JP3392289B2 - 視度調節が可能なファインダ装置 - Google Patents

視度調節が可能なファインダ装置

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JP3392289B2
JP3392289B2 JP10845796A JP10845796A JP3392289B2 JP 3392289 B2 JP3392289 B2 JP 3392289B2 JP 10845796 A JP10845796 A JP 10845796A JP 10845796 A JP10845796 A JP 10845796A JP 3392289 B2 JP3392289 B2 JP 3392289B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の属する技術分野】本発明は、各種のカメラ、
特にレンズシャッタ装備のカメラに適用して好適な視度
調節が可能なファインダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラのファインダ装置に採用されてい
る視度調節の方式としては、接眼レンズやその一部を光
軸方向に移動させて視度調節を行う方式のものと、接眼
レンズとは別体のレンズとして構成された正または負の
焦点距離を持つ視度調節レンズを、接眼レンズの瞳側の
位置に取り付けて視度調節を行う方式のものが、従来か
ら一般的に知られている。いずれも、ユーザーにとって
は簡便な方法で視度調節を行い得ることから、現在でも
引き続き広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方式では、接眼レンズを光軸方向に移動させるためのス
ペースや機構が必要となる。このことは、たとえ視度調
節が必要なこととは云っても、カメラの小型化、特に薄
型化を図る際の大きな障害になるばかりでなく、コスト
低減化を企図する際の問題ともなる。また、後者の方式
では、視度調節レンズが接眼レンズの瞳側に突出するこ
とになるため、矢張り、カメラの薄型化を図る際の大き
な障害になる。
【0004】ところで、最近のカメラの普及振りを見る
と、1台のカメラを家族の何人かで使用するというケー
スは稀れとなり、殆どが個人専用として用いられるよう
な普及状態になったような観さえする。このような状況
においては、専用する個人の視度(diopter )に一度調
節された後は、視度調節手段を機能させるという必要性
が殆どなくなったと考えることができる。つまり、例え
ばカメラを購入したときに、セットする視度をユーザー
の視度に合わせて置きさえすれば、以後の使用に大きな
不便は生じないであろうと考えられるからである。
【0005】一方、カメラのコスト低減という観点から
考えると、ファインダ光学系の接眼レンズには単レンズ
を用いるのが有利である。しかし、それであるからと云
って諸収差の補正を疎かにして良いというものではな
い。そのため、例えば特開昭58- 149017号公報にも開示
されているように、ファインダの接眼レンズに単レンズ
を用いると共に、諸収差を良好に補正するために、接眼
レンズの1つの面または2つの面を非球面として形成す
るということが行われている。
【0006】本発明は、このような事情を踏まえた上で
なされたもので、その第1の目的は、必要な視度調節を
可能にしながらも、カメラを充分に小型化ないし薄型化
することができる視度調節が可能なファインダ装置を提
供することにある。また、第2の目的は、必要な視度調
節を可能にしながらも、充分に小型化ないし薄型化され
た逆ガリレオタイプの視度調節が可能なファインダ装置
を、簡単な構成のものとして提供することにある。
【0007】また、第3の目的は、必要な視度調節を可
能にしながらも、充分に小型化ないし薄型化された視度
調節が可能なファインダ装置を、より簡単な構造で且つ
低コストのものとして提供することにある。また、第4
の目的は、必要な視度調節を可能にしながらも、充分に
小型化ないし薄型化され且つより高い光学性能を有する
視度調節が可能なファインダ装置を、より簡単な構造で
且つ低コストのものとして提供することにある。さら
に、第5の目的は、必要な視度調節を可能にしながら
も、充分に小型化ないし薄型化され、しかも、選択可能
な視度の全てに亘ってより高い光学性能を有する視度調
節が可能なファインダ装置を、より簡単な構造で且つ低
コストのものとして提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、第1の発明に係る視度調節が可能なファイン
ダ装置は、対物光学系と正の焦点距離を持つ接眼光学系
を有するファインダ装置において、前記接眼光学系を、
複数種類の視度を実現し得るような異なる焦点距離を持
つ複数種類の接眼光学系として構成し、この接眼光学系
群の中から1種類の接眼光学系を選択し且つこれを前記
対物光学系と組み合わせることにより、目的とする視度
に適合したファインダ光学系を完成させ得るように構成
されていることを特徴とするものである。
【0009】また、上記第2の目的を達成するために、
第2の発明に係る視度調節可能なファインダ装置は、前
記対物光学系が負の焦点距離を有する光学系として構成
されていることを特徴とするものである。また、上記第
3の目的を達成するために、第3の発明に係る視度調節
可能なファインダ装置における複数種類の接眼光学系
は、各々のレンズの中心肉厚と1つの面の形状とがそれ
ぞれ同一に構成され、さらに、前記各々のレンズの残る
他の面の形状のみを変更することにより、前記対物光学
系と組み合わされたときの視度を調節し得るように構成
されていることを特徴とするものである。
【0010】また、上記第4の目的を達成するために、
第4の発明に係る視度調節可能なファインダ装置におけ
る複数種類の接眼光学系は、各々のレンズの少なくとも
1つの面が非球面として形成され、さらに、異なる焦点
距離を得るために形状を変更される面が非球面であるこ
とを特徴とするものである。また、上記第5の目的を達
成するために、第5の発明に係る視度調節可能なファイ
ンダ装置における複数種類の接眼光学系は、各々のレン
ズの少なくとも1つの面に形成された前記非球面が、周
辺に行くほど正の屈折力が弱くなるような形状を持ち且
つ焦点距離が短い接眼レンズほどその非球面量が大きく
なるような形状の非球面として形成されていることを特
徴とするものである。
【0011】
【作用】上記のように構成された本発明の視度調節が可
能なファインダ装置は、ファインダ光学系の接眼光学系
を対物光学系に対して分離(交換)可能に構成する。そ
して、接眼光学系は、対物光学系と組み合わせたときに
必要種類の視度が得られるような、異なる焦点距離を持
つ複数種類の接眼光学系として構成するが、この際、球
面の場合でも非球面の場合でも、先ず基準となる焦点距
離を持つ接眼光学系を設計し且つ製造し、この基準とな
る焦点距離を持つ接眼光学系を除く他の接眼光学系につ
いては、基準となる焦点距離を持つ接眼光学系のいずれ
か1面の形状を変更して、目的とする各視度を得ること
のできる焦点距離が得られるように設計し且つ製造す
る。
【0012】そして、このようにして得られた複数種類
の接眼光学系を、予め、例えばカメラ販売店に用意し、
店頭において、これらの接眼光学系の中からカメラユー
ザーの視度に合う1種類の接眼光学系を選択し、これを
カメラ側に設けた接眼光学系の取り付け部に取り付ける
ことによって、ユーザーの視度を調節し得るようにした
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1および図11に示す実
施形態に基づいて、本発明に係る視度調節が可能なファ
インダ装置の構成および作用を説明する。本発明に係る
ファインダ装置に用いられるファインダ光学系は、図1
に示すように、物体側から順に光軸O上に配置された負
の焦点距離を持つ対物光学系と、その後方に配置された
正の焦点距離を持つ接眼光学系とから成る逆ガリレオタ
イプの光学系として構成されている。
【0014】そして、対物光学系は、例えば両凹の単レ
ンズから成る第1レンズL1 と、空気間隔を挟んでその
後方に配置され且つ物体側に凹面を向けた負のメニスカ
ス単レンズから成る第2レンズL2 とから構成されてい
る。この場合、第1レンズL1 の物体側の面R1 と第2
レンズL2 の物体側の面R3 とがそれぞれ非球面として
形成されることになる。一方、接眼光学系は、両凸の単
レンズL3 から成る第3レンズL3 (以下、「接眼レン
ズ」と称する)から構成されている。この場合、接眼レ
ンズL3 の物体側の面R7 が非球面として形成されるこ
とになる。
【0015】なお、図示例においては、第2レンズL2
と接眼レンズL3 との間に平行平面である入射面・出射
面を持つプリズムPが挿入されているが、このプリズム
Pは、本発明のファインダに必らずしも必要なものでは
ない。図示例の場合には、あくまでファインダの高倍率
化とコンパクト化を狙って配設したものであって、本発
明を特徴付けるものではないことを付記する。さて、本
発明のファインダ装置では、図11に示すように、予
め、焦点距離の異なる接眼レンズL3 を複数種類(図示
例では5種類)に亘って用意するように構成されてい
る。
【0016】図示例の場合には、基準となる接眼レンズ
として例えば−1diopter 用(以下「diopter 用」を
「dpt 用」と略称する)の接眼レンズL3-1 を選択(指
定)し、この基準接眼レンズL3-1 の外に、例えば、−
3dpt 用の接眼レンズL3-3 と、−2dpt 用の接眼レン
ズL3-2 と、0dpt 用の接眼レンズL3-0 と、+1dpt
用の接眼レンズL3+1 との4種類の接眼レンズを用意し
ている。この場合、合計5種類の接眼レンズL3-3 〜L
3+1 は、ユーザーの視度に応じて、カメラ上(側)にお
いて、選択的にファインダ対物光学系L1 、L2 と組み
合わせるようにして、これによりそのユーザーの視度に
対する視度調節を行うことになる。
【0017】このカメラ上における組み合わせ方法とし
ては種々の方法が考えられる。例えば、一つの方法とし
ては、予め、販売店に必要種類の接眼レンズL3 を用意
して置き、購入時にユーザー自身がその中から自分に合
った接眼レンズL3 を選び、これをユーザー自身の操作
によりカメラ上に取り付け、または、交換する方法が考
えられる。但し、このような方法を採用するときには、
そのようなユーザーの操作を可能にするように、例えば
それ自体公知である適宜の手段等を用いるなどして、予
め、カメラ側の接眼開口部の構造に手立てを講じて置く
必要がある。
【0018】また、カメラの販売時に、販売店の担当者
が、予め用意された必要種類の接眼レンズL3 の中から
購入者の視度に合った接眼レンズL3 を選び、且つ、店
頭でカメラ上に取り付け(または交換)するような方法
も考えられる。さらに、工場から出荷する際に基準接眼
レンズL3-1 を取り付けた状態で販売店に出荷し、サー
ビスセンター等において購入したユーザーの要望によっ
てユーザーの視度に合った他のdpt 用の接眼レンズと交
換するようにする方法も考えられる。このような目的で
構成される5種類の接眼レンズL3-3 〜L3+1 は、各々
のレンズの1面の形状と中心肉厚とを同一に形成し、残
る1面の形状を変更することによって、異なる焦点距離
を実現するように構成することが好ましい。
【0019】それは、光学設計の段階においては、設計
の手順として、先ず、基準となる視度の接眼レンズL3
を設計し、設計されたレンズの1つの面の曲率半径を変
更することによって、異なる焦点距離の接眼レンズL3
を得るのが早道であるからである。また、製造という観
点から見た場合にも、光学部品に共通部分が多い程、製
造に必要な金型や治工具の種類が済むため、コスト低減
に有利になるからである。
【0020】特に、現在では、コンパクトカメラのファ
インダに用いられるレンズの大部分がプラスチック材料
(例えば「PMMA」材)を使った成型品であるから、
その製造に必要な成形金型の内、片側の面を成形する成
形金型のみの交換によって複数種類のレンズを成形でき
るものであれば、そのコスト的有利さが大きなものとな
るからである。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施形態に係る具体的な実施
例について説明する。
【0022】ここに掲げる実施例1〜9のファインダ光
学系では、いずれも図1に示す光学系構成において、そ
の対物光学系L1 、L2 の第1面と第3面とがそれぞれ
非球面として形成され、さらに、接眼レンズL3 の第7
面も非球面として形成された実施例である。なお、各実
施例における記号の意味および非球面の定義式は次の通
りである。 θ :最大射出角(見掛けの視野角の半分) M :近軸倍率 fe :接眼レンズの焦点距離 R :曲率半径 D :軸上の面間隔 Nd :使用する光学材料のd線に対する屈折率 νd :使用する光学材料のd線に対するアッベ数 K :非球面の円錐定数 A4 :4次の非球面係数 A6 :6次の非球面係数 A8 :8次の非球面係数 A10:10次の非球面係数 但し、各実施例で用いられる非球面は、近軸曲率半径の
逆数をC、光軸からの高さをHとするとき、以下の式で
定義される。
【0023】
【数1】 [実施例1]この実施例1は、基準接眼レンズである−
1dpt 用の接眼レンズL3-1 を具えたファインダ光学系
で、「表1」、「表2」、に示すような光学データを有
している。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】この実施例1に係るファインダ光学系の収
差補正状況を図2に示すが、図2から明らかなように、
いずれの収差も充分に補正されていて非常に良好な像性
能を有するファインダ光学系であることを示している。
「実施例2」ないし「実施例5」は、いずれも、実施例
1のファインダ光学系における接眼レンズL3 の瞳側の
球面の曲率半径R8 を、「表3」に示すような値にそれ
ぞれ変更して、異なる焦点距離を持つ接眼レンズを得る
ようにした実施例である。この場合、視度をマイナス
(−)方向に調整したい場合には、焦点距離の長い接眼
レンズを用い、また、視度をプラス(+)方向に調整し
たいときには焦点距離の短い接眼レンズを用いることに
よって目的とする視度を実現する。
【0027】
【表3】〔実施例2ないし実施例5(実施例1からの変
更点)〕
【0028】この結果、「実施例2」は、−3dpt 用の
接眼レンズL3-3 となり、「実施例3」は−2dpt 用の
接眼レンズL3-2 となり、「実施例4」は0dpt 用の接
眼レンズL3-0 となり、「実施例5」は、+1dpt 用の
接眼レンズL3+1 となる。これら「実施例2」〜[実施
例5]に係るファインダ光学系の収差補正状況をそれぞ
れ図3〜図6に示すが、いずれの実施例でも、各々の図
から明らかなように、各収差は実用上充分な範囲に補正
されていて良好な像性能を有していることが分る。
【0029】ところで、前述したように、現在では、コ
ンパクトカメラのファインダに用いられるレンズの大部
分は、プラスチック材料を使った成型品であるが、その
際に用いられる金型の内、レンズ面を形成する金型の加
工コストについて考えると、非球面の方が検査等の工程
においてより時間を要すると云った差はあるにしても、
球面の場合と非球面の場合とでは大差がない。このよう
な前提の下で、プラスチック製の単レンズの面の形状を
変更することによって、焦点距離の異なる複数種類の単
レンズを得る際のコストメリットについて検討してみ
る。
【0030】先ず、球面だけで形成された単レンズの場
合には、その1つの球面の形状を変更して焦点距離の異
なる複数種類の単レンズを実現した方が、原則的には有
利となるであろう。但し、球面の形状を変更して焦点距
離の異なる単レンズを得ようとする場合には、光学設計
の際に変更し得るパラメータが面の曲率半径のみとなる
関係で、目的とする視度によって球面の形状が一義的に
決まる。そのため、収差補正の自由度が失われるという
結果を招くことになる。従って、光学性能をも併せ考え
た場合には、不利となるであろう。
【0031】一方、1面に非球面を使い、他の面に球面
を使って形成された単レンズの場合には、収差補正の自
由度がない球面の方を変更して焦点距離の異なる単レン
ズを得るよりも、非球面量をコントロールすることで限
られた範囲内ではあるが収差補正を行い得る非球面の形
状を変更して焦点距離の異なる単レンズを得る方が、光
学性能をも併せ考えた場合には有利となる。これは、両
面に非球面を使った場合でも同様である。従って、収差
補正上の理由から基準となる接眼レンズ(図示例ではL
3-1 )に非球面を使用する必要がある場合には、その非
球面の形状を変更して焦点距離の異なる単レンズを実現
した方が、たとえコストメリットを考慮した場合でも良
いことになる。
【0032】[実施例6]ないし[実施例9]は、この
ような理由によって発明された実施例で、少なくとも1
つの面(図示例ではR7 のみ)が非球面である接眼レン
ズにおいて、非球面(R7 )の近軸曲率半径を「表
4」、非球面係数を「表5」に示すような値にそれぞれ
変更することによって、異なる焦点距離を持つ接眼レン
ズを実現し得るようにした実施例である。この場合、視
度をマイナス(−)方向に調整したい場合には焦点距離
の長い接眼レンズを用い、また、視度をプラス(+)方
向に調整したいときには焦点距離の短い接眼レンズを用
いることは、前述した[実施例2]ないし[実施例5]
の場合と同様である。
【0033】
【表4】〔実施例6ないし実施例9(実施例1からの変
更点)〕
【0034】
【表5】〔実施例6ないし実施例9(実施例1からの変
更点)〕 この結果、「実施例6」は、−3dpt 用の接眼レンズL
3-3 となり、「実施例7」は、−2dpt 用の接眼レンズ
3-2 となり、「実施例8」は、0dpt 用の接眼レンズ
3-0 となり、「実施例9」は、+1dpt 用の接眼レン
ズL3+1 となる。これら「実施例6」〜[実施例9]に
係るファインダ光学系の収差補正状況をそれぞれ図7〜
図10に示す。
【0035】このうち、図7〜図10に示す[実施例
6]〜[実施例9]の収差図から明らかなように、それ
ぞれが同じ視度となる「実施例2」〜[実施例5]の収
差補正状況と比較した場合、「実施例2」〜[実施例
5]の収差曲線を示した図3〜図6に比べて、特に非点
収差がより良く補正されていて非常に良好な像性能を有
することが分る。
【0036】このことをより具体的に説明すると、実施
例1のファインダ光学系よりもマイナス方向に視度調節
を行う(接眼レンズ3の焦点距離を長くする)場合、球
面の形状を変更して視度調節を行った「実施例2」およ
び「実施例3」では、「実施例1」に対して像面湾曲が
大きくなってしまっているが、非球面の形状を変更して
視度調節を行った「実施例6」および「実施例7」で
は、「実施例1」とほぼ同等の像面湾曲となっている。
【0037】一方、実施例1のファインダ光学系よりも
プラス方向に視度調節を行う(接眼レンズ3の焦点距離
を短くする)場合、球面の形状を変更した「実施例4」
および「実施例5」では、「実施例1」に対して非点較
差が大きくなってしまっているが、非球面の形状を変更
した「実施例8」および「実施例9」では、「実施例
1」とほぼ同等の非点較差となっている。さて、このよ
うに接眼レンズL3 に非球面を用いるときには、その非
球面の形状は、周辺に行くほど正の屈折力が弱くなるよ
うな形状とし、また、非球面の形状を変更して焦点距離
が異なる複数種類の接眼レンズL3-3 〜L3+1 を得る場
合には、焦点距離が短い接眼レンズほど非球面量を大き
くすることが望ましい。
【0038】そして、接眼レンズ3の交換という方法を
用いて異なる視度を実現しようとする場合には、非球面
形状をこのようにコントロールすれば、選択可能な視度
の全てに亘って各収差を充分に補正し非常に良好な像性
能を得ることができる。なお、本発明の実施形態におい
ては、「実施例1」並びに「実施例6」ないし「実施例
9」における接眼レンズL3-3 〜L3+1 の物体側面R7
の非球面量(絶対値)は、実際には、以下のような関係
になっている。 「実施例6の非球面量」<「実施例7の非球面量」<
「実施例1の非球面量」<「実施例8の非球面量」<
「実施例9の非球面量」 以上、図示の実施の形態について説明したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、その要旨を変更せ
ざる範囲内において種々に変更実施することが可能であ
る。
【0039】例えば図示例では、一般的なスチールカメ
ラについて説明したが、本発明は、ビデオカメラや電子
カメラ等のファインダ装置にも適用することができる。
また、図示例では、逆ガリレオタイプ(虚像式)のファ
インダ光学系を例にして説明したが、虚像式のものに限
らず、例えば実像式のファインダ光学系にも有効である
ことは明らかである。従って、このようなタイプのファ
インダ光学系にも充分に適用し得ることになる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の視度調節が
可能なファインダ装置では、必要な視度調節を可能にし
ながらも、接眼レンズの移動に要するスペースや機構を
設ける必要が無く、しかも、接眼レンズ以外には何等の
部材も必要としないために、カメラの小型化ないし薄型
化を図るときに非常に有利になるという優れた効果を奏
する。また、本発明を請求項2のような構成により実施
した場合には、必要な視度調節を可能にしながらも、充
分に小型化ないし薄型化された逆ガリレオタイプのファ
インダ装置を、簡単な構成のものとして提供することが
できるため、付加価値の高いカメラを実現することがで
きるという効果を奏する。
【0041】また、本発明を請求項3のような構成によ
り実施した場合には、必要な視度調節を可能にしながら
も、充分に小型化ないし薄型化されたファインダ装置
を、より簡単な構造のものとして且つ低コストのものと
して提供することができるため、付加価値の高いカメラ
を実現することができるという効果を奏する。また、本
発明を請求項4のような構成により実施した場合には、
必要な視度調節を可能にしながらも、充分に小型化ない
し薄型化され且つより高い光学性能を有するファインダ
装置を、より簡単な構造のものとして且つ低コストのも
のとして提供することができるため、より付加価値の高
いカメラを実現することができるという効果を奏する。
【0042】さらに、本発明を請求項5のような構成に
より実施した場合には、必要な視度調節を可能にしなが
らも、充分に小型化ないし薄型化され、しかも、選択可
能な視度の全てに亘ってより高い光学性能を有するファ
インダ装置を、より簡単な構造のものとして且つ低コス
トのものとして提供することができるため、さらに付加
価値の高いカメラを実現することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の視度調節が可能なファインダ装置に使
用するファインダ光学系の光学系構成図である。
【図2】図1のファインダ装置の実施例1に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。なお、非
点収差の曲線図における実線はサジタルを、破線はメリ
ディオナルをそれぞれ表す。以下の収差曲線図において
も同じである。
【図3】図1のファインダ装置の実施例2に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図4】図1のファインダ装置の実施例3に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図5】図1のファインダ装置の実施例4に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図6】図1のファインダ装置の実施例5に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図7】図1のファインダ装置の実施例6に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図8】図1のファインダ装置の実施例7に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図9】図1のファインダ装置の実施例8に係るファイ
ンダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に対
する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図10】図1のファインダ装置の実施例9に係るファ
インダ光学系の非点収差・歪曲収差・コマ収差のd線に
対する各曲線をそれぞれ示す収差曲線図である。
【図11】図1のファインダ装置における対物光学系と
接眼光学系の組み合わせ状態を説明するための交換説明
図である。
【符号の説明】
O 光軸 L1 ,L2 対物光学系 L3 接眼光学系 L1 第1レンズ L2 第2レンズ L3 第3レンズ(接眼レンズ) P プリズム L3-3 〜L3+1 5種類の接眼レンズ L3-1 基準接眼レンズ L3-3 −3dpt 用の接眼レンズ L3-2 −2dpt 用の接眼レンズ L3-0 0dpt 用の接眼レンズ L3+1 +1dpt 用の接眼レンズ R1 〜R8 第1面〜第8面 D1 〜D8 軸上の面間隔 O 光軸

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物光学系と正の焦点距離を持つ接眼光
    学系を有するファインダ装置において、 前記接眼光学系を、複数種類の視度を実現し得るような
    異なる焦点距離を持つ複数種類の接眼光学系として構成
    し、この接眼光学系群の中から1種類の接眼光学系を選
    択し且つこれを前記対物光学系と組み合わせることによ
    り、目的とする視度に適合したファインダ光学系を完成
    させ得るように構成されていることを特徴とする視度調
    節が可能なファインダ装置。
  2. 【請求項2】 前記対物光学系が負の焦点距離を有する
    光学系として構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載された視度調節が可能なファインダ装置。
  3. 【請求項3】 前記複数種類の接眼光学系は、各々のレ
    ンズの中心肉厚と1つの面の形状とがそれぞれ同一に構
    成され、さらに、前記各々のレンズの残る他の面の形状
    のみを変更することにより、前記対物光学系と組み合わ
    されたときの視度を調節し得るように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載された視度調節
    が可能なファインダ装置。
  4. 【請求項4】 前記複数種類の接眼光学系は、各々のレ
    ンズの少なくとも1つの面が非球面として形成され、さ
    らに、異なる焦点距離を得るために形状を変更される面
    が非球面であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載された視度調節が可能なファインダ装置。
  5. 【請求項5】 前記複数種類の接眼光学系は、各々のレ
    ンズの少なくとも1つの面に形成された前記非球面が、
    周辺に行くほど正の屈折力が弱くなるような形状を持ち
    且つ焦点距離が短い接眼レンズほどその非球面量が大き
    くなるような形状の非球面として形成されていることを
    特徴とする請求項4に記載された視度調節が可能なファ
    インダ装置。
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