JPH08195533A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH08195533A
JPH08195533A JP7005465A JP546595A JPH08195533A JP H08195533 A JPH08195533 A JP H08195533A JP 7005465 A JP7005465 A JP 7005465A JP 546595 A JP546595 A JP 546595A JP H08195533 A JPH08195533 A JP H08195533A
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JP
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plasma
strong magnetic
ray
charged particles
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Application number
JP7005465A
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English (en)
Inventor
Tamio Hara
民夫 原
Kozo Ando
剛三 安藤
Katsunobu Aoyanagi
克信 青柳
Hideo Hirose
秀男 広瀬
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Shimadzu Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Shimadzu Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線の供給対象へのX線の供給量を容易に増
加させることができるX線発生装置を提供する。 【構成】 真空中でターゲット1にレーザビーム7を集
光照射して形成されるレーザプラズマ6によりX線9を
発生させるX線発生装置において、強磁場発生手段2を
設け、この強磁場発生手段2によって形成される強磁場
5をレーザプラズマ6中に作用させ、この強磁場により
レーザプラズマ6で形成される荷電粒子8の軌道を曲
げ、磁場内に閉じ込めることによって、X線の供給対象
11へのX線9の供給量を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線発生装置に関し、
特に、X線レーザ、X線リソグラフィ装置、X線顕微
鏡、X線光電子顕微鏡、X線分析装置等のX線源に使用
するX線発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線レーザ、X線リソグラフィ装置、X
線顕微鏡、X線光電子顕微鏡、X線分析装置等において
は、通常X線源から得られるX線を使用している。この
X線源として、例えば、X線管やプラズマX線源が知ら
れている。プラズマX線源は、プラズマ中にできる高電
離多価イオンと電子の相互作用により発生するX線を用
いるものであり、高密度のプラズマを生成する手段とし
て、例えばレーザ励起方式が知られている。以下、この
レーザ励起方式によるプラズマをレーザプラズマとい
う。レーザプラズマは、レンズやミラーによって例えば
10μm程度の大きさに絞ったレーザを、Al,Mo,
Au等の金属表面に数nsの幅のパルスで集光照射する
ことにより形成される。
【0003】図12は、従来のX線発生装置の概略図で
ある。図において、Al,Mo,Au等のターゲット材
の表面にレーザ光7(図中の破線)を集光照射すると、
レーザ励起によりプラズマ6が形成される。このプラズ
マ6からは、イオン8−1や電子8−2等の荷電粒子8
や中性粒子の飛散微粒子(アブレード)が放出されると
ともに、X線9も放出される。X線発生装置は、このプ
ラズマ6から放出されるX線9をX線源として利用する
ものであり、このプラズマ6からのX線9を、通常レン
ズやミラー等の光学素子10を介してX線供給対象11
に照射する。例えば、X線分析装置ではこのX線供給対
象11を分析試料とし、X線を照射することにより試料
表面のX線分析を行っている。そして、一般にX線発生
装置において、発生するX線の制御は励起用のレーザ源
をマルチパルス化や短パルス化等によってパルス波形制
御することにより行われ、通常このパルス波形制御では
発生するX線の波長制御を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
X線発生装置においては、X線の供給対象へのX線の供
給量を容易に増加させることができないという問題点が
ある。この問題点について検討した結果、以下のような
要因を得た。 (1)従来のX線発生装置では、X線の発生効率を容易
に向上させることがでない。従来のX線発生装置におい
ては、励起用のレーザ源をマルチパルス等によってパル
ス波形制御することにより、発生するX線の波長等の制
御を行っているが、このようなX線の制御によってX線
の発生効率を向上させるには、前記パルス波形制御によ
って発生するプラズマの体積を増加させたり加熱する必
要がある。しかしながら、プラズマは一般に真空中にお
いて高速で自由膨張するため、プラズマ自体の運動を制
御することは困難であり、従来のX線発生装置では十分
にX線の発生効率の向上させることができない。 (2)また、図12の従来のX線発生装置では、X線供
給対象11にX線9を導くために光学素子10を設けて
いるが、この光学素子10には、プラズマ6からX線9
の他に荷電粒子8や中性粒子の飛散微粒子が到達してお
り、この飛散微粒子は光学素子11の表面に付着して、
X線9の反射効率を低下させて、X線の供給対象へのX
線の供給量を低下させる原因となっている。
【0005】そこで、従来、この飛散微粒子の光学素子
10への付着を阻止するために、プラズマ6から光学素
子10への進路方向にスリット12や飛散微粒子阻止手
段13を設置する場合がある。この飛散微粒子阻止手段
13としては、例えば、高速機械シャッターを設け、高
速のX線9が通過した後にシャッターを動作させ、低速
の飛散微粒子をこのシャッターにより阻止するものや、
あるいは、ガス流入装置を設け、外部から前記進路中に
流入したガスを飛散微粒子と衝突させ、飛散微粒子の軌
道を変更させることにより阻止するものがある。なお、
このスリットやシャッターは、荷電粒子の他に中性粒子
の光学素子への進入を阻止する働きもするものである。
しかしながら、この従来のX線発生装置に用いられる飛
散微粒子の光学素子への付着阻止の手段では充分な効果
を得ることができない。
【0006】また、磁石をターゲットより遠方に置き、
荷電粒子の軌道を曲げるものも知られているが、この場
合にはプラズマの大部分が既に消滅しており、充分な効
果が得られない。そこで、本発明は前記した従来のX線
発生装置の問題点を解決し、X線の供給対象へのX線の
供給量を容易に増加させることができるX線発生装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空中でター
ゲットにレーザビームを集光照射して形成されるレーザ
プラズマによりX線を発生させるX線発生装置におい
て、強磁場発生手段を設け、この強磁場発生手段によっ
て形成される強磁場をレーザプラズマ中に作用させ、こ
の強磁場によりレーザプラズマで形成される荷電粒子の
軌道を曲げ、またその荷電粒子を磁場内に閉じ込めるこ
とによって、前記目的を達成する。また、本発明は、真
空中でターゲットにレーザビームを集光照射して生成さ
れるレーザプラズマ中より放出されるX線を、レーザ照
射側とターゲット面に対して少なくとも一方の側から取
り出すX線発生装置において、レーザープラズマの近傍
において、ターゲット面と略平行あるいは略垂直である
磁場成分を生成し、その磁場成分がレーザプラズマ中の
荷電粒子に直接作用して荷電粒子の軌道を曲げて磁場内
に閉じ込める磁気力を発生する磁場発生手段を、レーザ
プラズマに接近して配置する構成とするものである。ま
た、この磁場発生手段の生成する磁場成分は、ターゲッ
ト面に対して角度を有した磁場成分を含むよう構成する
こともできる。
【0008】本発明の強磁場発生手段によって形成され
る強磁場は、荷電粒子に磁気力を印加してその軌道を変
化させ、さらにこの軌道変更によって荷電粒子を磁場内
に閉じ込める作用を生じさせるものであり、その強磁場
発生には永久磁石や電磁石を用いることができる。ま
た、レーザプラズマやターゲットに対する設置位置によ
り、磁束の方向を調整することもできるものである。な
お、本発明におけるレーザプラズマの発生方向は、ター
ゲット面に直交する方向とし、レーザプラズマは該方向
を軸中心としてある発生パターンを有して形成されるも
のとする。そして、該レーザプラズマ内においてX線発
生が行われるものであり、本発明のX線発生装置はこの
X線を利用するものとする。
【0009】本発明の第1の実施態様は、本発明のX線
発生装置の強磁場発生手段をレーザプラズマの近傍に設
置して、強磁場発生手段により発生する強磁場内におい
てプラズマを形成するものであり、これによって強磁場
発生手段が発生する磁場内に荷電粒子を閉じ込めて、荷
電粒子がプラズマ内に留まる時間を延ばすことによりX
線の発生効率を向上させるものである。本発明の第2の
実施態様は、本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の
磁束方向をプラズマの発生方向と異なる方向とし、これ
によって磁束方向からずれた速度成分を有する荷電粒子
の磁場内への閉じ込め作用を高め、X線の発生効率を向
上させるものである。
【0010】本発明の第3の実施態様は、本発明のX線
発生装置の強磁場発生手段の磁束方向をプラズマの発生
方向とし、これによってプラズマの発生方向からずれた
速度成分を有する荷電粒子の磁場内への閉じ込め作用を
高め、X線の発生効率を向上させるものである。本発明
の第4の実施態様は、本発明のX線発生装置の強磁場発
生手段をレーザプラズマの近傍に設置して、強磁場発生
手段により発生する強磁場内において荷電粒子に磁気力
を作用させて、該磁場からの荷電粒子の放出方向を変更
するものであり、これによってX線供給対象方向への荷
電粒子の発生量を減少させるものである。
【0011】本発明の第5の実施態様は、本発明のX線
発生装置の強磁場発生手段の磁束方向をプラズマの発生
方向と異なる方向とし、X線の供給対象の設置位置を該
プラズマの発生方向とするものであり、これによってプ
ラズマの発生方向以外の方向に放出される荷電粒子を強
磁場内に取り込んで、X線の供給対象方向に対する荷電
粒子の発生量を減少させるものである。本発明の第6の
実施態様は、本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の
磁束方向をプラズマの発生方向とし、X線の供給対象の
設置位置を該プラズマの発生方向からずれた方向とする
ものであり、これによってプラズマの発生方向以外の方
向に放出される荷電粒子を強磁場内に取り込んで、X線
の供給対象方向に対する荷電粒子の発生量を減少させる
ものである。
【0012】本発明の第7の実施態様は、本発明のX線
発生装置の強磁場発生手段により生成される磁場の中央
にターゲットを配置するものであり、これによって、レ
ーザプラズマに対して均一でかつ高磁場の磁場印加を行
うことができる。この磁場中央へのターゲットの配置
は、対向配置した磁石の間隙中央にターゲットを配置す
ることにより行うことができる。
【0013】
【作用】前記した構成により、本発明のX線発生装置で
は、強磁場発生手段によって形成される強磁場は、レー
ザプラズマから放出される荷電粒子の軌道を曲げ、強磁
場中における軌道の湾曲によって、荷電粒子がレーザプ
ラズマ中に留まる時間の長時間化してX線の発生効率を
向上させ、また、強磁場をはずれた以後の軌道方向を、
X線の供給対象方向からずらして光学素子への付着を阻
止することによって、X線の供給対象へのX線の供給量
を増加させる。
【0014】図1は、本発明のX線発生装置を説明する
構成図であり、図において、Al,Mo,Au等のター
ゲット1の表面にレーザ光7(図中の破線)を集光照射
すると、レーザ励起によりプラズマ6が形成される。こ
のプラズマ6からは、イオンや電子等の荷電粒子8、中
性粒子等の飛散微粒子(図中の実線)が放出されるとと
もに、X線9(図中の一点鎖線)が放出される。このプ
ラズマ6からのX線9は、レンズやミラー等の光学素子
10を介してX線供給対象11に向けられる。
【0015】本発明のX線発生装置においては、前記構
成のX線発生装置に強磁場発生手段2を設け、これによ
って発生する強磁場5により荷電粒子8の軌道を曲げる
作用を生じさせる。強磁場発生手段2は、例えば、相反
する磁極を対向させその磁極間にプラズマ6が生じるよ
うに、磁石3をターゲット1に近接、又は密着して配置
することにより構成することができる。そして、この強
磁場発生手段2により形成される強磁場5によって、荷
電粒子8に磁気力を印加して荷電粒子8の軌道を曲げる
ものである。なお、この磁石3には、ポールピース4を
設けることにより強磁場の強度を高めることができる。
【0016】図2は、強磁場内の荷電粒子の軌道を説明
する図であり、図の(a)は破線の矢印で示される強磁
場C内において、矢印Aの方向に初速度を有する荷電粒
子の軌道を実線Bで示している。強磁場C内において、
他の荷電粒子との衝突が無い場合には、荷電粒子は強磁
場Cの方向の速度成分を保持しながら、強磁場Cと直交
する方向に磁気力を受け、矢印Bで示されるように螺旋
運動をしながら強磁場Cの方向に進む軌道をとることに
なる。なお、図の(b)は、図2の(a)の矢印Dの方
向から見た円運動を行う荷電粒子の軌道である。
【0017】さらに、図3は、強磁場内の荷電粒子の軌
道を説明する図であり、強磁場C内において加速状態に
ある荷電粒子の軌道を実線E,Fで示している。荷電粒
子の衝突が無いものとすると、荷電粒子の速度が強磁場
Cによる軌道変化の影響と比較して大きい場合には、例
えば実線Eに示すにように螺旋運動をしながら強磁場C
を通過した後に直線の軌道をとり、また荷電粒子の速度
が小さい場合には、例えば実線Fに示すにように螺旋運
動をしながら強磁場C内に取り込まれの軌道をとること
になる。そこで、プラズマ等の荷電粒子が存在する領域
に強磁場を形成すると、この強磁場によって荷電粒子は
円運動あるいは螺旋運動を行いながら強磁場に沿った軌
道をとることになる。そして、この強磁場によって曲げ
られた軌道の長さは、強磁場が無い場合と比較して同じ
領域において長くなる。つまり、荷電粒子を強磁場内に
置くことによって、同じ領域内に留まる荷電粒子の時間
が長くなることになる。
【0018】したがって、強磁場をプラズマの発生して
いる部分に形成させると、プラズマ内に留まる荷電粒子
の時間が長くなって、荷電粒子によるX線の発生する機
会が増加し、これによってX線の発生効率が向上するこ
とになる。図4は、強磁場中において、螺旋運動を行い
ながら他の荷電粒子との衝突の状態を模式的に表した図
であり、強磁場中の荷電粒子は、強磁場が無い場合と比
較して他の荷電粒子と衝突する機会が増加する。
【0019】また、図3において、プラズマ中において
放出される荷電粒子の方向は様々であるが、平均すると
荷電粒子の荷電粒子の軌道は強磁場内において螺旋運動
を行いながら強磁場Cの方向に進む間に変化し、強磁場
を通過した後の荷電粒子の放出分布も強磁場の方向に応
じて変化することになる。そこで、強磁場をはずれた以
後の荷電粒子の放出分布の方向をX線の供給対象方向か
らずらすことにより、荷電粒子の光学素子への付着を阻
止することができる。なお、X線は強磁場による影響を
受けず、そのままの軌道を維持して光学素子の方向に進
むことになる。
【0020】したがって、前記した荷電粒子のプラズマ
内に留まる時間の長時間化によるX線の発生効率の向上
と、荷電粒子の放出分布の方向制御によって、X線の供
給対象へのX線の供給量を増加させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。 (実施例1)はじめに、本発明の実施例1について図5
を用いて説明する。図5に示す実施例1の構成は、レー
ザ光と取り出すX線とをターゲットに対して反対側とす
る構成であり、レーザ光が照射されるターゲットの反対
側に発生するプラズマからX線を取り出すものである。
図において、ターゲットは薄膜状に形成されたテープ状
態のテープターゲット1であり、このテープターゲット
1の一方の側からレーザ光7を点集光あるいは線集光等
によって集光照射すると、その両側に高密度のプラズマ
6が発生する。このプラズマからはテープターゲット1
の何れの側に対しても荷電粒子8やX線9を放射する
が、実施例1は、レーザ光7と反対側に放出されるX線
を利用するものである。
【0022】そこで、実施例1では、レーザ光7と反対
側のプラズマ6を挟むように磁石3を配置して強磁場発
生手段2を構成し、この強磁場発生手段2によって形成
される強磁場5がプラズマ6を通過するよう構成する。
そして、このプラズマ6から放出されるX線9(図中の
一点鎖線)は、スリット12、及び飛散粒子阻止手段1
3を通って光学素子10に導かれ、さらに該光学素子1
0を介して試料11等のX線供給対象に照射される。こ
の飛散微粒子阻止手段13としては、前記したようなX
線9が通過した後にシャッターを動作させ、低速の飛散
微粒子をこのシャッターにより阻止する高速機械シャッ
ターや、外部から前記進路中に流入したガスにより飛散
微粒子と衝突させ、飛散微粒子の軌道を変更させること
により阻止するガス流入装置を用いることができる。な
お、このスリットやシャッターは、強磁場の影響を受け
ずに飛来する中性粒子の光学素子への進入を阻止する働
きもしている。
【0023】そして、本発明の強磁場発生手段2により
形成される強磁場5は、プラズマ6内に留まる荷電粒子
8の時間を長くして、荷電粒子8の衝突する機会を増加
させ、これによってX線9の発生効率を高め、また、強
磁場5をはずれた以後の荷電粒子の放出分布の方向を光
学素子10の方向からずらすことにより、荷電粒子の光
学素子10への付着を阻止することができる。一方、X
線9は強磁場5による影響を受けず、そのままの軌道を
維持して光学素子10の方向に進み、さらに試料11に
照射される。
【0024】また、本発明の実施例においては、スリッ
ト12、及び飛散粒子阻止手段13は、本発明の強磁場
発生手段2と併設することにより、強磁場発生手段2に
よる荷電粒子8の放出分布方向の変更による光学素子1
0側への荷電粒子8の阻止効果を向上させる。また、こ
の実施例1では、ターゲット1に対し、レーザ光7の照
射とX線9の取り出し方向を異ならせることにより、レ
ーザ光7を照射するための装置と、X線を導くための装
置及び強磁場発生手段2とをターゲット1の両側配置と
することができ、装置の配置が容易になるという効果が
ある。
【0025】次に、本発明の実施例の強磁場発生手段の
構成例について図7〜図11を用いて説明する。 (実施例の強磁場発生装置の構成例1)図7は、実施例
の強磁場発生装置の構成例1の概略図である。構成例1
は、少なくともプラズマ6の部分に磁場5(図中の破
線)が印加される構成であり、レーザ光により形成され
るプラズマ6の大きさにほぼ対応する高さの磁石3をプ
ラズマ6を挟むように配置するものである。この磁石3
の一例としては、例えば、磁極間隔が数mmで強度が1
万ガウス(1テスラ)程度のものを用いることができ
る。
【0026】図中において、磁石3により形成される磁
場5は、プラズマの形成方向、あるいはターゲット1に
対してほぼ平行であり、プラズマ内で形成された荷電粒
子8は強磁場による磁気力によって、磁場方向と直交す
る方向の力を受けて螺旋状の運動を行う(図中の実線の
矢印)。これによって、荷電粒子はプラズマ中において
留まる時間が長くなるとともに、強磁場5から放出され
る方向分布が変更される。なお、ここでは、プラズマの
発生方向は、ターゲット面に直交する方向とし、プラズ
マは該方向を軸中心としてある発生パターンを有して形
成されるものとする。また、このプラズマ中に留まる時
間や放出の分布は、照射されるレーザ光のエネルギー、
強磁場5の大きさや分布等に応じて変化するため、例え
ば、これらの関係をあらかじめ実験等により求めてお
き、所望とするX線、及び光学素子の配置に応じて設定
することができる。
【0027】(実施例の強磁場発生装置の構成例2)図
8は、実施例の強磁場発生装置の構成例2の概略図であ
る。構成例2は、プラズマ6の部分、及びプラズマ6か
らある程度の距離まで強磁場5(図中の破線)が印加さ
れる構成であり、レーザ光により形成されるプラズマ6
の大きさを超える高さの磁石3をプラズマ6を挟むよう
に配置するものである。
【0028】図中において、磁石3により形成される強
磁場5はターゲット1に対してほぼ平行であり、はじ
め、プラズマ6内で形成された荷電粒子8は強磁場によ
る磁気力によって、磁場方向と直交する方向の力を受け
て螺旋状の運動を行う。その後、プラズマ6から放出さ
れて強磁場5のみの領域に達すると、この領域ではプラ
ズマの自由膨張による荷電粒子に対する加速度はなくな
り、保持する速度は初速度分だけとなる。そのため、荷
電粒子は、この領域では強磁場5の方向に沿った螺旋運
動を行い、荷電粒子の衝突が無い限り強磁場5内に閉じ
込められることになる(図中の実線の矢印)。この磁場
のみの部分の大きさは、形成されるプラズマの体積や強
磁場の強さに応じて設定することができる。したがっ
て、この構成例2では、強磁場内に閉じ込められる荷電
粒子の割合が増えて、光学素子10側に放出される荷電
粒子の割合が減少するという効果がある。
【0029】(実施例の強磁場発生装置の構成例3)図
9は、実施例の強磁場発生装置の構成例3の概略図であ
る。構成例3は、図中の破線で示すように強磁場の磁束
の方向をプラズマの形成方向あるいはターゲット1の方
向に対して傾斜を設けて形成するものである。この強磁
場を形成するために、構成例3では、一方の磁石をター
ゲットの一方の側にその磁極がターゲット面と直交する
方向に配置し、また、他方の磁石をターゲットの他方の
側にその磁極がターゲット面と平行する方向に配置す
る。
【0030】図中において、磁石3により形成される強
磁場5はターゲット1の面、あるいはプラズマの形成方
向に対して角度を有して傾斜した状態で形成される。こ
の磁場の傾斜により、プラズマから放出される荷電粒子
は、平均すると両磁石の方向に螺旋運動を行いながら進
むことになる(図中の実線の矢印)。したがって、この
構成例3では、強磁場5から放出される荷電粒子を両磁
石側に偏った分布とすることができるという効果があ
る。
【0031】(実施例の強磁場発生装置の構成例4)図
10は、実施例の強磁場発生装置の構成例4の概略図で
ある。構成例4は、ターゲット1の面に対して直交する
方向で、プラズマの形成方向と同軸方向に強磁場5(図
中の破線)を形成する構成であり、レーザ光により形成
されるプラズマ6を挟み、その一方の磁極がターゲット
1面に対向するように配置するものである。
【0032】図中において、磁石3により形成される強
磁場5はターゲット1の面に対してほぼ垂直である。プ
ラズマ6内で形成された荷電粒子8の内、強磁場5と同
方向の速度を持つものは強磁場5の影響を受けずにその
まま進行し、強磁場5の方向とずれた方向に速度成分を
持つものは強磁場5の影響を受け、強磁場による磁気力
によって、磁場方向と直交する方向の力を受けて螺旋状
の運動を行いながら、強磁場5の磁束方向に沿って進
み、荷電粒子の衝突が無い限り強磁場5内に閉じ込めら
れることになる(図中の実線の矢印)。強磁場5と同方
向の速度を持つ荷電粒子8は強磁場5の影響を受けずそ
のまま進むため、例えば、プラズマ部分を通る磁束方向
の延長上に遮蔽物14を配置することによって、この荷
電粒子8の外方向への放出を防止することができる。
【0033】したがって、この構成例4では、プラズマ
からの荷電粒子の放出量が減少するという効果がある。
【0034】(実施例の強磁場発生装置の構成例5)図
11は、実施例の強磁場発生手段の構成例5の概略図で
ある。構成例5は、強磁場発生手段の発生する磁場の中
央にターゲットを配置するものであり、これによって、
レーザプラズマに対して均一でかつ高磁場の磁場印加を
行うものである。
【0035】この磁場中央へのターゲットの配置は、極
性の異なる2つの磁石を対向配置し、その磁石の間隙の
中央部分にターゲットを配置する構成によって実施する
ことができる。図において、極性の異なる2つの磁石5
を間隔を置けて配置し、その磁石の間に形成される磁場
の中央にターゲット1を配置する。この磁石配置におけ
る磁場の強度は、ターゲット1が配置された中央部にお
いて最大となる。つまり、ターゲット1の近傍に発生す
るレーザプラズマには、最大強度の磁場が印加されるこ
とになる。したがって、レーザプラズマに対して均一で
かつ高磁場を印加させることができ、レーザプラズマの
閉じ込め及び荷電粒子の軌道制御をより効果的に行うこ
とができる。
【0036】なお、前記実施例の強磁場発生装置の構成
例2〜構成例5において、使用する磁石3の一例として
は、例えば、磁極間隔が数mmで強度が1万ガウス(1
テスラ)のものを用いることができる。また、このプラ
ズマ中に留まる時間や放出の分布を、照射されるレーザ
光のエネルギー、強磁場5の大きさや分布等に応じてあ
らかじめ実験等により求めておき、この関係を基にして
所望とするX線、及び光学素子の配置に応じて設定する
ことができる。
【0037】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて図6を用いて説明する。図6に示す実施例2の構成
は、レーザ光と取り出すX線とをターゲットに対して同
一側とする構成であり、レーザ光が照射されるターゲッ
トの反対側に発生するプラズマからX線を取り出すもの
であり、前記した実施例1とほぼ同様の構成であり、タ
ーゲットの同一側にレーザ光を照射する装置と、X線を
取り出す装置を設ける点で相違している。図6におい
て、テープターゲット1の一方の側からレーザ光7を集
光照射してプラズマを形成すると、レーザ光7と同一の
側に荷電粒子8やX線9が放射される。実施例2は、こ
のレーザ光7と同一側に放出されるX線を利用するもの
である。この実施例2においても、前記した強磁場発生
手段の構成例を適用することができる。また、前記実施
例において、強磁場発生手段に使用する磁石として、永
久磁石の他に電磁石を使用することができ、これによっ
て、強磁場の強度、あるいは強磁場の磁束分布を変更し
て、荷電粒子がプラズマ中に留まる時間を制御したり、
荷電粒子の放出分布を変更したりすることができる。さ
らに、前記実施例においてはターゲットとしてテープタ
ーゲットを使用しているが、平面ターゲットや円筒ター
ゲット等を使用することもできる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
X線の供給対象へのX線の供給量を容易に増加させるこ
とができるX線発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線発生装置を説明する構成図であ
る。
【図2】強磁場内の荷電粒子の軌道を説明する図であ
る。
【図3】強磁場内の荷電粒子の軌道を説明する図であ
る。
【図4】荷電粒子との衝突の状態を示す模式図である。
【図5】本発明のX線発生装置の第1の実施例を示す概
略図である。
【図6】本発明のX線発生装置の第2の実施例を示す概
略図である。
【図7】本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の第1
の構成例の概略図である。
【図8】本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の第2
の構成例の概略図である。
【図9】本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の第3
の構成例の概略図である。
【図10】本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の第
4の構成例の概略図である。
【図11】本発明のX線発生装置の強磁場発生手段の第
5の構成例の概略図である。
【図12】従来のX線発生装置の概略図である。
【符号の説明】
1…ターゲット、2…強磁場発生手段、3…磁石、4…
強磁場、6…プラズマ、7…レーザ光、8…荷電粒子、
9…X線、10…光学素子、11…X線供給対象、12
…スリット、13…飛散粒子阻止手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青柳 克信 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 広瀬 秀男 京都市中京区西ノ京桑原町1 株式会社島 津製作所三条工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中でターゲットにレーザビームを集
    光照射して生成されるレーザプラズマによりX線を発生
    させるX線発生装置において、レーザプラズマによって
    形成される荷電粒子に対して磁場を印加する強磁場発生
    手段を備え、該磁場は荷電粒子の軌道を曲げ、磁場内に
    閉じ込める磁気力を発生することを特徴とするX線発生
    装置。
  2. 【請求項2】 真空中でターゲットにレーザビームを集
    光照射して生成されるレーザプラズマ中より放出される
    X線を、レーザ照射側とターゲット面に対して少なくと
    も一方の側から取り出すX線発生装置において、前記レ
    ーザープラズマの近傍において、ターゲット面と略平行
    である磁場成分を生成し、該磁場成分はレーザプラズマ
    中の荷電粒子に直接作用して荷電粒子の軌道を曲げて磁
    場内に閉じ込める磁気力を発生する磁場発生手段を、レ
    ーザプラズマに接近して配置することを特徴とするX線
    発生装置。
  3. 【請求項3】 真空中でターゲットにレーザビームを集
    光照射して生成されるレーザプラズマ中より放出される
    X線を、レーザ照射側とターゲット面に対して少なくと
    も一方の側から取り出すX線発生装置において、前記レ
    ーザープラズマの近傍において、ターゲット面と略垂直
    である磁場成分を生成し、該磁場成分はレーザプラズマ
    中の荷電粒子に直接作用して荷電粒子の軌道を曲げて磁
    場内に閉じ込める磁気力を発生する磁場発生手段を、レ
    ーザプラズマに接近して配置することを特徴とするX線
    発生装置。
JP7005465A 1995-01-18 1995-01-18 X線発生装置 Pending JPH08195533A (ja)

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US08/587,915 US5680429A (en) 1995-01-18 1996-01-17 X-ray generating apparatus and X-ray microscope
EP96300325A EP0723385A1 (en) 1995-01-18 1996-01-17 X-ray generating apparatus and x-ray microscope
US08/876,331 US6157701A (en) 1995-01-18 1997-06-16 X-ray generating apparatus and X-ray microscope

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012502414A (ja) * 2008-09-09 2012-01-26 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 放射システムおよびリソグラフィ装置
JP2014096372A (ja) * 2008-09-29 2014-05-22 Gigaphoton Inc 極端紫外光源装置
CN113455107A (zh) * 2018-11-02 2021-09-28 埃因霍温科技大学 强、窄带、完全相干、软x射线的可调谐源

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