JP3387388B2 - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP3387388B2
JP3387388B2 JP26970897A JP26970897A JP3387388B2 JP 3387388 B2 JP3387388 B2 JP 3387388B2 JP 26970897 A JP26970897 A JP 26970897A JP 26970897 A JP26970897 A JP 26970897A JP 3387388 B2 JP3387388 B2 JP 3387388B2
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば倉庫などの
対象空間内に冷風を循環させることにより食品などの被
冷却物を冷却する冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、例えば特開昭57−1676
8号公報に示された従来の冷却装置を示す断面構成図で
ある。図において、41は吸風口、42は送風ダクト、
43は送風機、44は冷却器、45は圧縮機、46は凝
縮器、47は気密シート、48は貯蔵庫、49は通気孔
付容器、50はパレットである。
【0003】次に動作について説明する。貯蔵庫48内
にはパレット50に載せられて搬入された被冷却物であ
る農作物が詰められた通気孔付容器49が積み上げられ
ており、その上面には気密シート47が通気孔付容器4
9を密閉するように被せられている。この状態で装置を
動作させると、圧縮機45,凝縮器46,および冷却器
44で構成される冷凍サイクルの作用によって、冷却器
44の周囲に空気が作られる。この空気は送風機43、
送風ダクト42の作用によって貯蔵庫48内へ送り込ま
れ、通気孔付容器49の通気孔を介して通気孔付容器4
9内に侵入し、内部の農作物を冷却した後、吸風口41
を介して再び冷却器44へ至る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷却装置は以上
のように構成されているので、被冷却物を冷却する時は
装置全体を動作させ、冷却を行わない時は装置全体を停
止するという運転パターンがとられていた。ところが、
被冷却物である農作物は昼間収穫されて貯蔵庫48に入
れられ、品質の劣化を防ぐためにまず急速に冷却するこ
とが要求される。このため、安価な深夜電力を利用して
装置を動作させることができず、装置のランニングコス
トが高くなってしまうという問題点があった。
【0005】また、従来の冷却装置において、被冷却物
である農作物が貯蔵庫48に入れられ、冷却装置の作用
によってある程度冷却されて温度が下がってくると冷却
負荷が減るため、同一の装置では冷却能力が大きすぎる
状態となる。ところが、農作物は温度を下げすぎると死
んでしまい、また温度が高すぎると傷みが速くなってし
まうため、翌朝の農作物の出荷まで低い一定の温度を保
たなければならない。従って結局、装置が夜間はずっと
頻繁にON/OFF運転を繰り返すことで冷却能力を調
整して農作物の温度を調整することになる。このように
頻繁にON/OFFを繰り返すと、装置の寿命が短くな
り、信頼性上の問題となっていた。
【0006】また、従来の冷却装置は、空気の冷却器4
4、送風機43等を装置として一体化して貯蔵庫48に
組み込むように構成されているが、貯蔵庫48内の被冷
却物である農作物の種類や量は産地によって異なるた
め、適用できる対象が限られてしまっていた。また、装
置選定の幅が狭くなったりしてしまうという問題点があ
り、既存の貯蔵庫48へ適用する場合は工事性、作業性
の点でも問題があった。
【0007】また、従来の冷却装置は急速冷却や均一冷
却ができないという問題点もあった。
【0008】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、安価な深夜電力を利用して夜間に
冷熱を貯えて昼間の被冷却物の冷却に利用することで、
装置のランニングコストを安くすることができる冷却装
置を得ることを目的とする。
【0009】また、本発明は、装置が夜間に頻繁にON
/OFF運転を行うことを防ぎ、装置の寿命を長くし信
頼性を向上できる冷却装置を得ることを目的とする。
【0010】また、本発明は、装置の組み合わせや、選
定の自由度および幅を広げ、装置を各地の各種被冷却物
に適用可能とし、装置の選定を変えるだけでどんな対象
空間にも適用可能にして、工事性および作業性を向上さ
せた冷却装置を得ることを目的とする。
【0011】また、本発明は、急速冷却や均一冷却を実
現し、信頼性を向上させた冷却装置を得ることを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
わる冷却装置は、熱源機側から熱伝達媒体を循環させる
ことにより製氷および解氷を行う氷蓄熱槽と、前記熱伝
達媒体を介し前記氷蓄熱槽に貯留された冷熱を利用して
対象空間内の冷却を行う冷却器と、前記冷却器で冷却さ
れた空気を循環させて被冷却物を冷却する、前記対象空
間内に配置された送風機と、を備え、前記熱源機で生成
された高温の熱伝達媒体を前記氷蓄熱槽内の氷と直接ま
たは間接的に熱交換させることで前記氷を解氷して前記
冷熱を取り出しその冷熱を前記冷却器へ伝えるように配
管を接続して内融式および外融式氷蓄熱を併用するもの
であって、前記冷却器に接続されるとともに氷蓄熱槽の
外部に設けられ前記氷蓄熱槽内の水を循環させて熱伝達
媒体と熱交換させる熱交換器と、熱源機側から流出する
前記熱伝達媒体を前記氷蓄熱槽側または前記熱交換器側
へ流れを切り換える流路切換手段を有し、前記氷蓄熱槽
内の氷と直接的に熱交換させて冷熱を取り出す内融式氷
蓄熱の媒体循環路または前記氷蓄熱槽内の氷と間接的に
熱交換させて冷熱を取り出す外融式氷蓄熱の媒体循環路
に切り換えるものである。
【0013】
【0014】
【0015】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、被冷却物を格納する対象空間を冷却する大容量の
第一の冷却器および小容量の第二の冷却器、並びに対象
空間内に配設された送風機を有し、送風機により第一の
冷却器と第二の冷却器のうちの少なくともいずれか一方
の冷却器で冷却された空気を循環させて被冷却物を冷却
する冷却装置本体、熱交換器を有し冷熱を氷として蓄え
る氷蓄熱槽、熱交換器と第一の熱源機側とを接続する第
一の媒体循環路、第一の熱源機側から熱交換器を通って
第一の冷却器と接続する第二の媒体循環路、および第二
の冷却器と第二の熱源機側とを接続する第三の媒体循環
路を備えたものである。
【0016】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第の構成において、冷却負荷の大きな冷却を行
う際には、第一の冷却器を動作状態として第二の媒体循
環路を介して熱交換器に熱伝達媒体を流通させることに
より氷蓄熱槽に蓄えた氷から冷熱を取り出して第一の冷
却器へ供給し、あるいはこの第一の冷却器へ供給すると
ともに第二の冷却器を動作状態として第三の媒体循環路
を介して熱伝達媒体を第二の冷却器へ供給し、氷を蓄え
る際には、第一の冷却器を停止状態として第一の媒体循
環路を介して熱交換器に熱伝達媒体を流通させるように
構成したものである。
【0017】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第の構成において、冷却負荷の小さな冷却を行
う際には、第二の冷却器を動作状態として第三の媒体循
環路を介して熱伝達媒体を第二の冷却器へ供給するよう
に構成したものである。
【0018】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第1ないし第の構成のいずれか1つの構成にお
いて、氷蓄熱槽を複数個備えたものである。
【0019】
【0020】
【0021】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第1ないし第の構成のいずれか1つの構成にお
いて、冷却器を送風機から離れた対象空間内の別の位置
に配置し、この冷却器に空気を流す冷却用送風機を設け
たものである。
【0022】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第1ないし第の構成のいずれか1つの構成にお
いて、送風機を複数設けたものである。
【0023】また、本発明の第の構成に係わる冷却装
置は、第1ないし第の構成のいずれか1つの構成にお
いて、対象空間内の空気の循環風路の流れ方向を、正逆
切換可能としたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1を図につい
て説明する。図1は実施の形態1による冷却装置を示す
構成図で、1は冷却器、2は冷却器1に空気を流すため
の冷却用送風機、3は対象空間8内の空気を循環させる
ための循環用送風機、4は熱交換器を有し冷熱を氷とし
て蓄える氷蓄熱槽、5a〜5fは配管開閉手段または熱
伝達媒体の逆流防止手段で例えば開閉弁、6a,6bは
熱伝達媒体調整手段で熱伝達媒体の圧力または流量を調
整する手段であり例えば流量調整弁である。また、7は
被冷却物、8は被冷却物7が格納されている対象空間、
9は対象空間8内の空気の循環風路を形成するための導
風板、50はパレットである。図に示すように、冷却器
1,氷蓄熱槽4,開閉弁5a〜5f,流量調整弁6a,
6bを配管で接続し、熱伝達媒体を配管内に循環させて
媒体循環路を構成している。なお、本実施の形態におけ
る熱伝達媒体とは冷媒またはブラインであり、それぞれ
熱源機側である圧縮機や圧縮機と凝縮器からなる冷凍機
またはブラインポンプ(図示せず)と接続された氷蓄熱
槽4または冷却器1の間を循環して熱を伝達するための
媒体であり、流量調整弁6a,6bによって温度や圧力
または流量を調整される。図中、対象空間8の内側の実
線矢印は送風機2,3の正転時の風の流れを示し、点線
矢印は冷却用送風機2は正転させ、循環用送風機3を逆
転させた時の風の流れを示している。また、対象空間8
の外側の実線矢印は熱伝達媒体の流れ方向を示す。
【0025】対象空間8内には複数のパレット50が並
べられ、被冷却物7が載せられている。これらのパレッ
ト50は、被冷却物7の両側に十分な差圧がない時はそ
の周囲に空気があまり流れないように配置されている。
また、対象空間8内には冷却器1、冷却用送風機2およ
び循環用送風機3が備えられ、冷却装置本体を構成して
いる。
【0026】なお、被冷却物7は例えば通気孔付きの段
ボールに詰められた農作物などである。この被冷却物7
の冷却目標温度、即ち最適保存温度は食品の種類によっ
て異なり、被冷却物7が農作物である場合、例えばレタ
ス、キャベツ、ニンジン、タマネギなどは0℃程度、ト
マト、ピーマン、オクラ、カボチャなどは10℃前後と
なっている。
【0027】対象空間8内の被冷却物7の冷却が開始さ
れると、熱源機側から熱伝達媒体により冷熱が冷却器1
に供給される。そして、冷却用送風機2または循環用送
風機3により冷却器1の周囲の空気が冷却器1に流され
ることによって、熱伝達媒体の冷熱が空気に伝達され空
気の温度が下がる。以下、対象空間8内の空気の流れに
ついて、送風機2,3が正方向に回転しているものとし
て、さらに詳しく説明する。循環用送風機3によって吹
き出された空気は、導風板9の効果により導風板9と平
行な方向に指向性を持たされ被冷却物7の片側に到達す
る。ところが、被冷却物7の周囲には空気が通るための
十分な隙間がないため、循環用送風機3の片側、即ち被
冷却物7の片側の圧力が他方の圧力に対して徐々に高く
なって行く。このため、被冷却物7の両側に差圧が生じ
る。物体の両側に差圧がつくと、その間の隙間がたとえ
微小であってもそこを通って差圧の大きさに応じた流れ
が引き起こされる。この現象は流体力学の理論より明ら
かである。例えば被冷却物7に通気孔としての穴があい
ていることを想定すると、被冷却物7の近傍、即ち通気
孔および周囲を通して被冷却物7の片側から他方へ向け
て空気の流れができる。そして被冷却物7の通気孔また
は周囲を通って、被冷却物7の他方へ至った空気は再び
循環用送風機3に吸い込まれるという空気の循環風路を
形成する。この時、冷却器1および冷却用送風機2は前
記の空気の循環風路内にあるため、対象空間8内を循環
している空気全体が冷却器1および冷却用送風機2また
は循環用送風機3の作用により冷やされて温度が下が
る。そして、この低温の空気が被冷却物7の中または周
囲を通ることにより、被冷却物7が冷却されるのであ
る。
【0028】なお、ここでは被冷却物7に通気孔として
の穴があいていることを想定して説明を行ったが、被冷
却物7に穴があいていない場合でも被冷却物7の周囲を
通って空気の流れができるため、同様に冷却されるのは
言うまでもない。
【0029】また、被冷却物7の冷却において、被冷却
物7の両端の差圧が大きい方が、被冷却物7表面での空
気の流速が大きくなり、その分だけ冷却速度も速くなる
ため、冷却機能から考えると望ましい。ところが、この
差圧を大きくしすぎると、多大な送風機動力がかかりあ
まり実用的ではない。循環用送風機3の動力があまりか
からず、かつ被冷却物7の冷却速度も十分な速度が確保
される実用的な被冷却物7の両端の差圧は、被冷却物7
の表面における空気の流速を0.5〜2m/s程度に
し、被冷却物7の冷却を6時間程度で完了させるものが
望ましい。例えば被冷却物7がレモンやタマネギの場合
は20mmH2O程度、グレープフルーツの場合は10
mmH2O程度、ミカンの場合は50〜100mmH2
程度である。
【0030】以上が、対象空間8内の送風機2,3の動
作および空気の流れであり、次に冷却器1に冷熱を供給
する方法について図1に基づいて説明する。例えば、被
冷却物7が農作物であることを仮定すると、被冷却物7
は昼間収穫されて対象空間8に格納され、品質の劣化を
防ぐために昼間のうちに急速に冷却する。この冷却は被
冷却物7の冷却負荷が大きな冷却であり、これを予冷と
いう。また、夜間は被冷却物7はかなり冷えた状態にな
っており、被冷却物7の冷却負荷は小さく、低温を維持
する保冷を行なえばよい。そこで本実施の形態では、夜
間の電力コストが安価な時に、熱源機側からエネルギー
を与えられた熱伝達媒体によって、製氷して氷蓄熱槽4
に氷の形で冷熱を蓄えるように構成している。例えば、
一日のうちで、対象空間8においては12時から18時
まで予冷を行い、18時から翌朝の8時まで保冷を行な
う。また、氷蓄熱槽4においては電力コストの安価な2
2時から翌朝の8時まで蓄熱を行うように動作させる。
この場合には、22時から翌朝の8時までは保冷と蓄熱
が共に行われている。
【0031】以下、蓄熱時の製氷運転について説明す
る。例えば開閉弁5e,5a,5dを開状態とし、他の
開閉弁5b,5c,5fは閉状態とする。製氷時熱伝達
媒体入口から流入した熱伝達媒体は、開閉弁5e,5a
を経て流量調整弁6aにより圧力または流量を調整され
た後、氷蓄熱槽4の中の熱交換器内部を通って、開閉弁
5dを経て熱伝達媒体出口から熱源機側へ戻るという媒
体循環路を構成して運転を行う。この時、氷蓄熱槽4の
熱交換器内部を通る例えばー7℃程度の低温の熱伝達媒
体によって、氷蓄熱槽4の内部に貯留された水が熱交換
器の周囲に製氷し、氷蓄熱槽4に冷熱が蓄えられる。昼
間の被冷却物7の冷却に十分な冷熱が氷蓄熱槽4に蓄え
られるまで、この運転が続けられる。この運転を製氷運
転と称する。
【0032】なお、この時、開閉弁5b,5c,5fは
閉状態または熱伝達媒体が逆流しないようにしておく
が、夜間は対象空間8を保冷しており、製氷運転中に対
象空間8内の被冷却物7の温度や空間内を循環する空気
の温度が上昇した時は、開閉弁5bを開状態または逆流
可能として対象空間8の冷却器1へ熱伝達媒体を流すよ
うに構成する。即ち、熱源機側からの低温の熱伝達媒体
は、開閉弁5bを通り、流量調整弁6bでその圧力また
は流量が調整されて冷却器1へ流れ、対象空間8内の被
冷却物7の温度および循環する空気の温度の上昇を防ぐ
ように運転を行う。
【0033】次に予冷時の解氷運転について説明する。
昼間は、夜間に氷蓄熱槽4へ貯えた冷熱を利用して被冷
却物7の冷却を行う。例えば開閉弁5c,5f,5bを
開状態とし、他の開閉弁5a,5d,5eは閉状態また
は熱伝達媒体が逆流しないように構成しておく。熱源機
側によりエネルギーを与えられた例えば60℃程度の高
温の熱伝達媒体は、解氷時熱伝達媒体入口から流入し、
開閉弁5cを経て氷蓄熱槽4の中の熱交換器内部を通っ
た後、開閉弁5f,5bを経て流量調整弁6bにより圧
力または流量を調整され、冷却器1を通り、熱源機側へ
戻るように媒体循環路を構成して運転を行う。この運転
では熱伝達媒体は、氷蓄熱槽4の中の熱交換器内部を通
る時に熱交換器周囲の氷を解氷することにより、直接熱
交換して冷熱を受け取り、冷却器1を通る時に対象空間
8内の空気に冷熱を与える。対象空間8内の被冷却物7
が十分に冷却されるまでこの運転が続けられる。この運
転を解氷運転と称する。
【0034】以上のように本実施の形態では、氷蓄熱槽
4を利用して被冷却物7の冷却を行う構成とした。装置
の運転としては、製氷運転時は比較的運転効率が悪く、
解氷運転時はかなり運転効率がよいため、電力コストが
安価な夜間に製氷運転を行い、電力コストが安価でない
昼間に解氷運転を行うことにより、全体としてのランニ
ングコストを大幅に減らすことができる。
【0035】なお上記では、冷却用送風機2と循環用送
風機3の回転方向を正転とし、対象空間8内の空気を図
1の実線方向に循環させる場合について述べた。ところ
が、被冷却物7中または周囲の空気の流動を一方向にの
みで行っていると、被冷却物7の空気の流れ方向に対し
て前の方がよく冷え後ろの方はそれほど冷えないという
現象が起きることがある。このため、冷却開始から冷却
終了までの途中の段階で被冷却物7中または周囲の空気
の流動が逆方向になるように循環用送風機3の回転方向
を逆方向に切り換える操作を行うと、被冷却物7の冷却
が急速かつ均一に行われる。図1の対象空間8内におけ
る点線矢印は循環用送風機3を逆転させた場合の空気の
流れを示している。循環用送風機3の回転方向を逆転さ
せる手段としては、例えばモーターを逆回転させること
によって実現できる。また、循環用送風機3の回転方向
を逆転させなくても、ダンパによって風路を切り換える
と、被冷却物7における冷風の流れが逆方向である空気
の循環風路を形成できる。
【0036】また、図1では氷蓄熱槽4として内融式氷
蓄熱槽を使用することを例に説明した。内融式の氷蓄熱
槽は、一般に外融式氷蓄熱槽と呼ばれる方式のものと比
べ、水の循環ポンプを必要とせず、省エネルギーである
という効果がある。しかし、外融式氷蓄熱槽を用いても
効果的な冷却装置を構成することができる。以下、図2
に外融式氷蓄熱槽を使用して冷却装置を構成した場合に
ついて説明する。外融式氷蓄熱槽とは、氷蓄熱槽4の外
部に熱交換器10を有し、氷蓄熱槽4内の水を熱交換器
10内に循環させ、この熱交換器10内を循環する水と
熱交換器10内を流れる熱伝達媒体との間で熱交換を行
う方式のものである。この外融式氷蓄熱槽は、内融式氷
蓄熱槽に比べ、水の循環ポンプを必要とするが、解氷時
に氷蓄熱槽4を通る必要がなく熱伝達媒体の回路構成を
簡単にできる。このためメンテナンスが容易であるとい
う特長がある。
【0037】図2は本発明の実施の形態1に係る冷却装
置を示す構成図である。図において、5a〜5e、5g
は配管開閉手段または熱伝達媒体の逆流防止手段で、例
えば開閉弁、10は水から熱伝達媒体に冷熱を伝えるた
めの熱交換器である。図1と同一符号は図1の各部と同
一または相当部分を示している。
【0038】図2における対象空間内の送風機2,3の
動作、空気の流れおよび製氷運転時の動作は図1におけ
る内融式氷蓄熱槽を用いた場合と同様である。氷蓄熱槽
4へ貯えた冷熱を利用して被冷却物7の冷却を行う解氷
運転において、例えば開閉弁5c,5g,5bを開状態
とし、他の開閉弁5a,5d,5eは閉状態とする。熱
源機側によりエネルギーを与えられた熱伝達媒体は、解
氷時熱伝達媒体入口より開閉弁5c,5gを経て熱交換
器10に流入し、ここで氷蓄熱槽4との間で循環してい
る水と熱交換を行う。そして、開閉弁5bを経て流量調
整弁6bにより圧力または流量を調整され、冷却器1を
通り、熱伝達媒体出口から熱源機側へ戻るように媒体循
環路を構成して運転を行う。この時熱伝達媒体は、熱交
換器10において氷蓄熱槽4の中の氷と間接的に熱交換
を行って、氷蓄熱槽4の中の氷を解氷し冷熱を受け取
る。そして、低温の熱伝達媒体が冷却器1を通る時に対
象空間8内の空気に冷熱を与え、対象空間8内の被冷却
物7が十分に冷却されるまでこの運転が続けられる。な
お、この時、開閉弁5a,5e,5dは閉状態または熱
伝達媒体が逆流しないように構成しておく。
【0039】このように、外融式氷蓄熱槽を利用して被
冷却物7の冷却を行っても、内融式氷蓄熱槽を利用した
場合と同様、電力コストが安価な夜間に比較的運転効率
が悪い製氷運転を行い、電力コストが安価でない昼間に
かなり運転効率のよい解氷運転を行うことにより、全体
としてのランニングコストを大幅に減らすことができ
る。
【0040】また、図3のように氷蓄熱槽として内融式
にも外融式にも使用できるような複数の種類に使用可能
なものを用いても冷却装置を構成することが可能であ
る。図3は本実施の形態に係る冷却装置を示す構成図で
ある。図において、11は対象空間8とは異なる別対象
空間、12は別対象空間11に備えられた冷却器、13
は冷却器12に空気を流すための冷却用送風機である。
図1と同一符号は図1の各部と同一または相当部分を示
している。
【0041】図3における対象空間内の送風機の動作、
空気の流れ、製氷運転時の装置動作及び主たる解氷動作
は図1における説明と同様である。図3に示す構成の冷
却装置では、解氷動作として図1,図2に示したような
主たる解氷動作に加え、補助的な解氷動作も可能となっ
た。ここで、主たる解氷動作とは、対象空間8へ冷熱を
供給するための解氷動作であり、図3のような構成では
氷蓄熱槽4として主たる解氷動作のみの時に比べ少し大
き目の容量のものを選定しておくことで、主たる解氷動
作の他に補助的な解氷動作も同時に行うことが可能とな
る。
【0042】図3における補助的な解氷動作とは、例え
ば事務所である別対象空間11へ冷熱を供給するための
解氷動作であり、氷蓄熱槽4から別対象空間11内に備
えられた冷却器12へ冷水を循環させることにより、図
2の説明で述べたように間接的に氷蓄熱槽4内の氷の冷
熱を取り出すことができる。このように、図3の構成で
は、図1の構成による効果に加え、対象空間への冷熱供
給のみを行う図1と同じ装置構成でありながら補助的に
別対象空間11への冷熱供給をも行うことができるとい
う効果を奏する。このため、別対象空間11への冷熱供
給用に新たな冷却装置を導入する必要がなくなり、安価
なシステムを構築できる。
【0043】また、氷蓄熱槽4として内融式でも外融式
でも使用できるものを使用することによって、使用者の
要望や負荷状態に合わせて、冷却装置を図1の構成と図
2の構成の適した方に組み替えて据え付けることができ
るようになる。この場合は、図1の説明で述べた効果に
加え、使用者の要望に対して柔軟に対応できる汎用的な
冷却装置が得られ、かつ余計な配管を必要としないため
安価にできるという効果がある。
【0044】また、氷蓄熱槽4として内融式でも外融式
でも使用できるものを使用し、装置を図4のように構成
することにより、装置構成を変えることなく使用者の要
望や負荷状態に合わせて適した使い方ができるようにな
る。なお、図4における記号、対象空間内の送風機の動
作、空気の流れ、製氷運転時の装置動作および解氷運転
時の装置動作は図1および図2における動作と同様であ
る。特に、解氷運転時に場合に応じて外融式氷蓄熱槽を
用いた媒体循環路と内融式氷蓄熱槽を用いた媒体循環路
とを構成することができる。外融式氷蓄熱槽を用いた場
合は、解氷時熱伝達媒体入口から開閉弁5c,5gを通
って熱交換器10で熱交換し、開閉弁5b,流量調整弁
6bを経て冷却器1へ至る媒体循環路となる。また、内
融式氷蓄熱槽を用いた場合は、解氷時熱伝達媒体入口か
ら開閉弁5c、氷蓄熱槽4を経て開閉弁5fを通って、
開閉弁5b,流量調整弁6bを経て冷却器1へ至る媒体
循環路となる。このように、図4の構成では、図1の構
成の効果に加え、一つの冷却装置の構成で使用者の要望
に巾広く答えられる汎用的な冷却装置を得ることができ
るという効果がある。
【0045】また、本実施の形態では、冷却器1を循環
用送風機3から離れた対象空間内の別の位置に配置し、
この冷却器1に空気を流す冷却用送風機2を設けたこと
により、冷却器1および冷却用送風機2として汎用のも
のを使用でき、機器選定が容易になり、イニシャルコス
トを低減することができる。
【0046】また、図1〜図4における氷蓄熱槽は、配
管の周りに製氷させ冷熱を蓄えるスタティック型氷蓄熱
槽を例として説明を行ったが、当然他の方式によるもの
でもよく、例えば、氷と水が混ざった状態で冷熱を蓄え
るダイナミック型氷蓄熱槽などが考えられる。この場合
は、スタティック型氷蓄熱槽がダイナミック型氷蓄熱槽
に置き替わるだけで、冷却装置としての構成や効果など
は、上記と同様である。特に、氷蓄熱槽としては、スタ
ティック型の場合には安定して運転できるという特長が
あり、ダイナミック型の場合には取付形状が変更可能で
あり、取付場所の状況に合わせて取り付けることができ
るという特長がある。
【0047】また、図1〜図4において、対象空間8内
の循環用送風機3から吹き出された空気は導風板9によ
って指向性を付与され、循環風路を形成していたが、循
環用送風機3自体が指向性を有する場合や、循環用送風
機3に近接してダクトを設けた場合には、導風板9はな
くてもよい。
【0048】また、本実施の形態において、被冷却物7
に通気孔としての穴があいていることを想定して説明を
行ったが、被冷却物7に穴があいていない場合でも被冷
却物の周囲を通って空気の流れができるため、同様に被
冷却物7が冷却されるのは言うまでもない。
【0049】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0050】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0051】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0052】また、本実施の形態では、対象空間8は1
つのものを例として説明したが、対象空間8は1つに限
定されるものではなく、冷却器1および送風機2,3が
各対象空間8内にあり、熱伝達媒体が各冷却器1に分配
されてさえいれば、幾つあっても構わない。また、対象
空間8内にある冷却器1および冷却用送風機2はそれぞ
れ1つの場合を例として説明したが、同一対象空間内に
冷却器および冷却用送風機を複数台備え、すべての冷却
器が循環用送風機3によって形成される対象空間8内の
循環風路内にあり、熱源機側から各冷却器に熱伝達媒体
が並列に分配されるように構成されていれば、冷却器お
よび冷却用送風機は幾つあっても構わない。
【0053】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2を図について説明する。図5は、本実施の形態による
冷却装置を示す構成図である。図において、1は第一の
熱源機側(図示せず)と接続された大容量の第一の冷却
器、2は第一の冷却器1に空気を流すための第一の冷却
用送風機、3は対象空間8内の空気を循環させるための
循環用送風機、4は氷蓄熱槽、5a〜5fは第一の熱源
機側と接続された第一の配管開閉手段または熱伝達媒体
の逆流防止手段で例えば第一の開閉弁、6a,6bは第
一の熱源機側と接続された第一の熱伝達媒体調整手段で
例えば第一の流量調整弁、7は被冷却物、8は対象空
間、9は対象空間8内の循環風路を形成するための導風
板である。さらに、30は第二の熱源機側32と接続さ
れ、第一の冷却器1の容量よりも小さな容量の第二の冷
却器、31は第二の冷却器30に空気を流すための第二
の冷却用送風機、32は第二の熱源機、33は第二の熱
源機32に接続された第二の配管開閉手段または熱伝達
媒体の逆流防止手段で例えば第二の開閉弁、34は第二
の熱源機32に接続された第二の熱伝達媒体調整手段で
例えば第二の流量調整弁、50はパレットである。
【0054】図に示すように、第一の冷却器1,氷蓄熱
槽4,第一の開閉弁5a〜5f,第一の流量調整弁6
a,6bを配管で接続し、熱伝達媒体を配管内に循環さ
せて媒体循環路を構成している。また、第二の冷却機3
0、第二の熱源機32、第二の開閉弁33、第二の流量
調整弁34を配管で接続し、熱伝達媒体を配管内に循環
させる。なお、本実施の形態における熱伝達媒体とは、
実施の形態1と同様、冷媒またはブラインであり、それ
ぞれ熱源機側である冷凍機またはブラインポンプ(図示
せず)と接続された氷蓄熱槽4または冷却器1の間を循
環して熱を伝達するための媒体であり、流量調整弁6
a,6bによって温度や圧力あるいは流量を調整され
る。
【0055】本実施の形態では、第一の熱源機側、氷蓄
熱槽4、および第一の冷却器1に接続される媒体循環路
と、第二の熱源機32および第二の冷却器30に接続さ
れる媒体循環路を備えている。そして、夜間の保冷時に
は製氷運転を行い、第一の熱源機側でエネルギーを与え
られた熱伝達媒体によって氷蓄熱槽4に冷熱を蓄える。
このとき、対象空間8の保冷は、第二の熱源機32に接
続された媒体循環路を流れる熱伝達媒体によって行う。
また、昼間の予冷時には解氷運転を行い、氷蓄熱槽4に
蓄えた冷熱で対象空間8の冷却を行うように構成してい
る。この冷却装置の動作について、以下に詳しく説明す
る。
【0056】対象空間8内にはパレット50が並べら
れ、被冷却物7が載せられている。また、対象空間8内
には容量の大きな第一の冷却器1、第一の冷却用送風機
2および循環用送風機3が備えられている。この被冷却
物7は、例えば段ボールに詰められた農作物などであ
る。
【0057】ここで、例えば第一の冷却器1が運転状態
の場合の対象空間8内の空気の流れおよび冷却動作につ
いて述べる。対象空間8内の被冷却物7の冷却が開始さ
れると、第一の熱源機側から熱伝達媒体により冷熱が第
一の冷却器1に供給され、第一の冷却用送風機2または
循環用送風機3により第一の冷却器1の周囲の空気が第
一の冷却器1に流されることによって、熱伝達媒体の冷
熱が空気に伝達され空気の温度が下がる。また、循環用
送風機3によって吹き出された空気は、導風板9の誘導
効果により導風板9と平行な方向に指向性を持たされ被
冷却物7の片側に到達する。そして、被冷却物7の中ま
たは周囲を通して他方へ流れ、再び循環用送風機3に吸
い込まれるという空気の循環風路を形成する。この時、
第一の冷却器1および第一の冷却用送風機2は前記の空
気の循環風路内にあるため、対象空間8内を循環してい
る空気全体が第一の冷却器1および第一の冷却用送風機
2または循環用送風機3の作用により冷やされ温度が下
がって行く。そして、この冷やされた空気が被冷却物7
の中または周囲を通ることにより被冷却物7が冷却され
るのである。上記の対象空間8内の空気の流れおよび冷
却動作は、第二の冷却器30が運転状態の場合でも同様
であるが、第二の冷却器30のほうが第一の冷却器1よ
りも容量が小さいため、冷却能力は異なっている。
【0058】以上、対象空間8内の送風機2,3の動作
および空気の流れであり、次に第一の冷却器1に冷熱を
供給する方法について、図5に基づいて説明する。例え
ば、被冷却物7が農作物であることを仮定すると、被冷
却物7は昼間収穫されて対象空間8に入れられ品質の劣
化を防ぐため、昼間のうちは予冷で急速に冷却される。
従って、夜間は被冷却物7はかなり冷えた状態になって
おり、冷却負荷は殆どなく保冷を行なえばよい。そこで
本実施の形態では、夜間は第一の熱源機側からエネルギ
ーを与えられた熱伝達媒体によって氷蓄熱槽4に冷熱を
蓄えるように構成している。例えば第一の開閉弁5e,
5a,5dを開状態とし、他の第一の開閉弁5b,5
c,5fは閉状態または熱伝達媒体が逆流しないように
構成する。製氷時熱伝達媒体入口から流入した熱伝達媒
体は、第一の開閉弁5e,5aを経て第一の流量調整弁
6aにより圧力または流量を調整された後、氷蓄熱槽4
の中の熱交換器内部を通って、第一の開閉弁5dを経て
熱伝達媒体出口から第一の熱源機側へ戻るように運転を
行う。この時、氷蓄熱槽4の中の熱交換器内部を通る低
温の熱伝達媒体によって、氷蓄熱槽4の内部に貯留され
た水が熱交換器の周囲に製氷し、氷蓄熱槽4に冷熱が蓄
えられる。昼間の被冷却物7の冷却に十分な冷熱が蓄え
られるまで、この製氷運転が続けられる。
【0059】また、夜間は被冷却物7はかなり冷えた状
態になっており、冷却負荷は殆どないため、第二の熱源
機32、第二の開閉弁33、第二の流量調整弁34、小
容量の第二の冷却器30で構成される熱伝達媒体の媒体
循環路および第二の冷却用送風機31を用いて、対象空
間8内の保却を行う。なお、第二の熱源機32に接続さ
れる熱伝達媒体の循環路は第一の熱源機側で構成される
熱伝達媒体の循環路とは全く別のものである。
【0060】昼間は、夜間に氷蓄熱槽4へ蓄えた冷熱を
利用して被冷却物7の冷却を行う。例えば開閉弁5c,
5f,5bを開状態とし、他の開閉弁5a,5d,5e
は閉状態または熱伝達媒体が逆流しないように構成して
おく。第一の熱源機側によりエネルギーを与えられた熱
伝達媒体は、解氷時熱伝達媒体入口から流入し、第一の
開閉弁5cを経て氷蓄熱槽4の中の熱交換器内部を通っ
た後、第一の開閉弁5f,5bを経て流量調整弁6bに
より圧力または流量を調整され、第一の冷却器1を通
り、第一の熱源機側へ戻るように媒体循環路を構成す
る。この時熱伝達媒体は、氷蓄熱槽4の中の熱交換器内
部を通る時に熱交換器周囲の氷を解氷することにより、
直接熱交換して冷熱を受け取り、第一の冷却器1を通る
時に対象空間8内の空気に冷熱を与え、対象空間8内の
被冷却物7が十分に冷却されるまでこの解氷運転が続け
られる。このとき、必要に応じて第二の冷却器30を夜
間の保冷時と同様に動作させてもよいし、第一の冷却器
1の容量で十分なときには、第二の冷却器30は停止さ
せておいてもよい。
【0061】以上のように本実施の形態では、実施の形
態1と同様、氷蓄熱槽4を利用して被冷却物7の冷却を
行う構成とした。装置の運転としては、製氷運転時は比
較的運転効率が悪く、解氷運転時はかなり運転効率がよ
いため、電力コストが安価な夜間に製氷運転を行い、電
力コストが安価でない昼間に解氷運転を行うことによ
り、全体としてのランニングコストを大幅に減らすこと
ができる。さらに本実施の形態では、冷却負荷の小さい
夜間に冷却能力の大きな第一の冷却器1を動作させずに
対象空間8内の冷却が行えるため、エネルギーを節約で
きる。さらに、第一の冷却器1のON/OFFが頻繁に
生じるのを防ぎ、機器の寿命を長くして、機器の信頼性
を向上することができる。
【0062】なお、本実施の形態において、第一の冷却
器1と第二の冷却器30との容量即ち冷却能力が6:1
程度のものを用いて説明したが、これに限るものではな
い。ただし、被冷却物7を一旦目標温度近辺にまで冷却
した後、しばらく例えば翌朝までその温度で保っておく
ためには、第一の冷却器1の容量は第二の冷却器30の
容量の3倍以上のものを用いれば、ランニングコスト上
および機器の信頼性上から最も実用的と考えられる。し
かし、この容量比が例えば5:1、7:1など、どんな
値であっても効果の大小の違いがあるだけで冷却装置と
して十分効果があることは言うまでもない。
【0063】また、図5では氷蓄熱槽4として内融式氷
蓄熱槽を使用した場合について説明したが、図6のよう
に外融式氷蓄熱槽を使用しても冷却装置を構成すること
ができる。なお、図6における記号、対象空間内の送風
機の動作、空気の流れ、製氷運転時の装置動作および解
氷運転時の装置動作は図5および図2における説明と同
様である。またこのように構成すれば、ランニングコス
トの大幅削減および機器の信頼性向上に加え、外融式氷
蓄熱槽を用いたことによるメンテナンスの容易な冷却装
置を得ることができる。
【0064】また、図7のように氷蓄熱槽として内融式
にも外融式にも使用できるものを備えても冷却装置を構
成することが可能である。図7における記号、対象空間
内の送風機の動作、空気の流れ、製氷運転時の装置動
作、および解氷動作は図5および図3における説明と同
様である。またこのように構成すれば、ランニングコス
トの大幅削減および機器の信頼性向上に加え、対象空間
8への冷熱供給のみを行う図5と同じ装置構成でありな
がら、補助的に別対象空間11への冷熱供給をも行うこ
とができる。このため、別対象空間11への冷熱供給用
に新たな装置を導入する必要がなくなり、安価なシステ
ムを構築できる冷却装置を得ることができる。
【0065】また、氷蓄熱槽として内融式でも外融式で
も使用できるような複数の種類に使用可能なものを備え
ておき、使用者の要望や負荷状態に合わせて、冷却装置
を図5の構成と図6の構成の適した方に組み替えて据え
付けるようにしてもよい。この場合は、ランニングコス
トの大幅削減および機器の信頼性向上に加え、使用者の
要望に柔軟に応じることができる汎用的な冷却装置が得
られ、かつ余計な配管を必要としないため安価な冷却装
置が構成できる。
【0066】またさらに、氷蓄熱槽として内融式でも外
融式でも使用できるものを備え、冷却装置を図8のよう
に構成することにより、装置構成を変えることなく使用
者の要望や負荷状態に合わせて適した使い方ができるよ
うになる。なお、図8における記号、対象空間内の送風
機の動作、空気の流れ、製氷運転時の装置動作および解
氷動作は図5および図4における説明と同様である。ま
たこのように構成すれば、ランニングコストの大幅削減
および機器の信頼性向上に加え、一つの装置構成で使用
者の希望に柔軟に対応できる汎用性の高い冷却装置を得
ることができる。
【0067】また、図5〜図8における氷蓄熱槽は、配
管の周りに製氷させ冷熱を蓄えるスタティック型氷蓄熱
槽を例に取り説明を行ったが、当然他の方式によるもの
でもよく、例えば、氷と水が混ざった状態で冷熱を蓄え
るダイナミック型氷蓄熱槽などが考えられる。この場合
は、スタティック型氷蓄熱槽がダイナミック型氷蓄熱槽
に置き替わるだけで、冷却装置としての構成や効果など
は、上記と同様である。
【0068】また、図5〜図8において、対象空間8内
の循環用送風機3から吹き出された空気は導風板9によ
って指向性を付与され、循環風路を形成していたが、循
環用送風機3自体が指向性を有する場合や、循環用送風
機3に近接してダクトを設けた場合には、導風板9はな
くてもよい。
【0069】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0070】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0071】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0072】また、本実施の形態では、対象空間8は1
つのものを例として説明したが、対象空間8は1つに限
定されるものではなく、冷却器1および送風機2,3が
各対象空間8内にあり、熱伝達媒体が各冷却器1に分配
されてさえいれば、幾つあっても構わない。また、対象
空間8内にある予冷用の冷却器1および冷却用送風機2
はそれぞれ1つの場合を例として説明したが、同一対象
空間内に予冷用の冷却器および冷却用送風機を複数台備
え、すべての冷却器が循環用送風機3によって形成され
る対象空間8内の循環風路内にあり、熱源機側から各冷
却器に熱伝達媒体が並列に分配されるように構成されて
いれば、冷却器および冷却用送風機は幾つあっても構わ
ない。
【0073】また、本実施の形態においても、実施の形
態1で述べたように、対象空間8内の循環風路の循環方
向を逆方向に切り換えるように構成してもよい。被冷却
物7中または周囲の空気の流動を一方向にのみ行ってい
ると、被冷却物7の空気の流れ方向に対する前の方がよ
く冷え後ろの方はそれほど冷えないという現象が起きる
ことがある。このため、冷却開始から冷却終了までの途
中の段階で、図5の点線矢印に示すように被冷却物7中
または周囲の空気の流動が逆方向になるように循環用送
風機3の回転方向を逆方向にする操作を行うと、被冷却
物7の冷却が急速かつ均一に行われるという効果があ
る。循環用送風機3の回転方向を逆転させる手段として
は、例えばモーターを逆回転させることによって実現で
きる。また、循環用送風機3の回転方向を逆転させなく
ても、ダンパによって風路を切り換えると、被冷却物7
における冷風の流れが逆方向である空気の循環風路を形
成できる。
【0074】実施の形態3.以下、本発明の実施の形態
3を図について説明する。図9は、本実施の形態による
冷却装置を示す構成図である。図において、4−1,4
−2は複数、例えば2台の氷蓄熱槽、5a〜5fは第一
の熱源機側と接続された第一の配管開閉手段または熱伝
達媒体の逆流防止手段で例えば第一の開閉弁で、第一の
開閉弁5a,5fはそれぞれ氷蓄熱槽4−1,4−2に
接続されるように、5a−1,5a−2、5f−1、5
f−2のように2個づつ備えている。また、6a,6b
は第一の熱源機側と接続された第一の熱伝達媒体調整手
段で例えば第一の流量調整弁で、第一の流量調整弁6a
は氷蓄熱槽4−1,4−2に接続されるように、6a−
1,6a−2のように2個備えている。図5と同一符号
は同一、または相当部分を示し、説明を省略する。
【0075】本実施の形態における冷却装置では、それ
ぞれ2つずつの氷蓄熱槽4−1,4−2、第一の開閉弁
5a−1,5a−2,5f−1,5f−2、および第一
の流量調整弁6a−1,6a−2が、熱伝達媒体の流れ
に対して並列に接続されており、その他の構成は実施の
形態2における図5と同様であり、対象空間8内の送風
機3、冷却器1,30の動作、空気の流れは、先に述べ
た図5における説明と同様である。
【0076】また、製氷運転時の装置動作および解氷運
転時の装置動作も、図5における装置動作とほぼ同じで
あるが、配管を循環する熱伝達媒体は、2つの氷蓄熱槽
4−1,4−2に並列に流入/流出する。即ち、製氷運
転時には、第一の開閉弁5e,5a−1,5a−2,5
dを開状態とし、他の第一の開閉弁5b,5c,5f−
1,5f−2は閉状態または熱伝達媒体が逆流しないよ
うに構成する。製氷時熱伝達媒体入口から流入した熱伝
達媒体は、第一の開閉弁5e,5a−1,5a−2を経
て第一の流量調整弁6a−1,6a−2により圧力また
は流量を調整された後、氷蓄熱槽4−1,4−2の中の
熱交換器内部を通って、第一の開閉弁5dを経て熱伝達
媒体出口から第一の熱源機側へ戻るように媒体循環路を
構成する。この時、氷蓄熱槽4−1,4−2の中の熱交
換器内部を通る低温の熱伝達媒体によって、氷蓄熱槽4
−1,4−2の内部に貯留された水が熱交換器の周囲に
製氷し、氷蓄熱槽4−1,4−2に冷熱が蓄えられる。
【0077】また、解氷運転時には、例えば開閉弁5
c,5f−1,5f−2,5bを開状態とし、他の開閉
弁5a−1,5a−2,5d,5eは閉状態または熱伝
達媒体が逆流しないように構成しておく。第一の熱源機
側によりエネルギーを与えられた熱伝達媒体は、解氷時
熱伝達媒体入口から流入し、第一の開閉弁5cを経て氷
蓄熱槽4−1,4−2の中の熱交換器内部を通る。この
後、第一の開閉弁5f−1,5f−2,5bを経て流量
調整弁6bにより圧力または流量を調整され、第一の冷
却器1を通り、第一の熱源機側へ戻るように媒体循環路
を構成する。ここで、熱伝達媒体は氷蓄熱槽4−1、4
−2の中の熱交換器内部を通る時に熱交換器周囲の氷を
解氷することにより、直接熱交換してして冷熱を受け取
り、第一の冷却器1を通る時に対象空間8内の空気に冷
熱を与える。
【0078】以上のように本実施の形態では、氷蓄熱槽
4−1,4−2を利用して被冷却物7の冷却を行う構成
としており、図5の構成と同様、全体としてのランニン
グコストを大幅に減らすことができる。また図5と同
様、第二の冷却器30を備えることにより容量が少なく
てのよいときには第二の冷却器30を運転状態とするの
で、第一の冷却器1のON/OFFが頻繁に生じるのを
防ぎ、機器の寿命を長くして、機器の信頼性を向上する
ことができる。
【0079】さらに加えて本実施の形態では、氷蓄熱槽
を複数個とすることで、熱源機側または冷却器1の容量
に対して容量の小さな蓄熱槽4−1,4−2を組み合わ
せて使用することができるようになり、同一または異な
る容量の小さな蓄熱槽を使用して様々な容量の冷却装置
を構成することができる。このため、装置の機種選定が
容易になり、現地での工事性、作業性も向上する。
【0080】なお、本実施の形態では、氷蓄熱槽4−
1,4−2として内融式氷蓄熱槽を使用することを例に
説明したが、図6のように外融式氷蓄熱槽を使用して装
置を構成したり、図7のように内融式にも外融式にも使
用できるものを使用して装置を構成したりしてもよい。
また、氷蓄熱槽4−1,4−2として内融式でも外融式
でも使用できるものを備えて、使用者の要望や負荷状態
に合わせて、装置を図5の構成と図6の構成の適した方
に組み替えて据え付けるようにしてもよい。さらに、氷
蓄熱槽4−1,4−2として内融式でも外融式でも使用
できるものを備えて、図8のように装置を構成すること
もできる。
【0081】また、配管の周りに製氷させ冷熱を蓄える
スタティック型氷蓄熱槽の代わりに氷と水が混ざった状
態で冷熱を蓄えるダイナミック型氷蓄熱槽を使用しても
よい。いずれの場合においても、氷蓄熱槽4、第一の熱
源機側と接続された第一の開閉弁5a、5fおよび第一
の熱源機側と接続された第一の流量調整弁6aがそれぞ
れ2つになり、熱伝達媒体の流れに対して並列に接続さ
れているだけである。
【0082】また、本実施の形態は、氷蓄熱槽4、第一
の熱源機側と接続された第一の開閉弁5a、5fおよび
第一の熱源機側と接続された第一の流量調整弁6aは2
つの場合を例に取り説明を行ったが、これらの数は幾つ
でもよい。即ち、熱源機側または冷却器1の容量に対し
て氷蓄熱槽4の合計容量が見合うように、種類および数
の選定を行えばよい。
【0083】また、本実施の形態においては、氷蓄熱槽
4、第一の熱源機側と接続された第一の開閉弁5a,5
fおよび第一の熱源機側と接続された第一の流量調整弁
6aはそれぞれ複数個(この場合は2個づつ)あり、そ
れらが並列に接続されているものを例として説明を行っ
た。ここで、氷蓄熱槽4は複数個を直列に接続してもよ
い。本実施の形態のように並列に接続した場合は、各氷
蓄熱槽4内の氷が均等に解氷されるため、解氷状態の検
知や制御が容易である。これに対し、蓄熱槽4を直列に
接続した場合は、第一の熱源機側と接続された第一の開
閉弁5a,5fおよび第一の熱源機側と接続された第一
の流量調整弁6aが1つずつでよいためコスト的に安価
な装置が構築できる効果がある。
【0084】また、図9およびこれまでの説明は第二の
熱源機32、第二の冷却器30などで構成される熱伝達
媒体の循環路を備えた実施の形態2を基に構成してある
が、当然、第二の熱源機、第二の冷却器等で構成される
熱伝達媒体の循環路がない実施の形態1においても今ま
での説明と同様のことが言える。
【0085】また、実施の形態2、実施の形態3では、
熱源機側と冷却器とがそれぞれ2つずつある場合を例と
して説明したが、1つの熱源機側に大容量の第一の冷却
器1と小容量の第二の冷却器30の2つが接続されてい
て、1つの熱源機側からそれぞれの冷却器1,30に熱
伝達媒体が分配されるように構成してもよく、2つの熱
源機側を備えた場合と同様の効果が得られる。
【0086】また、本実施の形態において、対象空間8
内の循環用送風機3から吹き出された空気は導風板9に
よって指向性を付与され、循環風路を形成していたが、
循環用送風機3自体が指向性を有する場合や、循環用送
風機3に近接してダクトを設けた場合には、導風板9は
なくてもよい。
【0087】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0088】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0089】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0090】また、本実施の形態では、対象空間8は1
つのものを例として説明したが、対象空間8は1つに限
定されるものではなく、冷却器1および送風機2,3が
各対象空間8内にあり、熱伝達媒体が各冷却器1に分配
されてさえいれば、幾つあっても構わない。また、対象
空間8内にある予冷用の冷却器1および冷却用送風機2
はそれぞれ1つの場合を例として説明したが、同一対象
空間内に予冷用の冷却器および冷却用送風機を複数台備
え、すべての冷却器が循環用送風機3によって形成され
る対象空間8内の循環風路内にあり、熱源機側から各冷
却器に熱伝達媒体が並列に分配されるように構成されて
いれば、冷却器および冷却用送風機は幾つあっても構わ
ない。
【0091】また、本実施の形態においても、対象空間
8内の循環風路の循環方向を逆方向に切り換えるように
構成してもよい。被冷却物7中または周囲の空気の流動
を一方向にのみ行っていると、被冷却物7の空気の流れ
方向に対する前の方がよく冷え後ろの方はそれほど冷え
ないという現象が起きることがある。このため、冷却開
始から冷却終了までの途中の段階で、被冷却物7中また
は周囲の空気の流動が逆方向になるように循環用送風機
3の回転方向を逆方向にする操作を行うと、被冷却物7
の冷却が急速かつ均一に行われるという効果がある。循
環用送風機3の回転方向を逆転させる手段としては、例
えばモーターを逆回転させることによって実現できる。
また、循環用送風機3の回転方向を逆転させなくても、
ダンパによって風路を切り換えると、被冷却物7におけ
る冷風の流れが逆方向である空気の循環風路を形成でき
る。
【0092】また、実施の形態1〜実施の形態3では、
対象空間8内の循環用送風機3から吹き出された空気は
導風板9によってある程度方向性を持って流れ、対象空
間8内で循環風路を形成していたが、導風板9は必ずし
も必要ではない。実施の形態1〜実施の形態3のそれぞ
れにおいて、例えば循環用送風機3として指向性のある
送風機を用いたり、またはダクトを用いて指向性を持た
せることにより循環風路を形成してもよい。この構成の
冷却装置を実施の形態4,5として具体的に説明する。
【0093】実施の形態4.以下、本発明の実施の形態
4を図について説明する。図10は、本実施の形態によ
る冷却装置に係わり、冷却する対象空間8を示す構成図
である。図において、35は対象空間8内の空気を循環
させるための指向性のある循環用送風機である。ここ
で、指向性のある送風機とは、送風機の回転部が何らか
のケーシングの内部に固定されており、送風機から吹き
出された空気が一定の方向に十分な風速を持つように構
成された送風機のことである。例えばケーシングの作用
によって、またはケーシングに補助されて、またはケー
シングにつけられたノズル等の作用によって指向性を示
すように構成でき、軸流送風機、遠心送風機、斜流送風
機などが考えられる。また、図中、図1と同一符号は同
一、または相当部分を示している。なお、図にある熱伝
達媒体とは冷媒またはブラインで、それぞれ熱源機側で
ある冷凍機またはブラインポンプを氷蓄熱槽または冷却
器に接続し、その間を循環して熱を伝達するための媒体
であり、氷蓄熱槽または冷却器と冷凍機やブラインポン
プとの間に接続された圧力または流量調整弁などによっ
て温度や圧力あるいは流量を調整される。
【0094】対象空間8内には複数のパレット50が並
べられ、被冷却物7が載せられている。これらのパレッ
ト50は、被冷却物7の両端に十分な差圧がない時はそ
の周囲に空気があまり流れないように配置されている。
また、対象空間8内には冷却器1、冷却用送風機2およ
び循環用送風機35が備えられている。なお、被冷却物
7は例えば通気孔付きの段ボールに詰められた農作物な
どである。
【0095】対象空間8内の被冷却物7の冷却が開始さ
れると、熱源機側から熱伝達媒体により冷熱が冷却器1
に供給され、冷却用送風機2または循環用送風機35に
より冷却器1の周囲の空気が冷却器1に流されることに
よって、熱伝達媒体の冷熱が空気に伝達され空気の温度
が下がる。
【0096】本実施の形態では、循環用送風機35とし
て指向性をもった送風機を備えており、循環用送風機3
5によって吹き出された空気はあまり周囲に拡散せずに
吹き出された方向へ誘導され指向性を持って流れる。こ
こで、循環用送風機35が正転しており、実線矢印の方
に指向性を持っているとすると、吹き出された空気は被
冷却物7の片側に到達する。ところが、被冷却物7の周
囲には空気が通るための十分な隙間がないため、循環用
送風機35の片側、即ち被冷却物7の片側の圧力が他方
の圧力に対して徐々に高くなって行く。このため、被冷
却物7の両端に差圧が生じる。物体の両端に差圧がつく
と、その間の隙間が例え微小であってもそこを通って差
圧の大きさに応じた流れが引き起こされる。この現象は
流体力学の理論より明らかである。例えば被冷却物7に
通気孔としての穴があいていることを想定すると、被冷
却物7の通気孔および周囲を通して被冷却物7の片側か
ら他方へ向けて空気の流れができる。そして被冷却物7
の通気孔または周囲を通って、被冷却物7の他方へ至っ
た空気は再び循環用送風機35に吸い込まれるという空
気の循環風路を形成する。この時、循環用送風機35は
指向性をもった送風機であり、それによって形成される
循環風路内に冷却器1および冷却用送風機2を配置して
おけば、対象空間8内を循環している空気全体が冷却器
1および冷却用送風機2または循環用送風機35の作用
により冷やされ温度が下がって行く。そして、この冷や
された空気が被冷却物7の中または周囲を通ることによ
り、被冷却物7が冷却されるのである。
【0097】以上のように、本実施の形態では循環用送
風機35として指向性のある送風機を用いて冷却装置を
構成しており、循環用送風機35から吹き出された空気
は指向性を与えられて冷却器1が配設されている方向へ
と誘導されて循環風路を形成するので、効果的に被冷却
物7を冷却できる。また、循環用送風機35自体が指向
性を持つので、例えば実施の形態1における図1にある
ような導風板を用いる必要がなくなり、現地での据付
性、作業性を向上させることができると共に安価な装置
を構成できる。
【0098】また、本実施の形態での説明は、冷却器1
に冷却用送風機2がついていることを例に説明を行った
が、冷却用送風機2が備えられている方が冷却器1から
空気への冷熱の伝達が確実に行われるためより効果が増
すことが考えられるが、循環用送風機35は指向性をも
った送風機であり、それによって形成される循環風路内
に冷却器1を配置しておけば、冷却用送風機2がなくて
も何ら問題はない。
【0099】上記では、冷却用送風機2と循環用送風機
35の回転方向を正転とし、対象空間8内の空気を図1
0の実線方向に循環させる場合について述べた。ところ
が、被冷却物7中または周囲の空気の流動を一方向にの
み行っていると、被冷却物7の空気の流れ方向に対して
前の方がよく冷え後ろの方はそれほど冷えないという現
象が起きることがある。このため、冷却開始から冷却終
了までの途中の段階で被冷却物7中または周囲の空気の
流動が逆方向になるように循環用送風機35の回転方向
を逆方向にする操作を行うと、被冷却物7の冷却が急速
かつ均一に行われる。図10の対象空間8内における点
線矢印は循環用送風機35を逆転させた場合の空気の流
れを示している。循環用送風機35から吹き出す空気に
与えられる指向性の方向は逆方向になる。循環用送風機
3の回転方向を逆転させる手段としては、例えばモータ
ーを逆回転させることによって実現できる。また、循環
用送風機3の回転方向を逆転させなくても、ダンパによ
って風路を切り換えると、被冷却物7における冷風の流
れが逆方向である空気の循環風路を形成できる。
【0100】また、本実施の形態では、冷却器1は熱源
機側と接続されており、熱源機側から流入する熱伝達媒
体によって冷熱を供給されるが、熱源機側は冷熱を供給
できるものであればどんなものでもよいことは言うまで
もない。
【0101】また、本実施の形態において、被冷却物7
に通気孔としての穴があいていることを想定して説明を
行ったが、被冷却物7に穴があいていない場合でも被冷
却物の周囲を通って空気の流れができるため、同様に被
冷却物7が冷却されるのは言うまでもない。
【0102】また、本実施の形態において、被冷却物7
を冷却する際、被冷却物7の両端の差圧が大きい方が、
被冷却物7表面での空気の流速が大きくなり、その分だ
け被冷却物7の冷却速度も速くなるため、冷却機能から
考えると望ましい。ところが、この差圧を大きくしすぎ
ると、多大な送風機動力がかかりあまり実用的ではな
い。循環用送風機3の動力があまりかからず、かつ被冷
却物7の冷却速度も十分な速度が確保される実用的な被
冷却物7の両端の差圧は、被冷却物7の表面における空
気の流速を0.5〜2m/s程度にし、被冷却物7の冷
却を6時間程度で完了させるものが望ましい。例えば被
冷却物7がレモンやタマネギの場合は20mmH2O程
度、グレープフルーツの場合は10mmH2O程度、ミ
カンの場合は50〜100mmH2O程度である。
【0103】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0104】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0105】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0106】また、対象空間8内にある冷却器1および
冷却用送風機2はそれぞれ1つの場合を例として説明し
たが、同一対象空間内に冷却器および冷却用送風機を複
数台備え、すべての冷却器が循環用送風機35によって
形成される対象空間8内の循環風路内にあり、熱源機側
から各冷却器に熱伝達媒体が並列に分配されるように構
成されていれば、冷却器および冷却用送風機は幾つあっ
ても構わない。
【0107】実施の形態5.以下、本発明の実施の形態
5を図について説明する。図11は、本実施の形態によ
る冷却装置に係わり、冷却する対象空間8を示す構成図
である。図において、36は循環用送風機3の出口部で
ある送風口近傍で、例えば循環用送風器3に直接固定さ
れたダクトであり、循環用送風機3から吹き出された空
気の流れ方向に指向性を与える機能を有する。なお、こ
こで用いた循環用送風機3は、例えば指向性を有さない
ものである。指向性のない送風機として、例えばケーシ
ングのない構成のものや、ケーシングと循環用送風機3
との隙間が大きいものなどである。その他の構成は、実
施の形態4と同様である。
【0108】対象空間8内の被冷却物7の冷却が開始さ
れると、熱源機側から熱伝達媒体により冷熱が冷却器1
に供給され、冷却用送風機2または循環用送風機3によ
り冷却器1の周囲の空気が冷却器1に流されることによ
って、熱伝達媒体の冷熱が空気に伝達され空気の温度が
下がる。本実施の形態では、循環用送風機3には指向性
付与手段であるダクト36が直接接続されており循環用
送風機3によって吹き出された空気はダクト36の作用
によりダクト36の開口部の方向へ誘導され指向性を持
たされる。吹き出された空気は、指向性を有する方向へ
と流れて被冷却物7の片側に到達する。ところが、被冷
却物7の周囲には空気が通るための十分な隙間がないた
め、循環用送風機3の片側、即ち被冷却物7の片側の圧
力が他方の圧力に対して徐々に高くなって行く。このた
め、被冷却物7の両端に差圧が生じる。物体の両端に差
圧がつくと、その間の隙間が例え微小であってもそこを
通って差圧の大きさに応じた流れが引き起こされる。こ
の現象は流体力学の理論より明らかである。例えば被冷
却物7に通気孔としての穴があいていることを想定する
と、被冷却物7の通気孔および周囲を通して被冷却物7
の片側から他方へ向けて空気の流れができる。そして被
冷却物7の通気孔または周囲を通って、被冷却物7の他
方へ至った空気は再び循環用送風機3に吸い込まれると
いう空気の循環風路を形成する。この時、循環用送風機
3から吹き出される空気はダクト36によって指向性を
有する流れとなり、流れが指向する先の対象空間に冷却
器1および冷却用送風機2を配置しておけば、対象空間
8内を循環している空気全体が冷却器1および冷却用送
風機2または循環用送風機3の作用により冷やされ温度
が下がって行く。そして、この冷やされた空気が被冷却
物7の中または周囲を通ることにより被冷却物7が冷却
されるのである。
【0109】以上のように、本実施の形態では循環用送
風機3から吹き出された空気に対して、ダクト36で流
れの方向を誘導して指向性を付与している。このためダ
クト36を通った空気は指向性を与えられて冷却器1が
配設されている方向へと誘導されて循環風路を形成する
ので、効果的に被冷却物7を冷却できる。また、本実施
の形態のように循環用送風機3に直接ダクト36を接続
した構成としておけば、例えば実施の形態1における図
1にあるような導風板を用いる必要がなくなり、ダクト
36は循環用送風器3の出口部に直接例えば金属製のワ
イヤーのようなもので容易に固定できるため、現地での
据付性、作業性を向上させることができる。
【0110】また、本実施の形態での説明は、冷却器1
に冷却用送風機2を備えたものについて説明したが、循
環用送風機3に接続されているダクト36の作用によ
り、循環用送風機3より吹き出される空気には指向性が
できるため、それによって形成される循環風路内に冷却
器1を配置しておけば、冷却用送風機2がなくても何ら
問題はない。また、循環用送風機3として、指向性を示
さないものであると述べたが、指向性を有する必要がな
いだけであり、循環用送風機3自体に指向性を有するも
のを用いると、さらに効果的に指向性のある空気を吹き
出すことができる。
【0111】また、ダクト36の形状はどんな形状のも
のでも構わないが、循環用送風機3の形状と合わせてお
くと両者が一体化するため循環用送風機3とダクト36
の隙間を塞ぐ手間が減るため望ましい。また、ダクト3
6は風に指向性を持たせるためのものであり、どんな材
質のものを使用しても構わないが、なるべく軽い材質で
できているものを使用した方が固定する時の固定方法が
簡単になるため望ましい。また、ダクト36の固定方法
は、本実施の形態では金属製のワイヤーを使用すること
を例に説明を行ったが、ダクト36の重量を支えられれ
ばどんなものでもよく、他にも例えば、非金属のワイヤ
ー、釣り糸、ボルト、ピン等など考えられる。また、ダ
クト36は循環用送風機3に直接固定する代わりに、循
環用送風機3の送風口近傍の対象空間、例えば周囲の壁
に上記のような方法で固定してもよい。この場合にも、
送風口近傍に固定されたダクト36によって、送風口よ
り吹き出された空気が周囲に拡散する前に指向性を付与
でき、また固定も容易である。
【0112】また、本実施の形態では、冷却器1は熱源
機側と接続されており、熱源機側から流入する熱伝達媒
体によって冷熱を供給されるが、熱源機側は冷熱を供給
できるものであればどんなものでもよいことは言うまで
もない。
【0113】また、本実施の形態において、被冷却物7
に通気孔としての穴があいていることを想定して説明を
行ったが、被冷却物7に穴があいていない場合でも被冷
却物7の周囲を通って空気の流れができるため、同様に
被冷却物7が冷却されるのは言うまでもない。
【0114】また、本実施の形態において、被冷却物7
を冷却する際、被冷却物7の両端の差圧が大きい方が、
被冷却物7表面での空気の流速が大きくなり、その分だ
け被冷却物7の冷却速度も速くなるため、冷却機能から
考えると望ましい。ところが、この差圧を大きくしすぎ
ると、多大な送風機動力がかかりあまり実用的ではな
い。循環用送風機3の動力があまりかからず、かつ被冷
却物7の冷却速度も十分な速度が確保される実用的な被
冷却物7の両端の差圧は、被冷却物7の表面における空
気の流速を0.5〜2m/s程度にし、被冷却物7の冷
却を6時間程度で完了させるものが望ましい。例えば被
冷却物7がレモンやタマネギの場合は20mmH2O程
度、グレープフルーツの場合は10mmH2O程度、ミ
カンの場合は50〜100mmH2O程度である。
【0115】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0116】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0117】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0118】また、対象空間8内にある冷却器1および
冷却用送風機2はそれぞれ1つの場合を例として説明し
たが、同一対象空間内に予冷用の冷却器および冷却用送
風機を複数台備え、すべての冷却器が循環用送風機3に
よって形成される対象空間8内の循環風路内にあり、熱
源機側から各冷却器に熱伝達媒体が並列に分配されるよ
うに構成されていれば、冷却器および冷却用送風機は幾
つあっても構わない。
【0119】また、本実施の形態においても、実施の形
態4で述べたように、対象空間8内の循環風路の循環方
向を逆方向に切り換えるように構成してもよい。被冷却
物7中または周囲の空気の流動を一方向にのみ行ってい
ると、被冷却物7の空気の流れ方向に対する前の方がよ
く冷え後ろの方はそれほど冷えないという現象が起きる
ことがある。このため、冷却開始から冷却終了までの途
中の段階で、被冷却物7中または周囲の空気の流動が逆
方向になるように操作を行うと、被冷却物7の冷却が急
速かつ均一に行われるという効果がある。循環用送風機
3の回転方向を逆転させる手段としては、例えばモータ
ーを逆回転させることによって実現できる。また、循環
用送風機3の回転方向を逆転させなくても、ダンパによ
って風路を切り換えると、被冷却物7における冷風の流
れが逆方向である空気の循環風路を形成できる。
【0120】実施の形態6.以下、本発明の実施の形態
6を図に基づいて説明する。図12は、本実施の形態に
よる冷却装置に係わり、冷却する対象空間8を示す構成
図である。図において、35は対象空間8内の空気を循
環させるための指向性のある循環用送風機である。ここ
で、指向性のある送風機とは、実施の形態4におけるも
のと同様のものであり、送風機の回転部が何らかのケー
シングの内部に固定されており、送風機本体から吹き出
された空気が一定の方向に十分な風速を持つように構成
された送風機のことである。例えばケーシングの作用に
よって、またはケーシングに補助されて、またはケーシ
ングにつけられたノズルなどの作用によって指向性を示
すように構成されており、軸流送風機、遠心送風機、斜
流送風機などが考えられる。また、図中、図10と同一
符号は同一、または相当部分を示している。なお、図に
ある熱伝達媒体とは冷媒またはブラインで、それぞれ熱
源機側である冷凍機またはブラインポンプを氷蓄熱槽ま
たは冷却器に接続し、その間を循環して熱を伝達するた
めの媒体であり、氷蓄熱槽または冷却器と冷凍機やブラ
インポンプとの間に接続された圧力または流量調整弁等
によって温度や圧力あるいは流量を調整される。
【0121】対象空間8内には複数のパレット50が並
べられ、被冷却物7が載せられている。また対象空間8
内には冷却器1、冷却用送風機2、および循環用送風機
35が備えられている。なお、被冷却物7は例えば段ボ
ールに詰められた農作物等である。
【0122】実施の形態4では、被冷却物7の両端に差
圧を生じさせ、この差圧による低温の空気の流れを形成
して被冷却物7を冷却する構成であった。これに対し、
本実施の形態は、対象空間8の空気の循環風路を、循環
用送風機35による風力で形成して低温の空気を循環さ
せ、被冷却物7を冷却するように構成したものである。
【0123】対象空間8内の被冷却物7の冷却が開始さ
れると、熱源機側から熱伝達媒体により冷熱が冷却器1
に供給され、冷却用送風機2または循環用送風機35に
より冷却器1の周囲の空気が冷却器1に流されることに
よって、熱伝達媒体の冷熱が空気に伝達され空気の温度
が下がる。ここで、循環用送風機35が指向性をもった
送風機であり、循環用送風機35によって吹き出された
空気はあまり周囲に拡散せずに吹き出された方向へ指向
性を持って流れる。そして、被冷却物7の片側に到達
し、被冷却物7の中または周囲を通して他方へ流れ、再
び循環用送風機35に吸い込まれるという空気の循環風
路を形成する。この時、循環用送風機35は指向性をも
った送風機であり、それによって形成される循環風路内
に冷却器1および冷却用送風機2を配置しておけば、対
象空間8内を循環している空気全体が冷却器1および冷
却用送風機2または循環用送風機35の作用により冷や
され温度が下がって行く。そして、この冷やされた空気
が被冷却物7の中または周囲を通ることにより被冷却物
7が冷却されるのである。
【0124】以上のようにして、被冷却物の冷却が行わ
れるが、対象空間8内に空気の循環風路を形成し被冷却
物7を冷却するためには循環用送風機35から吹き出さ
れた空気に指向性を持たせる必要がある。そこで本実施
の形態のように循環用送風機35として指向性のある送
風機を用いて冷却装置を構成しておけば、例えば実施の
形態1における図1にあるような導風板を用いる必要が
なくなり、現地での据付性、作業性を向上させることが
できると共に安価な装置を構成できる。
【0125】また、実施の形態4では差圧を生じさせる
ように構成するため、被冷却物7の格納位置を考慮する
必要があった。また、循環用送風機35としても、差圧
がある状態で空気を吹き出すことのできるものを用いる
必要があった。これに対し、本実施の形態では、空気の
流れが形成できればよいので、どんな送風機でもよく、
また、被冷却物7の対象空間8内の配置も自由に構成で
きる。
【0126】また、本実施の形態での説明は、冷却器1
に冷却用送風機2がついていることを例に説明を行った
が、冷却用送風機2が備えられている方が冷却器1から
空気への冷熱の伝達が確実に行われるためより効果が増
すことが考えられるが、循環用送風機35は指向性をも
った送風機であり、それによって形成される循環風路内
に冷却器1を配置しておけば、冷却用送風機2がなくて
も何ら問題はない。
【0127】上記では、冷却用送風機2と循環用送風機
35の回転方向を正転とし、対象空間8内の空気を一方
向に循環させる場合について述べた。ところが、被冷却
物7中または周囲の空気の流動を一方向にのみ行ってい
ると、被冷却物7の空気の流れ方向に対して前の方がよ
く冷え後ろの方はそれほど冷えないという現象が起きる
ことがある。このため、冷却開始から冷却終了までの途
中の段階で被冷却物7中または周囲の空気の流動が逆方
向になるように循環用送風機35の回転方向を逆方向に
する操作を行うと、被冷却物7の冷却が急速かつ均一に
行われるという効果がある。循環用送風機3の回転方向
を逆転させる手段としては、例えばモーターを逆回転さ
せることによって実現できる。また、循環用送風機3の
回転方向を逆転させなくても、ダンパなどによって空気
の循環風路を変更し、被冷却物7中または周囲における
冷風の流れ方向を変えることもできる。
【0128】また、本実施の形態では、冷却器1は熱源
機側と接続されており、熱源機側から流入する熱伝達媒
体によって冷熱を供給されるが、熱源機側は冷熱を供給
できるものであればどんなものでもよいことは言うまで
もない。
【0129】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0130】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0131】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0132】また、対象空間8内にある冷却器1および
冷却用送風機2はそれぞれ1つの場合を例として説明し
たが、同一対象空間内に冷却器および冷却用送風機を複
数台備え、すべての冷却器が循環用送風機35によって
形成される対象空間8内の循環風路内にあり、熱源機側
から各冷却器に熱伝達媒体が並列に分配されるように構
成されていれば、冷却器および冷却用送風機は幾つあっ
ても構わない。
【0133】実施の形態7.以下、本発明の実施の形態
7を図13について説明する。図13は、本発明の実施
の形態7による冷却装置に係わり、冷却する対象空間8
の上からみた構成図である。図において、3−1,3−
2,3−3は対象空間8内の空気を循環させるための指
向性のある循環用送風機で、この場合は例えば3台設け
ている。なお、図10と同一符号は同一、または相当部
分を示しており、図にある熱伝達媒体とは冷媒またはブ
ラインで、それぞれ熱源機側である冷凍機またはブライ
ンポンプを氷蓄熱槽または冷却器に接続し、その間を循
環して熱を伝達するための媒体であり、氷蓄熱槽または
冷却器と冷凍機やブラインポンプとの間に接続された圧
力または流量調整弁等によって温度や圧力あるいは流量
を調整される。
【0134】上記実施の形態1〜実施の形態6では、対
象空間8内にある循環用送風機3は1つの場合を例とし
て説明したが、実施の形態1〜実施の形態6のそれぞれ
において、同一対象空間内に循環用送風機は幾つあって
もよく、例えば対象空間8が広い場合などには循環用送
風機が複数個あった方が対象空間8内に循環風路を形成
しやすく、より大きな冷却効果が得られる。
【0135】本実施の形態における冷却装置において、
対象空間8内には複数のパレット50が並べられ、被冷
却物7が載せられている。これらのパレット50は、被
冷却物7の両端に十分な差圧がない時はその周囲に空気
があまり流れないように配置されている。また、対象空
間8内には冷却器1、冷却用送風機2および循環用送風
機3−1,3−2,3−3が備えられている。なお、被
冷却物7は例えば通気孔付きの段ボールに詰められた農
作物等である。
【0136】このように構成された対象空間8における
送風機3−1,3−2,3−3の主な動作、空気の流れ
は、実施の形態4における図10と同様である。循環用
送風機3−1,3−2,3−3のそれぞれによって吹き
出された空気は、例えば循環用送風機3−1,3−2,
3−3が指向性をもった送風機であり、流れの方向が例
えばまっすぐに誘導される。そして被冷却物7の片側に
到達する。ところが、被冷却物7の周囲には空気が通る
ための十分な隙間がないため、被冷却物7の片側の圧力
が他方の圧力に対して徐々に高くなって行く。このた
め、被冷却物7の両端に差圧が生じ、差圧の大きさに応
じた流れが引き起こされる。そして被冷却物7の通気孔
および周囲を通して被冷却物7の片側から他方へ向けて
空気の流れができ、被冷却物7の他方へ至った空気は再
び循環用送風機3−1,3−2,3−3に吸い込まれる
という空気の循環風路を形成する。この時、循環用送風
機3−1,3−2,3−3は指向性をもった送風機であ
り、それによって形成される循環風路内に冷却器1およ
び冷却用送風機2を配置しておけば、対象空間8内を循
環している空気全体が冷却器1および冷却用送風機2ま
たは循環用送風機3−1,3−2,3−3の作用により
冷やされ温度が下がって行く。そして、この冷やされた
空気が被冷却物7の中または周囲を通ることにより被冷
却物7が冷却されるのである。
【0137】以上のようにして被冷却物7の冷却が行わ
れるが、被冷却物7はフォークリフトに載せられて対象
空間8内に搬入される場合を想定すると、被冷却物7は
対象空間8内の下部に配置される。本実施の形態では、
3台の循環用送風機3−1,3−2,3−3を対象空間
8の上方に設置している。このように、一台の大風量の
送風機で構成する場合に比べ、複数台の小風量の送風機
を用いると、例えば対象空間内で被冷却物7を格納でき
ない空間を利用して送風機を設置することができ、対象
空間を有効に利用できる。さらに、複数の送風機を対象
空間8内にある程度離して設置すれば、対象空間8内を
循環する風路も作り易くなり、被冷却物7を均一に冷却
することができる。
【0138】また、装置を組む場合の自由度を大きく
し、冷却装置の適用範囲を広くするためには、冷却器1
および循環用送風機3は、本装置のために新たに開発し
たものではなく従来の通常の空調装置などに使用してい
るものを流用した方がよい。従って、冷却器1と循環用
送風機3−1,3−2,3−3はそれぞれ異なった位置
に配置できた方が、装置の適用範囲が広がり、据付性、
作業性が向上する。特に本実施の形態のように複数の循
環用送風機3−1,3−2,3−3で構成するもので
は、既存の送風機を用い、対象空間8の必要とする風量
に合わせて複数台設ければよく、複数台の容量は互いに
異なっていても流用することができる。このように、冷
却器1および循環用送風機3−1,3−2,3−3とし
て既存のものを使用することができるようになるため、
装置の適用範囲が広がり、据付性、作業性が向上できる
冷却装置が得られる。ただし、冷却器1で生成した冷風
は循環用送風機3−1,3−2,3−3の作用によって
対象空間8内に循環させられるため、冷却器1および冷
却用送風機2は循環用送風機3−1,3−2,3−3に
よって形成される循環風路内に配置することは必要であ
る。
【0139】また、被冷却物7の冷却を開始して十分な
時間が経ち、被冷却物7の冷却が進んでくると対象空間
8内の冷却負荷も小さくなるため、対象空間8内を循環
する風の風量がもっと少なくても被冷却物7の冷却が十
分になされるような状態となる。この時、3台の循環用
送風機3−1,3−2,3−3を、被冷却物7の冷却状
態に応じて運転台数を制御すれば、対象空間8内を循環
する風の風量を制御することができる。これによって、
循環用送風機の運転台数を一定としておく場合に比べ、
被冷却物7を冷却するための十分な冷却能力を確保しな
がら循環用送風機の風量を下げ、その分消費電力も減ら
すことができるため、よりランニングコストの低いシス
テムを構築することができるようになる。
【0140】また、対象空間内に循環風路を形成し被冷
却物を冷却するためには循環用送風機から吹き出された
空気に指向性を付与する必要があり、本実施の形態にお
いては循環用送風機として指向性のあるものを使用する
ことを例に説明を行ったが、循環用送風機から吹き出さ
れる空気に指向性を付与することができるものであれば
どんなものでもよく、例えばダクトや導風板などを利用
して指向性を持たせることが考えられる。
【0141】また、本実施の形態では、冷却器1は熱源
機側と接続されており、熱源機側から流入する熱伝達媒
体によって冷熱を供給されるが、熱源機側は冷熱を供給
できるものであればどんなものでもよいことは言うまで
もない。
【0142】また、本実施の形態において、被冷却物7
に通気孔としての穴があいていることを想定して説明を
行ったが、被冷却物7に穴があいていない場合でも被冷
却物の周囲を通って空気の流れができるため、同様に被
冷却物7が冷却されるのは言うまでもない。
【0143】また、本実施の形態において、被冷却物7
を冷却する際、被冷却物7の両端の差圧が大きい方が、
被冷却物7表面での空気の流速が大きくなり、その分だ
け被冷却物7の冷却速度も速くなるため、冷却機能から
考えると望ましい。ところが、この差圧を大きくしすぎ
ると、多大な送風機動力がかかりあまり実用的ではな
い。循環用送風機3の動力があまりかからず、かつ被冷
却物7の冷却速度も十分な速度が確保される実用的な被
冷却物7の両端の差圧は、被冷却物7の表面における空
気の流速を0.5〜2m/s程度にし、被冷却物7の冷
却を6時間程度で完了させるものが望ましい。例えば被
冷却物7がレモンやタマネギの場合は20mmH2O程
度、グレープフルーツの場合は10mmH2O程度、ミ
カンの場合は50〜100mmH2O程度である。
【0144】また、本実施の形態における対象空間8内
の被冷却物7は農作物に限らず何でもよく、所定の温度
で保冷保存が必要なもの、例えばボイルした野菜、魚、
肉、金型などでもよい。
【0145】また、冷却の対象である対象空間8として
は、本実施の形態に限るものではなく、被冷却物7を格
納している空間ならどのようなものでもよい。例えば、
壁などによって空間的に完全に仕切られている密閉空
間、一部にドアなどの開口部があり場合によってはそこ
が開いている時もある半密閉空間、対象空間内に空気の
循環風路を形成させるために空間の一部に風路形成の仕
切り板などがある半開放空間、エアーカーテンなどによ
って仕切られているだけの開放空間などが考えられ、効
果の大小の違いはあるもののどんなものでもよい。
【0146】また、本実施の形態において、冷却の対象
である対象空間8の用途は、被冷却物7を冷却するため
のものであればどんなものでもよく、食品の冷蔵倉庫、
農作物を出荷前に冷却する予冷庫、店舗などに据え付け
られているショーケース、ブライン冷却、各種収納庫、
空調用途として体育館等の大空間などが考えられる。
【0147】また、対象空間8内にある冷却器1および
冷却用送風機2はそれぞれ1つの場合を例として説明し
たが、同一対象空間内に予冷用の冷却器および冷却用送
風機を複数台備え、すべての冷却器が循環用送風機3−
1,3−2,3−3によって形成される対象空間8内の
循環風路内にあり、熱源機側から各冷却器に熱伝達媒体
が並列に分配されるように構成されていれば、冷却器お
よび冷却用送風機は幾つあっても構わない。
【0148】また、本実施の形態においても、実施の形
態4で述べたように、対象空間8内の循環風路の循環方
向を逆方向に切り換えるように構成してもよい。被冷却
物7中または周囲の空気の流動を一方向にのみ行ってい
ると、被冷却物7の空気の流れ方向に対する前の方がよ
く冷え後ろの方はそれほど冷えないという現象が起きる
ことがある。このため、冷却開始から冷却終了までの途
中の段階で、被冷却物7中または周囲の空気の流動が逆
方向になるように循環用送風機3−1,3−2,3−3
の回転方向を逆方向にする操作を行うと、被冷却物7の
冷却が急速かつ均一に行われるという効果がある。循環
用送風機3−1,3−2,3−3の回転方向を逆転させ
る手段としては、例えばモーターを逆回転させることに
よって実現できる。また、循環用送風機3−1,3−
2,3−3の回転方向を逆転しなくても、ダンパなどに
よって空気の循環風路を変更し、被冷却物7における冷
風の流れ方向を変えることもできる。
【0149】また、実施の形態1〜実施の形態7では、
冷却器や第一の冷却器,第二の冷却器を対象空間内に配
置した構成について述べたが、実施の形態のそれぞれに
おいて、対象空間外に冷却器や第一の冷却器,第二の冷
却器を配置しても構成できる。冷却器や第一の冷却器,
第二の冷却器としては、対象空間内を冷却できればよい
のであり、対象空間外に配置した場合には、その冷却器
で得られた冷たい空気を対象空間内に導入するように構
成すればよい。
【0150】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の構成によ
れば、熱源機側から熱伝達媒体を循環させることにより
製氷および解氷を行う氷蓄熱槽と、前記熱伝達媒体を介
し前記氷蓄熱槽に貯留された冷熱を利用して対象空間内
の冷却を行う冷却器と、前記冷却器で冷却された空気を
循環させて被冷却物を冷却する、前記対象空間内に配置
された送風機と、を備え、前記熱源機で生成された高温
の熱伝達媒体を前記氷蓄熱槽内の氷と直接または間接的
に熱交換させることで前記氷を解氷して前記冷熱を取り
出しその冷熱を前記冷却器へ伝えるように配管を接続し
て内融式および外融式氷蓄熱を併用するものであって、
前記冷却器に接続されるとともに氷蓄熱槽の外部に設け
られ前記氷蓄熱槽内の水を循環させて熱伝達媒体と熱交
換させる熱交換器と、熱源機側から流出する前記熱伝達
媒体を前記氷蓄熱槽側または前記熱交換器側へ流れを切
り換える流路切換手段を有し、前記氷蓄熱槽内の氷と直
接的に熱交換させて冷熱を取り出す内融式氷蓄熱の媒体
循環路または前記氷蓄熱槽内の氷と間接的に熱交換させ
て冷熱を取り出す外融式氷蓄熱の媒体循環路に切り換え
るので、電力コストが安価な夜間に比較的運転効率の悪
い製氷運転を行い、電力コストが安価でない昼間にかな
り運転効率のよい解氷運転を行うことができ、全体とし
てのランニングコストを大幅に減らすとともに、一つの
冷却装置の構成で使用者の要望に幅広く答えられる汎用
的な冷却装置をえることができる。
【0151】
【0152】
【0153】また、本発明の第の構成によれば、被冷
却物を格納する対象空間を冷却する大容量の第一の冷却
器および小容量の第二の冷却器、並びに対象空間内に配
設された送風機を有し、送風機により第一の冷却器と第
二の冷却器のうちの少なくともいずれか一方の冷却器で
冷却された空気を循環させて被冷却物を冷却する冷却装
置本体、熱交換器を有し冷熱を氷として蓄える氷蓄熱
槽、熱交換器と第一の熱源機側とを接続する第一の媒体
循環路、第一の熱源機側から熱交換器を通って第一の冷
却器と接続する第二の媒体循環路、および第二の冷却器
と第二の熱源機側とを接続する第三の媒体循環路を備え
たことにより、電力コストが安価な夜間に比較的運転効
率の悪い製氷運転を行い、電力コストが安価でない昼間
にかなり運転効率のよい解氷運転を行うことにより、全
体としてのランニングコストを大幅に減らすことができ
る冷却装置が得られる効果がある。
【0154】また、本発明の第の構成によれば、第
の構成において、冷却負荷の大きな冷却を行う際には、
第一の冷却器を動作状態として第二の媒体循環路を介し
て熱交換器に熱伝達媒体を流通させることにより氷蓄熱
槽に蓄えた氷から冷熱を取り出して第一の冷却器へ供給
し、あるいはこの第一の冷却器へ供給するとともに第二
の冷却器を動作状態として第三の媒体循環路を介して熱
伝達媒体を第二の冷却器へ供給し、氷を蓄える際には、
第一の冷却器を停止状態として第一の媒体循環路を介し
て熱交換器に熱伝達媒体を流通させるように構成したこ
とにより、電力コストが安価な夜間に比較的運転効率の
悪い製氷運転を行い、電力コストが安価でない昼間にか
なり運転効率のよい解氷運転を行うことにより、全体と
してのランニングコストを大幅に減らすことができる冷
却装置が得られる効果がある。
【0155】また、本発明の第の構成によれば、第
の構成において、冷却負荷の小さな冷却を行う際には、
第二の冷却器を動作状態として第三の媒体循環路を介し
て熱伝達媒体を第二の冷却器へ供給するように構成した
ことにより、第の構成の効果に加え、冷却負荷の小さ
い夜間に第二の熱源機と少容量の第二の冷却器を動作さ
せて対象空間内の冷却が行えるため、大容量の第一の冷
却器の頻繁なON/OFF動作を防止でき、機器の寿命
を長くして機器の信頼性を向上させることができる冷却
装置が得られる効果がある。
【0156】また、本発明の第の構成によれば、第1
ないし第の構成のいずれか1つの構成において、氷蓄
熱槽を複数個備えたことにより、複数の容量の小さな蓄
熱槽を使用して様々な容量の冷却装置を構成することが
でき、装置の機種選定が容易になり、現地での工事性、
作業性も向上できる冷却装置が得られる効果がある。
【0157】
【0158】
【0159】また、本発明の第の構成によれば、第1
ないし第の構成のいずれか1つの構成において、冷却
器を送風機から離れた対象空間内の別の位置に配置し、
この冷却器に空気を流す冷却用送風機を設けたことによ
り、冷却器および冷却用送風機として汎用のものを使用
でき、機器選定が容易になり、イニシャルコストを低減
できる冷却装置が得られる効果がある。
【0160】また、本発明の第の構成によれば、第1
ないし第のいずれか1つの構成において、送風機を複
数設けたことにより、対象空間内に循環風路を形成しや
すく、冷却効果の高い冷却装置が得られる効果がある。
【0161】また、本発明の第の構成によれば、第1
ないし第のいずれか1つの構成において、対象空間内
の空気の循環風路の流れ方向を、正逆切換可能としたこ
とにより、均一かつ急速に被冷却物を冷却できる冷却装
置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷却装置を示す
構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態1による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態2による冷却装置を示す
構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態2による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態2による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態2による冷却装置の他の
例を示す構成図である。
【図9】 本発明の実施の形態3による冷却装置を示す
構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態4による冷却装置に係
わる対象空間を示す構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態5による冷却装置に係
わる対象空間を示す構成図である。
【図12】 本発明の実施の形態6による冷却装置に係
わる対象空間を示す構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態7による冷却装置に係
わる対象空間を示す構成図である。
【図14】 従来の冷却装置を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 冷却器または第一の冷却器、2 冷却用送風機また
は第一の冷却用送風機、3 循環用送風機、4,4−
1,4−2 氷蓄熱槽、5a〜5g 第一の熱源機側と
接続された配管開閉手段、6a,6b 第一の熱源機側
と接続された熱伝達媒体調整手段、7 被冷却物、8
対象空間、9 導風板、10 熱交換器、11 別対象
空間、12 冷却器、13 送風機、30 第二の冷却
器、31第二の冷却用送風機、33 第二の配管開閉手
段、34 第二の熱伝達媒体調整手段、50 パレッ
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一瀬 充彦 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三菱電機エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 北内 肇 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三菱電機エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−16769(JP,A) 特開 平6−265254(JP,A) 特開 平5−172383(JP,A) 特開 平9−145222(JP,A) 特開 平5−164452(JP,A) 実開 昭57−200889(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 17/06 301

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源機側から熱伝達媒体を循環させるこ
    とにより製氷および解氷を行う氷蓄熱槽と、前記熱伝達
    媒体を介し前記氷蓄熱槽に貯留された冷熱を利用して対
    象空間内の冷却を行う冷却器と、前記冷却器で冷却され
    た空気を循環させて被冷却物を冷却する、前記対象空間
    内に配置された送風機と、を備え、前記熱源機側で生成
    された高温の熱伝達媒体を前記氷蓄熱槽内の氷と直接ま
    たは間接的に熱交換させることで前記氷を解氷して前記
    冷熱を取り出しその冷熱を前記冷却器へ伝えるように配
    管を接続して内融式および外融式氷蓄熱を併用するもの
    であって、前記冷却器に接続されるとともに氷蓄熱槽の
    外部に設けられ前記氷蓄熱槽内の水を循環させて熱伝達
    媒体と熱交換させる熱交換器と、熱源機側から流出する
    前記熱伝達媒体を前記氷蓄熱槽側または前記熱交換器側
    へ流れを切り換える流路切換手段を有し、前記氷蓄熱槽
    内の氷と直接的に熱交換させて冷熱を取り出す内融式氷
    蓄熱の媒体循環路または前記氷蓄熱槽内の氷と間接的に
    熱交換させて冷熱を取り出す外融式氷蓄熱の媒体循環路
    に切り換えることを特徴とする冷却装置。
  2. 【請求項2】 被冷却物を格納する対象空間を冷却する
    大容量の第一の冷却器および小容量の第二の冷却器、並
    びに前記対象空間内に配設された送風機を有し、前記送
    風機により前記第一の冷却器と第二の冷却器のうちの少
    なくともいずれか一方の冷却器で冷却された空気を循環
    させて前記被冷却物を冷却する冷却装置本体、熱交換器
    を有し冷熱を氷として蓄える氷蓄熱槽、前記熱交換器と
    第一の熱源機側とを接続する第一の媒体循環路、第一の
    熱源機側から前記熱交換器を通って第一の冷却器と接続
    する第二の媒体循環路、および第二の冷却器と第二の熱
    源側とを接続する第三の媒体循環路を備えたことを特徴
    とする冷却装置。
  3. 【請求項3】 冷却負荷の大きな冷却を行う際には、第
    一の冷却器を動作状態として第二の媒体循環路を介して
    前記熱交換器に熱伝達媒体を流通させることにより前記
    氷蓄熱槽に蓄えた氷から冷熱を取り出して第一の冷却器
    へ供給し、あるいはこの第一の冷却器へ供給するととも
    に第二の冷却器を動作状態として第三の媒体循環路を介
    して熱伝達媒体を第二の冷却器へ供給し、氷を蓄える際
    には、第一の冷却器を停止状態として第一の媒体循環路
    を介して前記熱交換器に熱伝達媒体を流通させるように
    構成したことを特徴とする請求項記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 冷却負荷の小さな冷却を行う際には、第
    二の冷却器を動作状態として第三の媒体循環路を介して
    熱伝達媒体を第二の冷却器へ供給するように構成したこ
    とを特徴とする請求項記載の冷却装置。
  5. 【請求項5】 氷蓄熱槽を複数個備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷却
    装置。
  6. 【請求項6】 冷却器を送風機から離れた対象空間内の
    別の位置に配置し、この冷却器に空気を流す冷却用送風
    機を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    いずれか1項に記載の冷却装置。
  7. 【請求項7】 送風機を複数設けたことを特徴とする請
    求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷却装
    置。
  8. 【請求項8】 対象空間内の空気の循環風路の流れ方向
    を、正逆切換可能としたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項のいずれか1項に記載の冷却装置。
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