JP3393698B2 - 画像補正方法および画像処理装置 - Google Patents

画像補正方法および画像処理装置

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JP3393698B2
JP3393698B2 JP01948494A JP1948494A JP3393698B2 JP 3393698 B2 JP3393698 B2 JP 3393698B2 JP 01948494 A JP01948494 A JP 01948494A JP 1948494 A JP1948494 A JP 1948494A JP 3393698 B2 JP3393698 B2 JP 3393698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被検体中の水素や燐等か
らの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を検出
し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する核磁気
共鳴イメージング(MRI)装置で撮像した画像(以
下、MR画像という)の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、NMR現象を使って人体
中のプロトン密度やプロトンのスピンの緩和状態を測定
し人体の断層画像を得るものであり、高周波磁場印加後
に被検体の物質中の原子核から放出される磁気共鳴(M
R)信号を測定するために、高周波アンテナの一種であ
る高周波(RF)プローブを備えている。
【0003】このようなRFプローブとして、例えば鞍
型コイル、マルチプルエレメントレゾネータ(ME
R)、スロッテドチューブレゾネータ(STR)、ソレ
ノイドコイルなどが使われている。また脊椎用や局所用
として表面コイルが使用される。表面コイルは、前述の
MERやSTRよりも高感度であるが、感度の空間的な
不均一性が大きい。表面コイルの高感度化には従来より
クオドラチャ受信方式やマルチプルコイル(フェイズド
アレイとも呼ばれる)方式が採用されているものの、感
度の不均一性は表面コイルの本質的な性質であり回避で
きない。
【0004】この感度の不均一性によって、コイルの感
度の低い部分に対応するMR画像が暗くなる、いわゆる
シェーディングが発生する。図3(a)に、典型的な例
として頚椎を表面コイルで撮影したときのサジタル像を
模式的に示す。ここでRFプローブ20は頚椎背中側に
配置されている。この画像はRFプローブ20の感度分
布に起因したシェーディングを有している。即ち、断面
A−A上の画像プロファイルは図3(b)に示すように
画像右側から左側へ急激に低下する。
【0005】このようなRFプローブの不均一性に起因
するシェーディングを補正する方法として、予め人体等
価ファントムを撮影することによりRFプローブの感度
分布を求め、この感度分布データに基づき撮影した画像
データIを補正する方法や、撮影したMR画像を画像処
理することによって、シェーディングを補正する方法が
いくつか提案されている。
【0006】その一例を説明する。まず撮影した被検体
の画像をI(x,y)とする。別途計算により求めたコ
イルの感度分布s(x,y)を計算機に記憶しておく。
補正係数Fとして、F(x,y)=1/s(x,y)を
計算し、I(x,y)×F(x,y)なる演算により感
度不均一性を補正する。原理的にはこの方法で感度補正
できる。しかし実際にはコイルから遠いところではs
(x,y)が非常に小さい(暗い)ので、F(x,y)
の値は極めて大きくなる。また被検体の外側(背景)で
はI(x,y)の値は小さくS/Nが低い。従ってコイ
ルから遠くかつ被検体の外側の場所(ほとんどの背景は
この条件を満たす)では、I(x,y)×F(x,y)
の計算により、I(x,y)のノイズが増幅されてしま
い、補正後の画像の背景部分が大きな値をとる、即ち明
るくなる場合は多い。その結果、補正画像で被検体の詳
細な構造を見ようとしても背景が明るすぎて見にくい場
合が多かった。
【0007】これを低減する手段として、Roemerらは、
背景部分では、補正係数Fを一定にする方法を提案して
いるが、この場合にも背景のノイズを十分に低減できな
かった。また得られた画像データ自体に2次元低周波通
過をかけることにより、コイルの感度分布s(x,y)
を擬似的に得る方法もあるが、本発明者らの検討ではこ
れまで報告されているフィルタは安定でなく、すべての
撮影に対応できるものはなかった(日本磁気共鳴医学会
雑誌13巻(S)、323頁、「輝度不均一画像自己補正
法の評価」、安藤他(1993年)、アメリカン ジャーナ
ル オブ レントゲノロジー、148巻、418〜420頁(198
7年)、アクセル他、「インテンシティコレクション
イン サーフェスコイル MRイメージング」(Americ
an Journal of Rentogenology, Axel et al., Intensit
y correction in surface-coilMR imaging)、マグネテ
ィク・レゾナンス・イン・メディスン、16巻、192頁(1
990年)、ローマー他、「ザ・フェイズド・アレイ」(M
agnetic Resonancein Medicine、P. B. Roemer et al,
The NMR phased array))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
補正方法では低感度領域でノイズが強調され、画像診断
時に診断がしにくい場合があった。また撮像条件により
補正が充分にされない場合があった。また一般に画像の
ノイズを低減し画像診断能を上げるためにフィルタリン
グが行なわれる。ここで低域通過フィルタリングを行な
うと、画像上でS/Nが低い部分は、ノイズが低減され
診断能が向上するが、高S/Nの部分では、この効果は
少なく、逆にフィルタリングにより空間分解能が低下し
診断能が下がる。特にRFプローブの感度が急激に変化
する図3のような画像ではその傾向が強く、適当なフィ
ルタリングがなされていなかった。
【0009】このような状況を改善するため、従来より
適応型フィルタが検討されており、例えば適応型フィル
タとして、対象部分の信号の分散を逐次調べ、局所フィ
ルタリングをすることがなされている(例えば、IEE
E トランザクション オンメディカル イメージン
グ、12巻2号、322〜327頁、イタガキ(Improvementsof
nuclear magnetic resonance image quality using ite
rations of adaptivenonlinear filtering, Itagak
i)。しかし、このような従来の処理では、各部分につ
いて繰返し分散を計算するため計算時間が長くなり実用
的でないなどの課題があった。
【0010】本発明は、上記従来の問題を解決し診断能
の高い画像を得ることができる実用的な画像補正方法を
提供することを目的とする。即ち、本発明は磁気共鳴撮
像装置のMR画像において、低感度領域におけるノイズ
の強調の問題を解決し高周波プローブの感度補正が簡易
且つ適切になされる画像補正方法を提供することを目的
とする。また本発明は、空間分解能の低下を生じること
なく、MR画像に有効なフィルタリングをすることがで
きる画像補正方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成する本発
明の画像補正方法は、磁気共鳴撮像装置においてRFプ
ローブにより検出されたMR信号に基づき画像再構成し
て得られた第1の画像のシェーディングを、該シェーデ
ィングの情報を有する第2の画像を用いて補正する画像
補正方法であって、第1の画像の各絵素毎の感度補正係
数として、第2の画像の対応する絵素の感度により規定
され、該感度が高い領域において感度に略逆比例し、感
度の低い領域において最大値を有し、この最大値を与え
る感度よりも感度の低い領域において感度の増加関数と
なるような関数を用い、補正画像は第1のMR画像と感
度補正係数との積として求めるものである。また本発明
の画像処理装置は、RFプローブにより検出されたMR
信号を処理して、画像を再構成する画像処理装置であっ
て、前記RFプローブの感度を反映した画像を感度補正
する手段を備え、前記感度補正手段は、前記画像の絵素
のうち低感度領域の絵素を、感度の低下に従って補正係
数が小さくなるような関数を用いて補正するものであ
る。
【0012】本発明の好適な態様によれば、第2の画像
は、第1の画像又はMR信号に低域通過フィルタをかけ
ることにより作成され、シェーディング情報である感度
分布情報を有する。低域通過フィルタは、少なくとも撮
影時の視野またはRFプローブの種類に対応した変数で
ある係数を有するものが用いられる。このような低域通
過フィルタは、例えば次数が2次のバターワース型フィ
ルタである。
【0013】更に本発明の画像補正方法の別の態様は、
第1の画像又はMR信号に第1の低域通過フィルタをか
けることにより第2の画像を作成し、第2の画像の絵素
の感度により規定される感度補正係数を第1のMR画像
に乗じて補正画像を作成し、さらにこの補正画像に、第
2の低域通過フィルタをかけるものであり、この第2の
低域通過フィルタは、その係数が第2の画像により規定
され、絵素毎に異なるものである。この態様において
も、好適には、第1の画像を補正する感度補正係数は、
第2の画像の感度が高い領域において感度に略逆比例
し、感度の低い領域において最大値を有し、前記最大値
を与える感度よりも感度の低い領域において感度の増加
関数となるような関数を用いる。また本発明の別の態様
による画像処理装置は、高周波プローブにより検出され
た磁気共鳴信号を処理して、画像を再構成する画像処理
装置であって、前記高周波プローブの感度を反映した画
像を感度補正する手段を備え、前記感度補正手段は、再
構成前の磁気共鳴信号または再構成された画像に特定の
低域通過フィルタをかけることにより、前記高周波プロ
ーブの感度分布像を作成することを特徴とする
【0014】
【作用】第1のMR画像を補正するための感度補正係数
として、低感度領域の絵素では感度は低下するに従って
補正係数が小さくなるような特定の関数を用いることに
より、ノイズが多い低感度の絵素ほど補正が弱くなり、
画像上では低輝度になる。従って診断に支障をきたすこ
とのない補正画像を得ることができる。また補正される
第1の画像に特定の低域通過フィルタをかけることによ
り、ファントム等による撮影を必要とすることなく、画
像処理によってRFプローブの感度分布を良く反映した
感度分布(シェーディング情報)を有する第2の画像を
得ることができ、しかもこの第2の画像によって補正係
数を規定するので、RFプローブの感度分布に起因する
シェーディングを効果的に補正することができる。
【0015】また発明者らの検討によれば、プローブ感
度によるシェーディングが顕著な画像では局所的なS/
Nはプローブ感度で一義的に決定されるので、補正画像
にかける第2の低域通過フィルタの絵素毎の係数を、第
2の画像の感度分布データにより規定することにより、
S/Nが低い部分はノイズが低減され、S/Nが高い部
分は高空間分解能にすることができる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して以下説明
する。図2は、本発明の画像補正方法が適用される典型
的なMRI装置1の主要部分の断面図である。静磁場磁
石10は、通常は0.2Tから2T程度の磁場強度が使
われ、0.5T以上では静磁場磁石として図示のような
円筒状の超電導コイルを用いる。この磁石10が作る磁
束の向きは紙面に垂直である。更にMRI装置は、NM
R信号の空間的情報を得るために空間的に傾斜した磁場
を印加する傾斜磁場コイル11を備え、この傾斜磁場コ
イル11は超電導コイルのボア内に設置される。被検体
20に高周波磁場を印加するためのRFコイル12は、
傾斜磁場コイル11の内側に設置される。RFコイル1
2の内部にはスライド型ベッド13がありこの上に被検
体(患者)30を寝かせ検査する。また傾斜磁場コイル
11とRFコイル12との間には、外部からのRFノイ
ズを遮断し、RFコイル12が傾斜磁場コイル11など
と高周波結合するのを除去し、その性能劣化を防ぐ目的
で、RFシールド14が設置される。
【0017】受信用のRFコイル20は、送信用のRF
コイル12の内側に設置される。図2では、このような
受信コイル20として表面型頚椎コイルを使用した例を
示してある。さらにMRI装置は、これらRFコイル1
2、20及び傾斜磁場コイル11等を所定のシーケンス
で駆動制御するためのシーケンサや、RFコイル20の
検出したMR信号をもとに画像再構成する画像処理部、
得られた画像データを記憶し表示する表示部等を備えて
いる。
【0018】このような構成のMRI装置では、静磁場
内に置かれた被検体20にRFコイル12により高周波
磁場を印加するとともに傾斜磁場コイル11により傾斜
磁場を印加し、被検体20の組織を構成する原子核(通
常、プロトン)を励起し、その緩和過程において原子核
から放出される磁気共鳴(MR)信号を受信用のRFコ
イル20で検出し、このMR信号に基づいて所定の演算
を行ない、人体の断層画像を得る。この画像は、既に述
べたようにRFプローブの感度分布に起因したシェーデ
ィングを有しており、本発明は得られた元画像(第1の
MR画像)を処理することにより、感度不均一性を補正
する。
【0019】画像補正方法は大きく4つのステップから
なる。第1のステップではRFプローブの感度分布を求
める。第2のステップでは、第1のステップで求めた感
度分布に応じて補正係数を計算する。第3のステップ
は、第2のステップで求めた補正係数を使って元画像を
補正する。第4のステップは、必要に応じて行なわれ、
第1のステップで求めた感度分布に応じて補正画像をフ
ィルタリング処理する。以下順にこれらを説明する。
【0020】まず第1のステップにおけるRFプローブ
の感度分布s(x,y)の計算方法を示す。x及びyは
それぞれ画像上の位置である。RFプローブの感度分布
は、予めファントム等を用いて撮影した画像をもとに求
めてもよいが、本実施例においては基本的には元画像
(第1のMR画像)に低域通過フィルタをかけることに
より得られた第2の画像から求められる。その方法は、
例えば実空間の画像データI(x,y)から位相空間上
の変換像J(u,v)に逆フーリエ変換を行ない、位相
空間上で低域通過フィルタf(u,v)を変換データに
乗算することで得られる。このように、元画像から逆フ
ーリエ変換により位相空間での信号を計算してもよい
が、MR画像の計測データ(MR信号)は位相空間での
分布として得られているので、このデータから直接計算
してもよい。
【0021】ここで低域通過フィルタの形状は、例えば
式(1)で表されるバターワース型
【0022】
【数1】
【0023】(式中、R(u,v)=√(u2+v2)で
あり、nは次数で、フィルターの傾きを規定してい
る)、或いは、式(2)で表されるガウスフィルタ等
【0024】
【数2】
【0025】を用いることができる。尚、式(1)及び
(2)中、R0はフィルタのカットオフ半径である。こ
れらフィルタのパラメータである次数n及びR0を適当
に決めておくことにより、RFプローブの感度分布をよ
く反映した感度分布が計算できる。いずれのフィルタの
場合にもカットオフ半径R0は、小さいと急激に変化す
るRFプローブの感度分布に追随できず、被検体の内部
の微細構造が残ってしまい、結果的に補正後の画像のコ
ントラスト分解能が低下してしまう。最適なR0は、次
に述べるように視野(撮像視野またはFFTを行う際の
視野)LとRFコイルの特性(形状等)に依存し、これ
らのファクタにより一義的に決めることができる。一例
として直径100mmの典型的な表面コイルの感度は、
コイル表面から被検体内部に向って約50mm(=D)
の深さで半減する。このとき視野Lを260mmとして
サジタル像を撮影した場合、感度分布を得るためには少
なくとも50mmの空間分解能を有する低域フィルタが
必要である。
【0026】一方、中心からm番目の絵素の対応する空
間周波数はm/Lである。必要な空間周波数1/D以下
を与えるmはm≧L/Dであり、そのためにはカットオ
フ半径R0=L/Dが必要となる。即ち、R0=260/
50である。また、公知の画像の折返し除去技術や高精
細撮影技術などのために、絶対値データの配列を外側に
例えば2倍に拡張し適当な値(例えばゼロ)を代入する
場合、実質的な視野L’がL’=2Lとなるので、上記
の式はR0=2L/Dになる。一方、絵素数が2倍にな
るように内挿した場合は、視野が変らないのでR0=L
/Dのままである。視野Lは撮影条件なので撮影部位
(診断対象)ごとに決定され、Dは使用するコイルに固
有の値である。従って撮影時にこの値を記憶しておけば
一義的に最適なR0が得られる。
【0027】従って、撮影時にこれらのファクタを記憶
することにより低域通過フィルタの最適なカットオフ半
径R0が得られ、このR0と式(1)或いは(2)を使っ
て画像データから感度分布が得られる。またバターワー
ス型フィルタを用いる場合における次数nについて説明
する。バターワース型フィルタにおいてnが小さいと画
像の高域成分が除去できず、被検体の微細構造が残って
しまう。その結果補正後の画像で被検体内のコントラス
トが低下してしまう。逆にnが大きいと急激に変化する
RFプローブの感度分布に追随できず、結果的にリンギ
ングが生じてしまい、正確な補正ができなくなる。発明
者らの検討ではn=2の場合で実際のRFプローブの感
度分布をよく反映した感度分布が計算できた。
【0028】尚、低域通過フィルタとしては上記したバ
ターワース型フィルタ、ガウスフィルタの他、移動平均
フィルタやメディアンフィルタなどの公知のデジタルフ
ィルタを使ってもよい。次に第2のステップとして、上
述のようにして求められたRFプローブの感度分布s
(x,y)に基づき演算される補正係数F(s')につ
いて説明する。ここでs'(x,y)≡s(x,y)/
max(smaxは最大感度)であり、位置の関数であるこ
とを表す(x,y)は簡略化のため省略して記載してあ
る。以下も同様である。
【0029】基本的にはF(s')=1/s'が適当であ
ることは知られている。発明者らの検討によれば、画像
の局所的なS/Nは、s'に比例する。また画像上で、
s'<0.1の部分では診断情報はほとんど含まれず、
逆にノイズが目立ち、画像診断に支障を来すことがわか
った。従ってこの領域では補正係数は1/s'よりも小
さいほうが望ましいことがわかった。また、補正係数F
(s')とその微分f(s')に対して、0<s'<1 で
連続すると補正後の画像上で不自然な虚像を除去でき、
画像診断を行なう上で有効とわかった。
【0030】そこで、補正係数F(s')は、高感度領
域の絵素では1/s'、低感度の絵素で最大値を有し、
極低感度領域では感度の増加関数とする。特に感度補正
係数の最大値を与える感度を最大感度smaxの0.02
から0.25とし(s'=0.02〜0.25)、感度
補正係数の最大値F(s')maxは最大感度のときの補正
値の4から12倍とすると最も診断がしやすい。また感
度0に対する感度補正係数は、最大感度のときの補正値
の0から2倍とすると一層望ましい。
【0031】このような特性の補正係数F(s')の具
体的な関数としては、
【0032】
【数3】
【0033】
【数4】
【0034】
【数5】
【0035】などが挙げられる。式(4)で与えられる
補正係数F(s')を一例として図1に示した。尚、図
1には1/s’も示してある。これらの関数は逐次s'
(x,y)に応じて計算してもよいし、計算機メモリ上
に表形式で保存してもよい。逐次計算の場合でも、これ
らの関数が指数関数などの複雑な演算を含まないので計
算時間が比較的短くてすむ。
【0036】第3のステップである元画像I(x,y)
の補正は、I(x,y)×F(s'(x,y))で与え
られる。補正画像I'(x,y)はプローブの感度分布
により生じたシェーディングがほぼ完全に補正され、さ
らにノイズが多く診断情報が乏しい部分はゆるやかに抑
制されているため、画像表示におけるウィンドウ(濃度
範囲)設定やレベル(濃度中心)設定が容易で、診断情
報を充分に表示可能になる。この補正画像I'(x,
y)は、更にフィルタリングによりノイズの低減を図る
ことができる。
【0037】次に第4のステップである感度分布に応じ
た補正画像のフィルタリングについて述べる。既に述べ
たように、一般に画像上でS/Nが低い部分は、低域通
過フィルタリングを行なうと画像のノイズが低減され診
断能が向上するが、高S/Nの部分では、逆にフィルタ
リングにより空間分解能が低下し診断能が下がる。発明
者らの検討によれば、プローブ感度のシェーディングが
顕著な画像では局所的なS/Nはプローブ感度で一義的
に決定されることがわかった。従って、この第4ステッ
プでは、第1のステップで得られた感度分布データs'
を用い、絵素毎に異なる係数のデジタル画像フィルタを
かける。
【0038】この画像フィルタは低域通過フィルタで、
感度分布が高い絵素ではフィルタをかけずに、感度が低
くなるにしたがってフィルタを強くかける。これにより
補正前よりも、画像上でのS/Nが均一に、もしくは変
化を緩やかにすることができる。その結果、画像のコン
トラスト分解能が均一になり画像診断がしやすくなる。
低域通過フィルタとしては公知のデジタルフィルタを用
いることができる。即ちn×nの局所領域における濃度
の平均値を領域中央の絵素の出力濃度とする中央値(メ
ディアン)フィルタや、絵素近傍領域(n×n)の平均
濃度を出力絵素の値とする移動平均法、各絵素の周囲で
エッジを含まない領域についての平均濃度をその絵素の
出力濃度とする選択的局所平均化の手法を用いることが
できる(コンピュータ画像処理入門、田村編、昭和60
年、星雲社、103〜107頁)。そして、これらフィルタリ
ングの際のパラメータ(係数)、例えば窓の大きさ(n
×n)を前述の感度データs'(x,y)の関数とす
る。ここで窓の大きさは、中央値フィルタや移動平均値
や選択的局所平均値を取るためのn×nの領域に対応す
る。または、移動平均値や選択的局所平均値を求める際
の絵素ごとの重みの大小に対応する。これらの関数が連
続関数であれば、補正画像に補正パラメータの変化によ
る段差ができないので望ましい。但し計算時間の短縮の
観点からは、適宜離散的であってもよい。その場合3段
階から10段階程度が実用上望ましい。
【0039】本実施例によれば、強いシェーディングを
有する画像のシェーディングが除去され、S/Nが低い
部分はノイズが低減され、S/Nが高い部分は高空間分
解能に改善されるので、補正画像の診断能が著しく向上
する。この補正は、数個の撮影条件を表すデータと、対
象とする画像を使って自動的に処理可能である。また、
この計算は高速で行なえる。
【0040】尚、以上の実施例では、第1〜第4のステ
ップからなる補正方法について説明したが、本発明はこ
れらステップをすべて行なう必要はなく、特許請求の範
囲に記載される範囲において任意に変更することができ
る。例えば予め取得した感度分布を有する画像データを
用いて、第2及び第3のステップのみを行なうこともで
きる。また補正係数として第2のステップに記載した以
外のものを用い、第1、第3及び第4のステップを行な
うようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、シェーディングを有する画像を補正する際
の補正係数として特定の補正係数を用いることにより、
シェーディングが顕著な画像の、シェーディングが除去
され、診断能の高い画像を得ることができる。特に補正
係数を元画像から得られたシェーディング情報(感度分
布)により規定することにより、簡易で且つ撮像条件に
適合した補正をすることができる。また本発明によれ
ば、補正画像のフィルタリングの際に、各絵素の感度分
布に対応して絵素毎に異なる係数を有するフィルタリン
グを行なうことにより、S/Nが低い部分はノイズが低
減され、S/Nが高い部分は高空間分解能に改善され、
診断能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による補正係数の一実施例を示す曲線及
び従来の補正係数曲線(1/s’)を示す図。
【図2】本発明が適用されるMRI装置の全体を示す断
面図。
【図3】(a)及び(b)はそれぞれ、MRI装置によ
り得られる断層図、(a)のA−A断面における信号強
度を示す図。
【符号の説明】
20・・・・・・RFコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−132645(JP,A) 特開 平3−224540(JP,A) 特開 平7−31606(JP,A) 特開 平7−59750(JP,A) 特公 平3−11225(JP,B2) 特公 平2−44220(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のMR画像のシェーディングを、該シ
    ェーディングの情報を有する第2のMR画像を用いて
    正する画像補正方法において、前記第1のMR画像の各
    絵素毎の感度補正係数は、前記第2のMR画像の対応す
    る絵素の感度により規定され、該感度が高い領域におい
    て感度に略逆比例し、感度の低い領域において最大値を
    有し、前記最大値を与える感度よりも感度の低い領域に
    おいて感度の増加関数となるような関数であり、前記第
    のMR画像に前記感度補正係数を乗じることにより補
    正画像を求めることを特徴とする画像補正方法。
  2. 【請求項2】第1のMR画像のシェーディングを、該シ
    ェーディングの情報を有する第2のMR画像を用いて補
    正する画像補正方法において、前記第1のMR画像又は
    第1のMR画像を再構成するのに用いた磁気共鳴信号に
    第1の低域通過フィルタをかけることにより第2のMR
    画像を作成し、前記第2のMR画像の絵素の感度により
    規定される感度補正係数を前記第1のMR画像に乗じて
    補正画像を作成し、前記補正画像に、前記第2のMR画
    像により規定される絵素毎に異なる係数を有する第2の
    低域通過フィルタをかけることを特徴とする画像補正方
    法。
  3. 【請求項3】前記感度補正係数は、前記第2のMR画像
    の感度が高い領域において感度に略逆比例し、感度の低
    い領域において最大値を有し、前記最大値を与える感度
    よりも感度の低い領域において感度の増加関数となるよ
    うな関数であることを特徴とする請求項2記載の画像補
    正方法。
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