JP3386835B2 - 高機能血液フィルター - Google Patents

高機能血液フィルター

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JP3386835B2 JP31316692A JP31316692A JP3386835B2 JP 3386835 B2 JP3386835 B2 JP 3386835B2 JP 31316692 A JP31316692 A JP 31316692A JP 31316692 A JP31316692 A JP 31316692A JP 3386835 B2 JP3386835 B2 JP 3386835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液フィルターに関す
る。さらに詳しくは、血小板除去性能の優れた白血球除
去フィルターに関し、血小板を著しく活性化することな
く吸着除去できる血液フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】現在行なわれている成分輸血は、患者に
必要な血液成分だけを輸血し不要な成分を輸血しないこ
とが原則である。しかし日常的に使用されている濃厚赤
血球は成分製剤といわれながら、実際には数多くの白血
球や血小板が含まれている。この濃厚赤血球の輸血頻度
が高い患者(悪性不良性貧血、溶血性貧血、慢性出血性
貧血など)では、白血球および血小板に対する抗体の産
生を抑制するために、また輸血副作用を予防するために
も、濃厚赤血球に含まれる白血球や血小板を取り除いた
純度の高い赤血球を輸血する必要がある。最近では、輸
血された血液中に存在する分裂能を持つリンパ球が、患
者の組織適合性抗体を異物と認識して攻撃するグラフト
・バーサス・ホスト ディジーズ:Graft-versus-Host
Disease(GVHD) が問題となっており、白血球除去血液製
剤の使用が増加しつつある。そこで、輸血用血液中のリ
ンパ球を血液フィルターにより除去したり、放射線によ
りリンパ球の分裂能を破壊することが必要となってく
る。
【0003】放射線を用いる方法は、リンパ球を含む血
液製剤(新鮮血、保存血、赤血球濃厚液、濃縮血小板な
ど)に1500rad(15Gy)の放射線を照射して
リンパ球の分裂能を破壊する方法である。我が国では、
血液バッグの照射はレントゲン技師を中心に放射線治療
室で行なわれており、1バッチ約5〜6分程で終了す
る。欧米では線源にCs137 を用いる血液製剤の照射専
用器が市販されている。これを用いると400〜500
mlの血液バッグを2〜6分で照射が可能である。トラ
ンスフージョン(Transfusion 25(4) : 293-300 ,1985
)のレイトマン( Leitman)らの報告によれば、この
線量では赤血球はもちろんのこと、血小板や顆粒球の機
能も障害されないことが報告されている。しかしなが
ら、この方法の問題点は、高価な設備と放射線取り扱い
責任者による管理体制が必須であり、誰でもどこでもで
きるという汎用性に欠ける点である。
【0004】一方、フィルターによる白血球の除去は、
操作が簡便でしかも安価という特徴を有している。これ
は、白血球特有の曲率の小さい物質に吸着する特性を生
かしたもので、多孔質体を積層させたものや径の細い繊
維を積層して濾材とし血球を含む液体を通過させて捕捉
している。しかしながら、この方法は、物理的に白血球
を捕捉しているため放射線処理のような確実性に欠ける
などの問題点を有していた。
【0005】アプライド アンド インバイロンメンタ
ル マイクロバイオロジー(Applied and Environmenta
l Microbiology,1979,12,1166-1172)のジード(Zierd
t)らの報告によれば、バクテリア、赤血球、白血球、
血小板、およびポリスチレン球などを含む液を、おのお
のの粒径よりも大きい孔径の膜に濾過しても粒子が捕捉
されることを見出している。またジードらはアニオン性
界面活性剤で処理したこの膜は粒子を捕捉しないことか
ら、この捕捉が静電的な相互作用に起因するものと結論
しており、白血球や血小板を捕捉するには、表面電荷を
利用した静電相互作用による吸着が可能なことを示して
いる。
【0006】米国特許3,242,073号、3,352,
424号には、カチオン性の有機ポリ電解質をアニオン
性フィルターに静電的に結合させた濾材を用いて、液体
から負の表面電荷を有する血小板を除去することが記載
されている。また、特開平3−207413には第4ア
ンモニウム基を表面に有しpH7で正のゼータ電位を有
するフィルター材料が記載されている。このようなカチ
オン性フィルターで血液を濾過した場合、白血球や血小
板の捕捉率は向上するものの、血小板からの放出因子の
濃度が高くなり、濾過後の血液製剤の品質が低下してし
まうという問題点が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、従
来の血液フィルターの欠点であった、白血球や血小板の
捕捉率は向上するものの、血小板からの放出因子の濃度
が高くなり、濾過後の血液製剤の品質が低下してしまう
という問題点を克服した血液フィルターを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、液体流入口
と液体流出口を有するハウジング内に、アジリジン化合
物のポリマーまたはコポリマーを表面に固定化した最大
孔径5〜50μのフィルタ−濾材が含まれた血液フィル
ターによって達成される。本発明はまた、アジリジン化
合物がポリエチレンイミンであり、その平均分子量が5
00〜8000である血液フィルターを示すものであ
る。本発明はまた、血液フィルター濾材が、ポリウレタ
ンを主成分とした多孔質体である血液フィルターを示す
ものである。本発明はさらに、血液フィルター濾材表面
に分子内に反応性基を有する単量体をグラフト重合せし
めた後、該反応性基を介してアジリジン化合物のポリマ
ーまたはコポリマーが結合されている血液フィルターを
示すものである。
【0009】アジリジン化合物とは、1分子中にアジリ
ジン基を少なくとも1個含有する化合物を構成成分とす
る重合体または共重合体のことであり、そのアジリジン
基は、アルキル基その他の置換基で置換されているもの
であっても良い。さらに具体的には、アジリジン化合物
は、一般に、次式(I):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1,R2,R3,R4及びR5は水
素、脂肪族及び芳香族炭化水素、ハロゲンその他の置換
基を示す。)で表される。アジリジン化合物の重合体ま
たは共重合体の特定の例としては、例えば、エチレンイ
ミン、プロピレンイミン、ブチレンイミン、N−ヒドロ
キシエチルエチレンイミン、N−アミノエチルエチレン
イミンなどのモノマー単位を含んだ化合物、ポリエチレ
ンイミンやポリプロピレンイミンなどの重合体、上記の
モノマーの相互または他の共重合性モノマーとの共重合
体を例示できる。これらアジリジン化合物のポリマーと
反応し得る官能基を末端に有する重合体とのブロック共
重合体やグラフト共重合体なども含まれるが、アジリジ
ン成分量は、少なくとも5%以上、好ましくは20%以
上である。また、サイクラムやバイサイクラム系化合物
をはじめとするアジリジン化合物の環状ポリアミン類や
それらの誘導体も例示できるが、好ましくは、エチレン
イミンの重合体や共重合体であるポリエチレンイミンや
環状ポリアミン化合物である。
【0012】材料表面に固定化するとは、アジリジン化
合物を含む重合体が材料表面から溶出することのないよ
うに、基材表面の反応性基と結合させることであり、共
有結合により固定化することが好ましい。材料表面に固
定化する方法は公知の方法が適用可能である。例えば、
グラフト重合法、コーティング法、化学修飾法、酸化法
などにより、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、酸クロライド基などの
官能基を基材表面に導入した後、アミン化合物のアミノ
基と直接もしくはカップリング剤やスペーサーを介して
基材表面に固定化することができる。
【0013】好ましくは、高分子材料表面に反応性官能
基を有する表面グラフト鎖を導入する工程と、該反応性
官能基にアジリジン化合物の重合体または共重合体を固
定化する工程とを有する方法である。反応性官能基を有
する表面グラフト鎖とは、酸ハロゲン基、イソシアナー
ト基、エポキシ基を分子内に有する単量体を構成成分と
するグラフト鎖であり、より具体的には、(メタ)アク
リル酸クロリド、(メタ)アクリル酸ブロマイドなどの
(メタ)アクリル酸ハライド、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアナート、3−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルイソシアナート、4−(メタ)アク
リロイルオキシブチルイソシアナート、(メタ)アクリ
ロイルオキシイソプロピルイソシアナート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチルイソシアナ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1−エチルエ
チルイソシアナート、4−(メタ)アクリロイルオキシ
−2−エチルブチルイソシアナート、2−(メタ)アク
リロイルオキシ−2,2−ジメチルエチルイソシアナー
トなどの)(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシ
アナート、2,3−エポキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、
2,3−エポキシイソブチル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシ−1−メチルブチル(メタ)アクリレ
ート、2,3−エポキシ−1−メチルエチルアクリレー
トなどのエポキシ基含有モノマーなどを例示できる。
【0014】また、導入されるこれらの官能基を有する
物質は2種類以上であっても良く、基材表面に導入後、
化学処理を行ない酸ハロゲン基、イソシアナート基、エ
ポキシ基に変換させた後、アジリジン化合物の重合体及
び共重合体と結合させても構わない。
【0015】グラフト鎖を材料表面に形成させる方法
は、公知の方法が適用できる。好ましくは、プラズマ照
射により材料表面にラジカルを生成させた後、該ラジカ
ルを利用しては表面グラフト鎖を形成させる方法であ
る。反応性単量体を該ラジカルに供給する方法は、液体
状でも構わないが、操作性・安全性を考慮すると、ガス
状で供給して重合せしめる方法が好ましい。供給時の圧
力は、0.001〜100Torr、好ましくは0.0
1〜50Torr、より好ましくは0.1〜10Tor
rである。また、供給時間は操作性の点から10秒〜2
時間、好ましくは30秒〜1時間、より好ましくは1分
〜30分である。反応性官能基を有するグラフト鎖は、
グリシジルアクリレートもしくはグリシジルメタクリレ
ートなどのエポキシ基を有する単量体を構成成分とする
グラフト鎖が好ましい。アジリジン化合物の重合体もし
くは共重合体は、基材に対して、0.1wt%〜30w
t%好ましくは0.5wt%〜20wt%、より好まし
くは1wt%〜15wt%含有されていることが望まし
い。
【0016】血液フィルター濾材の形態は特に限定され
ず、多孔質体、不織布、織布、ビーズなど任意の形態を
取り得るが、好ましくは最大孔径が5μ〜50μの範囲
にある多孔質体もしくは不織布である。最大孔径が5μ
以下であるとフィルターの目詰まりが起こりやすく、逆
に50μを超えると、白血球や血小板の除去率が低下す
ることとなる。フィルター材を形成するフィラメント
は、モノフィラメントであってもマルチフィラメントで
あってもよいが、平均直径が100μm以下、好ましく
は、50μm以下であると、膜の表面積が大きくなり吸
着部位が増加することとなるため好ましい。
【0017】フィルタ−空孔部の割合(空孔率)は、2
0%以上、好ましくは50%以上である。基材の材質は
特に限定されず、セルロースやその誘導体などの天然高
分子、あるいはポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリサルホン、ポリ
アクリルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリ(メ
タ)アクリレート、ブタジエン・アクリロニトリル共重
合体、ポリアミド、エーテルアミドやポリアミドのブロ
ック共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、
ポリビニルアセタール、もしくはそれらの混合物などの
高分子材料を例示できる。
【0018】本発明の血液フィルターは、血小板や白血
球を含む液体より、血小板あるいは白血球を除去する目
的で使用するフィルターのことであり、血液製剤の調整
や治療などに主として使用される。血液フィルターの形
状は、円筒状、ひし形状、正方形状、円盤状など任意で
あるが、血液成分を濾材に接触させて通すためにも、血
液流入口と血液流出口とを有することが必要である。血
液フィルターに組み入れられる濾材の形態は、積層タイ
プ、巻物タイプ、中空糸タイプ、ランダムタイプ等任意
であり、複数枚積層されていてもかまわないし、種類の
異なる濾材と併用していてもよい。
【0019】また、本発明のアジリジン化合物のポリマ
ーを材料表面に固定化した血液フィルターは、血小板を
捕捉して血小板除去率を向上させるにもかかわらず、血
小板の活性化が少ない。すなわち、本発明の血液フィル
ターは、白血球のみでなく血小板をも良好かつ確実に除
去することが可能であり、尚且、血小板の活性化が少な
いため、血小板の活性化により放出されるβ−TGやセ
ロトニンなどの因子が濾液中に混入して品質を低下させ
るということもない。アジリジン化合物のポリマーは、
主として、弱塩基性陰イオン交換基である2級もしくは
3級のアミノ基を分子内に有しており、強塩基性陰イオ
ン交換基である4級アンモニウム基を分子内に有するポ
リカチオン性化合物と比べて、血小板への静電的な相互
作用は弱くなる。アジリジン化合物の重合体は、その分
子量をコントロールすることにより、容易に血小板への
相互作用を制御することが可能であり、その結果、血小
板の活性化が少なく血小板を捕捉できる表面を、調整す
ることができた。アジリジン化合物のなかでもポリエチ
レンイミンが、安価であり入手が容易なため好ましい。
また、その平均分子量は、500〜8000、好ましく
は、600〜3000であると、容易に材料表面での血
小板の活性化と粘着のバランスを制御することができ
る。材料表面に固定化されたアジリジン化合物の分子量
や荷電密度は、血小板の粘着や活性化に大きな影響を与
えている。例えば、分子量の大きいポリエチレンイミン
を表面に固定化させた場合、ポリカチオンとしての電荷
が大きくなり、血小板を活性化したり細胞膜への損傷を
大きくしたりすることとなる。一方、分子量の小さいポ
リエチレンイミンを固定化した場合は、電荷密度が小さ
くなり、十分に血小板除去率を向上させることが困難と
なる。
【0020】ポリウレタンを素材とした血液フィルター
は、成形性・物性・血液適合性などに優れ、優れた白血
球除去性能を持たせることが可能であるが、血小板除去
率が低くなることが課題であった。本発明を適用するこ
とにより、ポリウレタンフィルターの血小板除去性能を
向上させることが可能となる。
【0021】反応性官能基を有する表面グラフト鎖(た
とえばポリグリシジルアクリレート)は、微視的には表
面上で基材(たとえばポリプロピレン)と相分離して存
在しているため、該反応性官能基と結合させたアジリジ
ン化合物のポリマーも、材料表面では微視的には局在化
していると考えられる。そのため、表面グラフト鎖にア
ジリジン化合物を固定化する方法であると、アジリジン
化合物の重合体の分子量や反応時間により、容易に表面
のアジリジン化合物の存在量を制御することができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1〜2、比較例1)最大孔径18μ、空孔率8
6%のポリウレタン多孔質体(東洋ポリマー社製ルビセ
ル)をメタノールで8時間ソックスレー洗浄し、存在し
ている不純物を取り除いた。この多孔質体を十分乾燥し
た後、低温プラズマ(Ar0.2torr)を20秒間
照射した後、グリシジルメタクリレートガスを供給し、
288Kの温度で5分間、表面グラフト重合を行なっ
た。該多孔質体を、ポリエチレンイミン(分子量120
0、1800の1wt%水溶液(ピリジン1wt%を含
む) に60℃、18時間浸漬させ、イオン交換水で十分
洗浄した後、乾燥させて試料とした。また、ポリエチレ
ンイミンを含まない1%ピリジン溶液に60℃、18時
間浸漬させて、比較サンプル(比較例1)を作製した。
【0023】得られた多孔質体を厚さ(0.6mm)、
直径25mmに打ち抜き、第1図に示すような液体流入
口と液体流出口を有するハウジング内に組込んで、血液
フィルター1(有効面積3.4cm2)を作製した後、
第2図に示すような装置内に配置した。第2図に示すよ
うな構成の装置において、健常人のCPD加新鮮血から
調整した赤血球濃厚液(白血球:3.0×10〜5.
0×10、 血小板:1.0×10〜3.0×1
、 赤血球:3.0×10〜5.0×10)を流
速(1.2ml/min)で血液フィルタ−1に流し
て、フィルター通過前後の白血球数及び血小板数を自動
血球計算装置(東亜医用電子株式会社製、Sysmex
NE−6000)を用いて算定した後、下式(A)、
(B)により白血球及び血小板の除去率を求めた。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】また、血小板が活性化された際の放出因子
であるβ−TGおよびセロトニンを下記の通り測定し
た。
【0027】即ち、β−TG RIAキット(ラジオケ
ミカル・センター製:RadiochemicalCenter,Amersham,En
gland)を用いて測定した。凍結乾燥された被検体の126
I−β−TG(ヒト)を蒸留水に溶解し、一方、凍結乾
燥抗ヒトβ−TG血清も蒸留水に溶解する。また、凍結
乾燥β−TG標準物質を各々測定基準量で蒸留水に溶解
し、標準濃度溶液とする。EDTAとテオフィリンの緩
衝液を入れた各試験管に、126I−β−TG(ヒト)液
を入れ、抗ヒトβ−TG血清を添加し、数秒間撹拌し、
室温に1時間放置し、硫酸アンモニウム液を添加し、数
秒間撹拌し、10〜60分間経過後、室温で1500G
で、20分間遠心沈降され、上澄を捨て、各試料をδ−
シンチレーションカウンターでカウントし、総カウント
数で除した結合%を計算し、標準物質の結合%から得た
標準曲線から各試料のβ−TG濃度を計算した。
【0028】その結果を表1に示した。いずれの血液フ
ィルターも、比較例1と比べて、血小板除去率、白血球
除去率が向上しており、尚且、血小板の活性化を示すβ
−TG値およびセロトニン値の著しい上昇は観察されな
かった。
【0029】(比較例2〜6)実施例1と同様にして、
最大孔径18μ、空孔率86%のポリウレタン多孔質体
(東洋ポリマー製ルビセル)に、一方社油脂工業(株)
製カチオノンUK[比較例2]、一方社油脂工業(株)
製パンフィックスPX(ポリ(1−エチルイミノ−2−
グアニジノイミダゾール、モノハイドロクロライド))
[比較例3]、ポリエチレンイミン(分子量が300
[比較例4]、1万[比較例5]、7万[比較例6])
を固定化した濾材を組み入れた血液フィルターを作製
し、実施例と同様に健常人のCPD加新鮮血から調整し
た赤血球濃厚液を流して評価を行なった。その結果を表
1に示した。
【0030】比較例2、3の血液フィルターは、実施例
と比べて白血球除去率、血小板除去率は同程度であるも
のの、血小板の活性化を示すβ−TG値およびセロトニ
ン値の著しい上昇が確認された。比較例4の血液フィル
ターは、β−TG値およびセロトニン値ともに上昇して
いないが、血小板除去率は実施例ほど上昇しなかった。
比較例5、6の血液フィルターは、実施例と比べて白
血球除去率、血小板除去率は同程度であるものの、β−
TG値の著しい上昇が確認された。
【0031】(比較例7)最大孔径18μ、空孔率86
%のポリウレタン多孔質体(東洋ポリマー製ルビセル)
に、低温プラズマ(Ar0.2torr)を20秒間照
射した後、ビニルピリジンガスを供給し、288Kの温
度で5分間、表面グラフト重合を行なった。該多孔質体
を、1%ベンジルクロライドのメタノール溶液中で55
℃、3時間、4級化処理を行なって、表面にポリN−ベ
ンジルビニルピリジニウムクロライドを有する血液フィ
ルターを作製した。
【0032】このフィルタ−を組み込んだ血液フィルタ
ーを実施例と同様にして評価した。その結果を表1に示
した。実施例と比べて、血小板除去率、白血球除去率は
同程度であるものの、血小板の活性化を示すβ−TG値
およびセロトニン値の著しい上昇が観察された。
【0033】
【表1】
【0034】1)Mwは重量平均分子量2) パンフィックスPX
【0035】
【化2】
【0036】3)カチオンUK
【0037】
【化3】
【0038】空孔率は下式(C)で表される値である。
【0039】
【数3】
【0040】膜の最大孔径は、ASTM−F316を参
考にしてバブルポイント法により求めた値である。最大
孔径は、製膜後の膜全体に均一に存在する孔の最大孔径
を表わす値であり、ピンホールや製膜後に作られた該最
大孔径より大きな孔などは含まれない。
【0041】
【発明の効果】アジリジン化合物を表面に結合させた血
液フィルターは、血小板を活性化させることなく、白血
球や血小板の除去率を向上させることができるため、安
全で高品質の血液製剤を供給できることとなる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の血液フィルターの一実施形態を示す
概略図
【図2】 本発明の血液フィルターを組み込んだ血液処
理装置の一実施形態を示す概略図
【符号の説明】 1・・・血液フィルター、2・・・血液流入口、3・・
・血液流出口、4・・・ハウジング、5・・・多孔質
体、6a,6b・・・支持材、7・・・赤血球濃厚液、
8a,8b・・・導液チューブ、9・・・吸引ポンプ、
10・・・血液回収容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−46857(JP,A) 特開 平3−278835(JP,A) 特開 平3−47131(JP,A) 特開 平3−207413(JP,A) 特開 平3−123630(JP,A) 特開 昭62−38173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/165 A61M 1/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液から白血球および血小板を捕捉する
    血液フィルターであって、 血液流入口と血液流出口を有するハウジング内に、最大
    孔径が5〜50μの濾材を備え、 該濾材の表面には、平均分子量600〜3000である
    ポリエチレンイミンが固定化されていることを特徴とす
    る血液フィルター。
  2. 【請求項2】 前記血液は、赤血球濃厚液である請求項
    1に記載の血液フィルター。
  3. 【請求項3】 前記濾材は、ポリウレタン多孔質体から
    なる請求項1または2に記載の血液フィルター。
  4. 【請求項4】 前記ポリエチレンイミンは、グリシジル
    アクリレートもしくはグリシジルメタクリレートを介し
    て、前記濾材の表面に固定化されている請求項1ないし
    3のいずれかに記載の血液フィルター。
JP31316692A 1992-07-06 1992-11-24 高機能血液フィルター Expired - Lifetime JP3386835B2 (ja)

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