JP3386740B2 - インバータ回路及び直流電源装置 - Google Patents

インバータ回路及び直流電源装置

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JP3386740B2 JP09585899A JP9585899A JP3386740B2 JP 3386740 B2 JP3386740 B2 JP 3386740B2 JP 09585899 A JP09585899 A JP 09585899A JP 9585899 A JP9585899 A JP 9585899A JP 3386740 B2 JP3386740 B2 JP 3386740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリジェント・パ
ワー・デバイス(以下「IPD」という)として知られ
たスイッチ素子を、パルス幅制御(PWM)するスイッ
チング電源用制御ICとして使用したインバータ回路及
び直流電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、IPDを使用したインバータ回路
及び直流電源装置として、例えば図5に示すものがあ
る。
【0003】図5において、フライバックトランス1
は、1次巻線Np、2次巻線Ns及び補助巻線NSUB
有し、1次巻線Npと2次巻線Nsの電圧は、黒丸のよ
うに極性が反転するように巻線が設けられている。
【0004】フライバックトランス1に対しては、整流
平滑回路2、IPD3を及び補助電源回路6が設けられ
る。即ち、フライバックトランス1の一端は、入力電圧
INのプラス側に接続され、1次巻線Npの他端をIP
D2に接続する。尚、Leは等価的に示す漏れインダン
タクスである。フライバックトランス1の2次巻線Ns
には整流ダイオードD2と平滑コンデンサC2の整流平
滑回路2が接続され、負荷に出力電圧Voを供給する。
更に軽負荷時や無負荷時の出力電圧Voの上昇を防止す
るブリーダ抵抗R2を接続している。
【0005】IPD3は、コントロール端子C、ドレイ
ン端子D及びソース端子Sを有するスイッチング電源用
制御ICであり、PWM制御回路4とパワーMOSFE
T等のスイッチ素子5を内蔵している。IPD3はフラ
イバックトランス1の一次巻線Npと直列にスイッチ素
子5を接続し、PWM制御回路4によるスイッチ素子5
のオン,オフでフライバックトランス1をスイッチング
駆動する。
【0006】即ち、スイッチ素子5のオンで1次巻線N
sに電流を流してエネルギを蓄積し、スイッチ素子5の
オフで1次巻線Nsに蓄積したエネルギを2次巻線Ns
を通し整流ダイオードD2で整流した後に平滑コンデン
サC2に移す。このときPWM制御回路4は、出力電圧
Voを一定値とするようにスイッチ素子5をパルス幅制
御する。
【0007】補助巻線NSUB に接続した補助電源回路6
は、ダイオードD1とコンデンサC1による整流平滑で
IPD3の動作用電源と制御用電流源を生成して入力し
ている。IPD3は、コントロール端子Cに安定動作の
ためバイアス抵抗R1を通してアイドリング電流を流し
込む。また可変抵抗VR1を可変することにより、パル
ス幅制御のための制御電流を可変して、安定化制御する
出力電圧Voの値を設定している。
【0008】フライバックトランス1の一1次巻線Ns
と並列にはCRスナバ回路10が設けられる。CRスナ
バ回路10は、抵抗R3、コンデンサC3及びタイオー
ドD3で構成され、スイッチ素子5のオフ時に漏れイン
ダクタンスLeや1次巻線NpのインダクタンスLpな
どから発生するフライバックエネルギを整流平滑し、抵
抗R3熱に変換することにより吸収し、IPD3のスイ
ッチ素子5に過大なスパイク電圧が加わることを防いで
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のインバータ回路にあっては、スイッチング制
御に使用するIPD3が自己安定動作のためにインバー
タ出力の一部をアイドリング電力に使っており、このた
め、パスル幅制御によるスイッチ素子5のパルス幅を規
定の最小パルス幅以下には狭くならないようにIPD内
部で設定している。
【0010】図6(A)はIPD3の制御入力に対する
インバータ出力の制御特性であり、出力側にブリーダ抵
抗R2を設けていない場合である。この制御特性では、
IPD3の制御入力をゼロから最大ドライブ値まで変化
させても、インバータ出力は最小オン幅の制御入力ico
による最低電力から最大電力までの変化であり、最小オ
ン幅付近で制御の直線性が悪くなり、インバータ出力を
ゼロまで絞ることができない。
【0011】そのため、インバータ回路の出力側に図5
のようにブリーダ抵抗R2を設け、図6(B)の斜線部
のように最低電力をブリーダ抵抗R2で消費させ、図6
(B)の消費電力を図3(A)のインバータ出力から差
し引いた図6(C)のインバータ出力の制御特性とし、
最小オン幅付近の制御入力icoでインバータ出力をゼロ
まで絞るようにしている。
【0012】しかし、図6(C)のインバータ出力の制
御特性を得るためには、ブリーダ抵抗R2を設けること
で、インバータ回路及び直流電源装置の内部でIPD3
の最小オン幅で決まる最低電力を消費させなければなら
ず、待機電力の増加や効率が悪化するという問題点があ
った。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、軽負荷時や無負荷時の待機電力を低減して効率を高
めるようにしたインバータ回路及び直流電源装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。本発明は、1次巻線、2
次巻線及び補助巻線を備え、スイッチング駆動されるフ
ライバックトランスと、2次巻線のスイッチング出力を
整流後に平滑して直流出力電圧を負荷に供給する整流ダ
イオードと平滑コンデンサを備えた整流平滑回路と、ス
イッチ素子とそのパルス幅制御回路を備え、スイッチオ
ンで1次巻線に電流を流してエネルギを蓄積し、スイッ
チオフで1次巻線に蓄積したエネルギを2次巻線を通し
て平滑コンデンサに移し、直流出力電圧を一定値とする
ようにスイッチ素子をパルス幅制御する制御回路(IP
D)と、補助巻線の出力電圧から生成した直流補助電源
及び制御電流源を制御回路に入力する補助電源回路とを
備えたインバータ回路を対象とする。
【0015】このような所謂フライバック型のインバー
タ回路につき本発明は、1次巻線に直列接続した制御回
路のスイッチ素子と並列に、コンデンサとインダクタン
スを直列接続した所定のLC共振周期をもつLCスナバ
回路を接続しし、制御回路はスイッチ素子のパルス幅制
御におけるスイッチオンのパルス幅がそれ以上狭くなら
ない最小オン幅を持ち、LCスナバ回路のLC共振周期
を、制御回路の最小オン幅の2倍乃至20倍に設定し、
スナバ回路のコンデンサの容量を、スイッチオフ時にス
イッチ素子に加わる電圧がスイッチ素子の持つ規定の耐
電圧を越えないように設定し、スナバ回路のインダンタ
ンスの値を、スイッチオフ時にスイッチ素子に流れる電
流が該スイッチ素子の持つ規定の制限電流を越えないよ
うに設定したことを特徴とする。
【0016】このように本発明は、LC共振型のスナバ
回路を設けたことで、制御回路(IPD)がアイドリン
グ電力で動作できるように最小オン幅で動作している時
に、余分なトランスの蓄積エネルギを入力側に回生す
る。このため無負荷時に制御回路が必要とするアイドリ
ング電力を確保するための最小オン幅の動作による余分
なエネルギをブリーダ抵抗で熱として消費させなくと
も、LC共振の回生作用によりエネルギを移すことで負
荷に供給する電力をゼロとすることができる。
【0017】そのためインバータの制御特性が直線特性
となり、また負荷側が待機している無負荷時や軽負荷時
の電源内部での消費電力を小さくできる。
【0018】
【0019】このようにLCスナバ回路のLC共振周期
を制御回路(IPD)の最小オン幅の2倍乃至20倍の
範囲で変化させることで、制御回路の最小オン幅付近で
の制御特性の直線性や負荷側供給電力を任意に変化させ
ることができ、負荷に合わせた設計の自由度が広がる。
【0020】また本発明は、LCスナバ回路のLC共振
周期を、望ましくは制御回路のもつ最小オン幅の4倍と
等しく設定する。このようにLCスナバ回路のLC共振
周期を制御回路のもつ最小オン幅の4倍と等しく設定す
ると、最小オン幅でスイッチ素子をオンした時のLCス
ナバ回路におけるコンデンサで蓄積したエネルギをイン
ダクタンスに流すときの電流がLC直列共振により最大
となり、1次側に対する回生エネルギを最大にできる。
【0021】LCスナバ回路は、スイッチオフ時に1次
巻線のフライバックエネルギをコンデンサで吸収し、次
のスイッチオン時にコンデンサに蓄積したエネルギをイ
ンダクタンスに移し、更に次のスイッチオフのタイミン
グでインダクタンスに蓄積したエネルギを1次巻線側へ
回生する。
【0022】
【0023】更に本発明は、直流電源装置を提供するも
のであり、前述したLCスナバ回路を設けたインバータ
回路回路と、このインバータ回路に交流電源から整流平
滑した直流電圧を入力する整流平滑回路とを備える。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるインバータ
回路の実施形態の回路図である。図1において、本発明
のインバータ回路はフライバックトランス1を有し、フ
ライバックトランス1は1次巻線Np、2次巻線Ns及
び補助巻線NSUB を備えている。1次巻線Npには直列
に漏れインダクタンスLeを等価的に示している。また
1次巻線Np、2次巻線Ns 及び補助巻線NSUB のイン
ダクタンスを( )内にLp,Ls ,LSUB として示し
ている。
【0025】フライバックトランス1に対しては、整流
平滑回路2、制御回路として機能するIPD3及び補助
電源回路6を設けている。整流平滑回路2は2次巻線N
sのスイッチング出力を整流ダイオードD2を整流した
後、平滑コンデンサC2により平滑し、負荷に出力電圧
Voを供給している。
【0026】1次巻線Npと直列に設けたIPD3は、
PWM制御回路4とパワーMOSFET等のスイッチ素
子5を内蔵している。このようなIPD3としては、例
えば松下電子工業製のMIPO223等を使用すること
ができる。
【0027】IPD3のパルス幅制御回路4は、スイッ
チ素子5をオン,オフ駆動することにより出力電圧Vo
を一定値に制御する。スイッチ素子5がオンすると、入
力電圧VINによりフライバックトランス1の1次巻線N
pに直流電流が流れ、エネルギが蓄積される。スイッチ
素子5がオフすると、1次巻線Npに蓄積されたエネル
ギは2次巻線Nsを通って整流ダイオードD2で整流さ
れた後、平滑コンデンサC2に充電され、同時に負荷に
供給される。
【0028】補助巻線NSUB に対し設けられた補助電源
回路6は、フライバックトランス1のスイッチング駆動
で得られたスイッチング出力をダイオードD1で整流し
てコンデンサC1により平滑し、これによってIPD3
に対する動作電源を作り出し、同時にIPD3のパルス
幅制御回路4に対する制御電流源を生成している。
【0029】補助電源回路6とIPDのコントローラ端
子C、即ちPWM制御回路4の入力との間にはバイアス
抵抗R1が設けられ、バイアス抵抗R1により無負荷時
にIPDが安定動作するためのアイドリング電流を流し
込んでいる。またバイアス抵抗R1に並列接続された可
変抵抗VR1は、IPD3に対する入力電流を制御する
もので、VR1を変化させることで負荷に対する出力電
圧Voの一定値を所定の範囲で可変設定することができ
る。
【0030】このようなフライバック型のインバータ回
路につき、本発明にあっては、フライバックトランス1
の1次側にLCスナバ回路7を新たに設けている。LC
スナバ回路7は、スナバコンデンサC3、スナバインダ
クタンスL1及び逆流阻止用ダイオードD3,D4で構
成される。即ち、フライバックトランス1の1次巻線N
pに直列接続したIPD3のスイッチ素子5と並列にス
ナバコンデンサC3とスナバインダクタンスL1の直列
共振回路を接続している。
【0031】スナバコンデンサC3とスナバインダクタ
ンスL1との間には、エネルギの移動方向を決める逆流
阻止用ダイオードD4が設けられる。更にスナバコンデ
ンサC3と逆流阻止用ダイオードD4の間からは、1次
側にエネルギを回生するための逆流阻止ダイオードD3
を挿入した経路が設けられている。
【0032】LCスナバ回路7は、負荷に対する供給電
力がない無負荷時におけるIPD3の最小オン幅tMIN
の動作状態でスイッチ素子5がオフの時、フライバック
トランス1のスイッチング動作で生じた不要なフライバ
ックエネルギをスナバコンデンサC3で吸収し、次のス
イッチ素子5のオン時にスナバコンデンサC3に蓄えて
いたエネルギをスナバインダクタンスL1に移し、更に
次のスイッチ素子5のオフのタイミングでスナバインダ
クタンスL1のエネルギをダイオードD4,D3を介し
て入力側に回生する。
【0033】LCスナバ回路7による最小オン幅tMIN
の無負荷動作時におけるフライバックトランス1からの
余分なエネルギの回生効率を最大とするためには、IP
D3の最小オン幅tMIN の4倍とLCスナバ回路7のス
ナバコンデンサC3とスナバインダクタンスL1で決ま
る共振周期を等しくする。即ち、LCスナバ回路7の共
振周期tLC
【0034】
【数1】
【0035】であることから、IPD3の最小オン幅t
MIN との間に
【0036】
【数2】
【0037】の関係が成立するように、スナバコンデン
サC3の容量及びスナバインダクタンスL1の値を設定
する。
【0038】更に(2)式の条件を満足するスナバコン
デンサC3の容量値の設定は、スイッチ素子5がオフし
た時のIPD3に設けているスイッチ素子5の耐電圧を
D(MAX)とすると、LCスナバ回路7のスイッチ素子5
のオフ時に加わる電圧が、このIPD帯電圧VD(MAX)
越えないように設定する。即ち
【0039】
【数3】
【0040】を満足するようなスナバコンデンサC3の
容量値を設定する。
【0041】またスナバインダクタンスL1の値につい
ては、スイッチ素子5がオンした時に流れる電流がIP
D3の制限電流ID(MAX)を越えない値となるように設定
する。即ち
【0042】
【数4】
【0043】となる条件を満足するようにスナバインダ
クタンスL1の値を設定する。
【0044】更にLCスナバ回路7の(1)式で与えら
れる共振周期tLCを、回生エネルギを最大とするために
は前記(2)式のようにIPD3の最小オン幅tMIN
4倍に等しくしているが、エネルギ回生作用はLC共振
周期TLCをIPD3の最小オン幅tMIN の2倍乃至20
倍、即ち2tMIN 〜20tMIN の範囲で可変して、回生
するエネルギを調整することで、インバータの最小オン
幅に相当する制御エネルギ付近での制御特性の直線性や
負荷側供給電力を任意に変化させることができる。
【0045】このような本発明におけるLCスナバ回路
7の条件を整理すると次のようになる。
【0046】回生エネルギを最大とするためには、I
PDの最小オン幅tMIN の4倍とL1,C3の共振周期
LCを等しくする。また、必要に応じて共振周期tLC
IPDの最小オン幅tMIN の2倍乃至20倍の範囲で任
意に設定する。
【0047】スナバコンデンサC3の容量値をインバ
ータオフ時のIPD帯電圧VD(MAX)に等しいか越えない
値にする。スナバインダクタンスL1の値をインバー
タオフ時のIPD制限電流ID(MAX)に等しいか越えない
値とする。
【0048】図2は、図1のインバータ回路におけるI
PD3に対する制御入力とインバータ出力の特性を示し
た説明図である。まず図2(A)は図1においてLCス
ナバ回路7を設けていない場合の特性であり、IPD制
御入力が最小オン幅を与える制御入力ico以下ではイン
バータ出力は最低電力PMIN の一定値であり、最小オン
幅に対応した制御入力icoからの増加に対応して直線的
にインバータ出力が増幅する。このようなインバータの
出力特性では、IPD3の制御入力を絞ってもインバー
タ出力は最低電力PMIN までしか下がらず、ゼロにする
ことができない。
【0049】そこで図5の従来回路にあっては、出力側
にブリーダ抵抗R2を接続し、ブリーダ抵抗R2に電流
を流して熱として消費させることで、IPD制御入力を
絞った時に最小オン幅に対応した制御入力icoでインバ
ータ出力をゼロに絞れるようにしているが、これでは電
源内部でエネルギが無駄に消費される。
【0050】これに対し図1の本発明の実施形態にあっ
ては、フライバックトランス1の1次側にLCスナバ回
路7を設け、IPD3の最小オン幅tMIN の4倍とスナ
バコンデンサC3とスナバインダクタンスL1による共
振周期tLCを(2)式に示したように等しくすること
で、図2(B)の斜線部で示すLCスナバ回路7による
回生電力の特性が得られる。
【0051】このため、図1のインバータ回路の全体の
出力特性は図2(C)のように、図2(A)の特性から
LCスナバ回路7による回生電力の特性を差し引いた特
性となり、最小オン幅に対応した制御入力icoでインバ
ータ出力をゼロに絞ることができ、図2(A)に比べ直
線性も十分に改善されている。
【0052】次に図3のタイムチャートを参照して図1
のインバータ回路に設けたLCスナバ回路7によるエネ
ルギの回生作用を詳細に説明する。
【0053】図3は、図1のインバータ回路において、
IPD3に対する制御入力が最小オン幅tMIN の動作状
態、即ち無負荷状態でスイッチ素子5となるパワーMO
SFETのドレイン,ソース間電圧VDS、2次巻線Ns
を流れる電流ILP、スナバコンデンサC3の電圧VC3
スナバコンデンサC3からスナバインダクタンスL1に
流れる電流IL1、更に1次側に流れる回生電流を示して
いる。
【0054】まず初期状態にあっては、スナバコンデン
サC3は充電されておらず、最初のスイッチ素子5のオ
ンによるで示す最小オン幅tMIN により1次巻線Np
に微小な電流ILPが流れ、スイッチ素子5がオフすると
電流ILPはゼロに戻る。この最初のタイミングにあっ
ては、図4のようにスイッチ素子5がオンとなり、1
次巻線NpのインダクタンスLpに電流ILPが流れ、こ
の電流ILP
【0055】
【数5】
【0056】で与えられる。
【0057】スイッチ素子5が最小オン幅tMIN でオン
した後にオフする図3のタイミングにあっては、スイ
ッチオフに伴って生じた余分なエネルギが1次巻線Np
からスナバコンデンサC3に吸収され、スナバコンデン
サC3の電圧VC3が充電されてある値に増加する。
【0058】こののタイミングは図4の等価回路の
ように、1次巻線Npのスイッチオフに伴う余分なエネ
ルギの電流ILPでスナバコンデンサC3を充電し、エネ
ルギを吸収させている。この時のスナバコンデンサC3
の充電電圧VC3は
【0059】
【数6】
【0060】で与えられる。
【0061】次に図3で次の最小オン幅tMIN によるI
PD3のスイッチ素子5のオン動作が行われるのタイ
ミングにあっては、図4の等価回路のようにスナバコ
ンデンサC3に吸収されたエネルギが、オンしたスイッ
チ素子5を通ってスナバインダクタンスL1に共振電流
L1が次式の流れる。
【0062】
【数7】
【0063】この時の電流IL1は、前記(2)式のよう
に、IPD3の最小オン時間tMINの4倍がL1,C3
の共振周期tLCと等しい時に最大となる。
【0064】続いてスイッチ素子5がオフするのタイ
ミングにあっては、図4のようにスナバインダクタン
スL1に蓄えられた励磁エネルギがダイオードD4,D
3を通って入力側へ回生される。この時の回生電力はI
PDによるスイッチング周波数をfとすると
【0065】
【数8】
【0066】で与えられる。
【0067】以下、同様なタイミング〜の動作を繰
り返し、図2(C)に示したようなフライバックトラン
スのスイッチングの余分なエネルギを入力側に回生し、
出力側にブリーダ抵抗を設けることなく最小オン幅の制
御入力でインバータ出力をゼロに絞ることのできる出力
特性を得ることができる。
【0068】次に図1のインバータ回路を使用した本発
明による直流電源装置としては、図1のインバータ回路
に入力している入力電圧VINを、交流電源の整流平滑に
より作り出す整流平滑回路を設けることで、所謂スイッ
チングレギュレータ電源装置として使用することができ
る。
【0069】尚、本発明は上記の実施形態に限定され
ず、その目的と利点を損なわない適宜の変形を含む。ま
た本発明は上記の実施形態による数値の限定は受けな
い。
【0070】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、フライバックトランスを用いた所謂フライバック型
のインバータ回路において、その1次側にコンデンサと
インダクタンスを直列接続したLCスナバ回路を設け、
フライバックトランスのスイッチング駆動に使用する制
御回路としてのIPDにおいて、アイドリング時の最低
電力を確保するための最小オン幅の動作時即ち無負荷動
作時に、インバータ出力に現れる余分なエネルギをLC
スナバ回路により1次側に回生することで、無負荷時の
最小オン幅の動作状態でのインバータ出力を0に絞るこ
とができ、インバータの制御特性の直線性を確保でき
る。
【0071】また、従来のようにブリーダ抵抗に不要な
エネルギを消費させずに入力側に回生していることか
ら、負荷側待機状態にある無負荷状態での内部的な消費
電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示した回路図
【図2】図1のインバータ出力特性を示した説明図
【図3】図1の各部の動作波形を示したタイムチャート
【図4】図7の〜の各タイミングにおける動作の等
価回路図
【図5】従来例の回路図
【図6】図5の従来例のインバータ出力特性を示した説
明図
【符号の説明】
1:フライバックトランス 2:整流平滑回路 3:IPD(制御回路) 4:PWM制御回路 5:スイッチ素子 6:補助電源回路 7:LCスナバ回路 Np:1次巻線 Ns:2次巻線 NSUB :補助巻線 D1,D2:整流タイオード D3,D4:逆流阻止ダイオード C1,C2:平滑コンデンサ C3:スナバコンデンサ L1:スナバインダクタンス L2:洩れインダクタンス Lp:1次巻線インダクタンス Ls:2次巻線インダクタンス Lsub :補助巻線インダクタンス R1:バイアス抵抗(アイドリング電流用) VR1:可変抵抗(入力電流制御用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次巻線、2次巻線及び補助巻線を備え、
    スイッチング駆動されるフライバックトランスと、前記
    2次巻線のスイッチング出力を整流後に平滑して直流出
    力電圧を負荷に供給する整流ダイオードと平滑コンデン
    サを備えた整流平滑回路と、 スイッチ素子とそのパルス幅制御回路を備え、スイッチ
    オンで前記1次巻線に電流を流してエネルギを蓄積し、
    スイッチオフで前記1次巻線に蓄積したエネルギを2次
    巻線を通して前記平滑コンデンサに移し、直流出力電圧
    を一定値とするように前記スイッチ素子をパルス幅制御
    する制御回路と、 前記補助巻線の出力電圧から生成した直流補助電源及び
    制御電流源を前記制御回路に入力する補助電源回路と、 を備えたインバータ回路に於いて、 前記1次巻線に直列接続した前記制御回路のスイッチ素
    子と並列に、コンデンサとインダクタンスを直列接続し
    た所定のLC共振周期をもつLCスナバ回路を接続し、前記制御回路は前記スイッチ素子のパルス幅制御におけ
    るスイッチオンのパルス幅がそれ以上狭くならない最小
    オン幅を持ち、前記LCスナバ回路のLC共振周期を、
    前記制御回路の最小オン幅の2倍乃至20倍に設定し、
    前記スナバ回路のコンデンサの容量を、スイッチオフ時
    に前記スイッチ素子に加わる電圧が該スイッチ素子の持
    つ規定の耐電圧を越えないように設定し、前記スナバ回
    路のインダンタンスの値を、スイッチオフ時に前記スイ
    ッチ素子に流れる電流が該スイッチ素子の持つ規定の制
    限電流を越えないように設定した ことを特徴とするイン
    バータ回路。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインバータ回路に於いて、
    前記LCスナバ回路のLC共振周期を望ましくは前記制
    御回路のもつ最小オン幅の4乃至20倍と等しく設定す
    ることを特徴とするインバータ回路。
  3. 【請求項3】請求項1乃至のいずれかに記載のインバ
    ータ回路に於いて、前記スナバ回路は、スイッチオフ時
    に1次巻線のフライバックエネルギをコンデンサで吸収
    し、次のスイッチオン時にコンデンサに蓄積したエネル
    ギをインダクタンスに移し、更に次のスイッチオフのタ
    イミングでインダクタンスに蓄積したエネルギを前記1
    次巻線側へ回生することを特徴とするインバータ回路。
  4. 【請求項4】請求項1乃至のいずれかに記載のインバ
    ータ回路と、該インバータ回路に交流電源から整流平滑
    した直流電圧を入力する整流平滑回路とを備えたことを
    特徴とする直流電源装置。
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