JP3390662B2 - コイラの巻取り方法及び巻取り制御装置 - Google Patents

コイラの巻取り方法及び巻取り制御装置

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JP3390662B2
JP3390662B2 JP13304198A JP13304198A JP3390662B2 JP 3390662 B2 JP3390662 B2 JP 3390662B2 JP 13304198 A JP13304198 A JP 13304198A JP 13304198 A JP13304198 A JP 13304198A JP 3390662 B2 JP3390662 B2 JP 3390662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイラの巻取り方
法及び該方法に使用する巻取り制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱間仕上げ圧延機で圧延されたストリッ
プは、ストリップ進行方向最下流側に設けたコイラによ
り巻取られる。
【0003】而して、従来のコイラの一例は図5に示さ
れており、図中、1はダウンコイラである。
【0004】ダウンコイラ1は、図示してない駆動装置
により駆動されてストリップSを巻取るマンドレル2を
備えており、該マンドレル2の外周には、円周方向へ向
って所要の間隔で複数のラッパロール3a,3b,3
c,3dがマンドレル2と平行に配設されている。
【0005】各ラッパロール3a,3b,3c,3d
は、ラッパロール3a〜3dと平行に配置した回転軸4
に枢着されて垂直面内を回動し得るようにしたフレーム
5の先端に回転自在に支持されており(図5ではラッパ
ロール3aについてのみ示す。)、油圧シリンダ6を作
動させることにより、フレーム5を回動させてラッパロ
ール3a,3b,3c,3dをマンドレル2に対し近
接、離反させ得るようになっている。
【0006】又、油圧源7からの作動油はサーボ弁8を
介して油圧シリンダ6のヘッド側室6a或いはロッド側
室6bへ供給し得るようになっており、ロッド側室6b
或いはヘッド側室6aから排出された作動油は、サーボ
弁8を介して油圧源7へ戻り得るようになっている。
【0007】ダウンコイラ1のストリップ進行方向D上
流側には、上ピンチロール9及び下ピンチロール10を
備え、両ピンチロール9,10でストリップSの上下面
を挾持してダウンコイラ1へ送るようにしたピンチロー
ル装置11が配置されている。
【0008】下ピンチロール10の回転軸にはパルス発
生器12が接続され、該パルス発生器12で検出したパ
ルス信号Pはパルスカウンタ13へ与え得るようになっ
ている。
【0009】ピンチロール装置11とマンドレル2との
間には、ストリップSの先端位置を検出するためのスト
リップ先端検出器14が設置されており、ストリップ先
端検出器14が検出したストリップ先端信号E1はパル
スカウンタ13へ与え得るようになっている。
【0010】パルスカウンタ13では、ストリップ先端
検出器14からのストリップ先端信号E1を受けてパル
ス発生器12からのパルス信号Pのカウントを開始し得
るようになっており、パルスカウンタ13でカウントし
たパルス数はトラッキング装置15に与え得るようにな
っている。
【0011】フレーム5の回転軸4には回転角度検出器
16が接続され、回転角度検出器16により検出したフ
レーム5の回転角度信号θはラッパロール制御装置17
へ与え得るようになっており、又トラッキング装置15
からのトラッキング指令信号Tはラッパロール制御装置
17へ与え得るようになっている。
【0012】サーボ弁8から油圧シリンダ6のヘッド側
室6a及びロッド側室6bに至る管路18,19には、
圧力検出器20,21が接続され、圧力検出器20,2
1で検出した作動油の圧力信号P1,P2は、ラッパロ
ール制御装置17へ与え得るようになっている。なお、
図5中、22はピンチロール装置11のストリップ進行
方向D上流側近傍に設置したストリップ尾端検出器であ
る。
【0013】ダウンコイラ1によりストリップSの巻取
りを開始するに際しては、油圧シリンダ6によりフレー
ム5を回動させ、マンドレル2と各ラッパロール3a〜
3dとの間のギャップを位置制御により設定しておく。
【0014】熱間仕上げ圧延機(図示せず)で圧延さ
れ、テーブルローラ(図示せず)上を走行して来たスト
リップSは、ピンチロール装置11の上、下ピンチロー
ル9,10に挾持され、方向を斜め下方へ向うよう変え
られてダウンコイラ1へ向け案内される。
【0015】ストリップSの先端がストリップ先端検出
器14により検知されると、ストリップ先端信号E1が
パルスカウンタ13へ与えられ、その瞬間からパルス発
生器12から送られて来るパルス信号Pをもとにパルス
数をカウントされたパルス信号Pはトラッキング装置1
5へ与えられ、ストリップSの先端位置の追跡が開始さ
れる。
【0016】ダウンコイラ1の進入したストリップS
は、ラッパロール3a,3b,3c,3dとマンドレル
2との間のギャップを通過し、矢印方向へ回転している
マンドレル2に1巻目のストリップSが巻取られる。
【0017】ストリップSの先端が、2巻目以後のスト
リップと重なって、段差部が形成されると、その段差部
とラッパロール3a,3b,3c,3dが衝突して、2
巻目以後のストリップSの裏側に叩き傷(トップマー
ク)が生ずる虞れがある。
【0018】そこで、これを防止するために、トラッキ
ング装置15からのストリップ先端部のトラッキング指
令信号Tをもとに、位置制御によりラッパロール3a,
3b,3c,3dをマンドレル2に巻取られているスト
リップSから離反させ、段差部がラッパロール3a〜3
dを通過したら押付け力一定制御でラッパロール3a〜
3dを巻取られたストリップSに押付ける段差回避制御
(AJC=Automatic Jumping Co
ntrol)を行う。
【0019】段差回避制御を継続してストリップSがマ
ンドレル2に例えば5巻ほど巻取られ、ラッパロール3
a〜3dを開放しても、マンドレル2に巻取られたスト
リップSに巻緩みが生じない状態になると、油圧シリン
ダ6によりフレーム5を回動させてラッパロール3a〜
3dをマンドレル2に巻取られているストリップSから
離反させ、退避させる。
【0020】前述の段差回避制御の際の位置制御は、回
転角度検出器16で検出した回転角度信号θをラッパロ
ール制御装置17へ与え、トラッキング指令信号Tと回
転角度信号θをもとに適宜ラッパロール制御装置17か
らサーボ弁8へサーボ弁開度制御信号Vを与えることに
より行う。
【0021】又、段差回避制御の際の押付け圧力一定制
御は、圧力検出器20,21で検出した圧力信号P1,
P2をラッパロール制御装置17へ与え、トラッキング
指令信号Tと圧力信号P1,P2をもとに適宜ラッパロ
ール制御装置17からサーボ弁8へサーボ弁開度制御信
号Vを与えることにより行う。
【0022】ラッパロール3a〜3dが退避した後は、
図5、6に示すように、ストリップSはピンチロール装
置11とマンドレル2との間で張力を付与された状態で
マンドレル2に巻取られ、コイル23となる。
【0023】ストリップSの巻取りが終了に近付き、ピ
ンチロール装置11を通過する前のストリップSの尾端
がストリップ尾端検出器22により検出されると、検出
されたストリップ尾端信号E2はトラッキング装置15
に与えられ、該トラッキング装置15からの指令信号が
ラッパロール制御装置17に与えられ、例えば図7に示
すごとく2個のラッパロール3a,3cが前述した位置
制御によりコイル23に接近し、コイル23の外周面に
接触する。
【0024】ストリップSの巻取りが終了に近付いた場
合にストリップSの尾端を2個のラッパロール3a,3
cにより押えるのは次のような理由による。すなわち、
ピンチロール装置11を通過したストリップSの尾端は
張力がない状態でマンドレル2に巻取られるため、ラッ
パロール3a,3c等により押えないと、図7に示すご
とくコイル23の回転による遠心力によりコイル23に
巻緩みAが生じるためである。
【0025】そこで、上述のごとく、ラッパロール3
a,3cによりコイル23を押えるが、押えのタイミン
グが正確に行われず、ずれたような場合には、ラッパロ
ール3a,3cで押えたコイル23に上述したごとく巻
緩みAが生じたり、ストリップSが幅方向にずれたりし
て、巻形状の悪化をもたらす。従って巻取り終了時、ラ
ッパロールにより適正な押付け力でストリップSの尾端
をマンドレル2に押し付けることは重要である。
【0026】そこで、ストリップ尾端の巻取り終了時に
ストリップ尾端を適正な力でコイル23に押付けるため
に、シーケンス制御を行っており、そのときの状態は図
9に示されている。
【0027】図9中、は図5のストリップ尾端検出器
22のストリップ尾端信号E2を受けてストリップ尾端
を押える制御を開始する指令信号を表わす線図、はサ
ーボ弁8の開度を示す線図、はラッパロール3a〜3
dの位置を表わす線図、はラッパロール3a〜3dが
マンドレル2に巻取られたコイル23を押付ける押付け
力を示す線図、はラッパロール3a〜3dの位置制御
又は押付け力制御を表わす制御モードの線図である。
【0028】而して、従来のストリップ巻取り方法で
は、線図に示す、ストリップ尾端を押える制御を開始
する指令信号を受けたら、先ず制御モードの線図に示
すように、位置制御にして線図に示すようにサーボ弁
8を一定量開き、線図に示すようにラッパロール3a
〜3dのうち所定のラッパロールをコイル23に近付け
ていく。
【0029】而して、ラッパロールが線図のX部でコ
イル23の外周面に接触すると、押付け力を示す線図
のY部に示すように、ラッパロールとコイルの接触部に
大きな力が発生する。
【0030】そこで、この大きな力を検知しての制御
モードの線図に示すように位置制御から押付け力制御に
切換え、ストリップSをラッパロール3a〜3dのうち
所定の複数のラッパロールにより一定の力でコイル23
に押付ける。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来のストリップ巻取
り方法では、図7に示すように、複数のラッパロール3
a,3cで同時にコイル23を押えるため、コイル23
に巻緩みAが残っている場合には、ラッパロール3a,
3cで押えた部分が抵抗となってその巻緩みAを吸収で
きず、巻緩んだ部分が外側に重なったストリップSに押
え付けられてしわが寄り、傷が生じる、等の問題があっ
た。
【0032】又、図8に示すごとく、巻緩みが残ってい
る状態で、図7に示す場合よりも多数のラッパロール3
a,3b,3cでコイル23を押える場合には、更に巻
緩みの吸収が困難となる。すなわち、ストリップ進行方
向D最上流側から2番目のNo.2のラッパロール3
b、3番目のNo.3のラッパロール3cが緩んでいる
ストリップSを押えていると、ストリップ進行方向D最
上流側の1番目のNo.1のラッパロール3aで押えた
ときに、マンドレル2が先行回転して内側から順次巻緩
みを吸収しようとする働きを妨害する。
【0033】更には、図9の線図に示すごとく、ラッ
パロール3a〜3dがコイル23の外周に接触すると、
線図のY部に示すごとく、大きな力が発生し、この大
きな力の変動に起因してその後の力の変動が押付け力を
示す線図のごとく、継続し、なかなか収斂しないた
め、ラッパロール3a〜3dによるストリップ尾端の押
付けが安定せず、なかなか巻緩みが吸収されないという
問題がある。
【0034】本発明は上述の実情に鑑み、ストリップの
巻取りが終了に近付いたときに、ストリップ尾端をラッ
パロールによりコイルに押付ける際にストリップ尾端の
コイルに対する押付けを安定して行い得るようにするこ
とでコイルに巻緩みが生じることなく確実に巻取り得る
ようにし、又ストリップにコイルの巻緩みに起因するし
わや傷が生じないようにすることを目的としてなしたも
のである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明のコイラの巻取り
方法は、熱間仕上げ圧延機で圧延されたストリップを、
ストリップ進行方向最下流に配置されたコイラにより巻
取るにあたり、ストリップ尾端を巻取る際に、ストリッ
プ尾端の巻緩みを防止すべく、マンドレルの外周に配置
した複数本のラッパロールのうち、ストリップ進行方向
最上流側に位置している第1番目のラッパロールによ
り、マンドレルに巻かれるストリップを数巻にわたりコ
イル外周面に押付け、その後、順次、他のラッパロール
でストリップ尾端を押えながら巻取るものである。
【0036】又、本発明のコイラの巻取り方法は、ラッ
パロールによりストリップをコイル外周面に押付ける際
に、待機位置にあるラッパロールを位置制御でコイル近
傍の所定位置まで前進させ、次いでラッパロールがコイ
ル外周面に接触する前に該ラッパロールを押付け力一定
制御に切換えてストリップ尾端を押えるものである。
【0037】本発明のコイラの巻取り制御装置は、スト
リップ尾端検出器と、該ストリップ尾端検出器からの信
号を受けてマンドレルの周囲に配設した複数のラッパロ
ールを位置制御或いは押付け力一定制御に切換える指令
信号を出力するシーケンス制御装置と、該シーケンス制
御装置からの指令信号を受けて前記ラッパロールをマン
ドレルに対して近接、離反自在に支持する油圧シリンダ
への作動油の流入、流出量を制御するサーボ弁へ制御信
号を送る制御装置とを備え、前記シーケンス制御装置
は、ストリップ尾端検出器からの信号を受けたときに、
ストリップ進行方向最上流側にある第1番目のラッパロ
ールを制御する制御装置へラッパロールをマンドレルに
近接させる指令信号を送り得るようにし、その後、順
次、他のラッパロールでストリップ尾端を押えながら巻
取るように構成した、ものである。
【0038】又、本発明のコイラの巻取り制御装置は、
ストリップ尾端がピンチロール装置を通過するタイミン
グを検出する装置と、該装置の信号を受けてカウントを
開始するタイマを内蔵すると共にマンドレルの周囲に配
設した複数のラッパロールを位置制御或いは押付け力一
定制御に切換える指令信号を出力するシーケンス制御装
置と、該シーケンス制御装置からの指令信号を受けて前
記ラッパロールをマンドレルに対して近接、離反自在に
支持する油圧シリンダへの作動油の流入、流出量を制御
するサーボ弁へ制御信号を送る制御装置とを備え、シー
ケンス制御装置は、内蔵するタイマが、前記ラッパロー
ルが位置制御により前進を開始してからコイルの外周面
に接触するに至るまでの時間よりも短い予め設定された
一定時間をカウントしたとき、制御モードを位置制御か
ら押付け力一定制御に変更する指令信号を前記制御装置
へ送り得るよう構成した、ものである。
【0039】従って、本発明においては、ストリップ尾
端を巻取る際にストリップ進行方向最上流側にあるラッ
パロールにより、ストリップ尾端をマンドレルに巻取ら
れたコイルに確実に押付けることができ、従ってマンド
レルに巻取られたストリップ尾端部の巻緩みを確実に吸
収してタイトなコイルに巻くことができる。
【0040】又ストリップ尾端をマンドレルに巻取られ
たコイルに押付けている間の過大な押付け力の変動を防
止することができる。
【0041】以上の結果、ストリップ尾端部に発生する
ストリップ傷を防止することができ、製品の歩留りを向
上させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しつつ説明する。
【0043】図1〜図3は本発明の実施の形態の一例を
示す。
【0044】図1に示すダウンコイラ1は図5に示す従
来の段差回避制御機能を有するダウンコイラと略同様の
構成を備えており、図1に示すピンチロール装置11も
図5に示す従来のピンチロール装置11と同一の構成を
備えている。
【0045】従って、図1中、図5に示すものと同一の
ものについては同一の符号を付し説明は省略するものと
し、以下の本実施の形態の説明においては、主として図
5に示す従来のものと異なる部分について説明を行う。
【0046】而して、本実施の形態においては、ストリ
ップ尾端を巻取る際の制御装置が従来の制御装置と大き
く異なっている。すなわち、本実施の形態例において
は、ピンチロール装置11よりも、ストリップ進行方向
D上流側に設けたストリップ尾端検出器22により検出
したストリップ尾端信号E2は、タイマ内蔵のシーケン
ス制御装置24へ与え得るようになっており、又ピンチ
ロール装置11における下ピンチロール10の回転軸に
接続したパルス発生器12で検出したパルス信号Pは、
パルスカウンタ13を介してシーケンス制御装置24へ
与え得るようになっており、更にシーケンス制御装置2
4からラッパロール制御装置17へシーケンス制御信号
Cを与え得るようになっている。
【0047】次に本発明の実施の形態の作動について説
明する。
【0048】本実施の形態においては、ストリップSの
ダウンコイラ1への進入からマンドレル2へ巻付けを行
う巻取り方は図5で説明した従来のダウンコイラ1と全
く同一であるので、説明は省略するものとし、以下、従
来の巻取り方とは大きく異なるストリップ尾端の巻取り
方について詳細に説明する。
【0049】すなわち、ストリップSのマンドレル2に
対する巻取りの最終段階において、ストリップ尾端検出
器22で検出されたストリップ尾端信号E2は、シーケ
ンス制御装置24からラッパロール制御装置17を経て
サーボ弁開度制御信号Vとしてストリップ進行方向D最
上流側のNo.1のラッパロール3aのサーボ弁8に与
えられ、その結果、No.1のラッパロール3aを作動
させる油圧シリンダ6によりラッパロール3aのみがマ
ンドレル2に巻取られたコイル23を押えに行く(図2
参照)。
【0050】而して、ストリップ尾端が、ピンチロール
装置11を通過して無張力の状態になると、ラッパロー
ル3aによるストリップSの押えのタイミングのずれや
ストリップ尾端に働く遠心力等により、コイル23に巻
緩みAが生じるが、斯かる巻緩みAが生じても、ストリ
ップ進行方向D最上流側のラッパロール3aのみがスト
リップSを、数巻に亘り回転しているマンドレル2に巻
取られているコイル23に押付けており、他のラッパロ
ール3b,3c,3dはストリップSをコイル23に押
付けてはいない。
【0051】又、ラッパロール3aにより数巻に亘りス
トリップ尾端がコイル23に押付けられると、以後は順
次、他のラッパロール3b,3c,3dによりストリッ
プ尾端がコイル23に押付けられる。
【0052】このため、ストリップ尾端側は無張力の状
態でラッパロール3b,3c,3dの部分を通過し、ラ
ッパロール3aにおいて、回転しているマンドレル2に
巻取られているコイル23に一定の押付け力で押付けら
れる。このため、コイル23は内部からぜんまいを巻く
ように巻締って行き、最終的には、コイル23の巻緩み
はなくなる。
【0053】次に上述の本発明の実施の形態におけるス
トリップの巻取りに際して行うストリップ尾端押え制御
のシーケンスを図3により説明する。
【0054】図3中、〜は図9の〜と略同じ線
図を示している。
【0055】又、シーケンスにおいては、図9の場合
にはなかったタイマ信号を示す線図である。
【0056】なお、ストリップ尾端の巻取り制御に移行
する直前においては、全てのラッパロール3a〜3dは
コイル23から離反し、待機状態にある。
【0057】ストリップ尾端検出器22によりストリッ
プ尾端が検出されると、ストリップ尾端信号E2は、シ
ーケンス制御装置24に与えられ、シーケンス制御装置
24から線図に示すごとき指令信号としてラッパロー
ル制御装置17へ与えられる。
【0058】このとき、ラッパロール3a〜3dは、位
置制御モードで待機位置にある。このため、線図に示
す指令信号(図1のサーボ弁開度制御信号Vに相当)を
受けて線図に示すようにサーボ弁8は一定量開き、こ
のため油圧シリンダ6によりラッパロール3a〜3dは
一定の速度で線図に示すごとくマンドレル2方向へ近
付いていく。
【0059】同時に、シーケンス制御装置24に内蔵さ
れているタイマが図1に示すパルス発生器12からのパ
ルス信号Pを受けて線図に示すように起動し始める。
【0060】而して、タイマが予め設定された時間t1
の間、カウントを行うと、制御モードが制御モード線図
に示すごとく、位置制御から押付け力一定制御に切換
わる。
【0061】制御モードを位置制御から押付け力一定制
御に切換えるタイミングを決定する時間t1としては、
ラッパロール3aが位置制御により、前進を開始してコ
イル23の外周面に接触するに至るまでの時間t2より
も短い時間を選び、ラッパロール3aがコイル23に対
し位置制御の状態で衝突するのを防止する。
【0062】ラッパロール3aがコイル23の外周面に
接触する前に押付け力一定制御に切換ったラッパロール
3aは、その押付け力が発生するまでコイル23の外周
面に近付いて行き(線図参照)、その結果ラッパロー
ル3aはコイル23の外周面に接触して所定の力を発生
し、コイル23を押付ける。
【0063】上述のごとく、ラッパロール3aがコイル
23と接触する前に押付け力一定制御に制御モードを切
換えると、押付け力一定制御は、ラッパロール3aによ
るコイル23への押付け力を設定された値にしようとす
る。
【0064】このため、線図のX部においてラッパロ
ール3aがコイル23外周に接触するときにも、ラッパ
ロール3aの押付け力を示す線図のY部に示すごと
く、押付け力による過大な力は発生せず、又その後の押
付け力の大きな変動も発生しない。
【0065】従って、従来の巻取り方法においては度々
発生していた、押付け力の過大な変動による押付け作業
の不安定を防止することができ、その結果、ダウンコイ
ラ1による安定なストリップSの巻取りを行うことがで
きる。
【0066】なお、ラッパロール3b〜3dも、コイル
23に対する押付け時には、図3のシーケンスに従って
制御が行われる。
【0067】
【実施例】図4は、図3に示すごときシーケンス制御を
行う図1に示すダウンコイラを連続圧延ラインに適用し
た実施例であり、熱間仕上げ圧延機の入側で先行するス
トリップSの尾端と後続のストリップSの先端を接続し
て複数のストリップSの接続されたストリップとし、そ
のまま連続的に圧延する、いわゆる熱間圧延におけるエ
ンドレス圧延に本実施の形態例のダウンコイラを適用し
た場合を示している。
【0068】図4中、1a,1bはストリップ進行方向
D上流側から下流側へ向け配置されて切換え使用し得る
ようにした、マンドレル2a,2bを備えたダウンコイ
ラであり、マンドレル2a,2bの外周には、円周方向
へ向って図示しない複数のラッパロールが配置されてい
る。
【0069】又、11a,11bは挾持したストリップ
Sをダウンコイラ1a,1bに向けて送給するピンチロ
ール装置、22a,22bはピンチロール装置11a,
11bのストリップ進行方向D上流側に配置されてピン
チロール装置11a,11bを通過する前のストリップ
尾端を検出するストリップ尾端検出器、25は熱間仕上
げ圧延機、26はシヤー、27はテーブルローラであ
る。
【0070】図4において、最終スタンドの熱間仕上げ
圧延機25を抜けてテーブルローラ27を搬送された、
複数本接続された状態のストリップSは、シヤー26に
て切断されて前後のストリップSに分割され、2組のピ
ンチロール装置11a,11b、2組のダウンコイラ1
a,1bにより交互に巻取られる。
【0071】この場合、ストリップ尾端検出器22a,
22bによりストリップ尾端を検出し、巻取り最終段階
におけるストリップ尾端制御を行う。
【0072】先行するストリップの後端と後続のストリ
ップの先端を接続するエンドレス圧延の場合、連続して
次々とストリップSをマンドレル2a又は2bに巻取る
ので、従来のバッチ圧延のように、ストリップ尾端の巻
取り時に巻取り速度を減速することができない。
【0073】そのため、巻取り時のマンドレル2a,2
bの回転速度が大きいので、ストリップ尾端に働く遠心
力が大きく、本発明の実施の形態のように、ストリップ
尾端を図3に示すシーケンスに従い、ラッパロール3a
により適確に押えないと、図5の従来例で説明したよう
に、マンドレル2a又は2bに巻取られたストリップS
の尾端が巻緩んでしまい、巻形状の悪化をもたらすこと
になる。
【0074】しかるに、本発明の実施の形態例及び実施
例においては、ストリップ進行方向Dに対し最上流側の
ラッパロール3aにより数巻に亘り確実にストリップ尾
端をコイル23に押付けることができるため、コイル2
3は内部からぜんまいを巻くように巻締って行き、従っ
て確実にコイル終端の巻緩みを防止できてコイル23の
巻形状を良好にすることができ、又ラッパロール3a〜
3dがコイル23の外周面に接触するときも過大な荷重
は発生せず、その後の押付け力の変動も生じることがな
いため、従来手段では度々生じていたストリップSの巻
緩みに起因するストリップ傷を防止することができ、更
に、押付け力の過大な変動によるストリップ押付け作業
の不安定さを阻止することができる。
【0075】以上の結果、ストリップ尾端部をスクラッ
プにする必要がなく、製品歩留りの向上を図ることがで
きる。
【0076】なお、本発明は上述の実施の形態例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0077】
【発明の効果】本発明のコイラの巻取り方法及び巻取り
制御装置によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏
し得る。
【0078】I) ストリップ尾端を巻取る際にストリ
ップ進行方向最上流側にあるラッパロールにより、スト
リップ尾端をマンドレルに巻取られたコイルに確実に押
付けることができ、従ってマンドレルに巻取られたスト
リップ尾端部の巻緩みを確実に吸収してタイトなコイル
に巻くことができる。
【0079】II) ストリップ尾端をマンドレルに押
付けている間の過大な押付け力の変動を防止することが
できる。
【0080】III) I)、II)の結果、ストリッ
プ尾端部に発生するストリップ傷を防止することがで
き、製品の歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイラの巻取り方法及び巻取り制御装
置の実施の形態の一例を示す概要図である。
【図2】本発明において、ストリップ尾端をマンドレル
に巻取る際に、最外周側のストリップが巻緩んだ状態を
示す側面図である。
【図3】本発明において、ストリップ尾端をマンドレル
に巻取る際のダウンコイラの制御のシーケンスを示すグ
ラフである。
【図4】本発明のコイラの巻取り方法及び巻取り制御装
置を連続的に熱間圧延を行うラインに適用した場合の例
を示す実施例の側面図である。
【図5】従来のコイラの巻取り方法及び巻取り制御装置
の実施の形態の一例を示す概要図である。
【図6】従来のコイラの巻取り方法及び巻取り制御装置
において、ストリップをコイルに巻取っている状態を示
す側面図である。
【図7】従来において、ストリップ尾端がピンチロール
を通過した後で、2本のラッパロールがストリップをコ
イルに押付けている状態を示す側面図である。
【図8】従来のコイラの巻取り方法及び巻取り制御装置
において、3本のラッパロールがストリップをコイルに
押付けている状態を示す側面図である。
【図9】従来において、ストリップ尾端をマンドレルに
巻取る際のダウンコイラの制御のシーケンスを示すグラ
フである。
【符号の説明】
2,2a,2b マンドレル 3a,3b,3c,3d ラッパロール 6 油圧シリンダ 8 サーボ弁 11,11a,11b ピンチロール装置 12 パルス発生器(装置) 17 ラッパロール制御装置(制御装置) 22,22a,22b ストリップ尾端検出器 23 コイル 24 シーケンス制御装置 25 熱間仕上げ圧延機 P パルス信号(信号) E2 ストリップ尾端信号(信号) C シーケンス制御信号(指令信号) V サーボ弁開度制御信号(制御信号) S ストリップ D ストリップ進行方向
フロントページの続き (72)発明者 桑野 博明 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社 横浜エンジ ニアリングセンター内 (72)発明者 佐藤 久 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社 横浜エンジ ニアリングセンター内 (72)発明者 今関 敏夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 植田 潔 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 久木崎 太一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平4−94811(JP,A) 特開 平8−192223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 47/06 B65H 23/195

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間仕上げ圧延機で圧延されたストリッ
    プを、ストリップ進行方向最下流に配置されたコイラに
    より巻取るにあたり、ストリップ尾端を巻取る際に、ス
    トリップ尾端の巻緩みを防止すべく、マンドレルの外周
    に配置した複数本のラッパロールのうち、ストリップ進
    行方向最上流側に位置している第1番目のラッパロール
    により、マンドレルに巻かれるストリップを数巻にわた
    りコイル外周面に押付け、その後、順次、他のラッパロ
    ールでストリップ尾端を押えながら巻取ることを特徴と
    するコイラの巻取り方法。
  2. 【請求項2】 ラッパロールによりストリップをコイル
    外周面に押付ける際に、待機位置にあるラッパロールを
    位置制御でコイル近傍の所定位置まで前進させ、次いで
    ラッパロールがコイル外周面に接触する前に該ラッパロ
    ールを押付け力一定制御に切換えてストリップ尾端を押
    える請求項1に記載のコイラの巻取り方法。
  3. 【請求項3】 ストリップ尾端検出器と、 該ストリップ尾端検出器からの信号を受けてマンドレル
    の周囲に配設した複数のラッパロールを位置制御或いは
    押付け力一定制御に切換える指令信号を出力するシーケ
    ンス制御装置と、 該シーケンス制御装置からの指令信号を受けて前記ラッ
    パロールをマンドレルに対して近接、離反自在に支持す
    る油圧シリンダへの作動油の流入、流出量を制御するサ
    ーボ弁へ制御信号を送る制御装置とを備え、 前記シーケンス制御装置は、ストリップ尾端検出器から
    の信号を受けたときに、ストリップ進行方向最上流側に
    ある第1番目のラッパロールを制御する制御装置へラッ
    パロールをマンドレルに近接させる指令信号を送り得る
    ようにし、その後、順次、他のラッパロールでストリッ
    プ尾端を押えながら巻取るように構成した、 ことを特徴とするコイラの巻取り制御装置。
  4. 【請求項4】 ストリップ尾端がピンチロール装置を通
    過するタイミングを検出する装置と、 該装置の信号を受けてカウントを開始するタイマを内蔵
    すると共にマンドレルの周囲に配設した複数のラッパロ
    ールを位置制御或いは押付け力一定制御に切換える指令
    信号を出力するシーケンス制御装置と、 該シーケンス制御装置からの指令信号を受けて前記ラッ
    パロールをマンドレルに対して近接、離反自在に支持す
    る油圧シリンダへの作動油の流入、流出量を制御するサ
    ーボ弁へ制御信号を送る制御装置とを備え、 シーケンス制御装置は、内蔵するタイマが、前記ラッパ
    ロールが位置制御により前進を開始してからコイルの外
    周面に接触するに至るまでの時間よりも短い予め設定さ
    れた一定時間をカウントしたとき、制御モードを位置制
    御から押付け力一定制御に変更する指令信号を前記制御
    装置へ送り得るよう構成した、 ことを特徴とするコイラの巻取り制御装置。
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