JP3394373B2 - 保温炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内釜と保温ヒータ
とを備えたジャー部を、電源供給がなされるベース部か
ら離脱可能とした保温炊飯器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記保温炊飯器は、例えばガス炊飯で
は、内釜を備えた本体に、炊飯用のガスバーナと保温用
のヒータとを設け、そこにガス管と電源コードとをつな
いだ一体型のものが一般的であるが、食卓等へ炊き上が
った御飯を移動させる場合、別のジャーに移し替えたり
する必要があるため、図６（Ａ）のように、内釜３１を
備えたジャー部３０を、ガスバーナ３２やスイッチ等の
操作部３３を備えたベース部３４から離脱可能とし、ジ
ャー部３０のみを別体で移動できるようにした分離型も
採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】使い勝手を考慮した場
合、上記分離型の方が便利であるが、このタイプでも、
ジャー部３０へ設けた保温ヒータへの電源供給や内蔵し
たマイコンによる温度制御等の通信用に、ジャー部３０
へ差込プラグ３０ａを設けて、これをベース部３４に設
けたコンセント３５や、同図（Ｂ）のように食卓等の移
動先でのコンセント３５ａ等に接続する必要があるた
め、ベース部３４からの離脱時や移動先でいちいち差込
プラグ３０ａを抜き差しする手間が生じ、これが使い勝
手を阻害していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、差込プ
ラグの抜き差し等の余計な手間を不要とし、分離型の利
点である使い勝手の一層の向上を図った保温炊飯器を提
供するもので、その構成は、前記ジャー部側には、下側
を開口し、複数の接続端子と、その端子間を仕切るドッ
グとを配置したキャップを設ける一方、前記ベース部側
には、前記キャップの開口と合致する外形を有して前記
ジャー部の接続端子及びドッグが進入可能で、内部に前
記ジャー部の接続端子と対応する接続端子を有するハウ
ジングを設け、さらに前記ハウジング内には、前記ジャ
ー部を前記ベース部から分離している時は前記ベース部
の接続端子を覆い、前記ジャー部の前記ベース部への定
位置載置に伴う前記ドッグの当接により開放動作し、前
記ベース部の接続端子を露出させるカバーを備えて、前
記ジャー部の前記ベース部への載置により、前記キャッ
プとハウジングとが嵌合すると共に、前記ジャー部の接
続端子と、前記カバーの開放動作で露出した前記ベース
部の接続端子とが互いに接触して電気的接続することを
特徴とするものである。又前記ベース部に加えて移動自
在のベース部を少なくとも１つ用意し、前記ジャー部の
移動先でも前記移動自在のベース部への定位置載置によ
り電気的接続を可能とするのが望ましい。尚本発明でい
う接続端子は、電源供給用以外に、例えばジャー部に設
けた温度センサとベース部の温度制御回路との間等の電
気信号の通信用も含む。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図１において保温炊飯器１は、ガス
管４及び差込プラグ５が設けられると共に、ガスバーナ
６及び、炊飯や保温、タイマースイッチ等を有する操作
部７が備えられるベース部２と、そのベース部２と別体
でベース部２の上部へ定位置載置可能に設けられ、内釜
８、保温用の蓋ヒータ９ａ、胴ヒータ９ｂ，９ｂを備え
るジャー部３とからなる。又ベース部２の上面とジャー
部３の下面には、後述する接触端子部１０，１１が夫々
設けられ、ジャー部３のベース部２への定位置載置状態
で、両接触端子部１０，１１が電気的接続され、炊飯や
保温加熱のための電源供給及び、温度制御等のためのベ
ース部２とジャー部３間の電気信号の受渡が可能となっ
ている。尚上記ガスバーナ６等の炊飯機能を備えたタイ
プのベース部２以外に、移動自在のベース部として、図
２のように差込プラグ５ａと保温スイッチ７ａとを備え
た保温専用のベース部２ａ等を別に設けても良い。これ
らの電気回路の概略を図３に示すと、ジャー部３におい
ては、並列に接続される蓋ヒータ９ａ、胴ヒータ９ｂ，
９ｂと、センサとしてのサーマルリードスイッチ１２、
そして前記接触端子部１０とで構成される一方、保温専
用のベース部２ａ側では、交流電源１３に保温スイッチ
７ａと、接触端子部１１を備えて構成される。尚炊飯機
能を備えたベース部２では、これに電磁弁やイグナイタ
ー、タイマー等の周知の回路や温度制御回路等が付加さ
れることになり、その場合の接触端子部１０，１１に
は、電源供給用以外に、ジャー部３へ設けた温度センサ
からの電気信号の通信用の端子も夫々設けられることに
なる。

【０００６】次に接触端子部１０，１１の詳細を図４，
５に示す。尚ここでは前述の様に接触端子部１０，１１
に電源供給用と通信用の両方の端子を備えた例で説明す
る。まずジャー部３側の接触端子部１０は、下側を開口
したキャップ１４に、正負の電源端子１５，１５と、温
度制御用の通信端子１６，１６とが、開口１４ａ側へ向
けて一列に配置されており、電源端子１５，１５と通信
端子１６，１６との間は、ドッグ１７で仕切られてい
る。一方ベース部２側の接触端子部１１は、ジャー部３
の電源端子１５，１５、通信端子１６，１６が夫々貫通
可能な角孔１９，１９・・を設けた細長のハウジング１
８と、そのハウジング１８内で短手方向へ回動可能に軸
支される細長曲面状のカバー２０とを有し、ハウジング
１８中央のスリット１８ａに、カバー２０の中央に突設
した曲面状のカム部２１が露出している。又カバー２０
は、ベース部２の取付板２ｂへ軸支されると共に、トー
ションスプリング２２によって図５（Ａ）の右回転方向
へ付勢され、その長手方向の右側縁２０ａが、角孔１９
の下方への折込縁１９ａに当接して回転止めされて、こ
の状態では角孔１９，１９・・を閉塞する格好となって
いる。更にベース部２の取付板２ｂには、各電源端子１
５、通信端子１６と対応する端子板２３，２３・・が設
けられているが、各端子板２３は、カバー２０の裏面に
沿って曲面状に折返して弾性を付与させた先端部に接触
部２３ａを備えて、これを角孔１９の真下に位置させて
いる。

【０００７】以上の如く構成された保温炊飯器１は、ジ
ャー部３をベース部２の上部へ載せると、ジャー部３の
キャップ１４のドッグ１７が、ハウジング１８のスリッ
ト１８ａに進入してカバー２０のカム部２１に当接し、
図５（Ｂ）のように、ジャー部３の下降と共にカバー２
０をトーションスプリング２２の付勢に抗して押し下げ
る。よって角孔１９が開放されて電源端子１５、通信端
子１６が夫々角孔１９からハウジング１８内へ進入し、
その先端がカバー２０の回転によって露出した端子板２
３の接触部２３ａへ当接して、ジャー部３の定位置載置
完了時には、図５（Ｃ）のように夫々電気的接続される
ことになる。又この時キャップ１４の開口１４ａは、ハ
ウジング１８の外形に合致する形状となっているから、
ジャー部３の定位置載置時のがたつきは生じない。そし
てジャー部３を持ち上げると、上記と逆の移動で各電源
端子１５、通信端子１６が端子板２３から離反して電気
的接続が断たれると共に、キャップ１４のドッグ１７の
上昇に伴って押し下げ位置にあったカバー２０がトーシ
ョンスプリング２２の付勢によって回転し、ドッグ１７
がスリット１８ａから離脱した時点で、図５（Ａ）のよ
うに再び角孔１９を閉塞することになる。よって本実施
の形態によれば、分離させたジャー部３をベース部２へ
載せるだけで電源供給や通信が可能となるから、ジャー
部３に電源コード等を設けていちいちベース部２へ着脱
する手間がかからず、ジャー部３の移動が簡単に行えて
使い勝手が向上する。特にここではジャー部３とベース
部２間の電気的接続を接触形態で行っているから、構造
が合理的となって簡略化でき、又ジャー部３の離脱時に
はハウジング１８を遮蔽し、定位置載置時に開放するカ
バー２０の採用により、ハウジング１８への塵埃の進入
も防止できることになる。更に図２の如く食卓等の移動
先に上記接触端子部１１を備えた保温専用のベース部２
ａ等ベース部を複数個用いれば、移動先での保温も可能
となって、好適な使用と共に常に温かいご飯が提供でき
るのである。

【０００８】尚上記実施の形態ではガス炊飯による保温
炊飯器について説明したが、本発明は電気炊飯による保
温炊飯器でも適用可能である。又接続端子部の具体的形
状も上記接触形態に限定せず、プラグの差し込み形態と
する等ジャー部の定位置載置によって自動的に電気的接
続されるものであれば、種々の設計変更は可能である。

【０００９】

【発明の効果】以上本発明によれば、電源コード等を不
要にしてジャー部の定位置載置と離脱時の電気的接続を
簡単に行うことができ、操作性、移動性等の使い勝手が
非常に良好となる。特に、ジャー部側のキャップとベー
ス部側のハウジングとの嵌合により、ジャー部の定位置
載置時のがたつきは生じない。又移動自在のベース部を
用意してジャー部の移動先でも当該ベース部への定位置
載置ができるようにすれば、移動先でも保温ができ、使
い勝手の良さに加えて常に温かいご飯が提供できること
になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】保温炊飯器の説明図である。

【図２】保温専用のベース部の説明図である。

【図３】保温炊飯器の概略回路図である。

【図４】接触端子部の説明図である。

【図５】（Ａ）接触端子部の接続状態を示す説明図であ
る。 （Ｂ）接触端子部の接続状態を示す説明図である。 （Ｃ）接触端子部の接続状態を示す説明図である。

【図６】（Ａ）従来の保温炊飯器の説明図である。 （Ｂ）従来の保温炊飯器の説明図である。

【符号の説明】

１・・保温炊飯器、２・・ベース部、３・・ジャー部、
４・・ガス管、５・・差込プラグ、６・・ガスバーナ、
７・・操作部、８・・内釜、９ａ，９ｂ・・保温ヒー
タ、１０，１１・・接触端子部、１４・・キャップ、１
５・・電源端子、１６・・通信端子、１７・・ドッグ、
１８・・ハウジング、２０・・カバー、２１・・カム
部、２２・・トーションスプリング、２３・・端子板。

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47J 27/00 105 A47J 27/00 103

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内釜と保温ヒータとを備えたジャー部
   を、電源供給がなされるベース部から離脱可能とした保
   温炊飯器において、前記ジャー部側には、下側を開口し、複数の接続端子
   と、その端子間を仕切るドッグとを配置したキャップを
   設ける一方、 前記ベース部側には、前記キャップの開口と合致する外
   形を有して前記ジャー部の接続端子及びドッグが進入可
   能で、内部に前記ジャー部の接続端子と対応する接続端
   子を有するハウジングを設け、 さらに前記ハウジング内には、 前記ジャー部を前記ベー
   ス部から分離している時は前記ベース部の接続端子を覆
   い、前記ジャー部の前記ベース部への定位置載置に伴う
   前記ドッグの当接により開放動作し、前記ベース部の接
   続端子を露出させるカバーを備えて、前記ジャー部の前記ベース部への載置により、前記キャ
   ップとハウジングとが嵌合すると共に、前記ジャー部の
   接続端子と、前記カバーの開放動作で露出した前記ベー
   ス部の接続端子とが互いに接触して電気的接続する こと
   を特徴とする保温炊飯器。
2. 【請求項２】 前記ベース部に加えて移動自在のベース
   部を少なくとも１つ用意し、前記ジャー部の移動先でも
   前記移動自在のベース部への定位置載置により電気的接
   続を可能とした請求項１に記載の保温炊飯器。