JP3395828B2 - 電磁気シールド用コア及びそのコアの取付構造 - Google Patents

電磁気シールド用コア及びそのコアの取付構造

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JP3395828B2 JP8698A JP8698A JP3395828B2 JP 3395828 B2 JP3395828 B2 JP 3395828B2 JP 8698 A JP8698 A JP 8698A JP 8698 A JP8698 A JP 8698A JP 3395828 B2 JP3395828 B2 JP 3395828B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱方式
(以下、Induction Heating を略しIH方式と称する)
を利用した電磁調理器、電磁炊飯器、電磁湯沸かし器
(いわゆる電気ポット)、電磁保温装置、高周波加熱器
等の電磁誘導加熱装置に使用される磁束発生コイルから
漏洩する交流の磁界及び電界のシールド(いわゆる電磁
気シールド)を目的とする電磁気シールド用コア及びそ
のコアの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IH方式を利用した電磁誘導加熱装置
は、業務用及び家庭用の各種の加熱器が知られている。
例えば、トッププレートの裏側に磁束発生コイルを設
け、プレート自体は加熱せず、その上においた鉄製の釜
等に渦電流を誘導させて加熱する電磁調理器や、外釜の
下面から下部外周面にかけて磁束発生コイルを配設し、
外釜に遊挿された内釜に渦電流を誘導して加熱する電磁
炊飯器(IH型炊飯器)等が挙げられる。
【0003】電磁炊飯器で説明すると、電磁炊飯器は外
釜とこの外釜に遊挿される内釜とを有し、外釜の下面か
ら外釜の下部外周面にかけて磁束発生コイルが配設さ
れ、内釜はステンレス鋼などの磁性体によって形成され
る。磁束発生コイルの外側にはこのコイルに交差して複
数の電磁気シールド用コアが配設される。このコアに
は、コイルから発生する磁束を内釜の方向に導きかつ外
部への漏洩を抑えるために高い透磁率が要求されるとと
もに、渦電流の発生による発熱を抑えるためにある程度
の絶縁性も要求される。このためコアは焼結フェライト
により形成され、或いは軟磁性粉末を配向・分散させた
樹脂を所定の形状に成形することにより形成される。コ
アが焼結フェライトにより形成される場合には、コアは
接着剤を介して直接コイルに接着され、又はコアを樹脂
製ホルダに挿着した後このホルダを外釜下面にねじ止め
される。またコアが樹脂に軟磁性粉末を配向・分散させ
て形成される場合には、コアは接着剤を介して直接コイ
ルに接着され、又は外釜下面に直接ねじ止めされる。
【0004】このように構成された電磁誘導加熱装置で
は、電磁気シールド用コアを焼結フェライトにより形成
した場合及び樹脂に軟磁性粉末を配向・分散させて形成
した場合のいずれの場合でも、コアが磁束発生コイルの
インダクタンスを増大させる働きとともに、このコイル
から放射される電界をシールドする働きを有するため、
電磁誘導加熱装置の周囲の電子機器の上記電界による誤
作動を防止できる。また電磁気シールド用コアを樹脂に
軟磁性粉末を配向・分散させて形成した場合には、無数
の軟磁性粉末間に非磁性体である樹脂が介在するため、
コアに渦電流が発生するのを防止でき、この結果コアの
発熱を防止できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電磁気シール
ド用コアを焼結フェライトで形成した場合には、割れや
欠けが生じ易く、コアの接着時又はその後に衝撃や応力
が作用してひび割れ等が発生すると、電磁誘導加熱装置
の作動中にひび割れ部から異音が発生したり、或いはコ
アのかけらが脱落したりする不具合があった。また、電
磁気シールド用コアを樹脂に軟磁性粉末を配向・分散さ
せて形成した場合には、樹脂が非磁性体であるため、こ
の部分の影響で透磁率を増大しにくい問題点があった。
【0006】本発明の第1の目的は、コア本体に割れや
欠けが発生せず、透磁率を増大でき、更に積層されたコ
ア本体の剥離を防止できる電磁気シールド用コアを提供
することにある。本発明の第2の目的は、コアの被取付
体又は樹脂製カバーへの取付作業又は取外し作業を容易
に行うことができ、またコアの取付強度を増大できる電
磁気シールド用コアの取付構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図3に示すように、表面に不導体コーティング
が形成された軟磁性粉末18aを不導体容器(19)の中に
封入することにより形成され電磁誘導加熱装置11の
磁束発生コイル14に交差して配置された電磁気シール
ド用コアである。この請求項1に記載された電磁気シー
ルド用コアでは、電磁誘導加熱装置11の作動時にコア
本体18に渦電流が発生しないので、コア17は発熱し
ない。また軟磁性粉末18aが高い透磁率を有するた
め、磁束発生コイル14から発生する磁束を加熱部方向
に導きかつ外部への漏洩を抑えることができる。更にコ
ア本体18自体が粉末であり、かつコア本体18が所定
の不導体からなる容器19により被覆されているので、
コア17に衝撃が加わっても、コア本体18に割れや欠
けが発生せず、また充填された軟磁性粉末18aが脱落
しない。
【0008】
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に軟磁性粉末が鉄系アモルファス、コバ
ルト系アモルファス、パーマロイ、センダスト、純鉄又
は鉄―シリコン系合金により形成されたことを特徴とす
る。請求項3に係る発明は、請求項に係る発明であっ
て、更に不導体容器が樹脂、ゴム又は液晶ポリマーによ
り形成されたことを特徴とする。この請求項3に記載さ
れた電磁気シールド用コアでは、磁束発生コイルから発
生する磁束を加熱部方向に効率良く導きかつ外部への漏
洩を効率良く抑えることができる。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項に係
明であって、更に不導体コーティング絶縁性樹脂、酸
化珪素又は軟磁性粉末自体の酸化膜により形成されたこ
とを特徴とする。この請求項4に記載された電磁気シー
ルド用コアではコア本体に渦電流が発生しないので、コ
アの発熱を抑えることができる。
【0011】
【0012】請求項に係る発明は、図5、図6及び図
7に示すように、磁束発生コイル14を覆う樹脂製カバ
ーのコイルとは反対側の面に両側に一対の係止リブ52
b,52bを有する凹部又は凹溝52aが形成され、請
求項1ないしいずれか記載の電磁気シールド用コア
57のコア本体58を被覆する所定の不導体容器59の
両側に一対の係止リブ52b,52bに係合可能な一対
の係合部59c,59cが形成され、一対の係合部59
c,59cを一対の係止リブ52b,52bに係合する
ことによりコア57が樹脂カバー52に取付けられた電
磁気シールド用コアの取付構造である。この請求項
記載された電磁気シールド用コアの取付構造では、コア
57の樹脂製カバー52への取付作業又は取外し作業を
極めて容易に行うことができる。
【0013】請求項に係る発明は、図1及び図7に示
すように、請求項1ないし4いずれか1記載の電磁気シ
ールド用コア17が請求項記載の取付構造にて取付け
られた電磁誘導加熱装置である。この請求項に記載さ
れた電磁誘導加熱装置では、電磁気シールド用コア17
により磁束発生コイル14からの放射電界強度を低減で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図4に示すよう
に、電磁誘導加熱装置である電磁炊飯器11は外釜12
とこの外釜12に遊挿される内釜13を有し、外釜12
の下面から下部外周面にかけて磁束発生コイル14が配
設される。内釜13は磁性体であるステンレス鋼と熱伝
導性の高いアルミニウムとのクラッド材が主に用いら
れ、内側には図示しないがフッ素樹脂等のコーティング
が施される。コイル14は接着剤により外釜12下面及
び外釜12下部外周面に添着される。またコイル14の
外側、即ち外釜12下面に配設されたコイル14の下面
から外釜12下部外周面に配設されたコイル14の外面
にかけて、略L字状又は棒状或いは平板状に形成された
複数の電磁気シールド用コア17が上記コイル14に交
差して配置される(図3及び図4)。この実施の形態で
は外釜12下面にその中心から放射状に8本のコア17
が配置される。
【0015】この電磁炊飯器11の磁束発生コイル14
に交流電流を流すと、コイル14を中心として交流磁場
が生じ、この交流磁場の磁力線により内釜13の磁性材
内部に、図3の矢印で示すように、渦電流が誘導され、
この渦電流が磁性材の電気抵抗によってジュール熱を発
生し、内釜13全体が加熱されるようになっている。ま
た外釜12はこの外釜12に上記渦電流が誘導されない
ように非磁性材料であるポリエチレンテレフタレート
(以下、PETという)等により形成され、外釜12の
下面及び外周面は磁束発生コイル14及び電磁気シール
ド用コア17とともに外板16により覆われる。
【0016】電磁気シールド用コア17は多数の軟磁性
粉末18a(図1)により形成されたコア本体18(図
1及び図3)と、コア本体18を被覆する所定の不導体
容器19(図1〜図4)とを備える。
【0017】軟磁性粉末18aは鉄系アモルファス、コ
バルト系アモルファスパーマロイ、センダスト、純鉄、
鉄―シリコン系合金により1〜500μm、好ましくは
10〜100μmの粒度に形成され、粉末の表面にはポ
リエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、P
ET等の絶縁性樹脂、酸化珪素、又は粉末自体の酸化膜
により0.1〜30μmの不導体コーティングが形成さ
れる。軟磁性粉末18aの粒径を5〜250μmに限定
したのは、5μm未満では軟磁性粉末18a自体の製作
や積層時のハンドリングが困難であり、250μmを越
えると渦電流による損失の増大や発熱の問題があるから
である。コーティングの厚みを0.1〜30μmに限定
したのは、0.1μm未満では絶縁が不十分であり、3
0μmを越えるとコア本体の透磁率が低下するからであ
る。
【0018】鉄系アモルファス製の軟磁性粉末18aは
鉄70〜90重量%に、ほう素2〜10重量%、けい素
5〜20重量%等を溶かした合金を溶融状態から1×1
5〜1×106 ℃/秒の速さで急冷させることにより
形成される。またコバルト系アモルファス製の軟磁性粉
末18aはコバルト70〜90重量%に、ほう素2〜1
0重量%、けい素5〜20重量%、鉄5〜20重量%等
を溶かした合金を溶融状態から1×105 〜1×106
℃/秒の速さで急冷させることにより形成される。ま
た、パーマロイ製の軟磁性粉末18aはニッケル35〜
80重量%に鉄15〜55重量%、その他モリブデン、
ニオブ、クロム等を20重量%未満溶かした合金を溶融
状態から急冷させることにより形成される。また、セン
ダスト製の軟磁性粉末18aは鉄80〜90重量%、珪
素5〜15重量%、アルミニウム10重量%未満等を溶
かした合金を溶融状態から急冷させることにより形成さ
れる。また、純鉄製の軟磁性粉末18aは鉄を溶融状態
から急冷させるいわゆるアトマイズ法、磁鉄鉱からの還
元による還元法、鉄のカルボニル錯体からの還元などに
より形成される。また、鉄―シリコン系合金製軟磁性粉
末18aは鉄75〜99重量%、珪素1〜25重量%を
溶かした合金を溶融状態から急冷させることにより形成
される。
【0019】また所定の不導体容器19は図1に詳しく
示すように、コア本体18の湾曲内面に沿って配設され
る略L字状のベース部19aと、コア本体18の湾曲外
面、両側面及び両端面に沿って配設される略L字状のカ
バー部19bとを有する。ベース部19a及びカバー部
19bは樹脂、ゴム又は液晶ポリマーによりそれぞれ形
成される。樹脂としては、ナイロンやPET等の樹脂が
挙げられ、ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴム等が挙げ
られ、液晶ポリマーとしては、共重合ポリエステル系、
アセテート系液晶ポリマー等が挙げられる。カバー部1
9bの外側面にはカバー部19bと一体的に取付部19
cが突設され(図1、図2及び図4)、この取付部19
cには通孔19dが形成される(図1及び図2)。
【0020】また外釜12の下面には同一円周上に所定
の間隔をあけて複数のボス12aが突設され(図1〜図
3)、これらのボス12aには雌ねじ12bがそれぞれ
形成される(図1及び図2)。取付部19cの通孔19
dをボス12aのねじ孔12bに一致させた状態でビス
21(図1、図2及び図4)を通孔19dを介してねじ
孔12bに螺合することにより電磁気シールド用コア1
7が外釜12下面に磁束発生コイル14を挟んだ状態で
固定されるようになっている。
【0021】なお、電磁気シールド用コアを電磁炊飯器
ではなく、電磁調理器、電磁湯沸かし器、電磁保温装
置、高周波加熱器又はその他の電磁誘導加熱装置に取付
けてもよい。また、この実施の形態では、電磁気シール
ド用コアを磁束発生コイルに交差して8本配置したが、
7本以下又は9本以上のコアをコイルに交差して配置し
てもよい。また、ベース部及びカバー部を強化するため
に原材料であるナイロンやPET等の樹脂にガラス短繊
維等の添加剤を加えてもよい。また、不導体のカバー部
に取付部を突設せずに、電磁気シールド用コアにカバー
部、コア本体及びベース部を貫通する通孔を形成し、ビ
スをこの通孔を介してボスのねじ孔に螺合することによ
りコアを外釜に取付けてもよい。更に、電磁気シールド
用コアを外釜の下面にねじ止めするのではなく、磁束発
生コイル下面に接着剤を介して接着し又は直接融着して
もよい。
【0022】このように製造された電磁気シールド用コ
アでは、コア本体18を軟磁性粉末18aによって形成
したので、電磁炊飯器11の作動時にコア本体18に渦
電流が発生しない。この結果、コア17が発熱すること
はない。更にコア本体18自体が粉末であり、かつコア
本体18が所定の不導体からなる容器19により被覆さ
れているので、コア17に衝撃が加わっても、コア本体
18に割れや欠けが発生せず、また積層された軟磁性粉
末18aが脱落することはない。更にコア17がビス2
1により外釜12に取付けられるため、コア17の外釜
12への取付け又は取外しを容易に行うことができる。
【0023】図5〜図7は本発明の第2の実施の形態を
示す。図5〜図7において上記第1の実施の形態と同一
符号は同一部品を示す。この実施の形態では、磁束発生
コイル14の外側、即ち外釜12下面に配設されたコイ
ル14の下面から外釜12下部外周面に配設されたコイ
ル14の外面にかけて、樹脂製カバー52により覆わ
れ、このカバー52の下面に平板状の電磁気シールド用
コア57が取付けられる。樹脂製カバー52の下面には
その中心から放射状に複数の凹溝52aが形成され、こ
れらの凹溝52aの両側には凹溝52a内から凹溝52
a外に向うに従って互いに近づくように突出する断面三
角状の一対の係止リブ52b,52bが一体的に形成さ
れる(図5及び図6)。
【0024】またコア57はコア本体58(図6及び図
7)と、コア本体58を被覆する所定の不導体容器59
(図5〜図7)とを備える。コア本体58は多数の軟磁
性粉末58aにより形成される(図6)。不導体容器5
9はコア本体58の両面のうちカバー52の凹溝52a
に対向する一方の面に沿って配設されたベース部59a
と、コア本体58の他方の面、両側面及び両端面に沿っ
て配設されたカバー部59bとを有する(図6)。ベー
ス部59a及びカバー部59bは樹脂により形成され
る。コア57の両側、即ちカバー部59bの両側には一
対の係合部59c,59cが形成され、これらの係合部
59c,59cは上記一対の係止リブ52b,52bに
相応する溝状に形成される(図5及び図6)。
【0025】このように構成された電磁気シールド用コ
アの取付構造では、電磁気シールド用コア57の一対の
係合部59c,59cを樹脂製カバー52の一対の係止
リブ52b,52bにそれぞれ嵌入し、コア57を凹溝
52aに図5の実線矢印で示すように挿入する。これに
より一対の係合部59c,59cが一対の係止リブ52
b,52bにそれぞれ係合し、コア57が樹脂製カバー
52に取付けられる。
【0026】なお、この実施の形態では、樹脂製カバー
に凹溝を形成したが、両側に一対の係止リブを有する凹
部を樹脂製カバーに形成し、電磁気シールド用コアの不
導体をゴムにより形成し、このゴムの有する弾性を利用
して一対の係合部を変形させて凹部に挿入した後、一対
の係合部をその弾性により復元させ、これらの係合部を
樹脂製カバーの一対の係止リブに係合することによりコ
アを樹脂製カバーに取付けるように構成してもよい。ま
た、この実施の形態では、電磁気シールド用コアを樹脂
製カバーの下面に取付けたが、外釜のコイルが巻かれて
いない箇所に凹溝を形成し、その凹溝の両側に一対の係
止リブを形成してもよい。このように構成することによ
り、樹脂製カバーを使用することなく電磁気シールド用
コアを直接磁束発生コイル下面に取付けることができ
る。
【0027】図8は本発明の第3の実施の形態を示す。
図8及び図9は図1と同一符号は同一部品を示す。この
実施の形態では、表面が絶縁された軟磁性粉末98aに
よりコア本体98が形成され、このコア本体98が容器
本体99aに開口部99dから収容されて開口部99d
が閉止部材99bにより閉止される。軟磁性粉末98a
の表面は第1の実施の形態と同様に絶縁され、軟磁性粉
末98aはこの実施の形態では略L字状に形成され充填
される。箱本体99aはコア本体98を収容可能に形成
された収容凹部99cと、閉止部材99bにより閉止可
能な上記開口部99dと、外側面に突設された取付部9
9eとを有する。取付部99eにはコア97を外釜12
の下面にビス21により取付けるための通孔99fが形
成される。また不導体99である箱本体99a及び閉止
部材99bは樹脂、ゴム又は液晶ポリマーにより形成さ
れる。樹脂としては、フェノール、エポキシ、ポリイミ
ド、ウレタン等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、AB
S、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。またゴムとして
は、天然ゴム、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられ
る。更に液晶ポリマーとしては、共重合ポリエステル
系、アセテート系液晶ポリマー等が挙げられる。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図3、図4に示すように、外釜12とこの
外釜12に遊挿される内釜13を有し、外釜12の下面
から外釜12の下部外周面にかけて磁束発生コイル14
が配設された電磁炊飯器11を用意した。またコイル1
4の外側、即ち外釜12下面に配設されたコイル14の
下面から外釜12下部外周面に配設されたコイル14の
外面にかけて、コイル14に交差して配置される8本の
電磁気シールド用コア17を次の方法で作製した。先ず
鉄88重量%に、ほう素4重量%、けい素8重量%を溶
かした合金を溶融状態から急冷して、鉄系アモルファス
軟磁性粉末を作製した。
【0029】次に軟磁性粉末を、アクリル樹脂を含むア
セトン溶液に含浸させた後濾過、乾燥し、表面のコーテ
ィングを行った。この粉末を図8に示すように、容器本
体99aに形成された収容凹部99cに充填し、閉止部
材99bを容器本体に接着する事によりコア本体98が
収容凹部99c及び閉止部材99bからなる8本の電磁
気シールド用コア97を得た。この8本の電磁気シール
ド用コア97を図1〜図4に示す電磁炊飯器11の外釜
12下面にビス21により取付けた。これらの電磁気シ
ールド用コア97が取付けられた電磁炊飯器11を実施
例1とした。
【0030】<実施例2>粒径20〜150μmの還元
純鉄粉を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により
得た8本の電磁気シールド用コア97を実施例1と同様
に図1〜図4に示す電磁炊飯器11の外釜12下面にビ
ス21により取付けた。これらの電磁気シールド用コア
97が取付けられた電磁炊飯器11を実施例2とした。
【0031】<実施例3>次に、図5〜図7に示すよう
に、磁束発生コイル14を覆う樹脂製(PET)カバーのコ
イルとは反対側の面に両側に一対の係止リブ52b、5
2bを有する凹部又は凹溝52aが形成された電磁炊飯
器11を用意した。次に所定の不動体容器59の両側に
一対に係止リブ52b、52bに係合可能な一対の係合
部59c、59cが形成された容器59をPET樹脂に
より形成した。これに実施例1に用いた軟磁性粉末18
aを充填封止し8本の電磁気シールド用コア57を得
た。さらに、この8本の電磁気シールド用コア57の一
対の係合部59c、59cを一対の係止リブ52b、5
2bに係合した。これらの電磁気シールド用コア57が
取付けられた電磁炊飯器11を実施例3とした。
【0032】<比較例1>電磁気シールド用コアとし
て、実施例1のコア本体と同一形状に形成された焼結フ
ェライトを用いた。この電磁気シールド用コアを8本用
意し、これらのコアを外釜の下面にスペーサを介してビ
スにより取付けた。これらのコアが取付けられた電磁炊
飯器を比較例1とした。なお、スペーサはコアの磁束発
生コイルとの距離合わせのために介装した。 <比較例2>先ず鉄70重量%に、ほう素5重量%、け
い素5重量%、ニッケル15重量%、クロム5重量%を
溶かした合金を溶融状態から急冷して鉄系アモルファス
扁平粉末を作製した。次にこの鉄系アモルファス扁平粉
末85重量%と、ナイロン樹脂粉末15重量%とを混練
し、この混練物を射出成形により実施例1のコア本体と
同一形状に成形することにより、8本の複合材からなる
電磁気シールド用コアを得た。これらのコアを外釜下面
にスペーサとともにビスにより取付けた。これらのコア
が取付けられた電磁炊飯器を比較例2とした。なお、ス
ペーサは比較例1と同様にコアの磁束発生コイルとの距
離合わせのために介装した。 <比較例3>電磁気シールドコアが全く取付けられてい
ない電磁炊飯器を比較例3とした。
【0033】<比較試験及び評価>実施例1〜3及び比
較例1〜3の各電磁炊飯器の磁束発生コイルのインダク
タンス及び動作時の放射電界強度を測定した。インダク
タンスは各磁束発生コイルに直接接続したLCRメータ
により周波数25kHzにて測定した。また放射電界強
度は電波暗室内で放射電界強度計を用いて測定した。こ
のとき各電磁炊飯器を床から高さ40cmの木製台上に
置き、上記放射電界強度計のアンテナを炊飯器から3m
離しかつ床から1mの高さに設置した。次に実施例1〜
3及び比較例1〜3の各電磁炊飯器を発泡スチロール製
の留め具とともにそれぞれ段ボール箱に梱包し、床上1
mの高さから5回それぞれ落下して電磁気シールド用コ
アの機械的強度を測定した。これらの試験結果を表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、実施例1〜3及
び比較例1の各磁束発生コイルのインダクタンスは略同
一の値を示したが、比較例2の磁束発生コイルのインダ
クタンスは上記より低い値を示し、比較例3の磁束発生
コイルのインダクタンスは更に低い値を示した。また実
施例1〜3及び比較例1の各電磁炊飯器動作時の放射電
界強度は略同一の値を示したのに対し、比較例2の放射
電界強度は上記より高い値を示し、比較例3の放射電界
強度は更に高い値を示した。これは、実施例1〜3及び
比較例1では磁束発生コイルから発生する磁束が透磁率
の高い軟磁性粉末や焼結フェライトにより加熱部方向に
導びかれかつ外部への漏洩が抑えられたのに対し、比較
例2では複合材製のコアの透磁率が比較的低く、このコ
アによる磁束発生コイルの磁束の加熱部方向への誘導が
不十分となり、比較例3では磁束発生コイルの磁束の加
熱部方向への誘導が全くなかったためであると考えられ
る。
【0036】また電磁気シールド用コアの機械的強度試
験では、比較例1の電磁気シールドコアである焼結フェ
ライトに2本のひび割れが発生したのに対し、実施例1
〜3及び比較例2の電磁気シールド用コアは損傷しなか
った。この結果、実施例1〜3及び比較例2の電磁気シ
ールド用コアの方が比較例1の電磁気シールド用コアよ
り機械的強度が高いことが判った。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、
面に不導体コーティングが形成された軟磁性粉末を不導
体容器の中に封入することによりコアを形成し、このコ
を磁束発生コイルに交差して配置したので、電磁誘導
加熱装置の作動時にコア本体に渦電流が発生しない。こ
の結果、コアが発熱することはない。また軟磁性粉末が
高い透磁率を有するため、磁束発生コイルから発生する
磁束を加熱部方向に導きかつ外部への漏洩を抑えること
ができる。更にコア本体自体が粉末でありかつコア本体
が不導体により被覆されているので、コアに衝撃が加わ
っても、コア本体に割れや欠けが発生せず、また充填さ
れた粉末が脱落しない。
【0038】
【0039】
【0040】また磁束発生コイルを覆う樹脂製カバーの
コイルとは反対側の面に両側に一対の係止リブを有する
凹部又は凹溝を形成し、コア本体を被覆する不導体の両
側に一対の係止リブに係合可能な一対の係合部を形成
し、一対の係合部を一対の係止リブに係合することによ
りコアを樹脂カバーに取付ければ、コアの樹脂製カバー
への取付作業又は取外し作業を極めて容易に行うことが
できる。更に電磁誘導加熱装置に上記電磁気シールド用
コアを取付けると、電磁気シールド用コアにより磁束発
生コイルからの放射電界強度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の電磁気シールド用コアの
電磁炊飯器への取付構造を示す図2のA−A線断面図。
【図2】電磁炊飯器の外釜を伏せた状態を示す図3のB
部拡大斜視図。
【図3】そのコアを取付けた電磁炊飯器の縦断面図。
【図4】磁束発生コイルを取り外した状態を示す図3のC
―C線断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す図2に対応する
斜視図。
【図6】コアを取付けた状態を示す図5のD−D線断面
図。
【図7】そのコアを取付けた電磁炊飯器の縦断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図1に対応する
断面図。
【図9】その電磁気シールド用コアの斜視図。
【符号の説明】
11 電磁炊飯器(電磁誘導加熱装置) 12 外釜(被取付体 14 磁束発生コイル 17,57,97 電磁気シールド用コア 18,58,98 コア本体 18a,58a,98a 軟磁性粉末 19,59,99 不導体 52 樹脂製カバー 52a 凹溝 52b 係止リブ 59c 係合部 99a 箱本体 99b 閉止部材 99d 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−299165(JP,A) 特開 昭53−77101(JP,A) 特開 平6−232579(JP,A) 実開 平6−64393(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/12 A47J 27/00 H05K 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に不導体コーティングが形成された
    軟磁性粉末(18a,,58a,98a)を不導体容器(19,59)の中に
    封入することにより形成され電磁誘導加熱装置(11)の
    磁束発生コイル(14)に交差して配置された電磁気シール
    ド用コア。
  2. 【請求項2】 軟磁性粉末が鉄系アモルファス、コバル
    ト系アモルファス、パーマロイ、センダスト、純鉄、鉄
    ―シリコン系合金により形成された請求項1記載の電磁
    気シールド用コア。
  3. 【請求項3】 不導体容器が樹脂、ゴム又は液晶ポリマ
    ーにより形成された請求項記載の電磁気シールド用コ
    ア。
  4. 【請求項4】 不導体コーティング絶縁性樹脂、酸化
    珪素又は軟磁性粉末自体の酸化膜からなる請求項1記
    の電磁気シールド用コア。
  5. 【請求項5】 磁束発生コイル(14)を覆う樹脂製カバー
    (52)の前記コイル(14)とは反対側の面に両側に一対の係
    止リブ(52b,52b)を有する凹部又は凹溝(52a)が形成さ
    れ、請求項1ないし4いずれか1記載の電磁気シールド
    用コア(57)の両側に前記一対の係止リブ(52b,52b)に係
    合可能な一対の係合部(59c,59c)が形成され、前記一対
    の係合部(59c,59c)を前記一対の係止リブ(52b,52b)に係
    合することにより前記電磁気シールドコア(57)が前記樹
    脂カバー(52)に取付られた電磁気シールド用コアの取付
    構造。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4いずれか1記載の電磁
    気シールド用コア(17,57,97)が請求項記載の取付構造
    にて取付けられた電磁誘導加熱装置。
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