JP3386266B2 - 耐haz軟化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐haz軟化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルテンサイト系耐熱
鋼に関するものであり、更に詳しくは高温・高圧環境下
で使用する耐HAZ軟化特性に優れたマルテンサイト系
耐熱鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火力発電ボイラの操業条件は高
温、高圧化が著しく、一部では566℃、316bar で
の操業が計画されている。将来的には649℃、352
bar までの条件が想定されており、使用する材料には極
めて苛酷な条件となっている。操業温度が550℃を超
える場合において、使用材料の選択にあたり、耐酸化
性、高温強度の点から例えば、フェライト系の2・1/
4Cr−1Mo鋼から、18−8ステンレス鋼のごとく
オーステナイト系の高級鋼へと、材料特性においてもま
たコストの面からも過度に高い材料を使用しているのが
現状である。
【0003】2・1/4Cr−1Mo鋼とオーステナイ
ト系ステンレス鋼の中間を埋めるための鋼材は過去数十
年間模索されている。Cr量が中間の9Cr,12Cr
等のボイラ鋼管は以上の背景をもとに開発された耐熱鋼
であり、母材成分として各種合金元素を添加して析出強
化、あるいは固溶強化によってオーステナイト鋼並の高
温強度、クリープ強度を達成している鋼もある。
【0004】耐熱鋼のクリープ強度は、短かい時効時間
においては固溶強化に、長い時効時間においては析出強
化にそれぞれ支配される。これは、最初鋼中に固溶して
いる固溶強化元素が、時効によって多くの場合M236
等の安定な炭化物として析出するためであり、更に長時
間の時効ではこれら析出物が凝集粗大化するために、ク
リープ強度は低下する。従って耐熱鋼のクリープ強度を
高く保つために、固溶強化元素を如何に長時間に亘って
析出させずに鋼中に固溶状態でとどめておくかについて
多くの研究がなされてきた。
【0005】例えば特開昭63−89644号公報、特
開昭61−231139号公報、特開昭62−2974
35号公報等に、Wを固溶強化元素として使用すること
で、従来のMo添加型フェライト系耐熱鋼に比較して飛
躍的に高いクリープ強度を達成できるフェライト系耐熱
鋼に関する開示がある。これらは多くの場合、組織が焼
き戻しマルテンサイト単相であり、耐水蒸気酸化特性に
優れたフェライト鋼の優位性と、高強度の特性が相俟っ
て、次世代の高温・高圧環境下で使用される材料として
期待されている。
【0006】一方、フェライト系の耐熱材料は、オース
テナイト単相領域からフェライト+炭化物析出相へと、
熱処理の際の冷却に伴って発生する相変態が過冷却現象
を呈し、その結果として生ずる大量の転移を内包したマ
ルテンサイト組織もしくはその焼き戻し組織の高い強度
を利用している。従って、この組織が再びオーステナイ
ト単相領域まで再加熱されるような熱履歴を受ける場
合、例えば溶接熱影響を受ける場合においては、高密度
の転移が再び解放されてしまい、溶接熱影響部におい
て、局部的な強度の低下が起きる場合がある。特にフェ
ライト−オーステナイト変態点以上に再加熱された部位
の中で、変態点近傍の温度、例えば9%Cr鋼において
は900〜1000℃程度まで加熱されて、短時間のう
ちに再び冷却された部位は、オーステナイト結晶粒が十
分に成長しないうちに再度マルテンサイト変態を起こし
て細粒組織となり、しかも材料強度を析出強化によって
向上させる主要な因子であるM236 型炭化物が再固溶
せずに、その構成成分を変質したり、あるいは粗大化す
る等の、高温強度低下を招く機構が複合して作用し、局
部的な軟化域となる場合がある。この軟化域生成現象を
以降便宜的に「HAZ軟化」と称する。
【0007】本発明者らは、当該軟化域について詳細な
研究を重ね、その強度低下は、主にM236 型炭化物の
構成元素の変化にあることを見いだし、更なる検討の結
果、高強度マルテンサイト系耐熱鋼の特に固溶強化に不
可欠の元素であるMoあるいはWが、該溶接熱影響を受
ける最中に、M236 中の構成金属元素M中に大量に固
溶し、細粒化した組織の粒界上に析出し、その結果オー
ステナイト粒界近傍にMoあるいはW欠乏相が生成し
て、クリープ強度の局部低下につながることを見いだし
た。
【0008】従って、溶接熱影響によるクリープ強度の
低下は、耐熱材料にとって致命的であり、熱処理、溶接
施工法の最適化等の従来技術では、問題点を根本的に解
決することが不可能であることが明らかである。しか
も、唯一の解決策と考えられる溶接部を再び完全オース
テナイト化する対策の適用は、発電プラントの建設施工
プロセスを考慮すれば不可能であることは自明であり、
従来の耐熱マルテンサイト鋼あるいはフェライト鋼では
「HAZ軟化」現象が不可避であることが明らかであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来鋼の欠点、すなわちM236 型炭化物の変質、粗大
化に起因する溶接熱影響部の局部軟化域生成を回避する
べく、M236 型炭化物の組成制御および析出サイズの
制御を可能ならしめるものであって、Ti,Ta,Z
r,Hfを含有し、そして、専用の製造工程を組み合わ
せることで「HAZ軟化」域の生成しない、耐HAZ軟
化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、その要旨とするところ
は、質量%で、 C :0.01〜0.30%、 Si:0.02〜0.
80%、 Mn:0.20〜1.00%、 Cr:5.00〜1
8.00%、 Mo:0.005〜1.00%、W :0.20〜3.
50%、 V :0.02〜1.00%、 Nb:0.01〜0.
50%、 N :0.01〜0.25%を含有し、加えて、 Ti:0.005〜2.0%、 Zr:0.005〜
2.0%、 Ta:0.005〜2.0%、 Hf:0.005〜
2.0% の1種または2種以上を単独あるいは複合して含有し、 P :0.03%以下、 S :0.010%以
下、 O :0.020%以下に制限し、あるいは更に Co:0.1〜5.0%、 Ni:0.1〜5.0
%、 Cu:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有
し、 かつ、M236 型炭化物の金属成分M中に占める(Ti
%+Zr%+Ta%+Hf%)の値が5〜65%であ
り、残部がFeおよび不可避の不純物よりなることを特
徴とする耐HAZ軟化特性に優れたマルテンサイト系耐
熱鋼。および、 質量%で、 C :0.01〜0.30%、 Si:0.02〜0.
80%、 Mn:0.20〜1.00%、 Cr:5.00〜1
8.00%、 Mo:0.005〜1.00%、W :0.20〜3.
50%、 V :0.02〜1.00%、 Nb:0.01〜0.
50%、 N :0.01〜0.25%を含有し、加えて、 P :0.03%以下、 S :0.010%以
下、 O :0.020%以下に制限し、あるいは更に Co:0.1〜5.0%、 Ni:0.1〜5.0
%、 Cu:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有し
残部がFeおよび 不可避の不純物よりなる鋼を溶製、精
錬し、 Ti:0.005〜2.0%、 Zr:0.005〜
2.0%、 Ta:0.005〜2.0%、 Hf:0.005〜
2.0% の1種または2種以上を単独あるいは複合して 鋳造直前
の10分間に添加し、連続鋳造、熱間圧延後、固溶化熱
理を施し、950〜1000℃にて一時冷却を停止し
て同温度で5〜60分保持することを特徴とする耐HA
Z軟化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼の製造方法
である。
【0011】
【作用】以下本発明を詳細に説明する。最初に、本発明
において各成分範囲を前記のごとく限定した理由を以下
に述べる。Cは強度の保持に必要であるが、0.01%
未満では強度確保に不十分であり、0.30%超の場合
には溶接熱影響部が著しく硬化し、溶接時低温割れの原
因となるため、範囲を0.01〜0.30%とした。S
iは耐酸化性確保に重要で、かつ脱酸剤として必要な元
素であるが、0.02%未満では不十分であって、0.
80%超ではクリープ強度を低下させるので0.02〜
0.80%の範囲とした。
【0012】Mnは脱酸のためのみでなく強度保持上も
必要な成分である。効果を十分に得るためには0.20
%以上の添加が必要であり、1.00%を超すと、クリ
ープ強度が低下する場合があるので、0.20〜1.0
0%の範囲とした。Crは耐酸化性に不可欠の元素であ
って、同時にCと結合してCr236 ,Cr7 3 等の
形態で母材マトリックス中に微細析出することでクリー
プ強度の上昇に寄与している。耐酸化性の観点から、下
限は5.0%とし、上限は高温強度を確保すべく、マル
テンサイト一相の組織を達成する限度を考慮し18.0
%とした。
【0013】Wは固溶強化によりクリープ強度を顕著に
高める元素であり、特に550℃以上の高温において長
時間のクリープ強度を著しく高める。3.5%を超えて
添加すると金属間化合物として粒界を中心に大量に析出
し母材靱性、クリープ強度を著しく低下させるため、上
限を3.5%とした。また、0.20%未満では固溶強
化の効果が不十分であるので下限を0.20%とした。
Moも固溶強化により、高温強度を高める元素である
が、0.005%未満では効果が不十分であり、1.0
0%超ではMo2 C型の炭化物の大量析出、あるいはM
2 Fe型の金属間化合物析出によってWと同時に添加
した場合に母材靱性を著しく低下させる場合があるので
上限を1.00%とした。
【0014】Vは析出物として析出しても、Wと同様に
マトリックスに固溶しても、鋼の高温クリープ破断強度
を著しく高める元素である。本発明においては0.02
%未満ではV析出物による析出強化が不十分であり、逆
に1.00%を超えるとV系炭化物あるいは炭窒化物の
クラスターが生成して靱性低下をきたすために添加の範
囲を0.02〜1.00%とした。NbはMX型の炭化
物、もしくは炭窒化物としての析出によって高温強度を
高め、また固溶強化にも寄与する。0.01%未満では
添加効果が認められず、0.50%を超えて添加する
と、粗大析出し、靱性を低下させるので添加範囲を0.
01〜0.50%に限った。Nはマトリックスに固溶あ
るいは窒化物、炭窒化物として析出し、主にVN,Nb
N、あるいはそれぞれの炭窒化物の形態をとって固溶強
化にも析出強化にも寄与する。0.01%未満の添加で
は強化への寄与はほとんどなく、また最大18%までの
Cr添加量に応じて溶鋼中に添加できる上限値を考慮し
て添加限度を0.25%とした。
【0015】Ti,Zr,Ta,Hfの添加は本発明の
根幹をなす部分であり、まさにこれらの元素の添加が、
本発明の製造工程と相俟って「HAZ軟化」の回避を実
現する。Ti,Zr,Ta,Hfは本発明鋼の成分系に
おいてCとの親和力が極めて強く、M236 の構成金属
元素としてM中に固溶し、M236 の分解温度を上昇さ
せる。従って、「HAZ軟化」域におけるM236 の粗
大化阻止に有効である。しかも、W,MoのM236
への固溶を妨げ、従って析出物周囲のW,Moの欠乏相
を生成しない。これらの元素は単独であるいは2種以上
を複合して添加してもよく、各々最低0.005%から
既に効果があり、単体で2.0%以上の添加は粗大なM
X型炭化物を生成して靱性を劣化させるため、その添加
範囲を各々0.005〜2.0%とした。
【0016】P,S,Oは本発明鋼においては不純物と
して混入してくるが、本発明の効果を発揮する上で、
P,Sは強度を低下させ、Oは酸化物として析出して靱
性を低下させるのでそれぞれ上限値を0.03%,0.
01%,0.02%とした。
【0017】以上が本発明の基本成分であるが、本発明
においてはこの他に用途に応じて、Ni,Co,Cuの
うち1種または2種以上をそれぞれNiは0.1〜5.
0%、Coは0.1〜5.0%、Cuは0.1〜2.0
%含有させることができる。Ni,Co,Cuはいずれ
も強力なオーステナイト安定化元素であり、特に大量の
フェライト安定化元素、すなわちCr,W,Mo,T
i,Zr,Ta,Hf,Si等を添加する場合におい
て、完全マルテンサイトもしくはその焼き戻し組織を得
るために必要であり、かつ有用である。同時にNiは靱
性の向上、Coは強度の向上、Cuは強度と耐食性の向
上にそれぞれ効果がある。各々0.1%未満では効果が
不十分であり、5.0%を超えて添加する場合には粗大
な金属間化合物の析出あるいはCuの場合には粒界に沿
ってフィルム状に析出することが避けられない。これら
の各元素は0.2%以上含有することにより顕著な効果
があらわれる。従って、それぞれの添加範囲を0.1〜
5.0%、望ましくは0.2〜5.0%とする。
【0018】上記Ti,Zr,Ta,Hfの添加効果を
適切に発現させるためには、溶接熱影響部に存在するM
236 型炭化物の金属成分M中に占める(Ti%+Zr
%+Ta%+Hf%)の値が5〜65%となる必要があ
って、そのためにTi,Zr,Ta,Hfを鋼中で適切
な炭化物の形で析出させるべく、Ti,Zr,Ta,H
fを鋳造直前の10分間に添加し、かつ固溶化熱処理後
の冷却を950〜1000℃にて一時停止して同温度で
5〜60分保持することで析出形態を制御しなければな
らない。以上の製造プロセスによって、後の焼き戻し処
理時に析出する、Crを主体とするM236 の析出核と
して利用することができる。また、以上の製造プロセス
を適用することによって、初めてTi,Zr,Ta,H
fの添加効果が適切に発現し、本発明の目的が達成され
るのであって、本発明の化学成分を調整した材料を単純
に従来の製造工程をもって製造しても本発明の意図する
効果は得られない。すなわち溶接熱影響部に存在するM
236 型炭化物の金属成分M中に占める(Ti%+Zr
%+Ta%+Hf%)の値を5〜65%に制御すること
はできない。
【0019】以上の製造工程および炭化物の組成範囲は
以下に記述する実験によって決定した。Ti,Zr,T
a,Hfを除いて、請求項に示す範囲の組成を有する鋼
をVIM(真空誘導加熱炉),EF(電気炉)で溶製
し、AOD(Ar酸素吹き脱炭精錬装置),VOD(真
空排気酸素吹き脱炭装置),LF(溶鋼取鍋精錬装置)
を選んで使用し、連続鋳造装置にて鋳造し、210×1
600mmの断面を有するスラブとした。Ti,Zr,T
a,HfはそれぞれVIMまたはEFでの溶解開始時、
溶解中、溶解終了前5分、AOD,VOD,LFの精錬
工程開始時、精錬工程終了10分前の各々の時期に添加
して、添加時期の鋳造後の析出物組成および形状に与え
る影響を調査した。鋳造したスラブは2〜5m長さに切
断し、厚さ25.4mmの厚板とし、最高加熱温度110
0℃、保持時間1時間の条件で固溶化熱処理を施し、そ
の後の冷却過程で、1050℃,1000℃,950
℃,900℃,850℃,800℃の各温度において最
長24時間の冷却停止、同温度の炉内保持を行い、空冷
後に析出物の残渣抽出分析とともに、X線微小部分析装
置付き透過型電子顕微鏡を用いて炭化物の析出形態を調
査した。
【0020】更に、得られた厚板は780℃で1時間焼
き戻し処理を行い、図1に示す、開角度45度のV型突
き合わせ溶接開先加工を施して溶接実験に供した。溶接
はTIG溶接にて実施し、入熱条件はマルテンサイト系
耐熱材料に一般的な15000J/cmを選択した。溶接し
た継手試料は740℃で6時間の溶接後熱処理を施し、
そのHAZ部分から図2に示す要領で、透過電子顕微鏡
用試料および抽出残渣分析用試験片を採取した。
【0021】図3はTi,Zr,Ta,Hfの添加時期
と、鋼中Ti,Zr,Ta,Hfの析出物としての存在
形態の関係を示す図である。Ti,Zr,Ta,Hfの
析出物がM236 の析出核となり、M236 の構成金属
元素M中に固溶するためにはTi,Zr,Ta,Hfは
予め微細な炭化物として存在していなければならず、そ
のためには酸素濃度の低い状態、すなわちVODもしく
はLF精錬中で、かつ連続鋳造10分前に添加しなけれ
ばならないことがわかる。電子顕微鏡観察によってこの
時の炭化物の平均サイズは約0.15μmであることが
判明した。
【0022】図4は固溶化熱処理後の冷却停止温度およ
びその保持時間と析出炭化物の大きさの関係を示す図で
ある。この場合の製造工程はEF−LF−CCに限定し
た。析出炭化物の平均サイズは、冷却停止および保持温
度950℃と1000℃において最も小さく、保持時間
5〜60分において再析出が確認できて、なおかつ平均
サイズを最も小さくすることができた。
【0023】なお、これらの炭化物の組成はTi,Z
r,Ta,Hfを主体とするMX型炭化物であること
が、X線微小部分装置による分析で明らかとなった。種
々の温度で固溶化熱処理後の冷却を停止し、30分保持
した後更に空冷した試料についての780℃焼き戻し、
更には溶接および溶接後熱処理を施した後の溶接熱影響
部の主要析出物の形態、組成を冷却停止温度との関係に
整理したのが図5である。焼き戻し処理前で最も微細な
析出形態をとった炭化物(一時冷却停止温度が950℃
および1000℃であった鋼の炭化物)は、M236
析出核となり、焼き戻し処理中に析出したM236 と相
互に固溶して最終的にM236 型炭化物となり、構成金
属元素M中にはTi,Zr,Ta,Hfが5〜65%の
割合で固溶していることがわかる。
【0024】図6は溶接熱影響部に存在するM236
炭化物中に占めるTi%+Zr%+Ta%+Hf%の値
M%と、溶接熱影響部のクリープ破断強度と母材部のク
リープ破断強度の差D−CRS(MPa)の関係を示す図で
ある。M%が5〜65の間にあれば、溶接熱影響部のク
リープ破断強度は母材部の破断強度に比較して最大7MP
a しか低下せず、この差異は母材のクリープ破断強度の
データの偏差10MPa以内であるので、溶接熱影響部は
もはやHAZ軟化現象を示さないことがわかる。Ti,
Zr,Ta,Hfを構成金属元素M中に5〜65%含有
するM236 型炭化物は通常のCrを主体とするM23
6 に比較して分解温度が高く、溶接熱影響を受けた場合
でも凝集粗大化しにくく、しかも、化学親和力および状
態図からW,MoがTi,Zr,Ta,Hfに代わっ
て、あるいは更に加わって固溶することが極めて困難で
あることが、上記の実験結果をもたらしたものと結論で
きる。
【0025】以上の結果をもって、本発明の製造工程を
請求項に述べたごとく決定した。本発明の製造工程を適
用しなければ、請求項に示す化学成分の鋼を通常工程で
製造しても、溶接熱影響部の炭化物M236 の組成を請
求項に述べたものとすることは不可能である。
【0026】本発明鋼の溶解方法は全く制限がなく、転
炉、誘導加熱炉、アーク溶解炉、電気炉等、鋼の化学成
分とコストを勘案して使用プロセスを決定すればよい。
ただし、精錬工程はTi,Zr,Ta,Hfを添加でき
るホッパーを備え、しかも溶鋼中の酸素濃度をこれら添
加元素の90%以上が炭化物として析出できる程度に十
分低く制御できる能力がなければならない。従ってAr
気泡吹き込み装置やアーク加熱もしくはプラズマ加熱機
を装備したLFあるいは真空脱ガス処理装置を適用する
ことが有益であって、本発明の効果を高めるものであ
る。また、後続する圧延工程、あるいは鋼管を製造する
に当たっては製管圧延工程においては、析出物の均一再
固溶の目的とする固溶化熱処理が必須であって、その冷
却過程において冷却停止保持が可能な設備、具体的には
最高1000℃まで加熱可能な炉を必要とする。それ以
外の製造工程、具体的には圧延、熱処理、製管、溶接、
切断、検査等の本発明によって鋼または鋼製品を製造す
る上で必要または有用と考えられるあらゆる製造工程
は、これを適用することができて、本発明の効果をなん
ら妨げるものではない。
【0027】特に、鋼管の製造工程としては、本発明の
製造工程を必ず含む条件の下に、丸ビレットあるいは角
ビレットへ加工した後に、熱間押し出し、あるいは種々
のシームレス圧延法によってシームレスパイプおよびチ
ューブに加工する方法、薄板に熱間圧延、冷間圧延した
後に電気抵抗溶接によって電縫鋼管とする方法、および
TIG,MIG,SAW,LASER,EB溶接を単独
で、あるいは併用して溶接鋼管とする方法が適用でき
て、更には以上の各方法の後に熱間あるいは温間でSR
(絞り圧延)ないしは定形圧延、更には各種矯正工程を
追加実施することも可能であり、本発明鋼の適用寸法範
囲を拡大することが可能である。
【0028】本発明鋼は更に、厚板および薄板の形で提
供することも可能であり、必要とされる熱処理を施した
板を用いて種々の耐熱材料の形状で使用することが可能
であって、本発明の効果に何ら影響を与えない。加えて
更に、HIP(熱間等方静水圧加圧焼結装置),CIP
(冷間等方静水圧加圧成形装置),焼結等の粉末冶金法
を適用することも可能であって、成形処理後に必須の熱
処理を加えて各種形状の製品とすることができる。
【0029】以上の鋼管、板、各種形状の耐熱部材には
それぞれ目的、用途に応じて各種熱処理を施すことが可
能であって、また本発明の効果を十分に発揮する上で重
要である。通常は焼準(固溶化熱処理)+焼き戻し工程
を経て製品とする場合が多いが、これに加えて再焼き戻
し、焼準工程を単独で、あるいは併用して施すことが可
能であり、また有用である。ただし、固溶化熱処理後の
冷却停止および保持は必須である。窒素あるいは炭素含
有量が比較的高い場合およびCo,Ni,Cu等のオー
ステナイト安定化元素を多く含有する場合、Cr当量値
が低くなる場合には残留オーステナイト相を回避するべ
く0℃以下に冷却する、いわゆる深冷処理を適用するこ
とができて、本発明鋼の機械的特性の十分な発現に有効
である。
【0030】材料特性の十分な発現に必要な範囲で、以
上の工程は各々の工程を複数回繰り返して適用すること
もまた可能であって、本発明の効果に何ら影響を与える
ものではない。以上の工程を適宜選択して、本発明鋼の
製造プロセスに適用すればよい。
【0031】
【実施例】表1〜表25に示すTi,Zr,Ta,Hf
を除く、請求項の何れかの組成を有する鋼それぞれ30
0ton ,120ton ,60ton を通常の高炉銑−転炉吹
錬法、VIMあるいはEFを用いて溶製し、アーク再加
熱設備を付帯するAr吹き込み可能なLF設備によって
精錬し、連続鋳造開始10分前にTi,Zr,Ta,H
fの1種または2種以上を表1〜表25に示す量だけ添
加して、連続鋳造でスラブとした。得られたスラブ材は
熱間圧延にて板厚50mmの厚板、および12mmの薄板と
するか、もしくは丸ビレットに加工して熱間押出にて外
径74mm、肉厚10mmのチューブを、シームレス圧延に
て外径380mm、肉厚50mmのパイプをそれぞれ製造し
た。更に薄板は成形加工して電縫溶接して外径280m
m、肉厚12mmの電縫鋼管とした。
【0032】全ての板および管は固溶化熱処理を施し、
950〜1000℃の温度範囲で一時冷却を停止して炉
中5〜60分の間保持した後に空冷し、更に780℃で
1時間焼き戻し処理を実施した。
【0033】板は図1と全く同様の開先加工の後に、管
は図1と同様の開先を管端に、円周方向に加工して、管
同士の円周継手溶接をTIGあるいはSAW溶接にて実
施した。溶接部はいずれも740℃で6時間、局部的に
軟化焼鈍(PWHT)を実施した。
【0034】母材のクリープ特性は図7(a),(b)
に示すように鋼管1の軸方向2と平行にあるいは板材3
の圧延方向4と平行に、溶接部あるいは溶接熱影響部以
外の部位から直径6mmのクリープ試験片5を切り出し、
600℃にてクリープ破断強度を測定し、得られたデー
タを直線外挿して10万時間のクリープ破断強度とし
た。溶接部のクリープ特性は、図8(a),(b)に示
すように、溶接線6と直角方向7から直径6mmのクリー
プ破断試験片5を切り出し、600℃における破断強度
測定結果を10万時間まで直線外挿して母材のクリープ
特性と比較評価した。以降、「クリープ破断強度」と
は、本発明の記述上の便宜を図るため、600℃におけ
る10万時間の直線外挿推定破断強度を意味するものと
する。母材と溶接部のクリープ直線外挿破断強度推定値
の差D−CRS(MPa)をもって、溶接部の「HAZ軟
化」抵抗の指標とした。D−CRSの値は試験片の圧延
方向に対するクリープ破断試験片採取方法に若干影響さ
れるものの、予備実験にてその影響が5MPa 以内である
ことが経験的に判明している。従って、D−CRSが1
0MPa 以下である場合には材料の耐HAZ軟化特性が極
めて良好であることを意味する。
【0035】HAZ部の析出物は図2に示した要領で試
験片を採取し、酸溶解法で抽出残渣分析し、M236
同定した後にそのM中の組成を走査型X線微小分析装置
によって決定した。この時のTi%+Zr%+Ta%+
Hf%の値をM%と表し、評価した。標準基準は実験結
果に基づいて、5〜65%の範囲にあることである。
【0036】HAZ部の析出物の挙動を間接的に評価す
るために、靱性試験を実施した。図9に示すごとく、溶
接部から溶接線と直角方向からJIS4号2mmVノッチ
シャルピー衝撃試験片8を切り出し、ノッチ位置を溶接
ボンド9とし、最高硬化部で代表して、その評価基準値
を、耐熱材料の組立条件を想定して0℃において50J
とした。
【0037】比較のために、化学成分において本発明の
範囲外の鋼を同様の方法で評価した。化学成分と評価結
果のうちD−CRS,HAZCRS,M%について表7
6,表77に示した。D−CRSとM%の関係は図6で
既に示した通りである。
【0038】図10は母材のクリープ破断強度と母材中
のTi%+Zr%+Ta%+Hf%の関係を示す図であ
る。過剰のTi,Zr,Ta,Hfの添加は析出物の粗
大化を招き、結果として母材そのもののクリープ破断強
度が低下する。図11は溶接熱影響部中のM236 に含
まれるTi%+Zr%+Ta%+Hf%の値M%と溶接
熱影響部の靱性の関係を示した図である。M%の値が6
5%を超える場合には析出物が粗大化して靱性の低下が
起こり、評価基準値50Jを下回ることがわかる。D−
CRS,HAZCRS,M%については測定値を数値デ
ータの形で表1〜表75に一例を示した。
【0039】表76,77に示した比較鋼のうち、74
1,742鋼は化学成分が請求項と同一であったにもか
かわらず、TiとZrを溶解時から添加してしまい、結
果としてM%の値が5%以下となって耐HAZ軟化特性
が劣化した例、743,744鋼はTi,Zr,Ta,
Hfのいずれも十分に添加しなかったためにM%が低下
し、耐HAZ軟化特性が劣化した例、745鋼はTiの
添加量が、746鋼はZrの添加量が、747鋼はTa
の添加量が、748鋼はHfの添加量がそれぞれ過多で
あったために粗大なMX型炭化物が多数析出し、溶接熱
影響部中のM236 の組成制御に失敗し、耐HAZ軟化
特性が劣化した例、749鋼は固溶化熱処理後の一時冷
却停止を実施しなかったためにM236 の組成制御に失
敗し、耐HAZ軟化特性が劣化した例、750鋼は固溶
化熱処理後の一時冷却停止後の保持時間が240分と長
すぎたために析出物が粗大化し、M236 の組成制御に
失敗し、耐HAZ軟化特性が劣化した例である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
【表10】
【0050】
【表11】
【0051】
【表12】
【0052】
【表13】
【0053】
【表14】
【0054】
【表15】
【0055】
【表16】
【0056】
【表17】
【0057】
【表18】
【0058】
【表19】
【0059】
【表20】
【0060】
【表21】
【0061】
【表22】
【0062】
【表23】
【0063】
【表24】
【0064】
【表25】
【0065】
【表26】
【0066】
【表27】
【0067】
【表28】
【0068】
【表29】
【0069】
【表30】
【0070】
【表31】
【0071】
【表32】
【0072】
【表33】
【0073】
【表34】
【0074】
【表35】
【0075】
【表36】
【0076】
【表37】
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【表38】
【0078】
【表39】
【0079】
【表40】
【0080】
【表41】
【0081】
【表42】
【0082】
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【0083】
【表44】
【0084】
【表45】
【0085】
【表46】
【0086】
【表47】
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【0088】
【表49】
【0089】
【表50】
【0090】
【表51】
【0091】
【表52】
【0092】
【表53】
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【表54】
【0094】
【表55】
【0095】
【表56】
【0096】
【表57】
【0097】
【表58】
【0098】
【表59】
【0099】
【表60】
【0100】
【表61】
【0101】
【表62】
【0102】
【表63】
【0103】
【表64】
【0104】
【表65】
【0105】
【表66】
【0106】
【表67】
【0107】
【表68】
【0108】
【表69】
【0109】
【表70】
【0110】
【表71】
【0111】
【表72】
【0112】
【表73】
【0113】
【表74】
【0114】
【表75】
【0115】
【表76】
【0116】
【表77】
【0117】
【発明の効果】本発明は耐HAZ軟化特性に優れ、55
0℃以上の高温で高クリープ強度を発揮するマルテンサ
イト系耐熱鋼の提供を可能ならしめるものであって、産
業の発展に寄与するところ極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手の突き合わせ開先形状を示す図であ
る。
【図2】溶接熱影響部の析出物分析試験片採取要領を示
す図である。
【図3】Ti,Zr,Ta,Hfの添加時期と、Ti,
Zr,Ta,Hfの鋼中における析出物としての存在形
態の関係を示す図である。
【図4】固溶化熱処理後の冷却一時停止温度およびその
保持時間と析出炭化物の大きさの関係を示す図である。
【図5】固溶化熱処理後の冷却一時停止温度と溶接熱影
響部の析出物の形態と組織の関係を示す図である。
【図6】600℃、10万時間直線外挿クリープ推定破
断強度の母材部と溶接部の差D−CRSと溶接熱影響部
中のM236 型炭化物中Mに占める(Ti%+Zr%+
Ta%+Hf%)の値M%の関係を示す図である。
【図7】鋼管(a)および板材(b)からのクリープ破
断強度試験片採取要領を示す図である。
【図8】鋼管(a)および板材(b)の溶接部からのク
リープ破断試験片採取要領を示す図である。
【図9】鋼管(a)および板材(b)の溶接部からのシ
ャルピー衝撃試験片採取要領を示す図である。
【図10】母材の600℃、10万時間直線外挿クリー
プ推定破断強度の母材中のTi%+Zr%+Ta%+H
f%の値の関係を示す図である。
【図11】溶接熱影響部中のM236 型炭化物中Mに占
める(Ti%+Zr%+Ta%+Hf%)の値M%と溶
接部の靱性の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼管 2 鋼管の軸方向 3 板状鋼材 4 板状鋼材の圧延方向 5 クリープ破断試験片採取位置と採取方向 6 溶接方向 7 溶接方向と直角な方向 8 シャルピー襲撃試験片採取位置と採取方向 9 溶接ボンド 10 溶接熱影響部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水橋 伸雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 直井 久 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 藤田 利夫 東京都文京区向丘一丁目14番4号 (56)参考文献 特開 平8−134584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 6/00,8/00 C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C :0.01〜0.30%、 Si:0.02〜0.80%、 Mn:0.20〜1.00%、 Cr:5.00〜18.00%、 Mo:0.005〜1.00%、 W :0.20〜3.50%、 V :0.02〜1.00%、 Nb:0.01〜0.50%、 N :0.01〜0.25%、 P :0.03%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 を含有し残部がFeおよび不可避の不純物よりなる溶鋼
    を溶製、精錬し、 Ti:0.005〜2.0%、 Zr:0.005〜2.0%、 Ta:0.005〜2.0%、 Hf:0.005〜2.0% の1種または2種以上を鋳造直前の10分間に添加し、
    連続鋳造、熱間圧延後、固溶化熱処理施し、950〜
    1000℃にて一時冷却を停止して同温度で5〜60分
    保持することを特徴とする耐HAZ軟化特性に優れたマ
    ルテンサイト系耐熱鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の成分を含有する溶鋼に更に、
    質量%で、 Co:0.1〜5.0%、 Ni:0.1〜5.0%、 Cu:0.1〜2.0% の1種または2種以上を含有することを特徴とする耐H
    AZ軟化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 質量%で、 C :0.01〜0.30%、 Si:0.02〜0.80%、 Mn:0.20〜1.00%、 Cr:5.00〜18.00%、 Mo:0.005〜1.00%、 W :0.20〜3.50%、 V :0.02〜1.00%、 Nb:0.01〜0.50%、 N :0.01〜0.25% を含有し、加えて、 Ti:0.005〜2.0%、 Zr:0.005〜2.0%、 Ta:0.005〜2.0%、 Hf:0.005〜2.0% の1種または2種以上を単独であるいは複合して含有
    し、 P :0.030%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 に制限し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなり、
    かつ、M236 型炭化物の金属成分M中に占める(Ti
    %+Zr%+Ta%+Hf%)の値が5〜65%である
    ことを特徴とする耐HAZ軟化特性に優れたマルテンサ
    イト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 請求項3の成分、組成を有する鋼に更
    に、質量%で、 Co:0.1〜5.0%、 Ni:0.1〜5.0%、 Cu:0.1〜2.0% の1種または2種以上を含有することを特徴とする耐H
    AZ軟化特性に優れたマルテンサイト系耐熱鋼。
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