JP2002161048A - 血小板放出因子調製用フィルター及び血小板放出因子の調製方法 - Google Patents

血小板放出因子調製用フィルター及び血小板放出因子の調製方法

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JP2002161048A JP2000356874A JP2000356874A JP2002161048A JP 2002161048 A JP2002161048 A JP 2002161048A JP 2000356874 A JP2000356874 A JP 2000356874A JP 2000356874 A JP2000356874 A JP 2000356874A JP 2002161048 A JP2002161048 A JP 2002161048A
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Kazumichi Harada
和道 原田
Yoshitaka Omura
佳孝 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細菌や異物による汚染の機会が少なく、簡単な
操作で短時間の内に血小板放出因子が得られる血小板放
出因子調製用フィルターを提供すること。 【解決手段】血小板懸濁液をフィルターに通液すること
により、血小板を該フィルターに保持させ、かつ、血小
板から顆粒中に含まれる因子を放出させるためのフィル
ターであって、該フィルターは3級窒素あるいは4級窒
素を含む化合物が少なくともフィルターの表面に存在し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、創傷治癒の促進等の目
的で使用される血小板放出因子調製用フィルター及びそ
の調製方法に関する。更に詳しくは3級または4級窒素
を含む化合物が少なくともフィルターの表面に存在して
いる血小板放出因子調製用フィルター及びごのフィルタ
ーを用いた血小板放出因子の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚潰瘍や褥創の治療には、壊死組織を
除去し細菌の感染をおさえる処置をしつつ患者自身の自
然治癒力により肉芽の形成、表皮の再生を期待する方法
が従来用いられてきた。近年になって、生化学、分子生
物学の進歩、創傷治癒のメカニズムの研究の進展ととも
に、サイトカインや細胞増殖因子が創傷治癒過程におい
て機能していることが明らかになりつつある。これらサ
イトカインや細胞増殖因子の治療への応用が模索されて
おり、実際の治療でも利用されはじめている。しかし、
サイトカインや細胞増殖因子は創傷部の治癒過程におい
て複雑なネットワークの中で制御され機能しており、単
独のサイトカインや細胞増殖因子の投与による治癒の促
進は依然限界がある。一方、コラーゲン、キチン、キト
サン、フィブリンなどのマトリックスは創傷部の治癒促
進効果をもつことが知られており、コラーゲンなどから
なる創傷被覆剤が熱傷、外科手術後の欠損創等の治療に
使用されている。褥創など難治性の皮膚疾患の治療にも
コラーゲン、キチンなどを利用した被覆剤などが使用さ
れているが、高齢者、糖尿病患者等で生体の創傷治癒力
が衰えている場合には治癒促進効果は十分とはいえな
い。
【0003】ところで、血小板中には血小板由来成長因
子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-
β)、上皮成長因子(EGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEG
F)、血小板第4因子、β-トロンボグロブリンなど、細
胞増殖因子を含む生物活性を有する分子が含まれている
ことが明らかにされ、血小板を活性化することにより血
小板から放出される前述の分子(血小板放出因子)より
なる組成物の創傷治療への応用も試みられ成果をおさめ
ている。特に創傷部での血行が不十分な症例では、本
来、血液の供給があれば、血漿成分の漏出と血小板の凝
集による治癒の誘導を、外来的に血小板放出因子を創傷
部へ濃縮して供給することにより治癒効果を発揮してい
る。しかし、血小板放出因子の製造法については遠心操
作、液層の分離を含む長時間を要する方法によってい
る。この方法で血小板の損失を少なくするには、熟練を
要する操作が必要であり、また開放した系で行うため異
物混入、微生物による汚染等の危険にもさらされてい
る。この血小板放出因子の製造法に関して、製造の簡便
化を図る方法がイノテブ社により開示されている(特表
平7-507558号)。この開示された方法では、フィルター
上に血小板を保持し、その後外来的に活性化剤を加え
て、フィルター上で血小板を活性化させ、血小板放出因
子を含む溶液を濾液として回収している。従来法に比べ
て、製造に要する時間の短縮と装置を閉鎖系にすること
により汚染等の危険の低減を図っているが、外来的に活
性化剤を使用する必要があり、もっとも好ましい活性化
剤であるトロンビンを添加する場合でも、その由来が異
なる動物種あるいは組み換え体による抗原性、また創傷
治癒促進剤製造に関わるコストの面からも最良とは言え
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の血
小板放出因子の調製方法では長い時間を要したり、クロ
ーズドでの操作が行い難く細菌などの異物による汚染が
起きる危険性があったり、またクローズドで操作が行え
ても、血小板活性化剤等の不要物質が混在していたりし
て、折角血小板放出因子を調製しても使用し難い物しか
取得できなかった。従って、本発明は、短時間で、簡単
な操作で、細菌や異物による汚染の機会が少なく、更に
外来の物質である血小板活性化剤等が共存していない血
小板放出因子を調製するためのフィルターを提供するこ
とを目的としている。また、本発明は、前記のフィルタ
ーを用いて外来の物質である血小板活性化剤等が共存し
ていない血小板放出因子を調製する方法を提供すること
を目的をしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために本発明は、血小板を含む懸濁液から血小
板放出因子を調製する際に使用する、3級窒素あるいは
4級窒素を含む化合物が少なくとも表面に存在している
フィルターに関する。また、本発明は、3級窒素あるい
は4級窒素を含む化合物が少なくとも表面に存在してい
るフィルターに血小板を含む懸濁液を通液し、フィルタ
ーに血小板を保持して、血小板から顆粒中に含まれる因
子を放出させる血小板放出因子の調製方法に関する。
【0006】具体的には、本発明は次のものである。 1)血小板を含む懸濁液をフィルターに通液することに
より、血小板をフィルターに保持させ、かつ、血小板か
ら顆粒中に含まれる因子を放出させるためのフィルター
であって、フィルターは3級窒素あるいは4級窒素を含
む化合物が少なくともフィルターの表面に存在している
ことを特徴とする血小板放出因子調製用フィルター。 2)血小板を含む懸濁液を3級窒素あるいは4級窒素を
含む化合物が少なくとも表面に存在しているフィルター
に通液し、血小板をフィルターに保持させ、かつ、血小
板から顆粒中に含まれる因子を放出させることによって
血小板放出因子を得る血小板放出因子の調製方法。 3)前記フィルターがゼータ電位が正値のフィルターで
ある上記1)または2)に記載の血小板放出因子調製用
フィルター及び血小板放出因子の調製方法。 4)前記フィルターが、トリパンブルー色素の吸着容量
が599nmの反射吸光度で0.4以上である上記1)〜3)
のいずれかに記載の血小板放出因子調製用フィルター及
び血小板放出因子の調製方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
を示し、更に詳細に説明する。本発明は、血小板を含む
懸濁液中から血小板放出因子を含む創傷治癒促進剤を取
り出すためのものであり、フィルターに血小板を含む懸
濁液を通液し、フィルターに血小板を保持させ、かつ血
小板から顆粒中の因子を放出させ、外来的な血小板活性
化剤を含まない血小板放出因子を取得するものである。
本発明において、血小板とは、ヒトあるいは動物由来の
血小板を指し、特に自己の血小板、すなわち創傷治癒促
進剤を使用する本人のものが好ましい。自己の血小板で
ある場合には、微生物等による新たな感染の危険を低減
でき、安全に治癒が促進できる。血小板を含む懸濁液
は、例えば、採取した血液にACD溶液、CPD溶液、ヘパリ
ン等の抗凝固剤を加えた血液、あるいは遠心分離法、ゲ
ル濾過法などを用いて分離した血小板懸濁液、また、培
養された血小板を懸濁した溶液でもよい。
【0008】本発明のフィルターは、一般に液体の流入
口と流出口を有するハウジング内に配置・固定してフィ
ルター装置として使用される。フィルターは赤血球等の
血球が通過できる連続した孔を有したものであり、多孔
質体、中空糸等を使用したもの、あるいはハウジング内
にビーズ、粉体等を充填したものが使用できる。多孔質
体とは内部または表面に多数の小さな外部に通じる連続
した孔状を持つ物質のことである。つまり、血球が通過
できる孔を有していればよく、多孔質体には高分子繊
維、高分子繊維マトリックス、高分子膜、固体多孔質体
等を用いることができる。フィルターの連続した孔の平
均径が5〜20μmであることが望ましい、フィルター
はフィルターハウジングで支持・固定されていて、液体
の通過に伴ってフィルターがフィルター装置から流出す
ることのない構造となっている。
【0009】本発明に使用するフィルターは、材料表面
に塩基性官能基を結合させることによりフィルターのゼ
ータ電位が正値となっていることが好ましい。このフィ
ルター表面の処理を工夫することにより、血小板を効率
的に捕捉し、さらに血小板懸濁液の通液操作により血小
板顆粒中に含まれる因子の放出が達成される。
【0010】血小板を含む懸濁液を通液する際に血小板
を保持し、かつ外来的に活性化剤を加えることなく血小
板から顆粒中の因子を放出させるフィルターであれば本
発明の方法に使用可能であるが、フィルター表面に3級
窒素あるいは4級窒素を有する化合物が存在することが
好ましい。具体的な例では、N,N′−テトラメチル−
ジ(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−アルキレ
ンジアンモニウムジクロリド、N,N′−テトラメチル
−ジ(2−カルボキシ−3−クロロプロピル)−アルキ
レンジアンモニウムジクロリド、N,N′−テトラプロ
ピル−ジ(2,3−エポキシ−2−クロロメチル)−ア
ルキレンジアンモニウムジクロリド、N,N′−テトラ
メチル−ジ(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−
アルキレンジアンモニウムジブロミド、N,N′−テト
ラクロロメチル−ジ(2−カルボキシ−3−クロロプロ
ピル)−アルキレンジアンモニウムジクロリド、N,
N′−テトラメチル−ジ(3−ヒドロキシ−2−クロロ
ブチル)−アルキレンジアンモニウムジクロリド、N,
N′−テトラメチル−ジ(2,3−エポキシ−2−クロ
ロ−3−ブロモプロピル)−アルキレンジアンモニウム
ジクロリドあるいは主鎖にグアニジン、エチレンイミ
ン、イミダゾールなどを含む重合体及びそれらの塩など
があげられる。例えばフィルター表面に、グラフト重合
法、コーティング法、化学修飾法、酸化法などにより、
エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、酸クロライド基などの官能基を導
入した後、ポリ(1−エチルイミノ−2−グアニジノイ
ミダゾ−ルモノハイドロクロリドを固定することによっ
て本発明のフィルターか得られる。
【0011】また、下記式(1)で表される4級窒素を
有する化合物の重合体をコーティング法によりフィルタ
ー表面に導入することによって本発明のフィルターを得
ることができる。本発明のフィルターはカチオン荷電量
の指標となる、アニオン性色素であるトリパンブルー色
素の吸着容量が、色素吸着後の反射吸光度の測定で0.
4の値を越えるものが望ましい。このアニオン性色素で
あるトリパンブルー色素吸着後の反射吸光度を指標とす
ることにより、この値が0.4を越えたフィルターの使
用により血小板を効率的に捕捉し、さらに血小板懸濁液
の通液操作により外来的に何ら活性化剤を加えることな
く血小板顆粒中に含まれる因子の放出が達成される。実
施例に示すようにフィルター表面の処理方法をコントロ
ールすることによりトリパンブルー色素吸着後の反射吸
光度を変化させることが可能である。
【0012】
【化1】
【0013】本発明に使用するフィルターは閉鎖系の形
を取ることができるように設計することが好適である。
閉鎖系の装置に特に限定されるわけではないが、製造途
中での微生物による汚染、製造を行う際の感染等の危険
を低減できるので閉鎖系の装置が望ましい。また、本発
明における装置は既存の血球分離技術と容易に組み合わ
せた形を取ることが可能であり、例えば白血球除去フィ
ルターを流入口の上流、あるいは同一ハウジング内で組
み合わせて配置することも実際上可能である。また、流
出口下流に、細胞を除く、あるいは滅菌するフィルター
等を配置することも可能である。本発明の血小板放出因
子の調製方法では、上記したフィルターを含む装置に血
小板を含む細胞懸濁液を通液させ、通液操作の過程で、
懸濁液中の血小板はフィルターに保持され、かつ、外来
的な活性化剤を加えることなく血小板の顆粒中に含まれ
る因子の放出が達成され、フィルター通過の濾液中に血
小板放出因子が回収される。
【0014】本発明による方法で製造された血小板放出
因子は創傷治癒促進活性を有し、虚血性創傷、褥創など
の難治性の創傷の治療、あるいは火傷など皮膚の再生治
療に用いるが、特にこれらに限定されるわけではなく、
通常の治癒の過程で、血液の漏出や血小板凝集の観察さ
れる創部、組織の再形成部位に適用されうる。さらに効
果的には血行の不足している創部、血流があればより効
率的に再形成が促される組織に適用されることにより、
その治癒、再形成を促進しうる。また血小板そのもの、
あるい血小板顆粒中に含まれる因子(例えばPDGF等)が
効果を示す疾患にも有効である。創部に適用する際には
本発明による創傷治癒促進剤を溶液で塗布することによ
っても治癒が促進されうるが、適用の形態は例えば懸濁
剤、乳剤、ペースト剤等を用いることができる。より効
果的に治癒促進行うには、例えばガーゼに染み込ませて
創部を覆う、あるいは創傷被覆剤や疑似組織として機能
しうる生体適合性材料に含有させて適用してもよい。創
傷被覆剤および生体適合性材料の材質はコラーゲン、ゼ
ラチン、キチン、キトサン、フィブリン等公知のものを
使用することができるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。以下に本発明を実施例を用いて、更に詳細に
説明する
【0015】
【実施例】実施例1(フィルターの表面処理) 特開平4-212373号に開示された方法により平均孔径約5
μmポリウレタン多孔質体を作成した。すなわち、n-メ
チルピロリドンにポリウレタンを終濃度で14.3%になる
よう加え溶解し、孔形成材として塩化カルシウムとメチ
ルセルロースを終濃度がそれぞれ0.02%、14.3%になる
よう加え、脱気しながら80℃で混練してポリウレタンの
ドープを調整した。これを支持体にキャストして水中に
浸漬し、洗浄-乾燥することによりポリウレタン多孔質
体を得た。この多孔質体表面にプラズマ開始グラフト重
合法によりグリシジルメタクリレートを重合した後、ピ
リジン存在下、4級窒素を含有する下記式(2)の化合
物(カチオノンUK、一方社油脂工業社製)あるいは3
級窒素を含有する下記式(3)の化合物(PANFIX
PX、一方社油脂工業社製)の)水溶液に浸漬し16
時間反応をさせた。表1に示すように化合物とピリジン
の濃度を変化させで反応を行いフィルターA、B,C、
D、Eを得た。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【表1】
【0019】実施例2 実施例1と同様に操作して平均孔径約5μmのポリウレ
タン多孔質体を作成した。この多孔質体を4級窒素を含
有する上記式(1)の化合物(エレタットU52水溶液(、
一方社油脂工業製、30wt%))を水で希釈して水溶液を作
成し、この水溶液中に約24分間浸漬しコーティングを
行った。表2に示す各濃度でコーティングを行いフィル
ターF,G,Hを得た。
【0020】
【表2】
【0021】試験例1 実施例1及び2で作製したフィルターをφ25mmセルホル
ダに装着し、0.017mMトリパンブルー水溶液(570nmの吸
収が1.05±0.05)をローラーポンプで22.5ml送液後、さ
らに蒸留水50mlを送液して洗浄した。フィルターを60℃
で2時間乾燥させた後、吸着したトリパンブルー量をDU
AL-WAVELENGTH TLC-SCANNER CS-930(島津製作所)を用い
て599nmでの反射吸光度を5点測定し、未染色膜との差
を算出し、表3に記載した。
【0022】
【表3】
【0023】試験例2 健常人ボランティアより血液を採取し、採血した血液に
ACD溶液を血液量50mlあたり7mlを加えた。この抗凝
固剤添加血液を遠心(135xg、20分)し上層のPRPを回収
した。このPRPをフィルターハウジング中に設置したフ
ィルターに通液し、フィルター通過前後での血小板数の
変化を全自動血球数測定器で計測した。また、フィルタ
ーを通過することによる血小板の顆粒中因子の放出につ
いては、フィルター通過後の液体中に含まれるPDGF-AB
の濃度を測定し指標とした。コントロールとして実験操
作のみを行ったものについても測定した。表4にフィル
ター通過後の血小板数、フィルターの血小板捕捉率
(%)、フィルター通過後のPDGF-AB濃度(ng/ml)を示
した。表4の結果より反射吸光度が0.4を越えるフィ
ルターの使用により、外来的に活性化剤を加えることな
く、血小板顆粒中因子の放出が達成され濾液中に回収さ
れた。
【0024】
【表4】
【0025】試験例3 製造した血小板放出因子を含有する溶液について、マウ
ス線維芽細胞の増殖促進活性を検討した。マウス線維芽
細胞を96孔プレート(コーニング社製)中に3000
個蒔き、0.5%FBSを含むDME培地で16時間培養後、血
小板因子を64倍、256倍、1028倍の希釈倍率と
なるように添加し、3日間培養を続けた。陽性コントロ
ールは10%FBS添加で培養を行った。培養後の細胞数の測
定は、培養液にXTT試薬(ロッシュダイアグノスティッ
ク社製)を50μl加え4時間インキュベート後、450nm
の吸収を測定した。図1より本発明による方法で製造さ
れた血小板放出因子が、線維芽細胞の増殖を促し、創傷
の治癒を促進することが示された。
【0026】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明は、血小板
を含む懸濁液から血小板放出因子を調製する際に使用す
る、3級あるいは4級窒素を含む化合物が少なくとも表
面に存在しているフィルターに関するものであり、ま
た、本発明はそのフィルターを用いて血小板から顆粒中
に含まれる因子を放出させ、血小板放出因子を調製する
方法であるため、簡単な操作で短時間の内に血小板放出
因子が得られ治療に用いることができる。また、クロー
ズドで操作が行えるため、細菌や異物による汚染の機会
が少なく、安心して使用できる血小板放出因子を得るこ
とができる。更に本発明の大きな特徴は、外来の物質で
ある血小板活性化剤等が共存していない血小板放出因子
を調製することができ、血小板活性化剤等による免疫反
応を心配することなく調製した血小板放出因子を得るこ
とができることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る血小板放出因子調製用フ
ィルターを用いて得られた血小板放出因子が、線維芽細
胞の増殖を促し、創傷の治癒を促進することを示す図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血小板を含む懸濁液をフィルターに通液す
    ることにより、血小板を該フィルターに保持させ、か
    つ、血小板から顆粒中に含まれる因子を放出させるため
    のフィルターであって、該フィルターは3級窒素あるい
    は4級窒素を含む化合物が少なくともフィルターの表面
    に存在していることを特徴とする血小板放出因子調製用
    フィルター。
  2. 【請求項2】血小板を含む懸濁液を3級窒素あるいは4
    級窒素を含む化合物が少なくとも表面に存在しているフ
    ィルターに通液し、血小板を該フィルターに保持させ、
    かつ、血小板から顆粒中に含まれる因子を放出させるこ
    とによって血小板放出因子を得る血小板放出因子の調製
    方法。
  3. 【請求項3】前記フィルターがゼータ電位が正値のフィ
    ルターである請求項1または2に記載の血小板放出因子
    調製用フィルター及び血小板放出因子の調製方法。
  4. 【請求項4】前記フィルターが、トリパンブルー色素の
    吸着容量が599nmの反射吸光度で0.4以上である請求項1
    〜3のいずれかに記載の血小板放出因子調製用フィルタ
    ー及び血小板放出因子の調製方法。
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