JP2890073B2 - 高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法 - Google Patents
高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法Info
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系耐熱鋼に
関するものであり、更に詳しくは高温・高圧環境下で使
用する高窒素フェライト系Cr含有耐熱鋼およびその製
造方法に関するものである。
関するものであり、更に詳しくは高温・高圧環境下で使
用する高窒素フェライト系Cr含有耐熱鋼およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火力発電ボイラの操業条件は高
温、高圧化が著しく、一部では566℃,314bar
での操業が計画されている。将来的には650℃,35
5bar迄の条件が想定されており、使用する材料には
極めて苛酷な条件となっている。操業温度が550℃を
超える場合において、使用材料の選択にあたり、耐酸化
性,高温強度の点から、例えばフェライト系の2・1/
4Cr−1Mo鋼から18−8ステンレス鋼のごとく、
オーステナイト系の高級鋼へと、材料特性においてもま
たコストの面からも過度に高い材料を使用いているのが
現状である。
温、高圧化が著しく、一部では566℃,314bar
での操業が計画されている。将来的には650℃,35
5bar迄の条件が想定されており、使用する材料には
極めて苛酷な条件となっている。操業温度が550℃を
超える場合において、使用材料の選択にあたり、耐酸化
性,高温強度の点から、例えばフェライト系の2・1/
4Cr−1Mo鋼から18−8ステンレス鋼のごとく、
オーステナイト系の高級鋼へと、材料特性においてもま
たコストの面からも過度に高い材料を使用いているのが
現状である。
【0003】2・1/4Cr−1Mo鋼とオーステナイ
ト系ステンレス鋼の中間を埋めるための鋼材は過去数十
年間模索されている。Cr量が中間の9Cr,12Cr
等のボイラ鋼管は以上の背景をもとに開発された耐熱鋼
であり、母材成分として各種合金元素を添加して析出強
化、あるいは固溶強化によってオーステナイト鋼並の高
温強度,クリープ強度を達成している鋼もある。
ト系ステンレス鋼の中間を埋めるための鋼材は過去数十
年間模索されている。Cr量が中間の9Cr,12Cr
等のボイラ鋼管は以上の背景をもとに開発された耐熱鋼
であり、母材成分として各種合金元素を添加して析出強
化、あるいは固溶強化によってオーステナイト鋼並の高
温強度,クリープ強度を達成している鋼もある。
【0004】耐熱鋼のクリープ強度は、短かい時効時間
においては固溶強化に、長い時効時間においては析出強
化にそれぞれ支配される。これは、最初鋼中に固溶して
いる固溶強化元素が、時効によって多くの場合M23C6
等の安定な炭化物として析出するためであり、更に長時
間の時効ではこれら析出物が凝集粗大化するために、ク
リープ強度は低下する。
においては固溶強化に、長い時効時間においては析出強
化にそれぞれ支配される。これは、最初鋼中に固溶して
いる固溶強化元素が、時効によって多くの場合M23C6
等の安定な炭化物として析出するためであり、更に長時
間の時効ではこれら析出物が凝集粗大化するために、ク
リープ強度は低下する。
【0005】従って耐熱鋼のクリープ強度を高く保つた
めに、固溶強化元素を如何に長時間に亘って析出させず
に鋼中に固溶状態でとどめておくかについて多くの研究
がなされてきた。例えば特開昭63−89644号公
報,特開昭61−231139号公報,特開昭62−2
97435号公報等に、Wを固溶強化元素として使用す
ることで、従来のMo添加型フェライト系耐熱鋼に比較
して飛躍的に高いクリープ強度を達成できるフェライト
系耐熱鋼に関する開示がある。
めに、固溶強化元素を如何に長時間に亘って析出させず
に鋼中に固溶状態でとどめておくかについて多くの研究
がなされてきた。例えば特開昭63−89644号公
報,特開昭61−231139号公報,特開昭62−2
97435号公報等に、Wを固溶強化元素として使用す
ることで、従来のMo添加型フェライト系耐熱鋼に比較
して飛躍的に高いクリープ強度を達成できるフェライト
系耐熱鋼に関する開示がある。
【0006】しかしながら、基本的に析出物はM23C6
型の炭化物であり、Wによる固溶強化はMoに比較して
効果的であるものの、長時間時効後のクリープ強度低下
は免れない。更に、フェライト系耐熱鋼を650℃の高
温にまで使用する場合、オーステナイト系耐熱鋼に比較
して耐高温酸化性が劣るため、これまで適用は難しいと
考えられてきた。特に粒界近傍では鋼中のCrが粗大な
M23C6 型炭化物として析出するために、耐高温酸化性
の劣化が顕著である。
型の炭化物であり、Wによる固溶強化はMoに比較して
効果的であるものの、長時間時効後のクリープ強度低下
は免れない。更に、フェライト系耐熱鋼を650℃の高
温にまで使用する場合、オーステナイト系耐熱鋼に比較
して耐高温酸化性が劣るため、これまで適用は難しいと
考えられてきた。特に粒界近傍では鋼中のCrが粗大な
M23C6 型炭化物として析出するために、耐高温酸化性
の劣化が顕著である。
【0007】従って、フェライト系耐熱鋼の使用限界は
600℃が上限とされていた。ところが、冒頭に述べた
ごとく操業条件の苛酷化に加えて、操業コスト低減のた
めに発電設備を現行の10万時間から15万時間程度へ
と更に長時間運転する場合も考えられるようになってき
たため、極限の環境に耐えられるような耐熱鋼が要求さ
れるようになってきた。
600℃が上限とされていた。ところが、冒頭に述べた
ごとく操業条件の苛酷化に加えて、操業コスト低減のた
めに発電設備を現行の10万時間から15万時間程度へ
と更に長時間運転する場合も考えられるようになってき
たため、極限の環境に耐えられるような耐熱鋼が要求さ
れるようになってきた。
【0008】フェライト系耐熱鋼はオーステナイト鋼に
比較して高温強度,耐食性が若干劣るものの、コスト面
で有利であり、かつ熱膨張率の違いから耐水蒸気酸化特
性の内、特に耐スケール剥離性が優れている。従って、
特にボイラ用材料として注目されている。しかし、65
0℃,355bar,15万時間運転の条件に耐えられ
る、製品価格,耐水蒸気酸化性の点で有利なフェライト
系耐熱鋼は従来の技術をもってしては開発できないこと
は以上の理由から明らかである。
比較して高温強度,耐食性が若干劣るものの、コスト面
で有利であり、かつ熱膨張率の違いから耐水蒸気酸化特
性の内、特に耐スケール剥離性が優れている。従って、
特にボイラ用材料として注目されている。しかし、65
0℃,355bar,15万時間運転の条件に耐えられ
る、製品価格,耐水蒸気酸化性の点で有利なフェライト
系耐熱鋼は従来の技術をもってしては開発できないこと
は以上の理由から明らかである。
【0009】本発明者らは以上の知見に基づき、既に特
願平2−37895号により、加圧雰囲気下で固溶限度
を超えて窒素を添加し、余剰窒素を窒化物あるいは炭・
窒化物として分散析出させることで、650℃,355
bar,15万時間における直線外挿推定クリープ破断
強度が147MPa以上である高窒素フェライト系耐熱
鋼を提案している。その要旨とするところは、質量%で
C:0.01〜0.30%,Si:0.02〜0.80
%,Mn:0.20〜1.00%,Cr:8.00〜1
3.00%,W:0.50〜3.00%,Mo:0.0
05〜1.00%,V:0.05〜0.50%,Nb:
0.02〜0.12%を含有し、P:0.050%以
下,S:0.010%以下,O:0.020%以下に制
限し、あるいは更に(A)Ta:0.01〜1.00
%,Hf:0.01〜1.00%の1種または2種およ
び/または(B)Zr:0.0005〜0.10%,T
i:0.01〜0.10%の1種または2種を含有し、
残部がFeおよび不可避の不純物よりなることを特徴と
するフェライト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製造に際し、
所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガス雰囲
気中で溶解、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝固時
に、窒素分圧1.0bar以上,全圧4.0bar以上
で、窒素分圧p,全圧Pの間に 10p <P0.37+1og106 の関係が成立するように雰囲気を制御することでブロー
ホールのない健全な鋼塊を得ることを特徴とする高窒素
フェライト系耐熱鋼の製造方法にある。
願平2−37895号により、加圧雰囲気下で固溶限度
を超えて窒素を添加し、余剰窒素を窒化物あるいは炭・
窒化物として分散析出させることで、650℃,355
bar,15万時間における直線外挿推定クリープ破断
強度が147MPa以上である高窒素フェライト系耐熱
鋼を提案している。その要旨とするところは、質量%で
C:0.01〜0.30%,Si:0.02〜0.80
%,Mn:0.20〜1.00%,Cr:8.00〜1
3.00%,W:0.50〜3.00%,Mo:0.0
05〜1.00%,V:0.05〜0.50%,Nb:
0.02〜0.12%を含有し、P:0.050%以
下,S:0.010%以下,O:0.020%以下に制
限し、あるいは更に(A)Ta:0.01〜1.00
%,Hf:0.01〜1.00%の1種または2種およ
び/または(B)Zr:0.0005〜0.10%,T
i:0.01〜0.10%の1種または2種を含有し、
残部がFeおよび不可避の不純物よりなることを特徴と
するフェライト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製造に際し、
所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガス雰囲
気中で溶解、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝固時
に、窒素分圧1.0bar以上,全圧4.0bar以上
で、窒素分圧p,全圧Pの間に 10p <P0.37+1og106 の関係が成立するように雰囲気を制御することでブロー
ホールのない健全な鋼塊を得ることを特徴とする高窒素
フェライト系耐熱鋼の製造方法にある。
【0010】本発明者らはさらに詳細な研究を継続した
結果、最長5万時間までのクリープ破断強度調査結果に
基づく15万時間クリープ破断強度直線外挿推定値は、
特願平2−37895号に提案した鋼では高々176M
Paにすぎず、特に3万時間〜5万時間のクリープ破断
強度が著しく低下する場合があることを見出し、クリー
プ破断強度低下の原因は、クリープ試験中に粒界を中心
に大きさ1μm以上の粗大なFe2 Wが大量に析出し、
固溶強化元素であるWが鋼中から大量に失われるためで
あることを見出した。
結果、最長5万時間までのクリープ破断強度調査結果に
基づく15万時間クリープ破断強度直線外挿推定値は、
特願平2−37895号に提案した鋼では高々176M
Paにすぎず、特に3万時間〜5万時間のクリープ破断
強度が著しく低下する場合があることを見出し、クリー
プ破断強度低下の原因は、クリープ試験中に粒界を中心
に大きさ1μm以上の粗大なFe2 Wが大量に析出し、
固溶強化元素であるWが鋼中から大量に失われるためで
あることを見出した。
【0011】しかも、Wを1.5%以下に制限し、Wの
Fe2 Wとしての析出を防止し、同時にNb含有量を
0.12%超として窒素物として最も安定なNbNおよ
び(Nb,V)Nを主要な析出強化因子とすることで6
50℃,355bar,15万時間のクリープ破断直線
外挿推定破断強度が最高200MPa以上のフェライト
系耐熱鋼を得られる事を見出した。
Fe2 Wとしての析出を防止し、同時にNb含有量を
0.12%超として窒素物として最も安定なNbNおよ
び(Nb,V)Nを主要な析出強化因子とすることで6
50℃,355bar,15万時間のクリープ破断直線
外挿推定破断強度が最高200MPa以上のフェライト
系耐熱鋼を得られる事を見出した。
【0012】加えてNbを大量に添加することでNの固
溶限度が増加し、健全な鋼塊の鋳造に必要な圧力雰囲気
の条件は、全圧が2.5bar以上、窒素分圧が1.0
bar以上であって全圧Pと窒素分圧pの間に P>2.5p なる条件が必要であることをもまた見出した。
溶限度が増加し、健全な鋼塊の鋳造に必要な圧力雰囲気
の条件は、全圧が2.5bar以上、窒素分圧が1.0
bar以上であって全圧Pと窒素分圧pの間に P>2.5p なる条件が必要であることをもまた見出した。
【0013】高窒素フェライト系耐熱鋼に関する研究
は、報告例が少なく、Ergebnisse der
Werkstoff−Forschung,Band
I,Verlag Schweizerische A
kademie der Werkstoffwiss
enschaften “Thubal−Kain”,
Zurich,1987,161−180頁等に報告が
見られる程度である。
は、報告例が少なく、Ergebnisse der
Werkstoff−Forschung,Band
I,Verlag Schweizerische A
kademie der Werkstoffwiss
enschaften “Thubal−Kain”,
Zurich,1987,161−180頁等に報告が
見られる程度である。
【0014】しかし、この報告も従来の一般的な耐熱鋼
についてのみの研究であって、650℃,355ba
r,15万時間という苛酷な環境において使用する材料
に関する記述はない。
についてのみの研究であって、650℃,355ba
r,15万時間という苛酷な環境において使用する材料
に関する記述はない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の欠点、即ち炭化物析出に起因する長時間時効後の
クリープ強度低下、耐高温酸化性の劣化を、窒素を過飽
和に添加して窒化物、あるいは炭窒化物を微細に分散析
出させ、従来鋼にみられるM23C6 等の炭化物の生成を
抑制することで改善し、苛酷な操業条件における使用が
可能なフェライト系耐熱鋼の製造を可能ならしめるもの
であって、固溶限以上に添加した窒素を窒化物あるいは
炭窒化物として分散析出させた耐高温酸化性,クリープ
強度の優れたフェライト系耐熱鋼を供給することを目的
としたものである。
従来の欠点、即ち炭化物析出に起因する長時間時効後の
クリープ強度低下、耐高温酸化性の劣化を、窒素を過飽
和に添加して窒化物、あるいは炭窒化物を微細に分散析
出させ、従来鋼にみられるM23C6 等の炭化物の生成を
抑制することで改善し、苛酷な操業条件における使用が
可能なフェライト系耐熱鋼の製造を可能ならしめるもの
であって、固溶限以上に添加した窒素を窒化物あるいは
炭窒化物として分散析出させた耐高温酸化性,クリープ
強度の優れたフェライト系耐熱鋼を供給することを目的
としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の知見に基
づいてなされたもので、その要旨とするところは、質量
%でC:0.01〜0.30%,Si:0.02〜0.
80%,Mn:0.20〜1.00%,Cr:8.00
〜13.00%,,Mo:0.005〜1.00%,
W:0.20〜1.50%,V:0.05〜0.50
%,Nb:0.12%超〜2.00%.N:0.10〜
0.50%を含有し、P:0.050%以下,S:0.
010%以下,O:0.020%以下に制限し、あるい
は更に(A)Ta:0.01〜1.00%,Hf:0.
01〜1.00%の1種または2種および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%,Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb
含有高窒素フェライト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製造に
際し、所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガ
ス雰囲気中で溶解、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝
固時に、全圧2.5bar以上、窒素分圧1.0bar
以上で、窒素分圧p,全圧Pの間に P>2.5p の関係が成立するように雰囲気を制御することを特徴と
する高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法に
ある。
づいてなされたもので、その要旨とするところは、質量
%でC:0.01〜0.30%,Si:0.02〜0.
80%,Mn:0.20〜1.00%,Cr:8.00
〜13.00%,,Mo:0.005〜1.00%,
W:0.20〜1.50%,V:0.05〜0.50
%,Nb:0.12%超〜2.00%.N:0.10〜
0.50%を含有し、P:0.050%以下,S:0.
010%以下,O:0.020%以下に制限し、あるい
は更に(A)Ta:0.01〜1.00%,Hf:0.
01〜1.00%の1種または2種および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%,Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb
含有高窒素フェライト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製造に
際し、所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガ
ス雰囲気中で溶解、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝
固時に、全圧2.5bar以上、窒素分圧1.0bar
以上で、窒素分圧p,全圧Pの間に P>2.5p の関係が成立するように雰囲気を制御することを特徴と
する高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法に
ある。
【0017】以下本発明を詳細に説明する。
【0018】
【作用】最初に本発明において各成分範囲を前記のごと
く限定した理由を以下に述べる。Cは強度の保持に必要
であるが、0.01%未満では強度確保に不十分であ
り、0.30%超の場合には溶接熱影響部が著しく硬化
し、溶接時低温割れの原因となるため、範囲を0.01
〜0.30%とした。
く限定した理由を以下に述べる。Cは強度の保持に必要
であるが、0.01%未満では強度確保に不十分であ
り、0.30%超の場合には溶接熱影響部が著しく硬化
し、溶接時低温割れの原因となるため、範囲を0.01
〜0.30%とした。
【0019】Siは耐酸化性確保に重要で、かつ脱酸剤
として必要な元素であるが、0.02%未満では不十分
でり、0.80%超ではクリープ強度を低下させるので
0.02〜0.080%の範囲とした。Mnは脱酸のた
めのみでなく強度保持上も必要な成分である。効果を十
分に得るためには0.20%以上の添加が必要であり、
1.00%を超すとクリープ強度が低下する場合がある
ので、0.20〜1.00%の範囲とした。
として必要な元素であるが、0.02%未満では不十分
でり、0.80%超ではクリープ強度を低下させるので
0.02〜0.080%の範囲とした。Mnは脱酸のた
めのみでなく強度保持上も必要な成分である。効果を十
分に得るためには0.20%以上の添加が必要であり、
1.00%を超すとクリープ強度が低下する場合がある
ので、0.20〜1.00%の範囲とした。
【0020】Crは耐酸化性に不可欠の元素であって、
同時にNと結合してCr2 N,Cr 2 (C,N)等の形
態で母材マトリックス中に微細析出することでクリープ
強度の上昇に寄与している。耐酸化性の観点から、下限
は8.00%とし、上限は、高温強度を確保すべく、マ
ルテンサイト一相の組織とするため、Cr当量値を低く
制限する目的で13.00%とした。
同時にNと結合してCr2 N,Cr 2 (C,N)等の形
態で母材マトリックス中に微細析出することでクリープ
強度の上昇に寄与している。耐酸化性の観点から、下限
は8.00%とし、上限は、高温強度を確保すべく、マ
ルテンサイト一相の組織とするため、Cr当量値を低く
制限する目的で13.00%とした。
【0021】Wは固溶強化によりクリープ強度を顕著に
高める元素であり、特に550℃以上の高温において長
時間のクリープ強度を著しく高める。1.50%を超え
て添加すると金属間化合物として粒界を中心に大量に析
出し母材靱性を著しく低下させるため、上限を1.50
%とした。また、0.20%未満では固溶強化の効果が
不十分であるので、下限を0.20%とした。
高める元素であり、特に550℃以上の高温において長
時間のクリープ強度を著しく高める。1.50%を超え
て添加すると金属間化合物として粒界を中心に大量に析
出し母材靱性を著しく低下させるため、上限を1.50
%とした。また、0.20%未満では固溶強化の効果が
不十分であるので、下限を0.20%とした。
【0022】Moは固溶強化により高温強度を高める元
素であるが、0.005%未満では効果が不十分であ
り、1.00%超ではMo2 C型の炭化物の大量析出に
よってWと同時に添加した場合に母材靱性を著しく低下
させる場合があるので、上限を1.00%とした。Vは
析出物として析出しても、Wと同様にマトリックスに固
溶しても、鋼の高温強度を著しく高める元素である。特
に析出の場合にはVNあるいは(Nb,V)NとしてC
r2 N,Cr2 (C,N)の析出核となり、析出物の微
細分散に顕著な効果を示す。0.05%未満では効果が
なく、1.00%を超えると靱性低下をきたすために添
加の範囲を0.05〜1.00%とした。
素であるが、0.005%未満では効果が不十分であ
り、1.00%超ではMo2 C型の炭化物の大量析出に
よってWと同時に添加した場合に母材靱性を著しく低下
させる場合があるので、上限を1.00%とした。Vは
析出物として析出しても、Wと同様にマトリックスに固
溶しても、鋼の高温強度を著しく高める元素である。特
に析出の場合にはVNあるいは(Nb,V)NとしてC
r2 N,Cr2 (C,N)の析出核となり、析出物の微
細分散に顕著な効果を示す。0.05%未満では効果が
なく、1.00%を超えると靱性低下をきたすために添
加の範囲を0.05〜1.00%とした。
【0023】NbはNbN,(Nb,V)N,Nb
(C,N),(Nb,V)(C,N)の析出によって高
温強度を高め、またVと同様にCr2 N,Cr2 (C,
N)等の析出核として微細析出を促す元素である。主要
な析出強化因子として鋼中に分散させるために0.12
%を超えて添加する。しかし、2.00%を超すと析出
物の凝集粗大化を生じて強度を低下させるため上限を
2.00%とした。
(C,N),(Nb,V)(C,N)の析出によって高
温強度を高め、またVと同様にCr2 N,Cr2 (C,
N)等の析出核として微細析出を促す元素である。主要
な析出強化因子として鋼中に分散させるために0.12
%を超えて添加する。しかし、2.00%を超すと析出
物の凝集粗大化を生じて強度を低下させるため上限を
2.00%とした。
【0024】Nはマトリックスに固溶あるいは窒化物,
炭窒化物として析出し、主にCr2 N,Cr2 (C,
N)の形態をとるため、従来鋼の析出物として観察され
るM23C6 ,M6 C等に比較して、CrあるいはWの析
出物に起因する消費を減少させ、耐高温酸化性,クリー
プ強度を高める元素であるが、窒化物,炭窒化物を析出
させてM23C6 ,M6 Cの析出を抑制するために0.1
0%を下限とし、また窒素の過剰添加による窒化物,炭
窒化物の凝集粗大化を防止するために上限を0.50%
とした。
炭窒化物として析出し、主にCr2 N,Cr2 (C,
N)の形態をとるため、従来鋼の析出物として観察され
るM23C6 ,M6 C等に比較して、CrあるいはWの析
出物に起因する消費を減少させ、耐高温酸化性,クリー
プ強度を高める元素であるが、窒化物,炭窒化物を析出
させてM23C6 ,M6 Cの析出を抑制するために0.1
0%を下限とし、また窒素の過剰添加による窒化物,炭
窒化物の凝集粗大化を防止するために上限を0.50%
とした。
【0025】P,S,Oは本発明鋼においては不純物と
して混入してくるが、本発明の効果を発揮する上で、
P,Sは強度を低下させ、Oは酸化物として靱性を低下
させるので、それぞれ上限値を0.050%,0.01
0%,0.020%とした。以上が本発明の基本成分で
あるが、本発明においてはこの他にそれぞれの用途に応
じて、(A)Ta:0.01〜1.00%,Hf:0.
01〜1.00%の1種または2種および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%,Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有させることがで
きる。
して混入してくるが、本発明の効果を発揮する上で、
P,Sは強度を低下させ、Oは酸化物として靱性を低下
させるので、それぞれ上限値を0.050%,0.01
0%,0.020%とした。以上が本発明の基本成分で
あるが、本発明においてはこの他にそれぞれの用途に応
じて、(A)Ta:0.01〜1.00%,Hf:0.
01〜1.00%の1種または2種および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%,Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有させることがで
きる。
【0026】Ta,Hfは低濃度の場合には脱酸剤とし
て作用し、高濃度の場合には高融点窒化物あるいは炭窒
化物として微細に析出し、オーステナイト粒径を小さく
して靱性を高める元素である。加えて、析出物中へのC
r,Wの固溶度を減少させて、窒素過飽和添加の効果を
向上させる効果を併せもつ。何れも0.01%未満では
効果がなく、1.00%を超えて添加すると窒化物ある
いは炭窒化物が粗大化して靱性低下をきたすので、それ
ぞれ0.01〜1.00%の範囲とした。
て作用し、高濃度の場合には高融点窒化物あるいは炭窒
化物として微細に析出し、オーステナイト粒径を小さく
して靱性を高める元素である。加えて、析出物中へのC
r,Wの固溶度を減少させて、窒素過飽和添加の効果を
向上させる効果を併せもつ。何れも0.01%未満では
効果がなく、1.00%を超えて添加すると窒化物ある
いは炭窒化物が粗大化して靱性低下をきたすので、それ
ぞれ0.01〜1.00%の範囲とした。
【0027】Zrは鋼中の脱酸平衡を支配し、酸素活量
を著しく下げることで酸化物の生成を抑制する。加えて
Nとの親和力が高く、微細な窒化物あるいは炭窒化物と
して析出し、クリープ強度,耐高温酸化性,靱性を高め
る。0.0005%未満では脱酸平衡支配には不十分で
あり、0.10%を超えて添加すると粗大なZrN,Z
rCが大量に析出し、母材の靱性を著しく低下させるの
で、0.0005〜0.10%の範囲に限定した。
を著しく下げることで酸化物の生成を抑制する。加えて
Nとの親和力が高く、微細な窒化物あるいは炭窒化物と
して析出し、クリープ強度,耐高温酸化性,靱性を高め
る。0.0005%未満では脱酸平衡支配には不十分で
あり、0.10%を超えて添加すると粗大なZrN,Z
rCが大量に析出し、母材の靱性を著しく低下させるの
で、0.0005〜0.10%の範囲に限定した。
【0028】Tiは窒化物,炭窒化物として析出し、窒
素の添加効果を高める元素である。0.01%未満では
効果がなく、0.10%を超えて添加すると粗大な窒化
物あるいは炭窒化物が析出するために靱性が低下する場
合があるので、0.01〜0.10%の範囲とした。上
述の各合金成分はそれぞれ単独に添加しても、あるいは
併用して添加してもよい。
素の添加効果を高める元素である。0.01%未満では
効果がなく、0.10%を超えて添加すると粗大な窒化
物あるいは炭窒化物が析出するために靱性が低下する場
合があるので、0.01〜0.10%の範囲とした。上
述の各合金成分はそれぞれ単独に添加しても、あるいは
併用して添加してもよい。
【0029】尚、本発明はクリープ強度,耐高温酸化性
の優れたフェライト系耐熱鋼を提供するものであるの
で、本発明鋼は使用目的に応じて種々の製造方法および
熱処理を施すことが可能であり、また本発明の効果を何
等妨げるものではない。しかし、窒素を過飽和に添加す
る必要があることから、鋳造時に雰囲気全圧力を2.5
bar以上に高めて、全圧Pと窒素分圧pがP>2.5
pを満足する関係を有することが必要である。窒素ガス
の補助として用いる混合ガスはAr,Ne,Xe,Kr
等の不活性ガスがよい。以上の鋳造条件は以下に記述す
る実験によって決定した。
の優れたフェライト系耐熱鋼を提供するものであるの
で、本発明鋼は使用目的に応じて種々の製造方法および
熱処理を施すことが可能であり、また本発明の効果を何
等妨げるものではない。しかし、窒素を過飽和に添加す
る必要があることから、鋳造時に雰囲気全圧力を2.5
bar以上に高めて、全圧Pと窒素分圧pがP>2.5
pを満足する関係を有することが必要である。窒素ガス
の補助として用いる混合ガスはAr,Ne,Xe,Kr
等の不活性ガスがよい。以上の鋳造条件は以下に記述す
る実験によって決定した。
【0030】窒素を除いて請求項1〜4に示す化学成分
を含有する鋼を、150barまで加圧することのでき
るチャンバー内に設置した誘導加熱炉にて溶解し、目標
とする窒素含有量を達成するに必要十分な窒素分圧を有
するアルゴン−窒素混合ガスを炉内に導入して種々の圧
力に保持し、窒素と溶鋼が化学平衡に達した後にチャン
バー内に予め設置した鋳型内に鋳造して5tonインゴ
ットとした。
を含有する鋼を、150barまで加圧することのでき
るチャンバー内に設置した誘導加熱炉にて溶解し、目標
とする窒素含有量を達成するに必要十分な窒素分圧を有
するアルゴン−窒素混合ガスを炉内に導入して種々の圧
力に保持し、窒素と溶鋼が化学平衡に達した後にチャン
バー内に予め設置した鋳型内に鋳造して5tonインゴ
ットとした。
【0031】得られたインゴットは図1に示す要領で縦
方向に切断して、インゴット1内のブローホール発生状
況を肉眼で調査した。ブローホール調査後、インゴット
の一部を1180℃の炉内で1時間加熱し、厚さ50m
m,幅750mm,長さ約4000mmの板に鍛造し
た。更に、1200℃×1時間の溶体化処理、800℃
×3時間の焼き戻し処理を実施した後に鋼を化学分析し
て、窒化物あるいは炭窒化物の分散状態および形態を光
学顕微鏡,電子顕微鏡,X線回折,電子線回折にて調査
し、化学組成を同定した。
方向に切断して、インゴット1内のブローホール発生状
況を肉眼で調査した。ブローホール調査後、インゴット
の一部を1180℃の炉内で1時間加熱し、厚さ50m
m,幅750mm,長さ約4000mmの板に鍛造し
た。更に、1200℃×1時間の溶体化処理、800℃
×3時間の焼き戻し処理を実施した後に鋼を化学分析し
て、窒化物あるいは炭窒化物の分散状態および形態を光
学顕微鏡,電子顕微鏡,X線回折,電子線回折にて調査
し、化学組成を同定した。
【0032】図2は熱処理ままの鋼中の析出物中のM23
C6 型炭化物およびM6 CあるいはNbC型炭化物と、
Cr2 N型窒化物およびNbN型窒化物の存在比率を示
している。窒素濃度が0.10%の場合には本発明鋼中
の析出物は窒化物が過半数を占め、0.15%において
はほぼ100%窒化物となり、炭化物は全く生成してい
ないことがわかる。従って、本発明の効果を十分に発揮
するためには鋼中窒素濃度を0.1%以上とする必要が
あることがわかる。
C6 型炭化物およびM6 CあるいはNbC型炭化物と、
Cr2 N型窒化物およびNbN型窒化物の存在比率を示
している。窒素濃度が0.10%の場合には本発明鋼中
の析出物は窒化物が過半数を占め、0.15%において
はほぼ100%窒化物となり、炭化物は全く生成してい
ないことがわかる。従って、本発明の効果を十分に発揮
するためには鋼中窒素濃度を0.1%以上とする必要が
あることがわかる。
【0033】図3はブローホール発生状況を雰囲気の全
圧力と窒素分圧の関係で示したグラフである。窒素濃度
を0.10%以上とするためには、最低で全圧を2.5
bar以上にする必要がある。この場合の窒素分圧はS
ievertの法則を用いる平衡計算から本発明鋼にお
いて1.0barとなる。また、窒化物あるいは炭窒化
物の析出量を制御すめために窒素分圧を1.0〜6.0
bar(鋼中窒素濃度は約0.5mass%)に保持す
る場合には全圧を2.5〜約15barまで窒素分圧に
応じて変化させる必要があり、図3に点線で示される境
界圧力よりも高い全圧を必要とすることがわかる。
圧力と窒素分圧の関係で示したグラフである。窒素濃度
を0.10%以上とするためには、最低で全圧を2.5
bar以上にする必要がある。この場合の窒素分圧はS
ievertの法則を用いる平衡計算から本発明鋼にお
いて1.0barとなる。また、窒化物あるいは炭窒化
物の析出量を制御すめために窒素分圧を1.0〜6.0
bar(鋼中窒素濃度は約0.5mass%)に保持す
る場合には全圧を2.5〜約15barまで窒素分圧に
応じて変化させる必要があり、図3に点線で示される境
界圧力よりも高い全圧を必要とすることがわかる。
【0034】図3中の境界線を実験的に求めると、 P=2.5p となるので、不等式 P>2.5p を満たす条件の雰囲気圧力,組成を選択すれば、本発明
鋼を得られることがわかる。
鋼を得られることがわかる。
【0035】従って、加圧,雰囲気制御の可能な炉設備
が必要であり、これを用いなければ本発明鋼の製造は困
難である。溶解方法には全く制限がなく、転炉,誘導加
熱炉,アーク溶解炉,電気炉等,鋼の化学成分とコスト
を勘案して使用プロセスを決定すればよい。精錬に関し
ても同様で、全圧2.5bar以上、窒素分圧1.0b
ar以上に雰囲気を制御すれば、LF(Ladre F
urnace ,取鍋精錬設備),ESR(Elect
ro Slag Remelting,エレクトロスラ
グ再溶解設備),帯溶融精錬(Zone Meltin
g)等の設備も適用可能であり、かつ有用である。
が必要であり、これを用いなければ本発明鋼の製造は困
難である。溶解方法には全く制限がなく、転炉,誘導加
熱炉,アーク溶解炉,電気炉等,鋼の化学成分とコスト
を勘案して使用プロセスを決定すればよい。精錬に関し
ても同様で、全圧2.5bar以上、窒素分圧1.0b
ar以上に雰囲気を制御すれば、LF(Ladre F
urnace ,取鍋精錬設備),ESR(Elect
ro Slag Remelting,エレクトロスラ
グ再溶解設備),帯溶融精錬(Zone Meltin
g)等の設備も適用可能であり、かつ有用である。
【0036】全圧2.5bar以上,窒素分圧1.0b
ar以上の条件で加圧雰囲気下で鋳造した後に、鍛造あ
るいは熱間圧延によってビレット,ブルームおよび板に
加工することが可能である。本発明鋼は窒化物あるいは
炭窒化物が微細に分散しているため、従来のフェライト
系耐熱鋼に比較して熱間加工性が優れている。このこと
もまた、窒素を固溶限以上に添加して窒化物あるいは炭
窒化物として利用することの理由の一つである。
ar以上の条件で加圧雰囲気下で鋳造した後に、鍛造あ
るいは熱間圧延によってビレット,ブルームおよび板に
加工することが可能である。本発明鋼は窒化物あるいは
炭窒化物が微細に分散しているため、従来のフェライト
系耐熱鋼に比較して熱間加工性が優れている。このこと
もまた、窒素を固溶限以上に添加して窒化物あるいは炭
窒化物として利用することの理由の一つである。
【0037】製造工程としては、丸ビレットあるいは角
ビレットへ加工した後に、熱間押出しあるいは種々のシ
ームレス圧延法によってシームレスパイプおよびチュー
ブに加工する方法、薄板に熱間圧延、冷間圧延を施した
後に電気抵抗溶接によって電縫鋼管とする方法、および
TIG,MIG,SAW,LASER,EB溶接によっ
て(単独で、あるいは併用して)溶接鋼管とする方法が
適用でき、更には以上の各方法の後に熱間あるいは温間
でSR(絞り圧延)ないしは定形圧延を追加実施するこ
とも可能であり、本発明鋼の適用寸法範囲を拡大するこ
とが可能である。
ビレットへ加工した後に、熱間押出しあるいは種々のシ
ームレス圧延法によってシームレスパイプおよびチュー
ブに加工する方法、薄板に熱間圧延、冷間圧延を施した
後に電気抵抗溶接によって電縫鋼管とする方法、および
TIG,MIG,SAW,LASER,EB溶接によっ
て(単独で、あるいは併用して)溶接鋼管とする方法が
適用でき、更には以上の各方法の後に熱間あるいは温間
でSR(絞り圧延)ないしは定形圧延を追加実施するこ
とも可能であり、本発明鋼の適用寸法範囲を拡大するこ
とが可能である。
【0038】本発明鋼は更に、厚板および薄板の形で提
供することも可能であり、熱間圧延まま、もしくは必要
とされる熱処理を施した板を用いて種々の耐熱材料の形
状で使用することが可能であって、本発明の効果に何等
影響を与えない。以上の鋼管,板,各種形状の耐熱部材
にはそれぞれ目的,用途に応じて各種熱処理を施すこと
が可能であって、また本発明の効果を十分に発揮する上
で重要である。
供することも可能であり、熱間圧延まま、もしくは必要
とされる熱処理を施した板を用いて種々の耐熱材料の形
状で使用することが可能であって、本発明の効果に何等
影響を与えない。以上の鋼管,板,各種形状の耐熱部材
にはそれぞれ目的,用途に応じて各種熱処理を施すこと
が可能であって、また本発明の効果を十分に発揮する上
で重要である。
【0039】通常は焼準(固溶化熱処理)+焼き戻し工
程を経て製品とする場合が多いが、これに加えて焼き入
れ,焼き戻し,焼準工程を単独で、あるいは併用して施
すことが可能であり、また有用である。材料特性の十分
な発現に必要な範囲で、以上の工程は各々の工程を複数
回繰り返して適用することもまた可能であって、本発明
の効果に何等影響を与えるものではない。
程を経て製品とする場合が多いが、これに加えて焼き入
れ,焼き戻し,焼準工程を単独で、あるいは併用して施
すことが可能であり、また有用である。材料特性の十分
な発現に必要な範囲で、以上の工程は各々の工程を複数
回繰り返して適用することもまた可能であって、本発明
の効果に何等影響を与えるものではない。
【0040】以上の工程を適宜選択して、本発明鋼の製
造プロセスに適用すればよい。
造プロセスに適用すればよい。
【0041】
【実施例】表1〜表14に示す、請求項1〜4の何れか
の組成を有する鋼それぞれ5tonを加圧設備を付帯す
る誘導加熱炉を用いて溶解し、LF処理(雰囲気と同組
成のガスバブリング)で清浄化して不純物を低減した後
に請求項5に示した不等式を満たす条件で窒素とアルゴ
ンの混合ガスを用いて雰囲気を調整し、鋳型に鋳造し、
丸ビレットに加工して、熱間押出しにて外径60mm,
肉厚10mmのチューブを、またシームレス圧延にて外
径380mm,肉厚50mmのパイプをそれぞれ製造し
た。チューブ,パイプは1200℃,1時間の焼準を1
回施し、加えて800℃にて3時間焼き戻し処理を実施
した。
の組成を有する鋼それぞれ5tonを加圧設備を付帯す
る誘導加熱炉を用いて溶解し、LF処理(雰囲気と同組
成のガスバブリング)で清浄化して不純物を低減した後
に請求項5に示した不等式を満たす条件で窒素とアルゴ
ンの混合ガスを用いて雰囲気を調整し、鋳型に鋳造し、
丸ビレットに加工して、熱間押出しにて外径60mm,
肉厚10mmのチューブを、またシームレス圧延にて外
径380mm,肉厚50mmのパイプをそれぞれ製造し
た。チューブ,パイプは1200℃,1時間の焼準を1
回施し、加えて800℃にて3時間焼き戻し処理を実施
した。
【0042】また、50tonインゴットを鋳造後、鍛
造してスラブとし、熱間圧延によって厚さ25mmおよ
び50mmの板を製造した。クリープ特性は図4に示す
ように、鋼管3の軸方向4と並行に、あるいは板の圧延
方向5と並行に、直径6mmφのクリープ試験片6を切
り出し、650℃にてクリープ強度を測定し、得られた
データから直線外挿して15万時間でのクリープ破断強
度を推定評価した。クリープ破断強度150MPaをク
リープ強度の評価値とした。以降、650℃,15万時
間におけるクリープ強度とは、クリープ破断強度−破断
時間図上での15万時間における直線外挿値を意味する
ものとする。
造してスラブとし、熱間圧延によって厚さ25mmおよ
び50mmの板を製造した。クリープ特性は図4に示す
ように、鋼管3の軸方向4と並行に、あるいは板の圧延
方向5と並行に、直径6mmφのクリープ試験片6を切
り出し、650℃にてクリープ強度を測定し、得られた
データから直線外挿して15万時間でのクリープ破断強
度を推定評価した。クリープ破断強度150MPaをク
リープ強度の評価値とした。以降、650℃,15万時
間におけるクリープ強度とは、クリープ破断強度−破断
時間図上での15万時間における直線外挿値を意味する
ものとする。
【0043】靱性については700℃1万時間の時効処
理を施し、これを加速評価試験として評価した。時効し
た試料からJIS4号引張試験片を切り出し、衝撃吸収
エネルギーで評価した。靱性の評価値は0℃における水
圧試験を想定して、10Jに設定した。耐高温酸化性
は、25mm×25mm×5mmの大きさに切り出した
小型試験片を650℃の大気雰囲気中の炉内に1万時間
懸吊し、実験後試料をスケールの成長方向と平行に切断
して酸化スケールの厚みを測定することで評価した。
理を施し、これを加速評価試験として評価した。時効し
た試料からJIS4号引張試験片を切り出し、衝撃吸収
エネルギーで評価した。靱性の評価値は0℃における水
圧試験を想定して、10Jに設定した。耐高温酸化性
は、25mm×25mm×5mmの大きさに切り出した
小型試験片を650℃の大気雰囲気中の炉内に1万時間
懸吊し、実験後試料をスケールの成長方向と平行に切断
して酸化スケールの厚みを測定することで評価した。
【0044】650℃,15万時間のクリープ破断強
度、700℃,1万時間時効後の0℃におけるシャルピ
ー衝撃吸収エネルギー、650℃,1万時間酸化試験後
の酸化スケール厚さをそれぞれ表2、表4、表6、表
8、表10、表12、表14に示した。比較のために本
発明の請求項1〜4のいずれにも該当しない成分を有す
る鋼を同様の方法で溶解、製造、評価した。化学成分と
評価結果を表15、表16に示した。
度、700℃,1万時間時効後の0℃におけるシャルピ
ー衝撃吸収エネルギー、650℃,1万時間酸化試験後
の酸化スケール厚さをそれぞれ表2、表4、表6、表
8、表10、表12、表14に示した。比較のために本
発明の請求項1〜4のいずれにも該当しない成分を有す
る鋼を同様の方法で溶解、製造、評価した。化学成分と
評価結果を表15、表16に示した。
【0045】図5は鋼中窒素含有量と650℃,15万
時間の推定クリープ破断強度の関係を示した図である。
鋼中窒素含有量が0.1%以上ではクリープ破断強度が
150MPaを超え、高い値を示すが、0.1%未満で
は150MPa未満であって、設定した評価値を満足し
ない。図6は鋼中Nb含有量と650℃,15万時間の
推定クリープ破断強度の関係を示した図である。鋼中N
b含有量が0.12%を超えればクリープ破断強度は1
50MPaを超え、またNb含有量が2.0%以上では
溶鋼段階で析出した粗大なNbNとFe2 Nb型Lav
es相のために却ってクリープ強度が低下することがわ
かる。
時間の推定クリープ破断強度の関係を示した図である。
鋼中窒素含有量が0.1%以上ではクリープ破断強度が
150MPaを超え、高い値を示すが、0.1%未満で
は150MPa未満であって、設定した評価値を満足し
ない。図6は鋼中Nb含有量と650℃,15万時間の
推定クリープ破断強度の関係を示した図である。鋼中N
b含有量が0.12%を超えればクリープ破断強度は1
50MPaを超え、またNb含有量が2.0%以上では
溶鋼段階で析出した粗大なNbNとFe2 Nb型Lav
es相のために却ってクリープ強度が低下することがわ
かる。
【0046】図7は鋼中W含有量と650℃,15万時
間の推定クリープ破断強度との関係を示した図である。
Wが0.2%未満ではクリープ破断強度は150MPa
未満であり、0.2〜1.5%の範囲では150MPa
以上となる。Wが1.5%を超えると粒界に析出する粗
大なFe2 Wのためにクリープ破断強度は150MPa
未満となる。
間の推定クリープ破断強度との関係を示した図である。
Wが0.2%未満ではクリープ破断強度は150MPa
未満であり、0.2〜1.5%の範囲では150MPa
以上となる。Wが1.5%を超えると粒界に析出する粗
大なFe2 Wのためにクリープ破断強度は150MPa
未満となる。
【0047】図8はクリープ試験結果を応力−破断時間
で表わしたもので、鋼中窒素含有量が0.1%以上では
応力−破断時間の間に良い直線性が見られ、クリープ破
断推定強度が高いが、鋼中窒素含有量が0.1%未満で
は応力−破断時間の関係は、長時間側においてクリープ
強度の低下が顕著であり、直線性が保たれていないか、
またはクリープ破断線図の傾きが急峻で、短時間側のク
リープ破断強度は高いものの長時間クリープ破断強度は
むしろ低いか、ないしは終始低いクリープ強度を示して
いる。これは、W等の固溶強化元素が炭化物として析出
し、凝集粗大化して母材のクリープ特性が劣化したため
であり、窒素含有量0.1%以上では、微細な窒化物が
優先して析出した結果、炭化物の生成が大幅に遅れ、固
溶強化元素の炭化物中への固溶が抑制されたことと、微
細に分散した窒化物が高温長時間でのクリープ試験にお
いても凝集粗大化することなく安定に存在するために長
時間クリープ試験においても高いクリープ強度を維持で
きたことが原因である。
で表わしたもので、鋼中窒素含有量が0.1%以上では
応力−破断時間の間に良い直線性が見られ、クリープ破
断推定強度が高いが、鋼中窒素含有量が0.1%未満で
は応力−破断時間の関係は、長時間側においてクリープ
強度の低下が顕著であり、直線性が保たれていないか、
またはクリープ破断線図の傾きが急峻で、短時間側のク
リープ破断強度は高いものの長時間クリープ破断強度は
むしろ低いか、ないしは終始低いクリープ強度を示して
いる。これは、W等の固溶強化元素が炭化物として析出
し、凝集粗大化して母材のクリープ特性が劣化したため
であり、窒素含有量0.1%以上では、微細な窒化物が
優先して析出した結果、炭化物の生成が大幅に遅れ、固
溶強化元素の炭化物中への固溶が抑制されたことと、微
細に分散した窒化物が高温長時間でのクリープ試験にお
いても凝集粗大化することなく安定に存在するために長
時間クリープ試験においても高いクリープ強度を維持で
きたことが原因である。
【0048】図9は700℃,1万時間時効後の0℃に
おけるシャルピー衝撃吸収エネルギーと鋼中窒素含有量
の関係を示している。鋼中窒素含有量が0.1〜0.5
%の場合には衝撃吸収エネルギーが10Jを超え、0.
1%未満の場合には固溶化熱処理時に残存する高融点窒
化物による粒成長抑制効果が不十分であるか、あるいは
効果がないために、衝撃吸収エネルギーが低下し、0.
5%超の場合には大量に析出した窒化物によって衝撃吸
収エネルギーが低下する。
おけるシャルピー衝撃吸収エネルギーと鋼中窒素含有量
の関係を示している。鋼中窒素含有量が0.1〜0.5
%の場合には衝撃吸収エネルギーが10Jを超え、0.
1%未満の場合には固溶化熱処理時に残存する高融点窒
化物による粒成長抑制効果が不十分であるか、あるいは
効果がないために、衝撃吸収エネルギーが低下し、0.
5%超の場合には大量に析出した窒化物によって衝撃吸
収エネルギーが低下する。
【0049】図10は650℃,1万時間酸化試験後の
試験表面の酸化スケール厚さと鋼中窒素含有量の関係を
示している。鋼中窒素含有量が0.1%未満では酸化ス
ケール厚みが400〜900μmと厚いが、鋼中窒素含
有量0.1%以上では酸化スケール厚みが急激に減少し
て50μm以下となっている。表5に示した比較鋼の
内、161,162番鋼は鋼中窒素含有量が不十分であ
ったために、650℃,15万時間の推定クリープ破断
強度が低く、かつ耐高温酸化性が不良であった例、16
3,164番鋼は鋼中窒素含有量が過多であったため、
粗大な窒化物あるいは炭窒化物が大量に析出し、700
℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸
収エネルギーが10J以下となった例、165番鋼はW
濃度が低く、鋼中窒素含有量が本発明鋼の範囲にあった
にも拘らず、固溶強化が不十分であったために、650
℃15万時間の推定クリープ破断強度が低下した例、1
66番鋼はW濃度が高くクリープ中に粗大なFe2 W型
Laves相が粒界に析出し、クリープ強度および靱性
ともに低下した例、167番鋼はNb含有量が低く65
0℃,15万時間の推定クリープ破断強度が低下した
例、168番鋼はNb含有量が高く、クリープ中に粗大
なFe2 Nb型Laves相が多量に析出したために6
50℃,15万時間の推定クリープ破断強度および70
0℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃
吸収エネルギーが低下した例、169番鋼はZr濃度が
0.1%を超えたために粗大なZrNが大量に析出し、
700℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy
衝撃吸収エネルギーが10J以下となった例、170,
171,172番鋼はそれぞれ169番鋼と同様に、鋼
中Ta,Hf,Ti含有量がそれぞれ過多であったた
め、それぞれ粗大なTaN,HfN,TiNを大量に析
出し、その結果700℃,1万時間時効後の0℃におけ
るCharpy衝撃吸収エネルギーが10J以下となっ
た例、173番鋼は化学成分が請求項1〜4を満たして
いるにも拘らず、窒素分圧2.2bar,全圧2.5b
arと、雰囲気の圧力条件が、請求項5の不等式を満足
しなかったために、大型のブローホールが多数インゴッ
ト内に生成し、結果として健全な鋼塊,板が得られず、
650℃,15万時間の推定クリープ破断強度、700
℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸
収エネルギーがともに低下した例である。
試験表面の酸化スケール厚さと鋼中窒素含有量の関係を
示している。鋼中窒素含有量が0.1%未満では酸化ス
ケール厚みが400〜900μmと厚いが、鋼中窒素含
有量0.1%以上では酸化スケール厚みが急激に減少し
て50μm以下となっている。表5に示した比較鋼の
内、161,162番鋼は鋼中窒素含有量が不十分であ
ったために、650℃,15万時間の推定クリープ破断
強度が低く、かつ耐高温酸化性が不良であった例、16
3,164番鋼は鋼中窒素含有量が過多であったため、
粗大な窒化物あるいは炭窒化物が大量に析出し、700
℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸
収エネルギーが10J以下となった例、165番鋼はW
濃度が低く、鋼中窒素含有量が本発明鋼の範囲にあった
にも拘らず、固溶強化が不十分であったために、650
℃15万時間の推定クリープ破断強度が低下した例、1
66番鋼はW濃度が高くクリープ中に粗大なFe2 W型
Laves相が粒界に析出し、クリープ強度および靱性
ともに低下した例、167番鋼はNb含有量が低く65
0℃,15万時間の推定クリープ破断強度が低下した
例、168番鋼はNb含有量が高く、クリープ中に粗大
なFe2 Nb型Laves相が多量に析出したために6
50℃,15万時間の推定クリープ破断強度および70
0℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃
吸収エネルギーが低下した例、169番鋼はZr濃度が
0.1%を超えたために粗大なZrNが大量に析出し、
700℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy
衝撃吸収エネルギーが10J以下となった例、170,
171,172番鋼はそれぞれ169番鋼と同様に、鋼
中Ta,Hf,Ti含有量がそれぞれ過多であったた
め、それぞれ粗大なTaN,HfN,TiNを大量に析
出し、その結果700℃,1万時間時効後の0℃におけ
るCharpy衝撃吸収エネルギーが10J以下となっ
た例、173番鋼は化学成分が請求項1〜4を満たして
いるにも拘らず、窒素分圧2.2bar,全圧2.5b
arと、雰囲気の圧力条件が、請求項5の不等式を満足
しなかったために、大型のブローホールが多数インゴッ
ト内に生成し、結果として健全な鋼塊,板が得られず、
650℃,15万時間の推定クリープ破断強度、700
℃,1万時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸
収エネルギーがともに低下した例である。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【表12】
【0062】
【表13】
【0063】
【表14】
【0064】
【表15】
【0065】
【表16】
【0066】
【発明の効果】本発明は長時間クリープ後の破断強度が
高く、耐高温酸化性に優れた高Nb含有高窒素フェライ
ト系耐熱鋼を提供するもので、産業の発展に寄与すると
ころ極めて大なるものがある。
高く、耐高温酸化性に優れた高Nb含有高窒素フェライ
ト系耐熱鋼を提供するもので、産業の発展に寄与すると
ころ極めて大なるものがある。
【図1】インゴットと切断の要領を示す斜視図である。
【図2】鋼中窒素含有量と、析出物中のM23C6 ,M6
C,NbC,Cr2 N,NbNの総和に占めるM23C6
+M6 C+NbCの重量分率およびCr2 N+NbNの
重量分率との関係を示す図である。
C,NbC,Cr2 N,NbNの総和に占めるM23C6
+M6 C+NbCの重量分率およびCr2 N+NbNの
重量分率との関係を示す図である。
【図3】インゴットのブローホール発生条件を、鋳造時
の雰囲気の全圧と窒素分圧の関係で示した図である。
の雰囲気の全圧と窒素分圧の関係で示した図である。
【図4】鋼管試験体,圧延試験体と、クリープ試験片採
取要領を示す模式図である。
取要領を示す模式図である。
【図5】鋼中窒素含有量と650℃,15万時間の推定
クリープ破断強度の関係を示す図である。
クリープ破断強度の関係を示す図である。
【図6】鋼中Nb含有量と650℃,15万時間の推定
クリープ破断強度の関係を示す図である。
クリープ破断強度の関係を示す図である。
【図7】鋼中W含有量と650℃,15万時間の推定ク
リープ破断強度の関係を示す図である。
リープ破断強度の関係を示す図である。
【図8】クリープ試験結果の一例を破断強度と破断時間
で示した図である。
で示した図である。
【図9】鋼中窒素含有量と700℃,1万時間時効後の
0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギー値との関係
を示す図である。
0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギー値との関係
を示す図である。
【図10】鋼中窒素含有量と650℃,1万時間高温酸
化試験後の試料表面に生成する酸化スケールの成長方向
の厚みとの関係を示す図である。
化試験後の試料表面に生成する酸化スケールの成長方向
の厚みとの関係を示す図である。
1 インゴット 2 切断線 3 鋼管試験体 4 鋼管軸方向 5 圧延方向 6 クリープ試験片
フロントページの続き (72)発明者 直井 久 神奈川県相模原市淵野辺5−10−1 新 日本製鐵株式会社 第2技術研究所内 (72)発明者 増山 不二光 長崎県長崎市飽の浦1番1号 三菱重工 業株式会社技術本部長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平2−50942(JP,A) 特開 平1−123023(JP,A) 特開 昭63−210233(JP,A) 特開 昭63−137121(JP,A) 特開 昭62−151548(JP,A) 特開 昭60−190551(JP,A) 特開 昭60−155648(JP,A) 特開 昭54−102221(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 302 B22D 23/00 C21C 7/00 101 C22C 38/26
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%でC :0.01 〜 0.3
0%, Si:0.02 〜 0.80%, Mn:0.20 〜 1.00%, Cr:8.00 〜13.00%, Mo:0.005 〜 1.00%, W :0.20 〜 1.50%, V :0.05 〜 1.00%, Nb:0.12%超〜 2.00%, N :0.10 〜 0.50%を含有し、 P :0.050%以下, S :0.010%以下, O :0.020%以下に制限し、残部がFeおよび不
可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb含有高窒
素フェライト系耐熱鋼。 - 【請求項2】 質量%でC :0.01 〜 0.3
0%, Si:0.02 〜 0.80%, Mn:0.20 〜 1.00%, Cr:8.00 〜13.00%, Mo:0.005 〜 1.00%, W :0.20 〜 1.50%, V :0.05 〜 1.00%, Nb:0.12%超〜 2.00%, N :0.10 〜 0.50%を含有し、更にT
a:0.01〜1.00%, Hf:0.01〜1.00%の1種または2種を含有
し、 P :0.050%以下, S :0.010%以下, O :0.020%以下に制限し、残部がFeおよび不
可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb含有高窒
素フェライト系耐熱鋼。 - 【請求項3】 質量%でC :0.01 〜 0.3
0%, Si:0.02 〜 0.80%, Mn:0.20 〜 1.00%, Cr:8.00 〜13.00%, Mo:0.005 〜 1.00%, W :0.20 〜 1.50%, V :0.05 〜 1.00%, Nb:0.12%超〜 2.00%, N :0.10 〜 0.50%を含有し、更にZ
r:0.0005〜0.10%, Ti:0.01 〜0.10%の1種または2種を含
有し、 P :0.050%以下, S :0.010%以下, O :0.020%以下に制限し、残部がFeおよび不
可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb含有高窒
素フェライト系耐熱鋼。 - 【請求項4】 質量%でC :0.01 〜 0.3
0%, Si:0.02 〜 0.80%, Mn:0.20 〜 1.00%, Cr:8.00 〜13.00%, Mo:0.005 〜 1.00%, W :0.20 〜 1.50%, V :0.05 〜 1.00%, Nb:0.12%超〜 2.00%, N :0.10 〜 0.50%を含有し、更にT
a:0.01 〜1.00%, Hf:0.01 〜1.00% の1種または2種を含有し、更にZr:0.0005〜
0.10%, Ti:0.01 〜0.10%の1種または2種を含
有し、 P :0.050%以下, S :0.010%以下, O :0.020%以下に制限し、残部がFeおよび不
可避の不純物よりなることを特徴とする高Nb含有高窒
素フェライト系耐熱鋼。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに示す成分
を有する鋼を所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは
窒素ガス雰囲気中で溶解,平衡させた後に、鋳造時ある
いは凝固時に、全圧2.5bar以上、窒素分圧1.0
bar以上で、窒素分圧p,全圧Pの間に次式の関係 P>2.5p が成立するように雰囲気を制御することを特徴とする高
Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3097765A JP2890073B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法 |
US07/875,685 US5254307A (en) | 1991-04-30 | 1992-04-28 | High-nitrogen ferritic heat-resisting steel with high niobium content and method of production thereof |
EP92107301A EP0511648B1 (en) | 1991-04-30 | 1992-04-29 | High-nitrogen ferritic heatresisting steel with high niobium content and method of production thereof |
DE69217510T DE69217510T2 (de) | 1991-04-30 | 1992-04-29 | Ferritisches, hitzebeständiger Stahl mit hohen Stickstoff- und Niobgehalten und Verfahren zu seiner Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3097765A JP2890073B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598393A JPH0598393A (ja) | 1993-04-20 |
JP2890073B2 true JP2890073B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=14200964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3097765A Expired - Lifetime JP2890073B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 高Nb含有高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP0511648B1 (ja) |
JP (1) | JP2890073B2 (ja) |
DE (1) | DE69217510T2 (ja) |
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ES2208047B1 (es) * | 2002-01-14 | 2005-06-16 | Sidenori + D, S.A. | Un acero ductil y su metodo de obtencion. |
EP1826288B1 (en) * | 2006-02-23 | 2012-04-04 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Ferritic stainless steel cast iron, cast part using the ferritic stainless steel cast iron, and process for producing the cast part |
CN101990690B (zh) * | 2008-04-10 | 2013-10-09 | Nxp股份有限公司 | 8形电感器 |
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GB741935A (en) * | 1952-08-22 | 1955-12-14 | Hadfields Ltd | Improvements in alloy steels |
US2848323A (en) * | 1955-02-28 | 1958-08-19 | Birmingham Small Arms Co Ltd | Ferritic steel for high temperature use |
FR1140573A (fr) * | 1956-01-25 | 1957-07-29 | Birmingham Small Arms Co Ltd | Aciers ferritiques au chrome |
CH537459A (de) * | 1968-06-17 | 1973-05-31 | Armco Steel Corp | Durch Wärmebehandlung härtbarer rostfreier Stahl |
JPS5270935A (en) * | 1975-12-10 | 1977-06-13 | Kubota Ltd | Method of centrifugal casting |
JPS5550959A (en) * | 1978-10-05 | 1980-04-14 | Kubota Ltd | Method and apparatus for centrifugal casting |
-
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-
1992
- 1992-04-28 US US07/875,685 patent/US5254307A/en not_active Expired - Fee Related
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- 1992-04-29 DE DE69217510T patent/DE69217510T2/de not_active Expired - Fee Related
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EP0511648B1 (en) | 1997-02-19 |
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DE69217510D1 (de) | 1997-03-27 |
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EP0511648A1 (en) | 1992-11-04 |
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