JP4168160B2 - 静電気対策用吹出口 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体や液晶製造の各工程や、クリーン環境を必要とする生産工程において問題となる静電気を除去すべく改良を施した静電気対策用吹出口に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、静電気対策のために、クリーンベンチ、クリーンブース、クリーンルーム等の天井に設けられたフィルタ吹出口、生産装置内のフィルタ吹出口等の層流型吹出口の直下に、イオンにより帯電体の電荷を中和する空気イオン化装置が配設されている。この空気イオン化装置は、電極に高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させ、上記電極先端の周囲の空気を正と負とにイオン化し、このイオンを吹出口からの層流で帯電体まで搬送し、そのイオンにより帯電体上の電荷を中和するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のコロナ放電を利用した空気イオン化装置においては、イオンの発生を容易にし、発生したイオンの消耗を防止するために、除電対象物の近くで、電極を露出した状態で空気をイオン化していた。このため、次のような問題が発生していた。
【0004】
(1)オゾンの発生
除電対象物近傍の空気をコロナ放電によりイオン化しているため、空気中の窒素や水蒸気がイオン化する以外に、酸素がオゾンとなる反応も起こる。このオゾンの酸化作用により、シリコンウエハの表面が酸化されたり、空気中の微量の不純物と反応して2次粒子が発生する原因となる。
(2)電磁ノイズの発生
放電時に放電極から発生する不規則な電磁波が、半導体素子を内蔵した精密機器やコンピュータなどの誤動作を引き起こす原因となる。
(3)イオン発生電極からの発塵
コロナ放電を起こさせるたびに電極が摩耗し、その摩耗した電極材が飛散する。また、空気中の微量ガス成分がコロナ放電により粒子化してイオン発生電極上に析出し、これがある程度の大きさになると再飛散する。このような発塵により、歩留りが低下する。
【0005】
このような問題を解決する方法として、近年、層流型吹出口の直下で、軟X線を帯電体に直接照射し、帯電体周囲をイオン化して除電する光イオナイザーが知られているが、この光イオナイザーにおいては、イオナイザー周囲を遮蔽構造とする必要があるため、設置が困難であった。
【0006】
さらに、上記のような問題点を解決する手段として、特許第2749202号には、層流型吹出口の面と水平に軟X線を照射し、吹出口からの層流をイオン化して、そのイオンを層流により帯電体まで搬送して、帯電体を除電する方法が示されている(図11参照)。しかしながら、この方法では、軟X線照射域が遮蔽構造になっていないため、設置場所がかなり限定されたり、設置後に周囲を遮蔽構造とする必要があった。
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、オゾンや電磁ノイズ、及び発塵等が発生せず、設置箇所の周囲を遮蔽構造とする必要がなく、設置が容易な静電気対策用吹出口を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の静電気対策用吹出口は、吹出口の内部に1又は複数のイオン化源を設けると共に、吹出口の出口部近傍に遮蔽部を設け、前記吹出口内に供給されたイオン搬送ガスの一部を前記イオン化源から発生する軟X線等の放射線を照射してイオン化した後、前記遮蔽部を介してイオン搬送ガスを供給するように構成した静電気対策用吹出口において、前記イオン化源が、吹出口の側部に、前記イオン搬送ガスの流れ方向に直角に配設され、前記遮蔽部は、複数個の細孔が形成された少なくとも2枚の遮蔽板を前記出口部側に、竪穴を有する多孔板を前記吹出口の内部の側に備え、前記遮蔽板は、前記細孔が重ならないように設置され、前記多孔板は、前記複数枚の遮蔽板によっては遮蔽できない前記遮蔽部に対して斜め上方から入射する前記軟X線等の放射線が、前記竪穴の側壁に当たるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記のような構成を有する請求項1に記載の発明によれば、吹出口の内部にイオン化源を内蔵することにより、吹出口の出口部近傍でイオン搬送ガスをイオン化すると共に、イオン化した空気等を所望のクリーンルーム等に供給するという機能を併有することができる。また、吹出口がイオン化部となり、その下流側周辺を遮蔽構造とすることができるので、この吹出口の設置時に別途遮蔽を施す必要がなく、簡易な構成とすることができるので、応用範囲が広くなる。
【0010】
また、前記遮蔽部が、複数個の細孔が形成された少なくとも2枚の遮蔽板から構成され、前記遮蔽板が前記細孔が重ならないように設置されていることにより、簡単な構成で遮蔽効果が得られるだけでなく、この吹出口設置時に別途遮蔽部を設ける必要がないので、適用範囲が広くなる。
【0011】
さらに、前記遮蔽部が、複数個の細孔が形成された遮蔽板と、その遮蔽板に対して斜めに入射するX線等の放射線を遮蔽する竪穴等の構造を有する多孔板とから構成されていることにより、斜め上方より入射する放射線を完全に遮蔽することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の静電気対策用吹出口において、前記竪穴を有する多孔板が、アルミハニカムであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の静電気対策用吹出口において、前記竪穴を有する多孔板が、所定の長さのスリーブを備えた遮蔽板であることを特徴とするものである。
【0014】
上記のような構成を有する請求項2又は3に記載の発明によれば、斜め上方より入射する放射線を完全に遮蔽することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1は、本発明に係る静電気対策用吹出口の第1実施形態の構成を示す模式図である。
すなわち、本実施形態における吹出口1は、円柱状あるいは角柱状に形成され、その上流側にはチャンバ2及びダクト3が接続されている。また、ダクト3は、前記チャンバ2及び吹出口1を介して、クリーンルーム等に空気、又は高純度N2ガス等の非反応性ガス(以下、イオン搬送ガスという)を供給するための配管であり、また、チャンバ2は、下流側の断面積が上流側より大きくなるように、例えば円錐状や四角錐状に形成され、その上流側の端部が前記ダクト3に連結され、下流側の端部が前記吹出口1に連結されている。なお、チャンバ2と吹出口1とを一体に構成することができることは言うまでもない。また、「高純度N2ガス」とは、負イオンを形成する程度の酸素や水蒸気を含み、且つ、その酸素濃度はオゾンを発生しない程度(5%程度以下)であるN2ガスをいう。
【0017】
また、前記吹出口1の先端部近傍には、遮蔽部4が設けられている。この遮蔽部4は、例えば図1に示すように、直径が約5mmφ、開口ピッチ12mm程度の細孔5が多数設けられた厚み1mmの2枚のパンチング板6a、6bにより構成され、これら2枚のパンチング板6a、6bは、互いに3mm程度離して、前記細孔5が重ならないようにずらして設置されている。さらに、吹出口1の先端部は開放され、帯電体Sの近傍に配置されており、後述するイオン発生装置10において発生した正負イオンを、この帯電体Sに向けて供給するように構成されている。
【0018】
また、前記吹出口1の側部には、イオン発生装置10が設けられている。このイオン発生装置10は、吹出口1の側部に配置されたイオン化源11と、このイオン化源11によるイオン発生量を制御する制御装置12とから構成されている。なお、この制御装置12は吹出口1の外部に配置され、イオン化源11から軟X線、もしくは紫外線を発生させるための電源部及び制御部からなり、高電圧ケーブル13によってイオン化源11と接続されている。
【0019】
また、図示しないが、吹出口の側部に配設するイオン化源11は、吹出口の側壁部に貫通配置しても良いし、側壁部の外側に突出するように放射線遮蔽用スリーブを設け、このスリーブ内にイオン化源11を配設し、軟X線等の放射線を透過する窓材を介して、吹出口内の空気をイオン化するように構成しても良い。
なお、前記イオン化源11は、軟X線発生装置の発生部、あるいは紫外線発生装置の発生部からなり、ダクト3及びチャンバ2を介して供給されるイオン搬送ガスをイオン化するように構成されている。
【0020】
また、図1に示した構成においては、イオン化源11として、低エネルギー電子線発生装置の発生部、密封放射性同位元素、又は沿面放電によるイオナイザー等を用いることもできる。
【0021】
次に、イオン化源11について説明する。
軟X線は、3〜9.5keV程度のエネルギーを有する微弱X線であり、2mm厚さ程度の塩化ビニル板で容易に遮蔽することができるものである。また、紫外線発生装置から発生する紫外線は400nm以下の短波長であり、30w程度の出力である。
【0022】
また、低エネルギー電子線は、例えばウシオ電機株式会社製の超小型電子ビーム照射管チューブ等により数10kVの低い動作電圧で取り出された電子ビーム(ソフトエレクトロン)であり、空気中では5cm程度の到達距離しかなく、その領域の空気あるいはガスをイオン化するものである。
【0023】
また、密封放射性同位元素は、放射性同位元素をカプセル等に封入したものであり、放射性同位元素としては、α線を発生するアメリシウム241又はβ線を発生するニッケル63等がある。アメリシウム241から発生するα線のエネルギーは5.4MeV程度であり、電離作用は大きいが空気中での到達距離は数cm程度であって、紙1枚で容易に遮蔽することができる。また、ニッケル63から発生するβ線のエネルギーは57keV程度であり、樹脂板で容易に遮蔽することができる。
【0024】
なお、低エネルギー電子線は、酸素を含む気体中ではオゾンを発生すると同時に軟X線も発生するため、遮蔽が必要となる。そのため、イオン化源11として低エネルギー電子線を用いる場合には、イオン搬送ガスとして、高純度N2ガス等のようにオゾンが発生しない程度の酸素を含む非反応性ガスを用いることが望ましい。一方、イオン化源11が、軟X線の発生部又は密封放射性同位元素である場合は、イオン搬送ガスとして空気及び非反応性ガスのいずれを用いても良い。
【0025】
[1−2.作用効果]
続いて、上述したような構成を有する本実施形態の静電気対策用吹出口の作用・効果について説明する。
すなわち、ダクト3を介して円錐状や四角錐状に形成されたチャンバ2に供給されたイオン搬送ガスの一部は、図1に示すような気流分布Aを形成する。そして、このイオン搬送ガスに、吹出口1の近傍に内蔵されたイオン化源11によって軟X線、紫外線、低エネルギー電子線、沿面放電又は放射性同位元素からの放射線等が照射されることにより、このイオン搬送ガスは正負のイオンとなる。そして、これら正負イオンは吹出口1の下流側に設けられた遮蔽部4を通過して、吹出口1の先端部から帯電体Sに供給され、帯電体S上の正負の逆極性の電荷をそれぞれ中和する。
【0026】
このように、本実施形態の静電気対策用吹出口は、吹出口1の出口部近傍にイオン化源11を内蔵することにより、吹出口1の近傍でイオン搬送ガスをイオン化すると共に、イオン化した空気等を所望のクリーンルーム等に供給するという機能を併有することができる。
【0027】
また、吹出口1の側部にイオン化源11を内蔵し、吹出口と水平に軟X線等の放射線を照射することにより、一つのイオン化源で広い範囲をカバーすることができる。さらに、吹出口1の出口部の近傍にイオン化源11が内蔵されているため、イオン化源11から吹出口の出口までの距離が短く、正負イオンの再結合によるイオンの減少が少ないという利点がある。
【0028】
さらに、イオン化源11とその電源部及び制御部である制御装置12とをケーブル13を介して別設し、イオン化源11のみを吹出口1の側部に横向きに設置することにより、吹出口1の長さを小さくすることができ、その結果、吹出口1及びチャンバ2の全長を短くすることができるので、コンパクトな吹出口を得ることができる。
【0029】
なお、イオン化源11が軟X線の発生部又は密封放射性同位元素である場合は、イオン搬送ガスとして空気もしくは非反応性ガスのいずれを用いてもオゾンが発生することがない。また、電極材の飛散や空気中の不純物の堆積及び再飛散のような発塵がなく、かつ、電磁ノイズの発生も起こらない。
【0030】
また、イオン化源11が低エネルギー電子線、紫外線又は沿面放電の発生部である場合は、イオン搬送ガスとして高純度N2ガス等のようにオゾンが発生しない程度の酸素を含む非反応性ガスを使用することにより、イオン化に当たってオゾンの発生がなく、発塵及び電磁ノイズの発生も起こらない。
【0031】
さらに、軟X線、低エネルギー電子線及び密封放射性同位元素からの放射線(α線等)は、薄い塩化ビニル板等で十分遮蔽することができ、反射はほとんどないため、図1に示すような簡単な構造で遮蔽することができる。
【0032】
また、吹出口1及びチャンバ2がイオン化部となり、その下流側周辺を遮蔽構造とすることができるので、本吹出口の設置時に別途遮蔽を施す必要がなく、簡易な構成とすることができるので、応用範囲が広くなる。また、吹出口1及びチャンバ2のイオン化部の下流側周辺に遮蔽部4が形成されているため、従来のイオン化源を露出して設置するような生産装置のように、生産装置全体を2mm程度の塩化ビニル板で覆う必要もない。
【0033】
[2.第2実施形態]
本実施形態は、上記第1実施形態のイオン化源の設置位置を変更した変形例である。
すなわち、本実施形態においては、図2に示したように、イオン化源11が円錐状や四角錐状に形成されたチャンバ2の中央部に設置されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。なお、図2に示したように配置できるイオン化源は、軟X線と紫外線発生部である。
【0034】
上記のような構成を有する本実施形態の静電気対策用吹出口においては、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られるだけでなく、広角に軟X線等を放射できるイオン化源の場合、少ないイオン化源で広い範囲をイオン化できるため、イオン化効率が良く、発生イオン量が多くなるため、除電性能が向上する。また、遮蔽板への放射線の入射角が、遮蔽板の近傍で水平に照射する場合より大きくなるため、遮蔽が容易になり、竪穴を有する遮蔽板等が不要になる。
【0035】
[3.第3実施形態]
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、吹出口の上流側にHEPAフィルタあるいはULPAフィルタが設置されている場合である。
すなわち、本実施形態においては、図3に示したように、吹出口1の上流側にHEPAフィルタあるいはULPAフィルタ等の層流形成用フィルタ20が配設され、ダクト3及びチャンバ2を介して送り込まれるイオン搬送ガスを、吹出口1の全面にわたって均一な流速分布を有する気流とすることができるように構成されている。なお、本実施形態においては、イオン化源11は、前記層流形成用フィルタ20と遮蔽部4との間の側壁部1a近傍に設置されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0036】
上記のような構成を有する本実施形態の静電気対策用吹出口においては、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られるだけでなく、吹出口1の上流側に層流形成用フィルタ20を配設したことにより、チャンバ2から送り込まれるイオン搬送ガスを層流とすることができる。その結果、乱流(噴流)が吹出口に供給された場合に、そのミキシング効果により正負イオンの再結合が促進されてイオン量が減少し、除電性能が低下するといった不具合を防止することができるので、より効率的なイオン化が実施でき、優れた除電性能を得ることができる。
【0037】
なお、図4に示したように、イオン化源11を、前記層流形成用フィルタ20と遮蔽部4との間の側壁部1aに貫通配置しても良い。また、図5に示したように、前記層流形成用フィルタ20と遮蔽部4との間の側壁部1aに、外側に突出する放射線遮蔽用スリーブ1bを設け、このスリーブ内にイオン化源11を配設し、軟X線等の放射線を透過する窓材1cを介して、吹出口内の空気をイオン化するように構成しても良い。例えば、軟X線の場合、窓材1cとしてはベリリウム、カプトン等が用いられる。
【0038】
[4.第4実施形態]
本実施形態は、上記第3実施形態の吹出口の構成にさらに改良を施したものである。
すなわち、本実施形態においては、図6及び図7(B)に示したように、吹出口1の遮蔽部4に配設される2枚のパンチング板6a,6bの上流側に、竪穴を有するアルミハニカム21が配設されている。なお、竪穴を有するアルミハニカム21を設置する代わりに、図7(C)に示したようなスリーブ付きパンチング板22を配設しても良い。その他の構成は上記第3実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0039】
上記のような構成を有する本実施形態の静電気対策用吹出口においては、上記第3実施形態と同様の作用・効果が得られるだけでなく、以下のような作用・効果が得られる。
すなわち、図7(A)に示したように、2枚のパンチング板6a,6bを、所定の間隔を開けてそれぞれに形成した細孔が重ならないようにずらして設置した場合には、斜め上方よりパンチング板6a,6bの細孔に入射する軟X線等の放射線を完全に遮蔽することは困難である。
【0040】
これに対して、本実施形態の吹出口においては、斜め上方より入射する軟X線等は、図7(B)に示したように、アルミハニカム21の竪穴部の側壁に当たることにより完全に遮蔽され、また、図7(C)に示したように、スリーブ付きパンチング板22のスリーブの側壁に当たることにより完全に遮蔽される。
【0041】
【実施例】
図8(A)(B)に示したように、クリーンルーム内のULPAフィルタを透明塩ビ板(厚さ3mm)で覆い、その中に開口5mmφ、開口ピッチ12mmのパンチング板(500×500mm)を3mm間隔で、開口が重ならないように3枚重ね、その上に目開き1/4インチ、厚み20mmのアルミハニカム(500×500mm)を置き、遮蔽板とした。そして、この遮蔽板の上にPhotoIonizer L6941(浜松ホトニクス製)の軟X線発生部を設置した。
【0042】
まず、遮蔽板の風下に、電離箱式サーベイメータ 450B−SI(米国ビクトリーン社製)を設置して漏線量を測定し、バックグラウンド(約0.3μSv/h)と同じ値であることを確認した。
【0043】
次に、帯電プレートモニタ CPM210(米国イオンシステムズ社製)を図8に示したように設置し、帯電プレートの電位が+1kV→+0.1kV、又は−1kV→−0.1kVに減衰するまでの時間を測定して、除電性能を評価する実験を行ったところ、表1に示すような結果が得られた。
なお、比較例1として、アルミハニカムを設置しない場合、比較例2として、遮蔽板を設置しない場合について、上記と同様にして除電性能を評価する実験を行った。
【表1】
Figure 0004168160
【0044】
表から明らかなように、実施例においては、帯電プレートの電位が+1kV→+0.1kVに減衰するまでに要した時間(除電時間)は6秒であり、−1kV→−0.1kVに減衰するまでに要した時間は7秒であった。また、漏線量は約0.3μSv/hrで、自然放射線量(バックグラウンド)と同じであった。
これに対して、比較例1においては、除電性能は実施例と変わらないが、漏線量は多少増加した。一方、比較例2においては、除電性能は実施例より多少良くなるが、漏線量は著しく増加した。
【0045】
このことから、遮蔽板とアルミハニカムの両方を用いた実施例の場合、遮蔽板を設置しない比較例2に比べて除電性能が多少落ちるが、軟X線を完全に遮蔽できることが明らかになった。言い換えれば、軟X線を完全に遮蔽するために遮蔽板を設置しても、除電性能を著しく損なうことはないことが確認された。
【0046】
[5.他の実施形態]
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような各種態様も可能である。すなわち、具体的な各部材の形状、あるいは取付位置及び方法は適宜変更可能である。例えば、遮蔽部の形状は、上記の各実施形態に示すようなパンチング板に限らず、直進する軟X線、低エネルギー電子線又は放射性同位元素からの放射線等が外部に漏れず、かつ、発生する正負のイオンが搬送され得る形状であればどのようなものでもよい。
【0047】
また、イオン化源11は、軟X線、低エネルギー電子線、紫外線又は沿面放電の発生部、あるいは放射性同位元素に限らず、イオン化によりオゾンの発生、発塵及び電磁ノイズの発生のないものであれば、他の電磁波又はビーム等を使用することができる。
【0048】
さらに、図9に示したように、給気用ファン30を内蔵する構成としても良いし、図10に示したように、一つのチャンバに本発明の静電気対策用吹出口を複数個取り付けても良い。なお、図10においては、吹出口の内部構成は省略されている。
【0049】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、オゾンや電磁ノイズ、及び発塵等が発生せず、設置箇所の周囲を遮蔽構造とする必要がなく、設置が容易な静電気対策用吹出口を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電気対策用吹出口の第1実施形態の構成を示す模式図
【図2】本発明に係る静電気対策用吹出口の第2実施形態の構成を示す模式図
【図3】本発明に係る静電気対策用吹出口の第3実施形態の構成を示す模式図
【図4】本発明に係る静電気対策用吹出口の第3実施形態の他の構成を示す模式図
【図5】本発明に係る静電気対策用吹出口の第3実施形態の他の構成を示す模式図
【図6】本発明に係る静電気対策用吹出口の第4実施形態の構成を示す模式図
【図7】本発明の第4実施形態の吹出口の遮蔽部の構成を示す図であって、(A)は遮蔽部が2枚のパンチング板から構成されている場合、(B)は遮蔽部にアルミハニカムを設置した場合、(C)は遮蔽部にスリーブ付きパンチング板を設置した場合を示す図
【図8】本発明の具体的な実施例を示す図であって、(A)は平面図、(B)は断面図
【図9】本発明に係る静電気対策用吹出口の他の実施形態の構成を示す模式図
【図10】本発明に係る静電気対策用吹出口の他の実施形態の構成を示す模式図
【図11】従来の除電方法の一例を示す図
【符号の説明】
1…吹出口
2…チャンバ
3…ダクト
4…遮蔽部
5…細孔
6…パンチング板
10…イオン発生装置
11…イオン化源
12…制御装置
13…ケーブル
20…層流形成用フィルタ
21…アルミハニカム
22…スリーブ付きパンチング板
30…給気用ファン
S…帯電体

Claims (3)

  1. 吹出口の内部に1又は複数のイオン化源を設けると共に、吹出口の出口部近傍に遮蔽部を設け、前記吹出口内に供給されたイオン搬送ガスの一部を前記イオン化源から発生する軟X線等の放射線を照射してイオン化した後、前記遮蔽部を介してイオン搬送ガスを供給するように構成した静電気対策用吹出口において、
    前記イオン化源が、吹出口の側部に、前記イオン搬送ガスの流れ方向に直角に配設され、
    前記遮蔽部は、複数個の細孔が形成された少なくとも2枚の遮蔽板を前記出口部側に、竪穴を有する多孔板を前記吹出口の内部の側に備え、
    前記遮蔽板は、前記細孔が重ならないように設置され、
    前記多孔板は、前記複数枚の遮蔽板によっては遮蔽できない前記遮蔽部に対して斜め上方から入射する前記軟X線等の放射線が、前記竪穴の側壁に当たるように構成されたことを特徴とする静電気対策用吹出口。
  2. 前記竪穴を有する多孔板が、アルミハニカムであることを特徴とする請求項1に記載の静電気対策用吹出口。
  3. 前記竪穴を有する多孔板が、所定の長さのスリーブを備えた遮蔽板であることを特徴とする請求項1に記載の静電気対策用吹出口。
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