JP3390668B2 - 充電装置 - Google Patents

充電装置

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JP3390668B2
JP3390668B2 JP16091598A JP16091598A JP3390668B2 JP 3390668 B2 JP3390668 B2 JP 3390668B2 JP 16091598 A JP16091598 A JP 16091598A JP 16091598 A JP16091598 A JP 16091598A JP 3390668 B2 JP3390668 B2 JP 3390668B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、充電の完了後に
補充電又はトリクル充電を行う充電装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複数の電池セルで構成される電池パック
は、使用回数を重ね充放電を繰り返すと、各電池セルの
容量にばらつきが発生し、性能が劣化してくる。この性
能劣化に対応するため、充電完了後に、0.1C程度の
充電電流を1〜2時間程度流し、各電池セルを満充電さ
せる補充電が行われることがある。
【0003】また、100%まで充電の完了したニッケ
ル水素電池或いはニッケルカドミウム電池は、充電の停
止直後から自己放電により90%程度まで急速に容量が
下がった後、以降は、自己放電により緩やかに容量を失
っていく。この充電完了直後の急激な容量低下に対応す
るため、充電完了後に、0.02C程度の電流を流し続
けるトリクル充電が行われることがある。
【0004】上述した補充電及びトリクル充電は、パル
ス状に電流を流すことにより、低い平均電流を電池に印
加していた。即ち、充電完了時には電池温度が上昇して
おり、また、容量が最大まで高まっているため、連続的
に僅かな電流を流しても、該電流にて効率的に充電を行
うことができない。このため、やや大きめの電流を短時
間流し、しばらく休止するパルス充電が採用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の充電装置では、パルス状の電流を一定周期で流すた
め、充電完了後の電池温度の降下が遅れ、充電完了直後
の高温状態が続き寿命に影響を及ぼしていた。更に、高
温状態が続いている最中は、充電効率が低かった。これ
に対応するためには、パルス電流の周期を長くすること
で、電池の温度を下げることも考え得るが、高温の電池
が早く冷却し得る程充電電流を印加する間隔、即ち、パ
ルス周期を長くすると、該電流を印加しない間隔中、自
己放電が続く。このため、使用者が充電装置から電池を
抜いた際に、容量のバラツキが大きくなり、本来の補充
電、トリクル充電の目的を達成しえなくなる。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、効率的
に補充電・トリクル充電を行い得る充電装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の充電装置は、上
記目的を達成するため、充電完了後に更に補充電又はト
リクル充電を行う充電装置であって、電池の温度を下げ
ながらパルス状に充電し得るパルス状の電流値及びパル
ス間隔を、電池の温度値と、電池の温度下降値とに基づ
きマッピングしたマップを記憶する記憶装置と、現在の
電池の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手
段により検出された温度から温度下降値を求める温度下
降値出力手段と、前記温度検出手段により検出された温
度と、前記温度下降値出力手段から出力された温度下降
値とから、前記記憶装置のマップを検索し、前記パルス
状の電流値及びパルス間隔を求める許容電流値検索手段
と、前記許容電流検索手段により検索されたパルス状の
電流値及びパルス間隔にて電池を充電完了後に更に補充
電又はトリクル充電する充電手段とを備えることを技術
的特徴とする。
【0008】更に、本発明の充電装置は、好適な態様に
おいて、前記記憶装置のマップが、電池温度が高く、か
つ、温度降下の少ない際には、パルス状の電流値を大き
く且つパルス間隔を長く、他方、電池温度が低く、又
は、温度降下の大きい際には、パルス状の電流値を小さ
く且つパルス間隔を短くするよう設定されていることを
技術的特徴とする。
【0009】本発明の充電装置では、電池の温度値と電
池の温度下降値とに基づきマッピングしたマップを用い
て、電池の温度を下げながら補充電し得るようにパルス
状の電流値及びパルス間隔を制御する。即ち、電池温度
が高く、かつ、温度降下の少ない際には、許容電流値を
大きく且つパルス間隔を長くし、電池の温度を早く下げ
ることで、効率的に充電を行う。他方、電池温度が低
く、或いは、温度降下の大きい際には、パルス間隔を短
くすることで、常に100%充電の状態を維持する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る充
電装置について図を参照して説明する。図1は、本発明
の第1実施形態に係る充電装置10を示し、図2(A)
及び図2(B)は、該充電装置10によって充電される
電池パック50A(ニッケル水素電池)、電池パック5
0B(ニッケルカドミウム電池)を示し、図3は、該電
池パック50A、50Bにより駆動される電池ドリル7
0を示している。
【0011】図2(A)に示すようにニッケル水素電池
を内蔵する電池パック50Aは、略円筒状に形成された
嵌入部52と、略角柱状に形成された基部56とから成
り、該嵌入部52の側方には、キー状のキー部54が形
成され、上部には、電池の正極側に接続された第1入力
端子t1と、負極側に接続された第2入力端子t2a
と、サーミスタから成る温度検出センサに接続された第
3端子t3とが配設されている。図2(B)に示すよう
にニッケルカドミウム電池の電池パック50Bは、図2
(A)に示すニッケル水素電池の電池パック50Aと同
様に構成されているが、第2入力端子t2bの位置がず
らされて配置され、該第2入力端子t2bの位置の違い
から充電装置10は、装填された電池パックがニッケル
水素電池かニッケルカドミウム電池かを検出できるよう
になっている。更に、該電池パック50A、50Bとし
て電池セルの数の違いから14.4V、12V、9.6
Vがある。
【0012】図1に示すように、該電池パック50A、
50Bを充電する充電装置10には、電池パック50
A、50Bの嵌入部52を嵌入するための嵌入孔12が
形成されており、嵌入孔12の側壁には、該嵌入部52
のキー部54を導入するためのキー溝14が形成されて
いる。該嵌入孔12は、該充電装置10を形成する筐体
16と一体的に樹脂成形されている。本実施形態では、
電池パック50A、50Bの嵌入部52にキー部54を
設け、充電装置10の嵌入孔12にキー溝14を形成す
ることにより、電池パック50A、50Bが誤った方向
に装着されることを防いでいる。ここで、嵌入孔12の
底部には、上記電池パック50A、50Bの第1乃至第
3端子t1、t2a、t2b、t3と当接するための図
示しない第1乃至第3出力端子が配設されている。この
充電装置10の上部には、充電中を表示するためのLE
Dランプ18が配設されている。
【0013】図3に示すように、電池ドリル70は、電
池パック50A、50Bの嵌入部52を嵌入する嵌入孔
72が形成されており、電池パック50A、50Bの第
1入力端子t1及び第2入力端子t2から電力の供給を
受けて、図示しないモータによりチャック76を回動す
るように構成されている。この電池ドリル70を使用す
る際には、複数の電池パック50A、50Bの内の充電
の完了したものを順次用いることにより、連続して作業
を続け得るようにする。このため、本実施形態の充電装
置10は、電池パック50A、50Bを20分程度で急
速充電し得るよう構成されている。
【0014】図4は、充電装置10内の回路構成を示し
ている。商用交流電源が入力フィルタ20でノイズが除
去されたのち整流平滑回路22で整流平滑され、これが
トランス26との間に配設されたスイッチング素子24
によってオン・オフされる。トランス26には補助巻線
26aが設けられ、ここからの起電力が補助電源46に
入力されて1次側制御回路48へ加えられる。1次側制
御回路48は、スイッチング素子24のオン・オフを制
御する。スイッチング素子24は充電電流のデューテイ
比を制御し、トランス26は商用電源電圧を適正な電圧
まで降圧する。
【0015】トランス26の出力は整流平滑回路28で
整流平滑された後、電池パック50A、50Bに印加さ
れる。これにより該電池パック50A、50Bに内蔵さ
れている電池セル(図示せず)に充電電流が流される。
該整流平滑回路28と電池パックとの間には、電流検出
回路30及び電圧検出回路32が接続されており、充電
電流信号と充電電圧信号とが2次側制御回路38へ入力
される。また、電池パックに隣接する位置に電池種類検
出回路36が設けられ、電池種類信号が2次側制御回路
38へ入力される。また、電池パック内に配設された温
度検出センサ56からの温度信号が該2次側制御回路3
8へ入力される。
【0016】2次側制御回路38には、補助電源回路4
4からの電源が加えられている。この2次側制御回路3
8は、後述する電流値制御用のマップを記憶しており、
温度検出センサ56から出力された温度値を微分して温
度上昇値を求めて、温度値及び温度上昇値に基づきマッ
プを検索して電池の温度上昇を抑えながら充電し得る許
容電流値を求る。そして、上述した充電電流信号に基づ
いてデューテイ比を上げるか否かを決定し、これに応じ
て、充電電流値切替回路40及びフィードバック回路4
9を介してデューテイ比を1次側制御回路48へ送る。
【0017】引き続き、上述した電流制御に用いるマッ
プの構成について、図5を参照して説明する。上述した
ように充電装置も2次側制御回路38には、図5中に示
すようにニッケル水素電池の14.4V用マップM1
と、ニッケル水素電池12V用マップM2と、ニッケル
水素電池9.6V用マップM3と、ニッケルカドミウム
電池14.4V用マップM4と、ニッケルカドミウム電
池12V用マップM5と、ニッケルカドミウム電池9.
6V用マップM6との6種類のマップが備えられてい
る。
【0018】一般に電池は、充電電流を大きくすれば、
充電時間は短くなるが温度上昇は大きくなる。反対に、
充電電流を小さくすれば、充電時間が長くなるものの温
度上昇は小さくなる。特に、ニッケル水素電池は、充電
電流や既に充電された容量により温度勾配(温度上昇
値)が大きく変化する特性を有する。このため、本実施
態様では、温度上昇を抑制するため電流値を変化させな
がら充電を行う。即ち、従来技術に係る充電装置では、
一定の電流値で充電を行っていたのに対して、本実施態
様の充電装置では、電池の状態を絶対温度と温度上昇値
とに基づき判別し、電池の温度上昇を抑制しつつ流し得
る極力大きな電流、即ち、電池の状態に応じて電流値を
変えながら充電を行う。
【0019】ここでは、電池温度が高いときには、相対
的に小さな充電電流を流し、反対に、温度が低いときに
は、相対的に大きな充電電流を流す。また、温度上昇が
大きいときには、相対的に小さな充電電流を流し、反対
に、温度上昇が小さいときには、相対的に大きな充電電
流を流す。
【0020】マップは、上記電流の可変制御を行うため
のもので、横側に電池の絶対温度Tを取り、縦側に温度
変化分dT/dtを取って、温度上昇を抑制しつつ流し
得る最適な電流値を規定したものである。即ち、電池温
度が高く且つ温度上昇が大きい際には(マップ右下
側)、相対的に小さな充電電流を流し、電池温度が高く
且つ温度上昇が小さい際には(マップ右上側)、中程度
の充電電流を流す。また、電池温度が低く且つ温度上昇
が大きい際には(マップ左下側)、中程度の充電電流を
流し、電池温度が低く且つ温度上昇が小さい際には(マ
ップ左上側)、相対的に大きな充電電流を流すように設
定されている。即ち、目標充電時間(約20分)と目標
到達温度とのいずれもが満たされるように、マップ内の
各領域に最適な電流値が設定されてる。なお、低温(0
°C以下)において、大電流充電を行うと、性能が劣化
するため、該マップの左列に性能劣化させないための小
さな電流値を設定しておくことが好適である。
【0021】このマップに基づき、充電時には、電池の
絶対温度Tと、温度変化分dT/dtとから適合する領
域を検索し、領域に規定されている電流値に基づき充電
電流を制御する。例えば、電池温度がT3とT4との間
にあり、電池温度の変化分(温度上昇値)がX1とX2
の間にある場合には、領域I24の電流値を出力する。
【0022】更に、本実施態様の充電装置は、該マップ
内の領域の動きに基づき充電の完了を検出する。即ち、
従来技術においては充電電流を一定にすることで、温度
又は電圧を監視して充電の完了を検出していた。更に具
体的には、温度上昇値、電圧の変化値、また、満充電と
なり電圧が下がったことを検出して、満充電と判断して
いた。しかしながら、本実施態様の充電装置では、上述
したように、充電電流を変化させるため、従来技術のよ
うに単に温度、温度変化値、或は、電圧、電圧変化値を
監視するだけでは充電の完了を検出することができな
い。このため、マップ内の領域の動きに基づいて充電の
完了を検出する。
【0023】ここで、充電を行っている最中は、温度及
び温度上昇値の変化に基づき、一見ランダムに領域を移
動して行く。即ち、満充電になる以前は、温度が高くな
り、或は、温度上昇が大きくなり、充電電流の相対的に
小さな領域が選択されると、即ち、図5に示すマップの
右下側の領域が選択された後は、電流の減少により、温
度上昇が小さくなり、図中のマップで、上側の領域に該
当するようになる。
【0024】しかしながら、満充電に近づくと、ニッケ
ル水素電池の特性により、温度上昇値が大きくなってい
く。即ち、温度上昇が大きいことにより図中のマップ
で、下側の領域が選択され、相対的に小さな電流で充電
されていても、温度上昇が大きいままになる。この原理
から、本実施態様の充電装置では、所定周期(例えば、
数100秒毎)で測定を行い、継続して(例えば3
回)、図中のマップでハッチングで示す温度上昇が大き
い際の領域I31、I32、I33、I34、I35及び温度が高
く温度上昇が中程度の際の領域I25に属する際には、充
電が完了したと判断して、充電を停止する。
【0025】第1実施態様の充電装置は、該マップを電
池種類(即ち、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム
電池)と電池電圧(即ち、14.4V、12V、9.6
V)とに応じて6種類備えられている。ここで、ニッケ
ル水素電池は充電時に温度上昇し易い傾向があり、ニッ
ケルカドミウム電池は温度上昇し難い傾向がある。この
ため、1のマップを用いて温度上昇値に基づき両者の充
電電流を制御することは難しい。また、電池電圧(1
4.4V、12V、9.6V)によっても温度上昇の傾
向が異なる。即ち、高電圧の電池パックは、電池セルの
数が多いため、内部で発生した熱が逃げ難く、反対に、
低電圧の電池パックは、電池セルの数が少ないため、熱
の発散が大きく、電圧の異なる電池パックを温度上昇に
基づいて同様に制御することができない。このため、第
1実施形態の充電装置では、電池種類(2種類)及び電
池電圧(3種類)に対応させて6種類のマップM1〜M
6を用意してある。
【0026】この充電装置による充電について図6のグ
ラフを参照して更に詳細に説明する。ここで、図6は、
横軸に充電時間を取り、縦軸に充電電流及び電池温度を
取ってある。図6中には、本実施形態の充電装置と共
に、比較のためニッケル水素電池を1時間充電した場合
の温度上昇と、急速充電した場合の温度上昇とを併せて
示してある。
【0027】従来は、ニッケル水素電池を充電する際に
発熱を避けるため、図中の1点鎖線eに示すように1C
充電、即ち、2AHのニッケル水素電池であれば、2A
の充電電流を流すことにより1時間程度(図中では65
分)かけて充電を行っていた。1C充電の場合には、1
点鎖線fに示すように20°Cで充電を開始し、40°
Cで充電を完了することができる。なお、ニッケル水素
電池の特性から、図中でf’で示す充電完了の寸前(5
5分経過時)から温度の上昇量が増大し、充電を完了し
たf’’で示す時点から更に温度が上昇している(オー
バーシュートfO)。ニッケル水素電池のオーバーシュ
ートは、充電完了時の温度上昇の傾きに依存すると考え
られ、図中でf’−f’’の傾きが小さいときには、オ
ーバーシュートによる温度上昇は小さく、反対に傾きが
大きい、即ち、充電末期に大幅に温度が上昇していると
きにはオーバーシュートによる温度上昇幅が大きい。
【0028】一方、破線cは、従来技術の充電装置によ
り20分程度で充電を完了できるように一定大電流(9
A)で急速充電(4.5C充電)を行った際の電流を示
している。また、破線dは、該急速充電の際のニッケル
水素電池の温度変化を示している。破線dにて示すよう
に20°Cで充電を開始しても、充電完了時にはニッケ
ル水素電池の寿命を縮める70°Cに到達している。
【0029】更に、図中でd’で示す充電完了の寸前
(11分経過時)から温度が急上昇し、これが充電を完
了したd’’まで続いている。このため充電を完了した
時点d’’から更に温度が大幅に上昇し(オーバーシュ
ートdO)、該オーバーシュートdOにより充電完了後も
更に温度が上昇して、温度が80°Cを越え、ニッケル
水素電池の寿命を縮める。なお、このグラフでは、20
°Cから充電を開始し、充電完了時に80°Cに達し、
この間に温度が60°上昇している。このため、例え
ば、充電開始時のニッケル水素電池温度が30°Cであ
れば、60°上昇して電池の性能を大幅に劣化させる9
0°C以上まで温度が上昇することになる。
【0030】実線aは、本発明の第1実施形態に係る充
電装置による充電電流の変化を、実線bは、該充電装置
による充電の際のニッケル水素電池の温度変化を示して
いる。本実施形態の充電装置10は、電池温度が高く且
つ温度上昇が大きい際には、相対的に小さな充電電流を
流し、電池温度が高く且つ温度上昇が小さい際には、中
程度の充電電流を流す。また、電池温度が低く且つ温度
上昇が大きい際には、中程度の充電電流を流し、電池温
度が低く且つ温度上昇が小さい際には、相対的に大きな
充電電流を流す。このように、ニッケル水素電池の温度
と温度上昇値に基づき、電流を調整して行くため、実線
bに示すように20°Cから充電を開始して、50°C
未満の電池寿命に影響を与えない範囲までに温度上昇を
抑えている。即ち、温度が目標温度を越えないように、
かつ、充電時間を短くするため許容し得る最大電流値に
調整している。
【0031】上述したように、充電装置10では、電池
温度及び温度上昇に応じて、充電電流を常に変化させて
いる。即ち、充電初期の電池温度が低く、温度上昇が小
さい間は、大きな電流を流しているが、充電末期の電池
温度が高く且つ温度上昇が大きい際には、相対的に小さ
な充電電流を流すことで、充電完了直前の温度上昇値を
小さくしている。即ち、図中でb’で示す充電完了の寸
前(11分経過時)から充電を完了したb’’で示す時
点までの温度上昇が小さくなっている(温度上昇の勾配
が低い)。このため、充電完了後の温度上昇(オーバー
シュートbO)が小さくなり、1点鎖線fで示した1C
充電の際の温度上昇と同程度(約50°C)に充電中及
び充電完了後の発熱を抑えている。
【0032】上記1点鎖線fで示した1C充電を行った
場合でも、充電開始時の電池温度が高い場合、例えば、
電池温度が30°Cから充電を開始した場合に、30°
上昇して充電完了時に温度が60°Cに達することにな
る。これに対して、本実施形態では、温度に応じて電流
を制限することで、充電完了時の温度を50°Cに止め
ることができる。特に、電動工具の電池の場合、連続し
てモータを大電流で駆動することで容量を使い果たし、
高温度に達した状態で充電が開始される頻度が高い。本
実施形態の充電装置では、かかる高温度のニッケル水素
電池を充電する際にも、電池の温度を目標温度を越えな
いように充電できるため、ニッケル水素電池を長期に渡
り繰り返し使用することが可能である。
【0033】本実施形態の充電装置による具体的な処理
について、上記図5、図6を参照し、図7のフローチャ
ートに沿って説明する。充電回路の2次側制御回路38
(図4参照)は、充電を開始すると所定のサイクル(こ
こでは、説明の便宜上100秒毎とするが、実際には更
に短い10秒以下の周期)で、充電電流の調整及び充電
の完了判断を行う。先ず、電池種類検出回路36からの
出力から電池の種類を判別する(S12)。そして、電
池の電圧を検出する(S14)。電圧の検出は、充電電
流を所定時間(例えば1分)流し、その後に、電圧検出
回路32にて電圧を検出することにより行う。このよう
にして、過放電等で電圧の低下した電池も適切に電圧を
検出する。そして、検出した電池種類、電圧に対応した
マップを選択する(S16)。ここでは、図2(A)に
示す電池パック50A(ニッケル水素電池、14.4
V)が充電装置に装填され、図5中に示すマップM1が
選択されたものとして説明を続ける。
【0034】2次側制御回路38は、引き続き電池パッ
ク50Aのニッケル水素電池の絶対温度Tを入力する
(S18)。次に、入力した絶対温度Tを微分し、電池
の温度変化分dT/dtを算出する(S20)。そし
て、該絶対温度Tと温度変化分dT/dtとに基づき図
5を参照して上述したマップから最適充電電流を選択す
る(S22)。ここでは、サイクル<1>にて示すよう
に絶対温度TがT1〜T2の範囲にあり、温度変化分d
T/dtがX1以下であるため、領域I12が選択され、
図6中の実線a中に示すように4.5C充電(9A)の
相対的に大きな電流が流される。
【0035】その後、2次側制御回路38は、充電末期
領域、即ち、図5中のマップ中でハッチングで示す温度
上昇が大きい際の領域I31、I32、I33、I34、I35及
び温度が高く温度上昇が中程度の際の領域I25へ入った
かを判断する(S24)。ここでは、充電末期領域に入
っていないので(S24がNo)、ステップ18に戻
り、充電電流の制御を続ける。ここで、更に100秒が
経過したサイクル<2>においては、上述したようにサ
イクル<1>にて相対的に大きな電流を流したことで、
温度変化分dT/dtが大きくなり(X1〜X2)、領
域I22が選択され、中程度の電流値(3.5C)が選択
されることになる。サイクル<2>にて中程度の電流が
選択されることで、温度変化分dT/dtがX1以下に
なり、サイクル<3>では、領域I12が選択され、再び
相対的に大きな充電電流が選択される。
【0036】上述したように絶対温度T及び温度変化分
dT/dtに応じて、電流値を変化させながら充電を続
けると、徐々に温度変化分dT/dtが大きくなって行
き、図5中に示すようにサイクル<6>にて、温度変化
分dT/dtがX2を越えて、領域I33に属することに
なる。この際には、上述した充電末期領域(領域I31、
I32、I33、I34、I35、I25)に入ったかのステップ
24の判断がYesとなり、充電末期領域に入る確率が
高いかを判断する(S26)。即ち、連続して3サイク
ル、上述した充電末期領域に入っていると、充電末期領
域に入る確率が高いと判断する。ここでは、当該サイク
ル<6>において電流値を絞ることで次のサイクル<7
>が、絶対温度TがT2〜T3で、温度変化分dT/d
tがX1〜X2まで下がることで、領域I23に属するこ
とになっているため、ステップ26の充電末期領域に入
る確率が高いかの判断がLow側になり、ステップ30
を経て、充電電流を増減させながら充電を継続する。
【0037】一方、サイクル<13>にて、充電末期領
域に属する領域I25へ入ると、次のサイクル<14>で
も充電末期領域に属する領域I35に入り、また、更に次
のサイクル<15>でも充電末期領域に属する領域I35
に入る。このように3回続けて充電末期領域に属する領
域に入ると、充電末期領域に入る確率が高いかのステッ
プ26の判断がHigh側になり、充電を完了して(S
28)、全ての処理を終了する。
【0038】上述した例では、説明の便宜上サイクルタ
イムを100秒として説明したため、3回連続して充電
末期領域に入った際に確率が高いと判断したが、サイク
ルタイムを更に短くする場合には、種々の方法で充電末
期領域に入る確率が高いと判断することができる。例え
ば、10秒のサイクルで、10サイクル中8回充電末期
領域に入った際に確率が高いと判断したり、或いは、1
0サイクル中8回充電末期領域に入った際、及び、5サ
イクル続けて充電末期領域に入った際に確率が高いと判
断することができる。
【0039】上述したようにニッケルカドミウム電池を
充電する従来技術の充電装置では、電流値を一定にし、
温度、温度変化、電圧、電圧変化のいずれか1以上を監
視することで充電完了を検出していた。しかし、ニッケ
ル水素電池は、充電時の発熱が大きいため、上記従来技
術の方法では、過充電することなく、100%急速充電
(20分程度)させることが困難であった。これに対し
て、本実施形態の充電装置では、電池種類、電池電圧に
応じて上述したように充電電流を絞りながら絶対温度T
及び温度変化分dT/dtを連続的に監視するため、ニ
ッケル水素電池を過充電することなく100%充電を行
うことが可能になり、また、ニッケルカドミウム電池を
短時間で充電することができる。
【0040】即ち、第1実施態様の充電装置では、電池
の種類に応じて温度上昇を抑えながら充電し得る許容電
流値を、電池の温度値と電池の温度上昇値とに基づきマ
ッピングしたマップを電池の種類に応じて用いる。即
ち、電池の温度と温度上昇値から当該種類の電池用マッ
プを検索し、電池の温度上昇を抑えながら充電し得る許
容電流値を求め、該許容電流値にて電池を充電する。こ
のため、充電時に温度が上昇し易いニッケル水素電池
を、温度上昇による劣化を生じせしめることなく短時間
で充電することが可能になる。また、充電完了の直前
は、ニッケル水素電池の温度上昇が大きくなり、相対的
に小さな電流値にて充電を行うため、充電完了後の「オ
ーバシュート」を抑制することができる。更に、温度上
昇の相対的に小さなニッケルカドミウム電池には、大電
流を流すことで短時間で充電を完了できる。
【0041】特に、充電の完了を、温度上昇値が相対的
に大きく、マップから相対的に小さな許容電流値が出力
される頻度が高いか否かに基づき判断、即ち、温度上昇
が大きく、充電電流値を小さくしてもなお温度上昇が大
きいか否かにより電池種類及び電圧に対応させたマップ
を用い判断するため、電池の種類及び電圧に関わらず、
過充電することなく100%充電を行うことが可能とな
る。
【0042】即ち、ニッケル水素電池は充電時に温度が
上昇し易く、電池パック内の電池セルの数の多い高い電
圧用のものは、内部に熱が溜まり易く、反対に、電池パ
ック内の電池セルの数の少ない低電圧用のものは、内部
の熱が逃げ易く、同様には充電することが困難である。
このため、第1実施形態の充電装置では、電池種類及び
電圧に対応させたマップを用いることで、いずれの電池
も温度上昇による性能劣化を生じせしめることなく短時
間で充電することが可能になる。
【0043】引き続き、本発明の第2実施態様に係る充
電装置について、図8〜図10を参照して説明する。上
述した第1実施態様の充電装置では、電池種類及び電池
電圧に対応させてマップを用意した。これに対して、第
2実施形態の充電装置では、電池の残容量毎にマップを
用意している。すなわち、図8に示すように30%残容
量用のマップM11と70%残容量用のマップM12と
の2種類が備えられている。そして、電池容量が50%
以下の場合には、30%残容量用のマップM11が用い
られ、50%を越える場合には70%残容量のマップM
12が用いられる。
【0044】図9は、第2実施態様の充電装置及び電池
パック50Cを示している。該電池パック50Cは、ニ
ッケル水素電池(図示せず)を備え、充電時に該ニッケ
ル水素電池の充電電流を積算すると共に、電動工具(図
3参照)に装填された際に使用電流を減算することで残
容量を積算する残容量積算回路52と、該残容量積算回
路52による残容量を充電装置側へ送信する通信回路5
4とを備えている。この充電装置側の回路構成は、図4
を参照して上述した第1実施態様と同様であるため、説
明を省略する。
【0045】引き続き、第2実施態様に係る充電装置の
2次側制御回路38による処理について、図10を参照
して説明する。充電回路の2次側制御回路38(図9参
照)は、充電を開始すると所定のサイクルで、充電電流
の調整及び充電の完了判断を行う。先ず、電池パック5
0Cの通信回路54に対して、残容量の送信を指令し
(S112)、通信回路54側から送られた残容量を受
信する(S114)。そして、受信した残容量に応じて
図8に示すマップを選択する(S116)。ここでは、
電池パック側から残容量として40%が送られ、これに
応じて図5に示す30%用のマップM11が選択された
ものとする。その後、該マップM11に基づき充電を行
う(S118〜130)。このS118〜S130の処
理は、図7を参照して上述した第1実施態様のS18〜
S30までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0046】第2実施態様の充電装置では、電池の温度
上昇を抑えながら充電し得る許容電流値を、電池の温度
値と電池の温度上昇値とに基づきマッピングしたマップ
を電池の残容量に対応させて用いる。即ち、電池の温度
と温度上昇値から電池残容量に対応するマップを検索
し、電池の温度上昇を抑えながら充電し得る許容電流値
を求め、該許容電流値にて電池を充電する。このため、
充電時に温度が上昇し易いニッケル水素電池を、温度上
昇による劣化を生じせしめることなく残容量に応じて短
時間で充電することが可能になる。
【0047】特に、充電の完了を、温度上昇値が相対的
に大きく、残容量に対応させたマップから相対的に小さ
な許容電流値が出力される頻度が高いか否かに基づき判
断、即ち、温度上昇が大きく、充電電流値を小さくして
もなお温度上昇が大きいか否かにより判断するため、電
池の残容量に応じて、過充電することなく100%充電
を行うことが可能となる。更に、残容量の大きいときの
マップは、実質上マップの分解能が上がる、即ち、70
%残容量のマップM12は、30%残容量のマップM1
1に比べて、少ない容量値(残り30%)に対応するよ
うにマッピングされており分解能が実質的に高いため、
100%までの充電検出精度が上昇する。
【0048】引き続き、本発明の第3実施態様に係る充
電装置について、図11〜図13を参照して説明する。
上述した第1実施態様の充電装置では、電池種類及び電
池電圧に対応させてマップを用意した。これに対して、
第3実施形態の充電装置では、充電時の環境温度に対応
させてマップを用意している。すなわち、図11に示す
ように低温用のマップM21と高温用のマップM22と
の2種類が備えられている。そして、環境温度(充電装
置の配設されている場所の外気温度)が25゜C未満の
場合には、低温用のマップM21が用いられ、25゜C
以上の場合には高温用のマップM22が用いられる。即
ち、本実施態様では、電池温度を検出して充電電流を決
定するが、環境温度により電池の冷却の仕方が異なり、
1のマップでは、適切に充電量を制御できない場合もあ
り得るため、マップを高温用と低温用の2枚用意する。
【0049】この低温用マップM21と高温用マップM
22との内容について、図12を参照して更に詳細に説
明する。図12(A)は、低温用マップM21の内容を
示している。図11中のマップの領域、例えば、I11の
領域が、図12(A)中のI11の領域に相当している。
環境温度が低く且つ電池温度が高い場合には、電池が冷
却され易く、測定される温度上昇値dT/dtが小さく
なる。このため、図12(A)中のマップ右上側の高い
絶対温度で小さい温度上昇値の領域は、絶対温度T側の
分解能を上げる(即ち、図中のI15、I16、I25、I26
等の領域の横幅を狭め)、また、温度上昇値dT/dt
側の分解能を上げる(即ち、図中のI15、I16、I25、
I26等の領域の縦幅を狭める)。且つ、右側の充電末期
領域(即ち、図中のI45、I46、I55、I56、I65、I
66等の領域)の幅を広げることで、低温時に最適な充電
完了判断を行い得るようにしている。
【0050】12(B)は、高温用マップM22の内容
を示している。環境温度が高く且つ電池温度が低いとき
に、電池が外気により冷却されないため、測定される温
度上昇値dT/dtが大きくなる。そこで、マップ左下
側(即ち、図中のI41、I42、I51、I52、I61、I62
等の領域の縦幅を狭め)の分解能を上げ、且つ、充電末
期領域の幅を狭め、高温時に最適な充電完了判断を行い
得るように設定してある。
【0051】図13は、第3実施態様の充電装置を示し
ている。該充電装置には、環境温度検出用の環境温度検
出回路43が備えられ、検出した温度を2次側制御回路
38側へ出力するように構成されてる。この充電装置側
の他の回路構成は、図4を参照して上述した第1実施態
様と同様であるため、説明を省略する。
【0052】引き続き、第3実施態様に係る充電装置の
2次側制御回路38による処理について、図14を参照
して説明する。充電回路の2次側制御回路38(図13
参照)は、充電を開始すると所定のサイクルで、充電電
流の調整及び充電の完了判断を行う。先ず、環境温度を
入力し(S214)、入力した環境温度に適応したマッ
プを選択する(S216)。ここでは、環境温度として
30゜Cが検出され、これに応じて図11に示す高温度
用のマップM22が選択されたものとする。その後、該
マップM22に基づき充電を行う(S218〜23
0)。このS218〜S230の処理は、図7を参照し
て上述した第1実施態様のS18〜S30までの処理と
同様であるため説明を省略する。
【0053】第3実施形態の充電装置では、電池の温度
上昇を抑えながら充電し得る許容電流値を、電池の温度
値と電池の温度上昇値とに基づきマッピングしたマップ
を環境温度に対応させて用いる。即ち、電池の温度と温
度上昇値からマップを検索し、電池の温度上昇を抑えな
がら充電し得る許容電流値を求め、該許容電流値にて電
池を充電する。ニッケル水素電池は、充電時に温度が上
昇し易く、環境温度により温度上昇の仕方が異なるが、
環境温度に関わらず温度上昇による劣化を生じせしめる
ことなく短時間で充電することが可能になる。
【0054】特に、温度上昇値が相対的に大きく、環境
温度に対応させたマップから相対的に小さな許容電流値
が出力される頻度が高いか否かに基づき充電の完了を判
断、即ち、温度上昇が大きく、充電電流値を小さくして
もなお温度上昇が大きいか否かにより判断するため、環
境温度に影響されず、過充電することなく100%充電
を行うことが可能となる。
【0055】引き続き、本発明の第4実施態様に係る充
電装置について図15〜図20を参照して説明する。上
述した第3実施態様の充電装置では、環境温度に対応さ
せてマップを用意した。これに対して、第4実施態様の
充電装置では、図15に示すように充電装置の温度に対
応させて常温用マップM31(トランス温度60゜C未
満)と高温用マップM32(トランス温度60゜C以
上)とを用意してある。この高温用マップM32は、充
電装置の故障を引き起こさない発熱範囲まで充電電流を
下げ、即ち、最大限許容される電流が設定してある。こ
こで、従来技術に係る充電装置では、電源回路を廉価に
構成するため、電池を2個程度連続して充電し得る程度
の充電容量を備えていた。従って、3個以上の電池を連
続して充電する際には、保護装置が働き、充電電流を極
端に低下させていた。このため、連続して充電を行うと
3個めから充電時間が非常に長くなっていた。これに対
して、第4実施態様の充電装置では、充電装置の温度を
対応させたマップを用いることで、充電装置の温度が上
昇する際には、該マップに基づき充電装置の故障を引き
起こさない発熱範囲まで充電電流を下げ、即ち、最大限
許容される電流を流すことで、3本目以降の電池も短時
間で充電する。
【0056】また、上述した第1実施態様の充電装置で
は、ニッケル水素電池用のマップとニッケルカドミウム
電池用のマップとを別々に用意した。これに対して、第
4実施態様の充電装置では、図15に示す常温用マップ
M31及び高温用マップM32がいずれもニッケル水素
電池用にマッピングされており、このニッケル水素電池
用のマップを用い、ニッケル水素電池(電池パック50
A)を充電すると共に、ニッケルカドミウム電池(電池
パック50B)をも充電する。このニッケルカドミウム
電池に対しては、入力及び出力を補正することで、該ニ
ッケル水素電池用マップを用いて適切に充電を行う。
【0057】更に、この第4実施態様の充電装置では、
充電完了を判断する際に、マップの領域に重み付けをし
てある。即ち、第1〜第3実施態様の充電装置では、図
5,図8、図11中のハッチングで示す充電完了時に発
生し易い領域に入った回数を単純に加算した。これに対
して、第4実施態様の充電装置は、充電完了の初期に発
生し易い領域I42、I43、I34、I35、I36へ入った際
に、”1”を加算し、充電完了の中期に発生し易い領域
I51、I52、I53、I44、I45、I46、I54、I55、I
56へ入った際に、”2”を加算し、充電完了の末期に発
生し易い領域I61、I62、I63、I64、I65、I66へに
入った際に、”3”を加算することで、更に正確に目標
容量まで充電できたことを検出する。
【0058】更に、この第4実施態様の充電装置は、マ
ップを用いて充電の完了を判断するのに加えて、電池の
絶対温度、温度上昇値、充電末期に発生する電圧降下、
充電電流の積算値に基づいて充電を停止する。
【0059】図16は、第4実施態様の充電装置を示し
ている。該充電装置には、トランス26の温度検出用の
トランス温度検出回路42が備えられ、検出した温度を
2次側制御回路38側へ出力するように構成されてい
る。この充電装置側の他の回路構成は、図4を参照して
上述した第1実施態様と同様であるため、説明を省略す
る。なお、ここで装置温度としてトランス26の温度を
検出するのは、スイッチング素子24等でもトランスと
同様に発熱するが、該スイッチング素子を構成する半導
体素子は相対的に熱に強いのに対して、トランス26は
100゜C以上になると巻線の絶縁劣化等が発生する、
充電装置中で1番熱に弱い部品だからである。
【0060】引き続き、第4実施態様に係る充電装置の
2次側制御回路38による処理について、図17及び図
18を参照して説明する。充電回路の2次側制御回路3
8は、充電を開始すると所定のサイクルで、充電電流の
調整及び充電の完了判断を行う。先ず、トランス温度を
入力し(S312)、トランス温度が常温(60゜C未
満)かを判断する(S314)。ここで、入力した温度
が常温(60゜C未満)の時には、図15を参照して上
述した常温用マップM31を選択する(S316)。他
方、入力した温度が常温(60゜C)以上の時には、高
温用マップM32を選択する(S318)。ここでは、
トランス温度として55゜Cが検出され、これに応じて
常温用のマップM31が選択されたものとする。
【0061】その後、2次側制御回路38は、電池温度
を検出する(S320)。そして、電池温度が予め設定
された電池の絶対温度To(安全温度)を越えるかを判
断する(S322)。ここで、電池温度が設定された絶
対温度Toを越える際には(S322がYes)、直ち
に充電を完了する(図18中のS370)。即ち、温度
が異常に上昇した電池は、充電完了と判断することで、
電池に異常のある際には充電を直ちに停止する。
【0062】他方、電池温度が絶対温度Toを越えない
際には(S322がNo)、前回検出した温度との差分
から電池温度変化分dT/dtを検出(算出)する(S
324)。そして、電池温度変化分dT/dtが予め設
定された電池の電池温度変化分dTc/dtを越えるか
を判断する(S326)。ここで、電池温度が設定され
た絶対温度電池温度変化分dTc/dtを越える際には
(S326がYes)、直ちに充電を完了する(S37
0)。即ち、寿命となった電池を充電する場合には、充
電を行うと温度上昇が著しいため、温度上昇率の非常に
高い場合には充電完了(充電不能)と判断することで、
長時間充電を続けることなく直ちに、係る電池の充電を
停止する。
【0063】他方、電池温度変化分dT/dtが予め設
定された電池温度変化分dTc/dtを越えない際には
(S326がNo)、装填された電池パックの種類を判
別する(S328)。ここで、ニッケル水素電池の電池
パック50Aが検出された際には、図15を参照して上
述したニッケル水素電池に対応させた常温用マップM3
1を検索する(S330)。他方、ニッケルカドミウム
電池用の電池パック50Bが検索された際には、検出し
た電池温度変化分dT/dtを補正、ここでは、dT/
dtを110%まで増大させ(S332)、上述したニ
ッケル水素電池に対応させたマップM31を検索する
(S330)。なお、入力を補正するのは、ニッケルカ
ドミウム電池は、ニッケル水素電池よりも発熱が低く、
相対的に大きな電流を流し得るため、ニッケル水素電池
用マップを用いて大きな電流値を設定できるように入力
値を大きくする。
【0064】引き続き、充電が完了したかを判断するた
め、図15に示す充電末期領域に属するかを判断する。
ここで、電池温度及び電池温度変化値が充電末期を示す
領域に属さないときには(S334,S338,S34
0がout)、充電完了判断用の積算値であるカウンタ
値を0にリセットする(S346)。他方、電池温度及
び電池温度変化値が、充電完了の初期に発生し易い領域
(充電末期領域(1))I42、I43、I34、I35、I36に
入った際に(S334がIn)、カウンタに“1”を加
算する(S336)。また、充電完了の中期に発生し易
い領域(充電末期領域(2))I51、I52、I53、I44、
I45、I46、I54、I55、I56に入った際に(S338
がIn)、“2”を加算する(S342)。更に、充電
完了の末期に発生し易い領域(充電末期領域(3))I6
1、I62、I63、I64、I65、I66に入った際に(S3
40がIn)、“3”を加算する(S344)。そし
て、カウント値の合計が予め設定された値(例えば1
0)を越えるかを判断する(S348)。ここで、連続
して上記充電末期領域に入りカウント値が設定値を越え
る場合には(S348がHigh)、充電完了として直
ちに電流を停止する(S370)。
【0065】他方、カウント値が設定値を越えない場合
には(S348がLow)、充電を継続するため、上述
したステップ330にてマップを検索した値を充電電流
として決定する(図18に示すS352)。その後、装
填されている電池がニッケル水素電池かニッケルカドミ
ウム電池かを判断する(S354)。ここで、ニッケル
水素電池が装填されている場合には(S354がNi−
NH)、2次側制御回路38は、上記ステップ352に
て決定した電流値を1次側制御回路38へ出力する(S
357)。他方、ニッケルカドミウム電池が装填されて
いる場合には(S354がNi−Cd)、上記ステップ
352にて決定した電流値を補正(110%に増大)さ
せ(S356)、この値を1次側制御回路38へ出力す
る(S357)。ここで、出力を補正するのは、ニッケ
ルカドミウム電池は、ニッケル水素電池よりも発熱が低
く、相対的に大きな電流を流し得るため、ニッケル水素
電池用マップを用いて大きな電流値を設定できるように
出力を大きくしている。
【0066】その後、充電完了を電池電圧の低下に基づ
き判断するため、連続して同じ電流値を出力しているか
を判断する(S358)。即ち、電圧に基づき充電完了
を判断する際に、充電電流を変化させていては(例え
ば、10Aから5Aに電流を下げた際)、適切な判断を
行い得ないためである。ここで、電流を変化させている
際には(S358がNo)、ステップ364へ進む。他
方、連続して同じ電流値を出力しているときには(S3
58がYes)、電池電圧の変化分を検出し(S36
0)、変化分が充電完了時に発生する電圧降下(−Δ
V)よりも大きいかを判断する(S362)。ここで、
変化分が大きい際には(S362がYes)、充電を停
止する(S370)。他方、変化分が小さいときには
(S362がNo)、ステップ364へ移行する。
【0067】本実施形態の充電装置では、ステップ35
8〜ステップ362にて、電池電圧に基づき充電の完了
を判断している。この理由は、環境温度が低い際は、電
池が冷却されるため電池温度の上昇値の検出が困難にな
ることがあり、また、長期保管された電池も通常の電池
の異なる温度変化パターンを有する。このため、所定以
上の電圧降下が検出された際には、充電完了と判断する
ことで、特殊な環境下でも長時間充電を続けることなく
電池の充電を停止する。
【0068】この環境温度が低い際の温度変化と電圧と
の関係を図19のグラフを参照して更に詳細に説明す
る。図19中では、横軸に時間を取り、縦軸に電圧、電
池温度、充電電流の変化を示す。ここで、時間t1〜t
2までは、充電電流が変化しているため(S358がN
o)、充電完了は判断しない。そして、時間t2以降
は、電流が切り替わらないため、時間t3から充電完了
の判断を開始する(S358がYes)。上述したよう
に環境温度が低く、且つ、電池温度と環境温度との差が
大きいときには、図中のFで指示した範囲において、電
池は冷却され、温度の上昇分が検出し難くなる。このた
め、時間t4にて電圧降下(−ΔV)が検出された際に
は、充電完了と判断することで係る状況下でも過充電を
未然に防ぐ。
【0069】引き続き図18を参照し2次側制御回路3
8による処理の説明を続ける。ステップ364では、充
電電流に充電時間を掛けた値を積算し、充電量を算出す
る(S364)。そして、算出して充電量が、電池の最
大許容充電量を越えるかを判断する(S366)。ここ
で、充電量が最大許容充電量を越える場合には(S36
6がYes)、直ちに充電を完了する(S370)。他
方、充電量が最大許容充電量を越えない際には(S36
6がNo)、充電を続行する(S368)。ここで、第
4実施形態の充電装置では、種々の原因でマップに基づ
き充電の完了が適切に検出できないこともあり得るが、
積算値が所定値を越えた際に、充電完了と判断すること
で、電池の充電を確実に停止する。
【0070】第4実施形態の充電装置では、上述したよ
うに充電の完了を重み付けしたマップに基づき判断する
ため、より正確に目標容量まで充電することができる。
このことを、第1実施形態の充電装置(重み付けなし)
による充電完了の判断と、該第4実施形態の充電装置
(重み付け有り)による充電完了の判断とを比較した結
果を示す図20のグラフを参照して説明する。
【0071】図20中の(A)及び(B)は、第4実施
形態の充電装置(重み付け有り)による充電完了の判断
を行った電池パックを示し、(C)、(D)は、第1実
施形態の充電装置(重み付けなし)による充電完了の判
断を行った電池パックを示している。(A)は、横軸に
充電開始時の電池パックの温度(−5°C〜45°C)
を、縦軸に目標充電容量(例えば3AH)に対するパー
セントを示している。ここでは、(A)の試験(重み付
け有り)では、21個の種々の電池パックに対して試験
を行い、(C)の試験(重み付け無し)では、17個の
種々の電池パックに対して試験を行った。一方、(B)
は、(A)の結果を棒グラフにし、(D)は、(C)の
結果を棒グラフにして表している。即ち、(B)、
(D)では、横軸に目標充電容量に対するパーセント
を、縦軸に個数を示している。(B)中から分かるよう
に重み付け有りの場合には、100%以上、即ち、過充
電を行うことなく、90%〜95%に充電できている。
これに対して、(D)から分かるように重み付け無しの
場合には、100%以上の過充電を行うことがあり、ま
た、充電量にもバラツキがでている。
【0072】第4実施形態の充電装置では、温度上昇が
大きく、充電電流値を小さくしてもなお温度上昇が大き
い際には、高いカウント値を加え、温度上昇が大きくて
も、充電電流値を小さくすれば温度上昇があまり大きく
ならない際には、低いカウント値を加えるため、電池の
残量、温度等に影響されず、過充電することなく100
%充電を行うことが可能となる。特に、マップの設定次
第で、100%に限らず、85%±5%、95%±5%
の様に設定した容量値を自在に検出することが可能とな
る。
【0073】第4実施形態の充電装置では、ニッケル水
素電池の温度上昇を抑えながら充電し得る許容電流値
を、電池の温度値と電池の温度上昇値とに基づきマッピ
ングしたマップを用いる。ここで、ニッケル水素電池に
対しては、該マップを検索し許容電流値を求めて充電を
行う。他方、ニッケルカドミウム電池に対しては、電池
温度上昇値を補正(温度値を補正することも可能であ
る)してニッケル水素電池用マップを検索して許容電流
値を求め、求めた許容電流値を補正し充電を行う。この
ため、1つのマップでニッケル水素電池及びニッケルカ
ドミウム電池を共に温度上昇による劣化を生じせしめる
ことなく短時間で充電することが可能になる。
【0074】特に、充電の完了をマップに基づき判断す
る。ニッケル水素電池に対しては、マップを直接検索
し、ニッケルカドミウム電池に対しては、電池温度上昇
値を補正してニッケル水素電池用のマップを検索し、充
電の完了を判断する。このため、1つのマップでニッケ
ル水素電池及びニッケルカドミウム電池を、電池の残
量、温度等に影響されず、過充電することなく100%
充電を行うことが可能となる。
【0075】上述した実施形態の充電装置では、充電時
に温度が上昇し易く、温度上昇による劣化の生じ易いニ
ッケル水素電池のマップが設定してあるため、ニッケル
水素電池に対して最適な充電電流制御を行える。ここ
で、ニッケルカドミウム電池用のマップを用意し、ニッ
ケル水素電池に対応することもできる。この場合には、
ニッケル水素電池に対して、検出した温度値を補正し
(マップを検索する際の入力値を90%程度まで下
げ)、また、マップと検索した出力電流値を補正する
(電流値を90%程度まで下げる)ことで対応できる。
この場合には、充電時に温度が上昇し難いニッケルカド
ミウム電池のマップが設定することで、ニッケルカドミ
ウム電池に対して最適な充電電流制御を行える。なお、
本実施形態の充電装置では、1のマップで2種類の特性
の電池に対応させる例を挙げたが、1のマップで3種類
以上の電池に対応させることも可能である。
【0076】引き続き、本発明の第5実施態様に係る充
電装置について、図21〜図24を参照して説明する。
上述した第1実施態様の充電装置では、電池種類及び電
池電圧に対応させてマップを用意した。これに対して、
第5実施形態の充電装置では、図22に示すように通常
モードの充電用のマップM41と共に、急速充電モード
用のマップM42を用意している。
【0077】図21は、第5実施形態の充電装置の外観
を示している。この充電装置は、図1を参照して上述し
た第1実施形態の充電装置とほぼ同様である。但し、第
5実施形態の充電装置には、上述した充電マップを切り
替えるための切替スイッチ19が配設されている。
【0078】図23は、第5実施形態の充電装置の回路
構成を示している。この充電装置は、図4を参照して上
述した第1実施形態の充電装置とほぼ同様である。但
し、第5実施形態の充電装置には、上述した切替スイッ
チ19の切り替えに応じて2次側制御回路38が充電マ
ップを切り替えるように構成されている。
【0079】この第5実施形態の充電装置では、通常時
には通常モード用マップM41が選択されている。ここ
で、該通常モードが選択されているときには、電池寿命
を延ばすように温度上昇を避けて充電を行い、90%の
容量まで充電できた際に充電を停止する。即ち、100
%近くまで充電すると、電池内部の圧力が上昇し電池寿
命を縮めるからである。一方、操作者により、切替スイ
ッチ19が押圧された際には、急速充電モード用マップ
M52が選択される。この場合には、温度上昇を避けな
がら急速充電を行い、100%の容量まで充電できた際
に充電を停止する。
【0080】この第5実施態様に係る充電装置の2次側
制御回路38による処理について、図24を参照して説
明する。充電回路の2次側制御回路38(図13参照)
は、充電を開始すると所定のサイクルで、充電電流の調
整及び充電の完了判断を行う。先ず、選択されたモード
を入力し(S414)、入力したモードに適応したマッ
プを選択する(S416)。ここでは、図22に示す急
速充電モードのマップM42が選択されたものとする。
その後、該マップM42に基づき充電を行う(S418
〜430)。このS418〜S430の処理は、図7を
参照して上述した第1実施態様のS18〜S30までの
処理と同様であるため説明を省略する。
【0081】第5実施形態の充電装置では、高い目標充
電容量の設定された急速充電モード用マップM42が選
択された際には、当該高い目標充電容量まで、充電時に
温度が上昇し易いニッケル水素電池を、温度上昇による
劣化を生じせしめない範囲で短時間充電することができ
る。他方、小さな目標充電容量の設定された通常モード
のマップが選択された際には、満充電以前に充電を停止
することで、過充電により寿命劣化し易いニッケル水素
電池の寿命を延ばし、長期に渡って繰り返し使用するこ
とを可能にする。
【0082】引き続き、本発明の第6実施態様に係る充
電装置について、図25〜図29を参照して説明する。
上述した第1〜第5実施態様の充電装置では、マップを
用いて目標容量まで充電を行った。これに対して、第6
実施形態の充電装置では、第1〜第5実施形態の充電装
置にて充電を完了した後、マップを用いて僅かに電流を
流すことで補充電またはトリクル充電を行う。
【0083】従来技術の充電装置では、補充電又はトリ
クル充電を行う際には、パルス状に電流を加えていた。
即ち、少ない電流量を継続して流しても、高容量に達し
た電池を効率的に充電し得ないため、パルス状、即ち、
瞬時的に大きな電流を流すことで、等価的に小さい平均
電流で補充電又はトリクル充電を行っていた。ここで、
補充電の際のパルス周期は一定であった。これに対し
て、第6実施形態の充電装置では、電池温度及び電池温
度の変化分を検出し、パルス状に印加する電流量を変化
させながら、パルスの周期を変化させることで一定の平
均電流を流す。
【0084】充電電流を一定に保ち補充電又はトリクル
充電を行う際に、パルス周期を短くすれば、電池の温度
降下は小さくなる。反対に、パルス周期を長くすれば、
温度降下は大きくなる。即ち、パルス周期を長くするこ
とで、電池温度を下げ得るように判断できるが、パルス
周期を長くすると、充電を行わない休止期間が長くな
り、休止期間中に自己放電が続き、休止期間の末期であ
る、次のパルス状充電の直前には容量が低下することに
なり、このタイミングで電池パックを外すと、容量が相
対的に低くなり補充電、トリクル充電の目的を十分に果
たしえなくなる。
【0085】このため、第6実施形態の充電装置では、
電池の状態を絶対温度と温度下降値とに基づき判別し、
電池の温度を下降させつつ流し得る短い周期、即ち、電
池の状態に応じて、パルス周期を変えながら充電を行
う。
【0086】ここでは、平均の充電電流を一定に保ち、
パルス周期を変えて行く。即ち、図27中に示すように
補充電では、0.1C程度、トリクル充電では0.02
C程度の電流IAを平均して流すが、電池温度が高いと
きには、相対的に大きなパルス状充電電流I1を長い周
期TOFF1で流し、反対に、温度が低いときには、相対的
に小さなパルス状充電電流I2を短い周期TOFF2で流
す。また、温度降下が小さいときには、相対的に大きな
パルス状充電電流を長い周期で流し、反対に、温度降下
が大きいときには、相対的に小さなパルス状充電電流を
短い周期で流す。
【0087】図25に示したマップM51は、上記電流
の可変制御を行うためのもので、横側に電池の絶対温度
Tを取り、縦側に温度変化分dT/dtを取って、温度
を下降させつつ流し得る最適なパルス周期を規定したも
のである。即ち、電池温度が高く且つ温度下降が小さい
際には(マップ右下側)、相対的に長い周期のパルス電
流を流し、電池温度が高く且つ温度下降が大きい際には
(マップ右上側)、中程度の周期のパルス状充電電流を
流す。また、電池温度が低く且つ温度下降が小さい際に
は(マップ左下側)、中程度の周期のパルス充電電流を
流し、電池温度が低く且つ温度下降が大きい際には(マ
ップ左上側)、相対的に短い周期のパルス状充電電流を
流すように設定されている。
【0088】第6実施態様に係る充電装置の2次側制御
回路38による処理について、図26を参照して説明す
る。充電回路の2次側制御回路38(図23参照)は、
充電を開始すると所定のサイクルで、充電電流の調整及
び充電の完了判断を行う。先ず、電池の絶対温度Tを入
力する(S512)。次に、入力した絶対温度Tを微分
し、電池の温度変化分dT/dtを算出する(S51
4)。その後、図25を参照して上述したマップM51
を検出し(S516)、電流値(パルス状電流の波高
値)及び休止時間(パルス周期)を決定する(S51
8)。そして、決定した電流値の電流を流し(S52
0)、決定したパルス周期だけ休止し(S522)、休
止時間が設定時間を越えると(S524がNo)、ステ
ップ512へ戻り充電を続ける。
【0089】この第6実施形態の充電装置による補充電
(0.1C)と、従来技術の充電装置による補充電
(0.1C)と比較した試験結果について図28のグラ
フを参照して説明する。図中で、横軸は時間を表し、縦
軸は電池温度及び充電電流を示している。図中でGで示
すように本実施形態の充電装置では、充電電流の周期を
電池温度に応じて変化させている(平均電流0.1
C)。これに対して、従来技術の充電装置では、破線H
で示すように一定周期でパルス状電流を印加している
(平均電流0.1C)。本実施形態の充電装置は、図中
実線Eで示すように効率的に降下させてある。これに対
して、従来技術の充電装置では、破線Fで示すように温
度が下がり難くなっている。
【0090】第6実施形態の充電装置では、電池の温度
値と電池の温度下降値とに基づきマッピングしたマップ
を用いて、電池の温度を下げながら補充電し得るように
パルス状の電流値及びパルス間隔を制御する。即ち、電
池温度が高く、かつ、温度降下の少ない際には、許容電
流値を大きく且つパルス間隔を長くし、電池の温度を早
く下げることで、効率的に充電を行う。他方、電池温度
が低く、或いは、温度降下が大きい際には、許容電流値
を小さく且つパルス間隔を短くすることで、常に100
%充電の状態を維持する。即ち、パルス周期を長くする
と、充電を行わない休止期間が長くなり、休止期間中に
自己放電が続き、休止期間の末期である、次のパルス状
充電の直前には容量が低下することになり、このタイミ
ングで電池パックを外すと、容量が相対的に低くなっ
た。これに対して、本実施形態では、パルス周期を短く
するため、休止期間中の自己放電量が小さくなり、常に
高い容量に電池を維持させることができる。
【0091】また、第6実施形態の充電装置は、トリク
ル充電、補充電のみならず、使用後に高温となった電池
を充電する際に、電池温度が許容温度に下がるまで充電
を行わない待機状態中にも利用できる。
【0092】なお、第1〜第6実施形態の充電装置を別
々の態様として述べたが、これらを適宜組み合わせ得る
ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る充電装置の斜視図
である。
【図2】図2(A)及び図2(B)は、本発明の第1実
施形態に係る電池パックの斜視図である。
【図3】図2(A)、図2(B)に示す電池パックを用
いる電池ドリルの正面図である。
【図4】図1に示す充電装置の充電回路を示すブロック
図である。
【図5】第1実施態様の充電回路に保持されているマッ
プの内容を示す説明図である。
【図6】第1実施態様の充電回路により制御される充電
電流及び電池温度の変化を示すグラフである。
【図7】第1実施態様の充電回路による処理を示すフロ
ーチャートである。
【図8】第2実施態様の充電回路に保持されているマッ
プの内容を示す説明図である。
【図9】第2実施態様の充電装置の充電回路を示すブロ
ック図である。
【図10】第2実施態様の充電回路による処理を示すフ
ローチャートである。
【図11】第3実施態様の充電回路に保持されているマ
ップの内容を示す説明図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、図11に
示すマップの内容を示す説明図である。
【図13】第3実施態様の充電装置の充電回路を示すブ
ロック図である。
【図14】第3実施態様の充電回路による処理を示すフ
ローチャートである。
【図15】第4実施態様に係る充電装置に保持されてい
るマップの内容を示す説明図である。
【図16】第4実施態様の充電装置の充電回路を示すブ
ロック図である。
【図17】第4実施態様の充電回路による処理の前半部
分を示すフローチャートである。
【図18】第4実施態様の充電回路による処理の後半部
分を示すフローチャートである。
【図19】第4実施態様の充電装置による電池電圧、電
池温度、電流の変化を示す波形図である。
【図20】図20(A)及び図20(B)は、第4実施
態様の充電装置による充電試験の結果を示すグラフであ
り、図20(C)及び図20(D)は、第1実施態様の
充電装置による充電試験の結果を示すグラフである。
【図21】本発明の第5実施形態に係る充電装置の斜視
図である。
【図22】第5実施態様の充電回路に保持されているマ
ップの内容を示す説明図である。
【図23】図21に示す充電装置の充電回路を示すブロ
ック図である。
【図24】第5実施態様充電回路による処理を示すフロ
ーチャートである。
【図25】第6実施態様の充電回路に保持されているマ
ップの内容を示す説明図である。
【図26】第6実施態様の充電回路による処理を示すフ
ローチャートである。
【図27】第6実施態様の充電装置による充電電流の大
きさ及び周期を示す波形図である。
【図28】第6実施態様の充電装置による補充電を示す
グラフである。
【符号の説明】
10 充電装置 19 モード切替スイッチ 30 電流検出回路 32 電圧検出回路 34 温度検出回路 38 2次側制御回路 50A 電池パック(ニッケル水素電池) 50B 電池パック(ニッケルカドミウム電池) 50C 電池パック 52 残容量積算回路 54 通信回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電完了後に更に補充電又はトリクル充
    電を行う充電装置であって、 電池の温度を下げながらパルス状に充電し得るパルス状
    の電流値及びパルス間隔を、電池の温度値と、電池の温
    度下降値とに基づきマッピングしたマップを記憶する記
    憶装置と、 現在の電池の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出された温度から温度下降値
    を求める温度下降値出力手段と、 前記温度検出手段により検出された温度と、前記温度下
    降値出力手段から出力された温度下降値とから、前記記
    憶装置のマップを検索し、前記パルス状の電流値及びパ
    ルス間隔を求める許容電流値検索手段と、 前記許容電流検索手段により検索されたパルス状の電流
    及びパルス間隔にて電池を充電完了後に更に補充電又
    はトリクル充電する充電手段とを備えることを特徴とす
    る充電装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶装置のマップが、電池温度が高
    く、かつ、温度降下の少ない際には、パルス状の電流値
    を大きく且つパルス間隔を長く、他方、電池温度が低
    く、又は、温度降下の大きい際には、パルス状の電流値
    を小さく且つパルス間隔を短くするよう設定されている
    ことを特徴とする請求項1の充電装置。
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