JP3384828B2 - 帯電防止方法およびその装置 - Google Patents

帯電防止方法およびその装置

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俊民 呂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン化された空気
より帯電を防止する帯電防止方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体工場等で生産される半導
体基板,ガラス基板,ウェハキャリア等は、その静電容
量Cが、例えば、通常10pFと小さいために、僅かな
電荷量Qが帯電しても、その電位V(=Q/C)が、容
易に数千ボルトから数万ボルトに達し、この静電気力に
よる放電により、微細パターンが破壊される虞れがあ
る。
【0003】そこで、従来、空気をイオン化し、陽イオ
ンと陰イオンとを発生させ、帯電を防止することが行わ
れている。従来、空気をイオン化する方法としては、イ
オナイザーによる方法,X線あるいは紫外線を空気に照
射する方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオナ
イザーによる方法では、微小な塵が発生する虞れがあ
り、また、X線あるいは紫外線を空気に照射する方法で
は、これ等が人体に照射されると皮膚癌等を引き起こす
虞れがあるという問題があった。
【0005】そこで、X線あるいは紫外線を空気に照射
する方法では、X線あるいは紫外線を照射する場所を、
人体から充分に離れた場所に設け、イオン化された空気
を半導体基板,ガラス基板,ウェハキャリア等まで移動
させて、帯電を防止する方法が考えられるが、従来の技
術では、イオン化された空気の移動可能距離は、例え
ば、30cm程度以内であるという問題があった。
【0006】本発明者等は、かかる従来の問題を解決す
べく鋭意研究した結果、イオン化された空気の移動可能
距離が短いのは、イオン化された空気に陽イオンと陰イ
オンとが混在しているため、これ等が比較的迅速に結合
してしまうためであることを見出した。
【0007】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
もので、イオン化された空気を遠くまで確実に移動して
帯電を防止することができる帯電防止方法およびその装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電防止方法
は、イオン発生器により陽イオンと陰イオンとが混在す
る状態にイオン化された空気を所定の流速で流しなが
ら、流れ方向に直角な方向に磁界を作用させ、前記陽イ
オンと陰イオンとを分離し、分離された陽イオンと陰イ
オンとを別々に移動させ帯電を防止すべき部材の近傍で
噴出するものである。
【0009】本発明の帯電防止装置は、一側に空気流入
口が形成され、他側に二股状の分岐部が形成され前記分
岐部の下流側が帯電を防止すべき部材の近傍まで延在さ
るダクトと、前記ダクトを流通する空気を陽イオンと
陰イオンとが混在する状態にイオン化させるイオン発生
器と、このイオン発生器でイオン化された空気の流れ方
向に直角な方向に磁界を作用させ前記陽イオンと陰イオ
ンとを前記分岐部の上流側で分離する磁界発生手段とを
有するものである。
【0010】
【作用】本発明では、分離された陽イオンと陰イオンと
を別々に移動させるようにしたので、比較的長い時間に
わたりイオンを確実に分離し、帯電を防止すべき部材の
近傍まで確実に導くことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の詳細を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の帯電防止装置の一実施例を示すも
ので、図において符号11は、一側に空気流入口11a
が形成され、他側に二股状の分岐部が形成されるダクト
を示している。
【0012】分岐部の一方は、陽イオンダクト11bと
され、他方が陰イオンダクト11cとされている。ダク
ト11の一側には、イオン化され易い気体、例えば、窒
素の多いイオン化され易い空気をダクト11に供給する
ためのファン13が配置されている。
【0013】このファン13によりダクト11内に供給
された空気は、所定速度vでダクト11内を流れる。ダ
クト11の空気流入口11aの下流側には、ダクト11
を流通する空気を陽イオンと陰イオンとが混在する状態
にイオン化させるイオン発生器15が配置されている。
【0014】このイオン発生器15は、X線あるいは紫
外線を、ダクト11を流れる空気に照射することによ
り、ダクト11を流通する空気を陽イオンと陰イオンと
が混在する状態にイオン化させるように構成されてい
る。
【0015】なお、X線により空気をイオン化させる場
合には、空気に、1Å〜10Å程度の軟X線を照射する
ことにより、空気分子を効率良くイオン化できることが
知られている。
【0016】ダクト11のイオン発生器15の下流側に
は、イオン発生器15でイオン化された空気の流れ方向
に直角な方向に磁界Bを作用させ陽イオンと陰イオンと
を分離するための磁界発生手段であるコイル17が配置
されている。
【0017】すなわち、空気の流れ方向に直角な方向に
磁界Bを作用させると、フレミングの左手の法則によ
り、図2に示すように、親指が力を、人指し指が磁界
を、中指が電流を示す関係になり、陽イオンダクト11
b側に陽イオンが、陰イオンダクト11c側に陰イオン
が分離する。
【0018】分離された陽イオンおよび陰イオンは、陽
イオンダクト11bおよび陰イオンダクト11cを通っ
て半導体基板,ガラス基板,ウェハキャリア等の近傍ま
で移動され、半導体基板,ガラス基板,ウェハキャリア
等の近傍において噴出される。
【0019】しかして、上述した帯電防止方法では、陽
イオンと陰イオンとが混在する状態にイオン化された空
気を所定の流速で流しながら、流れ方向に直角な方向に
磁界Bを作用させ、陽イオンと陰イオンとを分離し、分
離された陽イオンと陰イオンとを別々に移動させるよう
にしたので、比較的長い時間にわたりイオンを確実に分
離することができるため、イオン化された空気を遠く
帯電を防止すべき部材の近傍まで確実に移動することが
可能になる。
【0020】また、上述した帯電防止装置では、装置
を、一側に空気流入口11aが形成され、他側に二股状
の分岐部が形成されるダクト11と、ダクト11を流通
する空気を陽イオンと陰イオンとが混在する状態にイオ
ン化させるイオン発生器15と、このイオン発生器15
でイオン化された空気の流れ方向に直角な方向に磁界B
を作用させ陽イオンと陰イオンとを分離するコイル17
とから構成したので、イオン化された空気を遠くの帯電
を防止すべき部材の近傍まで確実に移動することが可能
になる。
【0021】なお、以上述べた実施例では、コイル17
により磁界を発生させた例について説明したが、本発明
はかかる実施例に限定されるものではなく、例えば、永
久磁石等を使用して磁界を発生するようにしても良いこ
とは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の帯電防止
法およびその装置では、イオン発生器により分離された
陽イオンと陰イオンとを別々に移動させるようにしたの
で、比較的長い時間にわたりイオンを確実に分離するこ
とができるため、イオン化された空気を遠くまで確実に
移動することができ、イオン発生器を帯電を防止すべき
部材から充分に離隔することができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止装置の一実施例を示す斜視図
である。
【図2】フレミングの左手の法則を示す説明図である。
【符号の説明】
11 ダクト 11b 陽イオンダクト 11c 陰イオンダクト 13 ファン 15 イオン発生器 17 コイル B 磁界(磁束密度T)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 武 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (56)参考文献 国際公開92/7255(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05F 3/04 H01T 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン発生器により陽イオンと陰イオン
    とが混在する状態にイオン化された空気を所定の流速で
    流しながら、流れ方向に直角な方向に磁界を作用させ、
    前記陽イオンと陰イオンとを分離し、分離された陽イオ
    ンと陰イオンとを別々に移動させ帯電を防止すべき部材
    の近傍で噴出することを特徴とする帯電防止方法。
  2. 【請求項2】 一側に空気流入口が形成され、他側に二
    股状の分岐部が形成され前記分岐部の下流側が帯電を防
    止すべき部材の近傍まで延在されるダクトと、 前記ダクトを流通する空気を陽イオンと陰イオンとが混
    在する状態にイオン化させるイオン発生器と、 このイオン発生器でイオン化された空気の流れ方向に直
    角な方向に磁界を作用させ前記陽イオンと陰イオンとを
    前記分岐部の上流側で分離する磁界発生手段と、 を有することを特徴とする帯電防止装置。
JP09138293A 1993-04-19 1993-04-19 帯電防止方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3384828B2 (ja)

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CN108539590A (zh) * 2017-03-01 2018-09-14 湖南三安科技开发有限公司 分离式空气负离子发生装置

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