JP3394583B2 - ラクトン化合物の開環重合方法 - Google Patents

ラクトン化合物の開環重合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラクトン化合物とヘキ
サアルキルジシロキサン化合物およびアルコール化合物
との反応による、ラクトン化合物の開環重合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ラクト
ン化合物を開環重合させてポリエステル化合物を製造す
ることは周知であり、得られたポリエステル化合物は生
分解性高分子材料、ポリ塩化ビニルあるいはゴム等の高
分子材料の可塑剤、ポリエステルポリオールの形でポリ
ウレタン原料等として使用されている。
【0003】従来、ラクトン化合物を開環重合させる方
法としては、アルカリ金属、金属アルコキサイドによる
アニオン重合、金属アルキルによる配位アニオン重合、
金属ハロゲン化物によるカチオン重合等の重合方法が知
られているが、これらの方法により得られるポリエステ
ル化合物はいずれも分子量分布が広く、上述の用途に用
いるには適したものとはいえない。
【0004】また、本発明者等は先にアルキルシリルエ
ーテルを開始剤とするラクトン化合物の開環重合によっ
て比較的分子量分布の狭いポリエステル化合物を製造す
る方法を提案している(特開平4−283591号公
報)が、この方法では、一度アルキルシリルエーテルを
合成する必要があった。
【0005】従って、本発明の目的は、生分解性高分子
材料、ポリ塩化ビニルあるいはゴム等の高分子材料の可
塑剤として使用され、ポリウレタン原料等として有用な
分子量分布の狭いポリエステル化合物を容易に製造する
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、特定のラクトン化合物を、特定のヘキサ
アルキルジシロキサン化合物および特定のアルコール化
合物を開始剤(重合開始剤)として開環重合させること
により、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、下記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式
(I)で表されるラクトン化合物を、下記〔化5〕(前
記〔化2〕と同じ)の一般式(II)で表されるヘキサア
ルキルジシロキサン化合物および下記〔化6〕(前記
〔化3〕と同じ)の一般式(III) で表されるアルコール
化合物と反応させることを特徴とするラクトン化合物の
開環重合方法を提供するものである。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】以下、本発明のラクトン化合物の開環重合
方法について詳細に説明する。
【0012】本発明の方法に使用されるラクトン化合物
におけるアルキレン基としては、例えば、エチレン、ト
リメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサ
メチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチ
レン、デカメチレン、メチルエチレン、メチルトリメチ
レン、メチルテトラメチレン、エチルテトラメチレン、
プロピルテトラメチレン、ジメチルテトラメチレン等の
基が挙げられる。従って、上記一般式(I)で表される
ラクトン化合物としては、特に制限されるものではない
が、例えば、γ- バレロラクトン、δ- バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、α−メチル−β−プロピオラ
クトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、3−n−
プロピル−δ−バレロラクトン、6,6−ジメチル−δ
−バレロラクトン等が挙げられる。
【0013】本発明の方法に使用される開始剤の一つで
あるヘキサアルキルジシロキサン化合物におけるアルキ
ル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
【0014】本発明の方法に使用されるもう一つの開始
剤であるアルコール化合物としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタ
ノール、2エチルヘキサノール、イソノニルアルコー
ル、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチ
ルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアル
コール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコー
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のモ
ノアルコールや、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン
/プロピレン)グリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、3,9−
ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)ベンゼン、1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ヘキサン、グリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール、ジトリ
メチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、マンニ
トール、ソルビトール等のアルカンポリオール、ポリア
ルキレングリコール類、複素環式ポリオールや、2ーヒ
ドロキシエチルアクリレート、4ーヒドロキシブチルイ
ソブチレート、ビス(2ーヒドロキシエチル)アジペー
ト等の部分エステル化ポリオール、1〜6価のフェノー
ル化合物もしくはアルコール化合物のアルキレンオキシ
ド付加物等が挙げられる。
【0015】本発明の方法によって得られる開環重合体
は、ラクトンポリエステル化合物であり、該ラクトンポ
リエステル化合物は、その末端にシリルエーテル基が組
み込まれているときは下記〔化7〕の一般式(IV)の構
造をとる。
【0016】
【化7】
【0017】また、上記ラクトンポリエステル化合物
は、その末端にヒドロキシル基が組み込まれているとき
は下記〔化8〕の一般式(V)の構造をとる。
【0018】
【化8】
【0019】本発明の方法においては、触媒として、ア
ルカリ金属フッ化物塩および/またはテトラアルキルア
ンモニウムフルオライド(以下、両者を総称して「フッ
化物触媒」という)を用いることが好ましく、該触媒を
用いることによって反応が著しく促進され、短時間でか
つ温和な条件下に目的の重合物である上記ラクトンポリ
エステル化合物を得ることができる。
【0020】上記フッ化物触媒の使用量は、特に制限を
受けないが、通常、上記ラクトン化合物に対して、0.
01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%が更
に好ましい。上記使用量が0.01モル%未満である
と、触媒の添加効果が認められず、また、20モル%を
超えても、反応時間の短縮効果が小さくなる傾向にあ
る。
【0021】本発明の方法における上記の2つの開始剤
(上記ヘキサアルキルジシロキサン化合物および上記ア
ルコール化合物)の使用割合(アルコール化合物に対す
るヘキサアルキルジシロキサン化合物の使用割合)は、
特に制限を受けないが、上記アルコール化合物が1価の
場合、アルコール化合物の50モル%のヘキサアルキル
ジシロキサン化合物を用いることが好ましい。上記アル
コール化合物が多価アルコール(n価)の場合、アルコ
ール化合物のヒドロキシル基全てにラクトン化合物を付
加する場合には50nモル%以上のヘキサアルキルジシ
ロキサン化合物を用いることが好ましく、ヒドロキシル
基の一部を残存させたい場合には所望のヒドロキシル基
の量に応じて50nモル%より少ないヘキサアルキルジ
シロキサン化合物を用いることにより原料アルコール化
合物からの残存ヒドロキシル基を制御してもよい。上記
ヘキサアルキルジシロキサン化合物を過剰に用いても、
上記アルコール化合物を過剰に用いても、何れの場合も
本発明の方法には特に問題はないが、過剰に用いた成分
は廃棄物となるので、両者を当量用いることが好まし
い。
【0022】また、本発明の方法において、上記開始剤
の使用量は、目的物である開環重合物(ラクトンポリエ
ステル化合物)の重合度によって任意に変化させること
ができ、上記開始剤の使用量を多くすると比較的低重合
度の重合物が得られ、上記開始剤の使用量を少なくする
と比較的高重合度の重合物が得られるので、用いるラク
トン化合物に対して同当量以下であるのが好ましいが、
上記開始剤は、通常、上記ラクトン化合物に対して0.
0001当量以上、好ましくは0.001当量〜1当量
で用いられる。
【0023】本発明の方法における反応温度は、0〜1
50℃が好ましく、また、溶媒は、使用する必要はない
が、上記反応温度の制御等を目的として各種の有機溶
媒、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ジアル
キルエーテル、脂環式エーテル、アルキルアミド、ジア
ルキルスルホキシド等を用いることもできる。
【0024】本発明の方法における反応時間は、反応温
度、重合度、触媒の有無、溶媒の有無と種類により異な
るが、通常、数十分〜20時間である。
【0025】本発明の方法で得られる開環重合体である
上記ラクトンポリエステル化合物は、分子量分布が狭
く、その末端がシリルエーテル基〔上記一般式(IV)参
照〕の場合は反応性に富んでいるので、それ自身各種の
合成中間体として有用であるばかりでなく、該シリルエ
ーテル基を加水分解して末端の一部または全てを水酸基
としたポリエステルポリオール化合物を、例えば、ポリ
ウレタン原料、塗料等として使用することができる。上
記ラクトンポリエステル化合物の末端がヒドロキシル基
〔上記一般式(V)参照〕の場合はそのままポリウレタ
ン原料等として使用することができる。また、上記ラク
トンポリエステル化合物は、生分解性高分子材料、ポリ
塩化ビニルあるいはゴム等の高分子材料の可塑剤として
使用することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によっ
て何ら制限を受けるものではない。
【0027】実施例1 重合管にセシウムフルオライド0.15g(1ミルモ
ル)をとり、アルゴン気流下にε−カプロラクトン1
1.4g(0.1モル)、β−フェニルエチルアルコー
ル0.24g(2ミリモル)およびヘキサメチルジシロ
キサン0.16g(1ミリモル)を加え、脱気後封管し
た。激しく撹拌しながら70℃で3時間反応させた後触
媒をろ別した。反応液を約50mlのテトラヒドロフラ
ンに溶解し約1000mlのヘキサンより再沈澱操作を
行ない、沈澱物をろ過、減圧乾燥し、白色粉末の重合物
10.9g(カプロラクトンの変換率92%)を得た。
【0028】得られた重合物の分析結果は下記の通りで
あり、該重合物が目的物のラクトンポリエステル化合物
であることを確認した。
【0029】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10(s,OSi(C
H3)3), 1.10-1.95(m,(CH2)3), 2.28(t,CH2COO),2.92(t,
ArCH2), 3.56(t,CH2OSi), 4.04(t,CH2OCO),4.25(t,ArCH
2CH2O), 7.22(s,Ar) ゲルパーミェーション(GPC)分析(溶媒テトラヒド
ロフラン): 数平均分子量(Mn)=5450(ポリスチレン換算) 分子量分布:重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)=1.15
【0030】比較例1 β−フェニルエチルアルコールおよびヘキサメチルジシ
ロキサンの代わりにフェニルエチルトリメチルシリルエ
ーテル0.38g(2ミリモル)を使用した以外は実施
例1と同様にして重合物11.1g(変換率94%)を
得た。得られた重合物はIRおよび 1HNMRで実施例
1で得られた重合物と同様のスペクトルを示し、分子量
分布(Mw/Mn)は1.48であった。
【0031】実施例2〜5 セシウムフルオライドの使用量(ミリモル)、β−フェ
ニルエチルアルコールの使用量(ミリモル)およびヘキ
サメチルジシロキサンの使用量(ミリモル)をそれぞれ
下記〔表1〕に示す使用量(ミリモル)に代えて実施例
1と同様の操作により触媒をろ別し、未反応のεーカプ
ロラクトンを減圧下に留去し、それぞれ無色液体を得
た。得られた無色液体をそれぞれIRおよび 1HNMR
により分析したところ、所望のスペクトルを示した。ま
た、上記無色液体について、それぞれ収量、変換率、数
平均分子量および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
それらの結果を実施例1の結果を含めて下記〔表1〕に
示す。この結果より、上記無色液体がそれぞれ目的物の
ラクトンポリエステル化合物であることを確認した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例6 β−フェニルエチルアルコールを4−ヒドロキシブチル
イソブチレートに代えた以外は実施例1と同様の操作を
行い、白色粉末の重合物10.9g(変換率91%)を
得た。得られた重合物のGPC分析によるMnは542
0であり、Mw/Mnは1.17であった。その他の分
析結果は下記の通りであり、上記重合物が目的物のラク
トンポリエステル化合物であることを確認した。
【0034】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10(s,OSi(C
H3)3), 1.05-2.65(m,(CH2)3,CH3,CHCOO,(CH2)2),3.56
(t,CH2OSi), 4.03(t,CH2OCO)
【0035】実施例7 β−フェニルエチルアルコールをトリエチレングリコー
ルモノブチルエーテルに代えた以外は実施例1と同様の
操作を行い、白色粉末の重合物11.2g(変換率93
%)を得た。得られた重合物のGPC分析によるMnは
5580であり、Mw/Mnは1.15であった。その
他の分析結果は下記の通りであり、上記重合物が目的物
のラクトンポリエステル化合物であることを確認した。
【0036】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10(s,OSi(C
H3)3), 0.94(t,CH3),1.10-1.95((CH2)3,(CH2)2),2.28
(t,CH2COO),3.3-3.75(m,OCH2),4.05(t,CH2OCO)
【0037】実施例8 β−フェニルエチルアルコールを2,2−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン0.3
2g(1ミリモル)に代え、フッ化セシウムの使用量を
0.45g(3ミリモル)に増量した以外は実施例1と
同様の操作を行い、白色粉末の重合物10.9g(変換
率93%)を得た。得られた重合物のGPC分析による
Mnは11060であり、Mw/Mnは1.20であっ
た。その他の分析結果は下記の通りであり、上記重合物
が目的物のラクトンポリエステル化合物であることを確
認した。
【0038】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10 (s, OSi(CH3)
3), 1.2-1.9 (m, CH3,(CH2)3), 2.31 (t, CH2COO),3.5-
4.5 (m, CH2O, OCH2CH2O), 6.7-7.2 (m, Ar)
【0039】実施例9 β−フェニルエチルアルコールをジエチレングリコール
0.11g(1ミリモル)に代え、フッ化セシウムの使
用量を0.75g(5ミリモル)に増量した以外は実施
例1と同様の操作を行い、白色粉末の重合物10.6g
(変換率92%)を得た。得られた重合物のGPC分析
によるMnは10740であり、Mw/Mnは1.18
であった。その他の分析結果は下記の通りであり、上記
重合物が目的物のラクトンポリエステル化合物であるこ
とを確認した。
【0040】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10 (s, OSi(CH3)
3), 1.2-1.9 (m, CH3,(CH2)3), 2.31 (t, CH2COO),3.5-
4.3 (m, CH2O, OCH2CH2O)
【0041】実施例10 β−フェニルエチルアルコールを1,3,5−トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート0.17g
(0.7ミリモル)に代え、フッ化セシウムの使用量を
0.75g(5ミリモル)に増量した以外は実施例1と
同様の操作を行い、白色粉末の重合物11.0g(変換
率95%)を得た。得られた重合物のGPC分析による
Mnは16720であり、Mw/Mnは1.16であっ
た。その他の分析結果は以下の通りであり、上記重合物
が目的物のラクトンポリエステル化合物であることを確
認した。
【0042】IR分析:1735cm-1(エステル)1 HNMR(CCl4)分析(δ, ppm) :0.10 (s, OSi(CH3)
3), 1.2-1.9 (m, (CH2)3), 2.31 (t, CH2COO),3.3-4.3
(m, CH2O, NCH2CH2O)
【0043】上記実施例1〜10及び比較例1の結果か
ら下記のことが判る。特定のラクトン化合物に、特定の
ヘキサアルキルジシロキサン化合物および特定のアルコ
ール化合物を開始剤として反応させることにより、ラク
トンポリエステル化合物を温和な条件下、短時間に高収
率で製造することができる(実施例1〜10)。また、
本発明の方法により得られたラクトンポリエステル化合
物(実施例1〜10)は、特開平4−283591号公
報において示されるシリルエーテル化合物を開始剤とし
て得られるラクトン化合物の重合物(比較例1)の分子
量分布(Mw/Mn=1.48)より更に狭い分子量分
布のラクトンポリエステル化合物を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明のラクトン化合物の開環重合方法
によれば、生分解性高分子材料、ポリ塩化ビニルあるい
はゴム等の高分子材料の可塑剤として使用され、各種合
成中間体、ポリウレタン原料として有用な分子量分布の
狭いラクトンポリエステル化合物を容易に製造すること
ができる(請求項1)。また、本発明のラクトン化合物
の開環重合方法において、特定のフッ化物触媒を用いる
ことにより、反応が著しく促進され、短時間でかつ温和
な条件下に上記ラクトンポリエステル化合物を製造する
ことができる(請求項2)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−157422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔化1〕の一般式(I)で表される
    ラクトン化合物を、下記〔化2〕の一般式(II)で表さ
    れるヘキサアルキルジシロキサン化合物および下記〔化
    3〕の一般式(III) で表されるアルコール化合物と反応
    させることを特徴とするラクトン化合物の開環重合方
    法。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 触媒として、アルカリ金属フッ化物塩お
    よび/またはテトラアルキルアンモニウムフルオライド
    を用いる請求項1記載のラクトン化合物の開環重合方
    法。
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