JP3388219B2 - 高圧噴射撹拌混合装置およびこれを用いた高圧噴射撹拌混合工法 - Google Patents
高圧噴射撹拌混合装置およびこれを用いた高圧噴射撹拌混合工法Info
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Description
水の噴射により地盤の切削を行いながら、硬化材を充填
し固結体を造成する高圧噴射混合装置およびこれを用い
た高圧噴射混合工法に関する。
法には、二重管を用いるいわゆる「JSG工法」と、三
重管を用いる「コラムジェットグラウト工法」とが代表
的である。
ッドの下部吐出口からセメントミルクなどの硬化材をエ
アを同伴させつつ10〜30MPaで吐出噴射させなが
ら引き上げを行うことによって、地盤の切削と共に硬化
材の充填を行い地盤に前記硬化材による固結体を造成す
るものであり、後者のコラムジェット工法等は、地盤内
に挿入したロッドの下部吐出口からセメントミルクなど
の硬化材を2〜5MPaで吐出噴射させるとともに、該
下部吐出口より基端側の上部吐出口よりエアを同伴させ
つつ高圧水を20〜60MPaで噴射させながら引き上
げを行い、地盤に前記硬化材による固結体を造成するも
のである。
および噴射量は、対象区域の地盤種を予め調査するとと
もに、配合試験等を行った上で決定され、この噴射圧お
よび噴射量は地盤改良開始(引上げ開始)から終了(引
上げ終了)までの間、一定値としている。
向に一様ではなくロッドの引上げ過程で地層が変化する
ため、設定した噴射圧では切削し難い地層に遭遇した
り、地層種別に応じて硬化材の充填量を増加(または減
量)すべき場合がある。従来は、この種の要求にはすべ
てロッドの引上げ速度を調整することによって対応して
いた。
げ過程(地盤改良過程)で、地層が急変するため引き上
げ速度を遅くせざるを得ない場合が多発すると、施工能
率が極端に低下することになる。またこの場合、一旦ロ
ッドを地上まで引き上げ、ノズル交換を行うことも可能
であるが、同様にノズル交換に掛かる作業手間のために
作業が効率化しないなどの問題があった。
定速度での引き上げを条件として地盤改良が行えるよう
に、地層種別に対応して噴射圧および噴射量を任意に可
変とした高圧噴射撹拌混合装置およびこれを用いた高圧
噴射攪拌混合工法を提供することにある。
に請求項1に係る本発明として、高圧水の噴射により地
盤の切削を行うとともに、切削済み領域に硬化材を充填
して固結体を造成する高圧噴射撹拌混合装置、または硬
化材の噴射により地盤の切削と共に硬化材の充填を行い
固結体を造成する高圧噴射撹拌混合装置において、前記
高圧噴射撹拌混合装置は、多重管構造のロッド体とさ
れ、前記ロッド体の長手方向に位置を異ならせて、噴射
圧および噴射量の異なる前記高圧水または硬化材の噴射
口を少なくとも2以上備えるとともに、これら噴射口は
内管のスライド操作によってロッド内での流路が切り替
えられ、使用する噴射口が任意に切り替え可能とされた
ことを特徴とする高圧噴射撹拌混合装置が提供される。
水の噴射により地盤の切削を行うとともに、切削済み領
域に硬化材を充填して固結体を造成する高圧噴射撹拌混
合工法、または硬化材の噴射により地盤の切削と共に硬
化材の充填を行い固結体を造成する高圧噴射撹拌混合工
法において、前記高圧噴射撹拌混合工法に用いる前記高
圧噴射撹拌混合装置は、多重管構造のロッド体とされ、
前記ロッド体の長手方向に位置を異ならせて、噴射圧お
よび噴射量の異なる前記高圧水または硬化材の噴射口を
少なくとも2以上備えるとともに、これら噴射口は内管
のスライド操作によってロッド内での流路が切り替え ら
れ、使用する噴射口が任意に切り替え可能とされ、前記
ロッド体の引上げによる地盤改良工程において、前記噴
射口の切り替えによって地盤性状変化に対応させ、ロッ
ド引上げ速度をほぼ一定とする条件の下で地盤改良を行
うことを特徴とする高圧噴射撹拌混合工法が提供され
る。
記高圧水または硬化材の噴射口は、それぞれ複数個の噴
射口を1群として、これら複数群間で任意に切り替え可
能とする場合をも含むものである。
て図面を参照しながら詳述する。
である。図示される高圧噴射撹拌混合装置1(以下、単
にロッドともいう。)は、ロッド先端部に硬化材噴射口
3を備えるとともに、この硬化材噴射口3の上部位置
に、硬化材Hと地盤との混合材料が地上側へ排出される
のを抑制するためにロッド方向に沿って収納可能な傘状
の拡翼7を備え、さらにその上方側に切り替え可能な高
圧水噴射口4A、4Bを備えるものである。これら高圧
水噴射口4A、4Bは、それぞれ周囲からエアを同伴さ
せながら高圧水を噴射するもので、噴射圧および噴射量
を異ならせたノズルが用いられ、地盤性状に応じて切り
替えが行われる。
1の構造について詳述する。なお、図2は上部高圧水噴
射口4Aから高圧水噴射を行う場合のロッド縦断面図で
あり、図3は下部高圧水噴射口4Bから高圧水噴射を行
う場合のロッド縦断面図である。
れるように、硬化材、高圧水およびエアをそれぞれ所定
の位置から噴射可能とするために内管11,中管12,
外管13から構成される三重管構造のロッド体で、ロッ
ド先端部では前記中管12および外管13は共に高圧水
噴射口4A、4Bを備えたノズルロッド20に接続さ
れ、一方内管11はノズルロッド20の中心を貫通する
とともに、さらに突出して硬化材噴射口3および削孔水
噴射口21を備える先端ツール部2に接続されている。
1に外嵌する第2外管13Aが設けられ、この第2外管
13Aと前記先端ツール部2との間に前記拡翼7が設け
られている。前記拡翼7は、図1に示される地盤貫入状
態では実質的にロッド外面より突出しない状態で収容さ
れ、その後図5に示される地盤改良作業時には、丁度、
傘を開くように拡張され硬化材の排出抑制部材として機
能するものである。地盤改良時においては、図5または
図7に示されるように、前記高圧水噴射口4A(4B)
から噴射された高圧水によって切削された土砂が切削ス
ライムとなって地上側へ排出される。前記拡翼7は、前
記切削スライムの誘因流に乗って硬化材噴射口3から噴
射された硬化材が地上に排出されるのを防止するもの
で、これによって硬化材の使用量を減じながらも目標の
強度の固結体を得ることができる。ロッドの引き上げ速
度を高めて短時間の施工が可能となる。排泥量自体を少
なくすることができる。排泥量に対してこれに含まれる
セメント量の割合を著しく減じることができる。さらに
は硬化材としてのセメントミルク中の使用セメント量に
対して、固結体中に含まれるセメント量の割合を著しく
高めることができるなどの効果を奏するようになってい
る。
例では図6に示すように十字方向4箇所に、上端部が外
管13の下部に軸14によって支持され、揺動自在とさ
れる展開骨15と、一端が前記展開骨15の中間に軸1
8によって連結されるとともに、他端が内管11に軸1
6によって連結された受け骨17とよりなる拡張自在の
膜支持材8、8…を設け、前記展開骨15、15…を支
持材として方形状の膜材19を張設したものである。前
記膜材19としては、強度性および摩耗性の点より、ポ
リエステル系、芳香族ポリアミド系(パラ系)、超高強
ポリエチレン、炭素系などの繊維布、キャンバス布など
が好適に使用される。なお、前記拡翼7の展開量は、前
記内管11の引き上げ量によって調整可能となってい
る。
ってスリット溝13aが形成され、第2外管13Aの周
囲に設けられた筒状のノズルカバー23が前記スリット
溝13aを通して内管11の凹面に係止する連結ピン2
2によって連結され、内管11の上下スライドに伴って
上下方向に移動可能となっている。このノズルカバー2
3は、図2に示される拡翼収容時およびある程度の拡翼
状態時には下部高圧水噴射口4Bを塞ぎ、図3に示され
るように、ノズル切り替えのために内管11を上方向に
移動した際には、周面に形成した窓孔23aが丁度、下
部高圧水噴射口4B部位に定位し前記下部高圧水噴射口
4Bを外部に臨ませるとともに、上部高圧水噴射口4A
を封鎖するようになっている。
た内管挿通路24の外側に、高圧水バイパス流路20a
と、さらにその外側に第1エア流路20b、第2エア流
路20cとが形成され、かつ前記内管挿通路24には上
部高圧水噴射口4Aおよび下部高圧水噴射口4Bを跨ぐ
上下位置に夫々2条づつOリング25,25が設けられ
ている。前記第1エア流路20bと第2エア流路20c
とはリング状に連通し、かつ第2エア流路20cは上部
高圧水噴射口4A部と下部高圧水噴射口4B部とを繋ぐ
流路となっている。したがって、中管12と外管13と
の環状間隙を流路として供給されたエアが、前記ノズル
ロッド20部では前記第1エア流路20bおよび第2エ
ア流路20cを通って上部高圧水噴射口4Aと下部高圧
水噴射口4Bとに供給されるようになっている。
(およびある程度の拡翼時)においては、上部高圧水噴
射口4A部に位置する管体部分が、内管挿通路24内面
との間に高圧水流路となる間隙を形成し得る小径管部1
1aとなっており、また下部高圧水噴射口4B部に位置
する管体部分が、内管挿通路24内面と密着する大径管
部11bとなっている。さらに、この大径管部11bの
下側には所定の長さ区間に亘って小径管部11cが形成
されている。
1と中管12との間を流路として供給された高圧水が、
内管11と内管挿通路24との間の間隙(前記高圧水バ
イパス流路20aを含む)を流路として流れ、上部高圧
水噴射口4Aより外方に噴射される。一方、中管12と
外管13との間を流路として供給されたエアは前記第1
エア流路20bを通り、さらに第2エア流路20cを通
って上部高圧水噴射口4A部および下部高圧水噴射口4
B部まで共に供給されるが、下部高圧水噴射口4Bはノ
ズルカバー23によって封鎖されているため、上部高圧
水噴射口4A部からのみ噴射されるようになっている。
上方に引き上げると、拡翼7がリンク機構に従って展開
するが、所定の拡翼状態までは上部高圧水噴射口4Aか
ら高圧水およびエアが噴射される状態が維持される。そ
の後、引き続き内管11をノズルロッド20の上端部ま
で引き上げ、ノズルカバー23の窓孔23aが下部高圧
水噴射口4B部に位置する状態になると、高圧水噴射口
が切り替えられ下部高圧水噴射口4Bから高圧水および
エアが噴射されるようになる。
1の大径管部11bが上部高圧水噴射口4A部位に位置
すると、大径管部11bは内管挿通路24内面に接触す
るため、上部高圧水噴射口4Aへの高圧水供給路が完全
に塞がれ、高圧水バイパス流路20aを流路として高圧
水が送給される。この高圧水は、その後内管11の小径
管部11cを流路として下部高圧水噴射口4B部位まで
達し外方に噴射される。一方エアは、上部高圧水噴射口
4Aがノズルカバー23によって塞がれ、ノズルカバー
23の窓孔23aから外部に臨んでいる下部高圧水噴射
口4B部からのみ噴射される。
詳細には図1に示されるように、地表に排泥ピット21
を造成し、ロッド1により所定深度まで削孔する。ロッ
ド1による削孔に際しては、内管11を通して削孔水W
を送水し、ロッド1の下端から前記削孔水Wを吐出させ
ながら、ロッド1を回転させることにより行う。なお、
ロッド1による削孔に代えて、ケーシング削孔した後、
その削孔内にロッド1を挿入し、ケーシングを引き抜く
ことによりロッド1を地盤の所定深度まで挿入するよう
にしてもよい。この場合には、削孔ビットは不要であ
る。
ド1の平面視で右回転させつつ引き上げを行う。引き上
げ開始初期においては、高圧水による切削済み領域に硬
化材を噴射させるために、上部高圧水噴射口4Aから高
圧水HW(圧力P1、流量Q1)を噴射させつつ引き上
げ、その後、硬化材噴射口3が高圧水による切削済み領
域に達したならば、硬化材噴射口3からも硬化材Hを高
圧噴射させるようにする。 その後は、図4(C)、詳細
には図5に示されるように、一定の上昇速度にてロッド
を引き上げながら、高圧水噴射口4AよりエアAiを同
伴させつつ高圧水HW(圧力P1、流量Q1)を噴射さ
せるとともに、硬化材噴射口3から硬化材Hを噴射さ
せ、固結体を地盤中に造成する。
程)において、地盤性状が変化したため高圧水圧および
高圧水量の切り替えが必要となったならば、図4(D)、
詳細には図7に示されるように、内管11をさらに上方
にスライドさせ、高圧水噴射口を下部高圧水噴射口4B
側に切り替えを行い、高圧水HW(圧力P2,流量
Q2)とした上で地盤改良を引き続き継続して行う。こ
の高圧水噴射口切り替え後においても、基本的にロッド
1の引き上げ速度は変化させることなく、同一速度にて
引き上げを行うようにする。
上げ位置(地盤改良終了位置)に達したならば、拡翼7
を閉じロッド1を地上に引き上げる。
てのみノズル切り替えを可能としたが、硬化材噴射口3
についても同様にノズル切り替えを可能としてもよい。
また、本例では高圧水と硬化材を別々に噴射させる高圧
噴射撹拌混合装置を例に採り本発明を説明したが、本発
明はこれ以外に、噴射口を有するすべての地盤改良装置
に対しても適用が可能である。
された1または複数の流路を使用しながら、ロッド内で
の流路切り替えによって使用するノズルの切り替えが可
能となる。したがって、機能または用途の異なる複数の
噴射口または吐出口を備えるロッド構造の場合におい
て、より少ない流路数での対応が可能となり、ロッド構
造が簡単になる。
た後、ゲル化時間の長い注入材の注入を行う多重管複相
注入工法では、相対的に上段側に位置する瞬結性グラウ
ト用吐出口と、相対的に下段側に位置する緩結性グラウ
ト用吐出口との流路を別々に形成する必要があったが、
本ロッド構造を応用すれば、同一の流路を使用しながら
吐出口切り替えによって瞬結性グラウト用吐出口と緩結
性グラウト用吐出口を使い分けるできるようになる。
先端部位に、相対的に上部側位置に瞬結性グラウト用吐
出口6A、6A…を設けるとともに、相対的に下部側位
置に緩結性グラウト用吐出口6B、6B…を図示例では
多段配置で設け、これらの吐出口6A、6Bを任意に切
り替え可能としておく。
るように、先ず前記瞬結性グラウト用吐出口6A、6A
…を使用してゲル化時間の短い注入材(主材および硬化
剤)を吐出してロッド周方向にシール用固結体Aを形成
する。次いで、吐出口を緩結性グラウト用吐出口6B、
6B…側に切り替え、図9(B)に示されるように、ゲル
化時間の長い注入材(主材および硬化剤)を注入し前記
固結体Aの下側領域に固結体Bを形成する。この工程を
ロッド引上げステップ毎に行い、深さ方向連続した円柱
状の固結体を造成する。
種別に対応して噴射圧および噴射量を任意に可変とした
ため、基本的に一定速度の引上げを条件として地盤改良
を行い得るようになる。
図である。
合のロッド縦断面図である。
合のロッド縦断面図である。
がらの地盤改良要領図である。
がらの地盤改良要領図である。
側面図である。
部、3…硬化材噴射口、4A…上部高圧水噴射口、4B
…下部高圧水噴射口、7…拡翼、11…内管、12…中
管、13…外管、20…ノズルロッド、23…ノズルカ
バー、24…内管挿通路
Claims (2)
- 【請求項1】高圧水の噴射により地盤の切削を行うとと
もに、切削済み領域に硬化材を充填して固結体を造成す
る高圧噴射撹拌混合装置、または硬化材の噴射により地
盤の切削と共に硬化材の充填を行い固結体を造成する高
圧噴射撹拌混合装置において、前記高圧噴射撹拌混合装置は、多重管構造のロッド体と
され、前記ロッド体の長手方向に位置を異ならせて、 噴
射圧および噴射量の異なる前記高圧水または硬化材の噴
射口を少なくとも2以上備えるとともに、これら噴射口
は内管のスライド操作によってロッド内での流路が切り
替えられ、使用する噴射口が任意に切り替え可能とされ
たことを特徴とする高圧噴射撹拌混合装置。 - 【請求項2】高圧水の噴射により地盤の切削を行うとと
もに、切削済み領域に硬化材を充填して固結体を造成す
る高圧噴射撹拌混合工法、または硬化材の噴射により地
盤の切削と共に硬化材の充填を行い固結体を造成する高
圧噴射撹拌混合工法において、前記高圧噴射撹拌混合工法に用いる前記高圧噴射撹拌混
合装置は、多重管構造のロッド体とされ、前記ロッド体
の長手方向に位置を異ならせて、 噴射圧および噴射量の
異なる前記高圧水または硬化材の噴射口を少なくとも2
以上備えるとともに、これら噴射口は内管のスライド操
作によってロッド内での流路が切り替えられ、使用する
噴射口が任意に切り替え可能とされ、前記ロッド体の引
上げによる地盤改良工程において、前記噴射口の切り替
えによって地盤性状変化に対応させ、ロッド引上げ速度
をほぼ一定とする条件の下で地盤改良を行うことを特徴
とする高圧噴射撹拌混合工法。
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JP2000096305A JP3388219B2 (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 高圧噴射撹拌混合装置およびこれを用いた高圧噴射撹拌混合工法 |
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