JP3389859B2 - インクジェット記録ヘッドの駆動装置およびその方法並びにこの装置を用いた印刷装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの駆動装置およびその方法並びにこの装置を用いた印刷装置

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JP3389859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一ノズルから異
なる大きさのインク滴を吐出するインクジェット記録ヘ
ッドの駆動装置およびその方法、更にこの駆動装置を用
いた印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、印刷しよう
とする画像に対して2以上の多値化を行ない、多値化の
結果得られたドットのオン・オフの信号に基づいて、記
録ヘッドの各ノズルにより記録媒体上へのドットの形成
を制御している。具体的には、記録ヘッド上の複数のノ
ズルからインク滴がそれぞれ所定のタイミングで吐出さ
れ、これらの各インク滴が記録紙等の記録媒体の表面に
ドットを形成することで記録を行なう構成としている。
インクを吐出する手法は、基本的には、ノズルに至るイ
ンク通路において、極めて短時間、インクを加圧するこ
とにより、加圧されたインクがノズル先端からインク滴
となって吐出されるというものである。インクに加える
圧力の発生メカニズムの相違により、電歪素子を用いて
圧力を発生する方式や加熱による気泡の発生を用いて
力を加える方式など知られている。いずれのメカニズ
ムを採用しても、ノズル先端からインクを吐出するイン
クジェット方式では、インク滴を吐出するかしないか、
つまりドットのオンオフ制御を行なうに過ぎず、吐出さ
れるインク滴のインク重量を連続的かつ自由に制御する
ことは極めて困難であり、そのままでは中間階調を記録
することはできなかった。
【0003】そこで、従来より、中間階調を表現するた
めに、面積階調やディザ法、誤差拡散法といった手法が
提案されている。面積階調による中間階調の記録を例に
とると、1つの画素を4×4、8×8等の複数のドット
で表現することによって中間階調の記録を実現してい
る。4×4のドットマトリックスで1つの画素を表現す
れば、16階調(全白を含めると17階調)で濃淡を表
わすことができる。画素の分解能を上げれば、より細や
かに階調表現を行うことができる。しかし、記録ドット
径を変えずに階調を上げると実質的な解像度は低下す
る。また、記録紙上の記録ドット径が大きいと、低濃度
領域の粒状性が目立つようになる。従って、インク滴の
重量を少なくして記録するドット径を小さくする必要が
ある。
【0004】ドット径を小さくするために、インク重量
の小さなインク滴を吐出する技術としては、例えば特開
昭55−17589号公報等に記載されているように、
インク通路に連接された圧力発生室の容積を一旦膨張さ
せてから収縮させるという、いわゆる「引き打ち」を行
なうものが知られている。圧力発生室の容積を一旦大き
くすることで、ノズルにおけるインク先端面(メニスカ
ス)が後退するため、加圧時にノズルから吐出するイン
ク滴が小さくなり、記録ドット径を小さくすることが可
能となる。
【0005】記録ドット径が小さくなれば、低濃度領域
での粒状性が目立たず記録品質を高めることができる
が、記録速度が大幅に低下する。例えば、通常の記録ド
ット径の約半分にした小径のドットのみを用いる場合
は、通常の記録ドット径を用いた場合の4倍の記録時間
を要する。記録速度の低下を防止するためには、インク
滴を吐出する駆動周波数を4倍に高めるか、あるいはノ
ズル数を4倍に増やせばよいが、いずれも容易ではな
い。
【0006】そこで、同一のノズルから異なる重量のイ
ンク滴を吐出させ階調記録を可能とする技術も提案され
ている(例えば、米国特許第5,285,215号明細
書)。かかる技術では、一つの記録周期内において同一
パルス信号を複数個発生することによって微少なインク
滴を複数発生させ、記録紙上に着弾する前に、これら複
数の微少なインク滴を合体させて大きなインク滴を生成
しようとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記公報記載の技術に
よれば、微少なインク滴の吐出と、複数のインク滴が合
体した大きなインク滴の吐出とを制御することが可能で
あるが、記録紙着弾前に、大きさがほぼ同一の複数のイ
ンク滴を確実に合体させるには、ノズル先端から記録紙
までの距離やインク滴の吐出速度とヘッドの移動速度と
の関係など、多くの条件を満たさなければならない。同
様に、記録ドット径の可変範囲も狭いという問題があっ
た。
【0008】本発明は、係る問題を解決することを目的
としてなされ、記録ドット径の可変範囲を更に広くする
ことのできるインクジェット記録ヘッドの駆動装置、そ
の方法、およびこの記録ヘッドの駆動装置を用いた印刷
装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
のような問題の少なくとも一部を解消するために本発明
は、次の構成を採用した。即ち、本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドの駆動装置は、複数のノズル開口の各々に
対応して設けられた圧力発生素子を作動させることによ
り、前記ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジ
ェット記録ヘッドの駆動装置であって、前記複数のノズ
ルから第1のインク滴を吐出させるための第1の駆動パ
ルスと、該複数のノズルから前記第1のインク滴より大
きな第2のインク滴を吐出させるための第2の駆動パル
スとを含んでなる駆動信号を発生させる駆動信号発生手
段と、記録画素に対応した一記録周期内で前記各駆動パ
ルスのうちの少なくとも一つの駆動パルスを選択する駆
動パルス選択手段と、該選択された駆動パルスを含む前
記駆動信号により、前記圧力発生素子を駆動する素子駆
動手段と、前記第1または第2のインク滴により形成さ
れるドットより大きいドットを形成しようとする場合に
は、前記パルス選択手段により、前記一記録周期内に前
記第1の駆動パルスと前記第2の駆動パルスとを選択
ると共に、前記第2の駆動パルスの出力のタイミング
を、前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻りを利
用して前記第2のインク滴を吐出するタイミングとし
て、両駆動パルスに応じたインク滴により前記記録媒体
上に大ドットを形成する大ドット形成手段とを備えたこ
とを要旨としている。
【0010】この記録ヘッドの駆動装置に対応する記録
ヘッドの駆動方法の発明は、複数のノズル開口の各々に
対応して設けられた圧力発生素子を作動させることによ
り、前記ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジ
ェット記録ヘッドの駆動方法であって、前記複数のノズ
ルから第1のインク滴を吐出させるための第1の駆動パ
ルスと、該複数のノズルから前記第1のインク滴より大
きな第2のインク滴を吐出させるための第2の駆動パル
スとを含んでなる駆動信号を発生させ、記録画素に対応
した一記録周期内で前記各駆動パルスのうちの少なくと
も一つの駆動パルスを選択し、前記第1または第2のイ
ンク滴により形成されるドットより大きいドットを形成
しようとする場合には、前記一記録周期内に前記第1の
駆動パルスと前記第2の駆動パルスとを選択し、前記第
2の駆動パルスの出力のタイミングを、前記第1のイン
ク滴吐出からのメニスカス戻りを利用して前記第2のイ
ンク滴を吐出するタイミングとし、該選択された駆動パ
ルスを含む前記駆動信号により、前記圧力発生素子を駆
動することを要旨としている。
【0011】かかるインクジェット記録ヘッドの駆動装
置および駆動方法によれば、一記録周期内で、大きさの
異なる第1,第2のインク滴に対応した各駆動パルスの
内の少なくとも一つの駆動パルスを選択し、この駆動パ
ルスを含む駆動信号により圧力発生素子を駆動する。し
たがって、第1の駆動パルスに対応して形成される第1
のインク滴によるドットと、第2の駆動パルスに対応し
て形成される第2のインク滴によるドットと、第1およ
び第2の駆動パルスの両者に対応して形成される第1お
よび第2のインク滴によるドットとが形成可能であり、
値化以上の多値化を行なうことができる。しかも、第
1,第2の駆動パルスの両者に対応して第1および第2
のインク滴によるドット形成する際には、第2の駆動パ
ルスによる第2のインク滴は、第1のインク滴吐出から
のメニスカス戻りを利用するタイミングで形成すること
ができる。
【0012】また、かかるインクジェット記録ヘッドの
駆動装置および駆動方法では、圧力発生素子の変形によ
り容積が低減されてインクの液圧を増加する圧力発生室
を、前記ノズルへのインク通路に連通して設けておき、
他方、駆動信号を以下のように定め、かつ制御すること
が考えられる。一つは、第2の駆動パルスを、前記圧力
発生室を膨張させる第1信号と、膨張状態を保持する第
2信号と、前記圧力発生室を収縮する第3信号とを少な
くとも有するパルスとして形成すると共に、前記第1の
インク滴吐出のタイミングと、前記第2の駆動パルスの
前記第1信号の開始タイミングとの時間差を、前記第1
のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間TRより長
く、TR+3・Tm/8(Tmは、メニスカス固有振動
周期)より短い時間として定める構成である。かかる構
成を採用することにより、第1のインク滴吐出からのメ
ニスカス戻りによるインクの動きを利用して、第2のイ
ンク滴を、大きなインク滴として形成することが容易と
なる。
【0013】この場合、インクの吐出のされ易さは、イ
ンクの様々な性状により影響を受ける。例えば、インク
の粘性が高くなれば、吐出されにくくなり、同じ駆動信
号を与えてもインク滴は小さくなると考えられる。イン
クの吐出のされ易さは、インクの粘性、もしくは粘性と
強い相関を示すインクの温度によって影響を受けるか
ら、常に同じタイミングで第2の駆動パルスの第1信号
のタイミングを定めると、インクの粘性によっては、イ
ンク滴の大きさが非所望の大きさになってしまう場合が
考えられる。そこで、インクの粘性、またはこれを反映
した何らかのバラメータ(例えばインク温度など)を検
出し、該検出したパラメータに基づいて前記第1信号の
開始タイミングを、前記第1のインク滴吐出のタイミン
グと前記第1信号の開始タイミングとの時間差を可変す
るものとすることも好適である。
【0014】通常のインクではその粘性は温度が高くな
るほど低くなるから、第1のインク滴吐出のタイミング
と第2の駆動パルスの第1信号の開始タイミングとの時
間差を、前記検出された温度が低温から高温となるにし
たがって長い側に可変することも好適である。この場
合、第2のインク滴の大きさを、インク温度によらず同
程度に保つことができる。
【0015】上記の構成は、第1のインク滴を吐出した
とき、インク先端の界面(メニスカス)が一旦大きく後
退してから元の位置に戻った後、メニスカスが固有の振
動数で振動するというインクの大きな動きを考慮したも
のであるが、インクの動きを詳細に観察すると、インク
通路や圧力発生室の剛性や形状に依存すると見られるヘ
ルムホルツ共振による振動が存在する。したがって、こ
のヘルムホルツ共振による振動の周期を考慮して駆動信
号を生成することも有効である。この場合にも、圧力発
生素子の変形により容積が低減されてインクの液圧を増
加する圧力発生室を、前記ノズルへのインク通路に連通
して設け、かつ、前記第1のインク滴吐出のタイミング
と前記第2のインク滴吐出のタイミングとの時間差を、
前記圧力発生室内のインクのヘルムホルツ共振による振
動の周期Tcを考慮した時間として定めることになる。
【0016】インク通路のインクの固有振動を考慮して
第2のインク滴を生成する第2のパルスのタイミングを
決めることにより、第2のインク滴の大きさを細かく制
御することが可能となる。なお、かかる制御は、上述し
たメニスカス戻り時間を考慮した制御と重ねて行なって
も好適である。
【0017】固有振動数を考慮した前記第1のインク滴
吐出のタイミングと、前記第2のインク滴吐出のタイミ
ングとの時間差の決め方としては、例えば、この時間差
を、圧力発生室内のインクのヘルムホルツ共振による振
動の周期Tcの整数倍として定めることが考えられる。
整数倍の場合には、固有振動を利用して、第2のインク
滴の重量を高めることができる。
【0018】なお、インクの吐出のされ易さがインクの
温度などの性状の変化により増減した場合には、ヘルム
ホルツ共振による振動の周期を考慮して吐出するインク
量を常に増加させたのでは、結果的に非所望のインク量
となってしまうことが考えられる。したがって、インク
の吐出のされ易さ、たとえばインクの粘性(あるいはこ
れを反映したインクの温度等)を反映したパラメータを
検出し、該パラメータに基づいて、前記第1のインク滴
の吐出のタイミングと前記第2のインク滴吐出のタイミ
ングとの時間差を、前記検出されたパラメータによりイ
ンクが吐出され易くなるに従って、ヘルムホルツ共振に
よる振動の周期Tcの(整数+1/2)倍へと可変する
ものとしてもよい。この場合も、インクの性状が変化し
て吐出されやすくなっても、インク滴の重量は同程度に
保たれる。
【0019】更に、上述したインクジェット記録ヘッド
の駆動装置はまた駆動方法を適用した印刷装置の発明を
考えことができる。かかる印刷装置は、複数のノズル開
口の各々に対応して設けられた圧力発生素子を作動させ
ることにより、前記ノズル開口からインク滴を吐出させ
るインクジェット記録ヘッドを備え、該ノズルから吐出
されるインク滴により、記録媒体上に画像を記録する印
刷装置であって、更に、画像を構成する画素毎に階調値
を有する印字データを入力する印字データ入力手段と、
前記複数のノズルから第1のインク滴を吐出させるため
の第1の駆動パルスと、該複数のノズルから前記第1の
インク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための
第2の駆動パルスとを含んでなる駆動信号を発生させる
駆動信号発生手段と、記録画素に対応した一記録周期内
で、前記入力された印字データの階調値に基づいて、前
記第1,第2の駆動パルスのいずれも選択せずインク滴
を吐出しないか、前記第1または第2の駆動パルスのい
ずれか一方のみ選択するか、前記第1および第2の駆動
パルスの両方を選択するかを決定する駆動パルス選択手
段と、該第1および第2の駆動パルスの両方が選択した
際には、前記第2の駆動パルスの出力のタイミングを、
前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻りを利用し
て前記第2のインク滴を吐出するタイミングとして、
記駆動信号により前記圧力発生素子を駆動する素子駆動
手段とを備えたことを要旨としている。
【0020】この印刷装置は、入力した印字データの階
調値に基づいて、一記録周期内で、大きさの異なる第
1,第2のインク滴に対応した各駆動パルスの内の少な
くとも一つの駆動パルスを選択し、この駆動パルスを含
む駆動信号により圧力発生素子を駆動する。したがっ
て、第1の駆動パルスに対応して形成される第1のイン
ク滴によるドットと、第2の駆動パルスに対応して形成
される第2のインク滴によるドットと、第1および第2
の駆動パルスの両者に対応して形成される第1および第
2のインク滴によるドットとが形成可能であり、3値化
以上の多値化を行なうことができる。しかも、第1,第
2の駆動パルスの両者に対応して第1および第2のイン
ク滴によるドット形成する際には、第2のインク滴は、
第1のインク滴吐出からのメニスカス戻りを利用するタ
イミングで形成する。この結果、小さいインク滴による
ドットと、大きなインク滴によるドットとを、容易かつ
確実に形成することができ、印刷速度を低下することな
く、形成する画像の品質を格段に向上することができ
る。
【0021】なお、かかる印刷装置においても、メニス
カス戻り時間TRやその固有振動の周期Tm、あるいは
インク通路のインクの固有振動数Tcを考慮して、第1
のパルス信号と第2のパルス信号との関係を定めること
も好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例に基づき説明する。A.印刷装置の概略構成: 説明の便を図って、まず印刷
装置の全体構成から説明する。図2は、本発明の一実施
例としての印刷装置の構成を示すブロック図である。図
示するように、コンピュータ90にスキャナ12とカラ
ープリンタ22とが接続されており、このコンピュータ
90に所定のプログラムがロードされ実行されることに
より、全体として印刷装置として機能する。図示するよ
うに、このコンピュータ90は、プログラムに従って画
像処理に関わる動作を制御するための各種演算処理を実
行するCPU81を中心に、バス80により相互に接続
された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で
各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータ
を予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81
で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログラムや
データが一時的に読み書きされるメモリである。入力イ
ンターフェイス84は、スキャナ12やキーボード14
からの信号の入力を司り、出力インタフェース85は、
プリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC86
は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御
し、ディスクコントローラ(DDC)87は、ハードデ
ィスク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示し
ないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御
する。ハードディスク16には、RAM83にロードさ
れて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形
式で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
【0023】このほか、バス80には、シリアル入出力
インタフェース(SIO)88が接続されている。この
SIO88は、モデム18に接続されており、モデム1
8を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コ
ンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を
介して、外部のネットワークに接続されており、特定の
サーバーSVに接続することにより、画像処理に必要な
プログラムをハードディスク16にダウンロードするこ
とも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブ
ルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピ
ュータ90に実行させることも可能である。
【0024】図3は本印刷装置のソフトウェアの構成を
示すブロック図である。コンピュータ90では、所定の
オペレーティングシステムの下で、アプリケーションプ
ログラム95が動作している。オペレーティングシステ
ムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が
組み込まれており、アプリケーションプログラム95か
らはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転送す
るための中間画像データMIDが出力されることにな
る。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログ
ラム95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに
対して所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介し
てCRTディスプレイ21に画像を表示している。スキ
ャナ12から供給されるデータORGは、カラー原稿か
ら読みとられ、レッド(R),グリーン(G),ブルー
(B)の3色の色成分からなる原カラー画像データOR
Gである。
【0025】このアプリケーションプログラム95が、
印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドラ
イバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム9
5から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信号
(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各
色についての多値化された信号)に変換している。図3
に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解
像度変換モジュール97と、色補正モジュール98と、
色補正テーブルLUTと、ハーフトーンモジュール99
と、ラスタライザ100とが備えられている。
【0026】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度、即ち単位長さ当たりの画素数をプリンタドライ
バ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果た
す。こうして解像度変換された画像データはまだRGB
の3色からなる画像情報であるから、色補正モジュール
98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごと
にプリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ
(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデー
タに変換する。こうして色補正されたデータは例えば2
56階調等の幅で階調値を有している。ハーフトーンモ
ジュール99は、ドットを分散して形成することにより
プリンタ22でかかる階調値を表現するためのハーフト
ーン処理を実行する。本実施例では、後述するように、
プリンタ22が、各画素について、ドットなし、小ドッ
ト形成、大ドット形成の3値の表現が可能であることか
ら、3値化を行なっている。こうして処理された画像デ
ータは、ラスタライザ100によりプリンタ22に転送
すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な画像データ
FNLとして出力される。本実施例では、プリンタ22
は画像データFNLに従ってドットを形成する役割を果
たすのみであり画像処理は行なっていない。また、コン
ピュータ90側のプリンタドライバ96では、プリンタ
22内部の後述するピエゾ素子駆動信号の調整などは行
なっていないが、ピエゾ素子駆動信号に含まれる複数の
パルス信号の設定などを、プリンタ22との双方向通信
の機能を利用して、プリンタドライバ96側で行なうも
のとすることも可能である。
【0027】B.プリンタの概略構成:プリンタ22
は、図4に示すように、紙送りモータ23によって用紙
Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキ
ャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機
構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆
動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、こ
れらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字
ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを
司る制御回路40と、この制御回路40からの信号を受
けてピエゾ素子を駆動する駆動信号を生成するピエゾ素
子駆動回路50とから構成されている。
【0028】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0029】このキャリッジ31には、黒インク(B
k)用のカートリッジ71とシアン(C1),ライトシ
アン(C2)、マゼンタ(M1),ライトマゼンダ(M
2)、イエロ(Y)の5色のインクを収納したカラーイ
ンク用カートリッジ72が搭載可能である。シアンおよ
びマゼンダの2色については、濃淡2種類のインクを備
えていることになる。キャリッジ31の下部の印字ヘッ
ド28には計6個のインク吐出用ヘッド61ないし66
が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各
色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管6
7(図5参照)が立設されている。キャリッジ31に黒
(Bk)インク用のカートリッジ71およびカラーイン
ク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カート
リッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入され、各
インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし66へ
のインクの供給が可能となる。
【0030】図8は、インク吐出用ヘッド61〜66に
おけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図で
ある。これらのノズルの配置は、各色ごとにインクを吐
出する6組のノズルアレイから成っており、48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。各ノズルアレイの副走査方向の位置は互いに一致
している。なお、各ノズルアレイに含まれる48個のノ
ズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直
線上に配置されていてもよい。但し、図8に示すように
千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく
設定し易いという利点がある。
【0031】上述したノズルNzからのインクの吐出
は、制御回路40およびピエゾ素子駆動回路50により
制御されている。制御回路40の内部構成を図10に示
した。図示するように、制御回路40の内部には、コン
ピュータ90からの多値階調情報を含む印字データ等を
受信するインターフェース(以下「I/F」という)4
3と、各種データの記憶を行うRAM44と、各種デー
タ処理のためのルーチン等を記憶したROM45と、C
PU等からなる制御部46と、発振回路47と、後述の
印字ヘッド28の各ピエゾ素子への駆動信号を発生させ
る「駆動信号発生手段」としての駆動信号発生回路48
と、ドットパターンデータに展開された印字データおよ
び駆動信号を、紙送りモータ23,キャリッジモータ2
4およびピエゾ素子駆動回路50に送信するためのI/
F49とを備えている。
【0032】コンピュータ90からは、本実施例では、
プリンタドライバ96により3値化処理がなされた後の
印字データが送られてくるので、制御回路40は、この
印字データを受信バッファ44Aに蓄えた後、印字ヘッ
ドのノズルアレイの配置に従って一旦出力バッファ44
Cにデータを展開し、これをI/F49を介して出力す
れば足りる。他方、コンピュータ90から送信されるデ
ータが、多値階調情報を含む印字データである場合(例
えばポストスクリプト形式のデータである場合)には、
プリンタ22は、制御回路40内で3値化の処理などを
行なうものとすればよい。この場合、印字データは、I
/F43を介して記録装置内部の受信バッファ44Aに
蓄えられる。受信バッファ44Aに蓄えられた記録デー
タに対してコマンド解析が行われてから中間バッファ4
4Bへ送られる。中間バッファ44B内では、制御部4
6によって中間コードに変換された中間形式としての記
録データが保持され、各文字の印字位置、修飾の種類、
大きさ、フォントのアドレス等が付加する処理が、制御
部46によって実行される。次に、制御部46は、中間
バッファ44B内の記録データを解析し、階調情報に応
じた3値化を行ない、ドットパターンデータを出力バッ
ファ44Cに展開し、記憶させる。
【0033】いずれの場合でも、出力バッファ44Cに
は、3値化されたドットパターンが展開され、蓄えられ
ることになる。印字ヘッド28は、後述するように、各
色48個のノズルが備えられているため、ヘッドの1ス
キャン分に相当するドットパターンデータを出力バッフ
ァ44Cに用意した後、このドットパターンデータを、
I/F49を介して出力する。ドットパターンデータと
して展開された印字データは、後述するように、各ノズ
ル毎の階調データとして例えば2ビットで構成されてお
り、「00」はドットなしに、「10」は小ドット形成
に、「11」は大ドット形成に、それぞれ対応してい
る。データの構成とドット形成の様子については、後述
する。
【0034】C.インク吐出のメカニズム: インクの吐出およびドット形成を行なう機構について説
明する。図5は印字ヘッド28の内部の概略構成を示す
説明図、図6は、ピエゾ素子PEの伸縮によりインクの
吐出を行なう様子を示す模式図である。インクカートリ
ッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、図5
に示すように毛細管現象を利用してインクカートリッジ
内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッ
ジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド6
1ないし66に導かれる。なお、初めてインクカートリ
ッジが装着されたときには、専用のポンプによりインク
を各色のヘッド61ないし66に吸引する動作が行われ
るが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字
ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示およ
び説明を省略する。
【0035】各色のヘッド61ないし66には、後で説
明する通り、各色毎に48個のノズルNzが設けられて
おり(図8参照)、各ノズル毎に圧力発生素子として、
電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PE
が配置されている。図6上段に図示するように、ピエゾ
素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路6
8に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、
周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極め
て高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。
本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極
間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図6下段
に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ収
縮し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結
果、インク通路68の容積はピエゾ素子PEの収縮に応
じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ip
となって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。こ
のインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに
染み込むことにより、印刷が行われる。
【0036】ピエゾ素子を用いたインク滴吐出の原理に
ついて、模式図を用いて説明したが、実際のピエゾ素子
PEを用いたインク吐出機構の詳細を図7に示した。図
7は、記録用ヘッド61ないし66の機械的断面構造の
一例を示す断面図である。図示するように、このヘッド
は、大きくは、アクチュエータユニット121と流路ユ
ニット122とから構成されている。アクチュエータユ
ニット121は、ピエゾ素子PE,第1の蓋部材13
0,第2の蓋部材136,スペーサ135等から構成さ
れている。第1の蓋部材130は、厚さ6μm程度のジ
ルコニアの薄板から構成され、その表面に一方の極とな
る共通電極131が形成され、その表面に後述する圧力
発生室132に対向するようにピエゾ素子PEが固定さ
れ、更にその表面にAu等の比較的柔軟な金属の層から
なる駆動電極134が形成されている。
【0037】ここで、ピエゾ素子PEは、第1の蓋部材
130とによりたわみ振動型のアクチュエータを形成し
ている。ピエゾ素子PEは、電荷が付加されると収縮し
て圧力発生室132の容積を縮める方向に変形し、付加
された電荷が放電されると伸長して圧力発生室132の
容積を元に拡げる方向に変形をする。
【0038】第1の蓋部材130の下部に設けられたス
ペーサ135は、圧力発生室132を形成するのに適し
た厚さ、例えば100μmのジルコニア(ZrO2)など
のセラミック板に通孔を穿設して構成されており、後述
する第2の蓋部材136と第1の蓋部材130により両
面を封止されて前述の圧力発生室132を形成してい
る。
【0039】スペーサ135の他端に固定された第2の
蓋部材136は、スペーサ135と同様、ジルコニア等
のセラミックを材質として構成されている。この第2の
蓋部材136には、圧力発生室132との間でインク流
路を構成する二つの連通孔138,139が穿設されて
いる。連通孔138は、後述するインク供給口137と
圧力発生室132とを接続するものであり、連通孔13
9は、ノズル開口Nzと圧力発生室132の他端とを接
続するものである。
【0040】これら各部材130,135,136は、
粘土状のセラミックス材料を所定の形状に成形し、これ
を積層して焼成することにより接着剤を使用することな
くアクチュエータユニット121として纏められてい
る。
【0041】次に流路ユニット122について説明す
る。流路ユニット122は、インク供給口形成基板14
0,インク室形成基板143,ノズルプレート145な
どから構成されている。インク供給口形成基板140
は、アクチュエータユニット121の固定基板を兼ねる
とともに、圧力発生室132側の一端側にインク供給口
137が、圧力発生室132の端側にはノズル開口N
zが、それぞれ設けられている。インク供給口137
は、各ノズル共通のインク室141と圧力発生室132
とを接続する連通路であり、その断面積は連通孔138
などと比べて十分に小さくされ、オリフィスとして機能
するよう設計されている。
【0042】インク室形成基板143は、他方の面をノ
ズルプレート145により封止されて、インク供給口形
成基板140と共に、インク室141を形成する部材で
あり、ノズル開口Nzと接続するノズル連通孔144が
設けられている。インク室141は、図示しないインク
タンクからインクが流入するよう、インクカートリッジ
71,72に連なる図示しないインク流路に接続されて
いる。
【0043】これらインク供給口形成基板140、イン
ク室形成基板143、及びノズルプレート145は、各
々の間に熱溶着フィルムや接着剤等の接着層146,1
47により固定されており、全体として流路ユニット1
22を構成している。
【0044】この流路ユニット122と前述のアクチュ
エータユニット121とは、熱溶着フィルムや接着剤等
の接着層148により固定されており、記録用の各ヘッ
ド61ないし66を構成している。
【0045】上記の構成により、ピエゾ素子PEの駆動
電極131,134間に電圧を印可して電荷を付加する
と、ピエゾ素子PEは、収縮して圧力発生室132の容
積は縮小し、逆に電荷を放電すると、ピエゾ素子PE
は、伸張して圧力発生室132の容積は増大する。圧力
発生室132が膨張すると、圧力発生室132内の圧力
は低下して共通のインク室141から圧力発生室132
内にインクが流入する。ピエゾ素子PEに電荷を付加す
ると、圧力発生室132の容積は縮小し、圧力発生室1
32内の圧力が短時間に上昇して圧力発生室132内の
インクがノズル開口Nzを介して外部に吐出される。こ
のとき、インク滴IPが外部に吐出される。
【0046】ところで、このように構成されたインクジ
ェット記録用の印字ヘッド28では、ノズル開口Nzに
至る流路に存在するインクは、圧力発生室132の圧力
の変化に伴って、流体として振動現象を起こす。この振
動には、少なくとも2種類の固有振動が存在する。ひと
つは、インク滴を吐出した後、インク界面であるメニス
カスが揺れ戻す比較的長い周期の振動である。これを固
有振動(周期Tm)と呼ぶ。もう一つは、圧力発生室1
32の存在により流体に生じるヘルムホルツ共振と呼ば
れる振動であり、固有振動と比べると比較的周期の短い
振動(周期Tc)である。この圧力発生室132のヘル
ホルツ共振周波数fは、圧力発生室132のインクの
圧縮性に起因する流体コンプライアンスをCi、また圧
力発生室132を形成している第1の蓋部材130やピ
エゾ素子PE等の材料自体による剛性コンプライアンス
をCv、ノズル開口NzのイナータンスをMn、インク
供給口137のイナータンスをMsとすると、次式
(1)で示される。
【0047】 f=1/(2π)×√{(Mn+Ms)/(Mn×Ms)/(Ci+Cv)} … (1)
【0048】また、メニスカスのコンプライアンスをC
nとすると、インク流路の粘性抵抗を無視すれば、メニ
スカスの固有振動周期Tmは次式(2)で示される。
【0049】 Tm=2π×√{(Mn+Ms)Cn} … (2)
【0050】また、圧力発生室132の容積をV、イン
クの密度をρ、インク中での音速のcとすると、流体コ
ンプライアンスCiは次式(3)で示される。
【0051】 Ci=V/ρc2 … (3)
【0052】なお、圧力発生室132の剛性コンプライ
アンスCvは、圧力発生室132に単位圧力を印加した
ときの圧力発生室132の静的な変形率に一致するか
ら、これを計測することにより、実際の値を求めること
ができる。
【0053】ピエゾ素子PEの収縮や伸長によりメニス
カスに励起される固有振動の周期Tcはヘルムホルム共
振周波数fの逆数で得られる周期と同一である。実施例
に即した計算の一例を挙げると、流体コンプライアンス
Ciが1×10-205-1、剛性コンプライアンスCv
が1.5×10-205-1、イナータンスMnが2×1
8kgm-4、イナータンスMsが1×108kgm-4
ときのヘルムホルツ共振周波数fは125kHzであ
り、その周期Tcは8μsとなる。
【0054】D.大小ドットの形成の概略:本実施例の
プリンタ22に備えられた各色48個のノズルNzは、
その内径を等しく形成されている。かかるノズルNzを
用いて径の異なる2種類のドットを形成することができ
る。この原理について説明する。図9は、インクが吐出
される際のノズルNzの駆動波形と吐出されるインクI
pとの関係を模式的に示した説明図である。図9におい
て破線で示した駆動波形が通常のドットを吐出する際の
波形である。区間d2において一旦、マイナスの電圧を
ピエゾ素子PEに印加すると、圧力発生室132の容積
を増大する方向にピエゾ素子PEが変形するため、図9
の状態Aに示した通り、メニスカスMeは、ノズルNz
の内側にへこんだ状態となる。一方、図9の実線で示す
駆動波形を用い、区間d2に示すようにマイナス電圧を
急激に印加すると、状態aで示す通りメニスカスは状態
Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる。
【0055】ピエゾ素子PEに印可するマイナスの電圧
のパルス波形によりメニスカスの形状が異なるのは、次
の理由による。ピエゾ素子は、印可された電圧のパルス
形状に応じて変形し、圧力発生室132の容積を増減す
る。圧力発生室132の容積が増大する場合、その変化
が極めてゆっくりとしたものであれば、圧力発生室13
2の容積の増大に伴い、インクは共通のインク室141
から供給され、メニスカスはほとんど変化しない。一
方、ピエゾ素子PEの伸縮が短時間に行なわれ、圧力発
生室132の容積の変化が急激に生じると、インク室1
41からインクの供給は、インク供給口137により制
限されていることから間に合わず、メニスカスは圧力発
生室132の容積の変化により影響を受けることにな
る。ピエゾ素子PEに印可する電圧の変化が緩やかな場
合(図9破線参照)には、メニスカスの後退は小さく、
印可電圧の変化が急激な場合(図9実線参照)には、メ
ニスカスの後退が大きくなるのは、かかるインク供給の
バランスによっている。
【0056】メニスカスが後退した状態から、次に、ピ
エゾ素子PEへの印加電圧を正にすると(区間d3)、
先に図6を用いて説明した原理に基づいてインクが吐出
される。このとき、メニスカスがあまり内側にへこんで
いない状態(状態A)からは状態Bおよび状態Cに示す
ごとく大きなインク滴が吐出され、メニスカスが大きく
内側にへこんだ状態(状態a)からは状態bおよび状態
cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。
【0057】以上に示した通り、駆動電圧を負にする際
(区間d1,d2)の変化率に応じて、ドット径を変化
させることができる。しかし、複数のノズルNzを備え
たプリンタでは、ドット毎に駆動信号の波形を異ならせ
る制御を行なうことは、極めて困難である。そこで、本
実施例では、異なる波形の二つのパルス信号を含んだ駆
動信号を用意し、この信号に応じて印字データを用意す
ることで、大小ドットを形成している。この手法につい
て次に説明する。
【0058】E.ピエゾ素子駆動回路と駆動信号:本実
施例では、駆動波形とドット径との間のこのような関係
に基づいて、ドット径の小さい小ドットを形成するため
の駆動波形と、ドット径の大きな大ドットを形成するた
めの駆動波形の2種類を用意している(図11参照)。
駆動信号の違いによる大小のインク滴の形成の様子につ
いては、駆動信号の生成の詳細と共に後述する。
【0059】まず、図11に示した波形の駆動信号を生
成する構成について説明する。図11に示した駆動信号
は、ピエゾ素子駆動回路50により生成される。図12
は、このピエゾ素子駆動回路50の内部構成を示すブロ
ック図である。図示するように、このピエゾ素子駆動回
路50の内部には、制御回路40からの信号を受け取っ
て記憶するメモリ51、このメモリ51の内容を読み出
して一時的に保持するラッチ52、このラッチ52の出
力と後述するもう一つのラッチ54の出力とを加算する
加算器53、ラッチ54の出力をアナログデータに変換
するD/A変換器56、変換されたアナログ信号をピエ
ゾ素子PE駆動用の電圧振幅まで増幅する電圧増幅部5
7、増幅された電圧信号に対応した電流供給を行なうた
めの電流増幅部58とから構成されている。ここで、メ
モリ51は、駆動信号の波形を決める所定のパラメータ
を記憶しておくものである。後述するように、駆動信号
の波形は、予め制御回路40から受け取った所定のパラ
メータにより決定される。ピエゾ素子駆動回路50は、
図12に示したように、制御回路40から、クロック信
号1,2,3、データ信号、アドレス信号0ないし3お
よびリセット信号を受け取る。
【0060】図13は、上述したピエゾ素子駆動回路5
0の構成により、駆動信号の波形が決定される様子を示
す説明図である。まず、駆動信号の生成に先立って、制
御回路40から、駆動信号のスルーレートを示すいくつ
かのデータ信号とそのデータ信号のアドレス信号とが、
クロック信号1に同期して、ピエゾ素子駆動回路50の
メモリ51に出力される。データ信号は1ビットしか存
在しないが、図14に示すように、クロック信号1を同
期信号とするシリアル転送により、データをやり取りす
る構成となっている。即ち、制御回路40から所定のス
ルーレートを転送する場合には、まずクロック信号1に
同期して複数ビットのデータ信号を出力し、その後、こ
のデータを格納するアドレスをクロック信号2に同期し
てアドレス信号0ないし3として出力する。メモリ51
は、このクロック信号2が出力されたタイミングでアド
レス信号を読み取り、受け取ったデータをそのアドレス
に書き込む。アドレス信号は0ないし3の4ビットの信
号なので、最大16種類のスルーレートをメモり51に
記憶することができる。なお、データの最上位のビット
は、符号として用いられている。
【0061】各アドレスA,B,・・・へのスルーレー
トの設定が完了した後、アドレスBがアドレス信号0な
いし3に出力されると、最初のクロック信号2により、
このアドレスBに対応したスルーレートが第1のラッチ
52により保持される。この状態で、次にクロック信号
3が出力されると、第2のラッチ54の出力に第1のラ
ッチ52の出力が加算された値が、第2のラッチ54に
保持される。即ち、図13に示したように、一旦アドレ
ス信号に対応したスルーレートが選択されると、その
後、クロック信号3を受ける度に、第2のラッチ54の
出力は、そのスルーレートに従って増減する。アドレス
Bに格納されたスルーレートは、単位時間△T当たり電
圧△V1だけ電圧を上昇することに対応した値となって
いる。なお、増加か減少かは、各アドレスに格納された
データの符号により決定される。
【0062】図13に示した例では、アドレスAには、
スルーレートとして値0、即ち電圧を維持する場合の値
が格納されている。したがって、クロック信号2により
アドレスAが有効となると、駆動信号の波形は、増減の
ない状態、即ちフラットな状態に保たれる。また、アド
レスCには、単位時間△T当たり電圧を△V2だけ低下
することに対応したスルーレートが格納されている。し
たがって、クロック信号2によりアドレスCが有効とな
った後は、この電圧△V2ずつ電圧は低下し行くことに
なる。
【0063】上述した手法により制御回路40からアド
レス信号とクロック信号2とを出力するだけで、駆動信
号の波形を自由に制御することができる。実施例おける
駆動信号を構成する各パルスについて図11を用いて説
明する。まず、駆動信号は、一つの記録画素に対応した
記録周期において、大きく分けて第1パルスと第2パル
スとから構成されている。第1パルスは、その電圧値が
中間電位Vmからスタートし(T11)、最大電位VP
まで一定の勾配で上昇し(T12)、最大電位VPを所
定時間だけ維持する(T13)。次に、第1パルスは第
1の最低電位VLSまで一定の勾配で下降し(T1
4)、最低電位VLSを所定時間だけ維持する(T1
5)。第1パルスの電圧値は、その後、最大電位VPま
で一定の勾配で再び上昇し(T16)、最大電位VPを
所定時間だけ維持する(T17)。その後、第1パルス
は中間電位Vmまで一定の勾配で下降する(T18)。
【0064】ここで、充電パルスT12がピエゾ素子P
Eに印加されると、ピエゾ素子PEは圧力発生室132
の容積を収縮させる方向にたわみ、圧力発生室132内
に正圧を発生させる。その結果、メニスカスはノズル開
Nzから盛り上がる。充電パルスT12の電位差が大
きく、電圧勾配が急峻な場合には、充電パルスT12に
てインク滴を吐出させることも可能であるが、本実施例
においては充電パルスT12にてインク滴が吐出されな
い範囲に充電パルスT12の電位差を設定している。本
実施例においては更に、充電パルスT12の充電時間
は、メニスカスがヘルムホルツ周期Tcの振動を励起し
ないようにTc以上の期間(この実施例ではTcと実質
的に同一の期間)に設定されている。
【0065】充電パルスT12で盛り上がったメニスカ
スは、ホールドパルスT13が印加されている間、イン
クの表面張力により周期Tmの振動でノズル開口Nz
へと戻る動きに転ずる。放電パルスT14を印加すると
ピエゾ素子PEは圧力発生室132を膨張させる方向に
たわみ、圧力発生室132内に負圧が生じる。この負圧
によるノズル開口Nz内部へのメニスカスの動きは、上
記の周期Tmの振動に重畳されて、メニスカスはノズル
開口Nzの内部に大きく引き込まれる。このように、メ
ニスカスがノズル開口Nzの内部に向かうタイミングで
放電パルスT14を印加することで、比較的小さな放電
パルスT14の電位差でもメニスカスをノズル開口Nz
の内部に大きく引き込むことができる。本実施例では、
ホールドパルスT13の継続時間をTmの約1/2とす
ることで、上記のようなメニスカスの引き込みを保証し
ている。
【0066】メニスカスが引き込まれた状態から充電パ
ルスT16が印加されると圧力発生室132に正圧が発
生してメニスカスがノズル開口Nzから盛り上がる。こ
のとき、メニスカスはノズル開口Nzの内部に大きく引
き込まれているので、正圧方向の圧力が加わっても、吐
出されるインク滴は微小なインク滴にとどまることにな
る。放電パルスT18は、放電パルスT14及び充電パ
ルスT16で励起されたメニスカスの固有振動を抑える
ための放電パルスであり、周期Tcの固有振動がノズル
開口Nzの出口に向かうタイミングでメニスカスをノズ
ル開口Nzの内部へと向わせる放電パルスT18を印加
する。この結果、微少なインク滴の吐出が終了した後の
メニスカスの後退は、比較的小さなものに抑制される。
【0067】次に、第2パルスについて説明する。第2
パルスは、第1パルスに引き続いて中間電位Vmからス
タートする(T19)。第2の最低電位VLLまで一定
の勾配で下降し(T21)、最低電位VLLを所定時間
だけ維持する(T22)。この第2パルスの最低電位V
LLは第1パルスの最低電位VLSよりも低い。そし
て、第2パルスの電圧値は最大電位VPまで一定の勾配
で上昇し(T23)、最大電位VPを所定時間だけ維持
する(T24)。その後、第2パルスは中間電位Vmま
で一定の勾配で下降する(T25)。
【0068】放電パルスT21を印加すると、前述のよ
うに圧力発生室132内に負圧が生じてメニスカスはノ
ズル開口Nzの内部に引き込まれる。但し、放電パルス
T21の電位差を、第1パルスの放電パルスT14の電
位差よりも小さく設定することで、第1パルスに比べて
メニスカスがノズル開口Nzの内部に大きく引き込まれ
ることがないようスルーレートを設定している。
【0069】充電パルスT23が印加されると圧力発生
室132に正圧が発生してメニスカスがノズル開口Nz
から盛り上がる。このとき、メニスカスがノズル開口
の内部にそれほど引き込まれない状態で、正圧方向の
圧力変化が発生するため、吐出されるインク滴は第1パ
ルスに比べて大きなインク滴となる。なお、第2パルス
の最後の放電パルスT25は、放電パルスT21及び充
電パルスT23で励起されたメニスカスの固有振動を抑
えるための放電パルスであり、周期Tcの固有振動によ
りメニスカスがノズル開口Nzの出口方向に向かうタイ
ミングで印加される。
【0070】第1パルスと第2パルスとを連続して選択
した場合には、結局、二つのインク滴がノズル開口Nz
から吐出されることになるが、二つのインク滴は、用紙
上のほぼ同じ位置に着弾する。この様子を示したのが、
図15である。図示するように、第1のパルスに対応し
た小さなインク滴IPsと、第2のパルスを対応した大
きなインク滴IPmとが、用紙上のほぼ同一位置に着弾
することにより、最も大きなドットが形成される。図1
1に示した駆動信号を用いて2種類のドットを形成する
場合、第2パルスの方がピエゾ素子PEの変化量が大き
いため、インク滴IPが勢いよく吐出されることにな
り、大きなインク滴IPmの飛翔速度は、小さなインク
滴IPsと比べて大きい。このようにインク滴の飛翔速
度に差が存在することから、キャリッジ31を主走査方
向に移動しながら、最初に小さなインク滴を吐出し、次
に大きなインク滴を吐出した場合、キャリッジ31の走
査速度と両インク滴の吐出タイミングとを、キャリッジ
31と用紙Pとの間の距離に応じて調整すれば、両イン
ク滴をほぼ同じタイミングで用紙Pに到達させることが
できる。本実施例では、このようにして図11の2種類
の駆動パルスから、最もドット径が大きな大ドットを形
成しているのである。
【0071】F.メニスカスの振動と第2パルスのタイ
ミング:以上説明したように、本実施例では、第1パル
スに対応したインク滴の吐出と第2パルスに対応したイ
ンク滴の吐出とを、単独あるいは連続して行なうことが
できるが、第1パルスと第2パルスとにより連続してイ
ンク滴を形成した場合のインク重量の総和が、それぞれ
のインク滴を単独で形成した場合の総和より有意に大き
くなるよう、メニスカスの振動を考慮して、第1,第2
パルスの形成タイミングを調整している。この点を以下
説明する。図16は、本実施例におけるパルス選択と1
記録周期あたりのインク滴重量との関係を示す説明図で
ある。図示するように、第1パルスと第2パルスを連続
的に選択した場合には、第1パルスと第2パルスをそれ
ぞれ単独に選択した場合のインク滴重量の総和に比べ
て、インク重量は、合計で5ng増加したことが判る。
このインク重量の増加は、小さなインク滴を吐出した後
に、メニスカスの動きを考慮した所定のタイミングで第
2のインク滴を形成していることにより得られている。
結果的に、小ドットのインク重量(実施例では5ng)
に対する大ドットのインク重量(実施例では20ng)
の比率は広がり、実質的に記録ドット径の可変範囲を更
に広くできたことになっている。具体的には、本実施例
では、「第1のインク滴吐出のタイミング」である第1
パルスの充電パルスT16の終点と、「圧力発生室を膨
張させる第1信号の開始タイミング」である第2パルス
の充電パルスT21の始点との時間が、後述する「(第
1のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間)+(メニ
スカス固有振動周期Tmの1/8)」となるようにホー
ルドパルスT19の時間を設定している。
【0072】図17,図18は、第1実施例におけるメ
ニスカスの動きを示す説明図である。縦軸がメニスカス
変位量、横軸が時間を示している。図中の符号707は
ノズル開口Nzの開口面を示し、ノズル開口面707の
下方がノズル開口Nzの内部に相当している。また図中
の曲線708がメニスカスの変位を示している。したが
って、図中の曲線708の接線の傾き(微分値)は、メ
ニスカスの速度を示している。また、インク滴が吐出さ
れた場合には、そのタイミングに対応した曲線708が
横軸との間であって横軸より上方に形成する一つの閉領
域の面積(図示ハッチング部)が、インク滴の重量にほ
ぼ比例することになる。
【0073】図17は、第1パルスを単独に印加したと
きのメニスカス変位である。メニスカス振動のピーク7
04に対応してインク滴が吐出される。即ち、この時点
で、インク滴はメニスカスから分離して微小インク滴と
なって吐出する。その後、メニスカスはノズル開口面7
07より引き込まれた状態となる。一旦、引き込まれた
メニスカスはメニスカスの表面張力によりノズル開口面
707に向かって戻り始め、時刻701の時点でノズル
開口面707に達する。ここで第1のインク滴吐出のタ
イミングから時刻701までの経過時間が「第1のイン
ク滴吐出からのメニスカス戻り時間」TRである。更に
メニスカスはノズル開口面707を超え、やがて戻り始
める。つまり、メニスカスは減衰振動を起こすことにな
る。再びメニスカスがノズル開口面707に至る時刻を
709とすると、時刻701から時刻709までの経過
時間がメニスカスの固有振動周期Tmの約1/2であ
る。時刻703は、第1のインク滴吐出後メニスカス変
位が最大となるポイントであり、時刻701から時刻7
03の経過時間はメニスカスの固有振動周期Tmの約1
/4に等しい。時刻702は、ノズル開口Nz外部へ向
かうメニスカスの速度が最大となる時刻701と前記時
刻703のほぼ中間の時刻であり、時刻701から時刻
702の経過時間はメニスカスの固有振動周期Tmの約
1/8に等しい。時刻710は、時刻703と前記時刻
709のほぼ中間の時刻であり、時刻701から時刻7
10の経過時間はメニスカスの固有振動周期Tmの約3
/8に等しい。
【0074】次に第1パルスに引き続いて第2パルスを
印加したときのインク滴量の増加現象を図18を参照し
つつ説明する。本実施例では、図18に示したように、
時刻702のポイントで「圧力発生室を膨張させる第1
信号の開始タイミング」である放電パルスT21の印加
が開始するように、駆動信号を設定している。この時刻
702におけるメニスカスの状態は、メニスカス変位速
度およびメニスカス変位がいずれもノズル開口Nz外向
きとなっているため、第2パルスの放電パルスT21に
よりメニスカスをノズル開口Nz内部に引き込もうとす
る作用は相殺され、メニスカスの変位708の引き込み
量は低減される。この結果、充電パルスT23の印加に
より、メニスカス振動のピーク705が高くなり、メニ
スカスから分離するインク滴の大きさは、大きくなる。
なお、図18において図中符号706は、「第1のイン
ク滴吐出のタイミング」である充電パルスT16の終点
と、「圧力発生室を膨張させる第1信号の開始タイミン
グ」である放電パルスT21の始点との時間差を示して
いる。
【0075】図19に、「第2パルスの第1信号の開始
タイミング」の位相と第1パルスと第2パルスによって
吐出されるインク滴重量の総和と関係を示す。縦軸は第
1パルスと第2パルスにより吐出されるインク滴重量の
合計値、横軸が時間を示している。インク滴重量曲線G
Iは、第2パルスの第1信号の開始タイミングを時刻7
01から710まで可変して、インク量の合計値を計測
したものである。インク滴重量の総和は、第2パルスの
第1信号の開始タイミングを時刻702付近としたとき
最大値20ngとなり、第2パルスの第1信号の開始タ
イミングが伸びるにしたがって、第1パルスと第2パル
スを各々単独に吐出したときのインク滴重量(5+10
=)15ngに漸近していく。逆に、第2パルスの第1
信号の開始タイミングを短くした場合も、インク滴重量
の総和は低減する。これは、メニスカスがノズル開口
内部に引き込まれた状態で、更に第2の駆動パルスの
放電パルスT21によりメニスカスをノズル開口Nz
部に引き込もうとするためと考えられる。図18から、
第1のインク滴吐出のタイミングと、第2の駆動パルス
の第1の電圧下降波形の開始タイミングとの時間差を、
前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間TR
より長く、(第1のインク滴吐出からのメニスカス戻り
時間TR)+(メニスカス固有振動周期Tmの3/8)
より短くすることが望ましいことが分かる。即ち、第2
パルスの第1信号の開始タイミングを時刻701から時
刻710の時間とすれば、二つのパルスによりそれぞれ
インク滴を吐出した場合より、インク滴重量を増加する
ことができる。
【0076】G.駆動回路50の変形例:以上説明した
第1実施例では、ピエゾ素子PEに付加する駆動信号
は、制御回路40側からの指令に基づいてD/A変換器
56を用いて生成したが、駆動信号を生成する駆動回路
は、図20に示す回路50Aにより実現することも可能
である。かかる駆動回路50Aの構成の一例を、図20
に基づいて説明する。この駆動回路50Aは、ヘッド2
8の各ノズルに対応してシフトレジスタ253A〜25
3N、ラッチ素子254A〜254N、レベルシフタ2
55A〜255N、スイッチ素子256A〜256N、
ピエゾ素子257A〜257Nから構成されている。印
字データは、(10)、(11)等の如く、各ノズル毎
に、2ビットデータで構成されている。そして、全ての
ノズルについての各桁のビットデータが一記録周期内に
シフトレジスタ253A〜253Nに入力される。
【0077】即ち、全ノズル分の上位ビットであるビッ
ト2のデータがシフトレジスタ253A〜253Nにシ
リアル転送された後、この全ノズル分のビット2のデー
タはラッチ素子254A〜254Nによってラッチされ
る。このラッチにより、次に、全ノズル分の下位ビット
であるビット1のデータがシフトレジスタ253A〜2
53Nにシリアル転送される。
【0078】そして、例えばアナログスイッチとして構
成される各スイッチ素子256A〜256Nに加わるビ
ットデータが「1」の場合は、駆動信号(COM)がピ
エゾ素子257A〜257Nに直接印加され、各ピエゾ
素子257A〜257Nは駆動信号の信号波形に応じて
変位する。逆に、各スイッチ素子256A〜256Nに
加わるビットデータが「0」の場合は、各ピエゾ素子2
57A〜257Nへの駆動信号は遮断され、各ピエゾ素
子257A〜257Nは直前の電荷を保持する。
【0079】この回路50Aでも、駆動信号(COM)
は、図1に示した波形となっており、第1実施例と同
様、第1パルスおよび第2パルスにより、小さなインク
滴と大きなインク滴とが形成される。
【0080】第1パルスは、例えば約5ngの小さいイ
ンク滴を吐出させるためのものである。小ドットを記録
する場合、この第1パルスが単独に選択され、小さいド
ット径が得られる。第2パルスは、図1に示した例で
は、常に前記第1パルスに引き続いて選択され、単独に
第2パルスのみ選択されることはない。大ドットを記録
する場合、第1、第2パルスが連続して選択されること
で、例えば約(5+15=)20ngの大きなインク滴
が吐出され、大きなドット径が得られることは、第1実
施例で説明した通りである。
【0081】階調表現に関しては、ドットを形成しない
無ドットの場合(階調値1)、小ドットのみ形成する場
合(階調値2)、大ドットを形成する場合(階調値3)
の3パターンで記録紙上に記録ドットを形成すれば、3
階調のドット階調を行うことができる。なお、各階調値
を(00)、(01)、(10)のように2ビットデー
タで表わすことができる。
【0082】小さいインク滴のみを吐出する小ドットの
階調値2の場合は、スイッチ素子256に対して、第1
パルス発生時は同期させて「1」を印加し、第2パルス
発生時は「0」を印加すれば、第1パルスのみをピエゾ
素子257に供給することができる。つまり、階調2を
示す2ビットのデータ(01)を2ビットデータ(1
0)に翻訳(デコード)することにより、第1パルスの
みをピエゾ素子257に印加することができ、小ドット
の階調値2を実現することができる。
【0083】同様に、デコードされた2ビットデータ
(11)をスイッチ素子256に与えれば、第1パルス
及び第2パルスがピエゾ素子257に印加され、これに
より記録紙上に小大2発のインク滴が続けて着弾し、各
インク滴が混じり合って実質的に大ドットが形成され、
階調値3を実現できる。また同様に、インク滴を吐出し
ない無ドットの階調値1の場合は、2ビットデータ(0
0)をスイッチ素子256に与えれば、ピエゾ素子25
7にはパルスが印加されないで、無ドットの階調値1が
実現できることになる。
【0084】各2ビットの印字データをスイッチ素子2
56等に与える具体的構成について、補足する。まず、
出力バッファ44Cには、制御部46によりデコードさ
れた2ビットの印字データ(D1,D2)が記憶されて
いる。ここで、D1は第1パルスの選択信号、D2は
パルスの選択信号である。この2ビットの印字データ
は、一記録周期内に記録ヘッド28の各ノズルに対応し
たスイッチ素子256に与えられる。具体的には、記録
ヘッド28のノズル数をn個とし、副走査方向のある位
置における1番目のノズルの印字データを(D11,D
21)、2番目のノズルの印字データを(D12,D2
2)のように表わした場合、シフトレジスタ253に
は、全ノズルについての第1パルス選択信号D1のデー
タ(D11,D12,D13,...D1n)がクロッ
ク信号に同期してシリアル入力される。同様にして、全
ノズルについての第2パルス選択信号D2のデータ(D
21,D22,D23,...D2n)が、一記録周期
内でシフトレジスタ253に転送される。この様子を、
図11の最下段に示しておいた。
【0085】図11に示したように、目的とする駆動パ
ルスを発生させるタイミングの前に、当該駆動パルスを
選択する印字データをシフトレジスタ253に転送して
おく。そして、目的とするパルスの発生に同期させて、
シフトレジスタ253にセットされた印字データをラッ
チ素子254に転送して記憶させる。ラッチ素子254
の印字データは、レベルシフタ255により昇圧された
後、スイッチ素子256を介して、ピエゾ素子257に
駆動信号として付加される。
【0086】H.第2実施例:次に本発明の第2実施例
について、説明する。第2実施例の印刷装置は、その全
体構成は、第1実施例と同様である。第2実施例が第1
実施例と異なる点は、インクジェット記録用の印字ヘッ
ド28の環境温度に応じて、第1パルスのインク滴吐出
のタイミングと、第2パルスの第1信号の開始タイミン
グとの時間差を可変とする点である。
【0087】図21は、第2実施例におけるプリンタ2
2の内部構成を示すブロック図である。この実施例のプ
リンタ22は、制御回路40およびピエゾ素子駆動回路
50の他に、タイミング記憶手段192、タイミング制
御手段191、温度センサ194およびAD変換器19
3を備える。温度センサ194は、印字ヘッド28の周
囲の温度を検出するセンサである。この温度センサ19
4は、インクの吐出のされ易さを反映したパラメータと
して環境温度を検出していることになる。この温度セン
サ194で測定された温度データは、AD変換器193
を介してタイミング制御手段191に取り込まれる。タ
イミング制御手段191では温度センサ194から入力
された温度データに基づいて、タイミング記憶手段19
2に予め記憶されている「第2パルスの第1信号の開始
タイミング」条件を読み出し、これを制御回路40の駆
動信号設定回路48Bに出力する。駆動信号設定回路
8Bは、この条件を取り込んで、第2パルスの第1信号
の開始タイミング条件を決定し、その情報をI/F49
を介してピエゾ素子駆動回路50に出力する信号のタイ
ミングを調整する。したがって、環境温度により、第2
パルスの駆動信号のタイミングを調整することが可能と
なっている。なお、単に温度センサ194のみを設け、
タイミングなどの決定をすべて制御回路40側で行なう
よう構成することも可能である。
【0088】図22は、あるインクを採用したプリンタ
において、環境温度が15℃、25℃、40℃と変化し
た場合のメニスカスの動きを例示する図であり、縦軸は
メニスカスの変位、横軸は時間を示す。図中符号901
は、15℃におけるメニスカスの変位であり、符号90
2、903は各々25℃、40℃におけるメニスカスの
変位を示している。
【0089】この例のインクは、その粘度が温度により
変化するタイプのインクであり、温度が高くなるほど、
粘性が低下する性状を有している。15℃におけるメニ
スカスの変位901は、25℃におけるメニスカスの変
位902に比べて、インク粘度の温度依存性により流路
抵抗が増大するため、メニスカス振動の減衰が大きくな
り、前述のインク滴吐出直後のメニスカスのヘルムホル
ツ共振による振幅、およびメニスカスの固有振動による
振幅は、共に小さい。更に固有振動の振動周期Tmは流
路抵抗の増大により長くなる。逆に、40℃におけるメ
ニスカスの変位903は、流路抵抗が減少するため、メ
ニスカス振動の減衰が小さくなり、メニスカスのヘルム
ホルツ共振による振幅、およびメニスカスの固有振動に
よる振幅は共に大きくなる。更に前記固有振動の周期T
mは流路抵抗の減少により短くなる。
【0090】このように、プリンタに用いるインクが、
温度により粘性が大きく変わるタイプのインクである場
合には、粘性の温度依存性によってメニスカス振動状態
が大きく変化するため、第1パルスのインク滴吐出のタ
イミングと、第2パルスの第1信号の開始タイミングと
の時間差を環境によらず一定とすると、インク滴の重量
が温度により大きく相違する可能性がある。第2パルス
の第1信号の開始タイミングにおけるメニスカス位置お
よびメニスカス速度が変化するからである。
【0091】そこで、こうしたインクを用いた場合に
は、図22に示したように、第2パルスの第1信号の開
始タイミングを、15℃においては時刻904に、25
℃においては時刻905に、40℃においては時刻90
6に、というように、環境温度によって可変とする。こ
の結果、メニスカス位置およびメニスカス速度の環境依
存性をある程度相殺することができ、環境温度による第
2パルスのインク滴重量の変化を簡単な構成で抑えるこ
とが可能となる。なお、インクの吐出のしやすさに関連
したパラメータが他にあれば、同様に検出し、第2パル
スの第1信号の開始タイミングに反映すれば良い。こう
したパラメータとしては、例えばインクの濃度や大気
圧、ピエゾ素子の特性の経年変化など様々なものを考え
ることができる。こうしたパラメータを直接検出するこ
とが望ましいが、直接検出することが困難な場合には、
推定したり使用者が設定するものとすることも差し支え
ない。例えば、インク濃度を交換直後のインクカートリ
ッジ全体の重量から推定したり、特性の経年変化を使用
開始からの経過時間により推定することも可能である。
また、大気圧などの情報は、プリンタ内にセンサを設け
ても良いが、例えばコンピュータ90が、電話回線を介
して所定の計測機関からデータを受け取り、これをプリ
ンタ22に転送するものとしてもよい。
【0092】I.第3実施例:次に本発明の第3実施例
について説明する。第3実施例の印刷装置およびプリン
タとそのヘッド駆動装置は、前記第2実施例の構成に準
じている。第3実施例が第2実施例と異なる点は、第1
パルスのインク滴吐出のタイミングと、第2パルスの第
1信号の開始タイミングとの時間差を高温環境になるに
したがって長い側に可変とする点である。
【0093】図23は、図22同様に、あるインクを用
いたプリンタにおいて、環境温度が15℃、25℃、4
0℃と変化した場合のメニスカスの動きを示す図であ
り、縦軸はメニスカスの変位、横軸は時間を示す。
【0094】図23に示さしたように、この実施例で
は、第2パルスの第1信号の開始タイミングを、15℃
においては時刻914に、25℃においては時刻915
に、40℃においては時刻916に、というように高温
環境になるにしたがって長い側に可変としている。この
本実施例でも、第2実施例同様、メニスカス位置および
メニスカス速度の環境依存性をある程度相殺することが
でき、環境温度による第2パルスのインク滴重量の変化
を簡単な構成で抑えることができる。更に本実施例で
は、高温環境になるにしたがって長い側に可変とするこ
とで、第2パルスの開始タイミングにおいて、第1のイ
ンク滴吐出直後のメニスカスのTc振動の影響を受けに
くいため、飛行曲がりの少ない、安定した飛翔状態が実
現できるという長所を合わせもつ。
【0095】J.第4実施例: 次に、本発明の第4実施例について、説明する。第4実
施例は、第1実施例と同様のハードウェア構成を有する
が、第2のインク滴の吐出のタイミングをホルムヘルツ
共振の周期Tcを考慮して定めている点に特徴を有す
る。図22,23に例示したように、第1パルスによる
小さなインク滴の吐出を行なった後のメニスカスの動き
を詳細に観察すると、メニスカスの固有振動の周期Tm
に従うメニスカスの大きな動きに加えて、この周期Tm
よりかなり周期の短いヘルムホルツ共振による周期Tc
の振動が見られる。したがって、第2のインク滴の吐出
のタイミングをこのヘルムホルツ共振による周期Tcを
考慮して定めることにより、第2パルスに応じて吐出さ
れるインク滴の重量を可変することができる。
【0096】例えば、図24は、あるインクを用いた場
合のメニスカスの動きを詳しく示したものであり、メニ
スカスの固有振動による周期Tmに、ヘルムホルツ共振
による周期Tcの振動が重畳されている様子が分かる。
図24おいて、符号921は、第1パルスによるインク
滴の吐出終了後の最初のヘルムホルツ共振による振動の
ピークを、符号922は2回目のピークを、符号923
は、3回目のピークを、符号924は4回目のピーク
を、それぞれ示している。そこで、第2パルスによるイ
ンク滴の吐出のタイミングをこの周期Tcの整数倍(1
倍、2倍、3倍。・・)としておければ、第2パルスに
応じて吐出されるインク滴の重量を増加することができ
る。また、第2パルスによるインク滴の吐出のタイミン
グをこの周期Tcの(整数+1/2)倍としておけば、
第2パルスに応じて吐出されるインク滴の重量を減らす
ことができる。
【0097】この結果、メニスカスのヘルムホルツ共振
の周期Tcを考慮することにより、インク滴の重量を細
かく制御することが可能となる。この特徴を利用して、
例えばインクの粘性が低下してインク滴が吐出されやす
くなるにしたがって、第2のインク滴の吐出のタイミン
グを、周期Tcの整数倍から(整数+1/2)倍へと延
ばし(あるいは縮め)、粘性の変化により吐出されやす
くなる分を相殺して、粘性の変化によらずインク滴の重
量を一定に保つと言った制御を行なうことも可能であ
る。もとより、メニスカスの固有振動による周期Tmと
ヘルムホルツ共振による周期Tcの両者を考慮して、第
2パルスの第1信号のタイミングおよび第2のインク滴
の吐出のタイミングを決定することも好適である。この
場合には、両者を最適に選択してインク重量を最大とし
た状態から、両者を最も悪い条件としてインク重量を最
小にした状態まで、インク重量の可変範囲を最も広く取
ることが可能となる。
【0098】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明は、これらの実施例に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内におい
て、種々の態様で実施可能である。例えば、上記の実施
例において、ピエゾ素子は、たわみ振動子型のPZTを
採用したが、縦振動横効果のPZTであってもよい。但
しこの場合、たわみ振動子型のPZTに対して、充電と
放電が入れ替わることになる。また、圧力発生素子とし
ては、ピエゾ素子に限らず、例えば磁歪素子等の他の素
子を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるピエゾ素子の駆動信号
の一例を示すグラフである。
【図2】本発明の印刷装置の概略構成図である。
【図3】プリンタドライバの構成を示すブロック図であ
る。
【図4】プリンタ22の内部構成を駆動系を中心に示す
説明図である。
【図5】印字用ヘッドの導入管67まわりの概略構成を
示す説明図である。
【図6】ピエゾ素子の伸縮によりインク滴が吐出される
原理を示す説明図である。
【図7】ヘッドに設けられたインク吐出機構の機械的構
造を示す断面図である。
【図8】実施例における印字ヘッド28におけるノズル
の並びを例示する説明図である。
【図9】ピエゾ素子に加える駆動信号とインク滴の吐出
との関係を例示する模式図である。
【図10】本発明の第1実施例で用いたプリンタ22内
部の電気的な構成を例示するブロック図である。
【図11】駆動信号の各波形について説明する説明図で
ある。
【図12】ピエゾ素子駆動回路50の内部構成を例示す
るブロック図である。
【図13】駆動パルスの生成の過程を示す説明図であ
る。
【図14】データ信号を用いてメモり51にスルーレー
トを設定する場合の各信号のタイミングを示すタイミン
グチャートである。
【図15】吐出された大小二つのインク滴が用紙P上に
着弾する状態を示す模式図である。
【図16】パルス選択と1記録周期あたりのインク滴重
量との関係を示す説明図である。
【図17】単独パルスによりインクの吐出を行なう場合
のメニスカスの変位の一実施例を示すグラフである。
【図18】連続する二つのパルスによりインクの吐出を
行なう場合のメニスカスの変位の一実施例を示すグラフ
である。
【図19】第2パルスの第1信号の開始タイミングと二
つのパルスにより吐出されるインク滴重量との関係を示
すグラフである。
【図20】第1実施例の変形例におけるピエゾ駆動回路
の概略構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第2実施例におけるプリンタの内部
構成を示すブロック図である。
【図22】第2実施例におけるメニスカスの変位を示す
グラフである。
【図23】本発明の第3実施例におけるメニスカスの変
位を示すグラフである。
【図24】本発明の第4実施例におけるメニスカスの変
位を示すグラフである。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…フレキシブルドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 21…CRTディスプレイ 22…プリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…インク吐出用ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 43…I/F 44…RAM 44A…受信バッファ 44B…中間バッファ 44C…出力バッファ 45…ROM 46…制御部 47…発振回路 48…駆動信号発生回路 48A…駆動信号設定回路 49…I/F 50…ピエゾ素子駆動回路 51…メモリ 52…第1のラッチ 53…シフトレジスタ 53…加算器 54…第2のラッチ 55…レベルシフタ 56…D/A変換器 57…部 57A〜57N…ピエゾ素子 58…電圧増幅部 59…電流増幅部 61〜66…インク吐出用ヘッド 67…導入管 68…インク通路 71,72…インクカートリッジ 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 86…CRTC 88…SIO 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ 121…アクチュエータユニット 122…流路ユニット 123…ノズル開口 130…第1の蓋部材 132…圧力発生室 134…駆動電極 135…スペーサ 136…第2の蓋部材 137…インク供給口 138,139…連通孔 140…インク供給口形成基板 141…インク室 143…インク室形成基板 144…ノズル連通孔 145…ノズルプレート 146,147,148…接着層 191…タイミング制御手段 192…タイミング記憶手段 193…AD変換器 194…温度センサ 253A〜253N…シフトレジスタ 254A〜254N…ラッチ素子 255A〜255N…レベルシフタ 256A〜256N…スイッチ素子 257A〜257N…ピエゾ素子
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/205

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口の各々に対応して設け
    られた圧力発生素子を作動させることにより、前記ノズ
    ル開口からインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘ
    ッドの駆動装置であって、 前記複数のノズルから第1のインク滴を吐出させるため
    の第1の駆動パルスと、該複数のノズルから前記第1の
    インク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための
    第2の駆動パルスとを含んでなる駆動信号を発生させる
    駆動信号発生手段と、 録画素に対応した一記録周期内で前記各駆動パルスの
    うちの少なくとも一つの駆動パルスを選択する駆動パル
    ス選択手段と、 該選択された駆動パルスを含む前記駆動信号により、前
    記圧力発生素子を駆動する素子駆動手段と、前記 第1または第2のインク滴により形成されるドット
    より大きいドットを形成しようとする場合には、前記パ
    ルス選択手段により、前記一記録周期内に前記第1の駆
    動パルスと前記第2の駆動パルスとを選択すると共に、
    該第2の駆動パルスの出力のタイミングを、前記第1の
    インク滴吐出からのメニスカス戻りを利用して前記第2
    のインク滴を吐出するタイミングとして、両駆動パルス
    に応じたインク滴により記録媒体上に大ドットを形成す
    る大ドット形成手段とを備えたインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 該圧力発生素子の変形により容積が低減されてインクの
    液圧を増加する圧力発生室を、前記ノズルへのインク通
    路に連通して設け、 前記駆動信号発生手段は、 前記第2の駆動パルスを、前記圧力発生室を膨張させる
    第1信号と、膨張状態を保持する第2信号と、前記圧力
    発生室を収縮する第3信号とを少なくとも有するパルス
    として形成すると共に、 前記第1のインク滴吐出のタイミングと前記第2の駆動
    パルスの前記第1信号の開始タイミングとの時間差を、
    前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間TR
    より長く、TR+3・Tm/8(Tmは、メニスカス固
    有振動周期)より短い時間として定めるインクジェット
    記録ヘッドの駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 前記インクの吐出の程度に関与するインクの性状を反映
    したパラメータを検出する検出手段と、 該検出手段により検出されたパラメータに基づいて前記
    第1信号の開始タイミングを変更することで、前記第1
    のインク滴吐出のタイミングと前記第1信号の開始タイ
    ミングとの時間差を可変するタイミング変更手段とを備
    えたインクジェット記録ヘッドの駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記パラメータとし
    て、前記インクの温度を検出するセンサであり、前記第
    1のインク滴吐出のタイミングと前記第1信号の開始タ
    イミングとの時間差を、該検出された温度が低温から高
    温となるにしたがって長い側に可変する請求項3記載の
    インクジェット記録ヘッドの駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 該圧力発生素子の変形により容積が低減されてインクの
    液圧を増加する圧力発生室を、前記ノズルへのインク通
    路に連通して設けると共に、 前記駆動信号発生手段を、前記第1のインク滴吐出のタ
    イミングと前記第2のインク滴吐出のタイミングとの時
    間差を、前記圧力発生室内のインクのヘルムホルツ共振
    による振動の周期Tcを考慮した時間として定める手段
    としたインクジェット記録ヘッドの駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 前記駆動信号発生手段を、前記第1のインク滴吐出のタ
    イミングと前記第2のインク滴吐出のタイミングとの時
    間差を、前記圧力発生室内のインクのヘルムホルツ共振
    による振動の周期Tcを考慮した時間として定める手段
    としたインクジェット記録ヘッドの駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 前記駆動信号発生手段は、前記第1のインク滴吐出のタ
    イミングと前記第2のインク滴吐出のタイミングとの時
    間差を、前記ヘルムホルツ共振による振動の周期Tcの
    整数倍として定める手段としたインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの駆動装置であって、 前記インクの吐出の程度に影響を与えるパラメータを検
    出する検出手段と、 該検出手段により検出されたパラメータに基づいて、前
    記第1のインク滴吐出のタイミングと前記第2のインク
    滴吐出のタイミングとの時間差を、前記インクが吐出さ
    れやすくなるに従って、前記周期Tcの(整数+1/
    2)倍へと可変する手段とを備えたインクジェット記録
    ヘッドの駆動装置。
  9. 【請求項9】 複数のノズル開口の各々に対応して設け
    られた圧力発生素子を作動させることにより、前記ノズ
    ル開口からインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘ
    ッドの駆動方法であって、 前記複数のノズルから第1のインク滴を吐出させるため
    の第1の駆動パルスと、該複数のノズルから前記第1の
    インク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための
    第2の駆動パルスとを含んでなる駆動信号を発生させ、 記録画素に対応した一記録周期内で前記各駆動パルスの
    うちの少なくとも一つの駆動パルスを選択し、前記 第1または第2のインク滴により形成されるドット
    より大きいドットを形成しようとする場合には、前記一
    記録周期内に前記第1の駆動パルスと前記第2の駆動パ
    ルスとを選択すると共に、該第2の駆動パルスの出力の
    タイミングを、前記第1のインク滴吐出からのメニスカ
    ス戻り利用して前記第2のインク滴を吐出するタイミン
    グとし、 該選択された駆動パルスを含む前記駆動信号により、前
    記圧力発生素子を駆動するインクジェット記録ヘッドの
    駆動方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの駆動方法であって、 前記駆動パルスを発生する際、 前記第2の駆動パルスを、前記圧力発生素子の変形によ
    り容積が低減されてインクの液圧を増加する圧力発生室
    を膨張させる第1信号と、該膨張状態を保持する第2信
    号と、前記圧力発生室を収縮する第3信号とを少なくと
    も有するパルスとして形成すると共に、 前記第1のインク滴吐出のタイミングと、前記第2の駆
    動パルスの前記第1信号の開始タイミングとの時間差
    を、前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間
    TRより長く、TR+3・Tm/8(Tmは、メニスカ
    ス固有振動周期)より短い時間とするインクジェット記
    録ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの駆動方法であって、 前記駆動パルスを発生する際、 前記第1のインク滴吐出のタイミングと前記第2のイン
    ク滴吐出のタイミングとの時間差を、前記圧力発生室内
    のインクのヘルムホルツ共振による振動の周期Tcを考
    慮した時間として定めるインクジェット記録ヘッドの駆
    動方法。
  12. 【請求項12】 複数のノズル開口の各々に対応して設
    けられた圧力発生素子を作動させることにより、前記ノ
    ズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット記録
    ヘッドを備え、該ノズルから吐出されるインク滴によ
    り、記録媒体上に画像を記録する印刷装置であって、 更に、画像を構成する画素毎に階調値を有する印字デー
    タを入力する印字データ入力手段と、 前記複数のノズルから第1のインク滴を吐出させるため
    の第1の駆動パルスと、該複数のノズルから前記第1の
    インク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための
    第2の駆動パルスとを含んでなる駆動信号を発生させる
    駆動信号発生手段と、 記録画素に対応した一記録周期内で、前記入力された印
    字データの階調値に基づいて、前記第1,第2の駆動パ
    ルスのいずれも選択せずインク滴を吐出しないか、前記
    第1または第2の駆動パルスのいずれか一方のみ選択す
    るか、前記第1および第2の駆動パルスの両方を選択す
    るかを決定する駆動パルス選択手段と、該第1および第2の駆動パルスの両方が選択した際に
    は、前記第2の駆動パルスの出力のタイミングを、前記
    第1のインク滴吐出からのメニスカス戻りを利用して前
    記第2のインク滴を吐出するタイミングとして、 前記駆
    動信号により前記圧力発生素子を駆動する素子駆動手段
    とを備えた印刷装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の印刷装置であって、 該圧力発生素子の変形により容積が低減されてインクの
    液圧を増加する圧力発生室を、前記ノズルへのインク通
    路に連通して設け、 前記駆動信号発生手段は、 前記第2の駆動パルスを、前記圧力発生室を膨張させる
    第1信号と、該膨張状態を保持する第2信号と、前記圧
    力発生室を収縮する第3信号とを少なくとも有するパル
    スとして形成すると共に、 前記第1のインク滴吐出のタイミングと前記第2の駆動
    パルスの前記第1信号の開始タイミングとの時間差を、
    前記第1のインク滴吐出からのメニスカス戻り時間TR
    より長く、TR+3・Tm/8(Tmは、メニスカス固
    有振動周期)より短い時間として定める手段である印刷
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の印刷装置であって、 該圧力発生素子の変形により容積が低減されてインクの
    液圧を増加する圧力発生室を、前記ノズルへのインク通
    路に連通して設けると共に、 前記駆動信号発生手段を、前記第1のインク滴吐出のタ
    イミングと前記第2のインク滴吐出のタイミングとの時
    間差を、前記圧力発生室内のインクのヘルムホルツ共振
    による振動の周期Tcを考慮した時間として定める手段
    とした印刷装置。
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