JP2011050330A - ジュート及びラミー混紡撚糸によるつる植物生育用支持ネット - Google Patents
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Abstract
【課題】重量の大きなつる植物のつるを支持しつつ、収穫後には速やかに分解して翌年の生産のための堆肥として再利用可能な生育用支持ネットの提供を目的とする。
【解決手段】所定の網目を有する網体と網体を吊るす上ロープにより構成される堆肥化可能
な生分解性を有するつる植物生育用支持ネットであって、前記支持ネットの素材がジュート
繊維のスライバーとラミー繊維のスライバーを混紡して混紡糸とした後に複数の前記混紡糸
を撚り合わせた混紡撚糸であることを特徴とするつる植物生育用支持ネット
【選択図】図2
【解決手段】所定の網目を有する網体と網体を吊るす上ロープにより構成される堆肥化可能
な生分解性を有するつる植物生育用支持ネットであって、前記支持ネットの素材がジュート
繊維のスライバーとラミー繊維のスライバーを混紡して混紡糸とした後に複数の前記混紡糸
を撚り合わせた混紡撚糸であることを特徴とするつる植物生育用支持ネット
【選択図】図2
Description
本発明は、所定の網目を有する網体と網体を吊るす上ロープにより構成され、堆肥化可能な生分解性を有するジュート及びラミー混紡撚糸によるつる植物生育用支持ネット、特に長芋生育用支持ネットに関する。
長芋は、春に種芋が植え付けられた後、つるが種芋から生えて伸長する。放置しておくとこのつるが互いに絡み合って長芋の成長が阻害されることから、つるを這わせ・絡ませるための長芋生育用支持ネットが展張される。この支持ネットは、一般に、カーテンレールの役割を有する上ネットと上ネットに吊下げられる網体により構成され、支持ネットの素材としては高強度、低価格等の理由によりポリエチレン材が多く使用されている。
秋の収穫の直前期になると、生育した長芋を掘り出すためにつるは地上に近い部分で切断される。長芋のつるや葉は支持ネットに複雑に絡みついた状態となっているので、支持ネットを翌年も再使用するためにはつるや葉を支持ネットから取り外さなければならない。しかし、取り外すのは重労働である。さらに、取り外すときに網目が変形するなどの不具合が生じることもあり、それを修復することは大変煩雑である。このことから、長芋生育用支持ネットからつるや葉を取り外して翌年再使用することは実質上ほとんど不可能である。
したがって、つるや葉が絡んだままの状態で再利用又は廃棄せざるを得ないが、ポリエチレン等合成樹脂は生分解性が極めて小さく堆肥として再利用することは困難である。よって、以前は野焼きにより焼却処分を行うことが多かった。しかし、法改正による「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の廃プラの野焼きに抵触することとなり、野焼きすることができなくなった。このため、長芋生産農家の多くは生育用支持ネットを有償で業者に引き取ってもらっているのが現状である。長芋生産農家にとってはこの廃棄コストの増大が大きな問題となっている。それに加え、ポリエチレン製の支持ネットを毎年使い捨てにして焼却処分することは、資源の再利用や二酸化炭素排出という環境保護の観点からも解決が求められていた。長芋に限らす、きゅうりなどのつる植物も同様の状況である。
かかる問題に対して、ポリ乳酸等の生分解性合成樹脂を用いる提案がなされており、(特許文献1)、実際に長芋栽培農家でも生分解性合成樹脂を使用した様々な実施がなされている。しかし、高い生分解性を求めると強度不足になる場合があり、又、生分解性合成樹脂は一般にコストが高いという問題がある。
さらに、生分解性合成樹脂の生分解速度は天然繊維の生分解速度より遅いところ、長芋の主生産地である北海道や青森県等の寒冷地においては、低温のために生分解速度は特に遅くなっている。このため、10月ないし11月の収穫後に支持ネットをロール状に巻き取って土中に埋めても分解に長期間を要し、少なくとも翌年春の種まき時には分解していない状態で残存していることとなる。一方、生分解性を高めようとすれば尿素等を添加するなどの追加労力や追加費用をかける必要がある。したがって、堆肥としての再利用には様々な問題点がある。
また、天然繊維である木綿を用いた長芋支持ネットの提案もなされている(特許文献2)。しかし、木綿は伸度が大きいので(7ないし10%。)、長芋のつるが垂れ下がり、繁茂した葉が重なり合って太陽光が遮られるという問題がある。さらに、強度を確保するためにある程度糸番を太くせざるを得ない。(木綿の引張強度2.5ないし5.0g/d)
また、麻を用いたつる野菜用ネットの提案もなされている(特許文献3)。しかし、本考案はジュートのみを用いた支持ネットであり、強度を確保するために糸番をかなり太くせざるを得ず、実用性に欠けるという問題がある。(ジュートの引張強度〜3.4g/d)
本発明はこれらの問題を解決するため、重量の大きなつる植物、特に長芋のつるを支持しつつ、収穫後には土中に埋設すること等により速やかに分解して翌年の生産のための堆肥として再利用可能な生育用支持ネットの提供を目的とするものである。
本発明の第一の観点により、所定の網目を有する網体と網体を吊るす上ロープにより構成される堆肥化可能な生分解性を有するつる植物生育用支持ネットであって、前記支持ネットの素材がジュート繊維のスライバーとラミー繊維のスライバーを混紡して混紡糸とした後に複数の前記混紡糸を撚り合わせた混紡撚糸であることを特徴とするつる植物生育用支持ネットが提供される。
前述のように、つる植物用生育支持ネットを堆肥として再利用するためには、収穫後に支持ネットを土中に埋めたり、又、放置すること等により分解させ、翌春の種まき期以降に堆肥化していることが必要である。そのためには、支持ネット素材は天然繊維であることが好ましく、天然繊維の中でも分解性が高い種類の繊維であることが必要である。ジュート繊維とラミー繊維は分解性が高く、特にジュート繊維は分解性が高い。ジュート繊維とラミー繊維の混紡繊維による支持ネットは早期に分解し、翌年以降の生産用の堆肥として再利用することが可能である。
また、支持ネットはつる植物のつるの重量によって伸びないことが必要である。支持ネットが伸びるとつるが垂れ下がったり、葉が重なるからである。麻類は天然繊維の中で最も伸度が小さな繊維である。特に、ジュート繊維は伸度が1.7ないし1.8%で最も小さい。ラミー繊維は2.3%である。これに対して木綿の伸度は7ないし10%であって十分ではない。
また、つる植物のつるを支えるには大きな強度が必要である。引張強度の小さな繊維でも糸番(繊維径)を大きくすれば全体の強度は向上するが、糸番を大きくすることによって重量の増大及び嵩ばることによる展張作業の負担の増大が生じる。この点でジュート繊維単糸はつる植物生育用支持ネット素材としては実用性に乏しい。
本発明は麻類の中のジュート繊維とラミー繊維を混紡することにより強度を確保した。ジュート繊維は上述のように分解性が高く、また、伸度が非常に小さいという特徴を有する。その一方、引張強度は3.4g/d以下と木綿と同等或いはそれ以下であり、単体でつる植物生育用支持ネットとして用いるのは適切ではない。しかし、ラミー繊維は引張強度が6.75g/dに達するので、ジュート繊維とラミー繊維を混紡することにより引張強度を高めることができる。さらに、複数の混紡糸を撚り合わせた混紡撚糸とすることで、さらに引張強度を6%程度高めることができる。引張強度の点のみから判断すると、ラミー繊維のみによる支持ネットとするほうが強度はさらに強くなるが、ラミー繊維の伸度はジュート繊維より大きく、分解性はジュート繊維より低い。ジュート繊維とラミー繊維の混紡とすることにより、両繊維のそれぞれの特徴を併せて引き出すことができるのである。さらに、ラミー繊維の生産量が小さく、価格が高いことからもジュート繊維とラミー繊維の混紡とすることが実用的である。
なお、麻類にはジュート繊維(黄麻)、ラミー繊維(苧麻)、亜麻繊維、ケナフ繊維、大麻繊維等多くの種類があり、繊維は植物の茎の靭皮部から採取される。ジュートはインド原産でコルコラス属の植物の靭皮から分離採取され、ラミー(苧痲)は多年草の植物(ラミー)の靭皮部から採取される。これらの中でジュートとラミーの混紡としたのは、上述のようにジュートについては、伸度が特に小さく(1.7ないし1.8%)生分解性が高いこと、及び、最も生産量が多く安定供給されている繊維であることが理由である。ラミー繊維については、引張強度が全麻繊維及び全天然繊維の中で最も大きいレベル(6.75g/d)にあることによる。麻繊維の中の他の繊維については、亜麻繊維の強度が6.0g/dである等いずれもラミー繊維より強度が劣る。このように、本発明に係るジュート繊維とラミー繊維の組み合わせは、麻類における優れた性質を取り揃えた繊維の好適な組み合わせである。なお、麻繊維類は全体として湿潤状態での強度が大きく、特にラミー繊維は乾強度より18.5%高い。雨天にも十分耐えられる。
以上のように、本発明に係る生育支持用ネットは生分解性、強度、伸度を両立させることができる。
又、前記混紡撚糸において、ラミー繊維の重量構成比率が少なくとも30%以上であることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。強度上の要請に基づくラミー繊維の混紡比率は糸番との関係にもよるが、混紡することにより強度を向上させるには少なくとも30%の重量比率である必要がある。本発明の発明者等は、麻類製造一般において混紡の効果を発揮するには、混紡比率を少なくとも30%以上とすることが必要であるとの長年の経験による技術的知見を得ている。なお、ラミー繊維の混紡比率を35%以上の重量比率とするとさらに好適である。
また、前記支持ネットの素材において、前記支持ネットを構成する上ロープの素材が合成
樹脂繊維であることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。本発明に係るジュート繊維とラミー繊維の混紡撚糸は強度に優れており、つる植物のつるや葉を支えることができるが、より安全性を高めるために最も強度の必要な上ロープを合成樹脂製の糸として使用することが好適である。
樹脂繊維であることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。本発明に係るジュート繊維とラミー繊維の混紡撚糸は強度に優れており、つる植物のつるや葉を支えることができるが、より安全性を高めるために最も強度の必要な上ロープを合成樹脂製の糸として使用することが好適である。
また、前記つる植物生育用支持ネットが長芋生育用支持ネットであることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。本発明は長芋、きゅうりなどの葉が繁茂するつる等を支持するネットに関する発明である。その中で長芋は、繁茂する葉が大重量であること、寒冷地が主産地であること及び長芋の根が地中1m程度の深い位置まで伸びることから、新たな長芋の成長を阻害しないよう生分解性が特に重要である。この点で本発明は長芋の生育用支持ネットに好適である。
また、前記混紡撚糸の表面に糊づけしたことを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。糊付けは表面の毛羽立ちを抑え、糸の表面を平滑にするが、糊づけにより強度を向上させることもできる。ただし、通常の糊の付着量(3%程度)とすると、支持ネットが硬直して展張性が低下する。展張性を確保するため、本発明に係る混紡撚糸の糊の付着量はより低くすることが好適である。
また、前記混紡糸(混紡単糸)の糸番がジュート番手10番ないし15番であることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットが提供される。ジュート番手15番を超える混紡糸を撚り合わせた混紡撚糸は嵩高くなることから展張性が悪化する。一方、混紡糸のジュート番手が10番を下回ると支持ネットを支える支柱及び支柱のフックとの摩擦による切断の可能性が高くなる。したがって、混紡糸(混紡単糸)のジュート番手を10番から15番の範囲とすることが好適である。
本発明によるつる植物用生育支持ネットは、作物収穫後に作物のつるや葉と共に土中に埋める等することにより、作物の堆肥として再利用することができる。農家の支持ネット処理のための労力は最小限度に抑えることができ、資源の再利用や二酸化炭素排出という環境面からも大きな効果をもたらす。本発明に係るジュート繊維のスライバーとラミー繊維のスラーバーを混紡して混紡糸とした後に撚り合わせた混紡撚糸は分解性、伸度、強度をバランス良く有している。強度については、混紡糸を撚り合わせて撚糸とすることによりさらに6%程度向上している。また、ラミーの混紡比率を30%以上とすることにより混紡の効果を明確に発揮することができる。
また、支持ネットの上ロープにはつる諸部物のつるや葉の重量が最も大きくかかるが、上ロープを合成樹脂とすることにより支持ネット全体の強度をさらに高くすることができる。この場合、上ロープへのつるや葉の絡みは少ないことから、栽培期間中使用した後に上ロープを網体から取り外すのは容易であり、取り外して翌年の長芋等の生産に再利用することができる。したがって、上ロープを合成樹脂製としても、焼却等による環境負荷の増大を招来するものではない。
また、長芋は寒冷地で多く栽培されており、長芋の根が地中1m程度の深い位置まで伸びるので、生分解性に優れた本発明に係る支持ネットは長芋生育用に用いることが特に好適である。
また、本発明に係る混紡撚糸の表面に糊づけすることにより、強度を7%程度向上させることができる。表面が平滑になって展張性が増し、又、編網時に表面が毛羽立たす編網工場内の埃発生を防止することもできる。
また、前記混紡単糸の糸番がジュート番手10番ないし15番であることを特徴とする前記記載のつる植物生育用支持ネットとすることにより、強度を確保しつつ、製網機での作業性、取り付け時の展張性を向上させることができる。
以下、本発明の最良の実施形態に係るつる植物生育用支持ネットについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明に係るジュート繊維及びラミー繊維の混紡撚糸の製造工程図である。ジュート繊維とラミー繊維はそれぞれ別個の工程によりドローイングされてスライバーとなった後にブレンドされる。
ジュート原料(ジュート繊維)は、スプレッダー機にて平行に揃えられ、鉱物油の水溶性エマルジョンに浸された後にロール状に巻き取られる。その後、繊維の柔軟化のために72ないし100時間バクテリア発酵による熟成が行われる。次に、ブレーカーカード機にて原料繊維が開繊分離されて、夾雑物が除去されると共に繊維が平行に揃えられ、繊維の束(スライバー)状になる。さらに、フィニッシャーカード機により、きれいに揃えられる。次に、第1ドローイング機により、繊維はさらに平行に揃えられ、ダブリング(組み合わせ)によりスライバーを引き伸ばし繊維径を細くしつつ一定の繊維径に整える。
ラミー繊維は、ジュート繊維と異なり、ガム質が多く含まれているので、最初にカセイソーダでガム質を除去した後に、ジュート繊維と同様にスプレッダー機、ブレーカーカード機、フィニッシャーカード機、第1ドローイング機によりスライバー状となる。ただし、ラミー繊維の場合はすでに精錬されており、熟成工程はない。
このように、それぞれスライバー状となったジュート繊維とラミー繊維は第2ドローイング機によりブレンドされて混紡繊維となった後にコーマー(COMBING MACHINE)にてさらに繊維長が揃えられる。この時点で、使用に適さない短繊維やネップは除去される。フィニッシャードローイングでさらに繊維のムラや太さが整えられた後に、スピニング(精紡機)によって撚りがかけられて、所定の太さの混紡単糸が作成される。本実施形態においては、ラミー繊維の混紡比率を35%とした。
次に、混紡単糸をワインディング機で巻き取った後に、ツィステイング機にて2PLYの混紡単糸を撚り合わせて混紡撚糸とする。混紡撚糸を構成する混紡単糸は複数であれば良く2本に限定されるものではないが、本実施形態においては製造コストの点から2本としている。
次に、糊付け工程以降について説明する。混紡撚糸はポリシング糊付機にて10%のポバール水溶液に浸された後、ヤシの葉によるブラッシングで糊の付着量が平均化され、乾燥される。糊の付着量は1%としている。糊付けは畳の経糸の製造等においては通常3%程度の付着量とされているが。糊付けにより本発明に係る支持ネットが嵩ばり、支持ネット張設の際の展張性が低下し作業性が著しく悪化するという問題がある。したがって、本発明に係るつる植物生育用支持ネットとして用いるには通常よりも低い付着量とする必要があり、糊の付着量は1%以下が好適である。糊付け工程の後、混紡撚糸はワインダー機でチーズ状に巻き取られて製品となる。
表1は本発明に係るラミー繊維35%の混紡撚糸等の引張強度の紡績糸ベース計測データである。表中の1ないし10はサンプルを、数値はLBS(引張り強度)を示す。単糸は糸番12番の混紡糸(混紡単糸)を、12×2PLY撚糸は糸番12番の混紡糸を2本撚り合わせた混紡撚糸を、12×2PLY糊付糸は糸番12番の混紡糸を2本撚り合わせた混紡撚糸に1%のポバール糊付をしたものを示す。また、Q.Rとは、強力係数の比を表わし、本データにおいてはジュート繊維100%の単糸(糊付なし)に対する引張強度の比率(%)を表わす。本データにより、ジュート繊維とラミー繊維の混紡糸は132%、混紡撚糸は140%、糊付混紡撚糸は150%となる。ジュート単糸に対して、混紡糸は32%、混紡撚糸は40%、糊付け混紡撚糸は50%引張強度がアップするのである。又、ラミー繊維を35%混紡した混紡糸と糊付混紡撚糸とを対比すると、引張強度は13.6%向上する。なお、混紡撚糸は混紡糸に対し6.1%、混紡撚糸(糊付)は混紡撚糸(糊なし)に対し7.1%引張強度が向上する。
このように、ラミー繊維の混紡、撚り、糊付けにより引張強度を向上させることができる。ラミー繊維の混紡比率、撚りの程度(2本撚り、3本撚り等)、糊付けの濃度を変動させることにより所望の引張強度を確保することができるのである。
混紡撚糸は編網機により角形形状(角目)、菱形形状(菱目)、変形六角形状(六角目)等の目を持つネット状に編まれる。編網方法は特に限定されないが、詳細については省略する。
図2と図3に基づいて、本発明に係るつる植物生育用支持ネットの張設方法について説明する。1は長芋、2は苗床、3は支柱、4は支持ネット上ロープ、5は支持ネット混紡撚糸(網体)、6はネットの目、7は上部フック、8は下部フック、9は中間フックである。支柱は外径34mm、長さ(高さ)3mの鉄製パイプで、5メートル間隔で並設されている。つる植物生育用支持ネットは高さ3mで幅は500mに達する。ネットの目は角目である。角目一辺の幅は24cmで、種芋植え付け間隔に一致している。支柱の素材はFRP等でも可能であり、支持ネットの寸法も上記寸法に限定されない。
支持ネットの素材は本発明に係るラミー繊維混紡比率35%の糸番12番の2PLY混紡撚糸(糊付)である。ただし、上ロープのみはポリエステル製である。なお、ポリエステルに代えてポリプロピレン等他の強度の大きな合成樹脂であっても良い。支持ネット混紡撚糸(網体)及び上ロープは図示していない両端の支柱に固着されることにより、支持ネット全体が横方向に固定される。上ロープとネット混紡撚糸(網体)の係合及び上ロープと支持ネット混紡撚糸(網体)の支柱との係合について説明する。上ロープは、支持ネット混紡撚糸の最上部の連続する各網目に左右交互に順に通されることにより、支持ネットの混紡撚糸(網体)部分を吊下げることとなる。上ロープ及び支持ネットの最上部の混紡撚糸は支柱に固定された上部フックに掛けられ、最下部の混紡撚糸は下部フックに、中間部の混紡撚糸は中間フックにそれぞれ掛けられて弛みが防止される。なお、上ロープ及び支持ネットの支柱への係合は本態様に限定されるものではない。
苗床に植え付けられた長芋のつるは直近の混紡撚糸に絡みついて上方に伸長する。上述のように長芋の間隔は支持ネットの角目の一辺に一致しているので、つるは整然と並列して伸長する。秋の収穫期にはつるは地上近傍で切断されて長芋が掘り出される。上ロープは網体から引き抜かれ、網体はフックから外された後につるや葉が絡んだ状態でロール状に巻き取られる。ロール状に巻き取られた網体は地中に埋設等され翌年以降の長芋の堆肥として利用されるのである。
本発明はポリエチレン等合成樹脂製のつる植物生育用支持ネットに代替する堆肥化可能な生分解性を有する支持ネットとして二酸化炭素排出削減を含む環境保全に寄与するものである。さらに、焼却コスト削減、栽培農家の負担軽減という効果もあり、産業上の利用可能性が高い。
1 長芋
2 苗床
3 支柱
4 上ロープ
5 ネット混紡撚糸
6 ネットの目
7 上部フック
8 下部フック
9 中間フック
2 苗床
3 支柱
4 上ロープ
5 ネット混紡撚糸
6 ネットの目
7 上部フック
8 下部フック
9 中間フック
Claims (6)
- 所定の網目を有する網体と網体を吊るす上ロープにより構成される堆肥化可能な生分解性を有するつる植物生育用支持ネットであって、前記支持ネットの素材がジュート繊維のスライバーとラミー繊維のスライバーを混紡して混紡糸とした後に複数の前記混紡糸を撚り合わせた混紡撚糸であることを特徴とするつる植物生育用支持ネット。
- 前記混紡撚糸において、ラミー繊維の重量構成比率が少なくとも30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のつる植物生育用支持ネット。
- 前記支持ネットの素材において、前記支持ネットを構成する上ロープの素材が合成樹脂繊維であることを特徴とする請求項1ないし2に記載のつる植物生育用支持ネット。
- 前記つる植物生育用支持ネットが長芋生育用支持ネットであることを特徴とする請求項1ないし3に記載のつる植物生育用支持ネット。
- 前記混紡撚糸の表面に糊付けしたことを特徴とする請求項1ないし4に記載のつる植物生育用支持ネット。
- 前記混紡糸の糸番がジュート番手10番ないし15番であることを特徴とする請求項1ないし5に記載のつる植物生育用支持ネット。
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JP2009203176A JP2011050330A (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | ジュート及びラミー混紡撚糸によるつる植物生育用支持ネット |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014183822A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-10-02 | Nippon Exterior Kenkyusho:Kk | バイオタイル有効利用システム |
CN105052528A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-11-18 | 中国农业科学院麻类研究所 | 苎麻工厂化育苗方法 |
CN107912183A (zh) * | 2017-12-10 | 2018-04-17 | 成都隶盈科技有限公司 | 一种绿化建筑屋顶结构 |
-
2009
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