JP3382766B2 - し尿系汚水の処理方法およびその装置 - Google Patents
し尿系汚水の処理方法およびその装置Info
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Description
化合物を含有するし尿系汚水を浄化処理するし尿系汚水
の処理方法およびその装置に関する。
廃水の処理方法としては、例えば特公平7−55318
号公報に記載の構成が知られている。
有機性廃水の処理方法は、窒素化合物やリン化合物を含
有する有機性廃水としてのし尿系汚水をスクリーンにて
夾雑物を除去した除渣し尿を、ロータリースクリーンお
よびスクリュウプレスからなる脱水手段にて固形物のほ
とんどを脱水除去し、分離水を微生物にて除渣し尿中の
窒素化合物およびリン化合物であるリン酸イオンの一部
を微生物の栄養源として利用しつつ生物学的硝化脱窒処
理した後、pH4〜5程度に調整しつつ3価の鉄系凝集
剤などの無機凝集剤を添加して凝集反応させ、限外濾過
膜や逆浸透膜などにて膜分離する構成が採られている。
公平7−55318号公報に記載の従来の有機性廃水の
処理方法において、除渣したし尿系汚水は微生物にてほ
とんど分解されないリン酸イオンや溶解している有機物
がそのまま含まれており、生物学的硝化脱窒処理の際の
負荷が大きいため、処理に時間を要する。このため、あ
らかじめ凝集剤などにてこれら微生物にて処理できない
リンや有機物を除去することも考えられるが、凝集剤を
用いると微生物の活性に必要な栄養源まで除去されてし
まい、微生物が増殖できず却って微生物による生物学的
硝化脱窒処理が妨げられる問題がある。
で、窒素化合物、リン化合物および有機物の高度な除去
が簡単な構成で安定して効率よく容易にできるし尿系汚
水の処理方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
水の処理方法は、有機物、窒素化合物およびリン化合物
を含有するし尿系汚水を生物学的に処理するとともに、
3価の鉄系凝集剤を添加して前記リン化合物をリン酸鉄
に不溶化させて分離除去するし尿系汚水の処理方法にお
いて、前記3価の鉄系凝集剤の添加により不溶化されず
に溶解するリン分が2〜3ppmとなる範囲に前記3価の
鉄系凝集剤の添加量および前記し尿系汚水のpHの少な
くともいずれか一方を調整しつつ、このし尿系汚水に前
記3価の鉄系凝集剤を添加するとともにpHを調整し、
この3価の鉄系凝集剤が添加されたし尿系汚水を微生物
にて生物学的硝化脱窒処理し、膜分離するもので、し尿
系汚水に3価の鉄系凝集剤を添加してリン化合物をリン
酸鉄に不溶化し、pHを調整することにより不溶化され
たリン酸鉄の溶解度を調整して以降の生物学的硝化脱窒
処理の微生物の栄養源としてリン酸イオンを残留させる
とともに、溶解性の有機物を副次的に凝集吸着させた
後、生物学的硝化脱窒処理にて有機物および窒素化合物
を除去し膜分離するため、微生物による生物学的硝化脱
窒の際の負荷が低減し、効率よく有機物および窒素化合
物が除去され、膜汚染も低減する。また、微生物の栄養
源として必要なリン源である不溶化されないで溶解する
リン分が2〜3ppmとなる範囲に3価の鉄系凝集剤の添
加量やpHの調節をするため、微生物に必要なリン分だ
け残して微生物にて処理されないリン化合物や溶解性の
有機物を不溶化させ、生物学的硝化脱窒処理の際の負荷
を低減して効率よく有機物および窒素化合物が除去さ
れ、膜汚染も低減する。
請求項1記載のし尿系汚水の処理方法において、し尿系
汚水は、生物学的硝化脱窒処理の前にpH7〜pH9の
アルカリ性に調整されて処理されるため、微生物の活性
が向上し良好な生物学的硝化脱窒が効率よく行える。
有機物、窒素化合物およびリン化合物を含有するし尿系
汚水を貯溜し、前記し尿系汚水に3価の鉄系凝集剤を添
加する凝集剤添加手段、および、この凝集剤添加手段に
て前記し尿系汚水に3価の鉄系凝集剤を添加する際に、
このし尿系汚水のpHを調整するpH調整手段を備え、
前記凝集剤添加手段による前記3価の鉄系凝集剤の添加
量および前記pH調整手段による前記し尿系汚水のpH
の少なくともいずれか一方を調整して、前記3価の鉄系
凝集剤の添加により不溶化されずに溶解するリン分が2
〜3ppmとなる範囲にする混合手段と、この混合手段に
接続され前記3価の鉄系凝集剤が添加されたし尿系汚水
を微生物にて生物学的硝化脱窒処理して第1処理水とす
る生物処理手段と、この生物処理手段に接続されこの生
物処理手段から流出する前記第1処理水を膜分離する膜
分離手段とを具備したもので、混合手段に貯溜した窒素
化合物およびリン化合物を含有するし尿系汚水に凝集剤
添加手段にて3価の鉄系凝集剤を添加してリン化合物を
リン酸鉄に不溶化させるとともに溶解性の有機物を凝集
させた後、微生物の消費により溶解するリン酸イオンを
栄養源として利用しつつ微生物が生物学的硝化脱窒処理
を行って有機物および窒素化合物を除去し膜分離するた
め、微生物が栄養源として溶解するリン酸イオンの消費
によりリン酸イオンとリン酸鉄との溶解度の平衡状態か
らリン酸イオンが適宜溶出し、微生物の活性が栄養不足
から低下することがなく、3価の鉄系凝集剤の添加によ
り必要のリン分以外は不溶化され副次的に溶解性の有機
物が凝集し、生物学的硝化脱窒処理の際の負荷を低減し
て効率よく有機物および窒素化合物が除去され、膜汚染
も低減する。また、し尿系汚水に凝集剤添加手段にて3
価の鉄系凝集剤を添加してリン化合物をリン酸鉄に不溶
化させるとともに溶解性の有機物を凝集させつつ、pH
調整手段にてリン酸鉄の一部が不溶化されずに溶解した
状態にpHを調整し、この3価の鉄系凝集剤を添加した
し尿系汚水を溶解するリン酸鉄を栄養源として利用して
微生物にて生物学的硝化脱窒処理を行って有機物および
窒素化合物を除去し、膜分離するため、必要のリン分を
残して微生物にて処理できないリン化合物や溶解性の有
機物を不溶化させ、生物学的硝化脱窒処理の際の負荷を
低減して効率よく有機物および窒素化合物が除去され、
膜汚染も低減する。さらに、微生物の栄養源として必要
なリン源である不溶化されないで溶解するリン分が2〜
3ppmとなる範囲に凝集剤添加手段による3価の鉄系凝
集剤の添加量やpH調整手段によるpHの調節をするた
め、微生物に必要なリン分だけ残して微生物にて処理さ
れないリン化合物や溶解性の有機物を不溶化させ、生物
学的硝化脱窒処理の際の負荷を低減して効率よく有機物
および窒素化合物が除去され、膜汚染も低減する。
請求項3記載のし尿系汚水の処理装置において、生物処
理手段は、生物学的硝化脱窒処理の前にし尿系汚水をp
H7〜pH9のアルカリ性に調整して処理するため、微
生物の活性が向上し良好な生物学的硝化脱窒が効率よく
行える。
方法の実施の一形態の構造を図面を参照して説明する。
手段1は、し尿2や浄化槽汚泥3などの有機性廃水であ
るし尿系汚水4の夾雑物を除去するスクリーンやスクリ
ュウプレスなどにて構成されている。なお、この除渣手
段1は、例えば微細目スクリーンとスクリュウプレスと
を多段に組み合わせてもできる。
され、この貯溜槽5は除渣手段1にて夾雑物が除去され
た分離水が流入されて貯溜する。
拌手段を備えた混合手段としての攪拌槽6が接続されて
いる。そして、この攪拌槽6には、例えば水酸化ナトリ
ウム(NaOH)を適宜添加してpHを調整するpH調整
手段7、および、3価の鉄系凝集剤である塩化第2鉄を
添加する凝集剤添加手段8が接続されている。
理を行う生物処理手段としての反応槽9が接続されてい
る。この反応槽9には、図示しない溶存酸素量を測定す
るセンサおよびこのセンサからの信号に基づいて適宜空
気を曝気する曝気手段を備えている。
続され、この循環槽10には、反応槽9にて生物学的硝化
脱窒処理された第1の処理水の余剰汚泥を分離する汚泥
分離手段11が接続されている。そして、この汚泥分離手
段11は、循環槽10に接続され循環槽10から流入する一部
の第1の処理水に高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤
添加手段12が接続され汚泥を凝集させる汚泥貯槽13と、
この汚泥貯槽13に接続され凝集された汚泥を脱水除去し
脱水ケーキとして排出する脱水手段14とから構成されて
いる。
過(UF:Ultrafiltration)膜を用いた膜分離手段15が接
続され、循環槽10と膜分離手段15とにて第1の処理水を
循環させる。また、膜分離手段15には活性炭吸着槽16が
接続され、膜分離手段15にて濾過された濾液を活性炭吸
着槽16の活性炭にて残留する有機物、窒素化合物、リン
化合物などの汚染物質を吸着除去する。
段1に流入させ、し尿2および浄化槽汚泥3中に含まれ
る夾雑物を除去し、貯溜槽5に流入させる。そして、こ
の貯溜槽5に流入して貯溜するし尿2および浄化槽汚泥
3の混合液であるし尿系汚水4を攪拌槽6に適宜流入
し、図示しない攪拌手段にてし尿系汚水4を攪拌しつつ
凝集剤添加手段8から適宜3価の鉄系凝集剤である塩化
第2鉄を添加する。この塩化第2鉄の添加により、し尿
系汚水4中のリン化合物であるリン酸イオンと反応して
不溶性のリン酸鉄を生成する。また、塩化第2鉄は、し
尿系汚水4中の高分子溶解性有機物を副次的に凝集し、
し尿系汚水4の化学的酸素要求量(COD)にかかわる有
機物を低減させる。
いた場合、リン化合物の濃度は300mg/lを越えること
はあまりない。このため、理論量から濃度が300mg/l
のリン化合物を不溶化させる塩化第2鉄の量は1500
mg/lであり、し尿40%、浄化槽汚泥60%の一般的な
し尿系汚水4の場合、図2に示す塩化第2鉄の添加量と
リン酸イオン濃度との関係から、塩化第2鉄は1000
〜2000mg/l程度添加する。
整手段7にて例えば水酸化ナトリウム(NaOH)を適宜
添加してpHを調整する。なお、このpHを調整は、添
加された塩化第2鉄にてし尿系汚水4中のリン化合物か
ら生成したリン酸鉄の溶解度を制御し、所定量のリン酸
を溶解させた状態とする。すなわち、し尿系汚水4の処
理の場合において、後工程の反応槽9で微生物により生
物学的硝化脱窒する際に微生物の栄養源として有機物、
窒素およびリンを摂取するが、これら栄養源の必要量と
してはし尿系汚水4の窒素およびリンの比率は5:1程
度で、有機性廃水としてし尿系汚水4を処理する場合に
は、通常10ppm以下、例えば2〜3ppm程度のリン分が
必要となる。
一般的なし尿系汚水4を用いた場合、pHとリン酸イオ
ン濃度との関係が、図3に示すように、塩化第2鉄の添
加量に差ほど影響を受けずに、リン酸イオンとリン酸鉄
との溶解度の平衡状態から、リン酸イオン濃度はpHに
よって異なる。したがって、リン酸イオン濃度が10pp
m程度以下、すなわち一般的なし尿系汚水4では、約p
H7〜pH9程度に制御することが好ましい。
とリンの溶解量が少なくなるが、後工程の反応槽9にお
ける生物学的硝化脱窒処理の際の微生物の活性が低下
し、良好な処理が得られない。また、pH9よりアルカ
リ性側にpHを調整すると、リン酸鉄の溶解量が多くな
り、後工程の生物学的硝化脱窒処理の際の負荷が増大
し、処理後のリン濃度の低減も図れないとともに、微生
物の活性も低下し、良好なし尿系汚水4の処理が行えな
いため、pH7〜pH9に調整する。
節によりほとんどのリン化合物がリン酸鉄に不溶化され
一部のリン酸鉄が溶解したし尿系汚水4を反応槽9に流
入させ、図示しない曝気装置にて、溶存酸素(DO)を
0.5mg/l以下程度、かつ、酸化還元電位(ORP)を−
100〜50mV程度となるように曝気する。また、後工
程で分離される余剰汚泥の一部が返送される。そして、
曝気によりし尿系汚水4中の生化学的酸素要求量(BO
D)にかかわる易分解性の有機物が、返送された汚泥中
に含まれる微生物により生物学的硝化脱窒処理、すなわ
ち、返送された汚泥中の微生物である硝化菌および亜硝
化菌により、し尿系汚水4中の易分解性有機物の一部を
酸化分解したりアンモニア(NH4)などの窒素化合物を
硝酸イオンおよび亜硝酸イオンに硝化するとともに、汚
泥中の脱窒菌にて硝酸イオンおよび亜硝酸イオンを内生
呼吸により易分解性の有機物を利用して窒素ガスや炭酸
ガスなどに還元して放出する。
低いと還元状態となり、反応槽9に流入したし尿系汚水
4中の溶解するリン酸の量と塩化第2鉄の添加量とが当
量で等しい場合、リン酸が再び溶出してしまう。また、
反応槽9のORPが50mVより高い好気雰囲気では、ア
ンモニアなどの窒素化合物の酸化による硝化は進行する
が脱窒速度が低下し硝酸および亜硝酸を脱窒しきれず残
留してしまう。さらに、高濃度に硝酸および亜硝酸が残
留すると、pHが低くなって酸性となりアンモニアなど
の窒素化合物の酸化による除去の阻害となる。このた
め、反応槽9のORPを−100〜50mVに調整するこ
とにより、pH制御によるリンの溶出量の制御が容易に
できるとともに良好に窒素化合物を除去できる。また、
反応槽9のORPを−100〜50mVに調整することに
より、後工程の膜分離手段15の限外濾過膜の膜面に沈着
して膜透過性を低下させる鉄イオンの溶出も防止でき
る。
菌などにて有機物および窒素化合物が生物学的硝化脱窒
処理された第1の処理水を循環槽10に流入させ、この循
環槽10に接続された例えば限外濾過膜の膜分離手段15と
循環させる。また、循環槽10内の第1の処理水は循環に
より限外濾過されずに循環槽10に循環する残留した窒素
化合物やリン化合物、有機物などの汚染物質は循環槽10
で次第に濃縮される。そして、循環槽10内の汚染物質が
濃縮された第1の処理水の一部は、汚泥貯槽13に流入さ
れ、高分子凝集剤添加手段12からの高分子凝集剤の添加
により凝集され、この汚泥貯槽13に接続された脱水手段
14にて凝集した汚染物質を脱水除去し、分離した分離水
は再び攪拌槽6に流入させて処理する。なお、脱水手段
14にて脱水除去する脱水ケーキの一部は、返送汚泥とし
て反応槽9に返送して再び処理してもよい。また、循環
槽10内の汚染物質が濃縮された第1の処理水の一部は、
反応槽9に返送されて循環される。
15との循環により限外濾過された処理水は、活性炭吸着
槽16に流入して残留する窒素化合物やリン化合物、有機
物などの汚染物質を吸着除去し、活性炭吸着槽16から処
理水として放流する。
した窒素化合物およびリン化合物であるリン酸イオンを
含有する有機性廃水であるし尿系汚水4に凝集剤添加手
段8にて塩化第2鉄を添加してリン化合物をリン酸鉄に
不溶化させるとともに溶解性の有機物を凝集させ、pH
調整手段7にてリン酸鉄の一部が不溶化されずに溶解し
た状態にpHを調整した後、微生物にて生物学的硝化脱
窒処理し膜分離するため、有機性廃水であるし尿系汚水
4の生物学的硝化脱窒処理の際に、塩化第2鉄の添加に
より不溶化させたリン酸鉄をpHの調整により一部溶解
するリン酸鉄が微生物の栄養源として利用され、微生物
が増殖し活性が増大するとともに、溶解性の有機物が副
次的に凝集され、生物学的硝化脱窒処理の際の負荷を低
減でき効率よく有機物および窒素化合物を除去でき、汚
染物質の高度の除去により膜汚染も低減できる。
が汚染物質の主体である有機性廃水を処理する場合に
は、生物学的硝化脱窒処理の前段または後段に多量に曝
気、例えばORPを0mV〜300mV程度に曝気して有機
物をBOD酸化菌にて分解させる処理を行う高負荷反応
槽を設けてもできる。さらに、反応槽9としては、硝化
を行う槽と脱窒を行う槽とに区画するなど、いずれの構
造でもできる。
理する有機性廃水を一端貯溜槽5に流入させて有機性廃
水中の汚染物質の濃度を安定化した後、攪拌槽6に流入
させて説明したが、処理する有機性廃水の性状の変動が
少ないものでは、貯溜槽5と攪拌槽6とを1つの槽で行
ってもできる。
びpH調整手段7を設けて説明したが、例えば除渣手段
1に流入させる際にpHを調整しつつ塩化第2鉄の添加
を行ったり、塩化第2鉄を添加した後に貯溜槽5でpH
を調節したり、反応槽9に有機性廃水を搬送する配管に
設けるなど、生物学的硝化脱窒処理前に塩化第2鉄の添
加およびpHの調整を行ういずれの構成でもできる。
を行って説明したが、有機性廃水のリン化合物をすべて
不溶化させる塩化第2鉄を加えてもできる。すなわち、
不溶化されたリン酸鉄は、pHにかかわらず微量ながら
もリン酸イオンとして溶解するため、微生物がリン酸イ
オンを消費した場合、リン酸鉄とリン酸イオンとの平衡
から消費されたリン酸イオン分がリン酸鉄から溶出して
供給されるため、微生物の栄養不足による活性の低下は
生じず、高度な浄化処理が十分に得られる。
10で汚染物質が濃縮された第1の処理水の一部を返送す
る他に、別の汚水処理にて生じた余剰汚泥を用いるなど
でもできる。
凝集剤にて凝集された汚染物質を沈殿分離させたり、凝
集剤を用いず膜分離した汚染物質を返送する汚泥として
利用する構成としてもできる。
に限らず例えば逆浸透膜を用いたものや、限外濾過膜と
逆浸透膜とを多段に組み合わせたものなど、いずれの構
成とすることもできる。また、逆浸透膜を用いる場合に
は、活性炭吸着槽16を用いなくても同様に良好な処理水
が得られる。なお、逆浸透膜を直接用いる場合には、逆
浸透膜の負荷が大きくなるため、前段に限外濾過膜など
の目の荒い膜を用いることが好ましい。
性炭を添加して有機性廃水中に含有する溶解性生物難分
解性の有機物を吸着除去するようにしてもできる。この
構成によれば、生物学的硝化脱窒処理にて処理しにくく
残留しやすい溶解性生物難分解性の有機物を除去でき、
後工程の膜分離手段の膜面にゲル状の層の形成を低減で
き、透過速度の低減を防止して効率よく処理できる。
すなわち塩化第2鉄を用いて説明したが、硫酸鉄などい
ずれのものでもできる。
機性廃水として除渣後の生し尿2が40%、浄化槽汚泥
3が60%のし尿系汚水4の浄化処理を行った実験につ
いて説明する。なお、生し尿2および浄化槽汚泥3の性
状は、表1に実験結果と併せて示す。
溜したし尿系汚水4を、攪拌槽6に1m3/日で流入さ
せ、図示しない攪拌手段にて攪拌しつつ、pH調整手段
7から水酸化ナトリウム(NaOH)を約pH8程度とな
るように0.01m3/日で添加しつつ、塩化第2鉄を
0.01m3/日で添加し、し尿系汚水4中のリン酸イ
オンをリン酸鉄に不溶化させるとともに、溶解性の有機
物を副次的に凝集させ、表1に示す性状に処理する。
11から0.15m3/日の分離水が返送されたし尿系汚
水4を反応槽9に1.17m3/日で流入させ、DOを
0.5mg/l以下、ORPを−100〜50mVに制御して
1日滞留させる。この反応槽9で滞留中に循環槽10から
返送された第1の処理水中の微生物などにより生物学的
硝化脱窒処理を行い、表1に示す性状の第1の処理水に
処理する。
せ、この循環槽10に接続された限外濾過膜の膜分離手段
15とで、限外濾過の濾過速度を1.5m3/m2・日の
条件となるように循環させる。また、循環槽10内の汚染
物質が濃縮された第1の処理水を0.15m3/日で汚
泥貯槽13に流入させ、0.03m3/日で高分子凝集剤
を添加し、さらに脱水手段14にて0.03m3/日の凝
集された汚染物質を脱水ケーキとして排出し、分離され
た0.15m3/日の分離水を再び攪拌槽6に返送す
る。
02m3/日で流出する第1の処理水を活性炭吸着槽16
に流入させ、残留する汚染物質を吸着除去し、活性炭吸
着槽16から表1に示す非常に良好な性状の処理水を得
た。
よれば、し尿系汚水に3価の鉄系凝集剤を添加してリン
化合物をリン酸鉄に不溶化し、pHを調整することによ
り不溶化されたリン酸鉄の溶解度を調整して以降の生物
学的硝化脱窒処理の微生物の栄養源としてリン酸イオン
を残留させるとともに、溶解性の有機物を副次的に凝集
吸着させた後、生物学的硝化脱窒処理にて有機物および
窒素化合物を除去し膜分離するため、微生物による生物
学的硝化脱窒の際の負荷を低減でき、効率よく有機物お
よび窒素化合物を高度に除去でき、膜汚染も低減でき
る。また、微生物の栄養源として必要なリン源である不
溶化されないで溶解するリン分が2〜3ppmとなる範囲
に3価の鉄系凝集剤の添加量やpHの調節をするため、
微生物に必要なリン分だけ残して微生物にて処理されな
いリン化合物や溶解性の有機物を不溶化させ、生物学的
硝化脱窒処理の際の負荷を低減して効率よく有機物およ
び窒素化合物を高度に除去でき、膜汚染も低減できる。
れば、請求項1記載のし尿系汚水の処理方法に加え、生
物学的硝化脱窒処理の前にpH7〜pH9のアルカリ性
に調整して処理したため、微生物の活性が損なわれるこ
となく向上でき良好な生物学的硝化脱窒を効率よく行え
る。
混合手段に貯溜した窒素化合物およびリン化合物を含有
するし尿系汚水に凝集剤添加手段にて3価の鉄系凝集剤
を添加してリン化合物をリン酸鉄に不溶化させるととも
に溶解性の有機物を凝集させた後、微生物の消費により
溶解するリン酸イオンを栄養源として利用しつつ微生物
が生物学的硝化脱窒処理を行って有機物および窒素化合
物を除去し膜分離するため、微生物が栄養源として溶解
するリン酸イオンの消費によりリン酸イオンとリン酸鉄
との溶解度の平衡状態からリン酸イオンが適宜溶出し、
微生物の活性が栄養不足から低下することがなく、3価
の鉄系凝集剤の添加により必要のリン分以外は不溶化さ
れ副次的に溶解性の有機物が凝集し、生物学的硝化脱窒
処理の際の負荷を低減でき効率よく有機物および窒素化
合物を高度に除去でき、膜汚染も低減できる。また、し
尿系汚水に凝集剤添加手段にて3価の鉄系凝集剤を添加
してリン化合物をリン酸鉄に不溶化させるとともに溶解
性の有機物を凝集させつつ、pH調整手段にてリン酸鉄
の一部が不溶化されずに溶解した状態にpHを調整し、
この3価の鉄系凝集剤を添加したし尿系汚水を溶解する
リン酸鉄を栄養源として利用して微生物にて生物学的硝
化脱窒処理を行って有機物および窒素化合物を除去し、
膜分離するため、必要のリン分を残して微生物にて処理
できないリン化合物や溶解性の有機物を不溶化させ、生
物学的硝化脱窒処理の際の負荷を低減でき効率よく有機
物および窒素化合物を高度に除去でき、膜汚染も低減で
きる。さらに、微生物の栄養源として必要なリン源であ
る不溶化されないで溶解するリン分が2〜3ppmとなる
範囲に凝集剤添加手段による3価の鉄系凝集剤の添加量
やpH調整手段によるpHの調節をするため、微生物に
必要なリン分だけ残して微生物にて処理されないリン化
合物や溶解性の有機物を不溶化させ、生物学的硝化脱窒
処理の際の負荷を低減して効率よく有機物および窒素化
合物を高度に除去でき、膜汚染も低減できる。
れば、請求項3記載のし尿系汚水の処理装置に加え、生
物処理手段により生物学的硝化脱窒処理の前にし尿系汚
水をpH7〜pH9のアルカリ性に調整して処理するた
め、微生物の活性が損なわれることなく向上でき良好な
生物学的硝化脱窒を効率よく行える。
を示す説明図である。
の関係を示すグラフである。
ラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機物、窒素化合物およびリン化合物を
含有するし尿系汚水を生物学的に処理するとともに、3
価の鉄系凝集剤を添加して前記リン化合物をリン酸鉄に
不溶化させて分離除去するし尿系汚水の処理方法におい
て、前記3価の鉄系凝集剤の添加により不溶化されずに溶解
するリン分が2〜3ppmとなる範囲に前記3価の鉄系凝
集剤の添加量および前記し尿系汚水のpHの少なくとも
いずれか一方を調整しつつ、このし尿系汚水 に前記3価
の鉄系凝集剤を添加するとともにpHを調整し、 この3価の鉄系凝集剤が添加されたし尿系汚水を微生物
にて生物学的硝化脱窒処理し、 膜分離することを特徴としたし尿系汚水の処理方法。 - 【請求項2】 し尿系汚水は、生物学的硝化脱窒処理の
前にpH7〜pH9のアルカリ性に調整されて処理され
ることを特徴とした請求項1記載のし尿系汚水の処理方
法。 - 【請求項3】 有機物、窒素化合物およびリン化合物を
含有するし尿系汚水を貯溜し、前記し尿系汚水に3価の
鉄系凝集剤を添加する凝集剤添加手段、および、この凝
集剤添加手段にて前記し尿系汚水に3価の鉄系凝集剤を
添加する際に、このし尿系汚水のpHを調整するpH調
整手段を備え、前記凝集剤添加手段による前記3価の鉄
系凝集剤の添加量および前記pH調整手段による前記し
尿系汚水のpHの少なくともいずれか一方を調整して、
前記3価の鉄系凝集剤の添加により不溶化されずに溶解
するリン分が2〜3ppmとなる範囲にする混合手段と、 この混合手段に接続され前記3価の鉄系凝集剤が添加さ
れたし尿系汚水を微生物にて生物学的硝化脱窒処理して
第1処理水とする生物処理手段と、 この生物処理手段に接続されこの生物処理手段から流出
する前記第1処理水を膜分離する膜分離手段とを具備し
たことを特徴とするし尿系汚水の処理装置。 - 【請求項4】 生物処理手段は、生物学的硝化脱窒処理
の前にし尿系汚水をpH7〜pH9のアルカリ性に調整
して処理する ことを特徴とした請求項3記載のし尿系汚
水の処理装置。
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JP34146695A JP3382766B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | し尿系汚水の処理方法およびその装置 |
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