JP4633604B2 - 吸着材の製造方法、吸着材、吸着材造粒物、及び吸着造粒物の製造方法 - Google Patents

吸着材の製造方法、吸着材、吸着材造粒物、及び吸着造粒物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は廃鋳物砂を原料とする吸着材及びその製造方法、並びに吸着材造粒物及びその製造方法に関する。
鋳物製造工程から生ずる鋳物砂廃棄物は年間160万トンに達し、その60%は再利用されずに埋め立て処分とされている。しかし、現在設置されている最終処分場の埋め立て可能な残余量は減少しており、新たな最終処分場の建設も困難な状況となっている。また、鋳物砂廃棄物には鉛や銅等の重金属も含まれることがあるため、土壌からの溶出を防ぐべく、管理型最終処分場への埋め立てが必要な場合もあり、処分費用の高騰化が問題となっている。このため、廃鋳物砂を資源として有効に利用する技術が求められている。
こうした廃鋳物砂を資源として利用する技術としては、従来より、廃鋳物砂を焼成して樹脂成分を除去したり、湿式で不純物を除いたりして、再利用することが行われている(特許文献1〜4)。
特公昭51−3690号公報 実公昭51−44727号公報 特公昭58−19379号公報 特公平1−2462号公報
また、粒度を調整して再び鋳物砂として利用したり、セメントの増量材として利用したりもしている(非特許文献1)。
青木 正著 JACT NEWS 1993.2.20
しかし、上記のような再利用に供されている廃鋳物砂の量は、発生量に比して僅かであり、新たな資源化技術が求められている。
この点、大量の需要が見込まれる土木資材への利用が有効であるとも考えられる。しかし、廃鋳物砂はカーボン含有量が多く、鉄も含まれているため、土木資材への利用には不向きである。このため、例えば路盤材として利用する場合には、廃鋳物砂中のカーボンを燃焼除去する必要がある。また、天然の骨材路盤材と比較して、強度が小さく、耐久性に劣るという問題がある。
また、園芸用の保水材に利用することも行われているが、800°Cを超える温度で焼成固化する必要があり、製造コストが高いという問題がある。
さらには、廃鋳物砂を活性炭と混練して造粒し、還元雰囲気下で焼成したものを水処理用の吸着材として利用することも提案されている(特許文献5)。
特開平11−197682号公報
しかし、この利用方法では、高価な活性炭を吸着材として使用しなければならず、さらには800〜1000°Cという高温において還元性雰囲気で焼成しなければならないため、製造コストが高くなってしまう。この点、活性炭を使用せず、鋳物砂だけを造粒し、焼成すれば、比較的安価な吸着材となるが、吸着能が劣るという問題があった(上記特許文献5の段落番号0004参照)。また、焼成を行わなければならない点では同様であるため、製造に要するエネルギーコストが高いものとなるという問題点はなお残されている。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、廃鋳物砂を原料とし、焼成工程が不要であり、製造コストが低廉で、有機物やアンモニアガスや重金属イオンの吸着能に優れた吸着材及び吸着材造粒物を提供することを解決すべき課題としている。
廃鋳物砂には鋳物用樹脂等に起因する有機成分が含まれており、廃鋳物砂を利用する場合には、通常、廃鋳物品を焼成して有機成分を除去することが行われている。しかしながら、発明者らは、廃鋳物砂そのものを焼成することなく利用することができないかということを考えた。そして、鋭意研究を行った結果、意外なことに、有機成分を含む廃鋳物砂は、水中のCODの起因となる成分や、アンモニアガスや、銅、鉛、亜鉛といった重金属のイオンを吸着する能力に優れているということを発見した。そして、さらに、廃鋳物砂から細かい粒子径の部分を分取した部分が、特に優れた吸着性能を奏することを発見し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の吸着材の製造方法は、廃鋳物砂を焼成することなしに、所定の粒子径以下の部分を分取する分取工程を備えることを特徴とする。
本発明の吸着材の製造方法では、廃鋳物砂を焼成することなく所定の粒子径以下の粒子からなる洗土品が分取される。発明者らの試験結果によれば、廃鋳物砂に含まれる成分のうち、粒子径の細かい成分である洗土品は吸着能に優れており、吸着材として好適に用いることができる。これは、鋳物砂に添加された樹脂等の有機成分が洗土品に濃縮されており、この有機成分によって優れた吸着能を発揮するためであると推測される。また、本発明の吸着材の製造方法では、廃鋳物砂は焼成されることはないため、こうした有機成分が損なわれることがない。このため、活性炭などの高価な吸着材を添加しなくても、優れた吸着材として用いることができる。さらには、活性炭ではほとんど吸着することができない銅、鉛、亜鉛といった重金属イオンの吸着材としても使用することができる。
したがって、本発明の吸着材の製造方法によれば、廃鋳物砂を原料とし、焼成工程が不要であり、製造コストが低廉で、有機物やアンモニアガスや重金属イオンの吸着能に優れた吸着材を提供することができる。
本発明の吸着材の製造方法では、さらに廃鋳物砂を水洗する洗浄工程と、廃鋳物砂に含まれる鉄類を除去する鉄除去工程とを備えることが好ましい。洗浄工程では廃鋳物砂が水洗されるため、廃鋳物砂に含まれている水溶性の有害物が除去される。このため、有害物の溶出のおそれが少ない吸着材となる。また、鉄除去工程では鉄類が除去されるため、吸着材中に鉄類がほとんど含まれず、吸着材が鉄さびによって固化したり、赤く変色したりするのを防ぐことができる。
本発明の吸着材の製造方法において、吸着材の粒子径は0.5mm以下とされていることが好ましく、さらに好ましくは0.3mm以下であり、最も好ましくは0.15mm以下である。径が細かい粒子には吸着能を発揮する有機成分が濃縮されているからである。
本発明の吸着材の製造方法により本発明の吸着材を製造することができる。すなわち、本発明の吸着材は、廃鋳物砂を焼成することなく所定の粒子径以下の部分を分取した洗土品からなることを特徴とする。
また、本発明の吸着材造粒物は上記吸着材を固化材で固めて粒状にしたことを特徴とする。こうであれば、吸着塔等に充填した場合、圧損が小さくなり、吸着塔からの流出もなく、ハンドリングも容易となる。また、吸着材造粒物を植栽用土として用いた場合、隙間が形成されて多くの空気を取り込むことができるため、植物の成育環境が良好となる。なお、吸着材に天然骨材やスラグ骨材等を混ぜて固化材で固めてもよい。こうであれば、吸着材造粒物の機械的強度を増すことができる。
こうした吸着材造粒物を製造する方法として、上記のようにして製造された吸着材に水分調整用無機粉末と固化材とを加えて混合して造粒混合物とし、これを篩い分けする方法を用いることができる。すなわち、本発明の吸着材造粒物の製造方法は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の吸着材の製造方法によって製造された吸着材に水分調整用無機粉末と固化材とを加えて混合し、造粒混合物とする造粒工程と、該造粒混合物を篩い分けする篩工程とを備えることを特徴とする。
吸着材造粒物を製造する場合、吸着材に固化材を混合し、篩い分けすることによって製造することが考えられる。しかしながら、発明者らの試験結果によれば、含水率が製品の物性や歩留まりに大きく影響する。一方、原料となる吸着材の含水率は変動する可能性がある。このため、吸着材及び固化材とともに、水分調整用無機粉末を混合すれば、吸着材の含水率の変動した場合にも、絶えず最適な含水率に調整することができ、製品の歩留まりを向上させたり、最適な物性となるようにすることができる。
ここで、固化材としては、アルギン酸ソーダ、アクリル系の高吸水性樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の有機ポリマー化合物や、酸化マグネシウム等の無機粉末等が挙げられる。また、水分調整用無機粉末としては特に限定はないが、溶融スラグ、コンガラ、クリンカーアッシュ、石英、硅砂、砂等の粉末を用いることができる。
また、固化材を略中性の水溶性ポリマーとし、造粒混合物の含水率が25〜35質量%となるように水分調整用無機粉末の添加量を調整することができる。ここで、略中性の水溶性ポリマーとは、水に溶解させたときに植物の生育に適切な中性域である5.5〜8.6の範囲となる水溶性ポリマーのことをいい、具体的には、アルギン酸ソーダ、アクリル系の高吸水性樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。このようにして製造された吸着材造粒物は、固化材として略中性の水溶性ポリマーを用いているため、pHがほぼ中性となり、植栽用土として好適に用いることができる。また、発明者らの試験結果によれば、含水率が25質量%未満では造粒が困難となり、篩工程における歩留まりが悪くなる。また、含水率が35質量%を超えると、フレコン内で自重により粒子同士がくっついて大きな塊状となり易くなる。
また、固化材を酸化マグネシウムとし、造粒混合物の含水率が20〜32質量%となるように水分調整用無機粉末の添加量を調整することができる。このようにして製造された吸着材造粒物は、機械的強度に優れた吸着材造粒物となり、吸着材としてカラムに充填したとしても、自重で押しつぶされ難くなり、吸着塔の充填用吸着材として利用し易くなる。また、発明者らの試験結果によれば、含水率が20質量%未満では造粒が困難となり篩工程における歩留まりが悪くなる。また、含水率が32質量%を超えると、フレコン内で自重により粒子同士がくっついて大きな塊状となってしまう。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の吸着材を製造する際、原料となる廃鋳物砂については、鉄鋳物、アルミ鋳物、銅合金鋳物等に用いられた廃鋳物砂を用いることができる。この中でも鉄鋳物が特に好ましい。アルミ鋳物や銅合金鋳物では、アルミや銅合金が吸着材に混入するおそれがある。また、銅合金には鉛等の有害な重金属を含むこともあるからである。
また、鋳物砂型には、ケイ砂、粘土、デンプン、植物性油、炭素等を含む生砂型や、ケイ砂、フェノール樹脂やフラン樹脂等の有機バインダー樹脂を含む有機砂型とがあるが、そのどちらも原料として用いることができる。
鋳物工場から回収された上記の廃鋳物砂は、まず大きな固形物をスクリーン等により除去される。除去された固形物はロッドミル等で粉砕し、再度スクリーンで分級してもよい。こうして大きな固形物を除去された廃鋳物砂は、スパイラル洗浄機等で水洗され、磁選機によって鉄類が除去される。さらに分級機によって篩い分けされ、粒径の細かい洗土品と、粒径の大きい洗砂品とに分級される。さらに、こうして得られた洗土品はシックナーで撹拌濃縮された後、フィルタープレス等の脱水機によって脱水され30〜50質量%程度の含水率のケーキとされる。
こうして分取された洗土品は吸着材として優れた性質を有しており、ガス吸着や水中の有機成分の吸着に優れた効果を奏する。また、この洗土品に有機バインダーやカルシウム系固化材や酸化マグネシウム系固化材等を添加し、遊星式混合攪拌機。真空土練機、縦型ミキサー、パグルミキサー等の混合機を用いて混合し、さらに、造粒装置によって粒子形状とした後、ストックヤードに貯留して固化するのを待つ。こうして得られた吸着材造粒物は、水中においても流されることがないため、水中においてCODを減らすための吸着材として用いたり、肥料成分を保持する土壌改良剤として用いたり、植栽用の資材としたり、路床材等の建築資材として使用することができる。一方、粒子径の大きい洗砂品は、ストックヤードにて水切りされ、路床材や路盤材等の建築資材として利用することができる。以下、本発明をさらに具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1の吸着材は、図1に示す工程により製造した。
<固形物除去工程S1>
まず固形物除去工程S1として、鉄鋳物工場から廃棄された廃鋳物砂を収集し、50mm及び5mmの2段階のスクリーンに通してガラス、金属、レンガ等の夾雑物を除去し、5mm未満の粒子径の部分を分取する。5〜50mmの分級部分については、ロッドミルで5mm未満の粒子径に破砕して5mm未満の粒子径とする。
<洗浄工程S2>
次に洗浄工程S2として、固形物除去工程S1で分取された5mm未満の粒子をスパイラル洗浄機に送り、水洗浄を行う。
<鉄除去工程S3>
さらに、洗浄工程S2によって洗浄された5mm未満の粒子中の鉄類を湿式磁選機を用いて除去する。
<分取工程S4>
そして、バイブル分級機を用いて0.15mmφ以上の洗砂品と0.15mmφ未満の洗土品とに分ける。
<フィルタープレス工程S5>
さらに、洗土品をシックナーに送り、水中でゆっくり撹拌しながら沈殿濃縮し、得られた洗土品の濃縮スラリーをフィルタープレス装置でろ過し、実施例1の吸着材を得る。
(比較例1)
市販の木炭を粉砕し、篩によって0.15mmφ未満の粒子径となるように分取した木炭粉末を比較例1とした。
(比較例2)
実施例1の吸着材を800°Cで3時間の加熱処理をしたものを比較例2とした。
(評 価)
上記実施例1及び比較例1、2の吸着材について、アンモニアガスについての吸着試験を行った。また、実施例1の吸着材及び比較例2の試料について、赤外吸収スペクトル及びBET比表面積の測定を行った。さらに、実施例1の原料である廃鋳物砂、実施例1の吸着材及び上記実施例1の分取工程S4で得られた洗砂品についての化学組成分析及び溶出試験を行った。
<アンモニアガス吸着試験>
8リットルのデシケータにシャーレを置き、そこへ測定試料を35g入れ、さらに濃アンモニア水0.5gで湿らせたろ紙を入れ、蓋をした。そして、定期的に内部のガスをサンプリングしてそのアンモニア濃度を検知管式気体測定器(アンモニア検知管No.3M GASTEC社)によって測定した。その結果、図2に示すように、廃鋳物砂から製造された実施例1の吸着材は、木炭粉末からなる比較例1よりも急速にアンモニア濃度が低下し、木炭粉末より優れたアンモニア吸着能を有することが分かった。また、図3に示すように、実施例1の吸着材を加熱処理した比較例2は、アンモニア吸着速度が遅く、加熱処理によってアンモニア吸着能が低下することが分かった。これは、実施例1の吸着材に含まれている有機成分が加熱処理によって除去されたためであると考えられる。なお、図3のブランクにおいてもアンモニア濃度の低下が認められるのは、アンモニアガスがデシケータの僅かな隙間から少しずつ漏れ出るためである。
<赤外吸収スペクトル測定>
赤外吸収スペクトル測定の結果を図4に示す。熱処理を行っていない実施例1では、1600cm-1付近と3200cm-1付近に吸収が認められるのに対し、比較例2ではそれらの吸収が認められなかった。この結果から、800°Cで熱処理によって、有機成分存在しなくなることが分かる。また、実施例1のアンモニアガス吸着試験における、優れた吸着性能は、この有機成分の官能基(例えばカルボン酸基によるアンモニアガスの中和反応)に起因することが示唆される。
<BET比表面積の測定>
実施例1及び比較例2の試料について、BET比表面積を測定したところ、実施例1は16m2/gであるのに対し、木炭粉末である比較例2は90〜100m2/gであった。実施例1の吸着材の比表面積は、木炭ほどは大きくはないにもかかわらず、アンモニア吸着試験において実施例1のほうが木炭より優れた吸着能を示すのは、有機成分の官能基が吸着能に寄与しているためであると考えられる。
<化学組成分析>
実施例1の原料となった廃鋳物砂、実施例1の吸着材及び上記実施例1の分取工程S4で得られた洗砂品についての化学組成分析を行った結果を表1に示す。
Figure 0004633604
この表から、実施例1の原料となった廃鋳物砂の灼熱減量(イグニションロス)は4.3%とかなり大きいことが分かる。これは、廃鋳物砂に含まれている有機成分に起因するものであり、実施例1の吸着材の灼熱減量はさらに20.1%と大きく、吸着材としての有効な成分となる有機成分が濃縮されていることが分かる。また、原料の廃鋳物砂には鉄分がFe23として31.8%含まれているが、実施例1の吸着材では11.2%、洗砂品では20.1%と低い値となっている。このことから、磁選機によって鉄類が除かれていることが分かる。
<溶出試験>
上記化学組成分析を行った試料について、環境庁告示第46号による溶出試験を行った。その結果、表2に示すように、T−Hg、六価クロム、カドミウム、砒素、鉛、セレニウムのいずれも土壌環境基準値を超えることはなかった。
Figure 0004633604
(実施例2)
造粒工程として、上記実施例1の吸着材とMgO系固化材とを遊星式混合攪拌機によって96:4の質量比で混合し、さらにこの混合物100質量部に対し、スラグ骨材を20質量部加えて造粒機で造粒する。次に篩工程として、20mmφの篩によって篩い分けした後、1日間ストックヤードで放置して実施例2の吸着材造粒物とした。
(評 価)
上記実施例2の吸着材造粒物に対し、有機系廃液及び2価重金属イオンに対する吸着試験を行った。
<有機系廃液の吸着試験>
有機系廃水(COD12mg/L,目視透視度1cm)20Lの入った水槽に上記実施例2の吸着材造粒物を1000g入れ、循環ポンプによって廃水を循環させた。比較のために、同じ有機系廃水の入った水槽に吸着材造粒物を入れることなく、循環ポンプによって廃水を循環させた。その結果、図5に示すように、実施例2の吸着材造粒物を入れた水槽では、時間とともに目視透視度が良くなり、40時間後には30cmとなった。これに対して、実施例2の吸着材造粒物を入れなかった水槽では、40時間後においても透視度は7cmであった。以上の結果から、実施例2の吸着材造粒物は、有機系廃水に対する優れた浄化能力を有することが分かった。
<2価の重金属イオンに対する吸着試験>
径60mm、高さ100mm、下端に複数の小径穴が形成された陶板を備えるガラス製カラムを用意する。陶板上にろ紙を置き、続いて実施例2の吸着材造粒物80gを充填して吸着塔とした。この吸着塔の上部から2価の重金属イオンを約10mg/L含む水を注ぎ、下部の陶板からの流出水に含まれる2価の重金属イオンの量を迅速水質分析器(株式会社 共立理化学研究所製 形式WAL)によって測定した。この測定方法の原理は、銅イオンがDDTC法、亜鉛イオンがジンコン法、鉛イオンがPAR法に基づくものである。なお、小径数の異なる陶板を用いることにより、いろいろな流量において測定を行った。2価の重金属イオン源としては、Cu2+として硝酸銅水和物、Zn2+として硝酸亜鉛水和物、Pb2+として硝酸鉛をそれぞれ用いた。
結果を図6〜図8に示す。これらの図から、実施例2の吸着材造粒物は、Cu2+、Zn2+、及びPb2+の各重金属イオンに対して、高い吸着能を有していることが分かった。また、陶板の小径穴の数を増やして流量を高めても、吸着率はそれほど低下せず、重金属イオンの吸着塔の吸着材として使用した場合、比較的大きな流量下でも十分な吸着率を示すことが分かった。
(実施例3)
実施例3では、含水率の異なる実施例1の吸着材を原料として用い、実施例2と同様の方法によって含水率の異なる吸着材造粒物を製造し、さらにそれを20mmφの篩いで篩い分けした場合の歩留まりを調べた。結果を図9に示す。
図9から、含水率が30%から高くなるにつれて、歩留まりも低くなることが分かる。また、含水率が32質量%を超えると、貯留中に粒子同士がくっついて塊状となった。一方、含水率が20%未満では、造粒機での造粒が困難となりなった。以上の結果から、含水率は20〜32質量%が適当であることが分かった。
(実施例4)
実施例4では、固化材として略中性の水溶性ポリマーであるアルギン酸ナトリウムを用い、実施例3と同様の方法によって吸着材造粒物を製造した。その結果、含水率が25質量%以上であれば歩留まりが良好であり、含水率が35質量%未満であれば、吸着材造粒物同士が貯留中にくっついて塊状になるという現象を防ぐことができた。
本発明の吸着材及び吸着材造粒物は、有機廃水の浄化やアンモニアガスの吸着や植栽用土等に利用可能である。
実施例1の吸着材の製造工程図である。 実施例1及び比較例1のアンモニアガス吸着試験における経過時間とアンモニア濃度との関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例2のアンモニアガス吸着試験における経過時間とアンモニア濃度との関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例2の赤外吸収スペクトルである。 有機系廃水の吸着試験における経過時間と目視透視度との関係を示すグラフである。 2価の銅イオンの吸着試験における流量と吸着率との関係を示すグラフである。 2価の亜鉛イオンの吸着試験における流量と吸着率との関係を示すグラフである。 2価の鉛イオンの吸着試験における流量と吸着率との関係を示すグラフである。 実施例3における歩留まりと含水率との関係を示すグラフである。
符号の説明
S1…固形物除去工程
S2…洗浄工程
S3…鉄除去工程
S4…分取工程
S5…フィルタープレス工程

Claims (7)

  1. ケイ砂、粘土、デンプン、植物性油及び炭素を含む生砂型からの廃鋳物砂、及び/又は、ケイ砂と有機バインダー樹脂とを含む有機砂型からの廃鋳物砂を焼成することなく0.5mm未満の粒子径の部分を分取する分取工程を備えることを特徴とする吸着材の製造方法。
  2. さらに廃鋳物砂を水洗する洗浄工程と、
    廃鋳物砂に含まれる鉄類を除去する鉄除去工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の吸着材の製造方法。
  3. ケイ砂、粘土、デンプン、植物性油及び炭素を含む生砂型からの廃鋳物砂、及び/又は、ケイ砂と有機バインダー樹脂とを含む有機砂型からの廃鋳物砂を焼成することなく0.5mm未満の粒子径の部分を分取した分取物からなることを特徴とする吸着材。
  4. 請求項に記載の吸着材を固化材で固めて粒状としたことを特徴とする吸着材造粒物。
  5. 請求項1又は2記載の吸着材の製造方法によって製造された吸着材に水分調整用無機粉末と固化材とを加えて混合し、造粒混合物とする造粒工程と、
    該造粒混合物を篩い分けする篩工程と、
    を備えることを特徴とする吸着材造粒物の製造方法。
  6. 固化材は水に溶解させたときにpHが5.5〜8.6の範囲となる水溶性ポリマーであり、造粒混合物の含水率が25〜35質量%となるように水分調整用無機粉末の添加量を調整することを特徴とする請求項記載の吸着材造粒物の製造方法。
  7. 固化材は酸化マグネシウムであり、造粒混合物の含水率が20〜32質量%となるように水分調整用無機粉末の添加量を調整することを特徴とする請求項記載の吸着材造粒物の製造方法。
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JP2004042137A (ja) * 2002-05-21 2004-02-12 Japan Steel Works Ltd:The 鋳型の製造方法及び鋳型ならびに鋳型砂回収再生方法及び装置

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