JP3391696B2 - 溶接フランジ - Google Patents

溶接フランジ

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JP3391696B2 JP11270598A JP11270598A JP3391696B2 JP 3391696 B2 JP3391696 B2 JP 3391696B2 JP 11270598 A JP11270598 A JP 11270598A JP 11270598 A JP11270598 A JP 11270598A JP 3391696 B2 JP3391696 B2 JP 3391696B2
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謙治 大村
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株式会社フタワフランヂ製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、気体や液体の移動のた
めに使用する配管用接続材に関する。 【0002】 【従来の技術】フランジの形状や材質ならびに管との接
合方法には多くの種類があるが、管内流体の漏れ出しが
特に問題となる場合、例えば可燃性や腐食性や悪臭等の
性質を備えた気体や液体のとき構成材料と形状と方法が
限定され、通常ガスケットを除いて管と接続材は金属製
とし、フランジと管の間を溶着固定する差し込み溶接方
法を採り、その形状は板フランジが多くより溶接し易い
ように開先付のものも有る。 【0003】この様な目的のフランジは材質に鋼や不銹
鋼や色物等を使用し、最も多いのは炭素鋼を圧延や鍛造
により粗成形した後に切削仕上げ、必要に応じて溶融亜
鉛に浸漬して鍍金する防錆処理を施す。フランジ同士の
間に挿入する漏れ止め材として、ガスケットが使われる
場合は同心円状に数本の溝を付ける場合もあるが、多く
は溝がなくパッキングやガスケット等の漏れ止め材をフ
ランジ間に挿入し締め付けて押し潰す方法を採る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】不銹鋼や色物等を使用
したフランジを除き、鋼製フランジは錆び易く防錆のた
めに亜鉛鍍金を施すが、この亜鉛が溶接による接続作業
の際の加熱で気化したガスが溶接作業者に多大な苦痛を
与え、しかも溶接面の肉盛り部分にガスが侵入して気泡
を発生し流体漏れの原因にもなりえるので、作業に先立
ち溶接面をサンダー掛けして溶接部分の亜鉛を除去する
作業が必要になる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記溶接に伴
う亜鉛ガスの問題を解決する形状を備えた板フランジの
提供を目的とする。 【0006】本発明は、鋼製管と溶接により連結する鋼
製接続部材にあって、鋼製管と遊合するために、亜鉛鍍
金を施した鋼製接続部材に開いた孔の前後の面に同心で
円板状の座を削り込んで形成し、該座が一面では3〜9
mmの範囲から選択した何れか奥行きと前記孔径に0.5
〜3 mmの範囲より選択し加算した何れか外径の座を備
え、他面では0.5〜3 mmの範囲より選択した何れか奥
行きと前記孔径に5〜10mmの範囲より選択し加算した
何れか外径の第一の座と、その座に連続して1〜5mmの
範囲から選択した何れか奥行きと前記孔径に0.5〜3
mmの範囲から選択加算した何れか外径の第二の座とから
なることを特徴とする溶接フランジである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、管と亜鉛鍍金フランジ
を溶接により接続固定する際に、接続部に発生する高熱
が原因で、表面に形成した亜鉛が溶けてガス化すること
を防止するために、管と同心円をなすように座を前後面
に設けたフランジである。 【0008】分離した金属を局部的に溶融し接続する手
段に公知の溶接があり、その方法も多様で鋼製管の接続
には電気溶接を主に使用する。この溶接は強度を保持す
るため、接続表面に溶接棒を介し大量の電流を流して、
溶接棒と管とフランジを瞬時に溶融し接続するが、熱の
蓄積を局部に限定するので本体材質に対する熱の影響を
最小限に止める特徴を持つ。 【0009】本発明は、電気あるいはガスによる溶接の
特徴を利用し、鍍金したフランジ面の亜鉛が煮沸または
気化温度に到達しない範囲に表面を切削するもので、フ
ランジ同士の接続面側と反対面側の熱の発散の違いを勘
案して、接続面側に一段の座と反対面側に二段の座を備
えた結果、煮沸または気化の防止の目的を達成した。ま
た鍍金前のフランジ素材は非鍍金用フランジと同じで、
後者を基準として在庫し鍍金が必要な時に、在庫品を鍍
金し溶接必要面積より広めで同心円をなすように削り込
む。 【0010】フランジの加工範囲は、フランジ同士の接
合面側の座で、奥行きを3〜9mmの範囲から選択し、外
径をフランジ内径に0.5〜3 mmの範囲より選択加算し
て引き当て、反対面側には奥行きを0.5〜3 mmの範囲
より選択し、外径をフランジ内径に5〜10mmの範囲よ
り選択加算して第一の座とし、その第一の座に連続して
奥行きが1〜5mmの範囲から選択し、外径をフランジ内
径に0.5〜3 mmの範囲から選択加算し第二の座とす
る。 【0011】上記のフランジに形成する座は、管の呼び
径が15〜300Aの範囲、好ましくは15〜200A
の範囲の何れかへの適用であり、呼び径の拡大と共に座
のサイズも既述の範囲で拡大し、呼び径が300Aを超
える大形サイズにも適用は可能であるが、需要量のこと
もあり鍍金より溶接加工後に銀色の防錆ペイントを塗布
する処理が適し、また座を備えることは亜鉛の気化に伴
う溶接部へのガスの混入の心配がなくなる以外に、溶接
面が生地のため配管時の仮付け作業が容易で、溶接のた
めのサンダー掛けの手間が少なくて済む副次的効果を得
た。 【0012】 【作用】本発明のフランジは、亜鉛鍍金表面を切削して
生地の儘の座を設けたことにより、座と管表面と溶接棒
による溶融範囲が亜鉛鍍金部分にまで及ぶことがなく、
溶接作業の熱が座外の亜鉛の溶融温度に達することもな
くなり亜鉛ガスの発生が激減した。 【0013】 【実施例】図1は板フランジで、夫々同図(A)が正面
図を、同図(B)が断面図を、同図(C)は断面の斜視
図で鍍金部分を断面図上で分かり易く示し、図2は加工
前の素材1Aの断面図を、図は本発明のフランジと管
の溶接状態を、図4(A)では開先なし、同図(B)で
開先付の何れも従来フランジと管の溶接状態を示した。 【0014】図1(A,B)は比較的呼び径の小さい板
フランジ1で、呼び径が大きくなるにつれ取付け用ボル
トナットは4の倍数で増加する。図2は本実施例に使用
した板フランジ1の素材1Aで従来形でもある。形状は
ボルトナット用の孔以外に管を差し込む孔4を備え、こ
の儘亜鉛溶融液の中に浸漬して鍍金するので表面は全て
亜鉛皮膜に覆われている。 【0015】上記の素材を図1(B)の様に前面2(接
続面)に円板状の座5を削り込みにより形成し、後面3
に同様の座6(第一の座),7(第二の座)を切削形成
し、その形状は座5,6は小径で浅く奥行きが深いのに
較べて座7は大径で奥行きが浅く形成するが、この奥行
きは孔4の管接触面と関係があり、差し込み時に管の安
定に必要な接触面の確保した残りの範囲で決める。この
加工は同図(C)示す様に座5,6,7の溶接部分の亜
鉛皮膜を除去するので素材の生地が露出し、溶接が容易
になると共に溶接時の熱影響が切削面に止まり亜鉛の煮
沸や気化の現象が激減した。 【0016】フランジ1の前後面で凹状の座5,6,7
のサイズが違うのは図3の溶接状態図により説明する。
フランジに管を差し込み溶接する場合に、前後面の二箇
所で溶接を行うが、前面側は管8の先端9が前面2より
内側に位置して、亜鉛皮膜のない座5と先端9とが対応
し、この部分に溶接による肉盛り10を行い、後面側は
亜鉛皮膜がない座6,7と管8の外面が対応し、この部
分に溶接による肉盛り11を行う。前後面の溶接部分の
違いは前者が座5の内周と管端が溶接面になるのに対
し、後者は座7の半径方向の面と管外周が溶接面にな
り、端面と内面の組合せが逆になるために座の形状に違
いを持たした。 【0017】 【比較例】図3は従来のフランジ1Aの断面で亜鉛鍍金
する場合としない場合がある。図4(A,B)は従来形
を、同図(B)は一方に開先を備えた何れも板フランジ
の溶接状態図で、どちらも全面を亜鉛鍍金する場合とし
ない場合があり、前者の場合は溶接予定部分にサンダー
掛けを施す必要があるが、このサンダー掛けの作業は小
径サイズの場合に動き易く危険が伴い、またサンダー掛
けの際に火花が発生し狭い現場等で引火の原因にもな
る。 【0018】 【発明の効果】本発明のフランジにより下記の効果をも
たらした。亜鉛鍍金フランジからの亜鉛の煮沸や気化
が起り難くなり、溶接作業の安全性を著しく改善した。
鍍金した後に切削加工で座を形成するので、溶接面が
素材の肌であり仮溶接や本溶接が実施し易くなった。
溶接の前準備であるサンダー掛け作業の必要性が殆どな
くなった。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例のフランジで(A)は正面図を、
(B)は断面図を、(C)は断面斜視図である。 【図2】 実施例のフランジ素材であり比較例のフラン
ジ断面図である。 【図3】 実施例の溶接状態図である。 【図4】 比較例のフランジで(A)は開先なしを、
(B)は開先付の各溶接状態図である。 【符号の説明】 1,1A フランジ 2,3 面 4 孔 5,6,7 座 8 管 9 先端 10,11 溶接による肉盛り

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 鋼製管と溶接により連結する鋼製接続
    部材にあって、 鋼製管()と遊合するために、亜鉛鍍金を施した鋼製
    接続部材()に開いた孔()の前後の面に同心で円
    板状の座を削り込んで形成し、該座が一面では3〜9mm
    の範囲から選択した何れか奥行きと前記孔径に0.5〜
    3 mmの範囲より選択し加算した何れか外径の座()を
    備え、他面では0.5〜3 mmの範囲より選択した何れか
    奥行きと前記孔径に5〜10mmの範囲より選択し加算し
    た何れか外径の第一の座()と、その座に連続して1
    〜5mmの範囲から選択した何れか奥行きと前記孔径に
    0.5〜3 mmの範囲から選択加算した何れか外径の第二
    の座()とからなることを特徴とする溶接フランジ。
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