JP3390940B2 - 吸湿ゲル化型除湿組成物 - Google Patents
吸湿ゲル化型除湿組成物Info
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Description
保管中湿気から保護するための湿気ゲル化型除湿組成物
に関する。
出し等の収納ケースに保管中収納物品を湿気から保護す
るため、収納ケースに収納物品と共に入れられる除湿剤
は、収納物品およびケースを汚染または他のように傷つ
ける液状物を生成しないことが重要である。
814および特開平8−134431は、塩化カルシウ
ムまたは塩化マグネシウムのような吸湿により液状化す
る、すなわち潮解性の無機塩類と、ヒドロゲルを形成す
る水溶性ポリマーの乾燥混合物よりなる除湿組成物を開
示している。その原理は、無機塩類の潮解液を水溶性ポ
リマーが吸収し、ゲルとして非流動化することによる。
このような吸湿ゲル化型の除湿組成物にとっては、単位
重量当りの除湿量が大きいこと、均一で硬いゲルをつく
ること、生成したゲルが離水現象を示さないことなどが
要求される。
性ポリマーは、潮解液を吸収してこれらの要求を完全に
満たすゲルを形成し難い。例えばカルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギ
ン酸ナトリウムなどのアニオン性ポリマーは、カルシウ
ム、マグネシウムイオンなどの多価金属イオンと反応し
て不溶性マトリックスを形成し、潮解液のゲル化に役立
たなくなる。ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、デンプン、天然ガム等の
非イオン性の水溶性ポリマーは、潮解性無機塩類に対し
て比較的多量に配合する必要があり、そのため組成物単
位重量当りの除湿量が低いのみならず、無機塩類の潮解
初期段階の高濃度潮解液を非流動化する能力に乏しく、
ゲルから分離水を生じ易い。さらに両性アクリルアミド
共重合体は、それに対する潮解液の浸透速度が小さいた
め一部が流動液として残り、全体として均一な非流動性
ゲル状態になるまでに長期間に要し、ゲル化型除湿剤と
して実用上問題がある。
H4におけるカチオン当量値Cvが0.3〜2.5me
q/gであるカチオン性アクリルアミド共重合体、α化
デンプン、親水性エーテル化もしくはエステル化デンプ
ン、親水性架橋デンプンおよびそれらの混合物よりなる
群から選ばれた親水性ポリマー10〜200重量部、好
ましくは15ないし120重量部、(C)セルロースパ
ウダー0.3〜30重量部、好ましくは0.5〜12重
量部の混合物を含んでいる吸湿ゲル化型除湿組成物を提
供する。
亜鉛、塩化リチウム、塩化アルミニウムなどが潮解性無
機塩として良く知られている。塩化カルシウムおよび塩
化マグネシウムがコストおよび吸湿性能の面から好まし
い。両者の混合物でもよい。潮解性無機塩は無水物また
は含水塩の形の粒状物として配合される。
値Cvが0.3〜2.5meq/gであるカチオン性ア
クリドアミド共重合体は、アクリルアミドと、3級アミ
ノ基または4級アンモニウム基を有するモノマーとの溶
液重合またはバルク重合によって製造することができ
る。
は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート例
えば2−ジメチルアミノエチルアクリレートもしくはメ
タクリレート、ヒドロキシル基を有するジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリレート例えば3−(N,N−
ジメチルアミノ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、およびN−(メタ)アクリロイルアミノア
ルキル−N,N−ジアルキルアミン例えばN−(2−ア
クリロイルアミノエチル)−N,N−ジメチルアミン、
それらの酸塩例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩など
である。
型例は、上の3級アミノ基含有モノマーの遊離塩基にハ
ロゲン化アルキルまたはジメチル硫酸のような4級化剤
を反応させて得られる対応する4級アンモニウム塩を含
む。他の典型例は2,3または4−ビニルピリジンにハ
ロゲン化アルキルを反応させることにより得られるピリ
ジニウム塩、およびジアリルジアルキルアンモニウムハ
ライド例えばジアリルジメチルアンモニウムクロライド
である。
は4級アンモニウムモノマーとの比率は、共重合体のカ
チオン当量値Cv(その測定法は後で記載する)が0.
3〜2.5meq/g,好ましくは0.5〜2.0me
q/gであるように選定される。共重合体は、30℃に
おける1N NaCl中3.0〜25.0dl/gの範
囲内の固有粘度に相当する重合度を有することが好まし
い。
または併用してα化デンプンまたは親水性デンプン誘導
体を用いることができる。α化デンプンはデンプンを水
に加え、加熱してα化した糊液を脱水乾燥し、粉末状ま
たはフレーク状に粉砕することによって得られる。親水
性デンプン誘導体は、架橋デンプン例えばリン酸ジエス
テル架橋デンプン、ホルムアルデヒド架橋デンプン、グ
リオキザール架橋デンプン、エピクロルヒドリン架橋デ
ンプンなど、エーテル化デンプン例えばデンプンのメチ
ルエーテル、ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシプ
ロピルエーテルなど、エステル化デンプン例えばデンプ
ンのモノリン酸エステル、硫酸エステル、硝酸エステ
ル、酢酸エステルなど、およびエーテル化デンプンの架
橋物例えばヒドロキシプロピル化もしくはカルボキシメ
チル化デンプンのエピクロルヒドリン架橋物から選ばれ
る。デンプン誘導体の出発原料もα化デンプンであるこ
とが好ましい。
り10〜200重量部、好ましくは15〜120重量部
の割合で配合される。この配合量の下限は(A)成分の
液状潮解物を堅固なヒドロゲルとして捕捉するのに必要
な量であり、上限は組成物の単位重量当りの除湿能力を
合理的範囲内に維持する量である。換言すれば、(B)
成分を過剰に配合した組成物は、単位重量当りの水分吸
収能力が実用上望まれる範囲に達しない。
パルプおよびリンターパルプ等のセルロース原料を酸で
加水分解処理し、機械的微粉化したものが挙げられる。
例えば「KCフロック」の商品名で日本製紙(株)から
販売されているセルロースパウダーを使用することがで
きる。ゲル化型除湿組成物にセルロースパウダーを少割
合配合すると、ゲルの安定性、初期段階における(A)
成分の潮解液のゲル化、均一ゲルの形成、水分の遊離防
止等すべての面においてゲルの性能を改善する。粒度
は、500μm以下、特に300μm以下の粒子を90
%以上含むことが好ましい。その配合量は、(A)成分
100重量部あたり0.3〜8.0重量部、特に好まし
くは0.5〜5.0重量部である。
(A)成分、(B)成分および(C)成分を規定した比
率でドライブレンドしてつくられる。混合の順序は任意
であるが、最初(B)成分と(C)成分を均一に混合
し、その後(A)成分を混合する方法が好ましい。この
ようにして得た組成物は、少なくとも一部分が湿気透過
性であるプラスチックバッグに充填される。例えば、微
多孔質透湿フィルムをナイロン−ポリエチレンラミネー
トフィルムのポリエチレン層へ一辺を除いて周縁をヒー
トシールして製作した長方形バッグへ組成物を充填し、
残りの周縁もヒートシールして出荷される。この構造の
プラスチックバッグを使用すると、吸湿は透湿フィルム
を通じて行え、しかもナイロン−ポリエチレンラミネー
トを通じて内容物の状態を確認できるので便利である。
剤を含むことができる。その例は、シリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム、硫酸ナトリウムなどの無機充填剤、芳
香剤、消臭剤、防腐・防カビ剤、着色剤などである。
収納ケース、下駄箱などに置き、収納品を湿気から保護
するために使用するほか、精密機器、電子部品、楽器等
の包装または収納ケースに入れ、同様に湿気から保護す
る目的にも使用することができる。
り、脱イオン水100mLに溶解する。この溶液25m
Lをメスフラスコ中脱イオン水で1000mLにメスア
ップする。
00mLを取り、0.1N HClでpH4.0とし、
約1分間攪拌する。トルイジンブルー指示薬2〜3滴を
加え、N/400−ポリビニル硫酸カリウム試液(N/
400−PVSK)で滴定する。滴定速度は2mL/分
とし、検水が青から赤紫色に変色し、10秒以上保持す
る時点を終点とする。試料水溶液の代りに脱イオン水を
用いて同じ方法で空試験を行う。
f〕/2 S=N/400−PVSKの滴定量(mL) B=空試験の滴定量(mL) f=N/400−PVSKの力価
2 ・2H2 O)を用い、(B)成分として表1に示した
アクリルアミド共重合体またはデンプン誘導体を用い、
(C)成分として日本製紙(株)製KCフロックWシリ
ーズを用いた。
合しておき、これへ(A)成分を混合し、表2に示す組
成物を得た。
レンラミネートフィルムよりなり、他方が平均孔径2μ
mの微多孔透湿フィルムよりなる2枚のフィルムの三辺
をヒートシールしてつくった100mm×150mmの
長方形プラスチックバッグに充填し、充填口もヒートシ
ールし、バッグ入り除湿組成物をつくった。
恒湿器内につるし、24時間毎に重量を測定して吸湿量
を求め、さらに外観を観察してゲルの状態を評価した。
結果を表3に示す。
ことなく表4のように(A)成分と(B)成分を混合
し、実施例と同じバッグに充填し、同様に吸湿時のゲル
の外観を評価した。結果を表5に示す。
合しなかったことを除きそれぞれ実施例4,8,13に
対応する。表3および表5の結果から、(C)成分が存
在しなければ初期段階において液状成分が残っている不
均一なゲルであるのに対し、これに少割合の(C)成分
を配合することにより初期段階から流動性のない硬い均
一なゲルを形成することがわかる。比較例1および2に
使用したアクリルアミド共重合体は、カチオン当量値C
vが規定の範囲内にないポリマーである。このようなア
クリルアミド共重合体を使用すると始めから流動性のな
い均一なゲルを形成しない。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)潮解性無機塩100重量部、 (B)pH4におけるカチオン当量値Cvが0.3〜
2.5meq/gであるカチオン性アクリルアミド共重
合体、α化デンプン、親水性エーテル化もしくはエステ
ル化デンプン、親水性架橋デンプンおよびそれらの混合
物よりなる群から選ばれた親水性ポリマー10〜200
重量部、 (C)セルロースパウダー0.3〜30重量部の混合物
を含んでいる吸湿ゲル化型除湿組成物。 - 【請求項2】(A)成分100重量部あたり、(B)成
分15〜120重量部、(C)成分0.5〜12重量部
を含んでいる請求項1の組成物。 - 【請求項3】カチオン性アクリルアミド共重合体の固有
粘度(1N NaCl中,30℃)が3.0〜25.0
dl/gである請求項1または2の組成物。 - 【請求項4】セルロースパウダーが粒度500μmの範
囲以下を90%以上含んでいる請求項1ないし3のいず
れかの組成物。 - 【請求項5】少なくとも一部分が湿気透過性フィルムで
あるプラスチックバッグ中にシール包装されている請求
項1ないし4のいずれかの組成物。
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