JP3387612B2 - ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物 - Google Patents

ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物

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JP3387612B2 JP05531094A JP5531094A JP3387612B2 JP 3387612 B2 JP3387612 B2 JP 3387612B2 JP 05531094 A JP05531094 A JP 05531094A JP 5531094 A JP5531094 A JP 5531094A JP 3387612 B2 JP3387612 B2 JP 3387612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、タツキネスと高温加熱
後の溶融粘度の変化が少ない粘着剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、感圧接着剤(粘着剤)や熱溶融型
粘着剤(ホットメルト型粘着剤)のベースポリマーとし
てスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック
共重合体やスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)
ブロック共重合体などの熱可塑性エラストマーが使用さ
れ、また、ベースポリマーとして、SISブロック共重
合体とSBSブロック共重合体の両者を併用した粘着剤
組成物も知られている(特公昭53−42345号)。
しかしながら、従来公知のブロック共重合体系の熱可塑
性エラストマーは、熱安定性が悪く、例えば、SIS型
ブロック共重合体の場合には、溶融加工時に熱劣化を受
けて溶融液の粘度が急低下し、一方、SBS型ブロック
共重合体の場合には、溶融加工時に架橋結合して溶融液
の粘度が急上昇する。また、これら両者のブレンド系で
も、加熱時に溶融粘度が経時変化により急上昇を示す。
そのため、これらのブロック共重合体をベースポリマー
とするホットメルト型粘着剤は、加工時および塗工作業
時の品質の安定を確保することが難しい。かかる要求性
能を満たすべく、出願人は先にブタジエン重合体ブロッ
クとイソプレン重合体ブロックとを有し、溶融粘度の経
時変化が少なく、熱安定性に優れたSBIS型または多
官能カップリング剤を使用した(SBI)n-X型ブロッ
ク共重合体(Xは多官能カップリング剤の残基を表わ
す)について出願した(特願平4−262807号)。 【0003】これらのブロツク共重合体は適宜混合して
使用することによって、粘着剤の性能のバランスが改良
されるものであるが、一般に、多官能カツプリング剤を
使用して得られた分岐状ブロツク共重合体は加工性が良
好であることや粘着剤として保持力が高いことなど好ま
しい点が多いとされている。しかし、多官能カツプリン
グ剤の中には加熱時に結合部分が切断する等、熱安定性
が不良なものが多く、また、分岐状ブロツク共重合体を
多量に用いた粘着剤はタツキネスおよび粘着力(ピー
ル)が低く、そのために、粘着テープ用粘着剤としての
バランスが不良になるという問題点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高
加熱時において色調が変化することなく透明性を保ち、
皮張りあるいはゲル化することもなく熱安定性に優れた
粘着剤組成物を提供することにある。本発明者らは、前
記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結
果、2官能性カップリング剤を使用して合成した(S−
B−I)2−X型の線状ブロック共重合体と(S−B−
I)型のブロック共重合体との混合物が優れた熱安定性
を示すことを見いだし、この知見に基づいて完成するに
至った。 【0005】 【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
、一般式(S−B−I)2Xで表されるブロック共
重合体(1)と、一般式(S−B−I)で表されるブロ
ック共重合体(2)とを含有し、(1)および(2)の
重量が、(1)/(2)=20/80〜90/10(重
量比)であるブロック共重合体組成物100重量部と粘
着付与剤50〜300重量部とを配合してなる粘着剤組
成物(式中、Sは、芳香族ビニル化合物の重合体ブロッ
クである。Bは、ブタジエン重合体ブロックである。I
は、イソプレン重合体ブロックである。Xは、2官能カ
ップリング剤の残基である。)が提供される。 【0006】本発明の粘着剤組成物で使用するブロック
共重合体(1)は、上記のごとく一般式(S−B−I)
2Xで表されるブロック共重合体であって、芳香族ビ
ニル化合物の重合体ブロックSとブタジエンの重合体ブ
ロックBと、イソプレンの重合体ブロックIとから成る
(S−B−I)型のブロック共重合体が有する重合活性
末端を、2官能性カップリング剤を用いてカップリング
させて得られた構造を有する線状ブロック共重合体であ
る。 【0007】ブロック共重合体(1)のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により測定しポリ
スチレン換算重量平均分子量は、50,000〜50
0,000、好ましくは100,000〜400,00
0である。該分子量が前記下限未満では得られる粘着剤
組成物の保持力が不十分となり、また、前記上限超では
得られる粘着剤組成物の加工性が不満足なものとなる。 【0008】一般式中のS、BおよびIは、それぞれ、
実質的に芳香族ビニル化合物の重合体ブロック、実質的
にブタジエン重合体ブロック、および実質的にイソプレ
ン重合体ブロックである場合を含む。ここで、実質的に
とは、相互に少量の他の共重合成分に由来する結合単位
を含んでいる場合、BまたはIが、ブロックの一端から
他端にかけて漸増する比率で少量のスチレン単位を含有
するテーパー型ブロックポリマーである場合、あるいは
BまたはIの少なくとも一部が水素添加により変性され
ている場合等を意味する。 【0009】ブロツク共重合体(1)において使用する
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン等を挙げる
ことができる。これらの中でも、入手のし易さ、反応
性、およびブロック共重合体の物性の観点等から、特
に、スチレンが好ましい。 【0010】本発明の粘着剤組成物で使用するブロック
共重合体(2)は、上記のごとく一般式(S−B−I
表されるブロック共重合体であって、芳香族ビニル化
合物、ブタジエンおよびイソプレンをブロック共重合す
ることによって得られるものである。 【0011】ブロツク共重合体(2)において使用する
芳香族ビニル化合物としては、ブロツク共重合体(2)
の合成に使用するものと同様な化合物が使用される。 【0012】ブロック共重合体(2)のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポ
リスチレン換算重量平均分子量は、10,000〜30
0,000、好ましくは20,000〜250,000
である。該分子量が前記下限未満では得られる粘着剤組
成物の保持力が不十分となり、また、前記上限超では得
られる粘着剤組成物の加工性が不満足なものとなる。 【0013】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)において、結合芳香族ビニル化合物の割合
は、合計で10〜50重量%、好ましくは15〜45重
量%であり、結合ブタジエンの割合は10〜60重量
%、好ましくは15〜45重量%であり、結合イソプレ
ンの割合は10〜60重量%、好ましくは25〜55重
量%である。 【0014】結合芳香族ビニル化合物の割合が10重量
%未満であると、ブロック共重合体を粘着剤のベースポ
リマーとした場合に、保持力が低下し、逆に、50重量
%を越えると、タツキネスが低下する。結合ブタジエン
の割合が10重量未満であると、ブロック共重合体の溶
融粘度が経時変化により小さくなると共に、保持力が低
下し、逆に、60を越えると溶融粘度が経時変化により
増大する。結合イソプレンの割合が10重量未満である
と、ブロック共重合体の溶融粘度が経時変化により増大
し、逆に、60を越えると溶融粘度が経時変化により小
さくなる。結合スチレン、結合ブタジエンおよび結合イ
ソプレンの割合が前記範囲内にあることによって、得ら
れるブロック共重合体を粘着剤のベースポリマーとして
使用した場合に、タック、接着力および保持力のいずれ
もが良好な優れた粘着剤を得ることができる。また、結
合ブタジエンおよび結合イソプレンの割合が前記範囲内
にあることによって、耐熱性に優れ、溶融加工時に溶融
粘度の変化の少ないブロック共重合体を得ることができ
る。 【0015】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)は、通常、ブタジエン部分の1,2−ビニ
ル結合の割合が15%以下で、イソプレン部分の3,4
−ビニル結合の割合が10%以下である。また、本発明
で使用するブロック共重合体(1)および(2)は、粘
弾性測定における貯蔵弾性率(G′)が、通常、0℃〜
50℃の範囲において、105 〜3×108 Paで、か
つ、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプレン重合体
ブロックに起因する損失正接(tanδ)のピークが、
−80℃〜−50℃の範囲において、1つだけ存在す
る。例えば、S−I−S型ブロック共重合体とS−B−
S型ブロック共重合体をブレンドした場合には、ブタジ
エン重合体ブロックおよびイソプレン重合体ブロックの
それぞれに起因する損失正接(tanδ)のピークが、
−80℃〜−50℃の範囲において2つ現れる。貯蔵弾
性率(G′)が105 Pa未満のブロック共重合体
(1)および(2)からなる組成物を粘着剤のベースポ
リマーとした場合は、保持力が低下し、逆に、3×10
8 Paを越えると、タッキネスが低下するので好ましく
ない。 【0016】本発明で使用するブロツク共重合体(1)
を合成するために使用する2官能性カップリング剤とし
ては、例えば、ジクロロスズ、モノメチルジクロロス
ズ、ジメチルジクロロスズ、モノエチルジクロロスズ、
ジエチルジクロロスズ、モノブチルジクロロスズ、ジブ
チルジブロモスズ、モノヘキシルジクロロスズなどのス
ズ系カップリング剤;ジクロロシラン、モノメチルジク
ロロシラン、ジメチルジクロロシラン、モノエチルジク
ロロシラン、ジエチルジクロロシラン、モノブチルジク
ロロシラン、ジブチルジクロロシラン、モノヘキシルジ
クロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、シブロムシ
ラン、モノメチルジブロモシラン、ジメチルジブロムシ
ランなどのハロゲン化ケイ素系カップリング剤;ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのジビニル芳香族
化合物;ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジブロモメ
タン、ジクロロプロパン、ジブロモプロパンなどのハロ
ゲン化アルカン;ジブロムベンゼンなどのハロゲン化芳
香族化合物;安息香酸エステル、CO、2−クロロプロ
ペン、1−クロロ−1,3−ブタジエンなどのその他の
カップリング剤;を挙げることができる。これらの中で
も、ジブロムベンゼンが好ましい。 【0017】本発明で使用するブロック共重合体(1)
および(2)は、従来公知の方法により、炭化水素溶媒
中、有機リチウム化合物を重合開始剤として使用し、各
重合体ブロックを逐次重合させることにより製造するこ
とができる。ただし、前記一般式(1)で示される各ブ
ロック共重合体は、S−B−Iの各重合体ブロックを逐
次重合させた後、活性末端を利用してカップリング剤に
よるカップリング反応を行わせることにより得ることが
できる。ブロック共重合体の製造に使用する炭化水素溶
媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、およびこれ
らとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの混
合溶媒等が挙げられる。重合開始剤として用いられる有
機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、n−ヘキシルリチウム、iso−ヘキシルリチウ
ム、フェニルリチウム、ナフチルリチウムなどが挙げら
れ、通常、モノマー100重量部当り0.01〜1重量
部の範囲で用いられる。 【0018】一般式(1)で示されるブロック共重合体
中、(S−B−I)2−X型のブロック共重合体は、
炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤とし
て、先ず、芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで、
ブタジエンの重合、およびイソプレンの重合を逐次行
い、しかる後、2官能性カップリング剤を加えて、活性
末端を利用してカップリング反応を行うことにより得る
ことができる 【0019】一般式(2)で示されるブロック共重合体
中、(S−B−I)型のブロツク共重合体は、炭化水素
溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として、先
ず、芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで、ブタジエ
ンの重合、イソプレンの重合を逐次行うことにより得る
ことができる。 【0020】 【0021】本発明で使用するブロック共重合体組成物
は、ブロック共重合体(1)および(2)を、それぞれ
別個に合成した後、これらを任意の方法により上記重量
比率で混合することによって得てもよく、また、ブタジ
エンまたはイソプレンの重合体ブロックの重合活性末端
を有する(S−B−I)型のブロック共重合体をカップ
リングさせるときに、2官能性カップリング剤の種類お
よび量を制御し、さらに、必要ならば公知のカップリン
グ促進剤を併用することによって、本発明のブロック共
重合体組成物を一時に得ることも可能である。 【0022】本発明で使用するブロック共重合体組成物
を得るためのブロック共重合体(1)および(2)の混
合方法は特に限定されず、各成分をブラベンダーやニー
ダー等で加熱混合する方法を例示することができる 【0023】本発明で使用するブロック共重合体組成物
は、ブロック共重合体(1)および(2)の重量の間
に、(1)/(2)=20/80〜90/10(重量
比)、好ましくは、(1)/(2)=25/75〜85
/15(重量比)の関係が成立することが必要である。
(1)/(2)が20/80(重量比)未満では粘着剤
としての保持力が低下し、また、高温加熱時の溶融粘度
の低下が大きく、さらに、色調が大幅に不良となるので
好ましくない。(1)/(2)が90/10(重量比)
を超えると粘着剤としての粘着力が低下し、また、高温
加熱すると透明性が低下するので好ましくない。 【0024】本発明で使用するブロック共重合体組成物
は、粘着剤のベースポリマーとして使用することがで
き、特に、熱可塑性エラストマーとしての特性と熱安定
性を利用して、熱溶融型粘着剤組成物のベースポリマー
として好適に使用することができる。本発明の粘着剤組
成物は、前記ブロック共重合体組成物100重量部と、
粘着付与剤50〜300重量部を含有する。また、軟化
剤を0〜100重量部の割合で配合してもよい。 【0025】粘着付与剤としては、数平均分子量が30
0〜3,000、JIS K−2207に定められた環
球法に基づく軟化点が60〜130℃の低分子量の樹脂
が好ましく使用できる。具体例としては、例えば、ロジ
ンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性
テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノ
ール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹
脂、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族・芳
香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹
脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの
低分子量重合体などが挙げられる。 【0026】粘着付与剤としては、ブロック共重合体の
ブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重合体ブロ
ックに相溶するものが好ましく、例えば、ポリテルペン
樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物
などが好ましい。また、粘着剤組成物の凝集力を向上さ
せる目的で、芳香族ビニル化合物重合体ブロックに相溶
するクマロン・インデン樹脂あるいはスチレンや置換ス
チレンの低分子量重合体を、前記共役ジエン重合体ブロ
ックと相溶する粘着付与剤と共に、配合してもよい。 【0027】軟化剤としては、例えば、パラフィン系プ
ロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プ
ロセスオイルなどの石油系プロセスオイル;ひまし油、
トール油などの天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキ
ル;液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子
量液状ポリマー;が挙げられる。これらの中でも、パラ
フィン系プロセスオイルや液状ポリブテンを用いると、
熱や紫外線に対し特に安定で色合いの優れた粘着剤を得
ることができる。 【0028】粘着剤組成物において、粘着付与剤の使用
割合は、ブロック共重合体組成物100重量部に対し、
50〜300重量部、好ましくは30〜180重量部で
ある。粘着付与剤の割合が50重量部未満であると、タ
ッキネスが低下し、逆に、300重量部を越えると、保
持力が低下する。軟化剤の使用割合は、0〜100重量
部、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10
〜130重量部である。この比率を逸脱すると、粘着剤
としてバランスのとれた物性を得ることが難しい。粘着
剤組成物には、本発明の目的を妨げない範囲で他のゴム
成分を配合してもよく、さらに、所望に応じて、酸化防
止剤、顔料、充填剤などの添加剤を適宜配合することが
できる。 【0029】粘着剤組成物の製造方法は、特に限定され
るものではなく、ロール、バンバリーミキサー、タルト
ン混練機などを用いた機械的混合法、撹拌機を備えた溶
融釜あるいは一軸または二軸の押出機を用いて加熱混合
することを特徴とするホットメルト法、適当な溶剤に配
合成分を投入し、これを攪拌することによって粘着剤組
成物の均一な溶液を得る溶剤法など、いずれの方法も用
いることができる。粘着剤組成物は、無溶剤で、あるい
はその溶液を、紙、プラスチックフィルムなどの支持体
に適当な塗布機を用いて均一に塗布し、必要に応じて乾
燥することによって、各種の粘着テープや粘着シートを
製造することができる。本発明で使用するブロック共重
合体組成物は、熱安定性に優れており、加熱溶融時にお
ける溶融粘度の経時変化が少ないため、これらをベース
ポリマーとする本発明の粘着剤組成物は、特に、熱溶融
型粘着剤組成物として好適に使用することができる。熱
溶融型粘着剤組成物は、溶融温度を高めても溶融粘度の
経時変化が少ないため、溶融させることにより、無溶剤
でも流動性良く支持体上に塗工することができる。ま
た、粘着剤組成物を支持体に塗布することなく、熱で溶
融させるか適当な溶剤に溶解するなどの方法で流動化さ
せることによって、接着剤あるいはシーラントとして使
用することもできる。 【0030】 【0031】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、本実施例中の部および%は、特に
断りのないかぎり、重量基準である。なお、以下の例に
おける物性の測定法は、次の通りである。 <結合スチレン量、結合ブタジエン量、結合イソプレン
量>NMR(核磁気共鳴吸収)法により測定した(単
位:重量%)。 <重量平均分子量>ブロック共重合体の重量平均分子量
は、高速液体クロマトグラフィー(HCL−802A、
東ソー社製)を用いて測定された分子量分布曲線から、
分子量既知の標準ポリスチレンの分析結果より求められ
る検量線をもとに算出した。測定には、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムG−4000HとG−5000を組
み合わせて用い、カラム温度40℃、キャリア(テトラ
ヒドロフラン)流量1.3m1/min、試料濃度0.
6g/1の条件で測定した(単位:×104)。また、
ブロツク共重合体組成物におけるブロツク共重合体
(1)とブロツク共重合体(2)との割合は、高速液体
クロマトグラフィーにより得られた各共重合体のピーク
面積から求めた(単位:重量比)。 【0032】<粘着物性>粘着剤組成物の調製 次の配合処方により粘着剤組成物を調製し粘着物性を測
定した。具体的には、下記の配合処方により、各成分を
ダルトン混練機にて混練した後、得られた組成物をトル
エンに溶解し(不揮発分濃度50%)、この溶液を25
μm厚のポリエステルフィルム上に糊厚25μmになる
ように塗布して粘着テープを作成した。結果を一括して
表1に示す。 〔粘着剤組成物の配合〕 ブロック共重合体組成物 100部 粘着付与剤(芳香族系石油樹脂の水素化物) 170部 軟化剤(パラフィン系プロセスオイル) 65部 酸化防止剤 1部 【0033】(1)タツキネスは、ASTM D312
1−73に準じ、21度30分の傾斜板上の所定の位置
から、23℃においては径7/16インチのスチール製
ボールを、また、5℃においては径3/16インチのス
チール製ボールを転がして助走させ、傾斜板下端から、
粘着剤面を上に露出させた粘着テープ試験片上を走ら
せ、該スチール製ボールが停止するまでの距離を測定し
て表示した(単位:cm)。 (2)粘着力は、JIS Z−0237に準じ、280
番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、幅10mm
×長さ100mmとした粘着テープを貼りつけ、23℃
において200mm/分の速度で180度の方向に剥離
して測定した(単位:g/cm)。 (3)保持力は、JIS Z−0237に準じ、前記と
同様に処理したステンレス板に25mm×10mmの面
積が接するように粘着テープを貼りつけ、50℃におい
て1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板よ
り脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。 (4)熱安定性試験 粘着剤組成物の溶融粘度を、フローテスターを用いて荷
重10キログラム、180℃で測定した(単位:×10
-4cps)。次いで、該ブロツク共重合体組成物を18
0℃×72時間加熱後、再度フローテスターを用いて荷
重10キログラム、180℃で溶融粘度を測定し(単
位:×10-4cps)、加熱前の溶融粘度に対する加熱
後の溶融粘度の比率(単位:%)を求めた。数値が大き
いほど熱安定性が良好である。 【0034】 (参考例:ブロック共重合体組成物の合成) (1) 乾燥窒素雰囲気下、3リットルのオートクレー
ブにて、1500gのシクロヘキサン溶媒中、n−ブチ
ルリチウム5.7ミリモルを重合開始剤として使用し、
スチレン、ブタジエン、およびイソプレンを順次添加し
て重合を行い、しかる後、カップリング剤としてジブロ
ムベンゼンを使用してカップリング反応を行い、表1に
示す(S−B−I)2−X型ブロック共重合体と(S−
B−I)型ブロック共重合体とからなる6種類のブロッ
ク共重合体組成物と、(S−B−I)2−X型ブロック
共重合体とを製造した。得られたブロック共重合体組成
物および(S−B−I)2−X型ブロック共重合体の結
合スチレンの割合は30重量%、結合ブタジエンの割合
は21重量%、結合イソプレンの割合は49重量%であ
った。また、(S−B−I)2−X型ブロック共重合体
の重量平均分子量は14万であり、(S−B−I)型ブ
ロック共重合体の重量平均分子量は7万であった。な
お、ブロック共重合体組成物の重量平均分子量は表1に
示す。 (2) 同様にして、シクロヘキサン溶媒中、n−ブチ
ルリチウムを重合開始剤として使用し、スチレン、ブタ
ジエン、およびイソプレンを順次添加して重合を行い、
しかる後、カップリング剤としてテトラメトキシシラン
を使用してカップリング反応を行い、表1に示す(S−
B−I)3−X型ブロック共重合体を製造した。得られ
たブロック共重合体組成物の結合スチレン含量は30重
量%、結合ブタジエンの割合は21重量%、結合イソプ
レンの割合は49重量%であった。また、(S−B−
I)3−X型ブロック共重合体の重量平均分子量は21
万であり、(S−B−I)型ブロック共重合体の重量平
均分子量は7万であった。なお、ブロック共重合体組成
物の重量平均分子量は表1に示す。 (3) さらに、同様にして、シクロヘキサン溶媒中、
n−ブチルリチウムを重合開始剤として使用し、スチレ
ン、ブタジエン、イソプレンおよびスチレンを順次添加
して重合を行い、表1に示す(S−B−I−S)X型ブ
ロック共重合体を製造した。得られたブロック共重合体
の結合スチレン含量は30重量%、結合ブタジエンの割
合は21重量%、結合イソプレンの割合は49重量%で
あり、重量平均分子量は11.5万であった。 【0035】(実施例1〜4)参考例で(1)製造した
4種類のブロック共重合体組成物を用いて粘着剤組成物
を調製し粘着物性の測定および熱安定性試験を行った。
結果を表1に示す。 【0036】 【0037】(比較例1)参考例で(4)製造した(S
−B−I−S)型ブロック共重合体を用いて粘着剤組成
物を調製し粘着物性の測定および熱安定性試験を行っ
た。結果を表1に示す。 (比較例2、3)参考例で(1)製造したブロック共重
合体組成物の中、(S−B−I)2-X型ブロツク共重合
体と(S−B−I)型ブロック共重合体との割合が本発
明で規定する範囲外の2種類のブロック共重合体組成物
および(S−B−I)2-X型ブロツク共重合体を用いて
粘着剤組成物を調製し粘着物性の測定および熱安定性試
験を行った。結果を表1に示す。 【0038】(比較例4、5)参考例で(3)製造した
2種類のブロック共重合体組成物を用いて粘着剤組成物
を調製し粘着物性の測定および熱安定性試験を行った。
結果を表1に示す。 【0039】 【表1】 【0040】表1の結果から明らかなように、本発明
着剤組成物(実施例1〜)は、タツキネスが高く、
かつ、180℃×72時間の高温加熱後においても、溶
融粘度が極端に低下することなく、また、色調が変化せ
ず透明性を保ち、皮張りやゲル化が生じないことが分か
る。一方、(S−B−I−S)型ブロック共重合体を用
いた場合(比較例1)、(S−B−I)2-X型ブロック
共重合体と(S−B−I)型ブロック共重合体との重量
比が本発明で規定する範囲外のブロック共重合体組成物
を使用した場合(比較例2、3)および分岐状ブロック
共重合体組成物を使用した場合(比較例4、5)は、粘
着物性のバランスに劣り、また、溶融粘度の経時変化が
大きく、熱安定性が不良であることが分かる。 【0041】なお、本発明の具体的な態様は以下のとお
りである。 (1) 一般式(S−B−I)2 Xで表されるブロック
共重合体〔1〕と、一般式(S−B−I)で表されるブ
ロック共重合体〔2〕とを含有し、〔1〕および〔2〕
の重量が、〔1〕/〔2〕=20/80〜90/10
(重量比)であるブロック共重合体組成物100重量部
と粘着付与剤50〜300重量部とを配合してなる粘着
剤組成物。(式中、Sは、芳香族ビニル化合物の重合体
ブロックである。Bは、ブタジエン重合体ブロックであ
る。Iは、イソプレン重合体ブロックである。Xは、2
官能カップリング剤の残基である。) (2) 芳香族ビニル化合物がスチレンである(1)
粘着剤組成物。 (3) 芳香族ビニル化合物の割合が10〜20重量
%、結合ブタジエンの割合が15〜45重量%、結合イ
ソプレンの割合が20〜70重量%である(1)の粘着
剤組成物。 (4) ブロック共重合体〔1〕の重量平均分子量が5
0,000〜500,000であり、ブロック共重合体
〔2〕の重量平均分子量が10,000〜300,00
0である(1)の粘着剤組成物。 (5) ロック共重合体組成物100重量部と粘着付
与剤80〜180重量部とを配合してなる(1)の粘着
剤組成物。 (6) ロック共重合体組成物100重量部、粘着付
与剤80〜180重量部および軟化剤5〜150重量部
とを配合してなる粘着剤組成物とを配合してなる(1)
粘着剤組成物。 (7) ロック共重合体組成物100重量部と粘着付
与剤80〜180重量部および軟化剤5〜150重量部
とを配合してなる(1)の粘着剤組成物。 【0042】 【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性エラストマー
としての特性を有すると共に、加熱溶融加工時における
溶融粘度の経時変化が少なく、熱安定性に優れた新規な
ブロック共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物
は、特に、塗工作業性、流動性、さらに高温加熱による
色調の変化が少なく、透明性に優れ、皮張り、ゲル化が
生じない熱溶融型粘着剤組成物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 - 53/02 C08F 297/04 C09J 153/00 - 153/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(S−B−I)2Xで表される
    ブロック共重合体(1)と、一般式(S−B−I)で
    されるブロック共重合体(2)とを含有し、(1)およ
    び(2)の重量が、(1)/(2)=20/80〜90
    /10(重量比)であるブロック共重合体組成物100
    重量部と粘着付与剤50〜300重量部とを配合してな
    る粘着剤組成物。(式中、Sは芳香族ビニル化合物の重
    合体ブロックである。Bはブタジエン重合体ブロックで
    ある。Iはイソプレン重合体ブロックである。Xは2官
    能カップリング剤の残基である。)
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