JP3392568B2 - 海苔ひび - Google Patents

海苔ひび

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JP3392568B2
JP3392568B2 JP05352195A JP5352195A JP3392568B2 JP 3392568 B2 JP3392568 B2 JP 3392568B2 JP 05352195 A JP05352195 A JP 05352195A JP 5352195 A JP5352195 A JP 5352195A JP 3392568 B2 JP3392568 B2 JP 3392568B2
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seaweed
crack
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fiber
biodegradable
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義勝 水上
正 葛野
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カネボウ株式会社
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  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の海苔ひびは海苔、もずく
等の養殖に用いられる。
【0002】
【従来の技術】海苔ひびは古くは天然繊維が用いられて
いたが、現在は合成繊維、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等が多く用いられる。これは主としてコスト
が廉価である理由に負うところが大きい。また、この種
の合成繊維を用いた海苔ひびは一般的には撚糸の形態で
用いられる。それは、一般に上記の合成繊維の表面が滑
らかであり、胞子が付着し難いが、撚糸をすることによ
り採苗する際の胞子の付着が促進されるためである。さ
らに、胞子が付着し易くなるように繊維の表面の酸素含
有官能基の濃度を内部より高くする提案が特開昭62−
205730号公報でなされている。
【0003】海苔の生育を向上する目的では、尿素およ
び脂肪酸エステルを含む処理液で海苔を処理する方法が
特開昭61−187730号公報で提案されている。し
かし、この方法では適当な栄養剤である尿素および脂肪
酸エステルを生物の作用によりコントロールして放出す
ることは困難である。また、放出される栄養剤の濃度が
初期濃度から経時的に減少する欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は海苔ひ
びの生産性を向上させ、海苔の単位生産量をあげること
ができ、安全性に優れた海苔ひびを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、生分解性
繊維を海苔ひびに含有させることにより、海苔ひびの成
育が増進される事を見出し、海苔の生育の肥料となる生
分解性繊維の種類と分解速度等を研究した結果、本発明
の完成に至ったものである。即ち、本発明の海苔ひびは
生分解性繊維を1重量%以上8重量%未満含有している
海苔ひびである。好ましくは、生分解性繊維が加水分解
性のポリL乳酸繊維である海苔ひびである。
【0006】一般的に海苔ひびにはポリエチレンの40
0dモノフィラメントを36本撚糸した糸等が多く用い
られる。これで強度的に十分であり、特に高強力である
必要はない。また、海苔ひびは一般的には9月頃に設置
し、翌年の3月頃に収穫が完了する。完了した海苔ひび
は洗浄した後、再度翌年も使用されることが多い。通常
は2から3回使用した後、廃棄される。従って、海苔ひ
びの肥料として生育を増進する生分解性繊維の生分解は
約18ヶ月に渡り、徐々に進行することが望ましい。
【0007】本発明に使用できる生分解性繊維には酵素
により分解される生分解性繊維と加水分解により分解さ
れる生分解性繊維とがある。酵素により分解される生分
解性繊維としてはレーヨン等の再生繊維、コットン、ウ
ール等の天然繊維、ポリカプロラクトン繊維等がある。
酵素により分解される生分解性繊維の分解速度は一般に
大きい。一方、加水分解により分解される生分解性繊維
としてはポリグリコール繊維、ポリ乳酸繊維等があり、
一般に分解速度は小さい。
【0008】ポリ乳酸繊維の中でもL体主に重合した
ポリL乳酸繊維は特に分解速度が適当に小さく好適であ
る。海苔ひびに適用するために生分解性の余り大きな分
解速度を持つものは、分解速度を低減させる工夫が必要
となる。即ち、繊維表面積を少なくするため他のポリ
マー部分的に被覆し、分解速度を低減することができ
る。この被覆度の大きさで分解速度を制御することがで
きる。繊維断面を芯鞘形にし、部分的に生分解性繊維が
露出しているようにすると良い。または、非分解性物質
で表面をコーティングしても良い。
【0009】ポリL乳酸の場合は分解速度が適度である
ため、繊維の太さを調節するだけで十分に分解速度を調
節することができる。生分解性繊維の混合は紡績等でも
可能であるが、分解速度を小さくするため繊維表面積が
小さいモノフィラメントが好ましい。また、同じ理由
で、モノフィラメントの太さは100d以上が好まし
い。繊維が細い場合はトータルが100d以上になるよ
うに束ねた後、他のポリマーで部分的にコーティングす
ると分解速度が低減され好ましい。
【0010】本発明の海苔ひびは生分解性繊維を1重量
%以上含有しているが、好ましくは2重量%以上、さら
に好ましくは5重量%以上である。生分解性繊維の含有
量が多くなるに従い、分解速度を大きくすることができ
る。従って、海苔の生育が速くなり、収量が多くなる。
しかし、8重量%以上にしても余り大きく収量は増大し
ないため、経済的な含有量を選定すべきである。
【0011】本発明の海苔ひびに生分解性繊維を含有さ
せる方法としては、生分解性繊維を他の繊維、例えばポ
リエチレンモノフィラメントと交撚することにより達成
することができる。交撚する他の繊維はこれ以外にも特
に限定しない。また、交撚する他の繊維に海苔の生育を
促進する成分を含有させることは経済的に問題がない範
囲で、併用することができる。本発明の海苔ひびは海苔
以外にも青海苔、ワカメ、昆布、モズク等の収穫にも用
いることができる。ワカメやコンブは細い種糸を本発明
の海苔ひびに巻き付けることにより用いることができ
る。
【0012】
【実施例】
実施例1 400dのポリエチレンモノフィラメント35本と40
0dのポリL乳酸モノフィラメントを交撚し、製網し、
生分解性繊維を2.8%含有する本発明の海苔ひびを製
造した。参考品として同じポリエチレンモノフィラメン
トのみの海苔ひびを用いた。ポリL乳酸モノフィラメン
トはL乳酸を縮重合したポリL乳酸を溶融紡糸した鐘紡
株式会社製の「ラクトロン」(商標名)を用いた。この
繊維の引張強度は2.6g/dであった。上記の海苔ひ
びを海苔(アサクサノリ)の胞子液に30分間浸漬し採
苗し、一旦別の水槽に移し、耐乾力が付いてから、漁場
に移し、干出した後、3cm程度に育成した。その後、
沖の浮き流し式装置で育成し、30日後の海苔の収量を
比較した。参考品に較べて本発明品は135%の収量増
があり、色沢も良かった。
【0013】実施例2 実施例1と同様にしてポリL乳酸モノフィラメントの含
有量のみを表1のように変化し、海苔の収量を比較し、
結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】実施例3 実施例1で使用した海苔ひびを翌年、再使用したが参考
品に較べて本発明品は145%の収量増があり、色沢も
良かった。
【0016】
【発明の効果】本発明の海苔ひびは海苔の単位生産量を
あげることができ、生分解後も安全性の高いポリマーを
用いるため安全性に優れている。また、繰り返し使用が
できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性繊維を1重量%以上8重量%未
    含有している海苔ひび。
  2. 【請求項2】 生分解性繊維が加水分解性のポリL乳酸
    繊維である請求項1の海苔ひび。
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