JP3382914B2 - 脱臭濾過材及びその製造方法 - Google Patents

脱臭濾過材及びその製造方法

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JP3382914B2 JP2000047273A JP2000047273A JP3382914B2 JP 3382914 B2 JP3382914 B2 JP 3382914B2 JP 2000047273 A JP2000047273 A JP 2000047273A JP 2000047273 A JP2000047273 A JP 2000047273A JP 3382914 B2 JP3382914 B2 JP 3382914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来より産業廃棄
物として処分されてきたインスタントコーヒー飲料の製
造過程で発生するコーヒー豆の絞り糟を主原料とし、廃
棄による公害の発生を回避すると共に安価で優れた吸着
特性を有する脱臭濾過材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水及び大気の浄化等に用いられる
吸着材や濾過材としては、木材やヤシの実の殻などを炭
化(=一次炭)したのち活性化(=水蒸気賦活など)し
て得られる活性炭が一般的に多用されている。この活性
炭は、著しく多孔質の内部構造を有し、そのため強力な
吸着性能をを持っているといわれている。これら活性炭
は、一般に粉末活性炭と造粒活性炭とに分類され、さら
にそのうち造粒活性炭は、粉砕した木炭粉をタールやピ
ッチなどを粘結剤として一定粒度に成形し、乾燥焼成、
賦活したもの、椰子の実の殻や石炭類を賦活してふるい
分け、特に成形は行わないものに区別される。また、木
炭や椰子殻炭ばかりでなく、その他植物や廃棄ゴムタイ
ヤを粉砕したものを焼成、賦活して活性炭としたものも
比較的安価な濾過材として水および大気の清浄化に広く
利用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
使われている活性炭の多くは海外で製造され本邦へ輸入
されているため、その価格は為替レートに大きく左右さ
れて乱高下し易く、輸送コストもかかるため、価格の上
昇につながっていた。また、廃棄されたゴムタイヤを原
料とする活性炭は、その製造に際してゴムタイヤを破砕
するための付帯設備が必要であり、このことが価格の上
昇につながる要因になっていた。
【0004】一方、現在、コーヒー飲料を製造している
工場では、その製造過程で含水量の多いコーヒー豆の絞
り糟が大量に副生するが、適切な処分の方法がないた
め、処分に窮している。これらの一部は天日乾燥し、乾
燥物を病院の通路や病室におき臭気の除去に使用されて
いるが、その多くは焼却処理を余儀なくされている。し
かし、焼却処分にすれば焼却費が嵩み、焼却灰の廃棄も
難しい状況であり、上記の副生物の処理が極めて困難と
なっているのが現状である。
【0005】また、近年、コーヒー豆の絞り糟に粘土
(無機質粘結材)を混合して吸着材や植木鉢等に利用し
ようとする提案がなされている。例えば特開平8−16
5176号公報には、予めコーヒー粕(残渣)を炭化し
ておき、この炭化物に粘土を混合して成形し、焼成する
ことにより保水性に優れた植木鉢を得ることが記載され
ている。また、特開平8−208209号公報には、コ
ーヒー粕等の可燃物の表面に無機質粘結材を被覆して短
時間(1〜3分間)焼成することにより粒状の炭化物を
得ることが記載されている。さらに、特開平10−19
4865号公報には、コーヒー残渣等とベントナイトと
を混練して焼成し、炭素含有割合が30〜60重量%、セラ
ミックスの含有割合が70〜40重量%の焼成体を得ること
ができ、これを有害有機ガスの吸着に用いることが記載
されている。また、特開平6−368号公報には、コー
ヒーではなくパーム油の搾り粕ではあるが、これを粘土
類と混合して成形後に焼成して活性炭セラミックスを得
ることができ、これを吸着材として用いることが記載さ
れている。
【0006】しかし、前記特開平8−165176号公
報に記載の植木鉢では、粘土を焼成したセラミックス焼
結体であって、コーヒー粕の大部分は燃焼或いは灰化
(消失)してセラミックス体に空隙(空洞)を形成する
に過ぎない。そのため、気孔率が低いので、脱臭・吸着
材としては利用することができない。また、特開平8−
208209号公報に記載の炭化物は、コーヒー粕を燃
焼してしまわないように炭化させたものであって、炭化
物内部に微細空隙が形成されるに過ぎない。そのため、
炭化物の表面に薄く形成した無機粘結材の焼成により生
成したセラミックス層は、強度の向上にも貢献せず、極
めて強度が低いので、脱臭・濾過材として利用した場合
に、用途が著しく制限されるものとなる。さらに、特開
平10−194865号公報や特開平6−368号公報
に記載の焼成体は、セラミックス成分の割合が多く強度
も高いが、セラミックス部の気孔率が低いため、焼結体
の表面から侵入して炭化物の微細空隙に至る汚臭等の吸
着層が少なく、脱臭・濾過材として十分に満足できる吸
着性能を有するものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、今日大きな社
会問題となっている産業廃棄物の一つであるインスタン
トコーヒー飲料の製造過程で発生するコーヒー豆の絞り
糟の有効利用を図ると共に、これを有価物、即ち低価格
で優れた吸着特性を有する脱臭濾過材として市場に提供
するものであり、特にセラミックス部分の気孔率を一段
と向上させることにより吸着性能の飛躍的向上を図った
ものである。本発明は上記に鑑み提案されたもので、イ
ンスタントコーヒー飲料の製造過程で発生する含水量6
0〜80%のコーヒー豆の絞り糟を30〜70%、これ
にカオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、バ
イデライトの1種以上からなる無機粘結剤を70〜30
%加えた混合物100部に対して界面活性剤から選ばれ
る起泡剤0.05〜5部或いは炭酸水素塩から選ばれる
発泡剤0.1〜10部を加えて混練することにより混練
物中に無数の微細孔を形成させ、この混練物を粒状或い
はペレット状に造粒するか、もしくはその混練物を任意
形状に成形し、これを400〜1200℃の範囲内で1
〜10時間焼成して得られることを特徴とする脱臭濾過
材及びその製造方法に関するものである。尚、混練物を
粒状又はペレット状に造粒する場合、外径が1〜15m
m相当の任意断面をもつ粒状、或いは外径が1〜15m
m相当の任意断面をもち、且つ長さが2〜15mmのペ
レット状に造粒することが望ましい。
【0008】
【作用】コーヒー豆の絞り糟と無機粘結剤と、界面活性
から選ばれる起泡剤或いは炭酸水素塩から選ばれる
泡剤とからなる混合物を混練すると、起泡剤或いは発泡
剤の作用によって無数の微細孔が形成される。この混練
物を高温で焼成すると、無数の微細孔を有する焼結体が
得られる。即ちこの焼成体は、セラミックス部分の気孔
率が極めて高い。また、この焼結体は、無機粘結剤の仮
焼物中にコーヒー豆の炭化によってできた微細孔をもつ
炭化物粒が均一に分散して共存する炭素系セラミックで
あって、この炭素系セラミック複合体はコーヒー豆の絞
り糟が燃焼したために生成される微細孔や水分の蒸発に
よる微細孔も形成されるため極めて多孔質である。そし
て、焼結複合体の表面から侵入した汚臭成分が、起泡剤
或いは発泡剤の作用或いは水分の蒸発によって形成され
た無数の微細孔や炭化物粒内の微細孔に吸着されるの
で、吸着特性に優れた脱臭濾過材が得られる。尚、本発
明の脱臭濾過材は、脱臭及び濾過の両目的で用いても良
いし、脱臭、濾過の何れか一方の目的に用いるようにし
ても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、インスタント
コーヒー飲料の製造過程で発生する含水量60〜80%
のコーヒー豆の絞り糟を30〜70%、無機粘結剤を7
0〜30%混合するが、この数値範囲よりコーヒー豆の
絞り糟の混合割合が多い(無機粘結剤の混合割合が少な
い)場合、成形物の強度が低いものとなり、形状によっ
ては自重や小さな応力により破断してしまうこともあ
る。また、この数値範囲よりコーヒー豆の絞り糟の混合
割合が少ない(無機粘結剤の混合割合が多い)場合、吸
着性能、濾過性能に寄与するコーヒー豆糟部分(炭化
物)の微細孔の割合が少なくなって十分な吸着性能、濾
過性能が発揮されないものとなる。
【0010】また、本発明においては、コーヒー豆の絞
り糟と無機粘結剤との混合物100部に対して、各種界
面活性剤から選ばれる起泡剤を0.05〜5部、或いは
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アン
モニウム等の炭酸水素塩から選ばれる発泡剤を0.1〜
10部混練するが、この数値範囲より起泡剤或いは発泡
剤の混合割合が少ない場合、十分な微細泡の発生が得ら
れず、セラミックス部の気孔率が向上しない。また、こ
の数値範囲より起泡剤或いは発泡剤の混合割合が多い場
合には、それ以上セラミックス部の気孔率の向上が望め
ず、経済的には無駄になる。
【0011】本発明の脱臭濾過材を用いて汚染大気を処
理すると、大気中の刺激臭や異臭が脱臭濾過材内部の微
細孔に吸着されて除去される。また、大気中に拡散した
粉塵は脱臭濾過材内部の微細孔でトラップされたり、そ
の表面に付着することによって脱臭濾過材中に捕獲除去
される。また、本発明の脱臭濾過材を用いて地下水中に
含まれる鉄分を除去するには、地下水に空気を吹き込ん
で鉄分を一旦酸化させ、フロック(綿くず状沈殿物)と
した後、本発明の脱臭濾過材で濾過処理すると、鉄分が
フロックとして分離除去が可能である。また、空気の吹
き込みによる酸化処理をしない場合でも、微細孔に水中
に懸濁した鉄分が吸着されるのでこれを除去することが
でき、水を浄化することができる。
【0012】また、本発明の脱臭濾過材を、河川水や各
種排水路の浄化に適用しても良い。この場合、本発明に
よる粒状、ペレット状、或いは任意形状の脱臭濾過材
河川や排水路の底部(路床)に敷設しても良いし、板状
又は棒状の成形品を水中から立設するように配置しても
良い。さらに、板状に成形した脱臭濾過材は、吸着機能
を有する各種建築用資材として用いても良い。例えばそ
の透水性路盤等に用いても良いし、井戸などの貯水施設
の表面を覆う蓋材として用いても良い。この場合、雨水
中や土壌から溶出した汚染、汚濁成分等を除去でき、こ
の水を簡単な浄水装置を通せば、飲用又はその他の家庭
用水として利用できるものとなる。
【0013】尚、本発明の脱臭濾過材は前述のように粒
状、ペレット状に成形しても良いし、その用途に応じて
任意形状の成形品としても良いので、前記以外の多方面
への利用が期待される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の脱臭濾過材の製造例及び特性
を1項に、この脱臭濾過材の適用例を2項、3項に詳述
する。
【0015】1.脱臭濾過材の製造例とその特性 1.1 起泡剤(界面活性剤)の起泡作用を利用した
臭濾過材の製造 含水量65%のコーヒー豆の絞り糟とベントナイトとを
重量比で50:50の割合で混合し、これに起泡剤であ
る陽イオン界面活性剤(日華化学(株)製『ホボラック
スDM』)を0.5部加えたものをよく混練し、この混
練物を造粒機で0.8〜15mmの粒状にした。粒状物
をこう鉢に詰めて電気炉へ入れ、650℃で2時間焼成
して微細孔が多数形成された多孔質な脱臭濾過材を得
た。尚、ここで用いた焼成炉はバッチ式で熱源が電気で
あるが、炉の熱源は都市ガス、LPG、灯油、重油でも
よく、またロータリーキルンで連続焼成すればここで用
いた電気炉の場合に比べて焼成コストが低減でき、脱臭
濾過材のコストダウンを図ることができる。
【0016】 1.2 発泡剤(炭酸水素塩)の発泡作用を利用した
臭濾過材の製造 含水量65%のコーヒー豆の絞り糟とがいろ目粘土とを
重量比で60:40の割合で混合し、これに発泡剤であ
る炭酸水素ナトリウム3部加えたものをよく混練し、こ
の混練物を造粒機で0.8〜15mmの粒状にした。粒
状物をシャモット製のるつぼに詰めてLPGガス炉へ入
れ、700℃で2時間焼成して微細孔が多数形成された
多孔質な脱臭濾過材を得た。
【0017】1.3 得られた脱臭濾過材の特性 前記1.1にて得られた脱臭濾過材(実施例1.1)及
び前記1.2にて得られた脱臭濾過材(実施例1.2)
の特性を市販のセラミック系濾過材と比較して表1に示
す。
【表1】 表1より明らかなように、本発明の実施例1.1,1.
2の脱臭濾過材は、市販のセラミック濾過材に比べて全
細孔体積、細孔表面積が大きく、吸着活性度が極めて高
いことが分かる。
【0018】 2.汚染大気の浄化への本発明の脱臭濾過材の適用 前記1項で得られた粒状の脱臭濾過材を分級して6〜1
5mmにしたものを作業環境の悪い鋳造工場の環境改善
に用いた。即ちアルミニウム合金の鋳造工場において、
アルミニウム合金溶湯のフラックス(アルミニウム合金
溶湯の脱酸及び除さい用の添加剤)処理の時に発生する
刺激臭の除去を本発明の実施例1.1,1.2の脱臭濾
過材を用いて行った。この時に用いた脱臭装置は図1に
示すもので、同図(a)はアルミニウム合金溶解保持
炉、同図(b)は除塵脱臭機である。この装置の脱臭パ
ートに本発明の脱臭濾過材を使用した。また、この除塵
脱臭機の内部構成を図2に示した。尚、図1における1
はアルミニウム合金溶解保持炉、2は炉頂フード下部二
次空気取り入れ口、3は滑車、4は投入機入口ダンパ、
5はワイヤー、6はダンパーガイド、7は投入機入口、
8はバランスウエイト、9はダンパーゲイト、10は炉
頂フード、11は吸気ダクト、12はトビラ、13は補
助フード、14は吸気口、15はモーター、16はブロ
ワー、17は除塵冷却脱臭機、18はエクセライト出入
口トビラ、19はエアブロー用電磁弁(上)、20はエ
アブロー用電磁弁(中)、21はエアブロー用電磁弁
(下)、22はフィルター、レギュレーター、23は脱
臭パート、24は濾過材押さえ金網、25は濾過材容
器、26は濾過材、27は点検窓用トビラ、28はダス
ト取出し口フタ、29はダスト取出し口である。
【0019】図1に示した脱臭装置の適用結果を表2及
び表3に示した。比較のため、市販のセラミック系濾過
材を使用した場合も示した。尚、本発明と全く同様の方
法により起泡剤及び発泡剤を用いないで作製した脱臭濾
過材を用いたときの結果も比較例として示した。これら
の表2及び表3に示す測定値はガス分析装置を図1
(b)の脱臭機の吸気口14の前と排気口30の後の位
置に取り付け、吸気前(刺激臭を含む大気)及び排気後
の大気(濾過後の大気)に含まれる弗化物と塩化水素の
濃度を溶湯のフラックス処理をしている時に5分間双方
の場所で同時に測定した値である。また、測定に際して
は測定間隔を各30分とし、前のフラックス処理作業に
よる発生ガスが完全に大気中へ排出された後、次のフラ
ックス処理作業の実施時についての測定を行った。
【表2】
【表3】 表2及び表3より明らかなように、本発明の脱臭濾過材
を用いた場合には脱臭処理後のフッ化化合物濃度、塩化
水素濃度の値は市販のもの、或いは比較例に比べ著しく
低い値となっており、この脱臭濾過材の除去効果が優れ
ていることが分かる。
【0020】 3.汚濁水の浄化に対する本発明の脱臭濾過材の適用 1項で得られた粒状の脱臭濾過材を分級して1.5〜
2.5mmにしたものを図3に示す実験装置へ充填し、
地下水中の鉄分の除去を行った。この実験装置の仕様は
次の通りである。 本体内径;107mm,鉄管,1槽式 充填高;100cm,濾過材下部に4〜6mmの砂利約
20cm充填 酸素供給;コンプレッサーにより濾過層上部の地下水へ
空気を吹き込む 処理水の通水条件;2リットル/分
【0021】本実験でも前記2項と同様に市販のセラミ
ック系濾過材を使用した場合と比較した。得られた結果
を表4に示す。尚、表4には起泡剤及び発泡剤を添加せ
ず作製した脱臭濾過材を比較例とした結果も併せて示し
た。
【表4】 表4より明らかなように、本発明の脱臭濾過材を用いた
ときには濾過処理後の地下水中の鉄分の値は市販セラミ
ック濾過材、或いは比較例に比べ著しく低い値となって
おり、この脱臭濾過材による除去効果が優れていること
が分かる。
【0022】以上、アルミニウム合金鋳造工場の環境の
改善及び地下水の浄化への本発明の脱臭濾過材の適用例
を説明したが、本発明の脱臭濾過材はこれらの適用例に
限定されるものではなく、汚染大気或いは汚濁水その他
の汚濁液の浄化に広範な利用が可能である。例えば本発
明の脱臭濾過材を図4(a)に示す濾過エレメントに成
形し、図4(b)に示すように汚濁水の流路に設置する
と、一般家庭及びその他の多くの汚濁水に対して簡易な
設備で浄化処理を行うことができるものとなる。
【0023】以上本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明は前記した実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りど
のようにでも実施することができ、多くの用途に適用で
きる。脱臭濾過材は気体や液体の流路に設置され、その
浄化機構の大部分は濾過材の吸着作用であるため、前記
実施例は吸着材としての使用例と考えて良い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の脱臭濾過材
は以下の利点と効果を有する。 1.産業廃棄物として処分が困難な状況にある大量のコ
ーヒー豆の絞り糟を汚れた大気、水及び汚濁液の脱臭濾
過材として資源化することによって公害の発生が回避さ
れ、コーヒー飲料製造時の副生物を有価なものとするこ
とができる。 2.コーヒー豆の絞り糟は、現在廃棄されているため、
原料費が不要であり、また、含水率が高いため、排出さ
れたままの状態で無機粘結剤と起泡剤或いは発泡剤と容
易に混練でき、その混練物を焼成するだけで安価で高性
能な脱臭濾過材が得られる。 3.本発明の脱臭濾過材は一般のセラミック製品を製造
している既設の設備を用いて容易に焼成できるため、現
在遊休状態にある設備を活用することにより十分製造が
可能である。 4.コーヒー豆の絞り糟と無機粘結剤、さらに起泡剤或
いは発泡剤の配合比の変化、さらには焼成温度を適宜選
択することによって性能の異なる多品種の脱臭濾過材
製造できる。 5.高強度のセラミック系の脱臭濾過材であるため、水
処理装置に取り付けられている撹拌式逆洗装置に適用し
ても破砕することがなく、逆洗浄による濾過材の洗浄時
間を短縮することができる。 6.炭素質セラミック系の脱臭濾過材であるため、高温
の排ガスが流入する除塵脱臭機へ使用しても、従来使用
されているバグフィルターや活性炭のように可燃性でな
いため火災の心配がない。 7.含水量の多いコーヒー豆の絞り糟と無機粘結剤と起
泡剤或いは発泡剤との混練物は、焼成前の可塑状態のと
きに任意の形状へ成形することができるので、使用目的
に応じ、多様な形状の成形品が製造できる。 8.本発明の脱臭濾過材は一旦使用後も再焼成して繰り
返し使用することができる。以上、従来、産業廃棄物と
して処分されていたコーヒー豆の絞り糟は、今日、廃棄
処分が困難になってきている。そのため、上述したよう
に、この絞り糟へ無機粘結剤と起泡剤或いは発泡剤を配
合して混練し、十分に無数の微細孔を生成させた後、そ
の混練物を高温焼成することによって粒状或いはペレッ
ト状、さらには使用目的に応じて多様な形状の炭素質セ
ラミック系脱臭濾過材として資源化でき、しかも低コス
トで提供できる。このように本発明の脱臭濾過材は、コ
ストメリットに優れ、除塵、脱臭、消臭にも優れた効果
を発揮するので、汚染大気、汚濁水等の汚染環境の浄化
をはじめこれらを目的とする多くの分野へ適用すれば多
大な利益をもたらすことが見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)アルミニウム合金の溶解保持炉を示し、
(b)は除塵脱臭機を示す斜視図である。
【図2】除塵脱臭機の脱臭パートの詳細を示す断面図で
ある。
【図3】実施例における地下水の濾過実験装置を模式的
に示す断面図である。
【図4】(a)本発明の脱臭濾過材を濾過エレメントと
して成形した例を示す斜視図、(b)その適用状態を示
す断面図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 53/68 B09B 3/00 302E 53/81 C02F 1/28 B B09B 3/00 301 E 302 Z C02F 1/28 B01D 53/34 116B 134Z (56)参考文献 特開2000−154073(JP,A) 特開 平11−9992(JP,A) 特開 昭51−17198(JP,A) 特開 平4−2605(JP,A) 特開 平11−76813(JP,A) 特開 平10−286459(JP,A) 特開 平11−276886(JP,A) 特開 平7−144127(JP,A) 特開 平2−129054(JP,A) 特開 平6−256071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/20 A61L 9/01 B01D 39/14 B01D 53/00 B09B 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インスタントコーヒー飲料の製造過程で
    発生する含水量60〜80%のコーヒー豆の絞り糟を3
    0〜70%、これにカオリナイト、ハロイサイト、モン
    モリロナイト、バイデライトの1種以上からなる無機粘
    結剤を70〜30%加えた混合物100部に対して界面
    活性剤から選ばれる起泡剤0.05〜5部或いは炭酸水
    素塩から選ばれる発泡剤0.1〜10部を加えて混練す
    ることにより混練物中に無数の微細孔を形成させ、この
    混練物を粒状或いはペレット状に造粒するか、もしくは
    その混練物を任意形状に成形し、これを400〜120
    0℃の範囲内で1〜10時間焼成して得られることを特
    徴とする脱臭濾過材。
  2. 【請求項2】 インスタントコーヒー飲料の製造過程で
    発生する含水量60〜80%のコーヒー豆の絞り糟を3
    0〜70%、これにカオリナイト、ハロイサイト、モン
    モリロナイト、バイデライトの1種以上からなる無機粘
    結剤を70〜30%加えた混合物100部に対して界面
    活性剤から選ばれる起泡剤0.05〜5部を加えて混練
    することにより混練物中に無数の微細孔を形成させ、こ
    の混練物を粒状或いはペレット状に造粒するか、もしく
    はその混練物を任意形状に成形し、これを400〜12
    00℃の範囲内で1〜10時間焼成することを特徴とす
    る脱臭濾過材の製造方法。
  3. 【請求項3】 インスタントコーヒー飲料の製造過程で
    発生する含水量60〜80%のコーヒー豆の絞り糟を3
    0〜70%、これにカオリナイト、ハロイサイト、モン
    モリロナイト、バイデライトの1種以上からなる無機粘
    結剤を70〜30%加えた混合物100部に対して炭酸
    水素塩から選ばれる発泡剤0.1〜10部を加えて混練
    することにより混練物中に無数の微細孔を形成させ、こ
    の混練物を粒状或いはペレット状に造粒するか、もしく
    はその混練物を任意形状に成形し、これを400〜12
    00℃の範囲内で1〜10時間焼成することを特徴とす
    る脱臭濾過材の製造方法。
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