JP3388280B2 - 建築物における貫設置工法 - Google Patents

建築物における貫設置工法

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JP3388280B2
JP3388280B2 JP35258093A JP35258093A JP3388280B2 JP 3388280 B2 JP3388280 B2 JP 3388280B2 JP 35258093 A JP35258093 A JP 35258093A JP 35258093 A JP35258093 A JP 35258093A JP 3388280 B2 JP3388280 B2 JP 3388280B2
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秀利 古橋
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株式会社一条工務店
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は建築物における貫設置
工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅建築において貫を設置する場
合、図2に示すように、まず、一対の役柱1,2の向き
合った面に、各々小舞材9,9を釘止め等によって固定
し、これらの小舞材9,9に貫Aを打ち付け固定してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の貫設置工法は、現場において役柱1,2に小舞材
9,9を打ちつけ固定していたため、貫設置工事に要す
る材料が多くなるとともに現場での作業が多くなり、こ
の結果、貫Aを設置するための作業能率を向上させにく
いという不都合を有した。
【0004】この発明の課題はかかる不都合を解消する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、この発明に係る貫設置工法においては、柱本体の側
面に嵌挿溝を設けるとともにこの嵌挿溝を長手方向に延
ばし、且つ、この嵌挿溝における底部の端縁に沿って段
部を設けることによってかかる嵌挿溝を深溝部と浅溝部
とに区画し、前記深溝部の溝幅を貫幅に略等しくすると
ともに前記浅溝部の溝幅を壁板材の板厚に略等しくした
建築物における貫設置用役柱を一対用意して、これらの
一対の役柱を前記嵌挿溝の状態を逆方向にした状態で所
定間隔を介して設置し、前記一の役柱の深溝部に貫の一
端部を嵌挿するとともにその他端部を他の役柱の浅溝部
の底面に当接させた状態で各々の役柱に貫を固定するよ
うにしたものである。
【0006】なお、さらに、その後、前記一の役柱の浅
溝部に壁板材の一端部を嵌挿するとともにその他端部を
他の役柱の深溝部に嵌挿させた状態で各々の役柱に壁板
材を固定することもできる。
【0007】
【作用】この発明に係る建築物における貫設置工法は上
記のように構成されているため、前記他の役柱の嵌挿溝
における浅溝部において、貫の位置決めができるもので
ある。
【0008】
【実施例】図1において、1および2は、建築物の役柱
である。Mは、これらの役柱1,2の略中間に配置され
た小間柱である。
【0009】次に、3は嵌挿溝であり、片方の役柱1に
長手方向に沿って形成されている。また、5は段部であ
り、前記嵌挿溝3における底部の端縁に沿って形成され
ている。この段部5は嵌挿溝3を深溝部31と浅溝部32と
に区画している。なお、前記深溝部31の溝幅は後記貫A
幅に略等しく、また、前記浅溝部32の溝幅は石膏ボード
(この発明の「壁板材」に相当する)Bの板厚に略等し
くしてある。
【0010】また、6は他の役柱2の嵌挿溝、7はその
段部、61は嵌挿溝7の深溝部、62は同浅溝部であり、そ
の状態および機能は前記片方の役柱3の場合と同様であ
る。但し、両嵌挿溝3,6が向かいあった状態で、その
嵌挿溝3,6の状態は逆である。
【0011】次に、Aは貫であり、その一端部を前記一
の役柱3の深溝部31に嵌挿する。そして、この貫Aの他
端部を他の役柱6の浅溝部62の底面に当接させ、その嵌
挿部分を各々の役柱1,2にこの貫Aを釘止めする。
【0012】その後、前記一の役柱1の浅溝部32に石膏
ボードBの一端部を嵌挿するとともにその他端部を他の
役柱2の深溝部61に嵌挿させる。この状態で石膏ボード
Bの嵌挿部分を各々の役柱1,2に釘止めする。
【0013】その後、この石膏ボードBの表面に壁用ク
ロス等を貼付する。
【0014】
【発明の効果】この発明に係る貫設置工法は、柱本体の
側面に嵌挿溝を設けるとともにこの嵌挿溝を長手方向に
延ばし、且つ、この嵌挿溝における底部の端縁に沿って
段部を設けることによってかかる嵌挿溝を深溝部と浅溝
部とに区画し、前記深溝部の溝幅を貫幅に略等しくする
とともに前記浅溝部の溝幅を壁板材の板厚に略等しくし
た建築物における貫設置用役柱を一対用意して、これら
の一対の役柱を前記嵌挿溝の状態を逆方向にした状態で
所定間隔を介して設置し、前記一の役柱の深溝部に貫の
一端部を嵌挿するとともにその他端部を他の役柱の浅溝
部の底面に当接させた状態で各々の役柱に貫を固定する
ようにしたため、前記他の役柱の嵌挿溝における浅溝部
において、貫の位置決めができるものである。
【0015】よって、この貫設置工法を使用すれば、熟
練を要しなくても貫の位置決め作業をすることができる
結果、貫設置作業の作業能率は向上する。
【0016】なお、さらに、その後、前記一の役柱の浅
溝部に壁板材の一端部を嵌挿するとともにその他端部を
他の役柱の深溝部に嵌挿させた状態で各々の役柱に壁板
材を固定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る貫設置工法を説明する横断面図
である。
【図2】従来における図1に相当する図である。
【符号の説明】
1 … 役柱 2 … 役柱 3 … 嵌挿溝 31 … 深溝部 32 … 浅溝部 5 … 段部 7 … 段部 61 … 深溝部 62 … 浅溝部 A … 貫 B … 石膏ボード(壁板材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱本体の側面に嵌挿溝を設けるとともに
    この嵌挿溝を長手方向に延ばし、且つ、この嵌挿溝にお
    ける底部の端縁に沿って段部を設けることによってかか
    る嵌挿溝を深溝部と浅溝部とに区画し、前記深溝部の溝
    幅を貫幅に略等しくするとともに前記浅溝部の溝幅を壁
    板材の板厚に略等しくした建築物における貫設置用役柱
    を一対用意して、これらの一対の役柱を前記嵌挿溝の状
    態を逆方向にした状態で所定間隔を介して設置し、前記
    一の役柱の深溝部に貫の一端部を嵌挿するとともにその
    他端部を他の役柱の浅溝部の底面に当接させた状態で各
    々の役柱に貫を固定することを特徴とする建築物におけ
    る貫設置工法。
  2. 【請求項2】 柱本体の側面に嵌挿溝を設けるとともに
    この嵌挿溝を長手方向に延ばし、且つ、この嵌挿溝にお
    ける底部の端縁に沿って段部を設けることによってかか
    る嵌挿溝を深溝部と浅溝部とに区画し、前記深溝部の溝
    幅を貫幅に略等しくするとともに前記浅溝部の溝幅を壁
    板材の板厚に略等しくした建築物における貫設置用役柱
    を一対用意して、これらの一対の役柱を前記嵌挿溝の状
    態を逆方向にした状態で所定間隔を介して設置し、前記
    一の役柱の深溝部に貫の一端部を嵌挿するとともにその
    他端部を他の役柱の浅溝部の底面に当接させた状態で各
    々の役柱に貫を固定し、その後、前記一の役柱の浅溝部
    に壁板材の一端部を嵌挿するとともにその他端部を他の
    役柱の深溝部に嵌挿させた状態で各々の役柱に壁板材を
    固定することを特徴とする建築物における貫設置工法。
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