JP3388360B2 - 筒状成型品の成型用金型 - Google Patents
筒状成型品の成型用金型Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、端面壁を有する筒状成
型品の成型用金型、更に詳しくは、合成樹脂を射出成型
することによって容器蓋等の筒状成型品を成型するため
の金型に関する。 【０００２】 【従来の技術】容器蓋等の筒状成型品を射出成型するた
めの金型は、筒状成型品（容器蓋）の端面壁（天面壁）
外面および筒状側壁（スカート壁）外周面を規定する凹
部を備えた雌型と、該雌型と協働して該凹部周面との間
に筒状成型品（容器蓋）を成型する成型空間を形成する
とともに筒状成型品（容器蓋）の端面壁（天面壁）内面
および筒状側壁（スカート壁）内周面を規定する雄型と
からなっており、該雌型に前記成型空間に開口する射出
通路が設けられている。該射出通路の開口は、該開口か
ら前記成型空間に射出された合成樹脂が、成型空間の端
部に出来るだけ同時に到達させるようにするために、一
般に前記凹部における筒状成型品（容器蓋）の端面壁
（天面壁）外面を規定する底面の中心に設けられてい
る。 【０００３】しかるに、筒状成型品（容器蓋）の端面壁
（天面壁）外面に文字や図形等の凹凸を形成する場合に
は、体裁上から射出通路の開口を筒状成型品（容器蓋）
の端面壁（天面壁）外面を規定する底面の中心に設けら
れないことがあり、該開口を偏芯した位置に設けざるを
えない。射出通路の開口が筒状成型品（容器蓋）の端面
壁（天面壁）外面を規定する底面の中心から偏芯して設
けられていると、前記開口から射出された合成樹脂は、
成型空間における開口に近い側においてその端部まで先
に到達し、開口から遠い側においては成型空間端部まで
到達するのに若干時間遅れが生ずる。従って、この時間
遅れの間に、開口から遠い側では先に成型空間端部まで
到達した合成樹脂が両側から流れ込むため、開口から遠
い側の筒状成型品（容器蓋）筒状側壁（スカート壁）に
所謂ウエルドラインが発生して、外観を損ねる要因とな
る。筒状成型品（容器蓋）の筒状側壁（スカート壁）外
周面にローレットが形成される場合は、それ程外観を損
ねることもないが、筒状側壁（スカート壁）が平坦面に
よって形成されている場合は、前記ウエルドラインは外
観上許容し得ないものとなる。このようなウエルドライ
ンの発生は、成型品の肉厚が薄くなるほど顕著に現れ
る。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、射
出通路の開口を筒状成型品の端面壁を規定する底面の中
心から偏芯した位置に設けても、ウエルドラインの発生
を効果的に防止することができる筒状成型品の成型用金
型を提供することにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るために、本発明によれば、筒状成型品の筒状側壁外周
面および該筒状側壁の一端を閉塞する端面壁外面を規定
する凹部を備えた雌型と、該雌型と協働して該凹部周面
との間に筒状成型品を成型する成型空間を形成するとと
もに筒状成型品の端面壁内面および筒状側壁内周面を規
定する雄型とを備え、該雌型に該凹部における該端面壁
外面を規定する底面の中心から偏芯した位置に開口する
射出通路を設けた筒状成型品の成型用金型において、該
雄型の該端面壁内面を規定する底面に、該射出通路の開
口に対向する位置の周辺を含み中心を通って該開口と反
対側に該偏芯量に対応して延びる湯溜り凹部を設けた、
ことを特徴とする筒状成型品の成型用金型が提供され
る。 【０００６】 【作用】筒状成型品の成型用金型を構成する雌型に形成
され筒状成型品の端面壁外面を規定する底面の中心から
偏芯した位置に設けられた射出通路の開口から成型空間
内に射出された合成樹脂は、先ず雄型に形成された湯溜
り凹部を充填し、該湯溜り凹部から成型空間の各方向端
部へ向けて流動する。該湯溜り凹部は、雄型の端面壁内
面を規定する底面に設けられ、前記開口に対向する位置
の周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏芯量に
対応して形成されているので、該湯溜り凹部から成型空
間の各方向端部へ向けて流動する合成樹脂は、成型空間
の各方向端部に略同時に到達する。 【０００７】 【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に従って
構成された筒状成型品の成型用金型として容器蓋成形用
金型に応用した好適実施例について詳細に説明する。 【０００８】図１は本発明に従って構成された容器蓋成
形用金型の一実施例を示す縦断面図、図２は図１の容器
蓋成形用金型に容器蓋を成型する合成樹脂を射出した状
態を示す縦断面図、図３は図２に示す容器蓋成形用金型
に合成樹脂を射出した状態から雌型と雄型を開放した状
態を示す縦断面図である。本実施例における容器蓋成形
用金型は、雌型２と雄型４とから構成されている。該雌
型２は、容器蓋の天面壁外面およびスカート壁外周面を
規定する凹部２２を備えている。該雌型２には、容器蓋
の天面壁外面を規定する底面２２２の中心Ｏから距離Ｓ
だけ偏芯した位置に開口２４２する射出通路２４が設け
られている。前記雄型４は、前記雌型２上に載置される
ストリッパープレート４２と、該ストリッパープレート
４２に対して図において上下方向に移動可能に配設され
容器蓋の天面壁内面を規定する第１のコア型４４と、該
第１のコア型４４と一体的に構成され容器蓋のスカート
壁内周面を規定する第２のコア型４６と、該第２のコア
型４６と前記ストリッパープレート４２との間に図にお
いて上下方向に移動可能に配設され容器蓋のスカート壁
端面を規定する第３のコア型４８とからなっており、前
記雌型２と組み合わされた図１の状態で、雌型２の凹部
２２と協働して容器蓋を成型する成型空間６を形成す
る。該雄型４の第１のコア型４４における容器蓋の天面
壁内面を規定する底面４４２に湯溜り凹部４４４が設け
られている。該湯溜り凹部４４４は、前記雌型２に形成
された射出通路２４の開口２４２に対向する位置の周辺
を含み中心を通って該開口２４２と反対側に該偏芯量Ｓ
に対応して延びる楕円形に形成されている。即ち、該湯
溜り凹部４４４は、図において左右両端から底面４４２
の各々径方向外周縁までの距離が略同一、または、中心
Ｏから開口２４２が位置する図において右端までの長さ
より中心Ｏから開口２４２と反対側の図において左端ま
での長さの方を若干長くし、図において左端から底面４
４２の対向する外周縁までの距離が開口２４２が位置す
る図において右端から底面４４２の対向する外周縁まで
の距離より若干短くなるように形成されている。 【０００９】本実施例による容器蓋成型用金型は以上の
ように構成されており、以下、該金型を用いた容器蓋の
成型について説明する。前記雌型２および雄型４は、容
器蓋の成型に際して図１に示すように組み合わされる。
雌型２と雄型４が組み合わされたら、図示しない射出成
形機によって加熱溶融されたポリプロピレン、ポリエチ
レン等の合成樹脂材８が射出され、この合成樹脂材が図
２に示すように雌型２に形成された射出通路２４を通っ
て開口２４２から成型空間６に流入せしめられる。この
とき、開口２４２から成型空間６のに流入せしめられた
合成樹脂材は、先ず湯溜り凹部４４４を充填し、その後
成型空間６の各方向端部まで流動する。ところで、射出
通路２４の開口２４２は型の中心Ｏから距離Ｓだけ偏芯
した位置に設けられているが、湯溜り凹部４４４が開口
２４２と反対側に偏芯量Ｓに対応して延びる楕円形に形
成されており、該湯溜り凹部４４４の図において左右両
端から底面４４２の各々径方向外周縁までの距離が略同
一、または、中心Ｏから開口２４２が位置する図におい
て右端までの長さより中心Ｏから開口２４２と反対側の
図において左端までの長さの方を若干長くし、図におい
て左端から底面４４２の対向する外周縁までの距離が開
口２４２が位置する図において右端から底面４４２の対
向する外周縁までの距離より若干短くなるように形成さ
れているので、該湯溜り凹部４４４を充填した合成樹脂
材は成型空間６の各方向端部に略同時に到達する。この
ようにして合成樹脂材８がら成型空間６に充填された
ら、所要の冷却時間経過後、図３に示すように雄型４を
雌型２に対して図において上方に移動するとともに、該
雄型４における第１のコア型４４、第２のコア型４６お
よび第３のコア型４８をストリッパープレート４２に対
して図において上方に移動せしめて型抜きすることによ
り、円形の天面壁１２と該天面壁１２の周縁から垂下す
る筒状スカート壁１４を有する容器蓋１０が得られる。 【００１０】前記のような容器蓋成形用金型により、図
４乃至図６に示す容器蓋を射出成形した。即ち、容器蓋
（天面壁）の外径（Ｄ）：８２．５ｍｍ、容器蓋（スカ
ート）の高さ（Ｈ）：２１．５ｍｍ、天面壁の厚さ（ｔ
１）：１．３ｍｍ、容器蓋（天面壁）の中心から射出通
路２４の開口２４２までの偏芯距離（Ｓ）：３ｍｍ、前
記湯溜り凹部４４４によって天面壁の裏面に形成される
楕円形凸部１２２の容器蓋（天面壁）の中心から前記開
口と反対側端部までの距離（ａ１）：１３ｍｍ、該楕円
形凸部１２２の容器蓋（天面壁）の中心から前記開口側
端部までの距離（ａ２）：８ｍｍ、該楕円形凸部１２２
の幅（ｂ）：１０ｍｍ、該楕円形凸部１２２が形成され
る天面壁の厚さ（ｔ２）：１．５ｍｍの各寸法を有する
容器蓋１０を形成する金型を製作し、ＪＩＳ Ｋ−６７
５８ 試験法による流動性（ＭＲＦ）：２２ｇ／ｍｉｎ
の物性を備えたポリプロピレンを、射出圧力：９５１ｋ
ｇ／ｃｍ2 、射出温度：２３０℃で射出成形した。その
結果、成形した全ての容器蓋にウエルドラインが発生す
ることはなかった。 【００１１】なお、上記実施例においては、容器蓋成型
用金型における雄型４の天面壁内面を規定する第１のコ
ア型４４の底面４４２に形成する湯溜り凹部４４４とし
て、楕円形のものを示したが、湯溜り凹部の形状はこれ
に限るものではない。例えば、図７に示すように雄型４
の第１のコア型４４の底面４４２に形成する湯溜り凹部
４４６を扇形にしてもよく、また、図８に示すように円
形の湯溜り凹部４４８としてもよい。要するに、容器蓋
成形用金型における雄型の天面壁内面を規定する底面に
形成する湯溜り凹部は、雌型の中心から偏芯した位置に
形成された射出通路の開口に対応して、該開口に対向す
る位置の周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏
芯量に対応して延びる凹部であればよい。また、上記各
実施例においては、容器蓋の成型用金型について説明し
たが、本発明は容器蓋成型用金型のみに限定されるもの
ではなく、端面壁を有する種々の筒状成型品の成型用金
型に適用することができることは言うまでもない。 【００１２】 【発明の効果】本発明による筒状成型品の成型用金型は
以上のように構成されており、雌型に中心から偏芯した
位置に射出通路を開口した金型において、雄型の底面に
前記雌型に形成された射出通路の開口に対向する位置の
周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏芯量に対
応して延びる湯溜り凹部を設けたので、射出成型時に雌
型に形成された射出通路の開口から成型空間に射出され
た合成樹脂材は、先ず前記湯溜り凹部を充填し、その後
成型空間の端部に向けて流動するため、合成樹脂材が成
型空間の各方向端部に到達する時期を略同時にすること
ができる。従って、合成樹脂材の到達時期の相違によ
り、射出通路の開口から遠い側に生ずるウエルドライン
の発生を未然に防止することができる。このため、肉厚
の薄い筒状成型品の成型も可能となる。
型品の成型用金型、更に詳しくは、合成樹脂を射出成型
することによって容器蓋等の筒状成型品を成型するため
の金型に関する。 【０００２】 【従来の技術】容器蓋等の筒状成型品を射出成型するた
めの金型は、筒状成型品（容器蓋）の端面壁（天面壁）
外面および筒状側壁（スカート壁）外周面を規定する凹
部を備えた雌型と、該雌型と協働して該凹部周面との間
に筒状成型品（容器蓋）を成型する成型空間を形成する
とともに筒状成型品（容器蓋）の端面壁（天面壁）内面
および筒状側壁（スカート壁）内周面を規定する雄型と
からなっており、該雌型に前記成型空間に開口する射出
通路が設けられている。該射出通路の開口は、該開口か
ら前記成型空間に射出された合成樹脂が、成型空間の端
部に出来るだけ同時に到達させるようにするために、一
般に前記凹部における筒状成型品（容器蓋）の端面壁
（天面壁）外面を規定する底面の中心に設けられてい
る。 【０００３】しかるに、筒状成型品（容器蓋）の端面壁
（天面壁）外面に文字や図形等の凹凸を形成する場合に
は、体裁上から射出通路の開口を筒状成型品（容器蓋）
の端面壁（天面壁）外面を規定する底面の中心に設けら
れないことがあり、該開口を偏芯した位置に設けざるを
えない。射出通路の開口が筒状成型品（容器蓋）の端面
壁（天面壁）外面を規定する底面の中心から偏芯して設
けられていると、前記開口から射出された合成樹脂は、
成型空間における開口に近い側においてその端部まで先
に到達し、開口から遠い側においては成型空間端部まで
到達するのに若干時間遅れが生ずる。従って、この時間
遅れの間に、開口から遠い側では先に成型空間端部まで
到達した合成樹脂が両側から流れ込むため、開口から遠
い側の筒状成型品（容器蓋）筒状側壁（スカート壁）に
所謂ウエルドラインが発生して、外観を損ねる要因とな
る。筒状成型品（容器蓋）の筒状側壁（スカート壁）外
周面にローレットが形成される場合は、それ程外観を損
ねることもないが、筒状側壁（スカート壁）が平坦面に
よって形成されている場合は、前記ウエルドラインは外
観上許容し得ないものとなる。このようなウエルドライ
ンの発生は、成型品の肉厚が薄くなるほど顕著に現れ
る。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑
みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、射
出通路の開口を筒状成型品の端面壁を規定する底面の中
心から偏芯した位置に設けても、ウエルドラインの発生
を効果的に防止することができる筒状成型品の成型用金
型を提供することにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るために、本発明によれば、筒状成型品の筒状側壁外周
面および該筒状側壁の一端を閉塞する端面壁外面を規定
する凹部を備えた雌型と、該雌型と協働して該凹部周面
との間に筒状成型品を成型する成型空間を形成するとと
もに筒状成型品の端面壁内面および筒状側壁内周面を規
定する雄型とを備え、該雌型に該凹部における該端面壁
外面を規定する底面の中心から偏芯した位置に開口する
射出通路を設けた筒状成型品の成型用金型において、該
雄型の該端面壁内面を規定する底面に、該射出通路の開
口に対向する位置の周辺を含み中心を通って該開口と反
対側に該偏芯量に対応して延びる湯溜り凹部を設けた、
ことを特徴とする筒状成型品の成型用金型が提供され
る。 【０００６】 【作用】筒状成型品の成型用金型を構成する雌型に形成
され筒状成型品の端面壁外面を規定する底面の中心から
偏芯した位置に設けられた射出通路の開口から成型空間
内に射出された合成樹脂は、先ず雄型に形成された湯溜
り凹部を充填し、該湯溜り凹部から成型空間の各方向端
部へ向けて流動する。該湯溜り凹部は、雄型の端面壁内
面を規定する底面に設けられ、前記開口に対向する位置
の周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏芯量に
対応して形成されているので、該湯溜り凹部から成型空
間の各方向端部へ向けて流動する合成樹脂は、成型空間
の各方向端部に略同時に到達する。 【０００７】 【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に従って
構成された筒状成型品の成型用金型として容器蓋成形用
金型に応用した好適実施例について詳細に説明する。 【０００８】図１は本発明に従って構成された容器蓋成
形用金型の一実施例を示す縦断面図、図２は図１の容器
蓋成形用金型に容器蓋を成型する合成樹脂を射出した状
態を示す縦断面図、図３は図２に示す容器蓋成形用金型
に合成樹脂を射出した状態から雌型と雄型を開放した状
態を示す縦断面図である。本実施例における容器蓋成形
用金型は、雌型２と雄型４とから構成されている。該雌
型２は、容器蓋の天面壁外面およびスカート壁外周面を
規定する凹部２２を備えている。該雌型２には、容器蓋
の天面壁外面を規定する底面２２２の中心Ｏから距離Ｓ
だけ偏芯した位置に開口２４２する射出通路２４が設け
られている。前記雄型４は、前記雌型２上に載置される
ストリッパープレート４２と、該ストリッパープレート
４２に対して図において上下方向に移動可能に配設され
容器蓋の天面壁内面を規定する第１のコア型４４と、該
第１のコア型４４と一体的に構成され容器蓋のスカート
壁内周面を規定する第２のコア型４６と、該第２のコア
型４６と前記ストリッパープレート４２との間に図にお
いて上下方向に移動可能に配設され容器蓋のスカート壁
端面を規定する第３のコア型４８とからなっており、前
記雌型２と組み合わされた図１の状態で、雌型２の凹部
２２と協働して容器蓋を成型する成型空間６を形成す
る。該雄型４の第１のコア型４４における容器蓋の天面
壁内面を規定する底面４４２に湯溜り凹部４４４が設け
られている。該湯溜り凹部４４４は、前記雌型２に形成
された射出通路２４の開口２４２に対向する位置の周辺
を含み中心を通って該開口２４２と反対側に該偏芯量Ｓ
に対応して延びる楕円形に形成されている。即ち、該湯
溜り凹部４４４は、図において左右両端から底面４４２
の各々径方向外周縁までの距離が略同一、または、中心
Ｏから開口２４２が位置する図において右端までの長さ
より中心Ｏから開口２４２と反対側の図において左端ま
での長さの方を若干長くし、図において左端から底面４
４２の対向する外周縁までの距離が開口２４２が位置す
る図において右端から底面４４２の対向する外周縁まで
の距離より若干短くなるように形成されている。 【０００９】本実施例による容器蓋成型用金型は以上の
ように構成されており、以下、該金型を用いた容器蓋の
成型について説明する。前記雌型２および雄型４は、容
器蓋の成型に際して図１に示すように組み合わされる。
雌型２と雄型４が組み合わされたら、図示しない射出成
形機によって加熱溶融されたポリプロピレン、ポリエチ
レン等の合成樹脂材８が射出され、この合成樹脂材が図
２に示すように雌型２に形成された射出通路２４を通っ
て開口２４２から成型空間６に流入せしめられる。この
とき、開口２４２から成型空間６のに流入せしめられた
合成樹脂材は、先ず湯溜り凹部４４４を充填し、その後
成型空間６の各方向端部まで流動する。ところで、射出
通路２４の開口２４２は型の中心Ｏから距離Ｓだけ偏芯
した位置に設けられているが、湯溜り凹部４４４が開口
２４２と反対側に偏芯量Ｓに対応して延びる楕円形に形
成されており、該湯溜り凹部４４４の図において左右両
端から底面４４２の各々径方向外周縁までの距離が略同
一、または、中心Ｏから開口２４２が位置する図におい
て右端までの長さより中心Ｏから開口２４２と反対側の
図において左端までの長さの方を若干長くし、図におい
て左端から底面４４２の対向する外周縁までの距離が開
口２４２が位置する図において右端から底面４４２の対
向する外周縁までの距離より若干短くなるように形成さ
れているので、該湯溜り凹部４４４を充填した合成樹脂
材は成型空間６の各方向端部に略同時に到達する。この
ようにして合成樹脂材８がら成型空間６に充填された
ら、所要の冷却時間経過後、図３に示すように雄型４を
雌型２に対して図において上方に移動するとともに、該
雄型４における第１のコア型４４、第２のコア型４６お
よび第３のコア型４８をストリッパープレート４２に対
して図において上方に移動せしめて型抜きすることによ
り、円形の天面壁１２と該天面壁１２の周縁から垂下す
る筒状スカート壁１４を有する容器蓋１０が得られる。 【００１０】前記のような容器蓋成形用金型により、図
４乃至図６に示す容器蓋を射出成形した。即ち、容器蓋
（天面壁）の外径（Ｄ）：８２．５ｍｍ、容器蓋（スカ
ート）の高さ（Ｈ）：２１．５ｍｍ、天面壁の厚さ（ｔ
１）：１．３ｍｍ、容器蓋（天面壁）の中心から射出通
路２４の開口２４２までの偏芯距離（Ｓ）：３ｍｍ、前
記湯溜り凹部４４４によって天面壁の裏面に形成される
楕円形凸部１２２の容器蓋（天面壁）の中心から前記開
口と反対側端部までの距離（ａ１）：１３ｍｍ、該楕円
形凸部１２２の容器蓋（天面壁）の中心から前記開口側
端部までの距離（ａ２）：８ｍｍ、該楕円形凸部１２２
の幅（ｂ）：１０ｍｍ、該楕円形凸部１２２が形成され
る天面壁の厚さ（ｔ２）：１．５ｍｍの各寸法を有する
容器蓋１０を形成する金型を製作し、ＪＩＳ Ｋ−６７
５８ 試験法による流動性（ＭＲＦ）：２２ｇ／ｍｉｎ
の物性を備えたポリプロピレンを、射出圧力：９５１ｋ
ｇ／ｃｍ2 、射出温度：２３０℃で射出成形した。その
結果、成形した全ての容器蓋にウエルドラインが発生す
ることはなかった。 【００１１】なお、上記実施例においては、容器蓋成型
用金型における雄型４の天面壁内面を規定する第１のコ
ア型４４の底面４４２に形成する湯溜り凹部４４４とし
て、楕円形のものを示したが、湯溜り凹部の形状はこれ
に限るものではない。例えば、図７に示すように雄型４
の第１のコア型４４の底面４４２に形成する湯溜り凹部
４４６を扇形にしてもよく、また、図８に示すように円
形の湯溜り凹部４４８としてもよい。要するに、容器蓋
成形用金型における雄型の天面壁内面を規定する底面に
形成する湯溜り凹部は、雌型の中心から偏芯した位置に
形成された射出通路の開口に対応して、該開口に対向す
る位置の周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏
芯量に対応して延びる凹部であればよい。また、上記各
実施例においては、容器蓋の成型用金型について説明し
たが、本発明は容器蓋成型用金型のみに限定されるもの
ではなく、端面壁を有する種々の筒状成型品の成型用金
型に適用することができることは言うまでもない。 【００１２】 【発明の効果】本発明による筒状成型品の成型用金型は
以上のように構成されており、雌型に中心から偏芯した
位置に射出通路を開口した金型において、雄型の底面に
前記雌型に形成された射出通路の開口に対向する位置の
周辺を含み中心を通って該開口と反対側に該偏芯量に対
応して延びる湯溜り凹部を設けたので、射出成型時に雌
型に形成された射出通路の開口から成型空間に射出され
た合成樹脂材は、先ず前記湯溜り凹部を充填し、その後
成型空間の端部に向けて流動するため、合成樹脂材が成
型空間の各方向端部に到達する時期を略同時にすること
ができる。従って、合成樹脂材の到達時期の相違によ
り、射出通路の開口から遠い側に生ずるウエルドライン
の発生を未然に防止することができる。このため、肉厚
の薄い筒状成型品の成型も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を容器蓋成型用金型に適用した一実施例
を示す縦断面図。 【図２】図１の容器蓋成型用金型に容器蓋を成型する合
成樹脂を射出した状態を示す縦断面図。 【図３】図２に示す容器蓋成型用金型に合成樹脂を射出
した状態から雌型と雄型を開放した状態を示す縦断面
図。 【図４】図１に示す容器蓋成型用金型によって成型され
た容器蓋の平面図。 【図５】図４に示す容器蓋の底面図。 【図６】図４に示す容器蓋の縦断面図。 【図７】本発明の他の実施例を示すのもで容器蓋成型用
金型を構成する雄型の要部底面図。 【図８】本発明の更に他の実施例を示すのもで容器蓋成
型用金型を構成する雄型の要部底面図。 【符号の説明】 ２：雄型 ４：雌型 ６：成型空間 １０：容器蓋 １２：天面壁 １４：スカート壁 ２２：凹部 ２４：射出通路 ４２：ストリッパープレート ４４：第１のコア型 ４６：第２のコア型 ４８：第３のコア型 ２４２：開口 ４４４：湯溜り凹部
を示す縦断面図。 【図２】図１の容器蓋成型用金型に容器蓋を成型する合
成樹脂を射出した状態を示す縦断面図。 【図３】図２に示す容器蓋成型用金型に合成樹脂を射出
した状態から雌型と雄型を開放した状態を示す縦断面
図。 【図４】図１に示す容器蓋成型用金型によって成型され
た容器蓋の平面図。 【図５】図４に示す容器蓋の底面図。 【図６】図４に示す容器蓋の縦断面図。 【図７】本発明の他の実施例を示すのもで容器蓋成型用
金型を構成する雄型の要部底面図。 【図８】本発明の更に他の実施例を示すのもで容器蓋成
型用金型を構成する雄型の要部底面図。 【符号の説明】 ２：雄型 ４：雌型 ６：成型空間 １０：容器蓋 １２：天面壁 １４：スカート壁 ２２：凹部 ２４：射出通路 ４２：ストリッパープレート ４４：第１のコア型 ４６：第２のコア型 ４８：第３のコア型 ２４２：開口 ４４４：湯溜り凹部
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(72)発明者 鈴木 誠治
愛知県小牧市大字下末字流180番地 日
本クラウンコルク株式会社 小牧事業所
内
(56)参考文献 特開 平３−45321（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B29C 45/00 - 45/84
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 筒状成型品の筒状側壁外周面および該筒
状側壁の一端を閉塞する端面壁外面を規定する凹部を備
えた雌型と、該雌型と協働して該凹部周面との間に筒状
成型品を成型する成型空間を形成するとともに筒状成型
品の端面壁内面および筒状側壁内周面を規定する雄型と
を備え、該雌型に該凹部における該端面壁外面を規定す
る底面の中心から偏芯した位置に開口する射出通路を設
けた筒状成型品の成型用金型において、 該雄型の該端面壁内面を規定する底面に、該射出通路の
開口に対向する位置の周辺を含み中心を通って該開口と
反対側に該偏芯量に対応して延びる湯溜り凹部を設け
た、ことを特徴とする筒状成型品の成型用金型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11808693A JP3388360B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 筒状成型品の成型用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11808693A JP3388360B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 筒状成型品の成型用金型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06328512A JPH06328512A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3388360B2 true JP3388360B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=14727654
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11808693A Expired - Fee Related JP3388360B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 筒状成型品の成型用金型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3388360B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6261606B2 (ja) * | 2013-11-11 | 2018-01-17 | 三笠産業株式会社 | 合成樹脂製キャップ並びにその成形型及び製造方法 |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP11808693A patent/JP3388360B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06328512A (ja) | 1994-11-29 |
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