JP2564327B2 - 連続鋳造用ロールの防食方法 - Google Patents
連続鋳造用ロールの防食方法Info
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- JP2564327B2 JP2564327B2 JP62261822A JP26182287A JP2564327B2 JP 2564327 B2 JP2564327 B2 JP 2564327B2 JP 62261822 A JP62261822 A JP 62261822A JP 26182287 A JP26182287 A JP 26182287A JP 2564327 B2 JP2564327 B2 JP 2564327B2
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- welding
- aluminum
- sleeve
- roll
- continuous casting
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は連続鋳造用ロールの溶接部の防食方法に関す
る。
る。
一般に連続鋳造用ロールにおいては、鋳造熱片(以下
スラブという)からの熱によってロール材質が過熱され
る。この過熱によるロールの強度低下や軟化を防止する
ために、ロール内に冷却水路を形成し、内部から冷却し
ている。
スラブという)からの熱によってロール材質が過熱され
る。この過熱によるロールの強度低下や軟化を防止する
ために、ロール内に冷却水路を形成し、内部から冷却し
ている。
その冷却水に対するロールの防食方法として、特開昭
59−185558号公報には冷却水路を形成するロールの内壁
面にアルミニウムなどの保護被膜を形成する方法が開示
されており、また実開昭58−71451号公報には、スリー
ブ内面とロール軸外面との間に冷却水路を有するロール
においてスリーブ内面ならびにロール軸外面に、耐食性
合金の内盛層を有する中実スリーブ型連続鋳造用ロール
が開示されている。
59−185558号公報には冷却水路を形成するロールの内壁
面にアルミニウムなどの保護被膜を形成する方法が開示
されており、また実開昭58−71451号公報には、スリー
ブ内面とロール軸外面との間に冷却水路を有するロール
においてスリーブ内面ならびにロール軸外面に、耐食性
合金の内盛層を有する中実スリーブ型連続鋳造用ロール
が開示されている。
以上のように従来技術はいずれも溶接継手部以外の冷
却水路側を貴な電位にもっていくもので、構成各部材の
内面に保護被膜を施すことは可能であるが、それら部材
の溶接継手部を保護することはできなかった。
却水路側を貴な電位にもっていくもので、構成各部材の
内面に保護被膜を施すことは可能であるが、それら部材
の溶接継手部を保護することはできなかった。
このような冷却水路側の部材全面をアノードの状態に
する方法では、実開昭56−71351号公報において示され
る外周に冷却水路を有するロール軸と、これを外包する
スリーブをスリーブの両端部とロール軸を嵌合し、それ
ぞれ又は片方の外面から溶接する構造を有した連続鋳造
用ロールにおいては、溶接部がカソードとなり、スラブ
からの熱により発生する溶接部の半径方向の熱応力と協
同作用を起こし、溶接ルート部に引張応力が作用し、水
素脆化型(以下HE)の応力腐食割れ(以下SCCという)
が生ずる。
する方法では、実開昭56−71351号公報において示され
る外周に冷却水路を有するロール軸と、これを外包する
スリーブをスリーブの両端部とロール軸を嵌合し、それ
ぞれ又は片方の外面から溶接する構造を有した連続鋳造
用ロールにおいては、溶接部がカソードとなり、スラブ
からの熱により発生する溶接部の半径方向の熱応力と協
同作用を起こし、溶接ルート部に引張応力が作用し、水
素脆化型(以下HE)の応力腐食割れ(以下SCCという)
が生ずる。
それによりその溶接部は損傷を受け、ついには溶接部
破断により内部冷却水が漏れて事故に至るといった欠点
があった。
破断により内部冷却水が漏れて事故に至るといった欠点
があった。
本発明は前記欠点を解決するため、スリーブの両端部
を外面からの溶接によってロール軸に水密状に固定する
接合構造を有する連続鋳造用ロールの上記溶接部の防食
方法を提供しようとするものである。
を外面からの溶接によってロール軸に水密状に固定する
接合構造を有する連続鋳造用ロールの上記溶接部の防食
方法を提供しようとするものである。
本発明は、次の2工程の技術手段から成る。
(1)ロール軸とスリーブの溶接部の溶接開先ルート部
にアルミニウムまたはその合金からなる保護被膜を形成
する。
にアルミニウムまたはその合金からなる保護被膜を形成
する。
(2)この保護被膜の上に溶接する。
本発明は溶接後、溶接部の電位を上げ、冷却水路内よ
りも貴な電位にするものである。
りも貴な電位にするものである。
アルミニウムは純度99.92重量%以上のものを用い
る。これは不純物としての銅、鉄は著しく耐食性を害す
るためである。
る。これは不純物としての銅、鉄は著しく耐食性を害す
るためである。
またアルミニウム合金は、アルミニウム7重量%以
上、鉄2重量%以上、ニッケル0.5重量%以上、マンガ
ン0.5重量%以上、銅79重量%以上のものを用いる。こ
の合金は一般にアルミニウム青銅であり、この範囲で耐
食性を保持するためである。
上、鉄2重量%以上、ニッケル0.5重量%以上、マンガ
ン0.5重量%以上、銅79重量%以上のものを用いる。こ
の合金は一般にアルミニウム青銅であり、この範囲で耐
食性を保持するためである。
また被膜の厚みは50μm以上、3.5mm以下とする必要
がある。ここで下限値50μmは継手溶接時の希釈によっ
ても被膜効果を失うことがないために必要な厚さであ
り、上限値3.5mmは溶接継手の強度を保つために必要な
寸法である。
がある。ここで下限値50μmは継手溶接時の希釈によっ
ても被膜効果を失うことがないために必要な厚さであ
り、上限値3.5mmは溶接継手の強度を保つために必要な
寸法である。
第1図は本発明の適用される第1の実施例を示す連続
鋳造用ロールの一部断面側面図である。第2図は本発明
の適用される第2の実施例を示す連続鋳造用ロールの一
部断面側面図である。
鋳造用ロールの一部断面側面図である。第2図は本発明
の適用される第2の実施例を示す連続鋳造用ロールの一
部断面側面図である。
両図において、1はロール軸、2はスリーブ、3はス
リーブ内面冷却水路、3bは溶接部冷却水路、5はブッシ
ュである。
リーブ内面冷却水路、3bは溶接部冷却水路、5はブッシ
ュである。
第1図の構成において、溶接継手4は、ロール軸1と
スリーブ2により形成される。第2図の構成において溶
接継手4はスリーブ2とブッシュ5によって形成され
る。
スリーブ2により形成される。第2図の構成において溶
接継手4はスリーブ2とブッシュ5によって形成され
る。
第3図は溶接開先の部分断面図であり、第2図に示し
た第2の実施例の詳細図である。本発明の第1工程とし
て溶接開先にはスリーブ2とブッシュ5の両側にアルミ
ニウムまたはその合金の被膜6を形成する。
た第2の実施例の詳細図である。本発明の第1工程とし
て溶接開先にはスリーブ2とブッシュ5の両側にアルミ
ニウムまたはその合金の被膜6を形成する。
第4図は本発明の第2工程を完了した溶接部の部分断
面図であり、第3図に示した溶接開先のアルミニウムま
たはその合金の被膜上に溶接施工したもので、溶接部断
面は溶接により溶融したアルミニウムまたはその合金の
被膜6aと溶接金属7で構成されている。
面図であり、第3図に示した溶接開先のアルミニウムま
たはその合金の被膜上に溶接施工したもので、溶接部断
面は溶接により溶融したアルミニウムまたはその合金の
被膜6aと溶接金属7で構成されている。
スリーブ2、ブッシュ5またはロール軸1の材質が鉄
系金属である場合には、アルミニウムまたはその合金の
被膜は必ず貴な電位となるため、冷却水路3に接する金
属部分において、アルミニウムまたはその合金の被膜6a
がアノード、スリーブ2、ブッシュ5またはロール軸1
がカソードになる。
系金属である場合には、アルミニウムまたはその合金の
被膜は必ず貴な電位となるため、冷却水路3に接する金
属部分において、アルミニウムまたはその合金の被膜6a
がアノード、スリーブ2、ブッシュ5またはロール軸1
がカソードになる。
カソード部分は平滑であるため、アノード部分で生じ
た電子がカソード部分に流れ、その溶接面で水柱の水素
イオンと結合し、原子状水素となり、単に冷却水中を流
れていくことになる。
た電子がカソード部分に流れ、その溶接面で水柱の水素
イオンと結合し、原子状水素となり、単に冷却水中を流
れていくことになる。
それによって溶接部に原子状水素または水素イオンが
集積することがなくなるので、溶接部がHE型のSCCを生
ずることはない。
集積することがなくなるので、溶接部がHE型のSCCを生
ずることはない。
次に本発明の具体例について述べる。
内面にアルミニウム被膜を施したロール軸とスリーブ
を用いて嵌合部の直径180mmφのロールの溶接開先に、5
0〜100μmのアルミニウムめっきを施した。次いでMIG
溶接により開先部を溶接した。
を用いて嵌合部の直径180mmφのロールの溶接開先に、5
0〜100μmのアルミニウムめっきを施した。次いでMIG
溶接により開先部を溶接した。
以上のように防食したロールを3本製作し、それを軸
水冷しながら、外面を900℃に加熱し、次いで水槽で冷
却する工程を繰返し、その加熱冷却によって半径方向の
熱応力を与える試験をした。
水冷しながら、外面を900℃に加熱し、次いで水槽で冷
却する工程を繰返し、その加熱冷却によって半径方向の
熱応力を与える試験をした。
従来の方法では、繰返し数20回で試験ロール3本全数
に割れが発生していたが、本発明方法によって防食した
ロールは繰返し数80回になったものを解体し、冷却水路
側を観察したところ、ロール軸とスリーブの内面溶液部
には、わずかなスケールが生じているものの、溶接部の
アルミニウム被膜は健全であった。
に割れが発生していたが、本発明方法によって防食した
ロールは繰返し数80回になったものを解体し、冷却水路
側を観察したところ、ロール軸とスリーブの内面溶液部
には、わずかなスケールが生じているものの、溶接部の
アルミニウム被膜は健全であった。
さらに同仕様のロールを3本、実機の連続鋳造機に取
付け、1年間使用したものを解体し、調査したところ、
溶接部のアルミニウム被膜は健全であり、溶接割れ等は
全く認められなかった。
付け、1年間使用したものを解体し、調査したところ、
溶接部のアルミニウム被膜は健全であり、溶接割れ等は
全く認められなかった。
なお、今回実施したアルミニウム被膜の形成方法はめ
っきであるが、別の方法として、溶射や肉盛溶接による
方法でも良い。また上記実施例では内面にアルミニウム
被膜を施したロール軸とスリーブを用いた例を示した
が、内面にアルミニウム被膜を施さない場合にも同様の
効果が得られる。
っきであるが、別の方法として、溶射や肉盛溶接による
方法でも良い。また上記実施例では内面にアルミニウム
被膜を施したロール軸とスリーブを用いた例を示した
が、内面にアルミニウム被膜を施さない場合にも同様の
効果が得られる。
本発明はスリーブの両端部をロール軸に固定するため
の接合構造を溶接構造とし、予めその継手の溶接開先内
面にアルミニウムまたはその合金からなる保護被膜を形
成した後溶接することにより、溶接後、溶接部がアノー
ドとなるため、溶接部での原子状水素、または水素イオ
ン生成がなくなり、水素アタックやHE型SCCが生じなく
なった。
の接合構造を溶接構造とし、予めその継手の溶接開先内
面にアルミニウムまたはその合金からなる保護被膜を形
成した後溶接することにより、溶接後、溶接部がアノー
ドとなるため、溶接部での原子状水素、または水素イオ
ン生成がなくなり、水素アタックやHE型SCCが生じなく
なった。
それにより、ロールの長期間使用が可能となり、ロー
ル費用が低下した。
ル費用が低下した。
さらに水漏れ事故によるスラブ急冷が生ずることがな
くなったので、安定した品質の連鋳スラブが得られるよ
うになった。
くなったので、安定した品質の連鋳スラブが得られるよ
うになった。
第1図、第2図は本発明の適用される実施例を示す連続
鋳造用ロールの一部断面側面図、第3図は本発明の第1
工程における溶接開先の断面詳細図、第4図は本発明の
第2工程を完了した後の溶接断面詳細図である。 1……ロール軸 2……スリーブ 3……スリーブ内面冷却水路 3a……ロール軸冷却水路 3b……溶接部裏側冷却水路 4……溶接部 5……ブッシュ 6……アルミニウムまたはその合金 6a……溶接熱により溶融したアルミニウムまたはその合
金 7……溶接金属
鋳造用ロールの一部断面側面図、第3図は本発明の第1
工程における溶接開先の断面詳細図、第4図は本発明の
第2工程を完了した後の溶接断面詳細図である。 1……ロール軸 2……スリーブ 3……スリーブ内面冷却水路 3a……ロール軸冷却水路 3b……溶接部裏側冷却水路 4……溶接部 5……ブッシュ 6……アルミニウムまたはその合金 6a……溶接熱により溶融したアルミニウムまたはその合
金 7……溶接金属
Claims (1)
- 【請求項1】スリーブの端部とロール軸を外面から溶接
により水密状に固定するロールの溶接部を防食するに当
り、該溶接の開先ルート部にアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金からなる保護被膜を形成し、次いで該保護被
膜上に溶接を行うことを特徴とするロール溶接部の防食
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62261822A JP2564327B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | 連続鋳造用ロールの防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62261822A JP2564327B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | 連続鋳造用ロールの防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01104471A JPH01104471A (ja) | 1989-04-21 |
JP2564327B2 true JP2564327B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=17367210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62261822A Expired - Lifetime JP2564327B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | 連続鋳造用ロールの防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2564327B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE212019000254U1 (de) | 2018-04-13 | 2020-12-03 | Dana Heavy Vehicle Systems Group, Llc | Schaltgabelbetätigungsanordnung |
-
1987
- 1987-10-19 JP JP62261822A patent/JP2564327B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01104471A (ja) | 1989-04-21 |
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