JP3393955B2 - 薄板状ワーク搬送用ハンド - Google Patents

薄板状ワーク搬送用ハンド

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JP3393955B2 JP11795695A JP11795695A JP3393955B2 JP 3393955 B2 JP3393955 B2 JP 3393955B2 JP 11795695 A JP11795695 A JP 11795695A JP 11795695 A JP11795695 A JP 11795695A JP 3393955 B2 JP3393955 B2 JP 3393955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動搬送装置に用いら
れる搬送用ハンドに関する。例えば、液晶基板やプリン
ト基板等の薄板状ワークを載置する搬送用ハンドを棚状
のカセットに対して水平方向に接近および離間して、薄
板状ワークを積み、下しする自動搬送装置の先端に取付
けられる薄板状ワーク搬送用ハンドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、薄板状ワークを棚状のカセット
に水平多段に収納し、このカセットから薄板状ワークを
1枚ずつ取扱って、カセット位置と各種処理作業位置と
に薄板状ワークを搬送し、結果としてカセットに対して
薄板状ワークを積み、下しする自動搬送装置として、水
平移動部・回転部・昇降部を持ち、また、薄板状ワーク
を載置するハンドを持ち、マイクロコンピュータにより
自動制御される自動搬送装置が使用されている。
【0003】図7に示されるごとく、薄板状ワーク30
は棚状のカセット40に所定のピッチP1 で上下方向に
多段に収納される。このカセット40のピッチP1 を大
きくすると、一定高さのカセットに収納される薄板状ワ
ーク30の数量が少なくなり、作業能率が低下するた
め、極力カセット40のピッチP1 を小さくすることが
嘱望されている。
【0004】他方、処理作業能率を向上させるため、一
枚の薄板状ワーク30の寸法を大きくする傾向にある。
【0005】ところで、図6に示されるごとく、従来の
搬送用ハンド50はアルミニウム材あるいはアルミニウ
ム合金材により形成されている。勿論、例えば液晶基板
のような薄板状ワーク30は水平方向に変形しやすいた
め、薄板状ワーク30の寸法、特に長手方向の寸法が大
きくなるに伴って、アルミニウムよりなる搬送用ハンド
50の長さを長くする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、搬送用ハンド50を長くすると、搬送用ハンド50
は重力により、例えば図8に示される状態に撓むことと
なる。
【0007】例えば、搬送用ハンド50の板厚をt1
板幅をB1 、および長さをL1 としたときのハンド50
の上下方向の撓みをδ1 とした場合、搬送用ハンド50
をカセット40の薄板状ワーク30間に挿入時の搬送用
ハンド50と上下の薄板状ワーク30,30との夫々の
間隔を△hとし、薄板状ワーク30の板厚をt0 および
薄板状ワーク30を収納するカセット40の上下のピッ
チをP1 とすると、
【0008】 P1 =t1 +δ1 +2△h+t0 …………(1)
【0009】に制限される。すなわち、搬送用ハンド5
0を上記寸法とした場合、自重による搬送用ハンド50
の撓み量δ1 がカセット40のピッチPの基準となるた
め、カセット40のピッチを一義的に小さく設定するこ
とができなかった。
【0010】さらに、搬送用ハンド50は板幅B1 およ
び長さL1 に対して板厚t1 が小さい値であるため、搬
送用ハンド50をアルミニウムで形成すると、応々にし
て加工歪みが残存して、平面状態を所望の状態に保てな
いという問題があった。
【0011】すなわち、搬送用ハンド50を所望の水平
面の状態に保てない場合、即ち、歪んでいる場合、この
歪が重力による搬送用ハンドの撓み量δ1 に付加される
ため、カセットのピッチPを大きくする要因となってい
た。
【0012】勿論、上記事態を解消するため、製作後に
所望の水平面の状態に形成されていない搬送用ハンドを
不良品として破棄することが考えられるが、搬送用ハン
ドの製作費が高価であるため得策でない。
【0013】本発明の目的は、加工歪のない所望の平面
状態とすることができ、かつ重力による撓みの小さい搬
送用ハンドを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、薄板状ワ
ークを載置する搬送用ハンドを棚状のカセットに対して
水平方向に接近および離間して、薄板状ワークを積み、
下しする自動搬送装置の先端に取付けられる薄板状ワー
ク搬送用ハンドに適用される。その特徴とするところ
は、薄板状ワーク搬送用ハンドが、カーボンを含む可撓
性繊維質材と熱硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材によ
り形成されたことである。
【0015】第2の発明は、第1の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL =EW であることを特徴
としている。
【0016】第3の発明は、第1の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL >EW であることを特徴
としている。
【0017】第4の発明は、第1の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL =2.6EW であること
を特徴としている。
【0018】第5の発明は、薄板状ワークを載置する搬
送用ハンドを棚状のカセットに対して水平方向に接近お
よび離間して、薄板状ワークを積み、下しする自動搬送
装置の先端に取付けられる薄板状ワーク搬送用ハンドに
適用される。その特徴とするところは、薄板状ワーク搬
送用ハンドが、カーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化
性樹脂とからなる熱硬化性部材により形成され、かつハ
ンド先端から基部側に平面中央部が切欠かれてU字状に
形成されたことである。
【0019】第6の発明は、第5の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL =EW であることを特徴
としている。
【0020】第7の発明は、第5の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL >EW であることを特徴
としている。
【0021】第8の発明は、第5の発明において、棚状
のカセットに対して接近・離間するハンドの長手方向
と、該長手方向と直交するハンドの幅方向との夫々の縦
弾性係数EL およびEW がEL =2.6EW であること
を特徴としている。
【0022】
【作用】本発明においては、薄板状ワーク搬送用ハンド
は、カーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化性樹脂とか
らなる熱硬化性部材により形成されているため、加工歪
のない所望の平面状態とすることができ、かつ軽量で機
械的強度が大であって重力による撓みの小さい搬送用ハ
ンドを確実に実現することができる。
【0023】勿論、カーボンを含む可撓性繊維質材を重
ね合わす際に、繊維質材の繊維方向を適宜に選定するこ
とにより、搬送用ハンドの長手方向と、長手方向と直交
する搬送用ハンドの幅方向との夫々の縦弾性係数EL
W を自在に設定することができ、用途に対応させるこ
とができる。
【0024】このため、結果としてカセットの薄板状ワ
ークの多段積みのピッチを可及的に小さくして、カセッ
トに収納された薄板状ワークの処理作業能率の向上に寄
与することができる。
【0025】さらに、薄板状ワーク搬送用ハンドが、カ
ーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化性樹脂とからなる
熱硬化性部材により形成され、かつハンド先端から基部
側に平面中央部が切欠かれてU字状に形成されていれ
ば、上記作用・効果に加えて、平面U字状部が幅方向に
離間した位置で薄板状ワークを安定して支持することと
なる。このため、薄板状ワークが広幅で極端に薄い、例
えば、液晶基板の場合に特に有効である。
【0026】この場合、搬送用ハンドは平面中央部が切
欠かれたU字状に形成されるが、従来のごとくアルミニ
ウムによりU字状のハンドを形成しようとすると、薄い
肉厚で、しかも平面U字状に切欠かれているため、大半
のハンドが歪んで所望の平面状態となし得ない。
【0027】しかし、本発明に係る搬送用ハンドは、適
宜に積層されるカーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化
性樹脂とからなる熱硬化性部材が、加圧・圧締されて形
成されるため、歪のない所望の平面状態のものが確実に
得られる。
【0028】勿論、搬送用ハンドは歪のない所望の平面
状態に形成されるため、従来のごとくの搬送時における
搬送用ハンドの歪み量の考察は無用となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は、先端に薄板状ワーク搬送用ハンドを取
付けたロボットにより、カセット40内の薄板状ワーク
30を搬出する状態を説明するための、本発明の対象と
する自動搬送装置の概略図である。
【0030】ロボット1は、例えば、PTP制御やCP
制御などにより、適宜に制御される。例えば、円筒座標
系の、いわゆる水平多関節形のロボットであり、関節腕
2の屈伸によりハンド10を直線Xに沿って動かす。ま
た、肩3を昇降することによってハンド10を直線Zと
平行に動かす。直線Xと直線Zは直交している。ロボッ
ト1は、肩3(円筒座標の中心)を中心として旋回する
ことによって、肩3とハンド10との距離を半径とした
円周方向に沿ってハンド10を動かす。
【0031】カセット40は、正面からのみ薄板状ワー
ク30の出し入れが可能であり、正面はロボット1側に
向いており、正面と直線Xとは垂直となるように設置
し、かつ、各々の薄板状ワーク30群の中心を結ぶ線Z
は、直線Xと直交するように設置するとともに、薄板
状ワーク30とハンド10とは平行となるように配置さ
れている。
【0032】ロボット1が適宜に制御されて、ハンド1
0がX1 方向に移動され、ステーションST1 におい
て、カセット40に多段に収納された薄板状ワーク3
0,30間に挿入される。ついで、ハンド10が所望量
上昇されて、薄板状ワーク30が搬送用ハンド10上に
載置され、この後、搬送用ハンド10がX2 方向に移動
される。この後、ロボット1が適宜に制御されて、ハン
ド10上に載置された薄板状ワーク30が所望の処理作
業位置(=ステーションST2 )に搬送される。
【0033】例えば、処理作業後、ロボット1が適宜に
制御されて、ハンド10に載置された薄板状ワーク30
がカセット40の所望の位置に搬入されて収納される。
すなわち薄板状ワーク30がST2 からST1 へと搬送
される。
【0034】 図2乃至図4は、本発明の第1の実施例
を示す図であって、搬送用ハンド10の詳細図を示して
いる。搬送用ハンド10は、カーボンを含む可撓性繊維
質材と熱硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材により平板
状に形成され、かつハンド先端から基部側に、即ち、X
2方向側に平面中央部101が切欠かれてU字状に形成
されている。カーボンを含む可撓性繊維質材としては、
カーボン繊維質材が最適であるが、カーボン繊維質材
と、合成繊維質材、ガラス繊維質材又は植物繊維質材等
との組合せとすることができる。熱硬化性樹脂として
は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂又はフェノール樹
脂等が適宜に選定される。
【0035】図4に示されるごとく、上記カーボンを含
む可撓性繊維材質は、繊維方向がX方向の材料CF
1 と、繊維方向がY方向の成分を有する材料CF2 とが
適宜に積層されて構成される。カーボンを含む可撓性繊
維材質は、繊維方向の機械的強度が大きいため、繊維方
向がX方向の材料CF1 を上記CF2 よりも多く使用す
ると、通常X方向の機械的強度を重視する搬送用ハンド
として好適である。
【0036】本発明に係る搬送用ハンド10は、適宜に
積層されるカーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化性樹
脂とからなる熱硬化性部材が、加圧・圧締されて形成さ
れるため、歪のない所望の平面状態のものが確実に得ら
れる。この歪のない硬化された平板をU字状に切断して
搬送用ハンド10が形成される。このため、結果として
歪のない所望の平面状態のU字状の搬送用ハンド10を
確実に得ることができる。
【0037】図2および図3に示されるごとく、搬送用
ハンド10のY方向に離間する指部102,103は夫
々同一形状であって、指部102,103が、夫々例え
ば肉厚をt1 ,指幅をB1 /2および長さをL1 として
いるが、今仮に、搬送用ハンド10が肉厚;t1 ,板
幅;B1 および長さ;L1 の単一の平板であるものと
し、搬送用ハンド10の基部がロボット1に確実に支持
されているとした場合、単一の平板によりなる搬送用ハ
ンド10の重力による上下方向の撓みδ2 は次式で表わ
される。
【0038】 δ2 =(W2 /E2 )×(L1 /3I)………(2)
【0039】ただし、W2 ;ハンド10の長さL1 に相
当する重量 I ;ハンド10の断面2次モーメント E2 ;熱硬化性部材よりなるハンド10のX方向の縦弾
性係数
【0040】一方、上記と同寸法のハンドをアルミニウ
ムにより形成したときの撓みδ1 は次式で表わされる
【0041】 δ1 =(W1 /E1 )×(L1 /3I)………(3)
【0042】ただし、W1 ;アルミニウムよりなるハン
ドの長さL1 に相当する重量 E1 ;アルミニウムよりなるハンドの縦弾性係数
【0043】上記(2)式および(3)式より下式が成
立つ。
【0044】 δ2 =(W2 /E2 )×(E1 /W1 )×δ1 =(E1 /E2 )×(W2 /W1 )×δ1 ………(4)
【0045】さらに、夫々のハンドの断面積および長さ
は同一であるため、熱硬化性部材よりなるハンドの比重
をγ2 およびアルミニウムよりなるハンドの比重をγ1
とすれば(4)式は下式で表わされる。
【0046】 δ2 =(E1 /E2 )×(γ2 /γ1 )×δ1 ………(5)
【0047】上記熱硬化性部材は複数に積層されるカー
ボンを含む可撓性繊維質材において、繊維方向の異なる
上記CF1 とCF2 との夫々の積層数により数値が異な
るが、例えば熱硬化性部材よりなるハンドの比重γ2
1.5および縦弾性係数E2=11000Kg/mm2 のも
のを作成することができる。
【0048】一方、アルミニウムはγ1 =2.7,E1
=7500Kg/mm2 であるから、上記の夫々の数値を
(5)式に代入すれば下式となる。
【0049】 δ2 =(7500/11000)×(1.5/2.7)×δ1 =0.38δ1 ………………………………………(6)
【0050】上記のごとく、複数に積層されるカーボン
を含む可撓性繊維質材の配置を適宜に選定した熱硬化性
部材によりハンド10を形成すれば、例えば(6)式で
表わされるようにアルミニウムにより形成したハンド5
0に対して、上下方向の撓み量は約4割に減少されるこ
ととなる。
【0051】なお、上記の計算式においては、搬送用ハ
ンド10が肉厚;t1 ,板幅;B1および長さ;L1
単一の平板であるとしたが、図2および図3に示される
ごとく肉厚;t1 ,長さ;L1 ,および板幅;B1 /2
の2個の指部102,103とした場合、例えば指部1
02の重力による撓みδ3 は次式で表わされる。
【0052】 δ3 =(W3 /E2 )×(L1 /3I3 )………(7)
【0053】ただし、W3 ;指部102の長さL1 に相
当する重量 I3 ;指部102の断面2次モーメント E2 ;熱硬化性部材よりなる指部のX方向の縦弾性係数
【0054】ところで(2)式の対象となるハンドの板
幅を1/2にしたものが(7)式であり、W3 =W2
2およびI3 =I/2 の関係にあるため、これらの値を
(7)式に代入すると下式となる。
【0055】δ3 =(W2 /E2 )×(L1 /3I)
【0056】従って、夫々(2)式と(7)式とで表わ
される撓みδ2 とδ3 とは同一であることが判る。この
ため、2個の指部102,103としても、上記(6)
式が成立つ。
【0057】本発明にかかる搬送用ハンド10を用いた
場合、搬送用ハンド10の撓みδ2に伴なうカセット4
0の上下のピッチP2 は(1)式と同様に考えて下式で
表わされる。なお搬送用ハンド10をカセット40に挿
入する時の模式拡大図を図5に示す。
【0058】 P2 =t1 +0.38δ1 +2△h+t0 ………(8)
【0059】(1)式および(8)式の個々の数値を特
定しないとP1 とP2 との数値比較をすることができな
いが、個々の値はミリ単位の値であるため、搬送用ハン
ドの撓みを従来の約4割に押えられることは、搬送装置
としてメリットが大である。
【0060】勿論、本発明に係る搬送用ハンドは、歪の
ない所望の平面状態に形成されるため、従来のごとく搬
送用ハンドの撓み量に歪み量を付加して考慮しなければ
ならないという事態は皆無となる。
【0061】さらに、図2に示されるごとく、搬送用ハ
ンドは、平面U字状部により、Y方向に離間する指部1
02,103により安定して薄板状ワーク30を載置す
るため、広幅で極端に薄い薄板状ワーク,例えば液晶基
板の場合に特に有効である。
【0062】なお、上記したごとく繊維方向の異なるC
1 とCF2 とを適宜に選定した熱硬化性部材により搬
送用ハンド10を形成するが、搬送用ハンド10の長手
方向、すなわちX方向の縦弾性係数をEL ,および幅方
向,すなわちY方向の縦弾性係数をEW としたとき、表
1に示される熱硬化性部材により搬送用ハンドを形成す
ることができる。
【0063】
【表1】
【0064】表1における番号乃至の比重;γ2
γ2 =1.5であった。従来のアルミニウムの値、すな
わちγ1 =2.7およびE1 =7500Kg/mm2
表1における番号およびの値を夫々(5)式に代入
して、表1における番号およびの夫々の撓みをδ21
およびδ22とすれば下式が得られる。
【0065】δ21=0.73δ1 、δ22=0.52δ1
【0066】なお表1における番号の撓み;δ23
(6)式で表わされるものと同一である。 δ23=δ2 =0.38δ1
【0067】表1における番号乃至のものを搬送用
ハンドとして用いることができるが、縦弾性係数EL
大きいほど、搬送用ハンドの上下方向の撓み量が小さ
く、カセットに対する薄板状ワークの積み、下し時に有
利であり、従って番号のものが搬送用ハンドとして最
適である。
【0068】さらに、上記EL とEW とに着目した場
合、EL =EW とすれば幅の広いワークに適用すること
ができる。
【0069】勿論、本発明の狙いとするワークはX方向
に長いワークであるからEL >EWとすれば好適であ
る。
【0070】さらに、上記した熱硬化性部材により形成
される搬送用ハンドにおいて、幅方向の機械的強度があ
る程度必要であるが、X方向の機械的強度を極力大きく
するよう繰返し搬送用ハンドを作成して、表1における
番号のものを得た。すなわち、EL =2.6EW 、E
L =11000Kg/mm2 のものが搬送用ハンドとし
て最適である。
【0071】なお、上記搬送用ハンドのEL の最大値は
搬送用ハンドの肉厚を大きくしても殆んど変化が見られ
なかった。
【0072】さらに、図4(A)において、繊維方向が
Y方向の成分を有する材料CF2 としては、繊維方向が
X方向の材料CF1 を90度反転させて使用したり、或
いは繊維方向がX方向とY方向とに格子状に配置した材
料とすることができる。
【0073】さらにまた、上記した熱硬化性部材により
形成される搬送用ハンドは、図6に示されるごとく単一
の平板とすることができる。
【0074】さらに、本発明に係る搬送用ハンドに、ワ
ークを載置するハンドの上面に開口する、いわゆるワー
ク吸着機構を付設すれば、ワークを安定して搬送できる
ことは勿論である。
【0075】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る薄板状ワーク搬送用ハンドは、カーボンを含む可撓
性繊維質材と熱硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材によ
り形成されているため、加工歪のない所望の平面状態と
することができ、かつ軽量で機械的強度が大であって重
力による撓みの小さい搬送用ハンドを確実に実現するこ
とができる。
【0076】勿論、カーボンを含む可撓性繊維質材を重
ね合わす際に、繊維質材の繊維方向を適宜に選定するこ
とにより、搬送用ハンドの長手方向と、長手方向と直交
する搬送用ハンドの幅方向との夫々の縦弾性係数EL
W を自在に設定することができ、用途に対応させるこ
とができる。このため、結果としてカセットの薄板状ワ
ークの多段積みのピッチを可及的に小さくして、カセッ
トに収納された薄板状ワークの処理作業能率の向上に寄
与することができる。
【0077】さらに、薄板状ワーク搬送用ハンドが、カ
ーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化性樹脂とからなる
熱硬化性部材により形成され、かつハンド先端から基部
側に平面中央部が切欠かれてU字状に形成されていれ
ば、上記作用・効果に加えて、平面U字状部が幅方向に
離間した位置で薄板状ワークを安定して支持することと
なる。このため、薄板状ワークが広幅で極端に薄い、例
えば、液晶基板の場合に特に有効である。
【0078】この場合、搬送用ハンドは平面中央部が切
欠かれたU字状に形成されるが、従来のごとくアルミニ
ウムによりU字状のハンドを形成しようとすると、薄い
肉厚で、しかも平面U字状に切欠かれているため、大半
のハンドが歪んで所望の平面状態となし得ない。しか
し、本発明に係る搬送用ハンドは、適宜に積層されるカ
ーボンを含む可撓性繊維質材と熱硬化性樹脂とからなる
熱硬化性部材が、加圧・圧締されて形成されるため、歪
のない所望の平面状態のものが確実に得られる。
【0079】勿論、搬送用ハンドは歪のない所望の平面
状態に形成されるため、従来のごとくの搬送時における
搬送用ハンドの歪み量の考察は無用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動搬送装置の概略斜視図
【図2】本発明の実施例を示す斜視図
【図3】図2のIII −III 線断面図
【図4】搬送用ハンド10の詳細説明図
【図5】図2に示される搬送用ハンド10をカセット4
0に挿入する時の模式拡大図
【図6】従来の搬送用ハンド50を示す斜視図
【図7】図6に示される搬送用ハンド50とカセット4
0との関係を示す図であって、図3に相当する図
【図8】図6に示される搬送用ハンド50をカセット4
0に挿入する時の模式拡大図
【符号の説明】
1 自動搬送装置 2 ロボット関節腕 3 ロボット肩 10 薄板状ワーク搬送用ハンド 101 搬送用ハンドの先端からの平面中央部のU字状
の切欠き 102 搬送用ハンドの幅方向の指部 103 搬送用ハンドの幅方向の指部 30 薄板状ワーク 40 カセット EL 搬送用ハンドの長手方向の縦弾性係数 EW 搬送用ハンドの長手方向と直交する幅方向の縦弾
性係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−99225(JP,A) 特開 平7−69445(JP,A) 特開 平6−114089(JP,A) 特開 平5−131582(JP,A) 特開 平6−179251(JP,A) 特開 昭60−124236(JP,A) 特開 平7−9346(JP,A) 特開 平4−145636(JP,A) 実開 昭61−84534(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B65G 49/06 - 49/07 B25J 15/00 - 15/12 G02F 1/13 H05K 13/02 B29D 9/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状ワークを載置する搬送用ハンドを
    水平方向に移動して前記薄板状ワークを積み降ろしする
    薄板状ワーク搬送用ハンドにおいて、 薄板状ではあるが主として水平面積が大で重量がある薄
    板状ワークの搬送に使用する薄板状ハンドであって、 前記薄板状ハンドをカーボンを含む可撓性繊維質材と熱
    硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材により形成して前記
    薄板状ハンドの材質の比重を小にし軽量にすると共に、
    前記熱硬化性部材を加圧・圧締成形方法を使用して加工
    歪みのない平面状態に形成することによって、前記薄板
    状ハンドに前記薄板状ワークを載置しないときの薄板状
    ハンドの両先端部の自重による撓み量を小にし、 次に、前記自重による撓み量を小にした薄板状ハンドの
    長手方向の前記熱硬化性部材の縦弾性係数を、その長手
    方向に直交するハンドの幅方向の前記熱硬化性部材の縦
    弾性係数よりも大にして、前記長手方向の機械的強度を
    大にすることによって、前記薄板状ハンドに前記薄板状
    ワークを載置したときの薄板状ハンド先端の撓み量を十
    分に小にする薄板状ワーク搬送用ハンド。
  2. 【請求項2】 薄板状ワークを載置する搬送用ハンドを
    水平方向に移動して前記薄板状ワークを積み降ろしする
    薄板状ワーク搬送用ハンドにおいて、 上下間隔が狭く多数の上下方向に多段に棚を設けた棚状
    のカセットに対して水平方向に接近および離間して、薄
    板状ではあるが主として水平面積が大で重量がある薄板
    状ワークを積み降ろしする薄板状ハンドであって、 前記薄板状ハンドをカーボンを含む可撓性繊維質材と熱
    硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材により形成して前記
    薄板状ハンドの材質の比重を小にし軽量にすると共に、
    前記熱硬化性部材を加圧・圧締成形方法を使用して加工
    歪みのない平面状態に形成することによって、前記薄板
    状ハンドに前記薄板状ワークを載置しないときの薄板状
    ハンドの両先端部の自重による撓み量を小にし、 次に、前記自重による撓み量を小にした薄板状ハンドの
    長手方向の前記熱硬化性部材の縦弾性係数を、その長手
    方向に直交するハンドの幅方向の前記熱硬化性部材の縦
    弾性係数よりも大にして、前記長手方向の機械的強度を
    大にすることによって、前記薄板状ハンドに前記薄板状
    ワークを載置したときの薄板状ハンド先 端の撓み量を十
    分に小にする薄板状ワーク搬送用ハンド。
  3. 【請求項3】 薄板状ワークを載置する搬送用ハンドを
    水平方向に移動して前記薄板状ワークを積み降ろしする
    薄板状ワーク搬送用ハンドにおいて、 薄板状ではあるが主として水平面積が大で重量がある薄
    板状ワークの搬送に使用する薄板状ハンドであって、 前記薄板状ハンドをカーボンを含む可撓性繊維質材と熱
    硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材により形成して前記
    薄板状ハンドの材質の比重を小にし軽量にすると共に、
    前記熱硬化性部材を加圧・圧締成形方法を使用して加工
    歪みのない平面状態に形成することによって、前記薄板
    状ハンド先端から基部側に平面中央部が切欠かれてU字
    状に形成された薄板状ハンドに前記薄板状ワークを載置
    しないときの前記U字状に形成された薄板状ハンドの両
    先端部の自重による撓み量を小にし、 次に、前記自重による撓み量を小にした薄板状ハンドの
    長手方向の前記熱硬化性部材の縦弾性係数を、その長手
    方向に直交するハンドの幅方向の前記熱硬化性部材の縦
    弾性係数よりも大にして、前記長手方向の機械的強度を
    大にすることによって、前記薄板状ハンドに前記薄板状
    ワークを載置したときの薄板状ハンド先端の撓み量を十
    分に小にする薄板状ワーク搬送用ハンド。
  4. 【請求項4】 薄板状ワークを載置する搬送用ハンドを
    水平方向に移動して前記薄板状ワークを積み降ろしする
    薄板状ワーク搬送用ハンドにおいて、 上下間隔が狭く多数の上下方向に多段に棚を設けた棚状
    のカセットに対して水平方向に接近および離間して、薄
    板状ではあるが主として水平面積が大で重量がある薄板
    状ワークを積み降ろしする薄板状ハンドであって、 前記薄板状ハンドをカーボンを含む可撓性繊維質材と熱
    硬化性樹脂とからなる熱硬化性部材により形成して前記
    薄板状ハンドの材質の比重を小にし軽量にすると共に、
    前記熱硬化性部材を加圧・圧締成形方法を使用して加工
    歪みのない平面状態に形成することによって、前記薄板
    状ハンド先端から基部側に平面中央部が切欠かれてU字
    状に形成された薄板状ハンドに前記薄板状ワークを載置
    しないときの前記U字状に形成された薄板状ハンドの両
    先端部の自重による撓み量を小にし、 次に、前記自重による撓み量を小にした薄板状ハンドの
    長手方向の前記熱硬化性部材の縦弾性係数を、その長手
    方向に直交するハンドの幅方向の前記熱硬化性部材の縦
    弾性係数よりも大にして、前記長手方向の機械的強度を
    大にすることによって、前記薄板状ハンドに前記薄板状
    ワークを載置したときの薄板状ハンド先端の撓み量を十
    分に小にする薄板状ワーク搬送用ハンド。
  5. 【請求項5】 搬送用ハンドにワーク吸着機構を付設し
    た請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送用ハン
    ド。
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