の添加がpH調節
に先んじてもよい。
次いで、金属をコーティング溶液中に好ましくは45℃
で5分間浸漬すると、その金属表面でpHが局部的に上昇
する。このpH上昇が、Ce3+のCe4+への酸化を間接的に可
能にする。+4の酸化状態のCeを析出させるのに要求さ
れる値よりも高いpHに上昇すると、セリウム化合物が金
属表面の上に析出する。このセリウム化合物はセリウム
と酸素を含有する。
得られるセリウム含有コーティング中の元素の深部分
布を、図5のX線光電子分光分析深部曲線に示す。
図5では、スパッター時間がサンプルの表面からの深
さに比例している。従って、短いスパッター時間では、
原子%及び化学種(%)の値はサンプルの表面近辺の組
成に相当し、そして長いスパッター時間でのそれら値は
深いところの組成に相当する。
図5のパート(a)は、深くなるにつれてCe及びOの
原子%が減少し、Alの原子%が増加することを示してい
る。従って、このサンプルの表面コーティングはセリウ
ムと酸素を含んでいる。表面のスパッターが進行するに
つれて、より多くのコーティングが除去され、支持体ア
ルミニウム合金の露出が増す。
図5のパート(b)は、スパッター時間が長くなるに
つれて、Cu含有量が増加することを示しており、コンバ
ージョンコーティング/合金の界面における支持体合金
中の銅の露出を表すものである。
図5のパート(c)は、サンプルの表面中の種々の化
学種の深部分布を示している。当初のCe4+の量がスパッ
ター時間の最初の5分間に非常に急速に減少する一方
で、その間にO2-は急激に増加することが注目される。
その後、約26分間のスパッター時間までにあまり急速に
ではなく減少し、その後は僅かに増加してから水平にな
る。この深部曲線結果は、コンバージョンコーティング
が主として水和した酸化セリウムであることを明確に示
している。
次いで、このセリウムコーティングを0.05〜10容量%
のケイ酸カリウム溶液中に10〜90℃の温度で2〜30分間
浸漬することによりシールする。好ましくは、この浸漬
は20℃で10分間である。
このシールしたセリウムコーティングについてのX線
光電子分光分析深部曲線を図6に示す。
やはり、スパッター時間は、サンプルの表面からの深
さに比例している。
図6のパート(a)は、時間の経過とともにスパッタ
ーがケイ酸塩シール層を除去するので、深くなるにつれ
てSiの量が全体を通して減少することを示している。Al
の量は、図5に示したのと同じように、スパッター時間
と共に着実に上昇しており、同じくアルミニウム合金支
持体の露出が増えることを示している。Oのレベルは殆
ど一定のままで経過した後にスパッター時間が約140分
の時点で減少し始める。
図6のパート(b)は、希土類コーティングがスパッ
ターにより剥がされるにつれて、約140分でCeの量がピ
ークになることを示している。図5と同じく、より多く
のアルミニウム合金支持体(Cuを含有している)が剥が
れるので、銅のレベルはスパッター時間とともに増加し
ている。
図6のパート(c)は、約200分まではアルミニウム
シグナルは専ら+3の酸化状態のアルミニウムからな
り、その後はAl3+の割合が減少し始めてAl0がAlシグナ
ルの殆どを構成することを示している(おそらく、ゼロ
の酸化状態のアルミニウムを含む支持体金属が現れたた
めであろう)。ケイ酸塩シール前の表面の酸化アルミニ
ウムだけがある領域では、不完全な希土類コーティング
のために、ケイ酸塩シール溶液がその酸化アルミニウム
と反応して不溶性へのアルミノケイ酸塩を生成すると考
えられる。XPSにより検出されたAl3+は、多分、アルミ
ノケイ酸塩の形で存在しているのであろう。
以下の実施例は、本発明の態様を詳細に説明するもの
である。
実施例1〜39では、用いた金属支持体は2024アルミニ
ウム合金であった。この2024アルミニウム合金は、2000
シリーズの合金の一部であって、腐蝕に対して、特に塩
素イオンを含有する環境に対して保護するのが最も難し
いものの1つである。かかる環境は、例えば、海水中
で、又は海水のしぶきが当たる所及び空港の滑走路(滑
走路は塩分を被ることがある)周辺に存在する。
実施例1〜39では、耐蝕性は、アメリカン・スタンダ
ード・テスティング・メソッドB117に記載された標準的
塩分噴霧試験に従って、金属が中性の塩分飛沫(NSS)
中で点蝕を発生するのにかかる時間の長さにより測定さ
れる。20時間及びそれを上回る点蝕発生までの時間が、
殆どの用途について許容できると考えられる。
実施例40〜57は、希土類元素含有清浄化溶液の添加剤
の、後で金属合金表面上をコンバージョンコーティング
でコートするのにかかる時間への効果を示している。実
施例40〜57の全てにおいて、示した時間は、金属を後で
希土類元素含有コーティング溶液で処理したとき、金色
のコンバージョンコーティングを形成するのに必要な時
間である。
コンバージョンコートした全ての実施例で、後でアメ
リカン・スタンダード・テスティング・メソッドD2794
に従って試験して、良好な塗料接着性を有することが分
かった。それら塗料接着性は、クロム酸塩のコンバージ
ョンコーティングでコートした合金の接着性と同程度か
又はそれよりも良好であった。
更に、本発明の酸性希土類清浄化溶液で処理した金属
表面は、容易に見てとれる輝きを持つことが認められ
た。更には、本希土類溶液で前処理した金属表面は、後
で希土類コーティング溶液で処理したときに、クロム酸
塩を基剤とする清浄化溶液で清浄にされた金属表面につ
いてのコーティング時間よりも有意に短いコーティング
時間を示した。クロム酸塩コーティング溶液は、金属表
面上に、後で適用されるコーティング溶液により浸透さ
れなければならない“不動態化”フィルムを残すことか
ら、より長いコーティング時間が必要とされると考えら
れる。
実施例1〜4 2024アルミニウム合金プレートを酸性希土類イオン含
有清浄化溶液で処理してから次のようにして希土類コー
ティング溶液でコートした。
工程1:標準的なトリクロロエタン中での脱グリースの
代わりに、水性脱グリース溶液中で60〜70℃で10分間の
予備的脱グリース。
工程2:“非蝕刻性”アルカリ性溶液中で60〜70℃で4
分間のアルカリ性清浄化。
工程3:希土類イオン含有前処理溶液中で室温で5分間
の酸性清浄化。清浄化後、その金属表面には、工程2で
できたシミが除去されたことを示す容易に見てとれる輝
きがあった。
工程4:表Iに示した濃度でCeCl3・7H2Oを含有し0.3%
H2O2が添加されたpH1.9の酸性希土類コーティング溶液
中で45℃で5分間の浸漬。
工程5:ケイ酸カリウム(PQ kasil #2236,10%)溶液
中で室温で10分間のシール。
工程5を除く全ての工程でその後に水中で5分間濯ぎ
洗いした。工程5ではその後に1分間の濯ぎ洗いを行っ
た。
表Iは、実施例1〜4についての工程4におけるCeCl
3・7H2Oの濃度と得られたコーティング時間(C.T.)、
塩分噴霧試験性能(NSS=中性の塩分飛沫中での点蝕発
生までの時間)及びコーティング特性を示している。実
施例3についての塩分噴霧試験結果が、その個別の試験
の終了時間であり、その時間内には該実施例で点蝕が発
生しなかったということに注目すべきである。
従って、実施例3の点蝕発生までの時間は336時間を
越える。
実施例1〜3は、コーティング溶液中のセリウム濃度
が高くなるにつれて、コーティング時間が減少すると共
に耐蝕性が向上することを示している。しかしながら、
実施例4は、より高いセリウム濃度では、コーティング
時間は減少するが、耐蝕性は向上しないことを示してい
る。
従って、実施例1〜4に示した特定のケースについて
は、コーティング溶液中のセリウムのコスト面で恩恵の
ある濃度は3.8〜38グラム/リッターである。しかしな
がら、コーティング及び/又は清浄化法の他のパラメー
ターが変動するときは、より高いセリウム濃度でもコス
ト面の恩恵があり得る。
実施例5及び6 実施例1〜4の工程4におけるH2O2濃度を変化させる
ことによって、実施例1〜4に変更を加えた。従って、
実施例5及び6の工程4は、CeCl3・7H2Oを10g/Lの濃度
で含有すると共に表IIに示したH2O2濃度を有するpHが1.
9の45℃の希土類コーティング溶液中での表IIに示した
浸漬時間の浸漬を含む。
実施例5及び6は、各実施例についての一連の特定条
件下では、H2O2濃度が3容量%を上回って上昇しても、
コーティング時間又は腐蝕性能に実質的に影響しないこ
とを示している。しかしながら、他のパラメーターが変
動する場合は、異なる濃度のH2O2を用いるのが適切であ
り得る。
実施例7,8 実施例1〜4の工程4における浸漬の温度を表IIIに
示した値に従って変動させた。このコーティング溶液中
のセリウムの濃度は3.8g/Lであった。
実施例7及び8についてのそれぞれの組の特定条件下
では、コーティング時間は、コーティング溶液中での金
属の浸漬の温度が上昇するにつれて減少した。これらコ
ーティング時間は、クロム酸塩で前処理した金属表面の
ものよりも依然としてかなり短い。更に、より高温で
は、より均一なコーティングが適用される。両実施例
は、許容できる耐蝕性を発揮した。
実施例9〜11 実施例1〜4の工程4におけるコーティング溶液のpH
値を変動させた際の耐蝕性及びコーティング特性の比較
を表IVに示す。このコーティング溶液中のセリウムの濃
度は3.8g/Lであった。これら実施例は、pHが低下すると
コーティングを堆積するのにより長い時間がかかり、そ
してpHが上昇するとコーティングがより粉状になって溶
液が不安定になることを示している。かくして、これら
実施例に示した特定の態様から、コーティング溶液の最
大pHは3.0を下回ることが明らかである。しかしなが
ら、コーティング法の他のパラメーターが変動する場合
は、異なるpH値のコーティング溶液が適切であり得る。
実施例12及び13 実施例1〜4と同じ前処理を用いて、フルオロケミカ
ル界面活性剤を工程4のコーティング溶液に添加した。
0.0025%のフルオロケミカル界面活性剤の添加で、その
溶液の表面張力が64dyn/cmから20dyn/cmに低下してその
溶液からのドラッグアウトを少なくすることが分かっ
た。このコーティング溶液中のセリウムの濃度は3.8g/L
であった。
実施例14〜24 希土類コンバージョンコーティングを幾つかの異なる
溶液中でシールすることができる。これら実施例では、
工程1〜4は実施例1〜4と同じであるが、シール工程
5については、シール溶液の組成及び処理時間を表VIに
示す通りに変えた。このコーティング溶液は、3.8g/Lの
セリウム濃度を有する。
実施例14〜24の全てが、未シールコーティングよりも
向上した腐蝕性能を示した。
実施例25及び29 実施例25と26では、希土類イオン含有清浄化溶液での
金属の処理の時間を表VIIに示す通りに変動させた。実
施例27〜29では、希土類清浄化溶液での処理は温度を表
VIIIに示す通りに変動させた。実施例25〜29のコーティ
ングは、他の全ての点では実施例1〜4に記載した通り
であって、コーティング溶液中のセリウム濃度は3.8g/L
である。
実施例25及び26は、これら実施例の特定条件につい
て、類似の外観のコーティングを堆積するためのコーテ
ィング時間が、希土類清浄化溶液での前処理時間が長く
なるにつれて減少することを示している。しかしなが
ら、比較的長い前処理時間では、腐蝕性能が低下する。
これは、60分間を上回る清浄化時間についての腐蝕性能
における恩恵には限界があることを示唆するものであ
る。しかしながら、他のパラメーターが変動する場合
は、この処理時間を変え得る。
実施例27〜29は、これら実施例の特定のパラメーター
について、希土類清浄化溶液での処理の温度を変動させ
ても、希土類コーティングの堆積のための時間には実質
的に影響しないことを示している。更には、比較的高い
温度での希土類清浄化については、後で堆積する希土類
コーティングの腐蝕性能が低下する。この結果は、少な
くとも実施例27〜29の特定条件については、希土類清浄
化溶液温度が85℃を越えると、腐蝕性能における恩恵に
は限界があることを示唆するものである。しかしなが
ら、他のパラメーターがこれら実施例のものと相違する
場合は、この温度値を変え得る。
実施例30及び31 次の実施例は、酸性希土類イオン含有清浄化工程での
金属の清浄化を先行して行ったコーティングの性能を、
商品名Amchem #7で入手できる酸性クロム酸塩溶液で
の清浄化を先行して行ったものと比較するものである。
その他の工程は、工程5においてケイ酸塩シールを70℃
で行った以外は、実施例1〜4と同じである。このコー
ティング溶液中のセリウムの濃度は3.8g/Lであった。結
果を表IXに示す。
表IXから明らかなように、希土類清浄化金属(実施例
31)に必要なコーティング時間は、クロム酸塩清浄化金
属(実施例30)についてのコーティング時間の約1/3で
ある。
更に、コートした希土類清浄化金属(実施例31)は、
塩分噴霧試験において点蝕発生までに4倍強もの長い時
間持ち堪えた点で、コートしたクロム酸塩清浄化金属
(実施例30)よりも良好な腐蝕性能を示した。
実施例32〜34 表Xに示した実施例における酸性希土類イオン含有清
浄化溶液中の希土類元素(この場合、セリウム)の濃度
を変動させた。他の全ての点では、実施例32〜34の工程
は実施例1〜4と同じで、コーティング溶液中のセリウ
ム濃度は3.8g/Lであった。
実施例32及び33は、それら実施例の特定条件につい
て、希土類清浄化溶液中のセリウム濃度が上昇するにつ
れて、後で適用される希土類コンバージョンコーティン
グにおける腐蝕性能が向上する一方で、コーティング時
間は実質的に一定のままであることを示唆している。し
かしながら、実施例34は、より高いセリウム濃度では、
後で適用されるコンバージョンコーティングの腐蝕性能
が低下し、コーティング時間の減少が伴うことを示して
いる。従って、これら結果は、少なくとも実施例32〜34
の条件については、コスト面で最大の恩恵がある清浄化
溶液中のセリウムの濃度は、14〜21グラム/リッターの
ようである。しかしながら、他のパラメーターが異なる
値であれば、この値を変え得る。
実施例35〜37 表XIは、酸性希土類清浄化溶液中のH2SO4の濃度の、
コーティング時間及び腐蝕性能への効果を示している。
他の全ての点では、実施例35〜37の工程は実施例1〜4
と同じで、コーティング溶液中のセリウム濃度は3.8g/L
であった。
実施例35及び36は、これら実施例の特定条件につい
て、後でコートされる金属の腐蝕性能が高いH2SO4濃度
で向上することを示している。特定のメカニズムに限定
されることを望まないが、この特徴は、おそらく、より
高い酸濃度ではより多くのセリウムが溶液中に溶解でき
ることによって、より効果的な清浄化溶液がもたらされ
るためであろう。逆に、実施例36及び37は、依然として
高いH2SO4濃度でも、再び腐蝕性能が低下することを示
している。やはり、特定のメカニズムに限定されること
を望まないが、この観察結果は、金属表面の高度な酸攻
撃により説明することができる。これら実施例は、実施
例35〜37の特定条件については、コスト面で最大の恩恵
がある清浄化溶液中のH2SO4の濃度は、2〜2.75モル濃
度のようである。しかしながら、明らかに、H2SO4濃度
が幾つかの適用において2.75モル濃度を越えても、依然
として許容できる腐蝕性能がもたらされる。更には、コ
スト面で最大の効果があるH2SO4の濃度は、他のパラメ
ーターの特定値に従って変動し得る。
実施例38及び39 H2SO4に加えて、場合によりHNO3を酸性希土類清浄化
溶液に添加してもよい。表XIIは、HNO3の2つの濃度値
を示している。他の全ての点では、これら工程は実施例
1〜4と同じで、コーティング溶液中のセリウム濃度は
3.8g/Lである。
実施例38及び39は、これら実施例の特定条件について
は、比較的低いHNO3濃度では、後でコートされる金属に
許容できる腐蝕性能がもたらされることを示している。
しかしながら、より高いHNO3濃度では、腐蝕性能が低下
する。しかしながら、HNO3濃度は、他のパラメーターに
ついての異なる値に応答して変動し得る。これら実施例
についてのコーティング時間が実質的に一定であること
が注目される。
実施例40〜57では、硫酸第二セリウムアンモニウムの
形で添加される0.05モル濃度のCeイオン及び0.5モル濃
度のH2SO4を有する“スタンダード”希土類含有清浄化
溶液に言及する。
実施例40〜47 表XIIIは、スタンダード希土類含有清浄化溶液に添加
された添加物F-、PO4 3-、HNO3及びTiCl4の、及び清浄化
溶液の温度の、希土類含有コーティング溶液で処理した
場合に6061アルミニウム合金の表面上に金色コーティン
グをその後に生成させるのに要する時間への効果を示し
ている。
実施例40〜47の全てを清浄化溶液中に10分間浸漬し
た。
実施例40及び41は、少なくともそれら実施例の特定条
件については、清浄化溶液の温度を上げると、後で適用
されるコンバージョンコーティングのコーティング時間
が減少することを示している。実施例41、42及び44の比
較で、35℃の清浄化溶液温度については、清浄化溶液へ
のF-の添加は、後のコーティング時間に明白な効果を有
さないことが分かる。しかしながら、実施例40及び43
は、21℃の温度の清浄化溶液については、0.15M F-の濃
度となるF-の添加は、後のコーティング時間を15分間か
ら10分間に減少させることを示している。
実施例45〜47は、実施例41と比較すると、F-をPO4 3-
又はHNO3と組み合わせて35℃の温度で清浄化溶液に添加
すると、後のコーティング時間が減少することを示して
いる。これら実施例のうち、F-とHNO3を含有するコーテ
ィング溶液に関連する実施例46が、たった2分間という
最も短いコーティング時間を示している。
実施例48〜55 実施例48〜55も、希土類元素含有清浄化溶液への添加
物及びその温度のコーティング時間への効果を示してい
る(表XIVを参照のこと)。実施例48〜55の全ては6061
アルミニウム合金であって、清浄化溶液中に5分間浸漬
した。
実施例48と実施例40を比較すると、それら実施例の特
定条件については、21℃の清浄化溶液温度で清浄化溶液
中への浸漬の時間を5分間増やしても、後のコーティン
グ時間に影響しないことが分かる。しかしながら、実施
例52と41を比較すると、35℃の清浄化溶液の温度で浸漬
時間を5分間だけ増やした場合には、後のコーティング
時間が5分間減少することが分かる。
実施例48と実施例49〜51を比較すると、F-を単独若し
くはH3PO4と組み合わせて添加しても、TiCl4を添加して
も、コーティング時間が減少することを示している。同
じ傾向は、35℃の清浄化溶液温度の典型である実施例52
〜55にも当てはまる。0.0015M F-の濃度では、後のコー
ティング時間は10分間に減少する。145ppm Tiの濃度、
又は0.01MH3PO4と組み合わせた0.15M F-の濃度では、コ
ーティング時間は僅か5分間である。更には、実施例49
と実施例53を比較すると、それら実施例の特定条件につ
いては、フッ素イオンを含有する清浄化溶液の温度が21
℃から35℃に増えても、コーティング時間に影響しない
ことが分かる。しかしながら、実施例54と50を及び実施
例55と51を比較すると、それら実施例の特定条件につい
ては、温度が21℃から35℃に増えるにつれてコーティン
グ時間が減少することが分かる。
実施例52と実施例41を比較すると、35℃では清浄化溶
液中での浸漬時間が長くなるにつれて、コーティング時
間が減少することが示唆されている。浸漬時間を5分間
から10分間に増やすことによって、後で希土類コンバー
ジョンコーティングを堆積させる時間が5分間だけ少な
くなる。
しかしながら、実施例48と40は、清浄化溶液中での浸
漬時間を5分間から10分間に増やしても、コーティング
時間に大した変化がないことを示している。
実施例56及び57 表XVには、スタンダード希土類元素含有清浄化溶液
(実施例56)及び0.15M F-と0.01M H3PO4を有するスタ
ンダード清浄化溶液(実施例57)で清浄化した2024合金
についてのコーティング時間が挙げられている。両実施
例56及び57について、清浄化溶液の温度は35℃であり、
浸漬時間は5分間である。少なくともこれら実施例の特
定条件については、F-とH3PO4の添加は、後のコーティ
ング時間の減少をもたらす。
一般に、本発明による酸性希土類イオン含有清浄化溶
液を用いると、これら実施例により表されるように、容
易に見てとれる金属の輝きにより立証される通り、金属
表面からシミが除去される。加えて、本希土類イオン含
有清浄化溶液は、クロム酸塩を基剤とする清浄化溶液で
前処理した金属表面についてのコーティング時間に比較
して、後で堆積されるコンバージョンコーティングのコ
ーティング時間を2/3までだけ実質的に減少させること
が見出された。
以上の実施例では、セリウムを基剤とする清浄化溶液
を集中的に説明してきたが、一般的には、他の適当な希
土類元素を基剤とする溶液も、有効性の度合いに変動が
あるものの、セリウムを基剤とする溶液と同じく効果を
発揮する。
かかる他の希土類元素の1つはプラセオジムである。
酸性希土類イオン含有清浄化溶液は、硫酸中に酸化プラ
セオジムを溶かして、0.02モル濃度のPr2(SO3及び
0.7モル濃度のH2SO4を含有する清浄化溶液を得ることに
よって調製することができた。
全希土類のうち、セリウムを基剤とする希土類イオン
含有清浄化溶液が、他の希土類元素を基剤とする清浄化
溶液よりもあまり高価ではなくかつ化学的により安定で
あるので、最も好ましい。
最後に、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、
これまでに記載した部分及び/又は工程の構成及び編成
に種々の変更、修飾及び/又は付加を導入することがで
きることが理解されるべきである。また、本発明の以上
の説明は、限定を意図したものではなく、請求の範囲で
規定する発明的特徴の例示に過ぎないことも理解される
べきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ネルソン,カレン・ジョイ・ハモン オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3168,クレイトン,レンヴァー・ロード 2/12 (72)発明者 テイラー,ラッセル・ジェームズ オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3103,バルウィン,コネル・コート 2 (72)発明者 ヒントン,ブルース・ロイ・ウィリアム オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3199,フランクストン,デバルー・コー ト 7 (72)発明者 ヘンダーソン,マーク・ジュリアン オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3163,グレンハントリー,ブーラン・ロ ード 194 (72)発明者 ウィルソン,ランス オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3165,イースト・ベントリー,ガーデナ ーズ・ロード 60 (72)発明者 ヌジェント,サリー・アン オーストラリア連邦ヴィクトリア州 3127,サリー・ヒルズ,エセックス・ロ ード 2/11 (56)参考文献 特開 平4−32589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 1/14 C23C 18/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム、スチール、亜鉛、カドミウ
    ム、マグネシウム及びそれらの合金から選択される金属
    表面を処理する方法であって、 (a)該金属表面をアルカリ性清浄化溶液と接触させ
    て、汚れ及びグリースのような汚染物質を除去して、当
    該表面にシミ(スマット)を形成する工程;及び (b)該アルカリ処理した金属表面を、pH1未満の酸性
    稀土類イオン含有脱シミ溶液と接触させて、該金属表面
    からシミを除去し、かつ該金属表面に稀土類金属含有コ
    ーティングを形成する工程; を含む方法。
  2. 【請求項2】前記脱シミ溶液のpHが0.5未満である、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記脱シミ溶液中の稀土類イオン濃度が
    (セリウムの当量グラム/リッター数として表して)0.
    7〜140グラム/リッターである、請求項1又は2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】前記工程(b)が50℃以下の温度で行われ
    る、請求項1、2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記脱シミ溶液が、好ましくは、ハロゲン
    イオン、リン酸イオン、硝酸イオン又はチタンイオンで
    ある蝕刻加速剤を更に含む請求項1〜4のいずれかの項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記脱シミ溶液が、好ましくは、過酸化物
    又は過硫酸塩である酸化剤を含む、請求項1〜5のいず
    れかの項に記載の方法。
  7. 【請求項7】下記の工程、 (c)前記金属表面を、1よりも大きな原子価状態を持
    つことができる稀土類金属イオンを含有する酸性のコー
    ティング水溶液と接触させ、該金属の表面近傍での該コ
    ーティング溶液のpHを、1又は2以上の稀土類化合物を
    該金属表面上へのコーティングとして沈殿させるのに十
    分な値まで上昇させる工程、 を更に含む、請求項1〜6のいずれかの項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】1又は2以上の稀土類元素のイオンを含有
    し、1未満のpHであり、かつ酢酸を含有しない脱シミ用
    水溶液。
  9. 【請求項9】好ましくは、過酸化物又は過硫酸塩である
    酸化剤を更に含む、請求項8に記載の溶液。
  10. 【請求項10】実質上クロムイオンを含まない、請求項
    8又は9に記載の溶液。
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