JP3384831B2 - 釣り竿 - Google Patents
釣り竿Info
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- JP3384831B2 JP3384831B2 JP11671193A JP11671193A JP3384831B2 JP 3384831 B2 JP3384831 B2 JP 3384831B2 JP 11671193 A JP11671193 A JP 11671193A JP 11671193 A JP11671193 A JP 11671193A JP 3384831 B2 JP3384831 B2 JP 3384831B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釣り竿に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の竿を製造するに、従来は、プリ
プレグとして例えば炭素繊維等の強化繊維にフェノール
等の熱硬化性樹脂を含浸させたものを、マンドレルに巻
回して竿素材を形成するとともに、竿素材の外周面に成
形用のポリエステル若しくはポリプロピレン等の成形テ
ープをラセン状に巻回して焼成し、焼成後成形テープを
剥がし、成形テープを剥がした竿素材の外周面に適当な
仕上げ加工を施してその仕上げ加工後塗装を施してい
た。この仕上げ加工としては、一般的には、成形テープ
によって竿素材の表面に付けられた螺旋状の突条を取り
去りその表面を平滑化(凹凸を均す)すると同時にその
平滑面に塗料ののりを良くするために粗面化を施すべ
く、図8に示すように、センタレス研磨機(ベルトサン
ダー研磨機を含む)10によって研磨加工を施すととも
に、その後、塗装を行う方法を採っていた。又は、バフ
研磨によって粗面化し塗料との密着性を向上させた後、
下塗り塗装を施し、その後、塗装部分のみ表面研磨を再
度行い、更に、仕上げ塗装を行う。この仕上げ塗装は表
面が平滑になるまで、何層かに亘って行う。
プレグとして例えば炭素繊維等の強化繊維にフェノール
等の熱硬化性樹脂を含浸させたものを、マンドレルに巻
回して竿素材を形成するとともに、竿素材の外周面に成
形用のポリエステル若しくはポリプロピレン等の成形テ
ープをラセン状に巻回して焼成し、焼成後成形テープを
剥がし、成形テープを剥がした竿素材の外周面に適当な
仕上げ加工を施してその仕上げ加工後塗装を施してい
た。この仕上げ加工としては、一般的には、成形テープ
によって竿素材の表面に付けられた螺旋状の突条を取り
去りその表面を平滑化(凹凸を均す)すると同時にその
平滑面に塗料ののりを良くするために粗面化を施すべ
く、図8に示すように、センタレス研磨機(ベルトサン
ダー研磨機を含む)10によって研磨加工を施すととも
に、その後、塗装を行う方法を採っていた。又は、バフ
研磨によって粗面化し塗料との密着性を向上させた後、
下塗り塗装を施し、その後、塗装部分のみ表面研磨を再
度行い、更に、仕上げ塗装を行う。この仕上げ塗装は表
面が平滑になるまで、何層かに亘って行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記仕上げ加工方法を
採る場合には、センタレス研磨機(ベルトサンダー研磨
機を含む)10による研磨加工によって、図9及び図1
0に示すように、竿素材5の表面に強化繊維2の残留が
見られず、僅かに、切断された繊維2の破片が点在する
のが見受けられるだけであり、その強化繊維2が削り採
られていると推察される。しかも、その竿素材5の表面
にはさらに周方向に沿った、サンダー研磨によるものと
思われる凹状の加工条痕9がみられた。したがって、竿
素材5の表面より強化繊維2が取り去られかつ切断され
ている為に、その竿素材5の表面とともに竿素材全体と
しても、強化繊維2の存在による強度の向上効果が期待
できず、曲げ強度等の機械的強度の低下は避けられなか
った。また、サンダー研磨による方法によらず、バフ研
磨と塗装によって平滑化する方法によっては、竿素材5
の表面においてはその平滑度は十分なものではなく、か
つ、バフ研磨による条痕9がさらに加わって平滑度自体
は改善の余地があった。この為に、塗装量を多くしなけ
ればならず、竿の軽量化にはならなかった。本第1発明
の目的は、仕上げ加工後の竿素材の表面状態を、従来と
は異なる状態に設定することによって、竿強度を従来よ
り高くできる釣り竿を提供する点にある。
採る場合には、センタレス研磨機(ベルトサンダー研磨
機を含む)10による研磨加工によって、図9及び図1
0に示すように、竿素材5の表面に強化繊維2の残留が
見られず、僅かに、切断された繊維2の破片が点在する
のが見受けられるだけであり、その強化繊維2が削り採
られていると推察される。しかも、その竿素材5の表面
にはさらに周方向に沿った、サンダー研磨によるものと
思われる凹状の加工条痕9がみられた。したがって、竿
素材5の表面より強化繊維2が取り去られかつ切断され
ている為に、その竿素材5の表面とともに竿素材全体と
しても、強化繊維2の存在による強度の向上効果が期待
できず、曲げ強度等の機械的強度の低下は避けられなか
った。また、サンダー研磨による方法によらず、バフ研
磨と塗装によって平滑化する方法によっては、竿素材5
の表面においてはその平滑度は十分なものではなく、か
つ、バフ研磨による条痕9がさらに加わって平滑度自体
は改善の余地があった。この為に、塗装量を多くしなけ
ればならず、竿の軽量化にはならなかった。本第1発明
の目的は、仕上げ加工後の竿素材の表面状態を、従来と
は異なる状態に設定することによって、竿強度を従来よ
り高くできる釣り竿を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本第1発明による特徴構
成は、仕上げ加工後の竿素材の表面に、樹脂が露出する
部分と、強化繊維が露出する部分とが存在している釣り
竿であって、前記仕上げ加工は、粒状でプリプレグの前
記樹脂の硬度より高硬度であって、前記強化繊維より低
硬度の研磨材の層内に前記竿素材を装入して、前記研磨
材に振動によって流動性を与え、前記研磨材と前記竿素
材との相対運動によって研磨加工を施すものである点に
あり、その作用効果は次の通りである。
成は、仕上げ加工後の竿素材の表面に、樹脂が露出する
部分と、強化繊維が露出する部分とが存在している釣り
竿であって、前記仕上げ加工は、粒状でプリプレグの前
記樹脂の硬度より高硬度であって、前記強化繊維より低
硬度の研磨材の層内に前記竿素材を装入して、前記研磨
材に振動によって流動性を与え、前記研磨材と前記竿素
材との相対運動によって研磨加工を施すものである点に
あり、その作用効果は次の通りである。
【0005】
【作用】樹脂が露出する部分の状態としては、図6に示
すように、繊維2が完全に樹脂3から浮き上がって存在
するのではなく、断面の略下半分を樹脂中に埋め、略上
半分を露出させるものと考察できるので、強化繊維2と
樹脂3との一体化状態は維持されている。これによっ
て、強化繊維2が樹脂3に混在してその樹脂3の強度を
向上させる機能においては、大きくは損なわれてはいな
い。
すように、繊維2が完全に樹脂3から浮き上がって存在
するのではなく、断面の略下半分を樹脂中に埋め、略上
半分を露出させるものと考察できるので、強化繊維2と
樹脂3との一体化状態は維持されている。これによっ
て、強化繊維2が樹脂3に混在してその樹脂3の強度を
向上させる機能においては、大きくは損なわれてはいな
い。
【0006】
【発明の効果】その結果、強化繊維と樹脂との一体化状
態を最小限維持しながら強化繊維を切断しない状態で仕
上げ加工を施すことができるので、竿の強度を従来のも
のに比べて高めることができ、魚が針がかりした際の合
わせ操作時の衝撃力にも十分対応できる等の竿の操作性
を向上させることができるとともに、長寿命化も図るこ
とができる。本第2発明の目的は、第1発明の目的に加
えて、仕上げ加工後の竿素材の表面に対する塗装を良好
に行い得る釣り竿を提供する点にある。
態を最小限維持しながら強化繊維を切断しない状態で仕
上げ加工を施すことができるので、竿の強度を従来のも
のに比べて高めることができ、魚が針がかりした際の合
わせ操作時の衝撃力にも十分対応できる等の竿の操作性
を向上させることができるとともに、長寿命化も図るこ
とができる。本第2発明の目的は、第1発明の目的に加
えて、仕上げ加工後の竿素材の表面に対する塗装を良好
に行い得る釣り竿を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本第2発明による特徴構
成は、前記仕上げ加工後の前記竿素材の表面に、前記樹
脂が露出する部分と、前記強化繊維が露出する部分とが
存在するとともに、前記強化繊維が配向方向に一部連続
状態を維持し、前記竿素材の外面に塗装層を形成してい
る点にあり、その作用効果は次の通りである。
成は、前記仕上げ加工後の前記竿素材の表面に、前記樹
脂が露出する部分と、前記強化繊維が露出する部分とが
存在するとともに、前記強化繊維が配向方向に一部連続
状態を維持し、前記竿素材の外面に塗装層を形成してい
る点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
【作用】第1発明の作用と同様の作用に加えて、次のよ
うな作用もある。つまり、強化繊維は配向方向に一部連
続状態を維持しているので、従来のように全長の各部に
おいて切断されてはなく、その点で強化繊維としての機
能を十分に発揮することができ、竿の強度を高めてい
る。又、前記竿素材の表面に強化繊維も露出しているの
で、樹脂のみが表出する場合に塗料の密着性を良くする
ためにその樹脂の表面を粗面化する為のバフ研磨加工等
を行う必要がなく、強化繊維が粗面化の機能をはたし、
塗料の密着性を良くする。
うな作用もある。つまり、強化繊維は配向方向に一部連
続状態を維持しているので、従来のように全長の各部に
おいて切断されてはなく、その点で強化繊維としての機
能を十分に発揮することができ、竿の強度を高めてい
る。又、前記竿素材の表面に強化繊維も露出しているの
で、樹脂のみが表出する場合に塗料の密着性を良くする
ためにその樹脂の表面を粗面化する為のバフ研磨加工等
を行う必要がなく、強化繊維が粗面化の機能をはたし、
塗料の密着性を良くする。
【0009】
【発明の効果】その結果、強化繊維との密着によって、
樹脂だけに密着する場合に比べて塗料自体の耐剥離性能
をより向上させることもできる。本第3発明の目的は、
第2発明の目的に加えて、塗装量を少なくして竿の軽量
化を達成することのできる釣り竿を提供する点にある。
樹脂だけに密着する場合に比べて塗料自体の耐剥離性能
をより向上させることもできる。本第3発明の目的は、
第2発明の目的に加えて、塗装量を少なくして竿の軽量
化を達成することのできる釣り竿を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本第3発明による特徴構
成は前記樹脂が露出する部分の表面が、表面粗さの小さ
い円滑面となっている点にあり、その作用効果は次の通
りである。
成は前記樹脂が露出する部分の表面が、表面粗さの小さ
い円滑面となっている点にあり、その作用効果は次の通
りである。
【0011】
【作用】第2発明の作用と同様の作用に加えて、樹脂の
表面が円滑面となっているので、従来のように加工痕を
解消するための余分な塗料を施す必要はない。
表面が円滑面となっているので、従来のように加工痕を
解消するための余分な塗料を施す必要はない。
【0012】
【発明の効果】その為に、塗料としての装飾的機能及び
竿表面の保護機能を発揮するにたる量を施せばよく、そ
れだけ竿の軽量化に寄与できる。本第4発明の目的は、
第2発明の目的に加えて、塗装状態を良好にできる釣り
竿を提供する点にある。
竿表面の保護機能を発揮するにたる量を施せばよく、そ
れだけ竿の軽量化に寄与できる。本第4発明の目的は、
第2発明の目的に加えて、塗装状態を良好にできる釣り
竿を提供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本第4発明による特徴構
成は前記強化繊維の表面が、前記樹脂が露出する部分の
表面より突出する状態となっている点にあり、その作用
効果は次の通りである。
成は前記強化繊維の表面が、前記樹脂が露出する部分の
表面より突出する状態となっている点にあり、その作用
効果は次の通りである。
【0014】
【作用】樹脂の表面が円滑面となっており、その樹脂の
間に位置してその樹脂の表面より突出する強化繊維は非
常に細い径のものであるから、竿素材の表面が円滑な樹
脂面に細径の強化繊維が突条として規則正しく施された
状態となる。
間に位置してその樹脂の表面より突出する強化繊維は非
常に細い径のものであるから、竿素材の表面が円滑な樹
脂面に細径の強化繊維が突条として規則正しく施された
状態となる。
【0015】
【発明の効果】したがって、その強化繊維による突条が
樹脂と塗料との密着性を高める媒体となるので、従来の
ように、樹脂と塗料との密着性を高めるために必要とな
るバフ研磨やサンダー加工等の溝付け加工を必要とせ
ず、しかも、そのような比較的粗い砥粒で溝付けするも
のに比べて強化繊維でなる突条が細いものとなるので、
竿素材の表面の各部分が樹脂の間に強化繊維の突条が規
則正しく配置された均一なものとなるので、塗装を行い
易くかつその塗装の施工状態も良好で、光沢のある滑ら
かな塗装面を呈する。
樹脂と塗料との密着性を高める媒体となるので、従来の
ように、樹脂と塗料との密着性を高めるために必要とな
るバフ研磨やサンダー加工等の溝付け加工を必要とせ
ず、しかも、そのような比較的粗い砥粒で溝付けするも
のに比べて強化繊維でなる突条が細いものとなるので、
竿素材の表面の各部分が樹脂の間に強化繊維の突条が規
則正しく配置された均一なものとなるので、塗装を行い
易くかつその塗装の施工状態も良好で、光沢のある滑ら
かな塗装面を呈する。
【0016】
【実施例】図1に示すように、マンドレル1を使用して
竿を形成する方法について、順を追って説明する。 図1に示すように、周方向に炭素系の強化繊維2を
引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性樹脂3
を含浸させたプリプレグ4を第1層としてマンドレル1
に巻き付ける。 図1に示すように、軸芯方向に炭素系の強化繊維2
を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性樹脂
3を含浸させたプリプレグ4を第2層として巻き付け
る。 図1に示すように、更に、周方向に炭素系の強化繊
維2を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性
樹脂3を含浸させたプリプレグ4を第3層として巻き付
け、竿素材5を形成する。 図1に示すように、更に、軸芯方向に炭素系の強化
繊維2を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化
性樹脂3を含浸させたプリプレグ4を第4層として巻き
付け、竿素材5を形成する。 上記した各層をマンドレル1に巻き付けるには、プリプ
レグ4を定盤上にセットしておき、プリプレグ4の一端
を加熱処理してマンドレル1を載せ付けてプリプレグ4
をマンドレル1に巻き付けて成形する。 図2に示すように、第3層の外周面にスパイラル状
にポリエステル等の成形テープ6を巻回し、その巻回し
て成形した竿素材5を、図3に示すように、焼成炉7に
入れて焼成処理する。 焼成後、図4に示すように、成形テープ6を剥離し
て後竿素材5を所定長さに裁断して、次のような仕上げ
加工を施す。 図5に示すように、研磨材8の層内に竿素材5を装
入して、研磨材8に振動によって流動性を与え、研磨材
8と竿素材5との相対運動によって研磨加工を施すよう
にしてある。
竿を形成する方法について、順を追って説明する。 図1に示すように、周方向に炭素系の強化繊維2を
引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性樹脂3
を含浸させたプリプレグ4を第1層としてマンドレル1
に巻き付ける。 図1に示すように、軸芯方向に炭素系の強化繊維2
を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性樹脂
3を含浸させたプリプレグ4を第2層として巻き付け
る。 図1に示すように、更に、周方向に炭素系の強化繊
維2を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化性
樹脂3を含浸させたプリプレグ4を第3層として巻き付
け、竿素材5を形成する。 図1に示すように、更に、軸芯方向に炭素系の強化
繊維2を引き揃えその強化繊維2にエポキシ系の熱硬化
性樹脂3を含浸させたプリプレグ4を第4層として巻き
付け、竿素材5を形成する。 上記した各層をマンドレル1に巻き付けるには、プリプ
レグ4を定盤上にセットしておき、プリプレグ4の一端
を加熱処理してマンドレル1を載せ付けてプリプレグ4
をマンドレル1に巻き付けて成形する。 図2に示すように、第3層の外周面にスパイラル状
にポリエステル等の成形テープ6を巻回し、その巻回し
て成形した竿素材5を、図3に示すように、焼成炉7に
入れて焼成処理する。 焼成後、図4に示すように、成形テープ6を剥離し
て後竿素材5を所定長さに裁断して、次のような仕上げ
加工を施す。 図5に示すように、研磨材8の層内に竿素材5を装
入して、研磨材8に振動によって流動性を与え、研磨材
8と竿素材5との相対運動によって研磨加工を施すよう
にしてある。
【0017】研磨材8としては、粒状でプリプレグ4の
熱硬化性樹脂3の硬度より高硬度であって、強化繊維2
より低硬度の研磨材8を使用する。このような仕上げを
施した竿素材5の表面状態は、図6に示すように、樹脂
3の間より強化繊維2が突出している。この突出状態
は、樹脂3がその断面の全体を突出させる状態ではな
く、断面の一部を突出させている。したがって、樹脂3
と強化繊維2との一体化状態は損なわれてはなく、それ
だけ、強度上は十分である。しかも、強化繊維2はその
引き揃え(配向)状態を維持して、その竿素材5の略全
長に亘って切断されない連続状態にあり、強化繊維2と
しての強化機能を発揮している。ここに、配向方向とい
うのは、プリプレグ形成時の繊維方向を言うものとし、
この実施例では、引き揃え状態で強化繊維2を配設して
いるが、その強化繊維2が縦横のシート状に配設してあ
れば、その縦横に配設された状態を配向状態ということ
にする。そして、図7に示すように、強化繊維2が引き
揃え状態を維持して竿素材5の表面に表出し、かつ、5
ミクロン〜8ミクロン径の繊維が一部のみ表出している
ので、極めて均一な状態で非常に細かい繊維が突出する
粗面を形成できる。前記した繊維2は細いものであるか
ら、サンダー等を利用した加工では、このような微細な
突条を刻設することは不可能である。従って、このよう
な均一で微細な突条を形成した竿素材5の表面に後記す
る塗装を施せば、従来にない、光沢があり円滑な塗装面
のものにすることができる。 上記したような仕上げ加工を施した後は、竿素材5
の表面にしごき塗装等の塗装方法を用いて、塗装を施し
塗装面を形成する。
熱硬化性樹脂3の硬度より高硬度であって、強化繊維2
より低硬度の研磨材8を使用する。このような仕上げを
施した竿素材5の表面状態は、図6に示すように、樹脂
3の間より強化繊維2が突出している。この突出状態
は、樹脂3がその断面の全体を突出させる状態ではな
く、断面の一部を突出させている。したがって、樹脂3
と強化繊維2との一体化状態は損なわれてはなく、それ
だけ、強度上は十分である。しかも、強化繊維2はその
引き揃え(配向)状態を維持して、その竿素材5の略全
長に亘って切断されない連続状態にあり、強化繊維2と
しての強化機能を発揮している。ここに、配向方向とい
うのは、プリプレグ形成時の繊維方向を言うものとし、
この実施例では、引き揃え状態で強化繊維2を配設して
いるが、その強化繊維2が縦横のシート状に配設してあ
れば、その縦横に配設された状態を配向状態ということ
にする。そして、図7に示すように、強化繊維2が引き
揃え状態を維持して竿素材5の表面に表出し、かつ、5
ミクロン〜8ミクロン径の繊維が一部のみ表出している
ので、極めて均一な状態で非常に細かい繊維が突出する
粗面を形成できる。前記した繊維2は細いものであるか
ら、サンダー等を利用した加工では、このような微細な
突条を刻設することは不可能である。従って、このよう
な均一で微細な突条を形成した竿素材5の表面に後記す
る塗装を施せば、従来にない、光沢があり円滑な塗装面
のものにすることができる。 上記したような仕上げ加工を施した後は、竿素材5
の表面にしごき塗装等の塗装方法を用いて、塗装を施し
塗装面を形成する。
【0018】〔別実施例〕
プリプレグ4としては、他の熱硬化性樹脂を使用可
能であり、事情が許せば熱可塑性樹脂も使用可能であ
り、かつ、強化繊維2としては炭素繊維以外のガラス繊
維及びボロン繊維等が使用可能である。 プリプレグ4を複数層に巻いているが、一層であっ
てもよく、かつ、強化繊維2の方向も前記したものに限
られず、少なくとも第1層2だけが周方向に設定してあ
れば、第2層3、第3層4については周方向又は軸芯方
向のいずれの方向であってもよい。 プリプレグ4としては、強化繊維2を一方向に揃え
たものだけでなく、直交状態に配したものでもよい。 研磨材8による仕上げ加工では、振動によって研磨
材8に流動性を持たせているが、研磨材8を竿素材5の
表面に吹き付けて加工を行ってもよく、流動性を持たせ
る方法としては、振動以外の方法を利用してもよい。 配向方向に一部連続する状態としては、竿軸芯の略
全長に亘る状態で連続状態を維持するものだけではな
く、部分的には、一・二カ所切断されていても竿の全長
の半分位は連続状態を維持するものでもよいものとす
る。また、竿の両端に形成する他の竿との合わせ部を除
いた中間部においては、連続状態を維持するものでもよ
い。さらには、前記した第4層が周方向に強化繊維2を
配向させたものであるならば、周方向に引き揃えた個々
の強化繊維2が周方向に連続状態を維持すればよい。勿
論、この場合にも、周方向のいずれかの箇所で切断され
ていてもよいものとする。強化繊維2を周方向に引き揃
えたものとしては、プリプレグテープを螺旋状に巻回す
る構成のものもあるが、この場合には、強化繊維2とし
ては、プリプレグテープの全長に亘ってその強化繊維2
が連続するものでもよい。但し、周方向のいずれかの箇
所で切断されていてもよいものとし、テープの幅端部に
位置する強化繊維2については切断されていることもあ
る。
能であり、事情が許せば熱可塑性樹脂も使用可能であ
り、かつ、強化繊維2としては炭素繊維以外のガラス繊
維及びボロン繊維等が使用可能である。 プリプレグ4を複数層に巻いているが、一層であっ
てもよく、かつ、強化繊維2の方向も前記したものに限
られず、少なくとも第1層2だけが周方向に設定してあ
れば、第2層3、第3層4については周方向又は軸芯方
向のいずれの方向であってもよい。 プリプレグ4としては、強化繊維2を一方向に揃え
たものだけでなく、直交状態に配したものでもよい。 研磨材8による仕上げ加工では、振動によって研磨
材8に流動性を持たせているが、研磨材8を竿素材5の
表面に吹き付けて加工を行ってもよく、流動性を持たせ
る方法としては、振動以外の方法を利用してもよい。 配向方向に一部連続する状態としては、竿軸芯の略
全長に亘る状態で連続状態を維持するものだけではな
く、部分的には、一・二カ所切断されていても竿の全長
の半分位は連続状態を維持するものでもよいものとす
る。また、竿の両端に形成する他の竿との合わせ部を除
いた中間部においては、連続状態を維持するものでもよ
い。さらには、前記した第4層が周方向に強化繊維2を
配向させたものであるならば、周方向に引き揃えた個々
の強化繊維2が周方向に連続状態を維持すればよい。勿
論、この場合にも、周方向のいずれかの箇所で切断され
ていてもよいものとする。強化繊維2を周方向に引き揃
えたものとしては、プリプレグテープを螺旋状に巻回す
る構成のものもあるが、この場合には、強化繊維2とし
ては、プリプレグテープの全長に亘ってその強化繊維2
が連続するものでもよい。但し、周方向のいずれかの箇
所で切断されていてもよいものとし、テープの幅端部に
位置する強化繊維2については切断されていることもあ
る。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図1】マンドレルに第1層から第4層を巻き付ける状
態を示す側面図
態を示す側面図
【図2】成形テープを巻回する状態を示す斜視図
【図3】竿素材を焼成する状態を示す側面図
【図4】成形テープを剥離する状態を示す側面図
【図5】竿素材に仕上げ加工を施す状態を示す側面図
【図6】図5における仕上げ加工後の竿素材の表面を示
す縦断側面図
す縦断側面図
【図7】図6に対応する斜視図
【図8】従来の仕上げ加工状態を示す斜視図
【図9】図8における仕上げ加工後の竿素材の表面を示
す縦断側面図
す縦断側面図
【図10】図9に対応する斜視図
2 強化繊維
3 樹脂
5 竿素材
Claims (4)
- 【請求項1】 仕上げ加工後の竿素材(5)の表面に、
樹脂(3)が露出する部分と、強化繊維(2)が露出す
る部分とが存在している釣り竿であって、 前記仕上げ加工は、粒状でプリプレグ(4)の前記樹脂
(3)の硬度より高硬度であって、前記強化繊維(2)
より低硬度の研磨材(8)の層内に前記竿素材(5)を
装入して、前記研磨材(8)に振動によって流動性を与
え、前記研磨材(8)と前記竿素材(5)との相対運動
によって研磨加工を施すものである ことを特徴とする釣
り竿。 - 【請求項2】 前記仕上げ加工後の前記竿素材(5)の
表面に、前記樹脂(3)が露出する部分と、前記強化繊
維(2)が露出する部分とが存在するとともに、前記強
化繊維(2)が配向方向に一部連続状態を維持し、前記
竿素材(5)の外面に塗装層を形成している請求項1記
載の釣り竿。 - 【請求項3】 前記樹脂(3)が露出する部分の表面
が、表面粗さの小さい円滑面となっている請求項2記載
の釣り竿。 - 【請求項4】 前記強化繊維(2)の表面が、前記樹脂
(3)が露出する部分の表面より突出する状態となって
いる請求項2又は請求項3記載の釣り竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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