JP3391421B2 - 二次空気供給装置 - Google Patents

二次空気供給装置

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JP3391421B2 JP19179594A JP19179594A JP3391421B2 JP 3391421 B2 JP3391421 B2 JP 3391421B2 JP 19179594 A JP19179594 A JP 19179594A JP 19179594 A JP19179594 A JP 19179594A JP 3391421 B2 JP3391421 B2 JP 3391421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気系に設けられた酸
化触媒の排気浄化作用を促進するために、排気系に二次
空気を供給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の排気系に酸化触媒を設
け、排気ガスに含まれる一酸化炭素および炭化水素を酸
化させて排気ガスを浄化する排気浄化システムが知られ
ている。このような排気浄化システムでは、酸化触媒の
浄化作用を促進するため、酸化触媒に二次空気を供給す
る装置が設けられる。例えば排気量の比較的小さい内燃
機関では通常、二次空気供給装置として、吸気系のエア
クリーナの下流側と酸化触媒の上流側とを接続する配管
の途中に、排気脈動によって開閉するリードバルブを設
けた、エアサクション方式の装置が設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが排気脈動はエ
ンジンの運転条件に応じて変化し、例えば加速運転時等
において、充分な量の二次空気が排気系に供給されない
ことがあり、このような場合には排気浄化作用が不十分
になるという問題が生じる。また高負荷運転時には、リ
ードバルブのバネ定数や固有振動数によってはバルブの
開閉動作の追従性が低下し、排気ガスが吸気系側に逆流
するおそれが生じることもある。
【0004】本発明は、エンジンの運転状態に応じて、
必要な時に応答性良く充分な量の空気を供給し、不要の
時に空気をカット(逆流防止)することのできる二次空
気供給装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二次空気供
給装置は、排気系に設けられた酸化触媒に、吸気系から
二次空気を供給するための配管と、この配管の途中に設
けられたバルブボディと、このバルブボディ内に配設さ
れ、排気脈動に応じて開閉するリードバルブと、バルブ
ボディ内であってリードバルブよりも吸気系側に隣接し
形成された上室と、上室と配管とを連通する空気通路
とを備え、上室の流路面積が空気通路の流路面積よりも
小さいことを特徴としている。
【0006】
【作用】加速運転時等、二次空気が排気系に供給されに
くい運転条件であっても、吸気系からバルブボディに導
かれる二次空気の流速が上室において急激に低下しない
ので、応答性良く充分な量の二次空気が排気系に供給さ
れる。また、上室による絞り効果により、排気系側から
上室へ逆流しようとする排気ガスに作用する通路抵抗が
大きく、したがって逆流は発生しにくい。
【0007】
【実施例】以下図示実施例により本発明を説明する。図
1は本発明の第1実施例の二次空気供給装置を有するエ
ンジンの概略構成を示している。
【0008】エンジン本体11の一方の側面には吸気通
路を構成する管部材12が接続され、また他方の側面に
は排気通路を構成する管部材13が接続される。吸気系
の管部材12の入口側にはエアクリーナ14が設けら
れ、またこの管部材12の途中にはキャブレタ15が設
けられる。排気系の管部材13の途中には酸化触媒16
が設けられる。配管21の一端はエアクリーナ14に接
続され、また配管21の他端は管部材13の酸化触媒1
6よりも上流側に接続される。この配管21によって、
吸気系から酸化触媒16に二次空気が供給される。配管
21の途中には、所定の容積を有するチャンバ22が形
成され、チャンバ22の下流側にはバルブ装置30が設
けられる。
【0009】図2はバルブ装置30を示している。バル
ブボディは、第1のボディ部材31と第2のボディ部材
32を接合して構成される。第1のボディ部材31内に
は、相互に連通する空気通路33と上室34が形成され
ている。空気通路33は円形の断面を有し、配管21の
吸気系側の部分に接続される。第1のボディ部材31の
上部外壁31aは、上室34の容積を極力小さくすべく
凹陥している。上室34の容積は空気通路33の容積よ
りも小さく、例えば5cc以下である。また上室34の流
路面積は空気通路33のそれよりも小さく、配管21か
ら上室34に流入する二次空気の流速が急激に低下しな
いような大きさに定められている。
【0010】第2のボディ部材32内には、相互に連通
する空気通路35と下室36が形成されている。空気通
路35は円形の断面を有し、配管21の排気系側の部分
に接続される。したがって排気脈動は、配管21と空気
通路35を介して下室36に導かれる。なお、下室36
は上室34よりも大きい容積を有している。
【0011】第2のボディ部材32に形成された環状支
持面41には、開口42を有する板状の支持部材43が
嵌合され、この支持部材43の外周部と環状支持面41
の間にはパッキン44が設けられている。ストッパ46
は実質的に変形しない金属板等から成り、ストッパ46
の一端はビス45により、支持部材43の下室36側の
面に固定される。リードバルブ47は弾性変形する薄い
金属板等から成り、支持部材43とストッパ46の間に
設けられる。リードバルブ47は、その一端が支持部材
43とストッパ46によって挟持され、下室36の圧力
によって変形し、開口42を開閉する。
【0012】次に本実施例の作用を説明する。排気脈動
すなわち下室36内の圧力変動は、図3に示されるよう
にエンジンの排気弁および吸気弁の開閉動作に連動し、
下室36の圧力は、排気弁が開放する時(t2 )正圧と
なり、排気弁と吸気弁がともに開放する時(t1 )負圧
となる。排気弁の開放時間(t2 )は吸排気弁の開放時
間(t1 )よりも長い。したがって、エンジンの1サイ
クルの大部分において、下室36内は正圧であり、一部
において下室36は負圧となる。
【0013】リードバルブ47は、排気脈動に応じて開
閉し、リードバルブ47が開放した時、二次空気は上室
34から下室36側に吸入され、酸化触媒16に供給さ
れる。この二次空気の流量は、図3において符号F1に
より示されている。リードバルブ47の開閉動作の周期
は短いため、リードバルブ47は開口42を完全に閉塞
することはなく、閉弁状態であってもリードバルブ47
と開口42の間には若干の隙間が存在する。したがって
閉弁状態でも、図3において符号F2により示されるよ
うに、ほぼ一定量の空気が下室36から上室34側へ逆
流する。
【0014】以上のように本実施例では、上室34の流
路面積は空気通路33のそれよりも小さいので、二次空
気の流速は空気通路33内よりも上室34において高
い。したがって従来装置と比較し、リードバルブ47の
応答性が良く(早く)なって二次空気の吸入量が増加す
るので、酸化触媒16に供給される二次空気の量が増加
し、排気浄化作用が向上する。なお図3において、符号
G1は従来装置における二次空気の吸入量を示してい
る。
【0015】また本実施例では、上室34の容積を従来
装置よりも大幅に縮小し、5cc以下にした。これによっ
て、上室34による絞り効果が生じ、排気系側から上室
34へ逆流しようとする排気ガスに対する通路抵抗が大
きい。したがって、エンジンの高負荷高速回転時のよう
にリードバルブ47の開閉動作が吸気脈動に充分に追従
できない運転状態であっても、バルブ装置30内におい
て逆流は発生しにくい。上室34の容積が5ccを越える
と、この効果は小さくなる。なお図3において、符号G
2は従来装置における排気ガスの逆流量を示している。
【0016】さらに本実施例によれば、第1のボディ部
材31の上部外壁31aが凹陥しているので、従来装置
に比べ、バルブ装置30を小形化することができる。
【0017】図4は、第2実施例の二次空気供給装置に
設けられるバルブ装置30を示している。この図におい
て、第1実施例のバルブ装置と同一または相当部分に
は、同一の符号を付している。以下、第1実施例と異な
る構成のみを説明する。
【0018】バルブボディは第1のボディ部材31と第
2のボディ部材32を接合して構成され、第1のボディ
部材31内には、L形に屈曲した空気通路33が形成さ
れている。第1のボディ部材31の先端は、第2のボデ
ィ部材32内に突出し、凸状すなわち截頭円錐状に成形
されている。支持部材43は凹状に成形され、すなわち
第1のボディ部材31の先端の外周面に合致した円錐状
内壁面を有し、第1および第2のボディ部材31、32
の間に設けられて、第1のボディ部材31の先端に嵌合
されている。支持部材43の内部には上室34が形成さ
れ、この上室34は空気通路33の出口に隣接してい
る。支持部材43には2つの開口42が形成されてお
り、これらの開口42はそれぞれリードバルブ47によ
って開閉される。
【0019】その他の構成は第1実施例と同じである。
【0020】第2実施例では、上室34の流路面積は空
気通路33に比べて小さく、空気通路33は開口42に
近接している。したがって空気通路33から導かれる二
次空気の流速は上室34において低下することなく下室
36に導かれ、酸化触媒16に供給される。また本実施
例では、上室34の容積が従来装置よりも大幅に縮小さ
れているので、上室34によって絞り効果が生じ、排気
系側から上室34へ逆流しようとする排気ガスに対する
通路抵抗が大きい。
【0021】このように第2実施例の作用は第1実施例
と同様であり、第1実施例と同様な効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、エンジン
の運転条件に応じて、必要な時に応答性良く充分な量の
二次空気を排気系に供給することができ、また排気ガス
が吸気系側に逆流することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である二次空気供給装置を
有するエンジンの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施例のバルブ装置を示す断面図である。
【図3】エンジンの排気弁および吸気弁の開閉動作に対
する下室の圧力変動および二次空気の流量を示す図であ
る。
【図4】第2実施例のバルブ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
12 吸気系の管部材 13 排気系の管部材 14 エアクリーナ 21 配管 30 バルブ装置 31 第1のボディ部材 32 第2のボディ部材 33 空気通路 34 上室 42 開口 43 支持部材 46 ストッパ 47 リードバルブ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系に設けられた酸化触媒に、吸気系
    から二次空気を供給するための配管と、 この配管の途中に設けられたバルブボディと、このバル
    ブボディ内に配設され、排気脈動に応じて開閉するリー
    ドバルブと、 前記バルブボディ内であってリードバルブよりも吸気系
    側に隣接して形成された上室と、 前記上室と前記配管とを連通する空気通路とを備え、 前記上室の流路面積が前記空気通路の流路面積よりも小
    さい ことを特徴とする二次空気供給装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブボディは、前記配管に連通す
    る空気通路および前記上室が形成された第1のボディ部
    材と、この第1のボディ部材に接合され、前記リードバ
    ルブが収容された第2のボディ部材とを備え、前記上室
    の容積は前記空気通路の容積よりも小さいことを特徴と
    する請求項1に記載の二次空気供給装置。
  3. 【請求項3】 前記上室の容積が5cc以下であることを
    特徴とする請求項2に記載の二次空気供給装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブボディは、前記配管に接続さ
    れ、空気通路が形成された第1のボディ部材と、この第
    1のボディ部材に接合され、前記排気系に接続される第
    2のボディ部材と、これら第1および第2のボディ部材
    の間に設けられるとともに前記リードバルブが取り付け
    られ、前記空気通路に連通する上室が形成された凹状の
    支持部材とを備え、前記第1のボディ部材の先端は、凸
    状に成形され、前記支持部材内に嵌合されることを特徴
    とする請求項1に記載の二次空気供給装置。
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