JP4251763B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に水、脂肪の分離撮影において完全な自動化を図ったMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在MRIの撮影対象は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和減少の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。
【0003】
プロトンは、人体組織において水や脂肪中に存在するが、その結合形態によってケミカルシフトが異なる。このケミカルシフトの差を利用して水中のプロトンの画像と脂肪中のプロトンの画像とを分離して描画しようとする試みがなされている。例えば、脂肪を抑制した画像を得る方法の一例として、エコー時間(TE)の異なる画像を複数枚取得し、演算により水・脂肪分離画像を得る方法があげられる。その代表的な方法として、「“Simple Proton Spectroscopic Imaging”; W. Thomas Dixon他 ;RADIOLOGY, Vol.153,189−194(1984)」に述べられている方法がある(以下、ディクソン法という)。このディクソン法の他に、演算により水・脂肪分離画像を得る方法として、以下の文献に記されている方法が知られている:「“Water-Fat Imaging with Three-Point Direct Phase Encoding”; Qing-San Xiang and Li An; Proc., SMR 3rd Meeting, 658(1995)」、「“Quadrature 2-point Water-Fat Imaging”; Li An and Qing-San Xiang, 1541(1996)」、「Water-Fat Imaging with Three-Orthogonal-Phase Acquisitions”;Li An and Qing-San Xiang; Proc.,ISMRM 6th Scientific Meeting,1866(1998)」。
【0004】
これらの方法は、原子核スピンを励起してから信号を発生させるまでの時間(エコー時間TE)が異なる複数のエコー信号から複数枚の画像データを取得し、取得した画像データの演算によって水信号と脂肪信号を分離し、画像化する方法という点が共通している。
【0005】
このようにTEの異なる複数の信号から作成した複数の画像間の演算によって水・脂肪分離画像を得る方法では、次のような問題がある。一つは、静磁場の不均一や局所的な磁場の乱れ等により、信号に意図しない位相ずれが生じるという問題であり、別の問題は、演算で得た画像が水画像、脂肪画像のいずれであるか判別できないという問題である。
【0006】
最初の問題は、静磁場を発生する磁石のひずみや磁石自体の性能の限界による他、被検体を挿入したときに、被検体の部位ごとに磁化率が異なることによって生じる場合もある。MRI画像の視野(Field of View:FOV)での静磁場の不均一はMR信号の周波数を変化させ、得られた画像に位置ずれや流れ等の画質劣化を引き起こす。また、静磁場の不均一により画像の位相が変化するため、画像間で複素演算を行う場合、正しい結果が得られなくなる。
【0007】
上述した水・脂肪分離において、静磁場不均一に起因する位相ずれの問題を解決する手法として、ディクソン法に静磁場不均一の影響を補正する機能を加えた2点ディクソン法や3点ディクソン法が提案されている(例えば「“Two−Point Dixon Technique for Water−Fat Signal Decomposition with B0 In homogeneity Correction";Bernard D. Cooms他;Magnetic Resonance in Medicine,Vol.38,884−889(1997)」)。
【0008】
この方法を2点ディクソン法について説明する。2点ディクソン法では、図1に示すように水プロトンと脂肪プロトンとがそのケミカルシフトの差に起因して位相が同位相となるタイミングと逆位相となるタイミングで信号を取得する。なお図中、102、103はそれぞれエコー信号S1、S2を発生させるための傾斜磁場パルスであり、信号S1には水プロトンからの信号成分105と、脂肪プロトンからの信号成分104が含まれ、信号S2には水プロトンからの信号成分107と、脂肪プロトンからの信号成分106が含まれる。
【0009】
ここで第1のエコー信号(第1エコー)S1を取得するタイミングは、水プロトンと脂肪プロトンとの共鳴周波数の差をΔfとし、2τ=1/Δfとすると、高周波磁場パルス101から2nτ(nは正の整数、以下同じ)経過後であり、第2のエコー信号(第2エコー)S2を取得するタイミングは、第1エコーからτ経過後である。
【0010】
ここで高周波磁場パルス101から第1及び第2エコー取得までに、上述した静磁場不均一等による位相ずれがない場合には、次式によって第1エコー信号から得た画像(第1エコー画像)と第2エコーから得た画像(第2エコー画像)との演算により水画像と脂肪画像が得られる。
S1(x,y)=W(x,y)+F(x,y) (1)
S2(x,y)=W(x,y)−F(x,y) (2)
S1(x,y)+S2(x,y)=2W(x,y) (3)
S1(x,y)−S2(x,y)=2F(x,y) (4)
式中、S1(x,y)は第1エコー、S2(x,y)は第2エコ、W(x,y)、F(x,y)はそれぞれ各信号における水による信号の大きさと脂肪による信号の大きさを表す。
【0011】
ところが位相ずれがある場合には、第1エコー信号、第2エコー信号は次のようになる。
【0012】
【数1】
式中、α(x,y)はRFのベクトル方向の不均一等に起因する時間に依存しない位相回転成分であり、図1に示すグラディエントエコー(GrE)シーケンスの場合には静磁場不均一によって時間TE(ここでは2nτ)に生じる位相回転成分を含む。φ(x,y)は静磁場不均一による位相回転の成分である。
【0013】
このように、静磁場不均一がある場合、第1エコーと第2エコーとの位相に差が生じ、式(3)及び(4)のような単純な加算・減算では水信号と脂肪信号を分離することができない。そこで静磁場不均一の影響を補正する機能を加えたディクソン法では、まず2つのエコー間の演算によって静磁場不均一に起因する位相ずれφ(x,y)を求め、この位相ずれを補正した上で、加算・減算による水・脂肪分離を行う。
【0014】
この静磁場補正付き2点ディクソン法は、位相ずれを求めるために、S2画像において、水の信号と脂肪の信号の位相差がπであることを利用する。すなわち、πは2倍すると2πとなり、主値回りを考慮すると、全く回転していないのと等値になる。そこで、S2(x,y)からS1(x,y)の位相を差し引き、残った位相を2倍することによって、静磁場不均一マップを求めることができる。
【0015】
尚、3点ディクソン法は、図2に示すようにエコー時間が異なる3つの信号S1、S2、S3を取得し、水信号と脂肪信号が同位相になっている第1エコーS1と第3エコーS3との比から位相回転量2φ(x,y)を求めるものである。図2において、202、203、204はそれぞれエコー信号S1、S2、S3を発生させるための傾斜磁場パルスであり、206、209、212は水信号、205、208、211は脂肪信号である。
【0016】
このような静磁場補正付きディクソン法において静磁場不均一による位相回転量を求める際には、主値回りを除く処理、すなわちアンラップあるいは巻き戻しと呼ばれる処理を行う必要が生じる。アンラップ処理の方法は、上記の文献の他、以下に示す文献に記されている。「“Direct Calculation of Wrap−Free Phase Image”;M. Patel and X.Hu;Proceedings of Annual Meetings of the Society of Magnetic Resonance in Medicine(=SMRM),No.721,1993」,「“Phase unwrapping in the Three Point Dixon Method for Fat Suppression MR Imaging”;Jerzy Szmowski et al.;Radiology,Vol.192,555−561(1994)」。
【0017】
しかし、このアンラップ(巻き戻し)はノイズの影響を受けやすいという問題がある。特に2点ディクソン法では、第2エコー信号は水プロトンと脂肪プロトンが逆位相になるタイミングで取得するため、信号は水信号と脂肪信号との差信号となり、その強さが非常に小さくなりノイズの影響が強くなる。ノイズの影響を除去するためには、ノイズの影響がでやすい領域をマスクしてアンラップ処理を行わないようにする等の工夫が必要となるが、ノイズの影響がでやすい領域には画像によって異なるためアンラップ処理毎に適切なノイズ除去マスクを設定し、選択することは困難であった。
【0018】
次に演算で得た画像が水画像、脂肪画像のいずれであるか判別できないという第2の問題については、アンラップ処理に伴う2nπの位相オフセットを解消するようにアンラップの開始点を適正化することにより理論的には区別可能になる。しかしアンラップの開始点を自動的に適正化する手法はなく、開始点を目で見て指定したり、得られた画像を見て、どちらが水画像であるか決定するなど、水・脂肪分離画像の自動化は実現されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、エコー時間の異なる複数のエコー信号から得た画像間の演算によって水画像及び脂肪画像を取得する機能を備えたMRI装置において、適切なアンラップ処理を含む静磁場補正が可能であり、また水画像と脂肪画像との自動判別が可能であるMRI装置提供することを目的とする。これにより水・脂肪分離画像取得の完全自動化が可能であるMRI装置を提供することを目的とする。
【0020】
また本発明は、静磁場補正処理を含むMRI装置のイメージング方法において、アンラップ処理を自動的に適正化することができるMRI方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様によるMRI装置は、静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えたMRI装置において、前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる少なくとも2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、その際、アンラップ処理の状況を示す指標を用いて、アンラップ処理の適否を判断することを特徴とする。
【0022】
本発明のアンラップ処理では、複数のノイズ除去マスクを採用し、これを段階的に適用する。そしてアンラップ処理の進行と同時にアンラップ処理において矛盾が発生したか否かを表す指標を作成し、この指標をもとにアンラップ処理の適否を判断する。アンラップ処理が不適と判断された場合には、ノイズ除去マスクの種類を追加し或いはマスクのパラメータ(マスクを作成する際に使用するしきい値など)を変更して、アンラップ処理を行う。アンラップの処理状況を示す指標により処理が適切であると判断されたときにそのアンラップ処理結果を位相ずれ分布とする。ここで求められる位相ずれ分布は、典型的には静磁場不均一等によるものであるが、局所的な位相の乱れ等を含む場合もある。
【0023】
本発明のアンラップ処理で用いるノイズ除去マスクとしては、第1エコー信号の絶対値画像から作成したもの、第2エコー信号の絶対値画像から作成したもの、または、その両方を用いて作成したもののうちのいずれか、またはその組み合わせがある。
【0024】
また本発明のアンラップ処理で用いるノイズ除去マスクとして、静磁場不均一による位相回転量の分布を表すマップ上に閉曲線をとり、閉曲線上一周の位相差分をとったときの値が2nπ(nは正の整数)ならば、その閉曲線上の点をマスクする、という方法で、画像全体を走査したときに得られるマスク(以下、ループマスクという)も使用することができる。ループマスクは、上述した第1エコーの絶対値画像及び/又は第2エコーの絶対値画像から作成したマスクと併用して用いることもできる。
【0025】
上述した本発明の第1の態様は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる少なくとも2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての画像を再構成する機能を備えたMRI装置に適用することができる。
【0026】
即ち、このMRI装置は、前記信号処理手段が、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる少なくとも2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、その際、アンラップ処理の状況を示す指標を用いて、アンラップ処理の適否を判断する処理を行い、適正にアンラップ処理された位相ずれ分布に基づき前記核磁気共鳴信号を補正した後、信号間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての画像を再構成することを特徴とする。
【0027】
また本発明の第2の態様によるMRI装置は、静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えたMRI装置において、前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる少なくとも2以上の核磁気共鳴信号を用いて、2以上の原画像を再構成し、これら原画像間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての2種の表示画像を再構成し、得られた2種の表示画像と2種の原子核スピンとの対応を、前記2以上の原画像の画素値の比及び/又は2種の表示画像の画素値の比から自動判別することを特徴とする。
【0028】
エコー時間が異なる信号から得られた画像(原画像)間の演算(加算と減算)によって2種の画像(表示画像)を再構成する場合に、2つの指標、即ち(1)2以上の原画像の画素値の比、及び(2)2種の表示画像の画素値を用いることにより、確実に表示画像の種類を判別することができる。これら2つの指標は、具体的には(1)原画像を加算することにより得られる加算画像および原画像を減算することにより得られる減算画像からそれぞれ抽出された高信号領域における、2つの原画像の信号値の比を比較すること、(2)加算画像および減算画像からそれぞれ抽出された高信号領域における画素値を比較すること、である。
2種の表示画像は、典型的には水画像と脂肪画像であるが、水とシリコン、水とNAA等、ケミカルシフト差を利用できるものであれば適用することが可能である。
【0029】
さらに本発明のMRI装置は、静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる少なくとも2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、その際、アンラップ処理の状況を示す指標を用いて、アンラップ処理の適否を判断する処理を行い、適正にアンラップ処理された位相ずれ分布に基づき補正した核磁気共鳴信号を用いて、2以上の原画像を再構成し、これら原画像間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての2種の表示画像を再構成し、得られた2種の表示画像と2種の原子核スピンとの対応を、前記2以上の原画像の画素値の比及び/又は2種の表示画像の画素値から自動判別することを特徴とする。
【0030】
このMRI装置は、エコー時間が異なる信号から得られた画像(原画像)間の演算によって2種の画像(表示画像)を再構成する場合に、アンラップ処理の自動適正化処理と表示画像の自動判別処理を組み込んだことにより、完全な自動化を図ることができる。
【0031】
本発明のMRI装置は、静磁場補正付き2点ディクソン法に好適に適用することができ、これにより全自動で水、脂肪分離画像を得ることができる。また2点ディクソン法は、3点ディクソン法に比べ計測時間が早く、シーケンスの繰り返し時間(TR)を短くすることができる。また同じTRであればマルチスライスで取得できる画像枚数が多くすることができる。さらに2つのデータ間で位相を直接補正するため、渦電流等の影響を100%排除できる。そのため、静磁場不均一や傾斜磁場コイルによる磁場の乱れの多いオープンMR装置に好適である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で使用する図面のうち、図8、図11、図13、図14、図19及び図20は、本実施形態の処理において画像化したものの写真であり、この明細書の添付図面として添付するほか、提出物件としても提出する。
【0033】
図3は、本発明が適用されるMRI装置の構成である。このMRI装置は、被検体301の周囲の空間に静磁場を発生する磁石302と、この空間にX、Y、Zの3方向の磁場勾配を与える傾斜磁場コイル303と、被検体301の組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるための高周波磁場を発生するRFコイル304と、この核磁気共鳴によって被検体301が発生するNMR信号を検出するRFプローブ305とを備えている。さらに傾斜磁場コイル303の電源である傾斜磁場電源309と、RFコイル304を駆動する送信部310と、RFプローブ305からのNMR信号を検出するための信号検出部306及び信号を処理する信号処理部307と、これら傾斜磁場電源309、信号検出部306、信号処理部307を制御する制御部311と、信号処理部307の処理結果を表示する表示部308とを備えている。ベッド312は被検体が横たわるためのものである。
【0034】
このような構成において、磁石302によって形成された均一な静磁場空間に301を搬入後、RF送信部310の信号に応じてRFコイル304は被検体組織を構成する原子の原子核スピン(以下、単にスピンという)に核磁気共鳴を生じさせる周波数の高周波磁場を発生する。対象とするスピンは、この実施形態では、被検体の主たる構成物質、プロトンである。
【0035】
傾斜磁場コイル303は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源309からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。この傾斜磁場によって被検体の核磁気共鳴を生じさせる領域を選択するとともに、NMR信号に位置情報を付与することができる。
【0036】
RFプローブ305の信号は、信号検出部306で検出され、信号処理部307で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部308で表示される。
【0037】
上述した高周波磁場及び傾斜磁場の発生、NMR信号の計測を制御する制御のタイムチャートは、パルスシーケンスと呼ばれ、予め設定されたプログラムとして制御部311に収納されている。以下、説明する本発明の実施例では、1回のシーケンスの繰り返し内で、異なるエコー時間で少なくとも2つのNMR信号を計測する、いわゆる2点ディクソン法と呼ばれるパルスシーケンスを実行し、水プロトンを主として描画する画像(以下、水画像という)と脂肪プロトンを主として描画する画像(以下、脂肪画像という)を得る。またNMR信号を計測して画像を再構成する際に、エコー時間の異なる2つのNMR信号を用いて静磁場の不均一性を補正する演算を付加する。
【0038】
以下、本実施例による信号計測及び磁場補正演算を詳細に説明する。
【0039】
図4に、本実施例において採用される2点ディクソン法によるパルスシーケンスを示す。このパルスシーケンスでは、まずRFパルス401を照射し、被検体のスピンを励起する。この際、被検体の特定のスライスを選択するためにスライス選択傾斜磁場GsをRFパルス401と同時に印加する。次いでNMR信号に位相エンコードするための位相エンコード傾斜磁場Gpを印加し、更にスピンを反転させるためのRFパルス402をスライス選択傾斜磁場Gsとともに照射する。その後、読み出し傾斜磁場Gr403印加して、最初のRFパルス401照射から時間TE後にエコー信号(第1エコー)404を計測し、更に極性の反転した読み出し傾斜磁場Gr405を印加して、第1エコー404計測から時間τ後にエコー信号(第2エコー)406を計測する。
【0040】
このシーケンスを位相エンコード傾斜磁場Gpの強度を変化させながら所定回数、例えば128回、256回等、繰り返し画像再構成に必要な数のエコー信号を得る。すなわち、ここでは繰り返し回数分の第1エコーによって1つの画像(第1エコー画像)が形成され、繰り返し回数分の第2エコーによって1つの画像(第2エコー画像)が形成される。これらは後述する水画像および脂肪画像を求める演算の原画像として使用される。
【0041】
なお図4では、RFパルス401の照射後に反転RFパルスを用いるスピンエコー型のパルスシーケンスを例示したが、図1に示すようなグラディエントエコー型のパルスシーケンスでもよい。スピンエコー型の場合にもグラディエントエコー型の場合にも、図4に示すように1回の繰り返し時間内でエコー時間の異なる2つの信号を計測してもよいし、図1に示すように2回の計測でエコー時間の異なる信号を計測するようにしてもよい。
【0042】
このようなパルスシーケンスにおいて、第1エコー404を計測した時点において、水プロトンのスピン(以下、水スピンという)と脂肪プロトンのスピン(以下、脂肪スピンという)の位相は揃っているが、時間τの経過によって、水スピンと脂肪スピンの共鳴周波数の差に起因する位相のずれが生じ、時間τには180°異なることになる。
【0043】
即ち、水プロトンと脂肪プロトンは異なった共鳴周波数f0w、f0fで歳差運動を行っているため、時間の経過につれ、水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル(スピン)の相対的な向きにずれが生じる。水プロトンと脂肪プロトンの共鳴周波数の差を△fとし、2τ=1/Δfとすれば、ある時点で同方向を向いている水スピンと脂肪スピンは、その後、τごとに逆方向(180°)、同方向(360°)、…、を向くことになる。
【0044】
図4のパルスシーケンスでは、スピンを反転させるRFパルス402を用いているので、このRFパルス402から時間TE/2後に水スピンと脂肪スピンの位相が揃い、その後τ経過すると逆位相になる。
【0045】
これら2つのNMR信号をそれぞれ処理して得られる画像信号をS1(x,y)、S2(x,y)とし、これらのうち水による信号の大きさと脂肪による信号の大きさをそれぞれW(x,y)、F(x,y)とすると、次の関係(式(1)及び(2))が成り立つことになる。
S1(x,y)=W(x,y)+F(x,y) (1)
S2(x,y)=W(x,y)−F(x,y) (2)
【0046】
従ってS1(x,y)及びS2(x,y)を加算することにより(式(3))、加算画像として水画像が得られ、減算することにより減算画像として脂肪画像が得られることになる(式(4))。
S1(x,y)+S2(x,y)=2W(x,y) (3)
S1(x,y)−S2(x,y)=2F(x,y) (4)
【0047】
上記式(3)及び(4)が成り立つのは、第1エコー404を計測する時点と第2エコー406を計測する時点では、水スピンと脂肪スピンの位相が逆位相になり、且つ水信号の位相が変化しないことを前提としているが、現実には静磁場の不均一等の原因により、スピンの回転が影響を受ける。このことを式で表すと次のようになる。
【0048】
【数2】
ここでφ(x,y)は静磁場不均一による位相回転の成分であり、α(x,y)はRFパルスのベクトル方向の不均一に起因する位相回転の成分である。
【0049】
従って第1及び第2エコー404、406の加算、減算によって水画像と脂肪画像を得るためには信号の位相回転を補正する必要がある。このため、まずこれら2つの信号を用いて位相回転量φを求め、これを用いて位相補正のための処理を行う。このデータ処理アルゴリズムを図5に示す。
【0050】
このデータ処理は、第1エコー506及び第2エコー501を加算、減算して水・脂肪分離画像を得るステップ507の他に、これらエコー506、501を用いて静磁場不均一の分布を示す位相2φマップを作成するモジュール509(図中、点線で示した部分)及び第2エコー501を位相補正するステップ502が含まれる。位相2φマップとは、静磁場不均一によって生じる位相回転を位置の関数として求めたものである。ここで作成された位相2φマップを元に第2エコーの位相を補正した後、加算・減算処理507を行って水・脂肪画像508を得る。
【0051】
位相2φマップ作成モジュール509は、位相2φマップ作成ステップ503と、アンラップ処理ステップ504と、アンラップ適否判定ステップ505を含む。以下、位相2φマップ作成モジュールの機能を更に詳述する。
【0052】
まず最初の位相2φマップ作成ステップ503では、S2(x,y)からS1(x,y)の位相を差し引き、残った位相を2倍することによって、静磁場不均一マップを求める。数式で表すと、
【0053】
【数3】
式(9)のargを取ると、2φ(x,y)を求めることができる。arg()は位相を求めることを意味する。
【0054】
次にこのように求めた位相2φマップをアンラップ処理する。よく知られるように位相は、「φ1」と「φ1+2π」は同じ位相として認識されるため、位相の分布範囲が2πを越える場合、「φ1」と「φ1+2π」を識別することができず、位相変化が不連続な部分を生じる(主値回りという)。位相アンラップ処理は、このような主値回りを解消するための処理であり、具体的には、所定の基準点と隣接する点(アンラップされる点)の位相をそれぞれ求め、その差分Δφが所定範囲(通常−π≦Δφ≦π)に入っていなければ、主値回りが生じていると判断し、その隣接点の位相値に2πを加算或いは減算する処理である。或いは基準点とアンラップされる点の位相差分を複素演算で求めてから、それを位相化し、基準点の位相に加えてアンラップされる点の位相とする処理である。この場合、アンラップされる点に±2πすることなく直接アンラップされる点の位相が求められる。このような位相アンラップ処理は、基準点を順次変えながら、通常、すべての画素について行う。
【0055】
本発明では、このアンラップ処理を、得られた位相マップのすべての座標について行うのではなく、予め適当なノイズ除去マスクを用いてノイズの影響が強いと思われる領域を排除し、残りの領域のみを処理する。これは水スピンと脂肪スピンが逆位相になるタイミングで取得した第2エコーを用いて静磁場不均一による位相回転量を求めるため、ノイズ量が多くなり、アーチファクトが出やすいためであり、本発明において2点ディクソン法を採用する場合、特に重要である。
【0056】
本実施例では、ノイズ除去マスクとして、(a)第1エコーの絶対値を求め、この値があらかじめ設定したしきい値以上ならば1、しきい値以下ならば0とするマスク(第1エコーしきい値マスク)、(b)第2エコーの絶対値を求め、この値があらかじめ設定したしきい値以上ならば1、しきい値以下ならば0とするマスク(第2エコーしきい値マスク)、(c)位相分布マップ上に閉曲線をとり、閉曲線上一周の位相差分をとったときの値が2nπならば、その閉曲線上の点を0とする(湧き出しのある点をパッチする)ループマスクを組み合わせて用いる。
【0057】
アンラップ適否判定ステップ505では、このようにマスクしてアンラップした結果の適否を判定し、アンラップ処理が正しくなされていないと判断された場合には、マスクの条件を変えて再度アンラップ処理し、正しいアンラップ処理がなされるまで、この工程を繰り返す(504、505)。
【0058】
図6は、位相2φマップ作成モジュールの処理フローを示す図で、図示する実施例では、まずアンラップ処理に先立ち、第1エコーから第1エコーしきい値マスクを作成し(ステップ601)、これをステップ602で作成した位相2φマップにかけ、位相2φマップのうち被検体の存在する部分のみを抽出する。次いでアンラップ処理がスムーズに進めるために、ローパスフィルタ(LPF)603を用い、アンラップ前の位相2φマップを滑らかにする。
【0059】
続くアンラップ処理モジュールは、位相2φマップのノイズ除去マスクとしてのループマスク作成モジュール604、領域成長(region growing)アンラップ処理アルゴリズム605、非アンラップ領域のフィッティングモジュール606を含む。
【0060】
ループマスク604は、図7(a)、(b)に示すように、ある点(図中、斜線で示す画素)を基準として所定の長さの辺のループ、例えば2×2のループを作り、ループ上の点の位相和を求める。ノイズによる位相の乱れがなければ位相和は本来0であるので、求めた位相和が0であればマスクすることなく基準点を移し同様の処理を行う。位相和が0でなければ、位相の乱れを生じていると考えられるので、このループ上の点をマスクする。続いてループの1辺を増やし、例えば3×3のループを作り、このループ上の点についても位相和を求め、位相和が0でなければ、さらにループの1辺を増やす。このようにしてループ上の点の位相和が0となるまでループを広げながら処理を繰り返す。そしてループの1辺が予め指定した最大値に達した場合には、処理をやめて基準点を次に移す。
【0061】
一般にループマスクは、その1辺の最大値が小さすぎる場合には、適切にノイズに影響を与える領域を除去することができず、一方大きすぎる場合には、アンラップ処理を適切に行うことができない。従って、この実施例では、最初の設定では1辺の最大値はできるだけ小さく設定し、アンラップ適否判定ステップ505においてアンラップが適当になされていないと判定されたときに、順次最大値を増加する。これによって必要以上にマスクすることを防止する。
【0062】
領域成長アンラップ処理アルゴリズム605は、既に述べたように、所定の点を開始点とし、その点と隣接する点との位相の差を順次調べながら、位相差が所定の範囲外である場合には、隣接する点の位相に2πを加算或いは減算する処理、或いは基準点と隣接する点の位相差分を複素演算で求めてから、それを位相化し、基準点の位相に加えて隣接する点の位相とする処理である。最初の基準点となる開始点は、FOVの中央付近の点から候補をピックアップしていき、そのうちアンラップ処理が行われる点が一番多くなる点を開始点と定める。これによりアンラップ処理の正確さを増すことができる。
【0063】
非アンラップ領域のフィッティングモジュール606は、上述のマスクによってアンラップ処理されなかった領域について関数フィッティングにより位相値を求める処理を行う。関数フィッティングは2次元について行う。
【0064】
図8に、アンラップ処理の対象である位相マップおよびアンラップ処理で作成されたマスクを画像化したものを示す。図中(a)はアンラップ処理前の位相マップを示し、(b)は第1エコーしきい値マスクとループマスクの合成したものを示す。図(b)中、白く示す被検体領域の内部に黒く四角で囲まれた領域がループマスクによってマスクされた領域である。このようなマスクを用いてアンラップ処理した結果が同図(c)である。図示する例では、白く囲まれた領域801、802でアンラップが正しく行われず位相変化に不連続な部分が生じている。
【0065】
このように所定のマスク条件でアンラップ処理した結果が適切でなかった場合には、フィッティングモジュール606による処理を行うことなく、マスクの条件を変更してさらにアンラップ処理を行う。マスクの条件の変更は、前述したループマスクの変更と、第2エコーしきい値マスクの追加が含まれる。即ち、(a)第2エコーしきい値マスク処理607のON/OFF、(b)ループマスク604内で使用する「1辺の最大値」の値の変更が含まれる。本発明者らの研究では、上記(a)、(b)がアンラップ処理結果に大きな影響を与え、自動化が必要であることが確認された。
【0066】
第2エコーしきい値マスク607とは次のような知見から導かれたものである。即ち、第2エコー信号は式(2)のように表され、水信号強度W(x,y)の方が脂肪信号強度F(x,y)よりも大きい領域(W>F)と脂肪信号強度の方が水信号強度よりも大きい領域(W<F)との間に存在する両者がほぼ等しい領域(W(x,y)〜F(x,y))では、信号強度S2(x,y)が0に近くなり、信号がノイズに埋もれてしまう。ノイズにより第2エコー信号の位相が乱れ、2φマップのアンラップミスの原因となる。そこで、第2エコー絶対値画像に対し、一定のしきい値を超えた部分を1とし、しきい値以下の部分を0として、マスク画像を得る。このマスクにより、W(x,y)〜F(x,y)の部分を除去することができる。
【0067】
次に上記マスクを用いた領域成長法によるアンラップ処理605が正しく行われたか否かを判定するアンラップ処理適否判定ステップ(図5のステップ505)を説明する。このステップでは、アンラップ処理の進行と平行して図8(d)に示すようなアンラップ処理状況マップ804を作成し、このアンラップ処理状況マップ804に基づきアンラップが適切になされたか否かを判断し、適切ではなかった場合マスクの条件を変更する。
【0068】
アンラップ処理状況マップ804の作成方法を図9を用いて説明する。
【0069】
まず、アンラップを行う際、対象となる位相2φマップ(a)と同じ画素数を持つマップ(処理状況マップ)(b)を用意し、行われた処理の情報を書き込んでいく。このマップは初期値として次の処理状況値を持つ。
アンラップ処理対象画素(マスクされていない画素):0
アンラップ非処理対象画素(マスクされている画素):−1
【0070】
図では、示した画素はすべてアンラップ処理対象画素である。ここで(a)に示すようにアンラップ開始点を▲1▼として、上下左右の隣接4点(▲2▼,×,▲3▼,▲4▼)に対してアンラップ処理を行うものとする。アンラップ開始時は、開始点である▲1▼のみ処理済ということで、対応画素のみ処理状況値を1とする。この時点では、比較点である隣接4点はまだアンラップ処理していないので、処理状況値は0である(この状態の処理状況マップは図示されていない)。(a)に示すように隣接点に対する処理が終わった時点で、(b)に示すように処理状況を示す値(処理状況値)を与える。処理状況値は、比較される点のアンラップ処理に応じて以下のようにする。
【0071】
(i)比較点の処理状況値が0のとき、
基準点との位相差<0.5π→アンラップする:処理状況値=1 (条件1)
基準点との位相差≧0.5π→アンラップしない:処理状況値=−2 (条件2)
【0072】
条件2は、基準点との位相差が大きいときにはアンラップミスの原因となる可能性が高いため処理を飛ばすことを意味する。この場合、アンラップされた順に▲2▼,▲3▼,▲4▼と番号をつけ、×は処理されなかったことを示す。×のついている点は、引き続き領域成長していく際に基準点とはしない。
【0073】
次に、(c)に示すように基準点を▲2▼の位置に移し同様に処理を行う。即ち、▲2▼の位置の隣接点▲5▼▲6▼▲7▼について上記条件1か条件2に従い処理状況値を与える。位置▲1▼は▲2▼の隣接点であるが、既にアンラップ処理が行われており、処理状況値は1となっている。この場合、再び基準点▲2▼と比較し、結果に応じて処理状況に次の値を代入する。
【0074】
(ii)比較点の処理状況の値が1またはそれ以上のとき、
(今入っている値と今回の処理で求めた値がπ以上異なる)、かつ、
(基準点との位相差)<0.5π→アンラップする:処理状況値を+1にする (条件3)
(前回と今回の処理で得られた位相値が同じ)、または、
(基準点との位相差)≧0.5π→アンラップしない:処理状況値はそのまま (条件4)
【0075】
図示する実施例においては▲1▼を基準に▲2▼を処理した場合と、▲2▼を基準に▲1▼を処理した場合の結果は同じであり、条件4により▲1▼の点はそのままの処理状況値1を持つ。この結果、処理状況マップは(d)に示すようになる。
【0076】
次に基準点を▲3▼として隣接点との比較を行ったとき、その右隣の▲6▼は▲2▼を基準点として▲6▼を処理した値と、▲3▼を基準点として▲6▼を処理した値がπ以上異なっているとする。この場合には、上記条件3に当てはまり、処理状況値は2となる。これは2方向からアンラップ処理結果が異なることから、アンラップに不確定が生じたことを示す。このように、アンラップ処理状況値が2以上となる場合はアンラップの不確定が生じていることを意味する。
【0077】
さらに基準点をうつして処理を進めていき、図9(e)において▲8▼を基準点とする場合を考えると、下側の×のついた点が比較点となる。×のついた点はアンラップ処理状況の値が−2である。この場合、次の規準に基いて処理を行う。
【0078】
(iii)比較点の処理状況の値が−2のとき、:
基準点との位相差<0.5π→アンラップする:処理状況値=1 (条件5)
基準点との位相差≧0.5π→アンラップしない:処理状況値はそのまま(条件6)
この場合、▲8▼と×のついた点を比較して、条件5を満たせば×のついた点は19(丸付き数字)という番号が付与され、アンラップ処理状況は1となる。一方、条件6にあてはまるならば、処理は行わない。
【0079】
このように番号の若い順に基準点を移し、同様のアンラップ処理を続けていき、アンラップ処理対象画素すべてについて処理状況値が与えられたアンラップ処理状況マップを得る。
【0080】
図8(d)は、こうして作成されたアンラップ処理状況マップ804を画像化して示したものである。同図中、周囲の黒色の領域、および中央部の黒色の領域8041は処理非対象領域で、アンラップ処理状況値は−1である。中央部灰色の領域8042はアンラップ処理済でアンラップ処理状況値が1である。このアンラップ処理状況マップにおいて、アンラップ処理状況値が2以上となっている領域は、白く描出される。即ち、図8(d)において、上部の縦白線8043と左右側3個所の横白線8044,8045,8046がアンラップ処理状況値が2以上の領域である。
【0081】
このような処理状況におけるアンラップ後の位相2φマップ(図8(c))を見ると、白線で囲まれた領域802では、アンラップ処理状況マップ804における縦白線8043を境界として位相が不連続になっている。これは、例えば、境界8043では、矢印(1)の方向からアンラップされた値と矢印(2)の方向からアンラップされた値とが異なっているからである。
【0082】
このようにアンラップ処理状況で2以上の値を持つ点がある場合、アンラップ後にも位相が不連続な場所が存在することになる。そこでアンラップ処理適否判定ステップでは、アンラップ処理状況で2以上の値を持つ点がある場合、アンラップで何らかのミスがあったとみなし、アンラップ処理が正しく行われないと判定する。一方、アンラップ処理状況マップの処理状況値が全画素で1以下であればアンラップが正しく行われたとみなし、アンラップ処理が正しいと判定する。
【0083】
そして、この判定の結果、アンラップが正しく行われていないと判定された場合には、マスクの条件を変更して再処理する。マスク条件の変更は、既に述べたように新たなマスクの追加やループマスクの1辺の最大値の変更等である。アンラップ自動化アルゴリズムの一例を図10に示す。
【0084】
この自動化アルゴリズムは、第1エコーしきい値マスクを用いる処理901と、第2エコーしきい値マスクを用いる処理902と、ループマスクの最大値を変化させる処理903とを含む。
【0085】
まず処理901では通常のアンラップ処理を行う。即ち、アンラップ前の位相2φマップを第1エコーしきい値マスクでマスクし、位相2φマップ上のノイズを除去し、さらにローパスフィルタ(LPF)をかけ、ループマスクを作成する。このときのループマスクの1辺の最大値は例えば2〜3画素程度の小さな値に設定する。次いで領域成長法によるアンラップ処理を進めながら、アンラップ処理状況マップを作成する。
【0086】
アンラップ処理後、作成されたアンラップ処理状況マップを参照し、上述の判定法によりアンラップが正しく行われているか判定する(9011)。OKならばフィッティングに移行する。NGであれば次の処理902に進む。
【0087】
処理902では、第1エコーしきい値マスク9012に加え、第2エコーしきい値マスク9021をかけてから、処理901と同じ処理を行う。ここで第2エコーしきい値マスク9021をかけることにより、水信号強度の方が脂肪信号強度よりも大きい領域(W>F)と脂肪信号強度の方が水信号強度よりも大きい領域(W<F)との間に存在する両者がほぼ等しい領域(W〜F)においてノイズが混入するのを避けることができる。
【0088】
この処理でもステップ9022において、アンラップ処理状況マップを参照し、アンラップが正しく行われているか判定し、OKならばフィッティングに移行する。NGであれば処理903を行う。
【0089】
処理903ではループマスクの1辺の最大値を増やしてマスクを作成する(ステップ9031)。1辺の最大値を増やすことにより、マスクを強くしてアンラップミスの発生源をさらに除去する。ループマスクの1辺の最大値を最初から大きい値にしておくと、必要以上に強くマスクがかかってアンラップ処理の領域が広がらなくなってしまい、後で行う位相2φマップのフィッティングの精度が悪くなる。そこで、アンラップ処理にミスが生じた時点でループマスクの1辺の最大値を徐々に(ここでは1画素ずつ)大きくし、最大限のアンラップ処理領域を確保しつつ適切なアンラップ処理が行われるようにする。
【0090】
続いて、アンラップ処理9032を行った後、ステップ9033で再度アンラップ処理状況マップを参照し、OKならばフィッティングに移行し、NGであればステップ9031に戻る。アンラップ処理状況マップがOKとなるまで処理903を繰り返す。
【0091】
フィッティングモジュール(図6、606)では、マスクされていてアンラップが行われなかった領域について、位相値を推定する処理を行う。位相値の推定は、公知の関数フィッティング手法を採用することができる。求めたい位相2φマップは2次元であるので、関数フィッティングは2次元について行う。
【0092】
フィッティングで得たマップは、そのままフィッティング後の位相2φマップとして使用してもよいが、フィッティング後の位相2φマップとフィッティグ前の位相2φマップとを画素毎に比較し、フィッティング前後の差分と一番近い2nπ(n:整数)だけフィッティング前の位相2φマップを加減して「フィッティング後2φマップ」とすることもできる。このような処理を行うことにより、フィッティング前のすべての位相情報を完全に反映した結果が得られる。すなわち静磁場不均一以外のファクター、例えば局所ノイズや渦電流等による局所的なf0ずれによる位相ずれも補正した水脂肪分離ができる。これに対し、このような処理を行わないフィッティング後の位相2φマップは、ノイズの影響を含まない本来の静磁場を再現できると考えられる。
【0093】
次にフィッティングモジュールで得られた位相マップ、ここでは静磁場不均一マップを用いて下式により第2エコーを位相補正する。
S2'(x,y)=S2(x,y)exp(−iφ(x,y)) (10)
これにより第2エコーは、第1エコー発生から時間τ経過するまでの静磁場不均一による位相ずれが補正されるので、次式(11)、(12)により
【0094】
【数4】
加算画像として水画像、減算画像として脂肪画像をそれぞれ得ることができる。
【0095】
この場合、位相計算が正しければ原理的に、加算画像として水画像、減算画像として脂肪画像が得られるが、実際には位相2φマップのアンラップ時に、2nπの位相オフセットがのってしまう可能性があるため、逆転する場合がある。すなわち、加算画像として脂肪画像、減算画像として水画像が得られる場合がある。
【0096】
このような位相オフセットは、アンラップの開始点を変更する処理を加えることにより防止することもできるが、上述した領域成長法では、アンラップ処理が広い面積で行えるようにするため自動的にアンラップ処理の開始点を決定するようにしているので、アンラップ処理後に位相の整合を取る処理を行うことが好ましい。
【0097】
このような位相整合のアルゴリズムを図11に示す。この処理では、アンラップ前の2φマップ(a)と、アンラップ後の2φマップ(b)との差分(c)をとる。アンラップの性質から、差分(c)上の各値は2nπとなり、nの分布が得られる。この分布において最頻出であるnの領域におけるアンラップ前後の2φマップの位相値が等しくなるように、全画素の位相値を±2mπ(m=0,1,2,…)シフトする。これは最頻出なnの領域がデータ撮影時の共鳴周波数f0の決定に寄与する割合が大きいとの推定に基づく。
【0098】
このような位相整合処理を加えることにより、加算画像として水画像、減算画像として脂肪画像が得ることの確からしさを高めることができる。尚、この位相整合による方法のみでも水・脂肪画像を正しく得ることができない場合もあり得、このような場合には後述する水・脂肪画像の自動判別する手法を採用することが好ましい。
【0099】
図10に示す実施例によれば、アンラップ処理時のマスクとして、第1エコーしきい値マスク、第2エコーしきい値マスク及びループマスクの条件変更を段階的に組み合わせて用いるとともに、アンラップ処理の進行と平行してアンラップ処理状況マップを作成し、そのアンラップ処理が正しく行われた否かを判定するようにしたので、マスクを不必要に強くすることなく適切なアンラップ処理を行うことができる。
【0100】
次に本発明における位相2φマップ作成モジュールの別な実施例を説明する。この実施例では図10の実施例における第2エコーしきい値マスクの代わりに、(第2エコー信号)/(第1エコー信号)の値に対するマスク(以下、ec2/ec1マスクという)を用いる。
【0101】
図12はこの実施例によるアンラップ自動化アルゴリズムを示すものであり、この自動化アルゴリズムは、第1エコーしきい値マスクを用いる処理1001と、ec2/ec1マスクを用いる処理1002と、ループマスクの最大値を変化させる処理1003とを含む。
【0102】
ec2/ec1マスクは、(第2エコー信号)/(第1エコー信号)の値を求め、この値があらかじめ設定したしきい値以上ならば1、しきい値以下ならば0とするマスクであり、水信号強度W(x,y)の方が脂肪信号強度F(x,y)よりも大きい領域(W>F)と脂肪信号強度の方が水信号強度よりも大きい領域(W<F)との境界での位相乱れを除去するために導入する。
【0103】
このような特異的な位相乱れは、第1エコーと第2エコーから求めた位相を2倍にする演算によって生じ、(i)静磁場不均一があり、(ii)W>FからW<Fに緩やかに変化することが原因であることが本発明者らの研究により確認されている。そこで(第2エコー信号)/(第1エコー信号)の値がしきい値よりも小さいときに、その画素にマスクをかけることにより、このような位相乱れを除去する。
【0104】
具体的には、式(13)に示すように第1エコー画像と第2エコー画像の絶対値の比をとり、その値がしきい値mt以下となる領域にマスクをかける。
【0105】
【数5】
【0106】
式中、TE1、TE2はそれぞれ第1エコー、第2エコーのTEであり、T2W*,T2F*はそれぞれ水、脂肪のT2*である。式(13)より、このec2/ec1マスクは、第2エコーしきい値マスクに比べ、W>Fの領域とW<Fの領域との境界に敏感であることがわかる。
【0107】
次に図12に示すアンラップ自動化アルゴリズムによる処理を説明する。まず処理1001において第1エコーしきい値マスクを用いてアンラップ処理を行う。この処理1001は、図10の処理901とほぼ同じであるが、ここではアンラップ前に領域がどれくらい広がるかをチェックする処理1011を追加している。この処理によって計測された領域の広がりは、後述する処理1002における同様の処理1021で計測された領域の広がりと比較され、ec2/ec1マスクの強さを調節するために使用される。
【0108】
この最初の処理1001でも、前述の実施例と同様にアンラップ処理と平行してアンラップ処理状況マップを作成し、このマップにおけるすべての画素の処理状況値が1以下であるか、2以上の値を持つ点があるかを判断し、アンラップ処理の適否を判定する。アンラップ処理が正しくされている場合には、フィッティングモジュールに移行する。
【0109】
アンラップ処理がNGの場合には、処理1002に進み、ここで処理1001後の位相2φマップにec2/ec1マスクをかける。具体的には、次式(14)
【0110】
【数6】
を満たす画素をしきい値mtで落としてマスクする。
【0111】
これにより、既に述べたように、領域(W>F)と領域(W<F)との境界における位相乱れを生じた部分をアンラップ処理から除去することができる。次いでローパスフィルタを通すとともにループマスクを作成した後、アンラップ処理の広がりを計測し(ステップ1021)、アンラップ処理の広がりが十分であるか否かを判定する(ステップ1022)。この判定は、処理1001のステップの結果と処理1002のステップ1021の結果を比較することにより行う。
【0112】
図13は、アンラップ処理の広がり計測の結果を画像化して示したものであり、(a)は第1エコーしきい値マスクを用いた処理1001における広がり計測ステップ1011での結果であり、(b)は、ec2/ec1マスクを用いた処理1002における広がり計測1021の結果である。ここで白くあらわされた領域1111、1121がアンラップ処理の広がる領域であり、処理1001、1002の各広がり計測ステップ1011、1021では、それぞれ白く表された領域1111、1121の面積(画素数)を求める。
【0113】
ステップ1022では、これらステップ1011、1021でそれぞれ求めた領域の面積の比Rを求める。そして、比がR≧所定値(例えば0.8)を満たすならば、アンラップ領域が十分広がると判断しアンラップ処理に移行する。一方、R<0.8ならば、アンラップ領域の広がりが弱いので、ステップ1023に移り、ec2/ec1マスクのしきい値mtを下げて、再び処理を行う。これをR≧0.8になるまで繰り返す。
【0114】
このようにec2/ec1マスクのしきい値mtを調整してアンラップを行った後、ステップ1024で作成したアンラップ処理状況マップを参照する。ここでも、処理1001と同じように、アンラップ処理状況値が2以上である点があるか、処理状況値が全画素で1以下であるかを判定してもよいが、FOVの辺縁部の領域であればアンラップ処理状況値が2以上であっても許容するようにしてもよい。
具体的には、先程調整したec2/ec1マスクのしきい値mtがある値mt2以下になった場合、アンラップの不確定を許容する処理を入れる。
ec2/ec1マスクのしきい値≧mt2:アンラップミスは許容しない
ec2/ec1マスクのしきい値<mt2:アンラップミスの境界が画像の周辺部に残っていても許容する
【0115】
ec2/ec1マスクのしきい値がmt2未満ということは、もともとアンラップ処理の広がりが弱い画像であることを意味し、このような画像ではループマスクの1辺の最大値をあげることにより、アンラップ処理の広がりが急激に小さくなり、続いて行われる関数フィッティングの結果が適切でなくなる場合がある。従ってこのような場合には、画像周辺にアンラップミスが残っていても許容することにより、ループマスクが強くなりすぎないようにする。なお、このような処理をしても最終画像の診断情報の劣化にはつながらないと考えられる。
【0116】
図14は、このようなアンラップミスを許容する範囲を示したものである。即ち図14では、白い四角1401から外側のFOV周辺領域1402(FOVの外縁から1/6の領域)では、アンラップの不確定があっても許容する。
【0117】
このようにある程度緩やかなアンラップ処理状況判定を行った後、なおアンラップがNGであれば、次の処理1003に進む。この処理1003は、図10の処理903と同じであり、ループマスクの1辺の最大値を変化させて、アンラップ処理を行う。ここでもアンラップ処理の適否を判定するステップ1031では、ec2/ec1マスクを用いた処理1002と同様に、FOVの辺縁部の領域であればアンラップに不確定が存在しても許容する処理を加えてもよい。これによりループマスクが強くなりすぎて、アンラップ領域が広がらなくなるのを防止することができる。ここでもこのような緩い判定が最終画像の診断情報の劣化にはつながらないと考えることができる。
【0118】
以上のように、処理1001、1002、1003を進めることにより、アンラップ処理後の位相マップを得る。これをフィッティングした後、得られた静磁場不均一マップを用いて第2エコーを位相補正し、第1エコーとの加算、減算により水画像、脂肪画像を得ることは、図5に示すデータ処理フローと同じである。
【0119】
この実施例でも、アンラップ処理後に処理前の位相と比較して位相オフセットを除くための位相整合処理を加えてもよい。またフィッティング後に、フィッティング前後の差分と一番近い2nπだけフィッティング前の2φマップを加減する処理を加えて、静磁場補正に加えて、局所ノイズや局所的なf0ずれによる位相ずれも補正した水脂肪分離を行うことも可能である。
【0120】
図12に示す実施例によれば、アンラップ処理のマスクとして、W>Fの領域とW<Fの領域との境界に敏感なec2/ec1マスクを採用したことにより、この境界に生じる位相乱れがアンラップ処理に与える影響を排除することができる。またこの実施例では、第1エコーしきい値マスクによる処理とec2/ec1マスクによる処理との間でアンラップ処理の広がりをチェックする機能を追加したことにより、マスクの強さを調節することができる。更にアンラップ処理状況の適否判断において、周辺領域の判断基準を緩やかにしたことにより、ループマスクが強くなりすぎたり、処理時間が長くなりすぎることを防止することができる。
【0121】
次に本発明による位相マップ作成モジュールの更に別の実施例を説明する。この実施例では、モジュール自体を簡略化し、一部の処理をループの外に出してアンラップ処理の処理時間を短縮したものである。この実施例の処理フローを図15に示す。
【0122】
この処理フローのうち第1エコーしきい値マスクを用いる処理1501と、ループマスクの1辺の最大値を変更する処理1503は、図12の処理フロー1001、1003と全く同じであるが、ec2/ec1マスクを用いる処理1502では、アンラップ処理の広がりの比が所定のしきい値以上となるまで、ec2/ec1マスクのしきい値を変更する処理ループから、ローパスフィルタ処理とループマスク作成処理を省き、ループの処理時間の短縮を図っている。尚、処理の簡略化は、この実施例に限らず、変更が可能である。
【0123】
さらに処理時間の短縮化を図る別の実施例として、位相2φマップ作成を行う際にマトリクスサイズを縮小することも可能である。
【0124】
この場合、図16に示すようにまず位相2φマップ作成モジュールの最初に第1エコー画像、第2エコー画像それぞれのマトリクスサイズを縮小するモジュール1601を付加し、その後は縮小したサイズで2φマップの作成を行う。作成したフィッティング後2φマップを元のマトリクスサイズに戻し(ステップ1602)、水脂肪分離処理を行う。
【0125】
図17にマトリクス縮小の方法を示す。図中、1701で示す方法では、まず実空間の画像データを逆フーリエ変換(2D-IFT)してkx−ky空間のデータに戻し、このデータの切り抜きを行った後、フーリエ変換(2D−FT)して画像に戻す。また1702で示す方法では、単純にデータを、例えば1点おきに間引く。この方法では、多少の画質劣化が起きる可能性はあるが、フーリエ変換にかかる時間が最大4回分短縮される。
【0126】
以上、2点ディクソン法に基づくパルスシーケンスによって得られたエコー時間TEの異なる2つの信号から、静磁場不均一マップを作成し、この際、アンラップ処理の自動化アルゴリズム処理を行い、位相を補正をして水脂肪分離画像を得る方法について説明したが、本発明によるアンラップ処理の自動化アルゴリズムは2点ディクソン法のみならず、図2に示すようにエコー時間の異なる3つの信号を順次計測し、これら3つの信号間の演算によって静磁場不均一分布を求める場合にも適用することができる。
【0127】
以下、3点ディクソン法によって静磁場不均一分布を求める方法を簡単に説明する。まず図2に示すように、TEを変えて3回の撮像を行い、3つの信号S1、S2、S3を得る。第1エコーS1のTEを2τの整数倍とし、第2エコーS2、第3エコーS3のTEはそれよりそれぞれτだけ長く設定される。
【0128】
第1エコー計測時には、水信号206と脂肪信号205は同位相で位相207をもつ。この値をαとする。第2エコー計測時には水信号209と脂肪信号208は逆位相となる。このときの水信号の位相はα+φとなる。φは静磁場不均一による位相回転量である。第3エコー計測時には、水信号212と脂肪信号211は再び同位相となり、その位相213は値がα+2φとなる。第1エコーと第3エコーにおいて水信号と脂肪信号は同位相となっているので、S3(x,y)/Sl(x,y)の位相を求めることにより、静磁場不均一による位相回転量を求めることができる。すなわち、
【0129】
【数7】
【0130】
これをすべての(x,y)について求めた位相マップを、図5或いは図16及び図6のデータ処理フローによってアンラップ処理し、2で割って静磁場不均一による位相回転量φ(x,y)を得る。得られたφ(x,y)を用いて、信号S2の位相補正を行い、加算画像及び減算画像を得ることは2点ディクソン法の場合と同様である。
【0131】
尚、図2では3回の計測でエコー時間の異なる信号を得る場合を示したが、1回の繰り返し時間内でエコー時間の異なる3つの信号を得ることも可能である。またここではグラディエントエコー法のシーケンスを示したが、図18(a)(b)に示すようにスピンエコー型のシーケンスでもよい。
【0132】
また上記実施例では、0°−180°の2エコーシーケンスへの適用を示したが、適宜変更の上、0°−90°の2エコーシーケンスへも適用可能である。この場合、2φマップは4φマップヘ修正される。
【0133】
さらにこのアンラップ処理の自動化アルゴリズムは、水脂肪分離画像を得る場合のみならず、一般に静磁場不均一マップ等の位相マップを求める機能を持つMRI装置に適用することができる。例えば、静磁場不均一マップを得て、これと反対の極性、大きさを持つ磁場を発生させるようにシムコイルを駆動するオートシミング機能を備えたMRI装置や、EPI等の静磁場不均一の影響を受けやすいシーケンスで取得した画像の歪みや位置ずれを位相補正するMRI装置にも用いることができる。
【0134】
次に本発明の第2の態様として、水脂肪分離画像の撮影において加算画像と減算画像から、水画像と脂肪画像を自動判別する方法を説明する。
【0135】
上述したディクソン法では、位相計算が正しければ原理的に、加算画像として水画像、減算画像として脂肪画像が得られるが、実際には逆になってしまう場合があること、これはアンラップ処理後に位相整合を行った場合にも生じ得ることを既に説明した。即ち、位相2φマップのアンラップ処理には、常にこのような2nπの不確定性が存在する。
【0136】
本発明による自動判別法では、このようなアンラップ処理に伴う不確定性を前提として、演算によって得られる2種の画像を自動的に判別する方法を提供する。このため2つの判別手法を採用する。一つは(1)第1エコー画像と第2エコー画像の画素値の比、すなわち信号比を比較する方法であり、もう一つは(2)加算・減算画像の画素値を直接比較する方法である。これらについて以下、詳述する。
【0137】
(1)の第1エコー画像と第2エコー画像の画素値の比を比較する方法では、[第2エコー画像の画素値]と[第1エコー画像の画素値]との比(以下、信号比と呼ぶ)は、水信号の方が大きな値をとるという推定に基づく。すなわち、水信号は脂肪信号に比べT2値が長いため、第1エコー画像と第2エコー画像間での信号の減衰が弱い、すなわち、信号比は大きな値をとる。厳密には、第1エコー画像と第2エコー画像間での信号の減衰は静磁場不均一等の影響も含まれるためT2*減衰であるが、水信号と脂肪信号で信号比の値の差は保存される。この判定方法ではこのことを利用する。
【0138】
図19に信号比から水・脂肪画像を決定するアルゴリズムを示す。まず加算画像(a)と減算画像(b)について、それぞれ領域抽出を行い、高画素値領域(c)、(d)を抽出する。このとき、抽出する領域の画素数が、信号のある領域全体(すなわち、被検体領域の画素数)の1%程度にすることが好ましい。
【0139】
一方、被検体領域の各画素毎に信号比を求める。この信号比画像に、領域抽出した高画素値領域(c)、(d)を重ね(e)、加算画像の高画素値領域(c)が重ねられた部分の信号比の平均値と、減算画像の高画素値領域(d)が重ねられた部分の信号比の平均値とを比較する。
【0140】
上述のように水信号の方が信号比が大きいと推定されるので、比較の結果、信号比の値が大きい方を水画像と判断する。すなわち、加算画像抽出領域および減算画像抽出領域の信号比のうち、値の大きい方を水画像、小さい方を脂肪画像と判定する。
【0141】
3点ディクソン法であれば、第1エコー画像、第2エコー画像、第3エコー画像の画素値を指数関数でプロットすることによって減衰係数を求めることができる。そして、減衰係数が大きいほうが脂肪画像と判断できる。
【0142】
この方法は、さらに加算画像抽出領域の信号比と減算画像抽出領域の信号比との差(或いは比)が所定値以上であるときに、信号比の値が大きい方を水画像と判断するという条件を加えることによって、精度を高めることができる。
【0143】
実際の測定では、水プロトンが存在する組織によってはT2が自由水よりも短くなり、脂肪信号に近づき、その結果測定誤差を生じる場合がある。例えば足首や膝等の部位では、水信号の高い領域として筋肉が、脂肪信号の高い領域として皮下脂肪が抽出されるが、筋肉に存在する水分子は蛋白質と結合しているため、自由水に比べT2が短い。そのため水信号の信号比は、皮下脂肪の信号の信号比と近い値となり、区別がつきにくくなると考えられる。
【0144】
そこで、上述したように加算画像の信号比と減算画像の信号比のうち、[信号比の大きい方]と、[信号比の小さい方]との比が、しきい値m(>1)以上になる場合にのみ、[信号比の大きい方]を水画像、[信号比の小さい方]を脂肪画像とする処理をする。これによって誤差を含む部分を除き、精度をあげることができる。しきい値mは、特に限定されないが、本発明者らの研究では、m=1.2程度が好適であった。
【0145】
但し、この条件を付加した場合、[信号比の大きい方]と、[信号比の小さい方]との比が次式の場合には加算、減算画像では水・脂肪画像を決定できない。
【0146】
1≦[信号比の大きい方]/[信号比の小さい方]≦m
【0147】
そこで本発明の自動判別法では、第2の方法として(2)加算・減算画像の画素値を直接比較する方法を併用する。
【0148】
加算・減算画像の画素値を直接比較する方法は、撮像法によって決る所定のコントラストのもとでは、水画像の画素値の最大値よりも脂肪画像の画素値の最大値の方が大きい、或いはその逆の関係が成り立つことを利用する。例えば、スピンエコー(SE)シーケンスでは、一般的にT1強調画像が撮影され、この場合のコントラストでは、水画像の画素値の最大値よりも脂肪画像の画素値の最大値の方が大きい。ここでは、この特徴を用いて水、脂肪画像を判別する。
【0149】
図20に、(2)の方法を実現するアルゴリズムを示す。ここでもまず加算画像(a)と減算画像(b)から、それぞれの高画素値領域(c)、(d)を抽出する。次いで抽出されたそれぞれの領域について、画像(a)、(b)の画素値の平均を求める。図20の(e)、(f)は、抽出領域についての画素値を求めるために、画像(a)、(b)と抽出画像(c)、(d)をそれぞれ重ねあわせたものを示している。その後、求めた画素値の平均を比較する。
【0150】
上述したように、T1強調画像のコントラストにおいては、脂肪画素値の平均値は水画素値の平均値より大きいこと、すなわち、以下の式を満たすことが期待される。
【0151】
(脂肪画素値)/(水画素値)>1
そこで、加算画像および減算画像のうち、画素値の平均値が大きい方を脂肪画像、小さい方を水画像と判定する。
【0152】
この方法においても、実際の測定で発生しうる測定誤差を排除して判定の精度をあげることが可能である。このため、加算画像および減算画像のうち、[平均画素値の大きい方]と[平均画素値の小さい方]の比を取り、この比がしきい値p(>1)以上になる場合に、平均画素値の大きい方を脂肪画像、小さい方を水画像とする。
【0153】
この場合にも、[平均画素値の大きい方]と[平均画素値の小さい方]との比が、1≦[平均画素値の大きい方]と[平均画素値の小さい方]≦p
の場合には、加算、減算画像から水・脂肪画像を決定できないが、上述した(1)の方法と併用することにより、水・脂肪画像を判別することが可能となる。
【0154】
なお、(2)の方法において、第1エコー画像、第2エコー画像がT1以外のコントラストを持つ場合には、しきい値m、pを変化させることにより同様に適用できる。
【0155】
両方法の適用は、一方を先行させて、一方で判断できない場合に、他方を適用するようにしてもよい。
【0156】
このように判別した後、表示された画像に「水画像」或いは「脂肪画像」の表示を加える。これにより水を含む組織と脂肪組織とが複雑に入り組んだ組織においても自動的に画像の判別がなされるので、診断を効率的に行うことができる。
【0157】
以上、水・脂肪画像の自動判別方法について説明したが、この自動判別方法は、ディクソン法に限らず、異なるエコー時間で取得したMR信号から演算で水、脂肪画像を求める方法全般に用いることができる。この場合、撮影シーケンスとしては、1回の励起で2つのエコーを取得するシーケンスのみならず、エコープレナー法(EPI)や、ファーストスピンエコー法(FSE)など1回の励起で1枚の画像に必要なエコーを取得するシングルスキャンシーケンスにも適用できる。この場合、撮影時間はさらに短縮される。
【0158】
またここでは水と脂肪の分離について示したが、化学シフトを利用して2種のスピンの信号を得る撮像方法であれば、他の物質の組み合わせ、例えば水とシリコン、水とNAAなどの分離についても適用可能である。
【0159】
【発明の効果】
本発明によれば、エコー時間の異なる複数の信号を用いて、静磁場不均一等に起因する位相ずれマップを作成する際に、アンラップ処理を最適に行うアルゴリズムが提供される。このようなアルゴリズムを、静磁場補正付きディクソン法のような水・脂肪分離画像取得法に適用することにより、全自動で水、脂肪分離画像を得ることができる。
【0160】
また本発明によれば、エコー時間の異なる複数の信号間の演算によって水・脂肪分離画像を取得する方法において、加算画像及び減算画像のいずれかが水画像か脂肪画像かを自動的に判別する手法が提供される。これを静磁場補正付きディクソン法のような水・脂肪分離画像取得法に適用することにより、全自動で水、脂肪分離画像の描画を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2点ディクソン法におけるデータ取得タイムチャート。
【図2】3点ディクソン法におけるデータ取得タイムチャート。
【図3】本発明が適用されるMRI装置の概要を示す図。
【図4】本発明で採用する2点ディクソン法におけるデータ取得タイムチャート。
【図5】本発明による静磁場補正付きディクソン法の処理フローの一例を示す図。
【図6】位相2φマップ作成フローの一例を示す図。
【図7】ループマスクを説明する図
【図8】アンラップ処理状況を画像化して示した図。
【図9】アンラップ処理状況マップの作成方法を説明する図。
【図10】アンラップ自動処理フローの一実施例を示す図。
【図11】アンラップ処理後の位相整合状況を画像化して示した図。
【図12】アンラップ自動処理フローの他の実施例を示す図。
【図13】図12の処理フローにおけるアンラップ処理の広がり計測を画像化して示した図。
【図14】アンラップ適否判定処理の一ステップを画像化して説明する図。
【図15】アンラップ自動処理フローのさらに別の実施例を示す図。
【図16】図5の静磁場補正付きディクソン法の処理フローにマトリクス縮小ステップを組み込んだフローを示す図。
【図17】アンラップ処理におけるマトリクスの縮小方法を説明する図。
【図18】本発明で採用する3点ディクソン法におけるデータ取得タイムチャート。
【図19】水・脂肪画像自動判別アルゴリズムの一例を画像化して説明する図。
【図20】水・脂肪画像自動判別アルゴリズムの他の例を画像化して説明する図。
【符号の説明】
301・・・被検体、302・・・静磁場磁石、303・・・傾斜磁場コイル、304・・・RFコイル、305・・・RFプローブ、306・・・信号検出部、307・・・信号処理部、308・・・表示部、309・・・傾斜磁場電源、310・・・RF送信部、311・・・制御部、312・・・ベッド
Claims (9)
- 静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生された核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、前記アンラップ処理の進行と同時に、アンラップ処理の対象である画素毎に処理状況値が値として書き込まれた処理状況マップを作成し、当該処理状況マップをアンラップ処理の状況を示す指標として用いて、アンラップ処理結果の適否を判断することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生された核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、前記アンラップ処理の進行と同時に、アンラップ処理の対象である画素毎に処理状況値が値として書き込まれた処理状況マップを作成し、当該処理状況マップをアンラップ処理の状況を示す指標として用いて、アンラップ処理結果の適否を判断し、適正にアンラップ処理された位相ずれ分布に基づき前記核磁気共鳴信号を補正した後、信号間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生された核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号を用いて、2つ以上の原画像を再構成し、これら原画像間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての2つの表示画像を再構成し、得られた2つの表示画像と2種の原子核スピンとの対応を、前記2つ以上の原画像の画素値の比及び2つの表示画像の画素値の比較から自動判別することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 静磁場が形成された空間に高周波磁場、傾斜磁場をそれぞれ発生する磁場発生手段と、前記空間に置かれた被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出し、画像を再構成する信号処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記信号処理手段は、高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号を用いて、信号間の位相ずれ分布を求める演算と、その演算において生じる主値回りを補正するアンラップ処理とを行い、前記アンラップ処理の進行と同時に、アンラップ処理の対象である画素毎に処理状況値が値として書き込まれた処理状況マップを作成し、当該処理状況マップをアンラップ処理の状況を示す指標として用いて、アンラップ処理結果の適否を判断し、適正にアンラップ処理された位相ずれ分布に基づき補正した核磁気共鳴信号を用いて、2以上の原画像を再構成し、これら原画像間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての2つの表示画像を再構成し、得られた2つの表示画像と2種の原子核スピンとの対応を、前記2以上の原画像の画素値の比及び/又は2つの表示画像の画素値の比から自動判別することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1、2および4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記信号処理手段は、少なくとも1のノイズ除去マスクを用いてアンラップ処理を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記ノイズ除去マスクは、前記2種の核磁気共鳴信号のうち第1の信号の絶対値画像から作成したマスク、第2の信号の絶対値画像から作成したマスクおよび両方の信号を用いて作成したマスクのいずれかまたは組み合わせであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項1、2および4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記アンラップ処理の状況を示す指標は、アンラップ処理の対象である位相ずれマップと同じ画素数のマップであって、画素毎に基準点との位相差で決まる処理状況値が値として書き込まれた処理状況マップであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 静磁場空間に置かれた被検体から取得された核磁気共鳴信号を用いて画像を再構成し、表示する磁気共鳴イメージング方法であって、
高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号に対し、信号間の位相ずれ分布を求める演算ステップと、
前記演算ステップにおいて生じる主値回りを補正するアンラップ処理ステップと、
アンラップ処理された位相ずれ分布に基づき前記核磁気共鳴信号を補正するステップと、
補正後の信号間の演算によりケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての画像を再構成するステップとを含み、
前記アンラップ処理の進行と同時に、アンラップ処理の対象である画素毎に処理状況値が値として書き込まれた処理状況マップを作成し、当該処理状況マップをアンラップ処理の状況を示す指標として用いて、アンラップ処理結果の適否を判断することを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。 - 静磁場空間に置かれた被検体から取得された核磁気共鳴信号を用いて画像を再構成し、表示する磁気共鳴イメージング方法であって、
高周波磁場の照射から核磁気共鳴信号の発生までの時間(TE)が異なる2以上の核磁気共鳴信号を用いて再構成された2つ以上の原画像に対し、原画像間の演算を行いケミカルシフトの異なる2種の原子核スピンについての2つの表示画像を再構成するステップと、得られた2つの表示画像と2種の原子核スピンとの対応を、前記2つ以上の原画像の画素値の比及び2つの表示画像の画素値の比較からから自動判別するステップとを含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
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