JP3392435B2 - エッチング性に優れた金属素材、その製造方法および電子部品 - Google Patents

エッチング性に優れた金属素材、その製造方法および電子部品

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  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチング性に優れた
金属素材、その製造方法および電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属素材のパターン成形にエッチ
ングが広く用いられている。そして、そのエッチング性
の向上が種々検討されている。
【0003】たとえばリードフレームにおいては、主と
してFe−42Ni、Cu合金、Al合金Fe合金、ス
テンレス合金などが利用されているが、ピン数の多いも
のについては、エッチングによりリードが形成される。
リードフレームにおいては、LSI、ICをのせるダイ
ボンディング用のタブと、これら半導体素子ワイヤ又
は、バンプやTAB等により接続されるインナーリー
ド、そして外部回路と接続するアウターリードにわかれ
る。インナーリードのピン間距離は、最近の高密度化に
ともない100μmピッチ以下になってきており、精度
のよいエッチングが必要である。そのために、エッチン
グ液の粘度、ふきつけ方法等のエッチング方法や素材の
面あらさ等を制御することが検討されている。
【0004】シャドウマスクの場合は、素材にアルミチ
ルド鋼やインバー合金(Fe−36NiやFe−32N
i−5Co等)が使用されており、表面に複数の電子通
過孔が形成される。この孔は通常エッチングであけられ
るが、ブラウン管の精細度が向上するとともに孔と孔の
ピッチ幅がせまくなってきており、現在では、100μ
m以下のピッチのものもめずらしくない。アルミチルド
鋼のエッチングは比較的容易であるが、インバー合金は
エッチングしずらいため、素材の結晶方位を(100)
にそろえたり粒度を調整することが検討されている。
【0005】キャリアフィルムの場合は、素材にCu合
金や純銅を用いる事が多い。リードフレームに比べて、
ICやLSIのパッドピッチ間距離がせまいところに使
用されるため、微細なエッチングが必要である。とくに
キャリアフィルムの場合片面に接着剤をはさみ、ポリイ
ミド、ポリエステル、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁フィ
ルムとはりあわせるため、片方向のエッチングのみを行
う場合があり、そのためエッチング方法の開発や、銅箔
の素材純度や、面粗度等の最適化が検討されている。
【0006】以上の様に金属素材のエッチングにおい
て、エッチング性の向上のためエッチング方法のみなら
ず、素材の結晶方位、結晶粒度、添加元素、表面粗さ等
の最適化が検討されている。しかしこれらの方法では板
厚方向に精度よく高速にエッチングを行う上で限界があ
るという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
金属素子において、高速で板厚方向に精度よくエッチン
グすることが困難であるという問題があった。このよう
な問題を解決するために、本発明は、板厚方向に優先的
に高速エッチングする事のできる金属素材を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するために種々検討を行った結果、エッ
チング性の向上にはこれまで構造材において好ましくな
いと考えられていた鋳造組織が有効であることを新たに
見出した。即ち、本発明は、表面が樹枝状または柱状の
鋳造組織であって内部が自由晶或いはアニール組織であ
り、かつ転位密度が10 2 dl/cm 2 以上であることを
特徴とするエッチング性に優れた金属素材である
【0009】一般的な鋳造組織の代表的なものとして図
2〜図5に示されるような樹枝状組織8が挙げられる。
ここで9は自由晶、10は結晶粒、11はアニール組織
である。この樹枝状組織(一部には柱状晶とも表現す
る)は、急冷凝固により発生する。このとき、冷却速度
は、100℃/秒以上にする事が必要で望ましくは30
0℃/秒以上にする。急冷法としては、単ロールを用い
たものでも良いが、図1に示す様な双ロールをもちいた
方が板厚精度がでるのでよい。本発明においては、さら
にこれに圧延等の処理を施す。
【0010】図6は本発明に係る鋳造組織(樹枝状組織
8’)を示す一例である。この鋳造組織は、図6に示す
ように、板の表面から樹枝のように厚さ方向にのびた金
属組織である。図7は本発明に係る鋳造組織(樹枝状組
織8’と自由晶9’)を示す別の一例である。図7のよ
うに中心部には自由晶9’があってもよく表面から組織
がわずかに変化していてもかまわない。双ロールの場合
は、板の両方向から冷やすことができるので、両面から
鋳造組織を発達させることができ、両面からのエッチン
グが必要な素材には望ましい方法である。この場合鋳造
組織の発達は、板の中央部で止まってしまうのでエッチ
ングも中央部で終点させるものには望ましい。また、両
面でのエッチング速度を変化させたいときは、双ロール
のロール温度をそれぞれ変化させ冷却速度をかえるのも
よい。この場合、両面から成長した樹枝状組織の終点は
中央ではなくなるので、エッチング速度も変化させるこ
とができる。尚、結晶方位としては無配向かそれに近い
状態である。
【0011】この鋳造組織は少なくとも表面層にあるの
が良い。これは、表面層のエッチング速度が液のまわり
こみに重要なためで、内部が自由晶になっていても、エ
ッチング液のなじみに効果がある。板厚の1/10以上望
ましくは、1/5以上の表面層の厚みで、鋳造組織が残
っていれば良い。一方内部に通常のアニール組織や、圧
延組織があることはのちに成形を必要とする場合には、
通常のプレス加工機や、曲げ加工機が使用でき好適であ
る。
【0012】図8の様に樹枝状組織とあわせて数μm〜
数100μmサイズの結晶粒10´があわせて存在して
もかまわない。これはエッチング速度が樹枝状組織によ
ってきまり、大きな結晶粒にはよらないためである。ま
た、成形を必要とする部品の場合には好都合である。
【0013】また、図9の様に樹枝状組織を、焼鈍によ
って一部を破壊してアニール組織11´を形成してもか
まわない。このとき、少なくとも一つの相が再結晶する
温度以上に長時間保持しないかぎり、全体の樹枝状組織
をなくすことはないので、再結晶温度より50〜200
℃低い温度での焼鈍であれば行ってもよい。
【0014】転位密度を102 dl/cm2 以上としたの
は、エッチング液のぬれ性、エッチング性機械的強度を
向上させるためで、一方、転位密度が大き過ぎるとエッ
チングスピードが速くなり過ぎ、制御しにくくなること
から、好ましくは104 〜1011dl/cm2 が良い。この
様な転位密度は、適当な条件で圧延することにより得ら
れる。しかし、圧延しない状態でも、ある程度良好なエ
ッチング性が得られる。また、圧延により、樹枝状組織
を大幅にこわす事なく{100}や{110}等の様に
エッチングに優位な結晶方位をそろえられる事もでき
る。好ましくは、双ロール径により、成長させた樹枝状
組織を20%以下の圧延率で圧延するのが良い。また、
添加元素を表面に濃縮させる事により、レジストの密着
性を向上させたり、エッチング液のまわりこみを良くし
たりすることもできる。
【0015】樹枝状組織の樹枝間の距離は1μm〜10
0μm程度が望ましい。とくにピッチのせまいエッチン
グを行う時は、この値が小さい方が良く、1μm〜20
μm程度が望ましい。
【0016】対象とする金属材料は、単相の材料が望ま
しいが、多相であっても、内部に析出物や介在物があっ
てもかまわない。しかし、ピッチのせまいエッチングで
は介在物を少なくする必要がある。
【0017】具体的には、例えばNiを30〜80wt
%含むFe−Ni合金(Fe−36Ni、Fe−32N
i−5Co等のアンバー系合金やFe−42Niやコバ
ール、パーマロイ等)、Fe合金(Crが10wt%以
下のFe−Cu合金、ステンレス鋼や1wt%以下のM
n、Si、Alを少なくとも一種含んだFe合金、Cr
を1wt%以下,Mnを2wt%以下含むアルミキルド
鋼)、Cu合金(2〜50wt%のNi、0.5〜20
wt%のSn、5〜70wt%のZn5wt%以下のF
e、Cr、Zr、P、Mg、Al等少なくとも一種を添
加したCu合金や純Cu)、Al合金(Si、Mg、Z
n、Cu、Fe等少なくとも一種を5wt%以下添加し
たAl合金や純Al)やFeを5〜95wt%含むCu
−Fe合金(添加物はCu合金、Fe合金と同様)、ク
ラッド材 (Fe−Ni合金あるいはステンレスにFe
やAlやCuをクラッドした材料)、或いは、めっき、
スパッタ、蒸着、化学気相成膜、溶射等の膜がついた素
材)を用いることができる。
【0018】本発明の金属素材は、リードフレーム、キ
ャリアフィルム、コネクタ、スイッチ、シャドウマスク
等うす板の電子部品のみならず、ロールの形状をかえた
り、後工程によって、棒状のものも作製できるので、リ
ード線、ワイヤにも応用できることはいうまでもない。
また、必要に応じてAu、Ag、Pd、In、Sn等の
貴金属を用いると箔、ワイヤ、ボール等に応用できる。
さらに有機物やセラミック等や成膜層との複合体として
も良い。もちろん、電子部品以外にもエッチングにより
文字、図柄を表示するプレートや装飾品にも用いること
ができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1
【0020】シャドウマスク用としてFe−36Niと
0.1%以下のSi、0.5%以下のMnを含んだ溶湯
をタンディシュにうけとり、高速回転する双ロールに流
しこんだ。冷却速度は150℃/秒で、板厚は約1mm
である。板の耳部を切りおとし、表面についたスケール
を機械研磨と酸洗によりとりのぞいたあと、圧延と焼鈍
(740℃)をそれぞれ1回ずつ行い、最終のスキンパ
スを加え、厚さ0.20mmのうす板にしあげた。
【0021】焼鈍した際にうす板中心部の鋳造組織(樹
枝状組織)は消失したが、表面より1/3までのところ
の樹枝状組織は残っていた。また、転移密度は104 dl
/cm2 で、結晶粒径は、JIS GO551で示される
8〜11程度に入っており、板面の結晶方位もほぼ(1
00)、(111)に集合していた。
【0022】このロールにまかれた素材の表面にフォト
レジストを塗布し、バーニングして固化した後、所定の
マスクパターンを密着させ、紫外線により露光、露光部
のみレジスト剥離を行い、塩化第二鉄でエッチングし
た。このときのエッチング速度は従来の鋳造組織を持た
ないFe−36Niに比べ同じ条件で10%速いもので
あった。そしてレジストを全面剥離し、これをカッティ
ングしてシャドウマスクを得た。このシャドウマスクの
孔の形状を評価したところ、所定の精度の孔があいてい
ることが確認された。
【0023】その後900℃で焼鈍して温間でプレス成
型を行い、表面に黒化膜(酸化膜)を成長させて成形済
みシャドウマスクとし完成させ、ブラウン管に組みこん
だ。このブラウン管を試験したところ色ずれ等の問題も
なく良好な特性が得られた。 実施例2
【0024】シャドウマスク用として、Fe−32Ni
−5Coと0.1%以下のSi、0.5%以下のMn、
0.01%以下のP、Sを含んだ溶湯をタンディシュに
とり、高速回転する双ロールに流しこんだ。冷却速度は
300℃/秒で、板厚は0.35mmである。表面につ
いた0.01mm程度のスケールを実施例1と同様にと
りのぞいたあと、圧延スキンパスを用い、0.25mm
厚の素材として完成させた。鋳造組織(樹枝状組織)は
ほぼ板厚方向全体にひろがっており、転位密度は102
dl/cm2 であった。また、板をまきとる時の予熱による
時効のため、100μm径クラスの結晶粒も存在してい
た。結晶方位は、粉末X線回折データとほぼ強度が同一
なため、優先方位としてはなかったが、やや(10
0)、(111)に集合していた。この板材を実施例2
と同様にシャドウマスクとして完成し、これを評価した
ところ、良好な特性が得られており、鋳造組織をもって
いない従来例に比べ、エッチング速度も15%向上し
た。 実施例3
【0025】リードフレーム用としてFe−42Niを
実施例1と同様な溶解、圧延、焼鈍方法により厚さ0.
25mmの板材として完成させた。組織は、実施例1と
ほぼ同様なものであったが、転位密度は106 dl/cm2
であった。さらに実施例1とほぼ同様な工程をへて、リ
ードフレームとして完成し、これを評価したところ良好
な特性が得られており、鋳造組織をもっていない従来例
に比べエッチング速度を10%向上した。 実施例4
【0026】リードフレーム用として、Cu−0.3C
r−0.1Zr−0.01Siを溶湯からタンディッシ
ュにとり、高速回転する双ロールに流しこんだ。冷却速
度は、300℃/秒で、板厚は、約1mmである。その
後、焼鈍と冷間圧延を行い厚さ0.25mmのリードフ
レームとして完成させた。鋳造組織(樹枝状組織)は表
面層より1/4までのところに残存しており、転位密度
は104 〜106 dl/cm2 であった。内部の結晶粒度は
JIS G0551の7〜9番であった。その後実施例
1と同様にエッチングを行い、リードフレームとして完
成させた。その結果、従来の鋳造組織のないものに比べ
てこのリードフレームのインナーリードが0.2mmピ
ッチとせまいにもかからわず、圧延方向、圧延直角方向
の差がなく、板厚方向のエッチング精度に優れエッチン
グ速度も速いことが確認された。その後、このエッチン
グ済リードフレームのタブにSi半導体ペレットをダイ
ボンディングしたのち、Auワイヤボンディングによ
り、ペレット電極とリードフレームのインナーリードを
接続したのち、封脂樹脂によりペレットを被覆保護し、
リードフレームの端部を切り落したのち、所定の形状の
アウターリードを曲げ、外装はんだめっきをして電子部
品として完成させた。このとき、板材内部層に通常のア
ニール組織をもっているため、良好な曲げ強度を有し正
確な成形を行うことができた。 実施例5
【0027】TABテープ用として、純Cuを溶湯とし
て双ロールに流しこみ、厚さ0.4mmのうす板を作製
した。冷却速度は400℃/秒である。このうす板を冷
間圧延と焼鈍をくりかえし、厚さ0.05mmの銅箔に
しあげた。金属組織は鋳造組織と圧延組織が混在してお
り、転位密度は102 dl/cm2 で結晶粒はつぶれており
サイズの判定はできなかった。この銅箔をポリイミドの
テープに接着剤を介してはりあわせ、所定のパターンの
エッチングを銅箔側の点より行い、リード部分を完成さ
せた。板厚方向のエッチングスピードが速いため、従来
の鋳造組織を持たない銅箔では、リードの断面が大きく
テーパー状になるところを、比較的小さなテーパーにな
っており、リード間ピッチも約50μmが保たれてい
た。また、リード断面が大きくテーパーになっていない
ため、さらにとなりのリードにタッチすることなく表面
にSnめっきをすることができた。その後、Si半導体
ペレットの電極をAuバンプを介してキャリアフィルム
のインナーリードと接続し、ペレットをポッティング樹
脂で封止したのちアウターリードの外周をカッティング
して、基板とアウターリードをボンディングしたとこ
ろ、特性上問題ない電子部品を得た。 実施例6
【0028】コネクタ、スイッチ用として、Cu−30
Znの溶湯を双ロールに流しこみうす板をつくった。冷
却速度は300℃/秒で板厚は1mmである。スケール
をとりのぞいたあと、圧延し、表面層を板厚の30%ま
でエッチングでおとした。このとき、転位密度は108
dl/cm2 で、このときのエッチング速度は鋳造組織をも
たない従来のものに比べ約10%向上した。 実施例7
【0029】リードフレーム、コネクター用としてFe
28%と、Cr4%と残Cuと1%以下のMn、Zn、
P、S、Siを含む溶湯をタンディッシュにうけとり、
高速回転する双ロールに流しこんだ。冷却速度は、10
00℃/秒で、板厚は、1mmである。板の耳をきりお
とし、表面についたスケールを機械研磨と酸洗によりと
りのぞいたあと、焼鈍後2回の圧延をおこない、0.2
5mmのうす板にしあげた。転位密度は、106 dl/cm
2 であった。鋳造組織は圧延方向にのびてはいるもの
の、残存しており、CuとFeの相はほぼ2相に分離し
ていた。再結晶粒の結晶粒はJIS G0551のNo.
6である。また転位密度は106 〜107 dl/cm2 であ
った。
【0030】この素材の表面にフォトレジストを塗布
し、バーニングして固化したのち、所定のマスクパター
ンを密着させ、紫外線により露光、露光部のみをレジス
ト剥離して塩化第二鉄でエッチングした。その後レジス
トを剥離して、リードフレームとコネクターとして完成
させた。エッチング孔壁面とSEMで観察したところ、
清浄なものである事が確認された。 実施例8
【0031】表示用としてまず、真ちゅうの成分を含む
溶湯を双ロール法により、急冷して厚さ2mmのうす板
として完成させた。冷却速度は300℃/秒である。表
面の酸化皮膜をとりのぞいた後、アニールをすることな
く圧延し、この板材を長さ200×1000mmの大き
さに切りぬいた。転位密度は、1011dl/cm2 であっ
た。表面を600番のサンドペーパーで研磨したのち、
ダイヤモンド0.05μmで表面を鏡面にしあげた。そ
の後レジストを表面に塗布し、“TOSHIBA”とい
う文字を露光してこの文字の部分のみレジストをとりの
ぞいて、塩化第二鉄の溶液に浸漬した。エッチングがほ
ぼ0.5mmまですすんだところでこの板をひきあげ水
洗したのち、NaOHでレジストを剥離した。その後再
び水洗して、表示用のプレートとして完成させた。 実施例9
【0032】装飾用として実施例8で示した真ちゅう
を、圧間圧延して厚さ0.3mmのうす板にし、転位密
度は106 〜107 dl/cm2 であった。表面をダイヤモ
ンド粉で研磨し、鏡面にしたのち表面に約2μm厚のC
uめっきをした。その後富士山の絵を描いたものをマス
クとして、レジストパターニングを実施例8と同様に行
った。エッチングを0.1mm程度行い、富士山の絵が
うきでたところで終了し、水洗、レジスト剥離をして、
Cu色の中にステンレス色の富士山が描かれている装飾
品を完成させた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により精度
良く高速でエッチングすることができ、この精度良くエ
ッチング加工した金属素材のその後のプレス加工や曲げ
加工に好適な金属素材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 双ロール装置の概略図。
【図2】 鋳造組織(樹枝状組織)を示す図。
【図3】 鋳造組織(樹枝状組織と自由晶)を示す図。
【図4】 鋳造組織(樹枝状組織と再結晶粒)を示す
図。
【図5】 アニールした鋳造組織(樹枝状組織と再結晶
組織)を示す図。
【図6】 本発明の鋳造組織(樹枝状組織)を示す図。
【図7】 本発明の鋳造組織(樹枝状組織と自由晶)を
示す図。
【図8】 本発明の鋳造組織(樹枝状組織と再結晶粒)
を示す図。
【図9】 本発明のアニールした鋳造組織(樹枝状組織
と再結晶組織)を示す図。
【符号の説明】
1…注湯炉 2…タンディッシュ 3…冷却ロール 4…二次冷却部 5…厚さ計 6…まき取り装置 7…溶湯 8,8´…樹枝状組織 9,9´…自由晶 10,10´…結晶粒 11,11´…アニール組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盛 二美男 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 藤森 良経 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (72)発明者 大竹 康久 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2号 株式会社東芝 深谷電子工場内 (72)発明者 大森 廣文 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−204333(JP,A) 特開 平2−77566(JP,A) 特公 昭48−8707(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が樹枝状または柱状の鋳造組織であっ
    て内部が自由晶或いはアニール組織であり、かつ転位密
    度が102dl/cm2以上であることを特徴とするエッ
    チング性に優れた金属素材。
  2. 【請求項2】 前記金属素材中の転位密度が1011dl/
    cm2以下であることを特徴とする請求項1記載のエッ
    チング性に優れた金属素材。
  3. 【請求項3】 前記金属素材は板であって、前記鋳造組織
    の厚みは板圧の1/10以上であることを特徴とする請求項
    1記載のエッチング性に優れた金属素材。
  4. 【請求項4】 溶湯状態の金属原料を100℃/秒以上の
    冷却速度で冷却して樹枝状または柱状の鋳造組織を形成
    する急冷工程と、冷却された前記金属原料を圧延して表
    面の前記鋳造組織を残し内部の鋳造組織を消失させる圧
    延工程とを有することを特徴とするエッチング性に優れ
    た金属素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 表面が樹枝状または柱状の鋳造組織であっ
    て内部が自由晶或いはアニール組織を有する金属素材か
    らなり、この金属素材中の鋳造組織中の転位密度が10
    2dl/cm2以上であることを特徴とする電子部品。
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