JP3389091B2 - 飾りリリヤンの製造装置 - Google Patents
飾りリリヤンの製造装置Info
- Publication number
- JP3389091B2 JP3389091B2 JP07580198A JP7580198A JP3389091B2 JP 3389091 B2 JP3389091 B2 JP 3389091B2 JP 07580198 A JP07580198 A JP 07580198A JP 7580198 A JP7580198 A JP 7580198A JP 3389091 B2 JP3389091 B2 JP 3389091B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- knitting
- lily
- casing
- short fibers
- roller
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Knitting Machines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この本発明は、短繊維による
毛羽が筒編地状のリリヤンの編目中に編込まれた構造を
有する飾りリリヤンの製造装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の技術としては、例えば実公平４−
１４４７１号公報がある。この公報には、リリヤンの所
要個所に花糸加工を施すことができるリリヤン編機が開
示されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のリリ
ヤン編機では製造しえない特異な毛羽形態を有する飾り
リリヤンを安定して製造することを課題とするものであ
る。 【０００４】 【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明の特
許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする飾りリ
リヤンの製造装置により解決することができる。すなわ
ち、本発明の飾りリリヤンの製造装置は、垂直な軸心の
回りを旋回しながら上下動する適数本の編針の編成動作
によって編糸を編込むことにより、編目が筒編地状に連
続したリリヤンを編成するリリヤン編成部と、前記リリ
ヤン編成部の上方に設置され、かつ、オープニングロー
ラによって短繊維による粗糸状乃至スライバ状の繊維束
をオープンエンド状態の短繊維にオープニングし、その
短繊維を前記リリヤン編成部における前記リリヤンの編
目中に編込まれるように直下へ落下させる繊維供給部と
を備えた、飾りリリヤンの製造装置であって、 前記リリ
ヤン編成部は、 ベース板に固定されて垂直な軸心を有す
る円筒状の支持体と、 前記支持体内に同心状に設置され
かつ相互間に隙間を隔てて平行な傾斜するカム面が形成
された円筒状の上下のカムと、 前記両カム内に垂直な軸
心を中心として回転可能に設置されて回転駆動され、中
心部にリリヤンが通り抜ける丸孔状の通し孔を縦貫状に
有するととともに外周面に周方向へ等間隔で平行状に並
んで凹設された適数個のガイド溝を有する回転体と、 前
記回転体の各ガイド溝内に上下方向へ摺動可能に嵌め込
まれ、前記編糸を引掛けて解放するフックを上端に有す
るとともに前記両カムのカム面間の隙間に挿入された受
動片を下端に有し、前記回転体と共に回転体の垂直な軸
心の回りを旋回しながら前記両カムのカム面によって上
下動することにより、編糸を編込んで編目が筒編地状に
連続するリリヤンを加撚しながら編成する編成動作を行
なう前記適数本の編針と を備えている一方、 前記繊維供
給部は、 固定ビームに取付けられたケーシングと、 前記
ケーシングの上端に設置され、前記短繊維による粗糸状
乃至スライバ状の繊維束を案内するスライバガイドと、
前記ケーシング内の上部に設置された回転駆動可能なフ
ィードローラと、 前記ケーシングの上端部に支持ピンに
よって揺動可能に支持されかつ前記スライバガイドを通
じてくる前記繊維束を前記フィードローラとの間に挟み
込んで下方へ送り出す送り部材と、 前記ケーシング内に
設置され、前記フィードローラおよび前記送り部材によ
って送り出されてくる前記繊維束を高速回転によって開
繊およびドラフトしてオープンエンド状態の短繊維にオ
ープニングして下方へ落下させる多数個の歯を外周面に
周方向および幅方向に規則的に配列したオープニングロ
ーラと、 前記ケーシングの側方に設置され、前記オープ
ニングローラを回転駆動するモータと、 前記ケーシング
の下側に前記回転体と同心状をなすように設置され、前
記オープニングローラから落下する短繊維を直下の前記
リリヤン編成部におけるリリヤンの編目中に編込まれる
ように落下させる円筒状のガイド壁と を備えている、飾
りリリヤンの製造装置である。 【０００５】本発明の飾りリリヤンの製造装置によれ
ば、リリヤン編成部においては、垂直な軸心の回りを旋
回しながら上下動する適数本の編針の編成動作によって
編糸を編込むことにより、編目が筒編地状に連続したリ
リヤンが編成される。そのリリヤン編成部におけるリリ
ヤンの編目中には、繊維供給部において繊維束をオープ
ニングローラによってオープニング状態にオープニング
してなる短繊維が編込まれるように落下される。したが
って、リリヤンの編目中にオープンエンド状態の短繊維
が編込まれた、特異な毛羽形態を有する飾りリリヤンを
編成することができる。 【０００６】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。 【０００７】飾りリリヤンの製造装置は、毛羽Ｆとなる
繊維群が編糸Ｂと交絡して編目Ｃ中に編込まれた細い筒
編地状の飾りリリヤンＡ（図４参照）を製造する製造装
置で、この実施の形態では、図１に示すように、短繊維
による粗糸状乃至スライバ状の繊維束Ｄを開繊およびド
ラフトして下方へ送り出す繊維供給部１と、この繊維供
給部１の直下に設置され、繊維供給部１で開繊およびド
ラフトされた短繊維を受入れて編糸Ｂと合流させた状態
で細い筒編地状のリリヤンを加撚しながら編成するリリ
ヤン編成部２と、このリリヤン編成部２の直下に設置さ
れ、リリヤン編成部２で編成された有撚の飾りリリヤン
Ｅを解撚して、有撚の飾りリリヤンＥが解撚された無撚
の飾りリリヤンＡ（図４参照）を巻取る解撚部３を主体
して構成されている。 【０００８】始めに、リリヤン編成部２について説明す
ると、このリリヤン編成部２には、図３に示すように、
ベース板４に固定されて垂直な軸心を有する段付き円筒
状の支持体５が設置されている。 【０００９】支持体５内には、この支持体５の上部に固
定されて傾斜したカム面６ａが下端に形成された上カム
６と、この上カム６の下方で支持体５に固定されて上カ
ム６のカム面６ａと平行なカム面７ａが上端に形成され
た円筒状の下カム７とが、両カム面６ａ，７ａ間に形成
された隙間９を隔てて同心状に設置されている。 【００１０】上下のカム６，７内には、垂直な軸心を中
心として回転駆動される回転体８が設置されている。 【００１１】回転体８の中心部には、リリヤンが通り抜
ける丸孔状の通し孔８ａが縦貫状に形成され、回転体８
の外周面には、周方向へ等間隔で並んだ複数個のガイド
溝８ｂが、それぞれ軸方向に沿って平行状に凹設されて
いる。 【００１２】回転体８の各ガイド溝８ｂ内には、回転体
８の軸心の回りを旋回しながら上下動して編糸Ｂによる
編目Ｃ（図４参照）を形成する編針１０が、それぞれ上
下方向へ摺動可能に嵌め込まれている。 【００１３】各編針１０の上端には、編糸Ｂを引掛けて
解放するフック１０ａがそれぞれ形成され、各編針１０
の下端には、上下のカム６，７間の隙間９内に挿入され
た状態で設置されて、上下のカム６，７のカム面６ａ，
７ａによって上下方向へ押動される受動片１０ｂがそれ
ぞれ形成されている。 【００１４】回転体８が回転すると、各編針１０が回転
体８の軸心の回りを旋回するとともに、各編針１０の各
受動片１０ｂが両カム面６ａ，７ａによって順次上下方
向へ押動され、各編針１０は、旋回しながら上下死点へ
昇降するタイミングを少しづつずらせた状態で上下動す
る。 【００１５】回転体８の斜め上方の両側から編針１０に
供給された１対の編糸Ｂは、旋回しながら上下動する各
編針１０の各フック１０ａに順次引掛けられ、編針１０
の下動時にフック１０ａによって下方へ引込まれて編針
１０の上動時にフック１０ａから解放される。これによ
り、編針１０の上下動毎に編糸Ｂによる編目が形成さ
れ、周方向および長手方向へ連続する編目群を有する細
い平編の筒編地状のリリヤンが加撚状態で編成される。 【００１６】リリヤン編成部２の若干下方には、リリヤ
ン編成部２から加撚状態で送り出されるリリヤンの送り
出し速度を規定する引取りローラ２２が設置されている
（図１参照）。 【００１７】繊維供給部１（図２参照）は、粗糸状乃至
スライバ−状の繊維束Ｄを開繊およびドラフトしてオー
プンエンド状態の短繊維にオープニングし、その短繊維
をリリヤン編成部２へ送り込む目的で設置されている。
また、繊維供給部１は、前記短繊維を編糸Ｂと合流させ
た状態で有撚の飾りリリヤンＥを編成するときに、その
飾りリリヤンＥに加えられる撚を繊維供給部１で絶ち切
って、その撚が繊維束Ｄにまで及ばないようにする。 【００１８】繊維供給部１において、固定ビーム１３に
取付けられたケーシング１２の上端には、繊維束Ｄを下
方へ案内するスライバガイド１４が設置されている。 【００１９】ケーシング１２内の上部には、回転駆動可
能なフィードローラ１５と、そのケーシング１２の上端
部に挿通された支持ピン１７によって揺動可能に支持さ
れてフィードローラ１５に押しつけられ、繊維束Ｄをフ
ィードローラ１５との間に挟み込んで下方へ送り出す送
り部材１６とが隣り合って設置されている。 【００２０】ケーシング１２内には、高速回転によって
繊維束Ｄを開繊およびドラフトし、その繊維束Ｄを構成
する短繊維のつながりを絶ち切ってオープンエンド状態
にオープニングするオープニングローラ１８が設置され
ている。 【００２１】オープニングローラ１８は、その外周面に
周方向および幅方向へ規則的に配列された多数個の歯１
８ａを備えている。 【００２２】オープニングローラ１８は、ケーシング１
２の側方に設置されたモータ１９によって、例えば５０
００〜１００００ｒｐｍの回転速度で回転駆動される。 【００２３】前記繊維束Ｄは、スライバガイド１４を通
じてケーシング１２内へ供給され、フィードローラ１５
および送り部材１６によってオープニングローラ１８の
上端付近へ送り出される。その繊維束Ｄは、オープニン
グローラ１８によって開繊およびドラフトされ、オープ
ンエンド状態にオープニングされることにより短繊維と
される。その短繊維は、オープニングローラ１８の下端
から落下し、そのオープニングローラ１８の下側に設置
された円筒状のガイド壁２０内を通ってリリヤン編成部
２へ送り込まれる。 【００２４】繊維供給部１からオープニング状態で送り
出されてリリヤン編成部２へ送り込まれた短繊維は、リ
リヤン編成部２で編糸Ｂと合流し、編針１０の編成動作
によって編糸Ｂと交絡して編目Ｃ中に抜けにくい状態で
編込まれる。これにより、有撚の飾りリリヤンＥが編成
される。 【００２５】図１に示すように、前記解撚部３は、引取
りローラ２２の下方に直立状態で設置されて定位置で回
転駆動されるスピンドル２３と、このスピンドル２３の
上方で昇降するリングレール２５に固定されたリング２
４と、このリング２４に掛止されて、スピンドル２３に
嵌装されたボビン２７の回りを前記有撚の飾りリリヤン
Ｅとともに周回するトラベラ２６等を備えている。 【００２６】リリヤン編成部２から送り出されて引取り
ローラ２２によって下方へ引出された有撚の飾りリリヤ
ンＥは、解撚部３でリリヤン編成時の加撚方向と逆方向
へ解撚されながらボビン２７に巻取られる。 【００２７】有撚のリリヤンＥを解撚すると、図４に示
すように、短繊維による多数の毛羽Ｆが編目Ｃ中に編込
まれた構造を有する無撚の飾りリリヤンＡを製造するこ
とができる。 【００２８】なお、上記した実施の形態では、リリヤン
編成部２で編成された有撚の飾りリリヤンＥを解撚部３
へ送り込んで無撚の飾りリリヤンＡを連続的に製造する
ようにしたが、リリヤン編成部２で編成された有撚の飾
りリリヤンＥをそのままの状態で解撚せずにボビンに一
旦巻取り、別工程で有撚の飾りリリヤンＥの撚戻しを行
って無撚の飾りリリヤンを製造するようにしてもよい。 【００２９】上記した実施の形態によれば、飾りリリヤ
ンＥの編成に際し、繊維束Ｄをオープニングローラ１８
によってオープニングして個々の繊維に分離させてリリ
ヤン編成部２へ送り込むことができるので、毛羽を構成
する短繊維が編目中に均等に編込まれた抜けにくい毛羽
構造を有しかつ嵩高で風合および外観性が良化された飾
りリリヤンＡを安定的に製造することができる。 【００３０】また、オープニングされた短繊維をリリヤ
ン編成部２へ送り込む速度を、リリヤン編成部２での編
成速度に合わせて調整することにより、飾りリリヤンＡ
を能率的に製造することができる。 【００３１】 【発明の効果】本発明によれば、リリヤンの編目中にオ
ープンエンド状態の短繊維が編込まれた、特異な毛羽形
態を有する飾りリリヤンを安定して製造することができ
る。
毛羽が筒編地状のリリヤンの編目中に編込まれた構造を
有する飾りリリヤンの製造装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の技術としては、例えば実公平４−
１４４７１号公報がある。この公報には、リリヤンの所
要個所に花糸加工を施すことができるリリヤン編機が開
示されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のリリ
ヤン編機では製造しえない特異な毛羽形態を有する飾り
リリヤンを安定して製造することを課題とするものであ
る。 【０００４】 【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明の特
許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする飾りリ
リヤンの製造装置により解決することができる。すなわ
ち、本発明の飾りリリヤンの製造装置は、垂直な軸心の
回りを旋回しながら上下動する適数本の編針の編成動作
によって編糸を編込むことにより、編目が筒編地状に連
続したリリヤンを編成するリリヤン編成部と、前記リリ
ヤン編成部の上方に設置され、かつ、オープニングロー
ラによって短繊維による粗糸状乃至スライバ状の繊維束
をオープンエンド状態の短繊維にオープニングし、その
短繊維を前記リリヤン編成部における前記リリヤンの編
目中に編込まれるように直下へ落下させる繊維供給部と
を備えた、飾りリリヤンの製造装置であって、 前記リリ
ヤン編成部は、 ベース板に固定されて垂直な軸心を有す
る円筒状の支持体と、 前記支持体内に同心状に設置され
かつ相互間に隙間を隔てて平行な傾斜するカム面が形成
された円筒状の上下のカムと、 前記両カム内に垂直な軸
心を中心として回転可能に設置されて回転駆動され、中
心部にリリヤンが通り抜ける丸孔状の通し孔を縦貫状に
有するととともに外周面に周方向へ等間隔で平行状に並
んで凹設された適数個のガイド溝を有する回転体と、 前
記回転体の各ガイド溝内に上下方向へ摺動可能に嵌め込
まれ、前記編糸を引掛けて解放するフックを上端に有す
るとともに前記両カムのカム面間の隙間に挿入された受
動片を下端に有し、前記回転体と共に回転体の垂直な軸
心の回りを旋回しながら前記両カムのカム面によって上
下動することにより、編糸を編込んで編目が筒編地状に
連続するリリヤンを加撚しながら編成する編成動作を行
なう前記適数本の編針と を備えている一方、 前記繊維供
給部は、 固定ビームに取付けられたケーシングと、 前記
ケーシングの上端に設置され、前記短繊維による粗糸状
乃至スライバ状の繊維束を案内するスライバガイドと、
前記ケーシング内の上部に設置された回転駆動可能なフ
ィードローラと、 前記ケーシングの上端部に支持ピンに
よって揺動可能に支持されかつ前記スライバガイドを通
じてくる前記繊維束を前記フィードローラとの間に挟み
込んで下方へ送り出す送り部材と、 前記ケーシング内に
設置され、前記フィードローラおよび前記送り部材によ
って送り出されてくる前記繊維束を高速回転によって開
繊およびドラフトしてオープンエンド状態の短繊維にオ
ープニングして下方へ落下させる多数個の歯を外周面に
周方向および幅方向に規則的に配列したオープニングロ
ーラと、 前記ケーシングの側方に設置され、前記オープ
ニングローラを回転駆動するモータと、 前記ケーシング
の下側に前記回転体と同心状をなすように設置され、前
記オープニングローラから落下する短繊維を直下の前記
リリヤン編成部におけるリリヤンの編目中に編込まれる
ように落下させる円筒状のガイド壁と を備えている、飾
りリリヤンの製造装置である。 【０００５】本発明の飾りリリヤンの製造装置によれ
ば、リリヤン編成部においては、垂直な軸心の回りを旋
回しながら上下動する適数本の編針の編成動作によって
編糸を編込むことにより、編目が筒編地状に連続したリ
リヤンが編成される。そのリリヤン編成部におけるリリ
ヤンの編目中には、繊維供給部において繊維束をオープ
ニングローラによってオープニング状態にオープニング
してなる短繊維が編込まれるように落下される。したが
って、リリヤンの編目中にオープンエンド状態の短繊維
が編込まれた、特異な毛羽形態を有する飾りリリヤンを
編成することができる。 【０００６】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。 【０００７】飾りリリヤンの製造装置は、毛羽Ｆとなる
繊維群が編糸Ｂと交絡して編目Ｃ中に編込まれた細い筒
編地状の飾りリリヤンＡ（図４参照）を製造する製造装
置で、この実施の形態では、図１に示すように、短繊維
による粗糸状乃至スライバ状の繊維束Ｄを開繊およびド
ラフトして下方へ送り出す繊維供給部１と、この繊維供
給部１の直下に設置され、繊維供給部１で開繊およびド
ラフトされた短繊維を受入れて編糸Ｂと合流させた状態
で細い筒編地状のリリヤンを加撚しながら編成するリリ
ヤン編成部２と、このリリヤン編成部２の直下に設置さ
れ、リリヤン編成部２で編成された有撚の飾りリリヤン
Ｅを解撚して、有撚の飾りリリヤンＥが解撚された無撚
の飾りリリヤンＡ（図４参照）を巻取る解撚部３を主体
して構成されている。 【０００８】始めに、リリヤン編成部２について説明す
ると、このリリヤン編成部２には、図３に示すように、
ベース板４に固定されて垂直な軸心を有する段付き円筒
状の支持体５が設置されている。 【０００９】支持体５内には、この支持体５の上部に固
定されて傾斜したカム面６ａが下端に形成された上カム
６と、この上カム６の下方で支持体５に固定されて上カ
ム６のカム面６ａと平行なカム面７ａが上端に形成され
た円筒状の下カム７とが、両カム面６ａ，７ａ間に形成
された隙間９を隔てて同心状に設置されている。 【００１０】上下のカム６，７内には、垂直な軸心を中
心として回転駆動される回転体８が設置されている。 【００１１】回転体８の中心部には、リリヤンが通り抜
ける丸孔状の通し孔８ａが縦貫状に形成され、回転体８
の外周面には、周方向へ等間隔で並んだ複数個のガイド
溝８ｂが、それぞれ軸方向に沿って平行状に凹設されて
いる。 【００１２】回転体８の各ガイド溝８ｂ内には、回転体
８の軸心の回りを旋回しながら上下動して編糸Ｂによる
編目Ｃ（図４参照）を形成する編針１０が、それぞれ上
下方向へ摺動可能に嵌め込まれている。 【００１３】各編針１０の上端には、編糸Ｂを引掛けて
解放するフック１０ａがそれぞれ形成され、各編針１０
の下端には、上下のカム６，７間の隙間９内に挿入され
た状態で設置されて、上下のカム６，７のカム面６ａ，
７ａによって上下方向へ押動される受動片１０ｂがそれ
ぞれ形成されている。 【００１４】回転体８が回転すると、各編針１０が回転
体８の軸心の回りを旋回するとともに、各編針１０の各
受動片１０ｂが両カム面６ａ，７ａによって順次上下方
向へ押動され、各編針１０は、旋回しながら上下死点へ
昇降するタイミングを少しづつずらせた状態で上下動す
る。 【００１５】回転体８の斜め上方の両側から編針１０に
供給された１対の編糸Ｂは、旋回しながら上下動する各
編針１０の各フック１０ａに順次引掛けられ、編針１０
の下動時にフック１０ａによって下方へ引込まれて編針
１０の上動時にフック１０ａから解放される。これによ
り、編針１０の上下動毎に編糸Ｂによる編目が形成さ
れ、周方向および長手方向へ連続する編目群を有する細
い平編の筒編地状のリリヤンが加撚状態で編成される。 【００１６】リリヤン編成部２の若干下方には、リリヤ
ン編成部２から加撚状態で送り出されるリリヤンの送り
出し速度を規定する引取りローラ２２が設置されている
（図１参照）。 【００１７】繊維供給部１（図２参照）は、粗糸状乃至
スライバ−状の繊維束Ｄを開繊およびドラフトしてオー
プンエンド状態の短繊維にオープニングし、その短繊維
をリリヤン編成部２へ送り込む目的で設置されている。
また、繊維供給部１は、前記短繊維を編糸Ｂと合流させ
た状態で有撚の飾りリリヤンＥを編成するときに、その
飾りリリヤンＥに加えられる撚を繊維供給部１で絶ち切
って、その撚が繊維束Ｄにまで及ばないようにする。 【００１８】繊維供給部１において、固定ビーム１３に
取付けられたケーシング１２の上端には、繊維束Ｄを下
方へ案内するスライバガイド１４が設置されている。 【００１９】ケーシング１２内の上部には、回転駆動可
能なフィードローラ１５と、そのケーシング１２の上端
部に挿通された支持ピン１７によって揺動可能に支持さ
れてフィードローラ１５に押しつけられ、繊維束Ｄをフ
ィードローラ１５との間に挟み込んで下方へ送り出す送
り部材１６とが隣り合って設置されている。 【００２０】ケーシング１２内には、高速回転によって
繊維束Ｄを開繊およびドラフトし、その繊維束Ｄを構成
する短繊維のつながりを絶ち切ってオープンエンド状態
にオープニングするオープニングローラ１８が設置され
ている。 【００２１】オープニングローラ１８は、その外周面に
周方向および幅方向へ規則的に配列された多数個の歯１
８ａを備えている。 【００２２】オープニングローラ１８は、ケーシング１
２の側方に設置されたモータ１９によって、例えば５０
００〜１００００ｒｐｍの回転速度で回転駆動される。 【００２３】前記繊維束Ｄは、スライバガイド１４を通
じてケーシング１２内へ供給され、フィードローラ１５
および送り部材１６によってオープニングローラ１８の
上端付近へ送り出される。その繊維束Ｄは、オープニン
グローラ１８によって開繊およびドラフトされ、オープ
ンエンド状態にオープニングされることにより短繊維と
される。その短繊維は、オープニングローラ１８の下端
から落下し、そのオープニングローラ１８の下側に設置
された円筒状のガイド壁２０内を通ってリリヤン編成部
２へ送り込まれる。 【００２４】繊維供給部１からオープニング状態で送り
出されてリリヤン編成部２へ送り込まれた短繊維は、リ
リヤン編成部２で編糸Ｂと合流し、編針１０の編成動作
によって編糸Ｂと交絡して編目Ｃ中に抜けにくい状態で
編込まれる。これにより、有撚の飾りリリヤンＥが編成
される。 【００２５】図１に示すように、前記解撚部３は、引取
りローラ２２の下方に直立状態で設置されて定位置で回
転駆動されるスピンドル２３と、このスピンドル２３の
上方で昇降するリングレール２５に固定されたリング２
４と、このリング２４に掛止されて、スピンドル２３に
嵌装されたボビン２７の回りを前記有撚の飾りリリヤン
Ｅとともに周回するトラベラ２６等を備えている。 【００２６】リリヤン編成部２から送り出されて引取り
ローラ２２によって下方へ引出された有撚の飾りリリヤ
ンＥは、解撚部３でリリヤン編成時の加撚方向と逆方向
へ解撚されながらボビン２７に巻取られる。 【００２７】有撚のリリヤンＥを解撚すると、図４に示
すように、短繊維による多数の毛羽Ｆが編目Ｃ中に編込
まれた構造を有する無撚の飾りリリヤンＡを製造するこ
とができる。 【００２８】なお、上記した実施の形態では、リリヤン
編成部２で編成された有撚の飾りリリヤンＥを解撚部３
へ送り込んで無撚の飾りリリヤンＡを連続的に製造する
ようにしたが、リリヤン編成部２で編成された有撚の飾
りリリヤンＥをそのままの状態で解撚せずにボビンに一
旦巻取り、別工程で有撚の飾りリリヤンＥの撚戻しを行
って無撚の飾りリリヤンを製造するようにしてもよい。 【００２９】上記した実施の形態によれば、飾りリリヤ
ンＥの編成に際し、繊維束Ｄをオープニングローラ１８
によってオープニングして個々の繊維に分離させてリリ
ヤン編成部２へ送り込むことができるので、毛羽を構成
する短繊維が編目中に均等に編込まれた抜けにくい毛羽
構造を有しかつ嵩高で風合および外観性が良化された飾
りリリヤンＡを安定的に製造することができる。 【００３０】また、オープニングされた短繊維をリリヤ
ン編成部２へ送り込む速度を、リリヤン編成部２での編
成速度に合わせて調整することにより、飾りリリヤンＡ
を能率的に製造することができる。 【００３１】 【発明の効果】本発明によれば、リリヤンの編目中にオ
ープンエンド状態の短繊維が編込まれた、特異な毛羽形
態を有する飾りリリヤンを安定して製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態にかかる飾りリリヤンの製
造装置の正面図である。 【図２】繊維供給部の正面図である。 【図３】リリヤン編成部の一部破断正面図である。 【図４】飾りリリヤンの拡大側面図である。 【符号の説明】 １ 繊維供給部 ２ リリヤン編成部 ３ 解撚部４ ベース板 ５ 支持体 ６ 上のカム ６ａ カム面 ７ 下のカム ７ａ カム面 ８ 回転体 ８ａ 通し孔 ８ｂ ガイド溝 ９ 隙間 １０ 編針１０ａ フック １０ｂ 受動片 １２ ケーシング １３ 固定ビーム １４ スライバガイド １５ フィードローラ １６ 送り部材 １７ 支持ピン １８ オープニングローラ１８ａ 歯 １９ モータ ２０ ガイド壁 Ａ 無撚の飾りリリヤン Ｂ 編糸 Ｃ 編目 Ｄ 繊維束Ｅ 有撚の飾りリリヤン Ｆ 毛羽（短繊維）
造装置の正面図である。 【図２】繊維供給部の正面図である。 【図３】リリヤン編成部の一部破断正面図である。 【図４】飾りリリヤンの拡大側面図である。 【符号の説明】 １ 繊維供給部 ２ リリヤン編成部 ３ 解撚部４ ベース板 ５ 支持体 ６ 上のカム ６ａ カム面 ７ 下のカム ７ａ カム面 ８ 回転体 ８ａ 通し孔 ８ｂ ガイド溝 ９ 隙間 １０ 編針１０ａ フック １０ｂ 受動片 １２ ケーシング １３ 固定ビーム １４ スライバガイド １５ フィードローラ １６ 送り部材 １７ 支持ピン １８ オープニングローラ１８ａ 歯 １９ モータ ２０ ガイド壁 Ａ 無撚の飾りリリヤン Ｂ 編糸 Ｃ 編目 Ｄ 繊維束Ｅ 有撚の飾りリリヤン Ｆ 毛羽（短繊維）
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭54−142375（ＪＰ，Ａ)
特開 昭58−186645（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−307933（ＪＰ，Ａ)
特開 昭53−122827（ＪＰ，Ａ)
特公 昭57−382（ＪＰ，Ｂ１)
実公 平４−14471（ＪＰ，Ｙ２)
実公 昭38−22926（ＪＰ，Ｙ１)
実公 昭61−33028（ＪＰ，Ｙ２)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
D04B 9/42 - 9/44
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 垂直な軸心の回りを旋回しながら上下動
する適数本の編針の編成動作によって編糸を編込むこと
により、編目が筒編地状に連続したリリヤンを編成する
リリヤン編成部と、 前記リリヤン編成部の上方に設置され、かつ、オープニ
ングローラによって短繊維による粗糸状乃至スライバ状
の繊維束をオープンエンド状態の短繊維にオープニング
し、その短繊維を前記リリヤン編成部における前記リリ
ヤンの編目中に編込まれるように直下へ落下させる繊維
供給部とを備えた、飾りリリヤンの製造装置であって、 前記リリヤン編成部は、 ベース板に固定されて垂直な軸心を有する円筒状の支持
体と、 前記支持体内に同心状に設置されかつ相互間に隙間を隔
てて平行な傾斜するカム面が形成された円筒状の上下の
カムと、 前記両カム内に垂直な軸心を中心として回転可能に設置
されて回転駆動され、中心部にリリヤンが通り抜ける丸
孔状の通し孔を縦貫状に有するととともに外周面に周方
向へ等間隔で平行状に並んで凹設された適数個のガイド
溝を有する回転体と、 前記回転体の各ガイド溝内に上下方向へ摺動可能に嵌め
込まれ、前記編糸を引掛けて解放するフックを上端に有
するとともに前記両カムのカム面間の隙間に挿入された
受動片を下端に有し、前記回転体と共に回転体の垂直な
軸心の回りを旋回しながら前記両カムのカム面によって
上下動することにより、編糸を編込んで編目が筒編地状
に連続するリリヤンを加撚しながら編成する編成動作を
行なう前記適数本の編針と を備えている一方、 前記繊維供給部は、 固定ビームに取付けられたケーシングと、 前記ケーシングの上端に設置され、前記短繊維による粗
糸状乃至スライバ状の 繊維束を案内するスライバガイド
と、 前記ケーシング内の上部に設置された回転駆動可能なフ
ィードローラと、 前記ケーシングの上端部に支持ピンによって揺動可能に
支持されかつ前記スライバガイドを通じてくる前記繊維
束を前記フィードローラとの間に挟み込んで下方へ送り
出す送り部材と、 前記ケーシング内に設置され、前記フィードローラおよ
び前記送り部材によって送り出されてくる前記繊維束を
高速回転によって開繊およびドラフトしてオープンエン
ド状態の短繊維にオープニングして下方へ落下させる多
数個の歯を外周面に周方向および幅方向に規則的に配列
したオープニングローラと、 前記ケーシングの側方に設置され、前記オープニングロ
ーラを回転駆動するモータと、 前記ケーシングの下側に前記回転体と同心状をなすよう
に設置され、前記オープニングローラから落下する短繊
維を直下の前記リリヤン編成部におけるリリヤンの編目
中に編込まれるように落下させる円筒状のガイド壁と を
備えている、飾りリリヤンの製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07580198A JP3389091B2 (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 飾りリリヤンの製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07580198A JP3389091B2 (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 飾りリリヤンの製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11279902A JPH11279902A (ja) | 1999-10-12 |
| JP3389091B2 true JP3389091B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=13586677
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07580198A Expired - Fee Related JP3389091B2 (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 飾りリリヤンの製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3389091B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102505312B (zh) * | 2011-11-02 | 2014-09-10 | 东莞百宏实业有限公司 | 一种表面可变化的针织绳织物的编织设备及编织方法 |
-
1998
- 1998-03-24 JP JP07580198A patent/JP3389091B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11279902A (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4069656A (en) | Composite spun yarn and process for producing the same | |
| KR101223343B1 (ko) | 편직물과 상기 편직물을 생산하는 방법 및 장치 | |
| CN107723868B (zh) | 一种节中节段彩竹节纱的纺纱工艺 | |
| TW490518B (en) | Method and apparatus for producing raised yarns | |
| JP6794358B2 (ja) | 編み物の製造のための機械および方法 | |
| JP3389091B2 (ja) | 飾りリリヤンの製造装置 | |
| US5081753A (en) | Apparatus for producing staple-like yarn from continuous filament yarn | |
| JPH0226942A (ja) | 編地被覆糸の製造装置 | |
| US3511064A (en) | Manufacture of slub effect fabrics | |
| US4554801A (en) | Pile fabric method and apparatus | |
| US4050267A (en) | Sliver high pile fabric knitting machine | |
| JPH01306658A (ja) | 柄入りニットウェアの編成方法と柄入りニットウェアを編成する丸編み機 | |
| JPH09209226A (ja) | 崇高紡績糸、その製造方法及び装置 | |
| US5867880A (en) | Method and device for producing textile products from fibers and/or filaments and products obtained | |
| TW452610B (en) | Production of bulky yarn | |
| JP2635490B2 (ja) | ダブルモール糸 | |
| JP2744480B2 (ja) | 毛布等の経編立毛生地の製造方法 | |
| CN1192132C (zh) | 带有仿短纤纱型毛羽的长丝变形纱及其生产方法 | |
| US3878697A (en) | Production of bulky and stretchable knitted cord | |
| KR100459327B1 (ko) | 비연속적 슬러브를 갖는 슬러브사 및 이의 제조방법 | |
| US3820358A (en) | Apparatus for knitting pile fabric | |
| US4763491A (en) | Accessory for a domestic knitting machine | |
| US4080808A (en) | Pneumatic feed | |
| JP5632984B1 (ja) | 光沢性に優れた捲縮性絹糸、これを用いた織物・編物製品および捲縮性絹糸の製造方法 | |
| JPH08199439A (ja) | 意匠糸の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117 Year of fee payment: 10 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |